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寝惜しめる伊根の泊りや月今宵 みのる
秋灯下燦と出土の耳飾り はく子
嬉しさを素直にポンポンダリアかな うつぎ
わが顔に似通ふ月のあばた面 せいじ
名月の天心なるや頭垂れ かかし
軒下の孫の自転車秋の宿 愛正
松原を抜ければ白し秋の波 愛正
2020年10月3日
田一枚畝まっすぐに蕎麦の花 小袖
記念日の朱書きの湯呑秋の夜 かかし
日の暮て八坂の杜の虫浄土 はく子
初潮や岬の礁動かざる よう子
千枚田刈田となりて段険し かかし
草の実のズボンにつきぬ散歩かな 宏虎
山門に入れば浄土の狭霧かな かかし
澄む水に雲も遊ぶや 尾瀬ヶ沼 愛正
手桶下げ先祖に参る新婦かな そうけい
数独にうつつを抜かす夜長かな せいじ
ほんのりと彩差し染むる楓かな わかば
長き夜や書淫となるを防ぎ得ず せいじ
沈下橋秋の出水に逆らはず よう子
墓詣ゆるき坂道照葉樹 ぽんこ
長き夜やホ句の推敲どこまでも せいじ
印南の空を広げて稲雀 わかば
児少なく遊戯の欠伸草紅葉 宏虎
砂をどる湧き水豊か秋の声 ぽんこ
園芸店の柵に絡みてるこう草 こすもす
かすかなる風にも散りて萩の花 うつぎ
霧吹いて籠の鈴虫励ましぬ みのる
虫すだく人気の絶へし子供部屋 かかし
駅前の少女の募る赤い羽根 宏虎
道の駅秋の草花写真展 こすもす
振り向けば五重にかかる初紅葉 ぽんこ
虫時雨止みて深まる静寂かな うつぎ
敷石の疎に走り咲きし草の花 ぽんこ
猿ごと土俵縦横無尽かな 素秀
花道を引き摺る足の負相撲 素秀
夜の更けて虫の野となる古戦場 みのる
僧帽筋怒らせ力士時間前 素秀
潮枯れの木の間に光る秋の海 なつき
対岸のまばらに点る良夜かな わかば
水汲み場いま一叢の彼岸花 小袖
力士顔見合わせ手付き不十分 素秀
野を行くや川瀬に秋の声を聴く わかば
潮風に穂草光りし古墳道 なつき
転作の村の明るし蕎麦の花 うつぎ
里に向け臥せる牧草野分跡 愛正
棚瓢地に影落とす良夜かな みのる
幾千の赤を散りばめ曼珠沙華 小袖
供養塔色なき風の鬼押出し 愛正
舞殿にご神灯並ぶ秋の夜 はく子
純白のウエディングドレス初紅葉 はく子
刈田にて祝盃あげる農夫たち かかし
色変へぬ松や開かずの勅使門 よう子
水澄める池塘に揺らぐ燧岳 愛正
夜長し妻は朝餉の支度もし せいじ
コスモスの丘へ集まる四囲の風 みのる
梵鐘の余韻楽しむ秋の声 愛正
嬉しさと淋しさ半々敬老日 うつぎ
子規句碑と萩雨に濡れ空しけり 宏虎
船着きの石柱に鵜の立ち尽くす なつき
秋うらら絵解きめきたる島の地図 なつき
熟睡を妨げる猫秋深し こすもす
秋声や島と向き合ふ台場跡 わかば
白鷺の見え隠れして稲架襖 よう子
水の泡現れては消えて秋の川 小袖
一の谷奈落は虫の浄土かな みのる
賑やかに子等の集まる墓参かな そうけい
ほんのりと土の香りや零余子飯 うつぎ
見事なる山の綾なす紅葉狩 宏虎
朝市果つ跳ぬる縞鯛締めにけり なつき
長き夜やネットサーフィン果てしなく せいじ
案山子翁去りて騒がし群雀 小袖
三十路とは早晩年の大相撲 素秀
農小屋をがんじがらめに藪枯 よう子
ひんがしの雲まで染めて秋夕日 はく子
秋日和婚の披露を恙なく はく子
2020年9月26日
拘置所の高塀沿ひに曼珠沙華 みのる
林泉の風のさやぎや秋の声 わかば
柿太る今年不作と言はれつつ はく子
渡船場に貸し傘借りる秋時雨 なつき
村役場跡の礎石や虫すだく よう子
殻積んで栗食む縄文人となり うつぎ
身にしむや昭和は遠く捨て火箸 小袖
海見ゆるハンモック吊るカフェかな なつき
秋潮の濃淡混ぜて渡船来る なつき
参道の萩うなだれる急な雨 こすもす
空き家なれど紫式部の色冴へて こすもす
通し土間一直線に秋の風 せいじ
秋惜しむ免許更新あと何回 こすもす
竹の春注連は緒のごと兜岩 なつき
水澄みて真青なる空映しけり わかば
鰯ぐも背反りできぬ回れ右 愛正
貴賎なく孤独死増えて蚯蚓鳴く 宏虎
岩肌を流る清水や秋の声 愛正
落人の開墾地てふ蕎麦の花 かかし
秋燕の峡の中空使ひ切り うつぎ
山風に白光流る薄原 そうけい
一村を赤く区分けの曼珠沙華 素秀
用無しの肥溜め埋める彼岸花 素秀
夕日差す空き家の庭の芒かな そうけい
溝蕎麦や泥濘みはまる猫車 愛正
秋草の道ゆっくりと電動車 小袖
逆転打溜息の出て虫時雨 よう子
甌穴や青天映ゆる秋の水 愛正
病牀にめげず革新獺祭忌 かかし
階下妻の生返事する長夜かな 宏虎
秋憂しやいつ失ひしイヤリング みのる
鬼やんま行きつ戻りつ縄張りを かかし
とんぼうと高度分かちて秋つばめ うつぎ
空港へ馳せる長橋星月夜 みのる
阿波国は藍園村の曼珠沙華 素秀
天文台秋燕高くひるがへり みのる
くさぐさの育つ菜園小鳥来る はく子
密などとは縁遠き里秋深む こすもす
野分くる鎮守の森の賑々さ 愛正
花庭を通ひ路とせる秋の風 せいじ
無き風に揺るる天蓋花の首 素秀
秋晴れや重く厳か三井の鐘 宏虎
雑草のはびこる狭庭風は秋 せいじ
帽子振り駆ける下校子群れとんぼ よう子
軒の巣に羽毛残して去ぬ燕 よう子
能勢栗を買ひ損ねたる道の駅 よう子
無住寺の朽ちゐる門に狐花 素秀
県別の新米試食道の駅 かかし
秋涼し開くお堂の鬼子母神 小袖
滝行場へ川筋辿り秋の声 小袖
打ち傷に触れて優しき秋の風 せいじ
一叢の軽き揺らぎや糸薄 わかば
身辺りに触るるばかりや秋茜 わかば
バスの座の高さで臥しゆく薄かな そうけい
背高の紫苑むらさき広げつつ はく子
大根蒔く畝黒々と整ひぬ はく子
窓の日の温みに目覚む秋の朝 そうけい
我らを待ちゐたかに去りぬ秋燕 うつぎ
銀山に代官所跡や秋の声 うつぎ
岩を噛み瀬音高まる秋の水 宏虎
孫宅を漸く訪ひし敬老日 せいじ
鵙猛る能勢氏住ひし城の跡 小袖
藍深く潮の目著き秋の海 わかば
子規の忌や溢れんばかり投句箱 かかし
秋の草花百を育てて卒寿刀自 はく子
秋彼岸又も迎へる誕生日 こすもす
臨海学校子ら見送りの紙テープ なつき
あひ見ゆことなし露の二面石 みのる
名水を汲み人の列金木犀 宏虎
校庭に響くコーラス秋夕焼 そうけい
2020年9月19日
まだ青き穂波に赤き夕焼雲 はく子
喧騒のビルの屋上ちちろ虫 かかし
街道の風船かづら他が植えし よう子
銃眼を貫くつるべ落しの日 みのる
とんび舞ふ島の富士山秋高し なつき
満月を負ひて吾が影踏む散歩 宏虎
畦道の散歩稲穂に触れもして はく子
長靴に鍬の園児ら稲を刈る かかし
名月や雲を透かして明るけり 素秀
子ら整ひ浜の吹奏鰯雲 そうけい
玄関まで蚊のついてくる日暮かな うつぎ
エンジン音に反応の猫鰯雲 こすもす
能勢路いま刈田稔田農繁期 よう子
爽やかや松籟を聴く遊歩道 わかば
蒼天を仰ぐ安堵や台風過 わかば
放映の大仏開眼虫すだく うつぎ
強風の仕業やぎんなん散らばれり こすもす
栗の毬割れて移ろふ能勢路かな 小袖
甲山稜線くっきり秋澄めり 宏虎
大盛りの新米供へ父母偲ぶ かかし
潜り戸にやんちや坊主の括り萩 かかし
白粉花ラッパのごとし昼下がり 小袖
象吠える満月鼻に巻きこみて 素秀
白粉花鼻筋白くおままごと よう子
生垣を燭の灯漏るる月の宴 素秀
山なみを群れなし泳ぐ鰯雲 愛正
土手下の草のささやき秋の声 愛正
遼遠に銀嶺見ゆる花野かな みのる
秋高し三十三段女坂 小袖
蜘蛛の囲の潮風孕む札所かな なつき
終日の暴風警報野分き後 こすもす
秋澄むや鋏の音は隣家より せいじ
明月を眺めん土手を歩きつつ 素秀
秋の雨まだ降りつづく被災地に よし子
神木の洞の闇より秋の声 はく子
秋暑しカーブミラーが有らぬ向き せいじ
子の肩に勲章のごと赤とんぼ みのる
エスカレーター連なる句友敬老日 よし子
雨に濡れ色の際立つ桔梗かな わかば
稲の香に心安らぐ心地かな はく子
爽やかに百四歳の笑顔かな わかば
尻もちや強情な稗抜きざまに みのる
園児らの来会うれし敬老日 せいじ
鳥威し雀百羽の一目散 かかし
花薄供えて墓前華やげる よし子
山祇に落とす賽銭つくつくし うつぎ
磴走る宮司の裾の爽気かな そうけい
夕風をさそいて寂し鉦叩 よし子
海坂をいまし顔だすけふの月 素秀
台風の余波や一歩も出ず一日 こすもす
蜑の庭ブイ吊したる葡萄棚 なつき
百日紅独居の漢の掃き掃除 そうけい
旅立を待ちて居並ぶ秋つばめ こすもす
溝蕎麦の横たふ畦や休耕田 愛正
去年同じ蕎麦の花見し友急死 宏虎
秋霞手打ち蕎麦屋の一里鐘 そうけい
秋日和ぎゆうぎゆう詰めの島渡船 なつき
刈り込みの鋏の音す涼新た せいじ
畦道を虫の合唱聞きながら はく子
推敲の手すさびとなり秋扇 うつぎ
摂津三川すすきの原の千の風 よし子
古寺の色なき風や音もなし 愛正
本心でないことも言ふ秋扇 うつぎ
青林檎買ったよと夫笑みこぼし 小袖
川床を割く水流や秋の声 愛正
席譲られ敬老の日を諾べなひぬ よう子
曼珠沙華一斉点火畦朱し 宏虎
白仏陀座し色萩の枝垂れけり 宏虎
箔薄く宝珠に重ね秋彼岸 小袖
海浜の揺るる塔婆や鰯雲 そうけい
鳳仙花触るれば鉄砲玉のよう よう子
秋汐に浮沈してをる礁かな みのる
避暑客の揺るるピアスや島渡船 なつき
虫強くすだく掃き出し窓の辺 せいじ
凛として無垢なる白の桔梗かな わかば
2020年09月02日
白椅子とテーブル爽やかカフェテラス はく子
上州と野州のせめあい秋の雷 愛正
稲田風吹き上ぐ一夜堤かな なつき
大津絵の護符嚢中に秋遍路 素秀
菜園の道通せんぼ鹿の糞 小袖
稲の香や細き建売並び建つ なつき
丹波路の自家製自慢とろろ汁 かかし
虫の音を拾ひ拾ひて車椅子 せいじ
谷戸に流る子等の合唱秋澄める うつぎ
蒔絵蓋閉じて声止む法師蝉 素秀
コーヒーの水にこだはる生身魂 よう子
序破急の竹の葉擦れや野わけ前 よう子
青栗のたわわやトンネル出た途端 こすもす
驚きはその大きさや桐一葉 こすもす
草刈女腰に手を当て天仰ぐ そうけい
法師蝉追伸の文字見直しぬ かかし
吹き上がり風の精霊蜻蛉かな うつぎ
桟橋に切れし釣り糸鯔飛べり なつき
ガンマンの如く夕日に立つ案山子 みのる
合唱のコスモス畑に流れ来る うつぎ
つとふれて揺らして見るは吾亦紅 小袖
ビル群を襲ふがごとく入道雲 そうけい
色鳥の来ているらしい板庇 よし子
大甕に溢る秋草道の駅 わかば
利根秘境一気に下る秋の雷 愛正
秋風に自転車で帰る親子かな そうけい
爽涼や女性コーラス練習日 小袖
蝋涙の虜となりし秋蚊あり みのる
芋の葉の雨粒くるり朝日射す かかし
一徹の有機農法稲穂波 かかし
卓上の小瓶に野の花草の花 はく子
スプリンクラー子等逃げ惑ふ処暑の庭 愛正
蝉死して季節は一つ移りけり よし子
幼児がカードにシール敬老日 せいじ
絵手紙の仄かににじむ月夜かな 素秀
見送りの門に明るき月の夜 わかば
マイチェアに蠅虎の鎮座して せいじ
錦絵の赤を散らせて曼珠沙華 素秀
返信用封筒入りの文さやか せいじ
ふと我に返れば庭の虫しげし うつぎ
秋爽や黒髪決めてリクルート よう子
ポイントの予約夜長の四苦八苦 せいじ
風死してコロナ禍の鬱なほ増せり はく子
山鳩鳴く颱風前の静けさに うつぎ
会議録届けし先の花桔梗 こすもす
葉を重ねヤツデてかてか庭残暑 菜々
額づきて泣いてゐるらし秋遍路 みのる
街道はいま裏通り葛の花 小袖
山頂の郵便局より秋便り よう子
いつの間に苅田幾枚天高し こすもす
釣鐘の小さき刻字や秋気澄む そうけい
とんぼうに先を越されしベンチかな かかし
手裏剣のとびかふごとく鵯の谿 みのる
夢あつく語る挨拶敬老日 みのる
背戸口の地に引きずりし秋簾 よう子
干し野菜気持ちよく乾く秋日和 はく子
さやけしや夫手つき良く皿洗ふ なつき
せせらぎに秋の声きく初音川 よし子
梢上に群がる雀秋の風 愛正
幾たびも塩辛蜻蛉水面打つ わかば
秋草を摘みて河原の遊歩道 わかば
猫じやらし揺るる堤を犬連れて こすもす
子規庵の糸瓜の棚の雨しづく よし子
手の肘の張り付く栞秋暑し 愛正
無住寺の参道覆ふ葛蔓 そうけい
森の木々色移り初む葉月かな わかば
爽やかや少年のマスク真白 はく子
朝顔や墨絵の蔓の伸びるかに 素秀
秋日濃し寺苑に戦没者慰霊塔 菜々
黒羽根の吹かるるままに秋の蝶 小袖
豆腐屋のもう来る時間酔芙蓉 よし子
首塚へ群るる蜻蛉をくぐり抜け なつき
2020年08月27日
マネキンの露わを隠す秋衣装 宏虎
旧家また更地となりて身にぞ入む はく子
氏神に初穂を供へ柏手を かかし
蜉蝣や水面に伝ふ尾の疼き 素秀
老夫婦半分頒けに氷菓食ぶ みのる
パッチワーク崩れ残暑の貸農園 よう子
露草や可憐な星の花を撒く 宏虎
雷雨すぐ鉢をうろつく団子虫 せいじ
松林抜けて灼け砂九十九里 愛正
連手して木肌囲めば秋の声 小袖
露けしや片足のなき石鳥居 みのる
シャッターを切れば直ぐ消ゆ秋夕焼 こすもす
狛犬阿口いっぱいの蜘蛛の糸 よし子
蝗むれて飛び行く先の入日かな 素秀
見回りの神官腰に蚊遣り香 よう子
梵鐘の余韻消えゆく霧時雨 愛正
万燈会譲り合ひたる禊橋 よう子
水澄むや亀の泳ぎの速きこと そうけい
風に舞ふ烏の擬音鳥威し かかし
妻の指示脚立抱えて秋手入れ 愛正
雅楽鳴る源氏祖廟の万燈会 うつぎ
潮風に逆らはず萩気ままなる なつき
木道の抜くる風追ふ松虫草 愛正
駆け廻る山の殆んど竜田姫 宏虎
蒼天や浮かぶ白雲秋澄める わかば
刈り残す草むら微々と虫の声 なつき
葬送のネクタイ緩め秋の虫 かかし
団扇風幼におくる母の風 よし子
秋の雲白足して描く風車かな なつき
赤とんぼ透けし翅より青き空 かかし
せせらぎに唱和する如法師蝉 こすもす
新涼の朝一番の熱きお茶 はく子
プディングが占領したる冷蔵庫 せいじ
御神馬の目のまん丸く万燈会 うつぎ
多田院の杜の漆黒万燈会 うつぎ
こほろぎの眠りを守る力石 素秀
三脚据へ暮れ待つ輩万燈会 よう子
グランドゴルフ風はすっかり秋めきて こすもす
水澄むや潮入川に稚魚の群 わかば
猛暑日が好日となるみのる選 せいじ
神鏡の中まで灯り万燈会 うつぎ
桔梗咲くすがすがしくて空に映ゆ 宏虎
鶺鴒の叩く瀬石の朝かな わかば
夜の帷末社も灯り万燈会 小袖
河川敷虫の浄土とはなりぬ はく子
水澄むや池底に映る亀の影 そうけい
夜回りの足音沈む虫の闇 よし子
秋かすみ停泊するは海賊船 なつき
すっとんと日のまだ落ちぬ暑さかな 小袖
家老屋敷の顔出しパネル百日紅 こすもす
たははなるほったらかしの柘榴の実 はく子
夏バテやイケメン医師に脈とられ よし子
夕闇に雅楽幽けし万燈会 小袖
編み直す子供の服で案山子かな かかし
鯔とぶや子の釣竿の右ひだり なつき
秋陰や桟橋に待つ貸しボード そうけい
認知症検査合格して昼寝 みのる
つくつくし源氏祖廟のゆふぐれに 小袖
雁帰る空広々と使いけり 宏虎
はたた神雫残して街の灯へ そうけい
藍甕を壺中天とす目高かな みのる
半開のコロナの窓や冷房裡 せいじ
ステイホーム秋蒔き野菜に挑戦す こすもす
川風にそよぐ紋幕宮は秋 うつぎ
小買物町に人影なき残暑 わかば
胎の子に蹴られて昼寝覚めしとぞ みのる
蟷螂や振り向きざまの殺気発 素秀
秋の蚊にまとはれ二拍二礼かな よし子
湖畔茶屋はや灯をともす夕は秋 そうけい
赤とんぼ芝を輪舞のステージに 素秀
静かさやブーンと唸る扇風機 せいじ
秋澄むや揺るる笹の葉清々し わかば
八ッ場ダム湖畔の老樹に雲の峰 愛正
万燈会随神像にも灯り欲し よう子
2020年08月22日
金風を顔いつぱいに岬立つ 素秀
川筋のこれかと思ふ律の風 小袖
木陰にて水面を掬ふ涼新た かかし
熱帯夜月天心に柑子色 愛正
夕涼や波打ち際に母子遊ぶ せいじ
蛇の髭生ふ炭窯今し獅子頭 うつぎ
崖下に木の葉と集まる笑い栗 そうけい
赤とんぼ真青な空に浮ひてをり かかし
苦瓜の弾けコロナに馬鹿野郎 よう子
カンナ錆び赤銅の花残したる 素秀
谷川の水のかげろふ秋澄める 小袖
まかせよと背筋伸びたる瓜の馬 なつき
寄り添うて風の意のまま女郎花 わかば
先ず水を撒いて新聞取りに行く こすもす
夕立ちあと一息つける夜の静寂 はく子
秋植の薯ひと撫でし埋めにけり 小袖
万葉の歌碑を綴るや女郎花 わかば
小さき葉も日の斑乗りたる谷涼し よう子
電線に旅の準備の秋つばめ こすもす
秋の音窓に感じる厨かな こすもす
月涼し銀婚式を迎えをり 更紗
床の間の一輪挿しや涼新た 更紗
芋の葉を叩き流るる銀の雨 素秀
秋立つや仏間に朝の風入れて よし子
水分を取れよと麦茶の大薬缶 よう子
短冊に五歳の願ひ星祭 よし子
瀬音清し朽ち小屋に生る青瓢 そうけい
夕散歩色を見極む酔芙蓉 そうけい
七十五年過ぐ祈りの八月 はく子
夕風に任せ色変ふ酔芙蓉 そうけい
堰落つる川風起こし秋気澄む 宏虎
近江路の此処は一面早稲田なり せいじ
野路楽しくさぐさの中女郎花 わかば
ダム底を離れし川原湯夏の山 愛正
投函のにぶき音して秋暑し よし子
この暑さいつもの猫も来づじまい 菜々
開くたび熱風どつと自動ドア せいじ
切れし舌代えて風鈴上機嫌 みのる
蜘蛛の糸揺らぎて日矢に捕まりぬ よう子
猫眠る背中一杯秋日向 宏虎
草波を入り分く木道松虫草 愛正
八月や年々熱くなる地球 はく子
一と所水かげろうす秋の川 うつぎ
夕暮を惜しむひぐらし山に鳴く よし子
八ッ場ダム墓地新しく風涼し 愛正
蜻蛉追ひし原っぱのいまビルの街 かかし
さきがけて稲穂の垂れし田んぼかな せいじ
立話しているだけで汗滂沱 菜々
草原に佇むひとや女郎花 わかば
推敲のままに落ちたる昼寝かな みのる
新涼や昨日と違う朝となり こすもす
昼寝子に指にぎられしまま添ひ寝 みのる
掃苔の道具鳴りをり高速路 よう子
水中花にも窓の陽を手向けけり みのる
しろがねの海に溺れる芒原 素秀
野球少年寡黙にバット振る晩夏 なつき
夏館白木の家具の数多あり 更紗
ハーブティの熱きを淹れて暑気払ふ うつぎ
この残暑園児蛇口をわしづかみ かかし
木漏れ日に現れては消ゆる蜘蛛の糸 うつぎ
古寺の鐘の余韻や夏の湖(うみ) 愛正
ハンモック蛇の脱皮のごと開く 小袖
石垣の反りて秋水巡りけり こすもす
銀の羽根蝶のオブジェに秋の風 小袖
茄子の牛布巾でそつと磨く父 なつき
子ら去りて流星の夜の一人かな なつき
鉄路果て人は降り立つ花野なか 素秀
パソコンの奥深きこと夜半の秋 宏虎
日盛りや自動運転モノレール 更紗
図書室の書架を盾とす昼寝かな みのる
草木を飲み込むごとく葛かづら せいじ
一望に棚田開ける稲の秋 宏虎
男一人何するでなくハンモック うつぎ
空砲の四方なる谺威銃 かかし
脚白き父はしゃぎたる水遊び なつき
草むらに生えて優しき女郎花 わかば
鳴き渡る松風涼し砲台跡 宏虎
墨を磨る闇にかよわき秋の蝉 そうけい
2020年08月15日
スリッパの逸れて韋駄天油虫 みのる
大噴水直立四囲はフラダンス みのる
お返しはいつものビール息子らへ 菜々
朝露の玉なす草の清々し わかば
星月夜頼り切り足り羅針盤 宏虎
放牧場干草被る道祖神 愛正
売家いま芙蓉の咲くに友居らず 小袖
七夕竹親子の願ひ吊しけり 宏虎
万博の遥かなる夏甲子園 こすもす
家籠り続く素つぴん水中花 なつき
一言の世辞も無くなり盆の僧 宏虎
子供等の希望漢字や星祭り 宏虎
向日葵の花芯の矢狭間ゴッホ果つ かかし
秋の庭雀一羽の餌の卓 そうけい
ストローでゼリーすすりて暑気払ひ なつき
落梨を貰ひ買い物籠一杯 素秀
同姓の墓碑銘多し墓洗ふ はく子
帚木に陰陽つくる夕日かな 愛正
コロナ禍のお盆休みに子ら居らず せいじ
耳うとき事は取得か生身魂 はく子
朝の窓枝移りする鳥涼し そうけい
提腕に滲む半紙や熱帯夜 愛正
日差し濃く精一杯の花木槿 わかば
爪弾きされて転がるだんごむし みのる
入店のサーモグラフィ秋暑し よう子
里山の日差しに蓮の凛と咲き 小袖
梅花藻の花屑掬ふ茶屋主 よう子
桜公園のベンチは桜の緑陰に はく子
洗われて朝日まばゆき夫の墓 よし子
避暑地よりコロナの安否問ふ電話 みのる
夜の更けて虫の音を聴く頃となり わかば
秋近し甍ばかりの屋上園 よし子
ケアハウスの軒端にゆれて笹飾り 菜々
吊忍ひきだし奥の出さぬ文 よし子
稲の花黙礼なれど笑まふ顔 かかし
自転車の吾と並び行く赤とんぼ せいじ
夏負けは気から大吉みくじ引く なつき
秋の虹歩いてゆけば届きそう 小袖
JRの割引は無し盆期間 こすもす
夫婦香具師見切り猛暑の早仕舞 なつき
コロナ禍を戦禍に重ね終戦日 せいじ
餌やりは一日二回てふメダカ こすもす
真の闇ひかる稲妻街と町 宏虎
断崖の突きだす岬花カンナ そうけい
子に返りいよいよ元気生身魂 はく子
テント張る茶店の上座心太 なつき
水半分替へて目高の子を探す うつぎ
頂きの若草山や涼新た かかし



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