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握手して再会約す秋灯下 なつき
コスモスの倒れ上手や咲き続け よし女
砂煙上げる湧き水秋の池 みきお
終ひ湯の夜空震わす遠花火 もとこ
仰臥して動かぬ蜻蛉露の中 和繁
長女次女いずれもやさし秋の風 藤井
灯火親しことばやさしき説教集 あひる
ゴルファーのボール探さず茸採る えいじ
錦秋の覚へきつたる七曲り うつぎ
古書店へ本を束にし秋さやか あきこ
不揃ひのバケツに千草無人店 康子

2025年10月17日

木造の小さな画廊鳳仙花 藤井
溝に生る青紫蘇に実の太りけり あひる
秋晴や海を眺むる大風車 えいじ
遠山を二色に分ける紅葉かな わたる
児に勧むサラダに柿の小口切り そうけい
落葉して電柱しるき並木道 せいじ
秋日傘傾げ駅まで急ぎ足 みきえ
久に乗るトラクター鋤く秋の土 千鶴
朝寒や鍬に乾きし土の色 博充
明日香路の猿石の顔秋うらら 明日香
長き夜や目覚めラヂオの昭和歌謡 もとこ
寝そべりし老ひ犬の前小鳥来る むべ
早朝の挨拶一言肌寒し 愛正
狂ふては秋双蝶の空綯へり えいじ
鈴なりの柿取り敢えず三個のみ こすもす
松枯れの切株ならび秋の冷え なつき
上り来る今日の月影魚跳ぬる よし女
待ちきれず食前に柿かりかりと そうけい
神灯の溢れ末社の秋祭り あひる
黄金田や金銀テープ揺れ止まず やよい
最高の登山日和や秋の晴れ 澄子
山野草活けし窓より秋の苑 康子
落葉踏む市長の条件大卒か 藤井
犬の鼻掻き分け進む草紅葉 みきお
秋刀魚焼く煙をもろに竈神 うつぎ
敦盛塚山電過ぐる音涼し なつき
十三歳祝う赤飯秋うらら こすもす
柿の天手の平翳し風を知る 博充
天高し飛機雲天に吸い込まる きよえ
山澄みてフェルマータなる鳶の笛 むべ
秀枝より秀枝へ鳥語秋高し 康子
アマリリス大輪咲きし道端に きよえ
白萩を籬としたる旧家かな 澄子
秋茄子や跳ねて踊って鍋の中 よし女
秋高し蓄へもある蜘蛛の網 和繁
今朝の空褪せた樹間に酔芙蓉 ぽんこ
須磨の浦までも望める山の秋 勉聖
秋深しトップ交代劇盛ん たか子
朝霧を裂いて一声牛の声 愛正
須磨涼し漁船と電車並走す せいじ
蓮の葉を叩く雨音黒き雲 みきお
啄木の詩やうら悲しき秋思かな 勉聖
落葉して朴の木白し空青し 和繁
幻の九重の塔や身に入みて 明日香

2025年10月16日

畑の端に立つ案山子らの晴着かな きよえ
秋の朝山襞くっきりハイウェイ みきえ
十六夜や裏畑打って雨に合ふ よし女
渡り蝶来ぬかと咲かす藤袴 明日香
草叢に今朝あさがほの青満ちて 和繁
須磨の浦と万博見物秋吟行 こすもす
朝寒や川面に揺るる羽の列 博充
人去りて繁くなりゆく虫の声 うつぎ
街路樹に雨をよけたり秋霖雨 せいじ
草じらみ膝までつけて翁の忌 なつき
秋の老しずかに終える誕生日 たかを
カップルの座す川石や草の花 あひる
風の日の騒ぐ草叢秋高し えいじ
四阿に見下ろす湾の秋霞 やよい
全焼の黒焦げ茶碗身にぞしむ よし女
須磨涼し遅参の友と合流す せいじ
枯れ際のむらさき残す曼殊沙華 藤井
肌寒し稜線沿いに雲走る 愛正
過ぎりゆく光車窓の柘榴かな あひる
道を染む金木犀の零れかな えいじ
吊るし柿時々抜ける子の背丈 ほたる
十月に八十路半ばや明石鯛 きよえ
南天の高き一枝の紅葉す 和繁
秋雨に下校のお喋りくぐもりぬ もとこ
軍手はめ植へ替へ助く桃大樹 みきえ
今朝の道桜紅葉の散り初むる ほたる
天に星地には秋刀魚の煙かな みきお
釣り人の竿先暮るる秋の波止 むべ
大花野進まぬ歩み家族連れ みきお
海光も風も透かせて松手入れ 澄子
霧時雨プラタナスの葉重さうに むべ
蒼天へ薄雲かかり鎌の月 明日香
秋時雨人見ぬ里の忘れ水 わたる
海風が揺らす千草や師弟句碑 なつき
名も知らぬ野鳥数羽や崩れ簗 愛正
虫の音も雑音まじる秋の夜 勉聖
放置田やどこから見ても薄原 こすもす
芭蕉碑の苔うすれゆく秋の風 勉聖
秋薔薇を卓の真中に還暦会 康子
稲架掛けの刈穂ずっしり重なりぬ 千鶴
信号待ちへダルを漕げば釣瓶落とし ぽんこ
酔芙蓉雨を呑み込むやうに閉じ 康子
廃屋を荘厳したる蔦紅葉 澄子
鯔跳ねて水面の空に波紋散る 藤井

2025年10月15日

長き夜や部活を終へぬ子を待てり 勉聖
秋空に祈る中東母の声 藤井
緋縅のごとき紅葉の一の谷 せいじ
新米にのせた白焼きほんのりと あきこ
吊り橋を通れば水音崩れ簗 愛正
居待月今宵最後の飛行灯 よし女
ゴンドラの眼下紅葉の一の谷 せいじ
黒靴の砂落とさずに秋の須磨 むべ
稔り田や轢かれし狸また在りぬ 和繁
なぞへなす笹叢に萩こぼれけり 康子
政治乱れスポーツの日の三千歩 藤井
門前もオレンジ色にハロウィーン なつき
芭蕉翁石碑の荒れや秋の風 ぽんこ
道草をして帰る子や牛膝 みきお
秋夜長ザボンのごときまるい月 勉聖
やや欠けて真正面に居待月 よし女
傍聞く妻の寝息や秋の宿 えいじ
電線に帰燕ぎっしりゴミ出し日 こすもす
肌寒や空き家続きの裏通り 愛正
ユンボ掘る桃の木の根や薄ピンク みきえ
架替の橋渡り初む涼新た やよい
踏まれても咲きつづけるや草の花 あきこ
とりどりの色葉沈めて潦 澄子
朝寒や掌を擦る子らの通学路 博充
白鷺の水面に触るる飛翔かな あひる
山里に電飾のごと柿数多 みきえ
逆上がりやっと出来たる秋の空 みきお
研修旅行中止の知らせ秋思かな こすもす
昼月の空へ融くかや秋うらら 明日香
新涼やラヂオ体操手足伸ぶ もとこ
稲わらをすき込みならす刈田かな 千鶴
杣の道曲がりの先は何紅葉 わたる
陽光を弾きて飛蝗跳びにけり 明日香
車窓いま須磨の松浜秋の声 うつぎ
ふと目覚む虫の声して刻を問ふ きよえ
広芝の縁を綴りし萩アーチ 康子
秋出水髪梳くやうに茅靡き あひる
秋晴の海に一引く水脈ま白 むべ
秋風となりて香煙窓を出づ たか子
行く秋の友の病状無常なり きよえ
みな黙し秋の声聞く一の谷 なつき
ストーブの火付の小枝集めをり 澄子
朝露にまぎれ朝顔うす青き 和繁
千切れゆく熱海港の秋雲り えいじ

2025年10月14日

大空を鯖雲の群れ通りつつ 明日香
秋の鳥声を尖らす一の谷 なつき
集合は蕪村句碑前風さやか せいじ
白良浜や白砂まぶし秋の風 勉聖
砂こぼし探す手のひら桜貝 みきえ
澄む池や紅筆ごとくよぎる鯉 康子
虹色に煌めく橋や宵の秋 むべ
川沿ひの坂道の村柿実る 和繁
熟柿の枝垂るほどや放置畑 きよえ
椋鳥や鴟尾の真上にとまりをり 明日香
秋蝶の小さき羽音や風に乗る きよえ
葉の伸びるベコニアうれし秋の雨 ぽんこ
四阿に草の実つけて寛ぎぬ 澄子
犬走り色鮮やかな落葉かな こすもす
焼け付きしほどに真紅や林檎熟る あひる
大橋や黄昏長く留めをり 澄子
旧友と語らふ余韻虫の声 康子
松茸や二度三度ある山の幸 藤井
ヨーグルト買い忘れし日鳥渡る こすもす
夕暮れのそよ風の中銀杏舞ふ 藤井
秋惜しむ汝と拾ひし貝数へ せいじ
古米炊き卵割り入れ朝の香よ あきこ
玄関先籠に数個の秋茗荷 愛正
朝寒や茶碗の湯気のまつすぐに 博充
秋の谷ざわめく葉擦れいくさ跡 みきえ
刈田あと連れて降り立つ鷺四五羽 千鶴
ハロウィンや魔女はあめちゃん隠し持つ もとこ
秋曇りの夕べ青空垣間見ゆ 和繁
紫蘇の花零れて真白小さき鉢 やよい
引潮に白砂耀ふ秋の浜 むべ
振り向けば三回忌とや秋の声 たか子
解体の屋敷に残る柿たわわ やよい
大股で歩く川土手秋うらら みきお
漢来て一気呵成に秋手入れ よし女
秋冷や札所の巫女のアイシャドウ えいじ
神の木となりし古木や注連飾る よし女
野菊摘み無縁仏に供えけり みきお
秋灯火歳時記繰りて句作の夜 あきこ
山葡萄手繰れば引寄す草木かな 愛正
林檎剥くリボンのやうに皮重ね あひる
句碑に触れ芭蕉偲ぶや秋日和 勉聖
仏手石に合はす小さき手小鳥来る なつき
杜深し小鳥の来たる風の宮 えいじ
穭田に鈍空映る溜り水 わたる

2025年10月13日

朝市の松茸パック鼻の先 えいじ
庭隅や折り取り食す秋茗荷 愛正
古井戸の石に留まる寒露かな 博充
軽きかな秋日浴びたる抱き地蔵 なつき
葦の穂の紅くつきりと夕陽射す あひる
金木犀香る予備校案内書 あきこ
蒔きすぎて間引き菜摘む手追ひつかず 千鶴
いい声で鳴いて別れる稲雀 和繁
美術館窓に黄葉降るを見る 和繁
松茸飯たれ幕そよぐビルの壁 あひる
秋夕日墨雲背負ふ西の空 きよえ
朝霧に差し込む朝日目覚む村 ほたる
門川に大笊ごろり栗洗ふ 康子
空まさを鳳凰めきし秋の雲 やよい
焼け跡の石段白し秋惜しむ みきえ
秋雨の樹間を斜する罫書き線 えいじ
秋の夜帆布リュックのほつれ糸 あきこ
大窓に十六夜月の旅寝かな むべ
写真来る嬰は西瓜に抱き付ひて よし女
行く秋や杖の音させ君のあと 藤井
身に入むや敦盛塚は海眺む むべ
月煌々山路を白く照り返す よし女
散る柳掘割拔けるそより風 愛正
蛸弁当駅弁フェアの先頭に みきえ
色違ふ二両列車や渓紅葉 わたる
新酒酌む呼び名飛び交ふ同窓会 もとこ
スーパーへも立寄る秋祭の一行 こすもす
苔生えし亀の主めく紅葉池 なつき
老母を夜ごと見守る守宮かな 康子
秋晴の海峡望む異人館 せいじ
虫の音やしじまに沁みる厨かな 勉聖
秋声やそぞろ歩きの須磨の浜 せいじ
初生りの柿を分け合ふ両隣 澄子
故郷の闇こそよけれ天の川 藤井
冴えゆくや月に虫音のひびく路地 勉聖
手に馴染むぐい呑みありて新走り 澄子
朽ちかけた榾木にぬめる滑子どち ほたる
行く秋や友を見送る改札口 ぽんこ
あの家にもあったと気づく木犀香 こすもす

2025年10月12日

秋霖やすっぽり包む厚い雲 みきお
遠峰より虹を描き秋夕焼 董雨
白鷺の固まりをるや刈田の泥 和繁
夕風の庭にうべなふ杜鵑草 むべ
萩の花竹のアーチを虜とし 康子
ブービー賞のグランドゴルフ金木犀 こすもす
古民家のフォークライブや花野原 こすもす
厨窓へばりつきたる守宮かな みきえ
雨後の森私語の盛んや小鳥来る えいじ
薄紅葉緋に染まりゆく日暮れかな あきこ
萩の実をくっつけ訪ぬ師弟句碑 みきえ
熟柿落つ路地の臭ひの鼻を突く 和繁
手を振つてべべになりける運動会 もとこ
須磨さやか白砂の浜を眩しめり 澄子
音たててジョガー踏みゆく木の実かな えいじ
ドーンドン山車引く子等やしんがりに きよえ
秋祭太鼓の響く里の道 きよえ
秋の浜ローカル電車見え隠れ よし女
秋風の渡る吊り橋平家村 愛正
秋の蜂花粉まみれの千鳥足 康子
雲厚し十五夜膳に集中す 愛正
ちちろ虫髪を乾かす窓際に たか子
ハロウィンや万の南瓜の照る市場 あひる
少しなら葉を食う虫も生かしたく 明日香
秋晴れや駐車違反の切符かな 勉聖
杣道に千草の花を尋ねをり 澄子
磯釣りの釣瓶落としや帰り舟 藤井
吟行の師弟に迫る秋の潮 せいじ
まだ青き新蕎麦孫と宿の灯に あきこ
所在無げ揺れる紅葉の枝の先 明日香
荒れ地ほど増す勢いや泡立草 わたる
朗々と百寿の媼秋吟ず 千鶴
掛巣鳴き黄金の田んぼ遥かかな 青海
畦道に藁の香残り寒露かな 博充
後の月わが後ついて来るごとし 藤井
月のせし高坏めけるポートタワー むべ
異人館の玻璃にゆがめり秋日差し なつき
銀の波夕日に映える芒原 みきお
細波す飛来待ちゐる鴨の池 やよい
田じまいの烟流るる水平に よし女
山女子のきびきびとして秋さやか せいじ
瞬けり小星の群れや秋の夜 勉聖
大空やかぼちゃ畑に果ての無く あひる
千燈祭天に打つ矢を子が拾ふ なつき
それとなく深呼吸する木犀香 董雨

2025年10月11日

饅頭の二つ並むかに大茸 あひる
満天の星スクショにして君は亡し 勉聖
番ひたる蜻蛉にとんぼ重なれり やよい
秋の蚊も句会加はる異人館 むべ
逆光の宅配の影居待月 そうけい
天高し足元透くる観覧車 なつき
雨のなか踏む音やさし秋の土 えいじ
風涼し白紙飛び来る句会かな みきえ
電線に引っ掛かりたる今日の月 よし女
方丈に桔梗一輪刺しにけり もとこ
瞼閉じ足湯に浸かる虫の声 みきお
彼岸花朱色囲みて笑顔かな きよえ
新米や卵ひとつでこと足りぬ 澄子
風の吹くたびに老ひゆく案山子かな よし女
風立ちて木の実ぽとりと落ちにけり 藤井
ハーブ園いのしし出ると注意書 やよい
天窓に溶ける雨粒そぞろ寒 和繁
迷ひつつ葉裏に潜む秋の蝶 えいじ
曲がり茄子詰め放題の朝の市 みきお
身に入むや平家破れし古戦場 千鶴
柿紅葉家出幼に道しるべ あきこ
海苔粗朶の海にたゆたふ小舟かな せいじ
吹き寄せし敦盛塚の落葉かな むべ
見晴らしの良き異人館秋の句座 こすもす
人生に坂あるごとく闇の秋 勉聖
風なくて風ある暮らし秋桜 明日香
錦鯉黄金きわむ秋日影 康子
天高しここが塩屋の神学校 せいじ
秋入日一すじ白き水平線 なつき
黒日傘白砂の浜を過りけり 澄子
境内の色葉掃き寄す嵐跡 そうけい
秋惜しむ灯に透かした妣の文 博充
鈴生りや地に着かんとす柿一枝 あひる
秋祭り山車誇らかに居ならべり たか子
荷揚場に人影動く月明かり 愛正
新蕎麦や悶着絶えぬ二人かな あきこ
甘き香に誘はれ桂並木かな わたる
秋うららポップコーンに雀来て 康子
野葡萄の色様々や崖に垂れ こすもす
水打ちて秋茄子育つ辰の刻 藤井
駅出づや迫る店先秋の路地 みきえ
行水が好きなる秋の雀かな 和繁
吾亦紅寂ある部屋へ一変す 明日香
井戸端の洗う間引菜夕餉時 愛正
コウノトリ来て鷺共に秋の池 きよえ

2025年10月10日

山と海接する近さ須磨涼し 千鶴
鍬の土乾き残れる秋の暮 藤井
秋日和風と雲ゆく芭蕉の碑 勉聖
門前に占ひ館そぞろ寒 なつき
松茸の香に寄り添ふ炉端かな 博充
夏の夜や下駄の響きや阿波踊 藤井
坂がかる須磨の浦風涼しけれ むべ
旅人も御神酒いただく秋祭 もとこ
穂を競ふ三本杉や秋高し うつぎ
高架ゆく車音やまぬや秋雲り えいじ
額縁の窓に鮮やか池紅葉 山椒
新米の救ひ放題五合枡 みきお
無花果の大樹となりぬ異人館 みきえ
無人駅コップに一輪秋の薔薇 愛正
山の秋深く響けり法師蝉 和繁
秋灯の水面に滲む入江かな 康子
利き酒やインバウンドの列長し 明日香
秋蝶や風に乗るかに野を掠む きよえ
暮れてなほ去りがたしかな秋の須磨 澄子
枯る供花共同墓地の月明かり 愛正
突堤に稚魚残したる秋の潮 あひる
名月や窓の閉まらぬ無人駅 わたる
立ち止まるあたりに舞へる蜻蛉かな 勉聖
秋晴れや須磨吟行に晴れ男 あひる
闇埋める流しの器秋の夜 あきこ
赤い羽根紙のシールになりにけり 明日香
新米と大書の袋買ひ惑ふ よし女
いつの間に長けたる桑を括りけり よし女
紅白の肩を並べて曼珠沙華 やよい
観覧車止まりゐるのか星月夜 康子
枯れカンナなほ凛と立つしたたかさ あきこ
草の花触れれば仄と日のにほひ 澄子
所見なし医師の言葉の風さやか たか子
紀伊半島までも望めし須磨の秋 こすもす
稲刈機に追い立てられて田草取り 和繁
賽銭は龍の口へと音さやか なつき
突堤を波すれすれに秋の潮 せいじ
長き夜も句会の余韻冷めやらず せいじ
初紅葉日の燦燦や里公園 きよえ
島影の漆黒釣瓶落しかな むべ
巨大なる沖にタンカー秋の浜 みきお
大和路の稲田まだまだ黄金色 こすもす
禿頭の欄をのり出す秋の池 えいじ

2025年10月09日

ゴンドラのみゃくみゃく柄や空青し こすもす
秋澄みて須磨の山里句碑巡り 千鶴
柿熟れて烏の目やさらに鋭し 勉聖
ピンポンと戸口開くれば秋の風 きよえ
河越へて車窓に展ぐ苅田原 澄子
葦の原小舟の巡る水の秋 山椒
吾が部屋に光射し込む良夜かな よし女
自販機置くだけの茶店や身に入めり なつき
朝刊に秋冷伝う頃となり 明日香
秋の夜溜まる食器に息を吐き あきこ
黄落や道標朽ちし峠道 博充
秋日差す一枚岩の師弟句碑 千鶴
柿の種飛ばすイベント口すぼめ みきお
高笑ふ獅子の歯音や秋高し 藤井
中身濃き一行日記秋燈下 うつぎ
船体が西日を弾く船溜り せいじ
木犀の香る路地裏深き闇 みきお
団欒の秋灯瞬くマンション群 康子
秋入日ちりめん波を薔薇色に むべ
木の実落つかつての川に帯なせり 康子
稲架掛けの早稲の香りや畔の風 愛正
草むらに出会ふ秋薔薇香淡し 愛正
天高し海風に舞ふ二羽の鳶 あひる
縮緬の波きらめくや秋の海 みきえ
存問の如し窓辺の月明かり よし女
クレーン車の腕より高く秋の蝶 和繁
新涼の再会を期す句会場 あひる
町角の蜘蛛の巣高さ三米 和繁
風に揺れ宇宙と交信秋桜 山椒
秋晴れや欠伸のうつる座談会 わたる
畦道や蜻蛉に負けじ歩むかな 勉聖
小鳥来る季語を言ひ合ふ句帳手に もとこ
秋時雨一句詠まんと樫の樹下 えいじ
海風と秋日がつつむ蕪村句碑 なつき
家家よ一億人の月夜かな 藤井
澄む秋や晴明神の森深く ぽんこ
杭ごとに一羽の鴎船溜り せいじ
芝往けばわっと翔び立つ飛蝗かな やよい
収穫の紫光る秋茄子や きよえ
飛行機のパチパチ光る夜の秋 明日香
秋の田に夕日溶けゆく蝋の色 あきこ
十六才の敦盛偲ぶ菊の供花 こすもす
秋草も敦盛塚へ供花とせむ むべ
鰡跳ねて水輪重なる川半ば えいじ

2025年10月08日

行く秋や万国博もあと僅か こすもす
大西日瀬戸の島々呑み込みぬ みきお
石段を覆へる草に秋の蝶 和繁
秋の空飛行機雲の突っ切って 明日香
秋澄むや尾根にくっきり雲の跡 明日香
理髪店サインボールの秋日和 藤井
棒稲架の大軍迫る棚田かな わたる
ふるさとや車窓に淡き名残月 あきこ
厨よりいつもの時間チチロ鳴く みきお
丈高き草もものかは芝刈機 せいじ
黄葉や風に乗り来る寺の鐘 博充
秋の日の光と影や禅の庭 もとこ
秋の風掬へば崩るる水の月 勉聖
しで棒の続く坂道秋祭り みきえ
藁塚積みの掛け声弾む夫婦かな えいじ
秋深し一両電車音高く ぽんこ
虫の音の聞こえをるかに星一つ あひる
寝転べる吾を見下ろす月皎し えいじ
コスモスの黄金の銀河たもとほり 山椒
富士さやか車窓に裾野引きつづけ 澄子
蒼穹へ富士の山際さやかなり むべ
むらさきの雲引き連れて今日の月 よし女
さざ波を朝日が照らす芒原 ほたる
秋灯にアーチ窓浮く異人館 康子
控えめに葉隠一輪秋の薔薇 愛正
夜烏の声や名月のぼりくる 藤井
雲払ひ一人舞台の良夜かな よし女
雀蜂どうし争ふ柿の木に 和繁
長き夜や暮れに生まるる曾孫の事 きよえ
招くごと月見団子の旗なびく せいじ
羽根ひとつ舞ひて友逝く秋の空 あきこ
ひと刷毛の秋雲白き夜空かな 康子
山深く連れ呼ぶ鹿や鳴きつのる 千鶴
雲窓の奥に湛える望の月 ほたる
谷深し奈落を覆ふ葛あらし むべ
松籟や残照華やぐ秋の浜 澄子
秋簾巻き上げ奥の座敷見ゆ 愛正
人人人の万博会場秋暑し こすもす
水面より掬へば月のくづれけり 勉聖
手土産の早速昼餉すだち飯 きよえ
傾きて車窓に深き秋日差し あひる
ユトリロの絵の中歩む冬の朝 山椒
心地よき風と虫の音散歩道 やよい

2025年10月07日

朝顔の咲けり楓をのぼりつめ 和繁
下りでもペダル踏み込む林檎成る わたる
実が落ちて半分朽ちて胡桃出づ 和繁
燈火親し栄枯盛衰一冊に むべ
蟋蟀の三回鳴いてひと呼吸 明日香
中秋の名月照らすアーチ橋 勉聖
作り手に似るや案山子のコンクール よし女
広芝を抜けて出勤風さやか 康子
コスモスやマーマレードをかけた丘 山椒
摩天楼切り取られをるけふの月 もとこ
売家の窓秋の簾の風まかせ 愛正
鋏もつ吾が手を切りて芒の葉 むべ
かりがねやビル街渡る弦となり あきこ
槌音の響く棟上げ雲の峰 みきお
畦道を教えてくれる彼岸花 明日香
電線の隙間に見ゆる今日の月 ぽんこ
旅支度終えて仰ぎし今日の月 なつき
花芯まで奥へ奥へと揚羽蝶 せいじ
ビル街の底に律儀や鉦叩き あひる
秋深し白いカップに筆二三 勉聖
秋の蝶木立の間の間かくれんぼ きよえ
名月や並ぶ団子は関西風 せいじ
草の花吾を追ひ抜きてすくと伸び みきえ
爆竹を鳴らさぬ神輿行きすぎぬ なつき
秋寒や病廊に待つ情け無さ たか子
月影を出れば長し己が影 藤井
名月やとぎれとぎれの雲間縫ふ えいじ
白壁にマリーゴールド照り返す あひる
露散らし伐られたる竹倒れゆく 愛正
金風忌本を捨てつつ里を出づ 藤井
黄葉の磴にとどまる母の影 博充
玉ねぎの苗の育ちや今ひとつ 千鶴
名月の目を閉ずやうに隠れけり えいじ
歌ふ子の晴着に音符七五三 康子
水鏡映える光の池紅葉 山椒
お隣の屋根を転ぐる今日の月 よし女
ふくろうの鳴間のしじま月の夜 ほたる
あるなしの風に弾けて椿の実 澄子
青インク瓶をこぼして星月夜 あきこ
椿の実はぜて微かな音捉ふ 澄子
目蓋とず老犬の背に秋の風 みきお
天高し木立日浴ぶ風唄ふ きよえ

2025年10月06日




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