みのる選:2024年2月度
2024年02月23日 | |
折雛は子らの手作り保育園 | 康子 |
漆喰の蔵壁に鋭く梅の影 | かえる |
園児らのはしゃぐ手のひら牡丹雪 | みきお |
春寒し抹消増ゆる名簿かな | はく子 |
柔らかき稜線描く木の芽山 | 素秀 |
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2024年02月22日 | |
麗かやよちよちの子に手を引かれ | みきお |
小流れに遊びては翔つ雀の子 | 康子 |
さんざめく梅林天守より俯瞰 | せいじ |
春雨に烟る森抜け美術館 | むべ |
春風の四方より通ふ石舞台 | 明日香 |
春禽の礫を放つ御神木 | 澄子 |
逍遥の鼻蠢かし春山路 | かえる |
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2024年02月21日 | |
引退の盲導犬に草萌ゆる | 千鶴 |
皿洗ひ夫にまかせて春炬燵 | あひる |
放牧の牛の機嫌や下萌ゆる | 千鶴 |
三椏の花の絹毛に雨の珠 | むべ |
雨宿りする四阿に芽木匂ふ | 康子 |
春霖に瀬戸の島山模糊として | わかば |
風に鳴る祈願の絵馬に梅香る | 智恵子 |
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2024年02月20日 | |
母とホ句見せ合ふ梅のベンチかな | 康子 |
な踏みそ汝が佇つところいぬふぐり | かえる |
はんなりと霞棚引く神の山 | 明日香 |
雨あとの庭明るうす落椿 | 満天 |
強東風や巌に砕ける波頭 | みきお |
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2024年02月19日 | |
うららかや園に散らばる豆画伯 | 智恵子 |
笑顔なる七福神に梅匂ふ | 康子 |
白き馬柵つづる菜の花明かりかな | わかば |
一水の楽に沿ひつつ青き踏む | 康子 |
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2024年02月18日 | |
一本の土筆を夫の家苞に | わかば |
団欒のごと寄り咲きし福寿草 | むべ |
菜の花に埋もれ一服老農夫 | 康子 |
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2024年02月17日 | |
強東風の天空に舞ふポリ袋 | かえる |
夕闇に浮かびし白や臥龍梅 | むべ |
2024年02月16日 | |
春雨の音なく濡らす草葎 | わかば |
瀬を洗ふ春水綺羅の星のごと | わかば |
農終へて洗ふ長靴水温む | みきお |
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2024年02月15日 | |
蕎麦幟嬲られてをる春疾風 | かえる |
みどり児の産髪撫でて風光る | むべ |
春一番大楠悲鳴あぐるごと | 澄子 |
囀の洗礼浴びつ遠散歩 | こすもす |
足元に恐れを知らぬ雀の子 | みきお |
水仙の路辺へ傾く車窓かな | 千鶴 |
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2024年02月14日 | |
ひと本に紅白散らし梅匂ふ | むべ |
海峡の波たおやかに鰆東風 | 千鶴 |
尾根つづる耐寒錬の子らの列 | せつ子 |
見はるかす古都湖のごと霞みけり | せいじ |
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2024年02月13日 | |
ぼんぼりのごと塀越えて枝垂梅 | 康子 |
辿り着く丘の上の梅まだ固し | あひる |
バスはいま夜寒の谷戸のそこひかな | 澄子 |
船汽笛飛び交ふ沖の春霞 | 智恵子 |
この道や馥郁として夜の梅 | むべ |
幾万の綺羅の波延べ春の川 | えいじ |
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2024年02月12日 | |
ハミングのごとき音色や春の川 | かえる |
水脈曳くは鯉の背鰭や風光る | 康子 |
あひ会釈してゆづりあふ梅小径 | あひる |
咲きつぎて地に触れなむと枝垂梅 | むべ |
野良猫に手向く寒夜のダンボール | ぽんこ |
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2024年02月11日 | |
脱サラの長子が春田打ちにけり | きよえ |
梅が香の日だまりに腰下ろしけり | なつき |
背きあふ籬のなかの水仙花 | ぽんこ |
春日燦縁に肩寄せティータイム | 康子 |
着膨れの客で満載シャトルバス | みきえ |
凍返るお地蔵さまは素足なる | うつぎ |
黒ぼこへ影の染み込む残り雪 | かえる |
手水舎に注ぐ三筋の春の水 | あひる |
ふらここの少女の胸の反り返り | 澄子 |
逆立ちに蜜吸ふめじろ梅万朶 | むべ |
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2024年02月10日 | |
多島海どれがどの島航うらら | 千鶴 |
じぐざぐに登り愛でゆく梅の丘 | あひる |
春宵の門灯ほのと点りけり | 澄子 |
眉のごとき細き目で笑む土雛 | なつき |
春うらら花壇ベンチに長話 | 満天 |
門に立つ不許葷酒の碑梅香る | よう子 |
窓ちよつと開けて雪見の終ひ風呂 | かえる |
ジオラマの如き電車や春がすみ | あひる |
2024年02月09日 | |
岡本の梅下りくれば学生街 | あひる |
杖一歩一歩と目指す梅の丘 | うつぎ |
チャペルの扉全開されて春立ちぬ | むべ |
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2024年02月08日 | |
万朶なる白梅朝日弾きをり | 満天 |
城塁の狭間狭間に草萌ゆる | ぽんこ |
日の洩れて雪解雫の森の径 | 康子 |
鉄塔のしもと埋めて野水仙 | そうけい |
水平線鋼びかりや灘の春 | うつぎ |
検診の帰るさの道梅匂ふ | 満天 |
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2024年02月07日 | |
豪邸の庭の高みに枝垂梅 | わかば |
春泥の長靴並ぶ集会所 | みきお |
老いたれどまだ使命あり春を待つ | うつぎ |
古町の路地幾曲がり梅かほる | 澄子 |
茅葺を数珠なし垂るる雪解かな | 康子 |
茅渟の海見えて遥けし梅の丘 | あひる |
補助輪のとれたる吾子に風光る | みきお |
春光に翼翻し鳶の舞ふ | 素秀 |
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2024年02月06日 | |
恙無く句友揃ひて初句会 | せつ子 |
池涸れて那智黒の底露はとす | ぽんこ |
幾度も真夜に目覚むるしづり雪 | 澄子 |
春泥に吟行子らの靴の跡 | あひる |
ハンドル怖しつるつるに凍つ雪の道 | 千鶴 |
雪を掻くスコップ夫の山道具 | むべ |
醜草かはた名草かも双葉出づ | 明日香 |
水鳥の楽園となり池広し | わかば |
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2024年02月05日 | |
壷の椿ふつくらと紅ふふみたる | 満天 |
子どもらの太鼓跳ね打つ節分会 | 康子 |
川沿ひに並ぶ湯宿の雪あかり | 千鶴 |
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2024年02月04日 | |
蕉翁の石像冴ゆる中尊寺 | 千鶴 |
春水に逸る水車は蕎麦を打つ | むべ |
立春の風に銀輪機嫌よし | せいじ |
絶景はホワイトアウト雪の窓 | 千鶴 |
太鼓打つポニーテールや節分会 | むべ |
老農の鍬高々と春田打つ | みきお |
姦しき句会の卓に春日燦 | 康子 |
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2024年02月03日 | |
春光を汲みては溢つ水車かな | 澄子 |
涅槃僧世界平和を説かれけり | うつぎ |
さざ波を分けて寄りくる番鴨 | みきえ |
暁光に現るる伊吹の雪の嶺 | 隆松 |
一会人焚火囲めば知己のごと | かえる |
2024年02月02日 | |
ホ句愉しベンチがあれば日向ぼこ | 康子 |
御手洗を溢るる春の光かな | ぽんこ |
船頭の舟唄雪の最上川 | 千鶴 |
藁葺の屋根に草萌ゆ水車かな | 康子 |
ごみ拾ふ課外授業や園小春 | やよい |
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2024年02月01日 | |
暖房に欠伸こらえる会議室 | あひる |
落椿ティッシュに包み家苞に | かえる |
愛のチョコ見せあひて食ぶ父子かな | なつき |
ひと口に野の香ひろがる蓬餅 | むべ |
垣繕はれて真青き竹香る | 澄子 |
凍解の深き轍や山の道 | みきお |
一貧寺古し涅槃図宝とす | 小袖 |
定時即帰るさの空日脚伸ぶ | かえる |
節分の豆添へくれしパン屋かな | みきえ |
津波禍の原野のままに冬枯るる | 千鶴 |
そこかしこ色動きそむ芽吹き山 | 明日香 |
裏山の鳥獣今日は涅槃図に | うつぎ |
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2024年01月31日 | |
貸農園パッチワークに春野菜 | 明日香 |
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2024年01月30日 | |
春花壇名札代わりに種袋 | 康子 |
生駒峯の雲逡巡と春遠し | たか子 |
微かなる雪間の土の匂ひかな | みきお |
カリヨンのゆうやけこやけ日脚伸ぶ | はく子 |
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2024年01月29日 | |
霜焼の指の体操終ひ風呂 | なつき |
昃れば人影に似て枯芭蕉 | むべ |
肉球の足跡しるき雪の朝 | こすもす |
裏山の魑魅が吹くらん虎落笛 | 千鶴 |
土手の芝萌ゆる兆しの斑かな | 愛正 |
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2024年01月28日 | |
太文字で感謝と大書受験絵馬 | 康子 |
テノールとなる竹林の虎落笛 | むべ |
雪囲ひ解けて厨に朝日射す | みきお |
句を詠めと色や香や梅の苑 | かえる |
朝の日に島影濃ゆき冬の湖 | 隆松 |
石垣のなぞへに健気水仙花 | ぽんこ |
大寒に拍子木響く夜の路地 | 満天 |
蹲に春光あそぶ日和かな | 澄子 |
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2024年01月27日 | |
春の陽の櫛なす千本鳥居かな | あひる |
天狼の眼光山の端に届く | むべ |
群鳩の翔ちては戻る庭小春 | 康子 |
徳如何に溢る四温の祈願絵馬 | ぽんこ |
恋の鴨ならむ葦間の水揺れて | むべ |