2009.4〜2010.3の自選作品集です。

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投稿者一覧(25名・受付順)


雅流さん

参加年 = 2007年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 大阪府

 

福笹を掲げ昼酒許されよ

雪晴れて一穢なき空鳶のもの

炭竈に温もりほのと杣見えず

里山に犬を呼ぶこゑ猟期果つ

天領でありし能勢の田雉子走る

わらべ唄洩るるホームや老の春

病名を知らず逝かれし余寒かな

耕しの妻に鍬の柄長かりし

裏山の禽獣かこち春田打つ

観梅へをみならのバス姦しき

雅流さんのコメント

今年1月から毎日句会に参加させてただき苦しみながらも俳句に接する時間が長くなり喜んでいます。多作多捨と云われながらもなかなか実行出来なかった句づくりがお陰さまで一歩前進できたように感じています。まだまだ一度に5句〜10句とはいきませんが何とか続けて行きたいと願っています。今後ともよろしくお願いいたします。

わかばさん

参加年 = 2004年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 兵庫県

 

初明り六甲の嶺々白変す

雪解水たるる山門走り抜く

花吹雪ダム湖豊かに水湛へ

老鶯や寺苑の森の奥深し

天平の宮跡わたる風涼し

海峡は船の銀座や雲の峰

波止涼し漁火遠くまたたきて

海峡に霧笛しきりの朝かな

名園に座して満目冬紅葉

抽んでて苑を統べをる大枯木

わかばさんのコメント

おかげ様で今年も皆様の輪の中で楽しく過ごす事が出来た事嬉しく思っています。作句の方はあまり進歩はしておりませんが、今年もご指導を得て皆様と楽しく学んでまいりたいと願っております。みのる様みな様宜しくお願いいたします。

英子さん

参加年 = 2004年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 岡山県

 

下萌や古墳を越えてまた古墳

ぼたん雪降る静けさを宜ひぬ 

玻璃ごしの春の光を画布に置く 

囀りの天漏るがごとき朝の庭 

雛の宴手作り寿司に舌鼓 

焼かれたる土手黒々と起立せり 

野火煙り右往左往す日和かな 

枯蔦の抽象画なす土塀かな

北風に背を向けて立つガードマン

お喋りの華さく午後のホットレモン

英子さんのコメント

細々ながら俳句を作り続けている自分に驚きこの出合いに感謝しています。どうぞよろしくお願い致します。

有香さん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

加茂川の中州を渡る花菜風

菜の花や廃止決まりし路線バス

でで虫に名前を付けて子ら遊ぶ

風化して読めぬ碑蛇の衣

献燈の一つ傾ぎて樹下涼し

ハイカーに手を振る明日香野路の秋

後足宙にもがきて鴨潜る

マスクせし目尻が笑まふ小児科医

子ら入れて少しのぼせし初湯かな

初鏡後に猫の覗きをり

有香さんのコメント

この一年多くの吟行に参加させていただき、四苦八苦ながらも句を作れたのは、みのるさん始め皆樣のお陰と思っています。地元の里山をまた新しい目で見られたりしたのは、とてもよい経験になったと思います。なかなかみのる選には入りませんが、これからも頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

明日香さん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 奈良県

 

初春や畝よりのぼる土の息

三輪山の光背となり初日出づ

季にあそぶ生活は楽し春の雪

新しき古墳出づとや青き踏む

水田の続くまほらや夕映えて

修羅のごと山揺らしをり青嵐

稔り田のところどころに古墳見ゆ

平城京ひと足ごとにばった飛ぶ

中天の冬満月と出勤す

風紋の残りしままに川氷る

明日香さんのコメント

初めて10句選ぶことができました。参加年を書き8年続いたことに改めて皆さまのおかげと感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

花茗荷さん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 石川県

 

堰落ちて逸る川波春の風

洞深き老幹なれど花万朶

滴りが苔にまろびぬ禅の庭

怪獣の頭めきたる雲の峰

星涼し明日登頂の嶺仰ぐ

山小屋の日暮れははやし星月夜

庭師らの一服多き残暑かな

名山の水が自慢の新酒かな

首伸べて白鳥はいま碧天へ

冠雪の白山に威儀正しけり

花茗荷さんのコメント

お陰様で今年も投稿できることに喜びを感じております。 毎年思って実現できませんが句会を是非体験してみたいと思っております。

つくしさん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

朧夜に辻占ひの灯ともりぬ

清明や蛇口のゆるむ庭の桶

百選の水が自慢や冷奴

水際の石を洗ひて磯涼し

古墳から古墳へ秋の遍路かな

ヘリコプター小春の空の雲に入る

身に入むや展示の肖像首は無し

ボロ市の店主が磨く派手な壷

供花の菊枯れて地蔵の伏せ眼かな

柚子三つお手玉となる終ひ風呂

つくしさんのコメント

この一年も病気とつき合い乍ら、みなさんの仲間入りが出来て 日々感謝しています。これからもみのるさんよろしく御指導下さい。

よし子さん

参加年 = 2008年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

鬼よりも女が強し壬生狂言

靴の先花びらつけて帰りけり

春の宵山を離れて月まどか

天平の薫風かよふ朱雀門

寝惜しみて明日香の宿の虫浄土

鉄塔の影たち上がり冬夕焼

翳し行く熊手福笹人の波

山門のわらじ触るればほの温し

野仏の大きな耳に初音かな

避難所の祝卒業の字の虚し

よし子さんのコメント

GHに参加させて頂くようになって皆さんとお知り合いになれた たのしさと どうしても素直に表現できない俳句の難しさを 感じて いる今日このごろです。これからも愚作ですがたくさん作句して その中で一つでもよい句が出来たら嬉しいと思ってをります。 みのるさん御指導よろしくお願いいたします。

こすもすさん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 兵庫県

 

早苗田の風の漣絶ゆるなし

新樹光ヤマトタケルの全身に

手づくりの皿に盛られし夏料理

旅の宿娘とお揃ひの色浴衣

背高のコスモス風に傾ぎけり

川舟の浮かぶ岸辺の草紅葉

雪をかく姉さんかぶりもその中に

太りつつ斜面転がる雪の玉

句談義に和む茶房や草だんご

とりどりの肥料袋や春田打ち

こすもすさんのコメント

GH、不二、最近の毎日句会とどの句会にも楽しく参加させていただいております。今回の10句は季節ごとに集めるなど私にしては贅沢に選ぶことが出来ました。これもひとえにみのるさんはじめ沢山の句友のお陰と喜んでおります。今後も尚一層精進していきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

きづなさん

参加年 = 2005年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

寒入り日雑木林の丘の上に

余念なき菜畑の手入れ四温晴れ

開発の迫る宮居や亀鳴ける

なほ読めぬ句碑春落葉払ひても

古り増さる百の灯籠春陰に

高燈籠松の緑のなほ上に

ぼけ封じ観音へ賽し冬ぬくし

淀君の墓はここよと笹鳴ける

梅白し聖書講座の通ひ路に

香に酔ひて雅号うべなふ梅見かな

きづなさんのコメント

みのる選になかなか入らず、ともすれば落ちこぼれそうな私ですが初めて、年度俳句集に応募出来るまでになりうれしいことです。牛歩の歩みですが、感謝の念をもって精進したいと思います。みなさまどうぞよろしくお願いいたします。

ひかりさん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

初詣人に埋もれし夫を追ふ

ちぬの海四温の日差しはじきをり

料峭や海一望の観艦碑

しろがねの比良をそびらの花菜畑

新緑の四囲にせりだす浮見堂

山裾へ植田鏡の展けけり

雲の峰川原は子らのサッカー場

旗に付く善男善女報恩講

日の揺らぎ障子に映へて池畔亭

伴走は自転車の妻冬うらら

ひかりさんのコメント

俳句を通じて人の輪の広がる一年でした。 これからも皆さんよろしくお願いします。

百合さん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

初暦真白な日の動き出す

おうとつに足裏よろこぶ青き踏む

春愁やショトカットにしてみても

神の木の鼓動を聴かむ風涼し

空腹に祭太鼓の響きけり

神輿来る青のままなる信号機

捨猫の声のかぼそき木下闇

ぶな原林巡りし汗の心地よき

天皇のお休み跡や色鳥来

冬帝や芭蕉の句碑の凛として

百合さんのコメント

あたたかな定例句会、スワン句会に入れて頂き感謝して居ります。 頭で考えて作るのでなく、写生句をと思っていますが、いつも拙い 17字です。でも継続は力と信じ頑張ります。 みのるさん、皆さん宜しくお願い致します。

かれんさん

参加年 = 2009年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

瑞兆のごと草萌ゆる御神田

一の鳥居しのぐ老松色変へず

梅雨明けてうち仰ぐ日のかく眩し

白南風にレースのカーテン遊びすぎ

秋ともし書肆に流るるジャズ親し

玻璃窓のダイヤカットに冬日燦

拝観の間に音もなく初しぐれ

春ともし五百羅漢の私語聞かな

手のひらに温めて納む塗雛

剪定の男は寡黙高梯子

かれんさんのコメント

皆様と共に学べることを嬉しく思ひます。吟行の度に自分の力不足を痛感し、美しい国に住んで居ることに感謝しております。みのるさん、今後とも宜しくお願い申しあげます。

よし女さん

参加年 = 2002年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 山口県

 

サングラス取りみ仏にまみえけり

ゆくりなく桐の花咲く神の丘

小鹿来て水子地蔵の辺に遊ぶ

色変へぬ松は郷士の碑伝ふ

朝千鳥波打ち際に整列す

探梅の径のはずれに畜魂碑

ベビーカー覗けば小犬初詣

末黒野の岩がこれほどあろうとは

春雪の窓に維新の講義聴く

爺のそば犬も寝転び山笑ふ

よし女さんのコメント

平成22年の5月奈良の旅をした折主人と初めてスワン句会に参加させていただき、緊張感の中で良き学びと大きな感動を味わいました。その半年後思いがけなく毎日句会が復活し嬉しくてみのる選を励みに吟行にも出かけます。

句友句敵でもある夫と共に GHで学ぶ良否を味わいもしますが、素直な心で作句選句にいそしもうと思いました。俳句の未来に向かって何とか歩み続けて生き抜きたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三刀さん

参加年 = 2010年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 山口県

 

初御空日の丸高く揚げにけり

探梅行日向日蔭の遅速かな

翻るたび煌めける浜千鳥

雪雲の襲ひいかかりし狼煙山

吾鬼にあらずと追儺豆を噛む

蜑の路地抜けて千鳥の浜に着く

春ともし欄間の彫を浮き立たす

軒先を借りて商ふ春帽子

未黒野の真っ只中に身を置きぬ

合格とお礼の絵馬や梅匂ふ

三刀さんのコメント

2010年5月の奈良市での吟行句会に初めて飛び入り参加させて頂き、みのるさんを始め多くの方々にお会いでき心地よい刺激を受けました。私は2011年年頭の毎日句会からの参加ですが楽しい毎日です。硬くなりつつある頭をほぐしたいと思っています。これからも変わらぬご指導をお願いします。

菜々さん

参加年 = 2005年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

野遊びの園児ら声をまき散らす

園広し百樹百花に春惜しむ

枝分れの気配を早やも袋角

木香薔薇四方へ香りの蔓ひろげ

在りし日のままに揺り椅子夏館

飛鳥野を隈なく照らす良夜かな

爽やかや白磁の香炉を眼福に

モネの絵に寄りて離りて秋惜しむ

降りしきる銀杏へ開く弥陀の門

イルミネーション消えて星空聖夜更く

菜々さんのコメント

皆さんと吟行した時の句を主に選びました。その時その時が鮮やかに思い出されます。 みのるさんの適切なご指導のおかげと心から感謝いたします。 歳を重ねる毎に一年の早いこと!今年も句作りに励みます。 みのるさん、皆さんよろしくお願い致します。

ぽんこさん

参加年 = 2004年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

煌めくは大パノラマの冬の沖

一湾をまたぐ白雲冬の晴れ

春愁や路面電車のきしむ音

背くらべしているごとくつくし伸ぶ

山門の一茶の句碑に春惜しむ

塔の影水面に乱れ青嵐

万緑や池鏡なる浮見堂

夏草や整列したる兵の墓

相輪の石塔尖る秋の空

対岸の五彩の紅葉花のごと

ぽんこさんのコメント

良き師、良き句友に恵まれここまでやってまいりました。 上達はなかなかおぼつきませんが、いまでは毎日俳句にたずさって楽しく生活しています。私にとって句作りは大変ですが今年も精進するのみ、頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。

はく子さん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

新しき自転車軽し草萌ゆる

春立つとポストに届くもの多し

海辺までオアシスロード緑立つ

大夕焼くまなく空を染め上ぐる

梅雨明くるコーヒーカップは海の色

いてふ枯れ切って空広ごりぬ御堂筋

六道の辻へ標や秋暑し

老二人年の用意はそこそこに

子らの声寒九の空へ突き抜ける

大寒もいとはずけふも妻外出

はく子さんのコメント

俳句を始めて年数だけはずいぶん経ちました。年数が経てば上手くなるのなら・・・なかなかそうはまいりませんのに今だに俳句にしがみついております。俳句がなければ何もなくなりそうで、これからもしがみついてまいります。よろしくお願いいたします。

うつぎさん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

石舞台静まり返り飛花落花

軍港の湾真っ平夏燕

母を撮るコスモス畑へ連れ出して

石蕗明り行基の寺の布教板

数珠を編む指に見とれる路地小春

通院の患者同士の御慶かな

双体仏に前垂れ一つ冬うらら

うちの猫こんなところに涅槃絵図

春灯や昔置屋といふ茶店

くっきりと灘の潮目や花菜畑 

うつぎさんのコメント

苦手だった吟行もこの一年で少し楽しくなってきました。今日はどんな出会いがあるだろうかと出掛け、すんなり一句授かった時はほんとに嬉しいですね。こんなことはごく稀で大抵は頭を抱えてますが。俳句を続けられるのも、みのるさん、皆さんのお陰と感謝しています。今後ともよろしくお願い致します。

満天さん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

ひらひらと峡の日返す柿若葉

葉の先に珠のしずくや梅雨明ける

耳鳴りにあらず初蝉目覚めけり 

コスモスの百万本に空青し 

年用意セピア色なるレシピ手に

終ひ湯に至福を思ふ阪神忌 

和太鼓に掛け声揃ふ寒稽古 

春塵の穢なき堂経ひびく 

春の富士薄紅色に昏れなんと 

玉の日に合掌ゆるびし牡丹の芽 

満天さんのコメント

良き指導者と良き句仲間に恵まれて8年を過ごさせて頂いております。 復活の毎日句会も一日の締めくくりのようで休まず参加させて頂いております。今年の一泊吟行句会にも良き思い出になるよう頑張りたいと思います。みのるさん、皆さんよろしくお願いします。

小袖さん

参加年 = 2004年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府

 

大和路の古墳を埋む竹の秋

郭公の遠こだまする里の山

夏草の宝庫や峡の道楽し

百選の里に青田のそよぎけり

大夕立門跡かたく閉じしまま

水澄みて真砂の躍る飛鳥川

湾囲む舟屋に雪の堆く

風花す麒麟の長き睫毛にも

極彩の高き塔より雪解水

草青む近江平野の長き畝

小袖さんのコメント

初めての自選十句はスワン吟行、鍛錬会、バス旅行、家族旅行、同窓会の下見時に詠んだ中から思い出深いものを並べました。 俳句は牛歩のようでしたが、元気な一年に感謝です。

せいじさん

参加年 = 2010年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 大阪府

 

どくだみの溝の底より花掲ぐ

山頂の蝉の調べはピアニッシモ

黄金の稲田に浮かぶ古刹かな

残照を仄かに宿す芒かな

矍鑠とせる枯蓮もありにけり

犬同士飼主同士なる御慶

真青なる空より湧きて風花す

寒鴉監視カメラの上に物見

山門の雪解雫に打たれ入る

路線バス待つ束の間の梅見かな

せいじさんのコメント

2010年5月度の吟行句会よりお世話になりました。俳句とは言えないような拙いものばかり作っておりますが、それでも少しずつみのるさんや皆さんに評価していただけるものを作ることができるようになり、大変嬉しく思っております。これもひとえにみのるさんや皆さんのおかげと心より感謝申し上げます。これからも句会の緊張感を楽しみつつ、俳句の何たるかを学んでいきたいと思っておりますので、ご指導のほどよろしくお願いいたします。

あさこさん

参加年 = 2010年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 広島県

 

緋牡丹や数寄屋造りの門訪へば

千万の鈴虫輪唱してやまず

蜘蛛の囲を払ひて入る生家かな

園薄暑絵図を頼みに巡りけり

迫力の阿吽の仁王照紅葉

紅葉山借景となる古刹かな

山寺の朝の静けさ尉鶲

結界のいろは紅葉を愛でにけり

陽だまりに集まる鯉や水温む

鳥達の案内に巡る梅の園

あさこさんのコメント

長年俳句をやっておりましたが微温湯につかったような感じでした。 亡き母の年になり残された人生はまさに貴重、ぼんやりして居られないと思い、みのるさんにお縋りしました。 俳句は写生で報告、説明ではない、全部を言わないで含みをもたせる等々、今以て昏迷の中での句作りですが毎日句会に毎日が追いかけられる思いでがんばっています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

宏虎さん

参加年 = 2003年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 兵庫県

 

狛犬の鼻こそばゆし黄砂降る

春岬馬柵に寄り添ふ母子馬

聞こえくる婚の讃美歌窓若葉

吊橋の揺れて万緑傾ぎけり

昼寝覚め小さな欠伸乳匂ふ

夕焼けを咀嚼してゐる牧の牛

風に散り風と戻りぬ稲雀

天を突く銀杏黄葉の眩しかり

恙なく妻饒舌や根深汁

湖覆ふ三角波や比良八荒

宏虎さんのコメント

GH定例句会が発足し西宮北口のプレラで毎月第三火曜日が定着した事。 スワン句会も昨年は初めて一泊の明日香鍛錬句会が実施されました事。 即ちみのるさんのリ−ドよろしくそれぞれに筋金が入り、今年からは毎日句会を実施していただき、句友の俳句に対する心構えも大きく変化した様に感じ、私も負けずに頑張ろうとファイトを燃やしている昨今です。 今後ともご指導よろしくお願い申しあげます。

みのるさん

参加年 = 2000年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 兵庫県

 

雲裂けて枯山に日矢落としけり

胎教の楽は賛美歌毛糸編む

偕老の二人と見たり花堤

渾身の反り身ヨットの向き変ふる

しんがりに句を拾ひゆく野路の秋

二面石裏はのつぺらうそ寒し

存問のごと覗き込む蟻地獄

育てつつ炉火に心の通ひけり

水鏡して紛らはし枯蓮

虎も威をうち捨てて哭く涅槃絵図

みのるのコメント

3年ぶりに年度作品集を編纂できますことをうれしく思います。GHは、私一人の力ではなく、みなさんのご協力があったからこそ、ここまでこれたのだと思います。みのるの身勝手により、5年間も休止同然の状況が続きましたがスワン句会や不二句会のみなさんが耐えて支えてくださいました。その温かいご支援が私に勇気を与えてくれました。こころから感謝しています。

これからも精進して、この素晴らしい GHの交わりの輪を育て広げていきいと願っています。この作品集を新しいスタートラインとして、期待を持って2011年度の歩みを励みましょう。

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