みのる選:2024年11月度

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2024年11月24日

11月16日~11月22日

2024年11月22日
草虱取り合ひ和む吟行子むべ
肩撫でて太さ確かめ大根引く千鶴
紅葉愛づ紅絨毯に寛ぎて董雨
西方の落暉にま向く枯蓮ぽんこ
2024年11月21日
硝子屑揉むやに沖の冬日浪たか子
洗はんとカーテン外す窓小春康子
一日を誰とも会はず日短澄子
冬ざれのダム湖響かせ鷺叫ぶ千鶴
2024年11月20日
干し物を取り込みをれば綿虫来明日香
たつきとす玉葱植ゑや冬うらら千鶴
冬灯紙漉くやうに湯葉張りぬえいじ
陣離れゆくは恋路の鴨ならむきよえ
冬来たる間遠に灯油売りの声せいじ
友禅の百花展べたる冬座敷澄子
2024年11月19日
冬日燦飛鳥源流なる女淵明日香
ままごとの紅葉の皿の忘れ物康子
巡拝す寺から寺へ京時雨もとこ
2024年11月18日
石蕗の黄を籬としたる手水かなせいじ
お茶室は千客万来庭小春あひる
竹林の岐かれ径なる石蕗の花せいじ
満々と溢る御手洗小鳥来るぽんこ
北風に負けまじと踏むペダルかな澄子
おでん酒無口の彼が饒舌に千鶴
枯菊となりても香りなほ高くうつぎ
2024年11月17日
舂く日無垢の秋天薔薇色にむべ
清掃日色葉斑に透く袋うつぎ
手術痕撫づ祈りの手あたたかしなつき
一渓を満艦飾にはぜ紅葉たか子
広き森左見右見して紅葉狩ぽんこ
道小春杖を伴とし投票へきよえ
2024年11月16日
手に取ればレザータッチや散紅葉せいじ
朱を極む散紅葉選り栞とす澄子
冬木立砦としたる古墳かな明日香
重ね着の血液検査おほわらはもとこ

2024年11月17日

11月9日~11月15日

2024年11月15日
咳の吾に美容師そつと飴ひとつみきえ
万華鏡覗く心地や淵落葉うつぎ
2024年11月14日
抱き癖は爺の子守よ日向ぼこなつき
小春日に千手ひろげし御神木澄子
出棺の母を見送る柿花火あられ
水琴窟地底の秋を奏でけりうつぎ
御神酒の香湯気ごともらふ蒸饅頭むべ
2024年11月13日
万里てふ茶室は古りて石蕗明かりうつぎ
縁小春指が覚えてゐる影絵康子
お社に詣でて入る紅葉山風民
小流れを縁取りて咲く石蕗の花ぽんこ
吟行の小春日和と云ふ至福たか子
秋惜しむ移ろふ雲に癒やされてやよい
2024年11月12日
秋晴れへ太郎の塔は手を広ぐはく子
メンバーを数へつ巡る園小春せいじ
浅漬をポリポリと咬む乳歯かな康子
団栗に頭寄せ合ふ吟行子あひる
村総出防災訓練冬はじめ千鶴
2024年11月11日
太陽の塔は碧眼秋の空あひる
苔むせる岩の実生も照葉かな風民
2024年11月10日
菊枕けふより後期高齢者せいじ
七五三縦に横にとカメラマンえいじ
天窓に射す日ゆたかに冬に入る和繁
神の留守退屈さうな巫女溜りなつき
朴の葉の落ちて明るき山の道風民
2024年11月09日
リースにと枯蔓を選る山路かなむべ
あかぎれを覚悟の指や厨ごと康子
読み聞かす絵本きりなし縁小春康子
香り立つ造り酒屋の杉玉に智恵子

2024年11月10日

11月2日~11月8日

2024年11月08日
住職のほまち畑に秋茄子なつき
柳川の水郷めぐる小春かな千鶴
トロッコの鉄路を埋む落葉かな風民
蔀戸の障子明かりに観世音うつぎ
紅爆ぜて山路明るき檀の実むべ
苔庭に万華をなせる散紅葉明日香
2024年11月07日
黄落の散りやむ間なき無音界風民
また同じ一匹らしき秋の蝿うつぎ
胎の児に語りかけもす柚子湯かな康子
2024年11月06日
館内に響くくさめやあれは夫あひる
派手を着て若返りたる冬コートたか子
目が合ひしナースの笑みの温かし明日香
靴跡に象嵌めきし櫟の実むべ
2024年11月05日
石蕗咲いて家の中まで明るうすうつぎ
河岸小春海鮮丼に舌鼓せいじ
安産を願ひ腹帯干す小春康子
山門を潜るや否や照紅葉山椒
2024年11月04日
秋冷の高野山道石畳やよい
民宿の客らも総出鰯引くみきお
七五三裳裾はだけてスニーカーやよい
反抗期銀杏落ち葉を蹴りあげてたか子
目瞑ればみな走馬灯我白寿董雨
お祓いを享くる本殿秋寂しぽんこ
2024年11月03日
冬雲の割れて天使の梯子射す明日香
名水に杖置く母に小鳥来るなつき
一穢なき空の青さや文化の日やよい
故郷の民謡に秋惜しみけりこすもす
雑炊でしめる二人の残り鍋もとこ
2024年11月02日
木洩れ日を背ナに受けつつ落葉掻く明日香
風ぐせに曲がりしままの小菊かなうつぎ
仏手柑置きてしつらふ京町家もとこ
老い父の寝間に歳時記文化の日康子
雨の夜居間に炬燵の出でにけりみきえ

2024年11月3日

10月26日~11月1日

2024年11月01日
スプーンで掬ひて啜る熟し柿ほたる
御朱印の達筆凛と秋日和山椒
玉眼に見透かされゐる秋思かなもとこ
怒髪天なる風神に冬近したか子
深秋やこれより脱帽御廟橋やよい
2024年10月31日
輪橋を鏡写しに水澄めるやよい
虫干しやホ句散りばめし畳紙ほたる
地団駄のごと落葉踏む石畳明日香
廃屋の増えし過疎地や柿花火愛正
昨夜の雨嘘のごとくに今朝の秋康子
2024年10月30日
くわりんの実疵より放つ香気かなむべ
をさなめく白寿の笑みや栗善哉あひる
藤袴ここにあるぞと蝶憩ふよし女
濯ぎ物干す背に和む小春かなみきえ
あり余る量と知りつつ種を採るうつぎ
キャディーらの指呼せる秀枝帰り花えいじ
千年の杉木立縫ふ爽気かなやよい
2024年10月29日
赤まんま真中に立ちし道祖神明日香
時雨るるや茶屋にて借りる男傘むべ
窓小春ベビー誕生待つベット康子
虫に傷み熱暑に傷み柿落葉うつぎ
2024年10月28日
山襞に霧立ち上る朝ぼらけ明日香
お喋りとおでんで足りる今日の客うつぎ
2024年10月27日
湯上がりの晩酌二合秋合せほたる
木犀の匂ふ校舎が投票所せいじ
讃美歌を墓前に手向く秋の人むべ
2024年10月26日
石階に触れて零るる実むらさきむべ
幼な子の内緒話や縁小春みきお