投句控 :500句/1頁

前のページ次のページ
居酒屋に賛美歌ひびく年惜しむ 勉聖
山寺の苔むす句碑や冬ざるる もとこ
寒空や突煙雲と同化して きよえ
買ひ物のメモに師走の独り言 康子
数へ日の静まりおはす仏達 うつぎ
妻と吾の間髪入れぬ嚔かな えいじ
古民家や月冴ゆる夜の鬼瓦 愛正
思いがけず息子も参ず降誕祭 和繁
雨晴れて古木艶めく冬紅葉 康子
尻ふつて羽繕ひ終ふ日向鴨 みのる
塩振れば雪景色となる風景画 たか子
カンテラの雨に滲みし聖夜かな むべ
柚の香を纏ひ一杯冬至酒 みきお
アルファベッドおどるカードやクリスマス なつき
散り残る葉もちらほらと枯木立 せいじ
月冴ゆり鋭き山襞妙義山 愛正
燭火つぐ会衆席やクリスマス むべ
お墓そうじ最後に石蕗を供華とせし 千鶴

2025年12月23日

日の暮れてなお匂ひ増す冬薔薇 みきお
窓ガラス磨きしばしの日向ぼこ 康子
久に訪ふ実家や泥つきの大根 こすもす
冬至南瓜のお下がりもらふエコバッグ なつき
振り向かず手を振る人や聖菓置き うつぎ
黄金を敷きたる蝋梅木の葉かな よし女
百度踏み磴の落葉にな滑りそ みのる
恙きひととせ思ひ柚子湯入る 澄子
しんがりの官吏と巡る園小春 せいじ
車いす押すのも慣れし日記買ふ ふさこ
拭きし窓枯れ葉時雨の山日和 よし女
霜月や街に馴染めぬ身にままに 藤井
迷ひつつ厨を離れし冬の蝶 勉聖
長生きの犬軽快に冬の朝 和繁
極月の華燭煌めく並木道 澄子
鴨の浜杖の妻の手引きゆけり なつき
裸木や2ミリの枝に芽の見えて 明日香
そそくさと師走の土手の犬散歩 愛正
砂煙上がる湧き水小六月 みきお
鴨行けば止まりて水を飲む一羽 和繁
痺れたる指先沈め冬至風呂 むべ
冬の朝踏み行く道の影長し 博充
「マスクせよ」声なき巡査風光る 藤井
湾処には日差しあふれて鴨の陣 あひる
ひとつまたひとつと終はる年の暮れ わたる
鬼柚子のでこぼこ触るる柚子湯かな むべ
竹林の隣る小春の御幸道 せいじ
屈曲をなぞる指先冬北斗 えいじ
付箋立つ古き歳時記や師走かな 勉聖
雨の日のしんどい時の鍋料理 明日香
着膨れの烏合吸い込み改札口 あひる
冬バラの小川に流る三ひらほど きよえ
石畳冬紅葉観て湯屋に入る きよえ
句集手に来し方想ふ日向ぼこ みのる
欠伸すれば渦巻く息の白さかな えいじ
散り残る紅葉ひとひら日を返す やよい
寝覚めれば時計の疾き師走かな 愛正
煤逃げやふと図書館に身を置きぬ たか子
万歩計つけて厨の年用意 康子
ぬくもれる身にゆず風呂の香り立つ 千鶴
落ち葉して茅葺屋根の芭蕉庵 もとこ
遠目にも燃え上がりたる冬紅葉 ぽんこ
手土産の香り広ごる冬林檎 みきえ

2025年12月22日

県境の連峰はるか冬日和 愛正
冬の星最終バスに乗り遅れ 藤井
怒涛なる枯葉駆け出す風の道 えいじ
鴨の浜水浴びしたる潮溜り なつき
布巾もて包む湯飲みや葛湯吹く むべ
山茶花の開花数ふる亡母まねて あひる
反り返るほどに花芯を石蕗の花 明日香
霧晴れてやつと冬至の朝が来る 和繁
空っ風押す子踏ん張る車いす ふさこ
佳き事を十個指折り年惜しむ わたる
書き留めて頁を閉づる年の暮 勉聖
冬晴の赤城山麓野鳥舞ふ 愛正
数へ日のやり残しメモ数多なり かかし
霜柱友の訃を告ぐる男来る 藤井
街灯に帰宅急かされ冬至の日 澄子
父母へ添え書き同封新暦 えいじ
讃美歌に燭火も揺れてクリスマス せいじ
紅葉の日に透かされて更に濃し ぽんこ
もぞもぞと着膨れ動くベビーカー 康子
かぜしらずてふ柚子釜の葛湯かな せいじ
京時雨愛宕山には日差しけり もとこ
そこそこの息災謝して柚子の風呂 たか子
石路の黄や日暮の蕗地の明かりかな きよえ
逃げ腰の風の落葉を叱りけり みのる
匂ひ良き柚子風呂で終ふ一日かな こすもす
落ち葉降る微かなる音重ねては よし女
取り置きし柚子そっと置く湯舟かな みきえ
木枯の虜となりしビル谷間 康子
青空に白く映えたり冬桜 みきお
蓋を取る先から柚子の香る風呂 和繁
声揃え募金乞ふ児ら冬温し やよい
我が短躯異様に伸びて冬至の日 千鶴
冬の空パンダ模様の雲が往く よし女
木道を下りれば木の葉時雨かな むべ
冬の朝井戸の水音響きけり 博充
住人無塀の冬バラ香を放ち きよえ
掃く沙弥に風の落葉のとめどなし みのる
冬の朝や白湯の湯気一筋に 博充
柚子揉んで一番風呂の居候 澄子
放棄田に手袋片手錆びし鍬 かかし
枯れ枝や連なる鈴は雨の粒 明日香
冬至南瓜切り分く鉈の音軽し なつき
落ちてなほ色をとどめる冬椿 みきお
飛沫あげ鴨の降下よ滑走よ うつぎ
丙午や万物ひそと福を得る 勉聖

2025年12月21日

頬被とれば紅顔なる庭師 みのる
祖母のゐてむつき炙りし丸火鉢 もとこ
一人ずつ渡る石橋冬の池 あひる
玄冬やうまみ深まる一炊の夢 勉聖
年用意確認しあう通院日 愛正
石灯籠頭上に被る落葉帽子 ぽんこ
クリスマス声高らかに賛美せん きよえ
色変えぬ松を屏風とせる離宮 あひる
カーブして聖歌の響む高天井 むべ
無住寺の境内埋む銀杏黄葉 こすもす
鉄橋の鳴りて汽笛は寒空へ 博充
冬の雨草木ひっそり雫落つ きよえ
日めくりを貰って帰る理容院 よう子
冬晴や挨拶交はす知らぬ人 わたる
木漏れ日の明滅やさし小春杜 えいじ
空澄みて冬耕終へし棚田かな 勉聖
沓脱石紅葉畳に浮かびをり 澄子
裸木に透けて古書院中書院 せいじ
洗車機の前に行列年の暮 和繁
編み棒の指揮棒代はり聖歌隊 むべ
陽だまりを背中にのせて冬散歩 青海
杣道の奥へと誘ふ山小春 わたる
犬に声掛けて散歩や小春園 えいじ
寒の日や縁に残りし下駄一足 博充
風孕みゆるりと和船冬の凪 みきえ
師走の京たすき繋ぎて激走す 千鶴
冬木の芽肩に触れたりお砂踏み なつき
隣家より登る陽を待つ冬の朝 康子
弁慶の如き装束すす払ひ みきえ
冬ざれしシャッター街を急ぎ足 澄子
木の葉髪集ひ語るは愚痴ばかり みきお
長寿眉とび出してをる頬被 みのる
寝炬燵の具合叩いて整えて たか子
もつれ合ふ蔓梅擬空の青 ほたる
冬空へぱさぱた拍手駅ピアノ 青海
んのつく物見繕ひ冬至の餉 うつぎ
午後よりの風に裸木となれり よし女
実南天垂れ何を待つ塀越しに ふさこ
ぜんざいの餅をつまめば伸びに伸び 和繁
洪水の痕跡残る冬河原 愛正
梯子乗り弟子に教へる松手入れ なつき
閉ぢられてしるき書院の白障子 せいじ
夫と息合はせ神棚煤払ひ 康子
水浴びす鴨の水輪の延々と やよい
蝋梅の微かな香り路地裏に みきお
朝よりのことに鴉のよく鳴く日 よし女

2025年12月20日

葉隠れの隙間を染める実南天 ぽんこ
友来たる越し方語り年忘れ たか子
土塊を割りて豌豆首もたげ よう子
凍て風に重なる山なみ肌露わ 愛正
先人の噛みし度胸の海鼠噛む もとこ
裏山の蘖数花冬至梅 愛正
冬ぬくし白髪美しき米寿祝ぐ なつき
冬陽燦あられこぼしの敷石に あひる
苔の庭朴の葉みな落ち尽くせり 勉聖
鰤起こし旅人招く氷見の海 ふさこ
ぽんぽんと主なしとて花八手 こすもす
ミイラめくこの薮巻は蘇鉄らし せいじ
フェアウェイに球四つあり冬うらら えいじ
枯蓮に紛れてゐづや河太郎 みのる
一客にあれこれ忙し布団干す 澄子
霜おりし田畑ひろびろ米どころ 和繁
年の暮れバイクの僧衣走り去る 千鶴
シュトレンの最後の五ミリクリスマス せいじ
クリスマスソング流れる街で酔ふ わたる
独り居の父にたん瘤年用意 康子
椋の実か鹿の糞かや峡住まひ うつぎ
枯蓮の容梵字に似たりけり みのる
散るままに離れ座敷の紅葉かな 澄子
鴨たちは土手に集まりひなたぼこ 明日香
温かき蒲団の中の目覚めかな えいじ
大根干す枝いっぱいの大樹かな みきえ
鴨の声間遠にひびく離宮かな あひる
カーテンの少し揺れてる隙間風 藤井
履く庭のどんぐり固まる一と所 よし女
くぬぎ並木伐られ見渡す冬の河 和繁
なぞえなる神経質の葱たてり ほたる
薔薇めけるヒマラヤ杉の実の開く むべ
チャリティ募金大声の児の箱に入れ やよい
朝時雨古刹の鐘に傘を止む 博充
日盛りに黒雲かかり時雨かな きよえ
帯となり潮目流るる浮寝鳥 なつき
一人居に慣れて仰ぐや冬の星 藤井
行きずりに会釈を交はす冬日和 わたる
寒の夜や井戸に星影震えをり 博充
茶の花の痩せて数多は枝にあり よし女
かさこその音に引かれて枯れ葉追う 明日香
白亜なる四阿透かす紅葉坂 康子
冬鳥の飛び去り枝葉弾けをり きよえ
翅重く死蜂は石のごとくあり 勉聖

2025年12月19日

冬夕日携ふ如し茜雲 きよえ
落暉いま全反射せる枯野かな みのる
青空に編み目のごとく冬芽つけ ぽんこ
嬰の名を宛名に添へて年賀状 康子
青空を日に照らされて落葉降る えいじ
離宮なれば雅びに見ゆる番鴨 せいじ
前撮りを色葉吹雪が祝福す やよい
玄関の飾りとなりぬ古火鉢 もとこ
落暉へとドックランせる枯野かな みのる
秋日濃し茅葺屋根の御幸門 せいじ
時雨空滅入る気持ちを振り払う 明日香
目の窪む鮭吊るす軒雪催 ほたる
寒厨や軒につららの影青し 勉聖
耳忙し補聴器眼鏡マスクして よし女
列長き郵便局や年の暮 むべ
古民家の寄り添う古木冬至梅 愛正
グランドゴルフ雪化粧した山の麓 こすもす
漬け樽の並びて干さる冬日和 わたる
発句せんと凩のなか歩きけり えいじ
駅前に電飾展ぐクリスマス みきえ
抽斗に黒豆レシピ土井勝 よう子
葱の根の甘み染みる肉うどん 藤井
白子炊く味は店ごと年の市 なつき
バイバイと手を振る子等や冬暖 きよえ
木枯や三叉路に出て迷ってる みきお
枯枝に残る一枚星流る みきお
庭隅の鈴なり柚子や冬至風呂 愛正
誕生日や孫の声満つ冬厨 勉聖
散紅葉土産袋に添へられて むべ
和布団は母の温もり干しゐたり うつぎ
お下がりの大根抱いて帰り道 なつき
寒椿狭庭の隅に陣取りて ふさこ
木の影の濃ゆき黄落浄土かな 康子
看護助手スロープに振る融雪剤 和繁
寒暁や始発電車の混みぐはひ 澄子
山茶花の白咲き初めし光かな あひる
鴨たちの川面を泳ぐ姿減り 明日香
曲芸も手土産も有り年忘れ たか子
仏壇に夫の遺骨日脚伸ぶ 藤井
しづかなる小児科医院冬日燦 和繁
冬夕焼け遠き影絵の摩天楼 あひる
漆黒の闇を一撃雪起こし ほたる
葉を落としつつ蝋梅のふくらみぬ よし女
初霜のおりたる苗に肥料まく 千鶴
お天気の今日とばかりに布団干す うつぎ

2025年12月18日

街聖歌昔を偲ぶクリスマス わたる
目標の七千歩超え年の市 せいじ
冬日燃ゆ母亡きのちのわれひとり 藤井
初雪や枯山水の無音界 かかし
若き日の面影とおし木の葉髪 ほたる
加湿器の結露おびただしき師走 和繁
着膨れの解かれゆく陽のベンチかな 康子
蔵の奥光をたたむ金屏風 ほたる
雪消えて歳末感の失せし町 和繁
山城の冬蔦綴る野面積 むべ
黒豆をふつくらと炊く十二月 ぽんこ
木の葉髪更に余生を愉しまむ やよい
短日の一気に下がる気温かな こすもす
煮付け香の霜月鰈箸進む 愛正
風止みて頬に優しや小六月 えいじ
隙間風心に吹きてもの寂し 藤井
裸木の連なる街や空広し みきお
餅焦がす四の五の言ふ人今は亡く よし女
冬の蝶日差しの中に小さき翅 きよえ
尻尾立て横切る猫や夕端居 みきお
図書館にふと目を上げる落葉降る もとこ
冬うらら日の燦燦の青空や きよえ
通りすぎまた引き返す落葉掻き みきえ
手術日の小さき丸や新暦 なつき
車窓過ぎ流がるる年へ雲むかふ ふさこ
笠置けば風の音のみ冬木曽路 勉聖
蟷螂の闘魂に猫あとじさり みのる
飯桐の垂るる実引くやひよの群れ むべ
大樽を売り台として千枚漬 あひる
歌流れ街華やかにクリスマス わたる
暖房の窓開け放ち光る空 山椒
放課後の校舎にしるき枯木影 康子
着ぶくれと思はれたき日同窓会 千鶴
甘南備へ吹きつ曝しの冬田道 せいじ
木戸開かば野鳥飛び立つ冬至梅 愛正
冬蜂の今際晄れり道の端 えいじ
皸よ痺れよもろ手摩りたる たか子
山眠る背鰭の如き尾根の松 うつぎ
電飾の銀杏落葉や御堂筋 かかし
荷を解けば夜のとばりや冬宿場 勉聖
千枚漬老舗あるじはゴム長靴 あひる
音のなく落葉時雨の窓辺かな よし女
蟷螂の動きはパントマイムかな みのる
葉の落ちて実のみたわわや残り柿 こすもす

2025年12月17日

塀の影我が背のまるし手の悴む きよえ
小春日を川面に浮かせきらめ行き 青海
雲浮かぶ城の内壕白鳥来 山椒
玻璃越しに猫の見上ぐる冬木の芽 こすもす
最初から尻餅つきて大根引く よし女
朝まだき野に競奏の虎落笛 えいじ
ゴルフバッグ抱へて夫の煤逃げす なつき
杣けむり小春の空へ昇り初む あひる
久しぶり訪ねし街に昼の火事 藤井
山茶花の散りて山路のしるべかな むべ
信号を曲がれば冬の霧の里 和繁
冬の蝿玻璃の青天井を這ふ みのる
冬日差し猫の飛び乗る出窓かな 澄子
縁に出て向きを変えては冬日浴ぶ 明日香
掃くなかれ樹下輪状の散紅葉 せいじ
冬鳥やひとうねりして藪の中 明日香
朝一番障子に映る鳥の影 みきお
ドアボーイポインセチアを侍らしむ みのる
読み出して悲喜交々や古日記 たか子
被爆者のdnAや冬菫 藤井
葉のつひに全て落ちきる冬青空 和繁
冬薔薇ゆるり舞ひ散る淡き色 ふさこ
付き添いの医療通いや歳の暮れ ぽんこ
姿見のよく磨かれて冬座敷 澄子
初雪や奈良井の宿の灯ひとつ 勉聖
夕時雨ひとりの夕餉齪でなし うつぎ
店出ればポツと冷たや暗き昼 きよえ
鎮守杜鈴の音聞こゆ冴る風 愛正
番号で呼ばれて受診石蕗の花 みきお
短日や家路急かさる夕間暮れ みきえ
自販機のあつたか柚子茶抱く散歩 あひる
麦芽良く伸びいし畑や家建つる よし女
土に埋む貯蔵のごんぼ霜柱 千鶴
日向ぼこ特等席は猫が占め 山椒
冷たき手から手にのす缶しるこ なつき
ポインセチア窓辺に赤く聖夜かな 勉聖
そそくさと通ひの医者へ年の暮 せいじ
冴る月古民家護る鬼瓦 愛正
蒼天へ桜枯木や千手開く えいじ
オリオンに大漁祈り出航す わたる
柚子湯して肺の潤ふ深呼吸 康子
バスローブ柚子湯上がりの香を包む 康子
冬紅葉池に迫り出し天蓋に むべ
ひつそりと本に埋もるる小夜時雨 もとこ
ちょろちょろと小川のゆく手帰り花 青海

2025年12月16日

里の宮松葉透かして冬日向 きよえ
小走りとなるや家路の虎落笛 あひる
雑踏に幸せ飾るポインセチア もとこ
蒼穹や黄金ひとひら銀杏散る 勉聖
歯固めの餅食ふ爺は九十歳 みきお
偕老のひとりは杖や寒日和 せいじ
庭石の裂け目の奥や石蕗の黄 勉聖
天井に日の斑揺らめく冬日差 わたる
歳末の喧騒避けて冬薔薇 かかし
朝日差し虹色めきぬ冬の雲 和繁
松林冬の日向に杖軽し きよえ
薮巻の古刹の瞑路広くなり 愛正
日めくりの薄くなりたり年の暮れ みきお
つむじ風枯れ葉の小山そこここに 明日香
到来の今年も行けたと大蜜柑 よし女
この道や千鳥の浜へ通ず道 よし女
新酒飲み比べし蔵のレストラン なつき
放置田の半分占めて冬芒 こすもす
老人の集ひに鴨の寄り来たる せいじ
群鳩の風にちりぢり冬の空 えいじ
花枇杷の夜明けの径にかほりくる えいじ
昃りくる雲のいぢわる日向ぼこ みのる
電球を替へるついでの煤払ひ 康子
祝はんかな十二の歳を冬銀河 千鶴
ノラ猫の香箱座り冬日向 澄子
遠望の黒き稜線冴え返る 愛正
みの虫の枯れ葉に化けた小枝あり 明日香
娘のお古だと言い訳し朱のジャケツ あひる
刻々と闇の濃くなり夕時雨 和繁
百年の學校閉鎖散紅葉 かかし
水洟や牛に涎の長ながと 藤井
たなごころ思ひ出一つ冬苺 ふさこ
日輪の川面にもあり枯尾花 ほたる
対岸のホームに見慣れし冬帽子 澄子
相合傘濡れて急ぐや夕時雨 藤井
地団駄を踏みて始末す落葉焚 みのる
目つぶしの夕日を透かす大枯木 康子
干し布団シーツにママと日の匂ひ なつき

2025年12月15日

第九聞く鼓舞されいよよ歳晩へ もとこ
冬の浜斥候めきて鳩並ぶ うつぎ
群鳩の北に高舞ふ空青し えいじ
願ひごと念じて開く初御籤 みきお
ふる里の庭にひそかに水仙花 藤井
うしろより凩推せり夜の坂 えいじ
一と所割れて日矢射す時雨空 よし女
灯りしは朱の蝋燭やクリスマス せいじ
冬の日の風に遊ばる遊具かな きよえ
お下がりのズボン裾上げ冬灯下 なつき
獣道あらはに見せし枯野かな 澄子
石臼に湯気たつ餅や杵高く あひる
看護師の脈診る指の冷たさや よう子
一穢なき空や飛機へと冬日燦 康子
枯木立透かす灯りは無人駅 和繁
石畳古き旅籠の冬木曽路 勉聖
冬ざれやカラスの声ももの悲し 明日香
渓の音毛利元就冬の霧 藤井
ふかふかと羽毛布団の日の匂い ほたる
冬日和二階の孫の駆け回る わたる
冬の星遠き夜汽車の汽笛かな わたる
指し図無く我が思ふまま年用意 たか子
折込のチラシ嵩なす十二月 みのる
六尺の婿頼もしき年用意 澄子
かろうじて残る紅葉に映える山 明日香
冬暁ビルの玻璃窓赫と燃ゆ ほたる
枯蓮の虚実混交池鏡 みのる
築以来続き配らる暦かな みきえ
庭師の真似僧の施す冬囲ひ 愛正
後始末まで念入りに餅を搗く せいじ
餅つきの果てて和めるボランティア あひる
白壁に色まで映す紅葉影 みきお
冬夕焼黒き渦まく椋の群れ なつき
馬籠坂石の冷たさ冬日射す 勉聖
冬靄の奥へと鳶が螺旋描く 和繁
既に満員映画館内の炬燵 こすもす
時雨きて東に大き虹の足 やよい
引越しをねぎらひ蜜柑放りけり 康子
一つずつ事の片づく師走かな 千鶴
古ごよみ重き年なり後わずか ふさこ
菰巻かれ侍る松の木藩主墓所 愛正
冬の空日を隠しをり重き雲 きよえ
裸木に不動明露わ手水かな ぽんこ

2025年12月14日

結露窓指の跡より蒼き空 ほたる
尊属の皆逝き尽くし冬蕨 うつぎ
盛上がる話題お湯割より熱燗 こすもす
注連飾りはや玄関に雀来る みきお
グランドに母らの声援着膨れて 康子
枯蓮の弊衣破帽といひつべし みのる
嬰の顔ほどはありそう蕪もらふ よし女
倒れし草落葉はらりと着地する ぽんこ
待降節たくさん作る案内状 和繁
杖たてて音たてすする新蕎麦よ ほたる
北時雨畑の土くれ艶めきて 千鶴
寒菊の倒れてもなほ咲乱れ あひる
広島や秋の光にノーベル賞 藤井
寒林や青天井の果てしなく 青海
クリスマス牧師の燭火よく燃ゆる 和繁
鉢植えにサンタちょこっと置いたりも たか子
大売り出し箱に整列富有柿 みきえ
夫偲び八丁味噌のおでん煮る むべ
無事検査終へて小春の一万歩 康子
奥道後湯の香に混じる牡丹雪 藤井
野鳥の群草枯れ広き冬河原 愛正
人間も鴨もカップル園たのし せいじ
早々と数の子添へて一人膳 よし女
走り根の縦横無尽枯木宿 せいじ
広池を自由自在や鴨散りぬ えいじ
雑踏の背なで感じる雪催ひ わたる
鈍色の空より打つや時雨傘 むべ
極月やウーバーイーツ駆ける街 もとこ
病む窓や枯れ木透かして昼の月 明日香
海風にしなる水仙崖の上 みきお
錦して六甲連山絵巻なす みのる
冬瀬戸のうず潮詠めとライン来る えいじ
討ち入りの日のくじ引きに役当たり なつき
瑞々し大根また買ふ直売所 みきえ
里山や冬山鳩の声澄みぬ 勉聖
餅つきの翁と子らとガードマン あひる
古池や名があると言ふ寒の鯉 きよえ
掻く人の心遣いや帰り花 きよえ
柿の木や残る一葉の枯葉ゆれ 青海
迷いつつ冬蝶厨を離れけり 勉聖
電球替え討ち入りの日の明るかり なつき
町に出て日記買うことなく帰る 明日香
黒き影淀みに群るる冬の鯉 愛正
義士会や寺に血判状の石 山椒
寒搗きの温かき米香り立つ ふさこ

2025年12月13日

実南天折れんばかりに身を曲げて よし女
日当たりを追ふて位置変ふ布団干し みきえ
流行り風邪一人うつらぬ子の元気 なつき
荒れ寺にたわわに実る蜜柑かな せいじ
乳色の南京櫨の実の弾け むべ
寒卵割れば飛び出す黄味二つ みきお
通学路旗振る保護者の息白し 愛正
枯枝に連なり赤き烏瓜 勉聖
夜明けまえ冬のランタナ睡りをり えいじ
波高く鳶舞ふばかり冬の海 やよい
剪るに惜しなほ矍鑠と賞の菊 みのる
参道に灯りを点す実南天 ぽんこ
工場の玄関今年は聖樹立つ 和繁
裸木を貫いてゆく飛行雲 康子
街師走シャッター音で始まりぬ もとこ
極月や赤で書き込むあれやこれ たか子
常連の散歩者見かけぬ冬川原 愛正
モーニングやトーストコーヒー煮凝り 藤井
鴨なべてペアーや眺めをる人も せいじ
森の香や糸杉の実を家苞に むべ
湯豆腐を好む齢となりにけり 澄子
煤逃げで鉢合わせする親子かな みきお
北野坂華燭を綴るクリスマス みのる
山茶花に佇てば花びら一枚が よし女
ビオロンの音は風に散る冬の園 なつき
歳暮受く元気何より老二人 きよえ
菓子の家並ぶクリスマス市場 山椒
襖鎖して笑む声絶へぬ句座の夜 えいじ
歳晩や佐渡氏指揮する大合唱 千鶴
あるほどの話出尽くし置炬燵 うつぎ
電柱のてつぺんに凝る鳶に雪 和繁
寒き日や地震一撃にひやりとす 澄子
あてもなく産直巡る旅小春 わたる



前のページ次のページ