みのる選:2023年11月度
2023年11月24日 | |
群鳩の翔ちて落葉を舞ひ上げり | 康子 |
菜畑今朝まばゆきほどの霜光 | 千鶴 |
興に乗るぬり絵の夫と日向ぼこ | やよい |
陽の窓に香箱座り猫小春 | 素秀 |
僧院の白きクルスや冬晴るる | せいじ |
咳をして人目気にする電車かな | もとこ |
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2023年11月23日 | |
パレードを寿ぐごとく銀杏散る | みきえ |
植木屋の跡取りが来て年用意 | せいじ |
伊勢路抜け動くものなき冬田かな | もとこ |
濃き霧を貫き馳せる新幹線 | 明日香 |
裁縫の特等席や縁小春 | 康子 |
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2023年11月22日 | |
散紅葉敷きて水底賑はへる | 満天 |
悪声を落として翔ちぬ冬烏 | なつき |
マリア像ベールのごとく紅葉影 | せいじ |
一穢なき冬青空へ父逝きぬ | むべ |
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2023年11月21日 | |
身ほとりを片付けながら大根炊く | もとこ |
三輪山のふもと広ごる大根干し | 明日香 |
特攻の出撃跡地枯れすすき | 千鶴 |
酒蔵の白壁鎧ふ蔦紅葉 | 澄子 |
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2023年11月20日 | |
大根と法衣干しある里の寺 | たか子 |
海望む寝墓に手向く冬薔薇 | 澄子 |
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2023年11月19日 | |
大路までひと見送りぬ冬の月 | 澄子 |
元気かと気まぐれ電話冬ぬくし | もとこ |
母ひとり子ひとり七五三詣り | うつぎ |
合掌のごと翅合はせ蝶凍つる | 明日香 |
ママチャリの籠に団栗二つ三つ | ぽんこ |
黄落の高舞ふもありつむじ風 | むべ |
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2023年11月18日 | |
朽木めく老幹なれど冬芽もつ | ぽんこ |
水鳥の影もろともに潜りけり | 素秀 |
鉄塔の真上に凍つる匕首の月 | たか子 |
出来たての霜きらめかせ朝日出づ | 明日香 |
枯葦のぞめき隠れに川眠る | 素秀 |
2023年11月17日 | |
北風吹いて白雲迅き遠嶺かな | 素秀 |
藁屋根を見下ろしてをる木守柿 | よし子 |
好物の芋煮を供へ夫偲ぶ | たか子 |
園はいま銀杏黄葉のパラダイス | 満天 |
冬日射揉みて煌めく早瀬かな | こすもす |
凛として寒菊薫る仏間かな | たか子 |
堆き銀杏黄葉に埋まる径 | 康子 |
残照の海辺に群るる冬かもめ | 千鶴 |
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2023年11月16日 | |
レースなき馬場を席巻椋鳥の群 | あひる |
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2023年11月15日 | |
猫パンチふわりと躱し雪蛍 | 素秀 |
手のひらに胎の温もり寒卵 | みきお |
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2023年11月14日 | |
瀬の楽を聞くやに傾ぐ歌碑小春 | 明日香 |
くるぶしをくすぐる深き落葉道 | 康子 |
枯鶏頭焚くや炎のまた赤く | 素秀 |
鈴掛の紅葉かつ散る並木道 | はく子 |
序破急と池に散り込む風落葉 | ぽんこ |
白障子貫いてくる日差しかな | 千鶴 |
木々の影斑に絡む縁小春 | 康子 |
白骨の風倒木や冬河原 | 澄子 |
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2023年11月13日 | |
枯螳螂縋りつきをる日向窓 | 素秀 |
山襞を埋め留まる冬の霧 | 明日香 |
光芒をなす竹林の冬日差し | 康子 |
冬雲にとどく煙や登り窯 | 愛正 |
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2023年11月12日 | |
七竈燃え立つ森のレストラン | むべ |
茫々と平城宮跡冬芒 | もとこ |
山越えの遍路の道に奴草 | 素秀 |
干柿の簾を透けて居間明かり | かえる |
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2023年11月11日 | |
菊に立つ今日より後期高齢者 | せいじ |
今日の冷え遺影に語り窓閉める | たか子 |
この森もキャンパスといふ北狐 | むべ |
2023年11月10日 | |
水草を突つ切る鴨に続く鴨 | うつぎ |
この家の永き歳月木守柿 | 千鶴 |
陵王の舞や冬日にとんと跳ね | なつき |
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2023年11月09日 | |
跡継ぎの居らずと嘆く老菊師 | なつき |
一茎の菊手折りきし朝餉卓 | きよえ |
養生の千年欅冬に入る | 小袖 |
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2023年11月08日 | |
青空へ鉾立つ公孫樹黄葉かな | ぽんこ |
巨人なる己が影打つ冬田かな | 澄子 |
菰巻かれ蝦夷の庭木の逞しき | むべ |
塵取りに色とりどりの散紅葉 | 康子 |
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2023年11月07日 | |
長き夜の戦火のテレビニュースかな | あひる |
秋惜しむ酒蔵はいま資料館 | こすもす |
門川に鯉の涼しき屋敷町 | 康子 |
寄り来たる一会の人と椎拾ふ | せいじ |
鬼ごっこの鬼抜け出せず秋日落つ | なつき |
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2023年11月06日 | |
ワイパーが落とす朝露ナビ始動 | 豊実 |
園丁の担ぐ落葉の大袋 | うつぎ |
秋桜の広場出発集団登校子 | こすもす |
切りなしと落葉掃き笑む好々爺 | はく子 |
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2023年11月05日 | |
冬の朝あつあつコーヒー遺影にも | たか子 |
椎の実を見せ合ひ俳諧語りかな | うつぎ |
幼子とどんぐり拾ふ秘密基地 | もとこ |
玻璃杯に富士を透かせて今年酒 | 康子 |
荒鋤に尖がりし土や山颪 | みきお |
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2023年11月04日 | |
カメラマン翡翠待ちて身じろがず | あひる |
耳遠きふたりの会話縁小春 | 明日香 |
真つ白な幡並び立て在祭 | うつぎ |
古書店のあるじ舟漕ぐ小春かな | かえる |
2023年11月03日 | |
五線譜に似たる軒端の吊るし柿 | みきえ |
励ましの会話に満ちて冬温し | たか子 |
地に落ちて好かれ嫌はれ銀杏の実 | はく子 |
田仕舞の烟三輪山隠しけり | 明日香 |
常緑の森に一と本櫨紅葉 | せいじ |
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2023年11月02日 | |
枯山水石かげ濃ゆき小春かな | 康子 |
荒波に突き出す拳寒稽古 | みきお |
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2023年11月01日 | |
泡立草捨て田に起伏なせりけり | うつぎ |
黒千代香に秋草を挿す武家屋敷 | 康子 |
澄む池へ迫り出してをる臥龍松 | ぽんこ |
碧天の豆柿花火めきにけり | せいじ |
独り身となりし家居や隙間風 | たか子 |
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2023年10月31日 | |
露草や下駄を濡らして鯉に餌 | みきお |
ハロウィンの仮装のままに老眼鏡 | 素秀 |
柿たわわご自由にと札立てられて | こすもす |
塵取りに金木犀の香の残る | 満天 |
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2023年10月30日 | |
栗名月かかげて高し鼓門 | 明日香 |
墨流すごとき棚雲月今宵 | もとこ |
スタートの火薬の匂ひ運動会 | みきお |
むらさきが席巻したる秋花壇 | 素秀 |
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2023年10月29日 | |
夕映の色もらひたる熟柿かな | むべ |
満月や誰か運転替つてよ | うつぎ |
トロッコの軋みて下る蜜柑山 | 智恵子 |
村雨に朝日の虹の生まれけり | 智恵子 |
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2023年10月28日 | |
地球儀に戦火の地ある秋思かな | あひる |
藁ぼつち稚児の散らばり遊ぶごと | かえる |
ハロウィンのかぼちや花屋に並びけり | なつき |