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秋深し書棚の奥に考の文 博充
桜紅葉走り根絡む石垣に ぽんこ
モンスター気候にめげぬ猩々草 明日香
売り切れや自販の珈琲秋の帰路 勉聖
喧噪の灯影に澄みぬ月鈴児 あきこ
河川敷藪を掠めて小鳥来る 愛正
牛鬼も笑ひ顔にて秋祭 藤井
秋しぐれ屋根も草木も光りをり きよえ
手習ひを褒めくるるかに法師蝉 せいじ
高貴なる高野槙の香秋彼岸 たか子
花茶屋に手桶をかへす秋彼岸 むべ
秋の草少し肥へたり横日差し わたる
彼岸花の土手は二分咲き風渡る なつき
ひっそりと狭庭に顔出す曼珠沙華 よし女
山頂をゆつくり撫でる秋の雲 和繁
曼珠沙華結ぶ印相風に揺れ 山椒
虫すだく真夜の机に墨の香や 勉聖
盆支度遺影が並ぶ仏間かな 藤井
念じつつ籾殻鋤きて秋耕す えいじ
山門の鳩少なくなりて秋の夕 きよえ
バッタ跳ぶ一本脚でも元気よく 明日香

2025年09月24日

ほの昏き簾の奥のやさしい眼 あきこ
不意をつく犬の弄るゑのこ草 えいじ
イヌサフラン幸せすぎて怖い色 ほたる
秋晴や光照らさる殉教図 あきこ
山間の棚田に映ゆる彼岸花 愛正
青林檎齧る少年無口なり みきお
気付かずに居て仏壇にマスカット よし女
秋の蝶口吻ふるわせ蜜を吸ふ 勉聖
秋分や嬉し疲れし家族集ひ もとこ
ひとつだに絡むものなしゑのこ草 えいじ
庭石に薄紅葉舞ふ朝の風 博充
参道の夕日や色づく初紅葉 きよえ
古戦場光る稲穂のみのりかな わたる
夕日射す対岸に燃ゆ曼珠沙華 康子
谷川の揺らぎに映る紅葉かな 博充
籬下重なりあいし萩の花 ぽんこ
家鳩のぐぐもる声す秋の暮 せいじ
毬栗を盛りて売り出す直売所 みきえ
留守長き友の戸口の韮の花 あひる
児童減り広きグランド運動会 藤井
お祝いに有の実届く誕生日 こすもす
赤とんぼ大空くるり波戸の夕 きよえ
墓洗ふ空を二タ分け飛行雲 むべ
野地蔵の膝をくすぐる猫じゃらし 明日香
土手行けば右に左に彼岸花 なつき
先陣の一本土手の曼殊沙華 なつき
マスカット透明度の出ぬ画布伏せし たか子
太平洋ひたすら蒼し秋の海 藤井
前ぶれもなく庭あかるくすイヌサフラン ほたる
汝が影も庭の景色や夕紅葉 せいじ
彼岸花所々のなぞえかな こすもす
屋根落とす解体業者空高し 千鶴
たなごころ香り残して桃一つ ふさこ
休耕の畔に株立つ曼珠沙華 澄子
あをあをと森を浸せし良夜かな 澄子
爽やかや朝の挨拶登校児 みきお
水分をどうぞと皿の黒ぶどう あひる
秋の蝶燃ゆるごとくに空を舞ふ 勉聖
連れ添ひの齢を祝ふ良夜かな わたる
一人湯や頑張ったねと鉦叩 よし女
こだはりの豆腐尽くしや秋彼岸 和繁
秋空を映す池面の青さかな 康子
墓守に榊をもらふ秋彼岸 むべ
秋分や嬉し疲れし人出入り もとこ
田畑の裾を彩る彼岸花 明日香
夏櫨の紅葉したる実の黒さ 和繁
秋暁や影鳥海の日本海 愛正

2025年09月23日

秋晴れに雨合羽干す手すりかな 和繁
秋桜に不在の主偲びをり 澄子
金鵄勲章の父思い出し秋彼岸 こすもす
白鷺や浮島の枝ゆりかごに 康子
幾重にも綾なす雲や鳥渡る 山椒
彼岸花植木鉢にて育てをり 明日香
銀輪の袖透かす風冷ゆるかな ほたる
そそり立つ楡の大樹の天高し せつ子
ふるさとに兄と妹いて梨とどく あひる
秋めくや灰の衣の人歩む 博充
猛暑痕歪み褪せたる秋簾 愛正
秋彼岸在りし日偲び草を引く きよえ
苑広し墓前に戦ぐ草の花 みきえ
蟷螂の見得きりにけり城の址 もとこ
曼殊沙華性善説を疑わず 藤井
しおり挟む秋の気配を閉じ込めて 勉聖
改めて仏事の作法や秋彼岸 こすもす
山門に子の声弾む紅葉狩 博充
約束の日を守りけり彼岸花 わたる
赤と白寄り沿ひ咲けり彼岸花 みきお
一叢の野菊と出会ふ獣道 澄子
とちの実の落ちて弾くや拾ひくれ きよえ
十指もて何度も掬ふ秋の風 たか子
滲む文字頁の息や夜の秋 勉聖
爽やかや庭の手入れを黙々と やよい
白壁にまだらの影や吊るし柿 あきこ
秋の蝶さざえ堂をひとめぐり 愛正
裏の柿色濃きを摘み秋彼岸 董雨
霧深き麓の灯り救急車 みきお
薄暗き陸墓に紅さす百日紅 ぽんこ
曼殊沙華ぽつねんと咲く白凛と ふさこ
渋滞を横目の道順秋彼岸 みきえ
草に落ち爆ぜたる毬に痩せた栗 和繁
睦まじく身を寄せ合ってふたつ栗 ほたる
コスモスの彩はかなげに揺れてをり 明日香
ルーティーン静けさ満ちて秋深む 藤井
つむじ風秋風鈴をひと撫です むべ
雨吸つて音の優しき秋の芝 えいじ
日を仰ぎガーベラ咲くや真つ黄色 むべ
秋灯書き込み多き古ノート あきこ
乞ひ願ふ暑さも今日の彼岸まで 千鶴
別荘は子の留守宅や紅葉狩 せいじ
薄紅葉夕日の色に染まりけり 康子
銀輪のシャツの膨らむ秋山路 えいじ
抜きん出しツインタワーや秋の空 せいじ
梨剥かば果汁めがねを曇らせり せつ子
椋の声どよもす街の夕暮るる あひる

2025年09月22日

爽やかやごみ出しの戸を開けくれし 和繁
鰯雲急ぐ行く先大海原 きよえ
登園の挨拶響き天高し もとこ
風の日の草の銀波や昼の虫 えいじ
築山の頂に児ら風爽か むべ
風通る窓少し開く今朝の秋 きよえ
紅葉し渓谷燃ゆる利根秘境 愛正
秋晴や子の留守宅へ旅気分 せいじ
天然のドットのごとく鳥渡る あきこ
老い母を寝かせて妻と葡萄食ぶ せいじ
下校子の屯解かるる野路の秋 ぽんこ
水澄みて素足滑りぬ苔の石 藤井
白萩の杣道溢つ雨上がり 澄子
追い越して草間に沈む秋の蝶 えいじ
秋彼岸曲がるろうそく取り替へて なつき
籾摺りの埃に白き庭木かな 愛正
籬に蔓草揺らす秋の風 むべ
玉入れのごとく根元にころぶ柿 みきえ
地底よりくぐもる蝦蟇の太き声 みきお
萩暖簾風吹き覗く吾子の足 わたる
友つくる大根を買ふ道の駅 みきお
澄みてをり流るるままに秋の水 藤井
ダム湖畔色なき風の吹き渡る 千鶴
はびこりても大歓迎や水引草 こすもす
百日紅散りて日の斑を埋め尽くし 康子
俯けるブロンズ像の背に秋日 康子
ひび割れてアスファルトより草紅葉 こすもす
秋日濃しエンディングノートに友の名を よし女
川面やつらなる赤き烏瓜の実 勉聖
秋の昼ほどきほどきの刺繍糸 あきこ
虫の音に句座しずまりて筆とどむ 勉聖
院内は秋日漏れくる長廊下 たか子
旅の宿図録見返す夜長かな 澄子
鉢上の雑草取りや秋日和 明日香
軽やかな秋の気配の散歩道 ふさこ
きゃんきゃんとトラックが鳴る秋澄めり 和繁
安産井秋の風鈴鳴り継げり なつき
虫鳴くや闇の空気の柔らかし 明日香
たっぷりと緑茶をふふみ夜の長し よし女

2025年09月21日

棚田稲架大き薬缶と握り飯 わたる
墓参道ところどころに青銀杏 こすもす
秋風鈴南部鉄なり透く音色 みきえ
夜半の雨青冴えざえと蛍草 ほたる
指の痕つきさうな桃捥ぎにけり 千鶴
富士に吹く風は銀河の音色かな あきこ
石段に一息のつく墓参かな ぽんこ
秋茄子をきゅきゅと泣かせて夕餉とす たか子
秋夕焼まほろば線の二上山 明日香
蜻蛉の影と行き逢ふ芝の丘 えいじ
ふと恋ふるふるさと遠しむかご飯 勉聖
草の花活けて客待つ山家かな 澄子
畑入ればゴーヤの蔓に足取られ よし女
畳なはる色墨絵めく野分雲 むべ
紫蘇の花咲いてをるなり通り雨 和繁
湿原の風にふわふわ秋の蝶 愛正
イカ飯とポテサラの昼秋さやか こすもす
秋めくや風に零るる子らの笑み 博充
赤持て余し持て余し曼珠沙華 明日香
参磴の木々のあはひに曼珠沙華 康子
終い湯の雨垂れの音に秋を聞く ほたる
見上ぐれば尖塔冴ゆる良夜かな 博充
露の世に束の間の夢覚めやらぬ あきこ
老蝶の風に揺蕩ふ古墳山 愛正
棒稲架の高さ揃はぬ体験児 わたる
従弟より快気祝やちちろ鳴く せいじ
華厳滝身を投ぐ音の深さかな 藤井
お茶漬けを馳走としたり茗荷の子 あひる
幼子の声の明るし秋彼岸 なつき
彼岸花土手の一輪道案内 ふさこ
長き夜の其々に居る家族かな もとこ
星月夜影富士黙を貫けり 澄子
夕日浴ぶ野道の芒かがやきぬ きよえ
ヘッドホンとれば寝床は虫浄土 せいじ
鍬入れて賢治を偲ぶ土の秋 勉聖
野仏を慰めてをり曼珠沙華 よし女
秋空に矢を放つごと飛行雲 康子
ぬくもりの君の手いまも文化祭 藤井
シーグラスのおはじき遊び秋うらら なつき
夕の部屋ほど良き風と虫の声 きよえ
雨雲を吹き払ふ風蕎麦の花 和繁
秋晴や浮きたつ嶺々にノの字雲 えいじ
ひと刷けの秀枝にかかる秋の雲 むべ

2025年09月20日

曼珠沙華初咲き一花折られ寂 ほたる
異国にて次女は病みをり今日の月 藤井
月影の波紋を照らす良夜かな 勉聖
湯気淡し茶を啜る手の秋の果 博充
まほろばの田畑模様秋の色 明日香
虫眼鏡かざし文字追ふ夜の秋 よし女
雨催ひ飛ばす二輪に秋の風 みきえ
終ひ湯に呆けてゐたり秋彼岸 なつき
八双に構へて睨む小蟷螂 わたる
退院して伸びる速さや草木の枝 董雨
虫の音や父の補聴器調子よし 康子
置き配の座す門口は虫の闇 せいじ
秋耕や阿吽のコンビ老二人 みきえ
雛のごと口あく母に摺り林檎 あひる
草深き池畔は今や虫浄土 むべ
畦道に溢れる稲穂豊の秋 みきお
杣道の少し開けて蛍草 澄子
夜学子の部屋に流れる流行歌 あきこ
朝まだき茗荷の花のミルク色 藤井
乗り遅れ見送る電車風は秋 ぽんこ
秋雨や傘さす袖に滲みけり えいいち
虫の音に聴きいりをるや鴉黙 和繁
友の背を見送る今朝の秋の雨 えいいち
ぎくしゃくと敬老会に初参加 たか子
初秋刀魚骨ごと食ぶと甘露煮や きよえ
大輪の白菊加へ供花とせむ こすもす
植込みの紅葉南天より始む 和繁
小魚の跳ねつつ海へ秋の川 よし女
高きより降る葛の花切通し むべ
迷路めぐ母呼ぶ子の声風薫る 勉聖
秋霖や朝刊配るバイク音 みきお
焚火して村静かなる暮の秋 博充
秋気澄む馬の嘶き天空へ 愛正
苔むした倒木攀じる軒忍 康子
団欒の声の途切れて虫の声 せいじ
西鶴忌舟場ことばのやはらかき もとこ
吾亦紅尋ねてゆかば開墾碑 澄子
健康体操終へてつく帰路風は秋 こすもす
戯れし秋双蝶の空青し えいじ
田仕舞の烟途中で横向きに 明日香
秋晴や子等ちりぢりに駆け抜けて えいじ
石畳金魚たらいに泳ぐ路地 山椒
高く舞ふ墓苑の烏秋彼岸 なつき
秋の蝶狭庭の風に浮き沈み 愛正
梨剥けば二十世紀の香気立つ あひる
鳳仙花見慣れし文字の手紙かな あきこ
秋彼岸初日の今朝に経を繰る 千鶴

2025年09月19日

校庭の白線かすむ秋の暮 博充
渦となりたぎちの極み秋の潮 千鶴
旅の夜の湯殿にやさし虫時雨 あきこ
芝面にとんぼうの影落ち着かず えいじ
側溝にゆらゆら水草紅葉かな こすもす
夕餉の燈祭太鼓に揺らめけり あきこ
馬たちて眠る月夜のしじまかな 藤井
秋風に纏はれもして野路をゆく せいじ
泰然と二百十日の椋大樹 あひる
扇風機羽音微かに未だ忙し みきえ
裏山の急に広ごる落ち葉かな よし女
鱗雲朝日に照るや厨の窓 きよえ
葉隠に咲きし池塘の萩の花 えいじ
白樺を通り抜く風秋気充つ 愛正
大玻璃に展ぐ黄落惜しみなく 澄子
戸を繰れば総身に染むる秋の風 せいじ
夏の草大波広げヘリ離陸 康子
ほうじ茶の浮く葉飲み干す夜長かな なつき
新涼の白寿の肌へ美容液 あひる
灯火親し読みさしの本開きたる むべ
虫の音や草残したるビオトープ 康子
遅まきの深き夜涼を愉しめり たか子
父母の葉囲み咲きけり彼岸花 みきお
落ち着かぬ猫の動きやちちろ鳴く こすもす
秋冷を纏ひ下山すアノラツク むべ
風の道ありて吹かるる秋簾 もとこ
虫とまり釣舟草の帆の揺れて わたる
久に会ふ友と夜長のメールかな なつき
秋気澄む天空映ゆる池塘景 愛正
秋めきて黙して見入る書軸の香 博充
曼殊沙華石地蔵にも風の声 藤井
帰宅路の工事渋滞草の花 和繁
秋の蝉潜む声して宮の杜 きよえ
老いる脳いたわり励まし柿を剥く たかを
バス待つ間ベンチで見ゆるいわし雲 ぽんこ
山の日の優しさに咲く曼珠沙華 よし女
吟行の句帳に止むや秋の蝶 勉聖
杣道や翡翠鈴なる野の葡萄 澄子
秋蝶や厨の隅より出でにけり 勉聖
牽牛花おのが葉陰に籠りゐる 和繁
足音に止む虫の音や散歩道 みきお
かたまりて所在なく揺るすすきかな 明日香
叩くほど闇深くなり鉦叩き 明日香

2025年09月18日

梁見あげ語らふ山の夜長かな むべ
五葉松鉢澄む秋と調和して 藤井
暦日のビンテージめく秋簾 せいじ
糸垂れて池塘静まり暮の秋 博充
夏草を絡めとりたり牛の舌 みきお
手を休め虫の声きく厨かな 澄子
こぼれてもなお耀かし金木犀 明日香
雑草にまじり咲かむや鳳仙花 あきこ
ファインダーに舞ふひとひらの初紅葉 康子
虫めがねもて聖書読む秋灯下 あひる
念仏の流る秋日や一周忌 えいじ
朝顔の種細かくて手に振れり なつき
人待たせ人驚かせ秋の雨 たか子
無人駅降りて生家へ盆休み みきお
海渡る力与へし藤袴 わたる
流れ星崩れかけし土塀かな 勉聖
藤袴アサギマダラの拠り所 わたる
幽霊の手つきさながら稲穂垂る せいじ
栗の木の枝先に居るきりぎりす 和繁
渋地下の真夜の喧騒星月夜 ほたる
秋雷の花火打ち上ぐ音に似て きよえ
去ぬ燕親呼ぶ雛の声残し あきこ
払ひたる街路樹の枝宙を舞ふ やよい
大楠にもたれてしばし秋の海 よし女
山里へ通ずる吊橋とんぼ舞ふ 愛正
存問の便りに添ひしマスカット 康子
風に揺れ野菊香る便りかな 勉聖
木槿咲く道の二股目印に ぽんこ
無人駅コップに挿しし秋の草 愛正
ハンカチでくもるレンズと顔拭ふ なつき
北窓のカーテンふふむ秋涼し えいじ
松手入れ怠り無残虫食いに 千鶴
水澄むや薬するりと喉過ぎる もとこ
下駄の音ふと途絶えたり紅葉狩 博充
秋冷や窓閉めまはる寝覚めかな みきえ
佇めば知己の如くに秋の蝶 よし女
カタカナの名の由来聞く秋の夜 こすもす
暦日のなき山家とて月さやか 澄子
十六夜や海路を待てば日和かな 藤井
秋の夕雨雲パラリ渇く畑 きよえ
雨冷や重き門扉は濡れ色に むべ
こほろぎの早く鳴きだす雨催ひ 和繁
ドームの屋根打つ雨音や台風来 こすもす

2025年09月17日

秋蝶や和菓子売場に舞ひ込めり 和繁
草の花さして一人の誕生日 よし女
風遠く田の実熟れて影長し 勉聖
秋耕や畝黒々と整列し みきえ
天青し棚田を区切る彼岸花 愛正
黄落の散華の如くありにけり 澄子
手開きの鰯フライにソースじゃぶ もとこ
喧し雲霞の如き百舌鳥の群れ 山椒
水打って色変わりけり石畳 みきお
水底の紅葉ひとひら揺れてをり 明日香
摩天楼より雪崩くる鰯雲 康子
秋興や群雲疾し丘の上 えいじ
青葉散るようやく秋が来るのかな たかを
雷神の稲づま連射闇裂けり 千鶴
文化祭影絵芝居の舞台裏 こすもす
水鉄砲爺の背中に字を書いて なつき
秋桜指揮者の風に歌い出す 明日香
秋彼岸まで続くやもこの残暑 千鶴
咲き急ぐ白木蓮や風まかせ 藤井
バスを待つ大樹の影や涼新た きよえ
秋愁啄木鳥のごとエムアールアイ ほたる
三方に窓ある寝間やちちろ鳴く むべ
露草の青の深まる夜明かな 和繁
校了の日付跨ひで虫すだく むべ
ズームもて語る聖書や秋灯下 あひる
日翳れば序破急なして驟雨来る せいじ
山裾の静けさ破る鵙の声 博充
露先の雫ひかれり虫の朝 えいじ
吾亦紅ドレミミレドと奏でけり たか子
沖縄の昔話や長き夜 こすもす
到来の酢橘に秋刀魚買ひにけり やよい
点々と窓に流るる案山子かな あきこ
雷鳴に雨を期待もすぐに止む よし女
片陰で待つ信号機長き赤 みきお
秋晴れや眼下に反りし大甍 康子
秋風に干し網軋む夕の浜 博充
そよ風にどこか荒ぶる秋簾 せいじ
仲秋や軒下影の広くなり きよえ
野鳥追ふレンズの中に初紅葉 わたる
虫の音やふと立ち止まる朝の駅 青海
田の水に映る夜更けの月見かな 勉聖
母の香の古紬照らす宵の月 あきこ
急カーブせる銀輪や秋時雨 あひる
コスモスに揺られ一台田舎バス ほたる
秋の野に兵士の骸風渡る 藤井
人の来ぬ廃寺灯る紅葉かな 愛正

2025年09月16日

雨後の野を自由自在に秋燕 むべ
秋の夜棒高跳びに世界新 みきえ
空き家かとおぼしき家の吊るし柿 明日香
稲刈の束傾きて畦の端 博充
風鈴の音の教へる苑の風 康子
夜の静寂熱中症の暑さかな 董雨
予習して輪に入る孫の盆踊り 康子
秋風に空缶細工よく回る 和繁
水飲んでまた水飲んで夏終る よし女
露草の空にもらひし花田色 わたる
彼岸花紅の連なる佛道 愛正
田仕舞いの烟おどりし明日香路 明日香
同じ画面メル友と見る夜長かな こすもす
古寺の鐘ひびきわたりて霧の朝 勉聖
大穴の葉裏に菜虫まるまると あひる
落葉踏む誰もしらぬ径秋深し 勉聖
留まりきし秋の蚊を吹き飛ばしけり えいじ
脚折りて眠る仔牛や草の花 むべ
電線に逸れ鳩鳴く秋入日 えいじ
気付かずに陽気な色となるゴーヤー よし女
三本の歯抜け破顔の日焼けの子 なつき
すかさずに撮る蜜蜂のシマリング せいじ
風まわる社の隅に女郎花 もとこ
草紅葉踏むまじとゆく杣の道 澄子
上げ潮の風存分に紫苑晴 藤井
朝の風四方から運ぶ蝉の声 きよえ
ゆくりなくメール動画に法師蝉 せいじ
秋浅し独りサッカー蹴るボール ぽんこ
天高しまた会う日まで合掌す きよえ
秋刀魚焼く煙りに猫も見え隠れ ふさこ
水鏡漣に散る初紅葉 澄子
人生をかじれば甘き水蜜桃 藤井
古寺や朽ちし石碑に月明かり 愛正
秋灯の阿形吽形それぞれに 和繁
ポストには見慣れし文字や鳳仙花 あきこ
秋澄めり宝石散らす夜の景 山椒
夕暮の光透けたる葡萄かな 博充
細々と咲く萩残し草刈り女 たか子
漆黒の龍天に描く百舌鳥の群れ 山椒
天高し頭を突き歩む鳩愛でし ほたる
靴中に座す蟷螂やのけぞりぬ あきこ
吾子剥けばことさら甘き水蜜桃 あひる
マラソンの写真判定秋日差し 千鶴

2025年09月15日

お得意のクッキー焼し敬老日 なつき
吾亦紅三々五々と茎のばし 明日香
北は秋便りの写真知らせをり ふさこ
無沙汰詫ぶ文をあれこれ秋灯火 澄子
がやがやと閻魔詣の亡者かな あきこ
腰屈め草刈る鋏調子良し みきえ
樹海縫ふ道をしとどに秋の雨 むべ
晴の朝杜賑やかに秋の蝉 きよえ
春の雷埴輪の妊婦口開く みきお
帰る燕動きまちまち電線上 こすもす
秋暑し熱中対策今暫し きよえ
草叢に湧くひとすじの水澄めり 康子
黄昏に風がさらひし草の花 澄子
食堂の回転速し秋麗ら 和繁
白萩や竹垣伝ふ雨の音 博充
早朝の鳥居のくぐれる虫の秋 ぽんこ
ニュース聞く今日と気づけり敬老日 わたる
生かされて祝われし初敬老日 康子
初秋や白鍵高し幼き手 勉聖
敬老日もてなしするは爺と婆 もとこ
秋祭り幟はためく旧街道 みきえ
いわし雲仰げば口に入りそう えいいち
朝の光やわらぐ庭に酔芙蓉 藤井
皿を積む食べ放題や敬老日 なつき
敬老日長らく待ちてミキサー食 董雨
電線に向きあちこちの秋燕 こすもす
沼の秋ビューポイントは別の道 和繁
蟷螂の十頭身の三角頭 ほたる
カマキリの宇宙人めく大きな目 ほたる
書庫の古書乾きて薫る夜長かな 博充
夫と吾にあまる一房マスカット あひる
初萩の葉蔭に咲きし池塘かな えいじ
すでにして月も半ばや涼新た せいじ
薄紅葉打ち重なりて渓の風 むべ
引く草に気力奪われまじく佇つ よし女
流れきし雲間を覗く月悲し えいじ
金髪のサーファーとなれり退職後 山椒
爽やかや尾瀬沼渡る風の波 愛正
虫しぐれ楽譜めくりし一葉かな 勉聖
ゴンドラを降りば山風秋気澄む 愛正
見た目よき落穂束ねて供華とせん 千鶴
こぼれ萩に座る幼の茶会かな あきこ
蓑虫や月の光をため込んで 藤井
涼新た老い母にあるイェスの顔 せいじ
興味引くひっぱりだこ飯てふ弁当 よし女
パズル解く認知予防の夜長かな みきお
海に落つ雷鳴天地輝かす 山椒
盗人とも溝とも言われ萩の花 明日香

2025年09月14日

遠ざかる長き汽笛や夜長なり 博充
風渡る古し舞殿薄紅葉 もとこ
菊の供花雨に香れる慰霊塔 康子
鞘いでてはらりとほどく芒の穂 ほたる
草の原なびく音にも虫すだく むべ
寄せ書きに涙目となる敬老日 せいじ
秋雨や茶を熱くして今日終る よし女
それぞれに個性ありけり虫すだく みきお
高雄山ふもとの茶屋のゆか料理 千鶴
瞼閉じ耳をすませば秋の声 みきお
秋立つや利根川流る風の音 愛正
枯蓮の二つ折れなる地獄絵図 ぽんこ
老母の目の高さに一つ秋の薔薇 あひる
秋蝉の杜に転ぶや茶寅猫 えいじ
柿たわわ鳥突つかぬは渋柿か きよえ
秋涼し夜明けに消ゆるジャズの音 勉聖
イヤホンの耳に幽かな祭笛 あきこ
園児らと舞台の協演敬老会 千鶴
秋場所や毎度目につく著名人 みきえ
露を置く葉を穂が隠すゑのこ草 和繁
もうすぐね順番待ちの稲田かな 明日香
夕日浴ぶ棚田に稲架の影落ちて 博充



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