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新玉葱どこまで剥くか迷ひをり あひる
白木蓮君の町へと続く道 藤井
他所よりも遅れて我が家芽立ちかな よし女
句碑ならぶ小径に光るねこやなぎ なつき
砂だらけではしゃぐ子どもら春の浜 こすもす
春眠のソファーに響くケトルの音 せいじ
春陰や半地下めきし喫茶室 せいじ
菜種梅雨夕餉の支度早めをり 澄子
雀どち見下ろしてゐる春露天 わたる
枝先を見上ぐ気象士花五輪 みきお
卒業や余儀なくありしコロナの禍 よし女

2026年03月19日

葉の下にふふむ淡紫の雪割草 ほたる
指あとの消えて草餅二つ三つ ほたる
仏塔の檜皮葺へと春の雨 風民
菜の花や香り溢るる畑かな 花茗荷
霞立つ春の島見ゆ石廊崎 えいじ
街騒に競ふがごとき百千鳥 康子
山門へ続く石段花樒 風民
荒枝の棘の鋭き木瓜の花 勉聖
仏前に子らのお供え春彼岸 よし女
留守中のチラシ選り分け春炬燵 せいじ
足弱の主や如何に白木蓮 みきえ
朽ち果てる幹に芽吹きの逞しさ ぽんこ
尾根の雲春のもや曳き上りけり 明日香
春潮の寄せる龍宮窟青し えいじ
お中日墓あればこそ集ひけり 明日香
玉水を産毛に湛へ猫柳 せいじ
春暁に丹塗りあざやかなる鳥居 和繁
春の浜天使の梯子届きたる むべ
両隣の供花同色のチューリップ こすもす
天気雨受けて明るきクロッカス 和繁
歩にあわせ風を刻んで翔ぶ蝶々 みきお
苗札ややがて芽のでる土に息 藤井
名草の芽にぎやかなりし子規の庭 なつき
縦横に春日を縫ふて高速路 たか子
駄菓子屋が集合場所よ春休み なつき
八十なれど鶯鳴けど姿見ず ふさこ
鴨引いて細波ばかり山の池 やよい
村しづか夜明け遠き雉子の声 勉聖
流水路紅白競ふ落椿 愛正
青竹の支柱に満開若桜 康子
合格の子の輝きやパンジー群る きよえ
川風にふるへ透けたる花李 むべ
山焼や村民総出で警戒す みきお
木蓮のひらりひとひら剥がれさう 伸枝
椿落つ短き鵯の鋭声に 澄子
両岸に猫柳ある小川かな わたる
受験生ひと足早くサクラサク みきえ
鶯や藪の奥より初音かな 藤井
独り居の生活の忙し猫柳 よし女
セーラー服今日で着納め卒業す 伸枝
紅顔の清らに弾く春の雨 あひる
春麗ら水車のまはる蕎麦の里 澄子
開花日や笑顔で向ふ花の下 きよえ
線香の香の微かなり春の風 こすもす
声ばかりして鶯の河原かな あひる
初音聞く墓に初音と言い添える もとこ
春を知る土手芝濃淡斑なり 愛正
春愁のわが歩は須磨の白砂踏む みのる
長閑なる道を選んでポタリング わたる
呆け封じならばと詣で青き踏む うつぎ

2026年03月18日

眠る街春三日月の見おろせり えいじ
クレーン車の上に人影剪定す 明日香
春雨や恵みの雨と願ひつつ きよえ
朝夕は部屋の真ん中春炬燵 みきお
百千鳥ゲートボールの声高し やよい
あぢさゐに雨の重みや地固まる 藤井
囀りの溢るる藪や群雀 あひる
佇めば母似の影やさくら貝 勉聖
合掌の墓地に響きし初音かな こすもす
カーレーター還暦迎ふ須磨の春 みきえ
刷くごとく車窓を叩く春の雨 せいじ
うららけし美声拡げて鳥翔てり よし女
階上の露天湯包む春夕焼け 澄子
近づけば藪の囀りふと止みぬ あひる
日輪に返す光りや猫柳 愛正
墓誌案をじつと眺めて春炬燵 せいじ
風光るボール蹴る音走る音 伸枝
バス停前花屋に並ぶ色は春 ふさこ
水音のたかまるところ猫柳 澄子
春の川水輪残して鷭潜く むべ
降りだして袴で駆くる卒業子 なつき
日矢射して眩しき土手の花菜畑 康子
春雨や二輪飛ばすも濡れ鼠 みきえ
いつせいにつくしんぼうの整列す 和繁
雨に濡る桜の莟艶っぽく きよえ
花大根むらさき淡きなぞへかな むべ
綺羅たてて上るさざ波春の鴨 明日香
春寒やバッグ忘れし納骨堂 よし女
鶯や藪の奥より初音かな 藤井
霜おりし村に春暁雉の声 和繁
春雨の暮色に沈む峡の駅 うつぎ
年一回賑あふ部落道具市 みきお
薹立てば九輪輝く土筆かな えいじ
蝌蚪生まれ幼馴染はちりぢりに 伸枝
春疾風競走の子ら追ひ越して わたる
墓参道バックミラーに沈丁花 こすもす
曇天に彼岸桜のほつほつと もとこ
朝練か掛け声流る春の土手 愛正
砂白や頬杖解けばさくら貝 勉聖
山路ゆく辛夷の風の心地よさ 花茗荷
子規の庭巡るほほけし蕗のたう なつき
園丁に声をかけられ花便り 康子
竜天に登る姿に葡萄蔓 風民
下萌や墓石の日影傾けり ぽんこ
長閑さや舫ひも擦る音響く わたる

2026年03月17日

花冷や出不精にして筆不精 伸枝
二丁目の角の闇より沈丁花 ほたる
越境や人を見下ろす椿かな えいじ
羽衣の柳よじらせ春の風 あひる
水の出ぬ古き水場よ犬ふぐり 和繁
道真公にあやかる絵馬や梅真白 なつき
手庇に見晴らす沖や鳥曇 やよい
春眠や咥へしままの哺乳瓶 みのる
一声を湖に落として鳥帰る 澄子
卒塔婆を叩く風の声春彼岸 山椒
河原石みどりに埋め蓬生ふ むべ
風やさし被災の能登や春の海 花茗荷
消火栓根元を飾るはこべ草 和繁
清国と刻む墓標に草青む ぽんこ
老いて妻二階に聞こゆ花粉症 えいじ
高木の剪定最後まで見てし 明日香
初物の蛍烏賊なり酢味噌和え わたる
古書街の質屋ののれん夕朧 なつき
ナナハンを停める菩提寺春彼岸 山椒
光芒のいま天降り初む青葉闇 せいじ
藪椿ひらく狭庭に久の晴 うつぎ
日もすがら水音を聞いて猫柳 あひる
道の辺や心地よき春猫柳 勉聖
初花やオフィス街に笑み満つる 康子
咲き極む淡紅選りて春彼岸 ほたる
春風に揺れる葉影や青畳 風民
野遊びや駆け出す犬の車椅子 康子
神木に営巣許さる鴉かな 澄子
対岸の陰りに光る猫柳 愛正
玉筋魚を待ちて列なす魚市場 みきえ
囀や池面掠めてこぼしをり きよえ
切り揃ふしきびの供花彼岸入 千鶴
老夫婦声掛け合ひて春の畑 みきえ
葉ごと食ぶ塩気ほどよき桜餅 伸枝
搗き立ての湯気も草色蓬餅 みきお
道ばたや小川にほころぶ猫柳 勉聖
ランドセル揺れるお守り孫踊る 愛正
剣道の気合の声や春疾風 こすもす
参道は大緑陰や神さびて せいじ
弓なりに渚の続く逗子の春 むべ
診察室に並ぶミニカー長閑なり よし女
春の空流れて雲のハート形 よし女
春眠や壁の隙間に漏る光 うつぎ
青空に向かひ明日への桜の芽 もとこ
剣道の練習ペア春暑し こすもす
辛夷咲く降るよに良き香散らすかな きよえ
雪解けや急流誇る最上川 わたる
大鷭の陣ばかりなる初瀬川 明日香
測量士一歩踏み込む春の草 みきお

2026年03月16日

春の夜やジャズにほどけし指の影 勉聖
逃げ水を追ふ幼な子や諦めず みきお
葱坊主立たされて坊主ひと並び 伸枝
山寺の水辺ほころぶ猫柳 よし女
法要の読経責め懸く春疾風 そうけい
梅散りてスカイツリーを仰ぎたり なつき
大木の枝に捕らわれ月おぼろ やよい
苗札ややがて芽の出得る 藤井
杉の花粉雲海めきて煙りけり 勉聖
潮の香の漂ふ路地や若布干す むべ
てんと虫ら組んずほぐれつ春の畑 千鶴
御寺への大緑陰は女坂 せいじ
名水に浸す掌ぬるみけり ほたる
脚だけの橋越えてゆく雪解かな わたる
高木や剪定後まで見てをりぬ 明日香
花すみれ路傍にひとつふたつかな 青海
蚕豆の花のほんのり紅かかる きよえ
さきがけて紅萌えし楓かな みのる
彼岸詣での子に佛灯の揺らめけり よし女
水切りを競う子どもら水温む こすもす
まず作るビニールハウス雪解畠 和繁
青空に風をまといて白木蓮 ほたる
進級し歩み堂々高学年 みきえ
手入れ良き紅椿咲く観音寺 もとこ
花辛夷散る時白き羽根となる 風民
大きなる後姿や卒業生 みきえ
山畑の縁に奔放ぺんぺん草 あひる
土手の風諸手請ふ気な雪柳 そうけい
笠編みの手ほどき受ける春炬燵 わたる
卒業や標本木のまだつぼみ なつき
色淡くおほどかなるや春の野辺 せいじ
太腕の漁師の包む白子干 むべ
渡船跡揺れて誰待つ猫柳 愛正
菜の花や光と風に頭振る うつぎ
木の幹も名札着けてる新学期 山椒
三角の水脈つぎつぎと春の鷭 明日香
ものの芽の色もさまざま山光る 愛正
春霞視界の先は茅渟の海 伸枝
鶯や藪の奥より初音かな 藤井
春光に透かすシーツの白さかな 康子
瀬の音の心地よきかな水温む こすもす
春天に部活の子らの声こだま みのる
神木の溢るる新芽仰ぎけり 康子
三月菜野菜売り場のうすみどり きよえ
黒スーツかたまり動く新社員 みきお
さ揺らげる笹薮ありし初音かな 青海
木漏れ日の斑の揺れ動く春の風 花茗荷
山の辺に畦を焼く香の渡りけり 和繁
春旱川底の石まざまざと 山椒

2026年03月15日

落椿たどり亡き人偲ぶ会 むべ
ゆったりと進む時計や春長閑 山椒
川の名の変はる岸辺の寒紅梅 風民
この里のものだけ使ひ蓬餅 わたる
夕霞栄枯盛衰館跡 澄子
花冷や早咲き桜散り始む きよえ
春耕の畝幾何学を描きけり あひる
真菰生ふあひる尻ふり小波たつ 愛正
発砲に続けて猟犬吠えたてり 千鶴
下萌を鳩の静かに歩みけり 和繁
飛梅や結界に結ふ吉みくじ なつき
空真青見上げる辛夷の眩しさよ 花茗荷
春泥や轍にひとつ句の芽かな 勉聖
耕運機弾む菜園畝柔し みきえ
屈み入る穴弘法の冴返る なつき
淡紅の供花に送られ春の葬 康子
たんぽぽや色鉛筆は十二色 伸枝
風吹かば生け垣白き雪柳 愛正
白きもの花ではあらず水芭蕉 勉聖
なぞえきて妻の影ある土筆摘む えいじ
土手ゆかば手にひと枝の猫柳 澄子
ユニホーム着て別人に春疾風 みきえ
梅の実や籠あふれつつ山くだる 藤井
からからと蜆の朝餉リズムよし うつぎ
堰落つる泡の疾さや春の水 えいじ
堂縁に賞の生け花風光る せいじ
慟哭と嗚咽の縮図涅槃絵図 こすもす
涅槃西風チャリの学生路譲る きよえ
散歩道一雨ごとに草青む みきお
園児らが来て盛り上がる涅槃寺 せいじ
陽光に艶めく蕾薔薇の門 やよい
怒りける流れを吐けり雪解滝 わたる
朝寝の床夢か真か鳴るチャイム うつぎ
霞晴れ九州の嶺々鮮やかに よし女
春眠や地蔵笑うてみてござる もとこ
踏み入れぬなぞえを染めて金立花 あひる
大山門潜りて涅槃詣でかな みのる
春蝉や山腹登る三合目 藤井
校塔の華やぎ淋し卒業式 よし女
春北風に小籠包の試食会 和繁
水面いま綺羅の蛇行す春の川 むべ
雨止んで空気に晒す春の土 みきお
日陰より出て啄める春の鳥 風民
押し寄せる怒濤の如き雪柳 山椒
寺庭に流線をなす韮の花 康子
啓蟄や右往左往のショベルカー 伸枝
尾根までも芽吹きの模様三輪の山 明日香

2026年03月14日

朝かすみ処々啼鳥の名を知らず よし女
ほうれん草特価嬉しや二パック きよえ
一国の長が世界を揺らすエゴ 藤井
山茱萸が奥へと誘ふ隠れ庭 あひる
雪解川船頭の歌少し揺れ わたる
細波の綺羅さかのぼる春疾風 康子
花を待つ鬼門の寺に数珠買へり なつき
風のぼる畦のさざなみ犬ふぐり 勉聖
古瓦の波の反りや春の空 勉聖
涅槃吹遊具寂しそ風遊ぶ きよえ
菜の花の谷埋め尽くし海青し 山椒
雪囲とりて思はぬ天気雨 和繁
花束を抱へ屯す卒業生 康子
山襞にこだます銃声春の猟 千鶴
ほうとうを吹き吹き食めば和みけり あひる
春寒に背筋伸ぶ老謡をり もとこ
松が枝の淡く地に敷く春日影 澄子
春ショール花屋に同じ色見つけ 風民
手間かけることは苦にせず蜆汁 わたる
一村の田畑潤す春の川 みきお
真菰伸ぶ取り込む水の波紋見ゆ 愛正
片足は茶畠の中測量士 みきお
涅槃図に描き加へたし考と妣 伸枝
朝露やつづる一枝の雪柳 愛正
一汁一菜贅沢に寒蜆 うつぎ
花桃の濃きくれなゐの山路かな むべ
啓蟄や芝の鴉の釣り歩き えいじ
鮮やかや朝日の色の黄水仙 むべ
撮影のドローン寝釈迦起こすまじ せいじ
春の田に雪山からの照り返し 和繁
プレゼントの包開ければ春帽子 こすもす
山椿落つる音して痛み知る 藤井
朧月隊商のゆくゴビ砂漠 明日香
残る鴨オオバンばかり黒々と 明日香
遅速あり春空を飛ぶ千切れ雲 澄子
漱石も子規も筆まめ木の芽張る 伸枝
潮の香も霞んでをりぬ里の浜 よし女
夕映えや溶けゐるような春三日月 えいじ
夕潮の満ちくる浜や桜貝 花茗荷
ボロ市の金の指輪のみな千円 なつき
チェンソーで日曜大工春日差し 山椒
本堂の外より寝釈迦盗み撮り せいじ
首傾げゐる鶏に地虫出づ みのる
鶯の色と思いて鶯餅 風民
半眼の丈六仏や堂冴ゆる うつぎ

2026年03月13日

水底の砂躍らしむ春日かな 澄子
お地蔵の前掛けよれて寒戻り もとこ
生簀よりバシャバシャ跳ねる桜鯛 千鶴
世は嘆き釈迦は笑まふや涅槃絵図 伸枝
二つ三つ以外は蕾白木蓮 こすもす
崖下に空仰ぎ見る落椿 康子
春北風ふらつきつ漕ぐ二輪かな みきえ
すっぽりと盆地を埋める雪解靄 わたる
一隅の白き炎や花辛夷 風民
とりどりの色帽子散る春の野辺 澄子
春川の魚巣ブロック甲羅干し 明日香
涅槃図の子らへの絵解き相伴す せいじ
とつぷりと暮れて街路の花辛夷 うつぎ
ランチタイム注文それぞれぼた餅も こすもす
水音のひびく畦道いぬふぐり 勉聖
初蝶の氏神詣で身に纏ふ そうけい
杣道に入れば初花あえかなり 康子
蕨籠背負ふ嫗や見え隠れ 愛正
待春の杜へ丹の橋渡りゆく あひる
山門を出でて東風吹く土の香な 勉聖
涅槃図の絵解きの僧はスニーカー せいじ
点描の街灯消ゆる春霞 ほたる
麗らかや千里の浜に鳥遊ぶ 花茗荷
春夕焼け梯子のぼりて広き空 ふさこ
喪帰りの夜道春星潤みけり むべ
風の日の木蓮花より日を零す えいじ
貨車来ればいつも数ふる春の雲 うつぎ
防雪柵畳まれ並ぶ荒き畦 和繁
山道や地蔵に供えし蕨あり 愛正
横向きに蓑虫がゐて木の芽時 和繁
涅槃図の裾は丸太のごと転ぶ みのる
畑白し里人の刈る花大根 そうけい
山雲のオンパレードや山笑ふ きよえ
麗らかや崩るる波の白さかな 花茗荷
水平線見下ろす彼方春霞 やよい
輝やひて墨雲跳ぬる春夕日 きよえ
一掬ひ不老長寿の春の水 みのる
夕霞して日の引っ掛かる竹林 よし女
泣寝入り大泣きも居り涅槃絵図 あひる
山裾に菩提寺ありて霞をり よし女
仏殿の隅の隅まで冴返る 伸枝
下萌えのなぞえに垂るる丘の道 えいじ
春光や烏のとまる避雷針 わたる
白銀を突いて天刺す片栗芽 ほたる
葉を払ひちんあなごめく春大根 みきえ
黄水仙旧居の庭にあふれ咲く むべ
ぶらんこに乗りて公園デビューせり 明日香

2026年03月12日

黄水仙灯台の灯のごと揺るる きよえ
彼岸寺碧眼所化は働き者 みのる
うた唄ふやうに出づる芽チューリップ 康子
「花は咲く」チェロの音響く春の夕 風民
到来の若布のこぼす潮の香 よし女
多摩川の堰の落差を春の水 むべ
涅槃絵の沙羅の木ひとつ命継ぐ せいじ
水の春蛇口の水の柔らかし みきお
鐘鳴りて町しづまりぬ震災忌 勉聖
春日射す堤防の亀甲羅干し 明日香
春の鴨ひよいと池面に現はるる なつき
春光の屋根を眩しむ鐘馗様 うつぎ
海の町鐘ひびき合う震災忌 勉聖
蒼天に父と腕組み卒業す えいじ
悔ひ無しと肩の荷下ろす受験生 みきえ
伸び代を伸ばしきったる受験生 みきえ
達筆の御朱印春日に輝けリ こすもす
蕨採りて井戸端に洗ふ嫗かな 愛正
堀川を埋む菜の花浄土かな 康子
渓谷の水音山襞の雪間 愛正
涅槃絵の準備は若き修行僧 もとこ
水鳥の去りて川幅広々と みきお
春光や童地蔵の膝頭 よし女
落椿踏まじ避くる山路かな 千鶴
道決めて踏み出す空に名残雪 わたる
螺旋階段登りし先や春夕焼 こすもす
園児らのOBが侍す涅槃寺 せいじ
蜆蝶わが足もとをめぐれけり ほたる
杣道の川となりけり雪解水 わたる
僧総出大涅槃図を掛けにけり うつぎ
落椿いさぎの良さと儚さと たか子
表札の外されし家木の芽風 和繁
知らぬ名の草籠に摘む異邦人 ほたる
春荒れに猛者釣りする岸辺かな えいじ
舞台はね駅までの道春ともし むべ
啓蟄やあひ存問す吟行子 みのる
ドローンの撮す涅槃図ずずずぃと 伸枝
のどやかに反るや古刹の大庇 あひる
冴え返る歯を削る音洗う音 やよい
春一番どぼんと鯉のはねる音 明日香
夜の明けてコーラス拡ぐ春の虫 きよえ
新しき木札揺らせり梅古木 なつき
園児らもののさま詣り涅槃の日 伸枝
石ころの一つ一つに春の雪 和繁
涅槃会や作務衣の僧ら手際よく あひる

2026年03月11日

春疾風季寄せ頁のさだまらず えいじ
春光にやさしく浴ぶる仁王かな きよえ
棚田道ひらく谷間の雪のひま 愛正
園児らに稚語もて絵解く涅槃僧 みのる
御衣黄百年となり語り継ぐ ふさこ
楊貴妃のネイルめきたる桜の芽 あひる
強風に震えの止まぬ遊蝶花 ほたる
春日影散らして翔つや雀どち むべ
初蝶跳ぶ休耕田を休みなく よし女
春愁や丈六仏に見下され みのる
観音の標を辿る木瓜の花 ぽんこ
大涅槃図月は天井の真中より うつぎ
道明寺ひらりと解いて葉の香り ほたる
凍解や藪と格闘する鴉 和繁
電車ひとつ早める帰宅春深し こすもす
水音も春告ぐものと数へけり 澄子
水芭蕉花と思はずや白誇る 勉聖
園児らと由来聴きたり涅槃絵図 こすもす
春光の妨げられず澄む大気 和繁
惚け封じ参る吟行春遅し 伸枝
石垣の割れ目に萌ゆる緑の芽 みきお
公園の花が花呼ぶ養花天 みきお
脇で母見守りて書く受験絵馬 なつき
足音に泥の底から春の鯉 きよえ
山里にカナダ住宅ミモザ咲く うつぎ
せせらぎの調べに唄ふ百千鳥 康子
にはたづみ否春の空跨ぎけり 澄子
初蝶のひらひらと吾が傍らに よし女
雪間より名知らぬ草の新芽あり 愛正
ひと休み春陽のあたる丸石に あひる
碧眼の僧もちらほら涅槃寺 せいじ
あたふたと集合場所は春の駅 もとこ
健脚ですねと声掛けらるる春の坂 やよい
春菜畑鍬入るたびに土ほぐれ 勉聖
啓蟄や老いて夫には従はず 伸枝
鎮魂の祈りの舞やスケーター みきえ
統廃合すすむ僻地を卒業す 花茗荷
厨事止めて黙祷震災忌 みきえ
窓辺にて犬と遺影と春の雪 むべ
日永窓湯船に霞む空の青 えいじ
春光や鷺のついばむ鏡池 康子
鎮魂の鐘渡りゆく震災忌 わたる
春場所や負けこむ綱のあっけなさ 千鶴
薄氷や緋鯉うつしていきひそめ 藤井
春めくや垣根の新芽色をなす 藤井
穏やかな日差し賜る初大師 なつき
本堂はいま涅槃会の準備中 せいじ
まずひとついただいてから蓬餅 わたる

2026年03月10日

抜かんづと肩出し待つや春大根 きよえ
朝日うけ城址石垣羊歯萌ゆる 愛正
マラカスや振りて楽しき種袋 伸枝
新しき雪の春田の明るかり 和繁
泡沫の泡の間の春の風 わたる
鳥帰る別れ声降る最上川 わたる
牡丹雪軒端に潜む鵯一羽 澄子
海風に煽られ飛び来黒揚羽 みきお
戸袋をキャンバスにして実南天 せいじ
受験子へ詰めの差し入れハンバーガー みきえ
窓ガラス揺らす大きな嚔かな みきお
岩陰に声上げている黄水仙 ぽんこ
青空に友の指さす白木蓮 康子
笑みこぼる水琴窟の春の音に あひる
海苔炙る祖母の居場所は春火鉢 もとこ
三寒の只中にゐて風の音 風民
古里や残るも発つも春の風 勉聖
青菜いま地に伏せしむる牡丹雪 むべ
かろうじて地に落つまでの名残り雪 風民
立ちしまま眠りに落つる春の人 みきえ
アスファルトあをぐろく染め春霙 むべ
朝霞開けば湿地が宅地圏 そうけい
十五年三・一一を忘れまじ せいじ
伸びきって風のままなる茎立ち菜 よし女
束の間のテスト休みや春の夜 こすもす
百千鳥小さき森を膨らませ やよい
春の雪光を連れて降り注ぐ 和繁
マンサクや卍卍を綴り咲く あひる
草萌や雨後の黒ぼこ虜とす 康子
蹲の仏に見ゆる春愁 花茗荷
厨窓や蝿とまりゐる春の昼 勉聖
遠き見ゆ巨船の霞む知多の春 えいじ
深酒の理由聞きもせず蜆汁 伸枝
囀にしばし耳貸す書淫かな みのる
受験絵馬スマホで文字を調べ書く なつき
初音してふと目を合わす散歩かな 青海
仏前に夫の好物桜餅 よし女
春泥や戦火の報にまたしても ふさこ
一樹に咲く紅白ピンク梅の花 きよえ
春愁や流行りのバッグ買ひたれど うつぎ
巣燕の下を避難す抱き地蔵 なつき
波の声ねころびて聞く春の海 ほたる
水温む小川奏づるさらさらと 愛正
地にひらく空の点描いぬふぐり えいじ
降るはやさ解けるはやさや春の雪 澄子
春寒や缶コーヒーに手を温む 千鶴
すみれ咲く枯葉のなかにただ一つ 青海
力士の姿数多や浪速の春来たり こすもす

2026年03月09日

春の雪朝には止みて町明るし 和繁
青春の二輪一気に跨線橋 みきえ
畑昨を閉ず鍬先に犬ふぐり よし女
春の鯉川のよどみにうごめいて 明日香
登校に老夫付き添ふ春の雪 和繁



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