投句控 :500句/1頁

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黒レース網目にしみる花の柄 隆松
こきこきとレース編む針光りけり たか子
露天湯や病葉払ふ脱衣籠 みづき
レース編むテラスの風の心地良き 智恵子
暇あればレース編みゐし頃もがな はく子
病葉や積もる祠の歳月に たか子
病葉の艶愛おしや卓の上 よう子
病葉や枝にすがる葉命まだ 明日香

2021年5月

手びねりの湯呑みに今日の新茶淹れ 満天
仏壇に庭の新茶のうすみどり なつき
新茶汲み父の御機嫌とりし母 智恵子
自転車の列追ひ越せぬ峡薄暑 よう子
せがまれて薄暑の池の貸しボート 豊実
新茶飲む尻を並べて湯治宿 素秀
明るさに時計見直す夕薄暑 こすもす
お稲荷を邪教と説法堂薄暑 素秀
鴉啼く睨みきかせる池薄暑 もとこ
吾が贈りし地酒の礼と新茶来る こすもす
リハビリは二分立つから院薄暑 隆松
久々の街素っ気なく夕薄暑 たか子
増へ来たる水上バイク湖薄暑 隆松
渡船場に干物の匂ふ島薄暑 うつぎ
薄暑光ベンチに憩う遊歩道 智恵子
白目立つ見物客や館薄暑 宏虎
しばらくは新茶楽しむ日なりけり みづき
百寿僧の説法終へて新茶濃し かかし
縁に売る新茶知覧の武家屋敷 やよい
新茶の香茶筒を開けたその瞬間 明日香
途中下車新茶の香りに誘はれて 菜々
背を競ふ駅前ビルや街薄暑 満天
産地より届きし新茶ティータイム 満天
茶所の案内と共に新茶かな わかば
嬉野の色美しき新茶買ふ うつぎ
ワクチン接種終へて安堵の新茶汲む みのる
まろやかな最後の滴新茶汲む ぽんこ
新茶入れて二人の健を喜びぬ 菜々
蜑の路地抜けて海辺や薄暑光 わかば
さみどりの広ごる急須新茶くむ やよい
Tシャツの腕軽やかや街薄暑 明日香
切創へ医療ボンドや薄暑なり やよい
うたた寝の窓辺まぶしき薄暑光 せいじ
檜皮葺き屋根の曲線薄暑光 かかし
黄昏の宇治橋渡り新茶買ふ みづき
宅急便新茶に一句添え母へ 智恵子
波消しへ汐打つ匂ひ浜薄暑 わかば
鮮緑を急須に残す新茶かな 豊実
噴水は干からびしまま薄暑光 たか子
厨事終えてひととき新茶汲む 満天
列先の試飲カップに新茶の香 隆松
和菓子屋の迷ふお客に新茶淹れ 満天
久闊の新茶携へ遠方より ぽんこ
今朝の卓深蒸し新茶は静岡産 こすもす
谷風を聞ひて新茶や店縁台 隆松
巫女化粧残るまなじり宮薄暑 なつき
走り茶の案内旗めく宇治の茶舗 かかし
お茶請けの饅頭旨き薄暑かな 豊実
物陰に待つ信号や薄暑光 智恵子
墓地に佇ち見下ろす湾は薄暑光 たか子
暁光に波の煌き海薄暑 素秀
宇治橋を渡り横町新茶買ふ 宏虎
リハビリに合はす足並み薄暑かな やよい
走り茶の香に包まれし朝至福 智恵子
新茶汲む緑広がる湯呑の香 ぽんこ
ルビー婚窓打つ雨に新茶汲む なつき
みちばたの雑草の息町薄暑 ぽんこ



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