みのる選:2023年10月度
2023年10月27日 | |
宿料理うつは代はりに大紅葉 | 康子 |
堆く落葉を被る石仏 | ぽんこ |
畑に鍬忘れて来たり秋の雷 | なつき |
腰落とし綱引きのごと大根引く | かえる |
十三夜一朶の雲もよせつけず | 満天 |
嘶いて時代祭の動き出す | うつぎ |
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2023年10月26日 | |
途切れたる会話の卓に木の実落つ | むべ |
ごろごろと親芋子芋孫の芋 | 豊実 |
夫逝くや慟哭やまぬ秋の暮 | たか子 |
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2023年10月25日 | |
秋天に手を振るごとく玻璃戸拭く | あひる |
ハロウィンお化けのままに眠る孫 | 康子 |
秋扇ひらきて偲ぶ先師の句 | はく子 |
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2023年10月24日 | |
牛車軋む音も雅や時代祭 | うつぎ |
園児らの声迫りくる秋山路 | せいじ |
境内にクレーン車の立つ神の留守 | なつき |
朝窓を繰るや否やの鵙高音 | ぽんこ |
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2023年10月23日 | |
落葉焚き炎かきわけ藷探す | 千鶴 |
面会を辞して身に入む夜風かな | むべ |
この池に龍棲むといふ薄紅葉 | もとこ |
風神の来ませり庭に舞ふ落葉 | 素秀 |
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2023年10月22日 | |
一身を置きて秋思の深き闇 | 素秀 |
野分晴山肌撫づる雲の影 | かえる |
藁ぼつちあち見こち見に傾きて | 明日香 |
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2023年10月21日 | |
石の上に石と化す亀池小春 | うつぎ |
切株もある黄落の大並木 | むべ |
そやなあと返す夫と長き夜 | 明日香 |
湖囲む四囲の山並秋深し | 澄子 |
秋日影ガラス細工のバラ透かす | むべ |
2023年10月20日 | |
三輪の山へと茜さすうろこ雲 | 明日香 |
束の間の入り日に富士の秋惜しむ | 澄子 |
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2023年10月19日 | |
破蓮の風に抗ふ力あり | 澄子 |
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2023年10月18日 | |
茣蓙のごと新藁散らす刈田かな | せいじ |
仏間開け放ちお庭の木犀香 | うつぎ |
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2023年10月17日 | |
片言の孫とおしゃべり縁小春 | 康子 |
秋桜の丘を包みて夕日落つ | 澄子 |
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2023年10月16日 | |
運転の鼻をくすぐる木犀香 | かえる |
運動会愛想振り撒きしんがりに | もとこ |
放牧の牛の背中に赤とんぼ | 智恵子 |
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2023年10月15日 | |
秋夕焼峡の空気の変はる時 | うつぎ |
身に入むや古りて傾く戦没碑 | ぽんこ |
小鳥来て影の遊べる石畳 | なつき |
秋桜スクラムのごと風に揺れ | 満天 |
爽やかや海風抜ける天守閣 | 千鶴 |
ペダル踏む木犀の香の路地抜けて | せいじ |
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2023年10月14日 | |
秋うらら妻の買物外に待たん | せいじ |
しで棒の並ぶ沿道秋祭 | みきえ |
秋蝶を目で追ひながら話聞く | あひる |
ビル街は合はせ鏡や秋日落つ | 康子 |
2023年10月13日 | |
藤袴育て蝶呼ぶ村おこし | うつぎ |
紅白の花差し交はす水引草 | こすもす |
摩天楼ビル抽んでし秋の空 | 康子 |
巨峰ひとつ口にふふみて吾至福 | 素秀 |
飛石に庭下駄すべる寒露かな | なつき |
岩肌に水陽炎や庭小春 | 康子 |
天高く旗翳しゆく添乗員 | もとこ |
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2023年10月12日 | |
寝袋の中で寝返りちちろ鳴く | 豊実 |
宇陀越へてより猪垣のつづく道 | 明日香 |
風の道釣鐘人参揺れやまず | むべ |
秋澄むや利き水甘き伊丹郷 | うつぎ |
路地さやか焼杉壁の蔵ならぶ | せいじ |
住職も銀杏剥きの座に和む | はく子 |
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2023年10月11日 | |
露の玉むすぶ芝生に朝日燦 | むべ |
剪定の手順たがはぬ高梯子 | 澄子 |
街のビルすべて呑みこむ大西日 | みきお |
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2023年10月10日 | |
三代の三幅対や文字涼し | せいじ |
白壁に映えて古木の柿たわわ | ぽんこ |
破蓮の立ち尽くすもの果つるもの | たか子 |
鰐口を鳴らし寺苑の秋惜しむ | たか子 |
三川の落合ひ激つ水の秋 | 明日香 |
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2023年10月09日 | |
長き夜の枕辺に置く句帳かな | 満天 |
母の味探りながらの芋茎和え | もとこ |
赤蕎麦の花絨毯や能勢棚田 | うつぎ |
あたたかや汀子に宛てし虚子の文 | せいじ |
潦小突きやまざる蜻蛉かな | 澄子 |
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2023年10月08日 | |
秋時雨寄り添ふ鳩の含み声 | 智恵子 |
波止釣りの百竿鬩ぐ秋日和 | 千鶴 |
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2023年10月07日 | |
匙を手に栗をほじくるとき寡黙 | かえる |
禅の碑の喝と読めたる蔦紅葉 | うつぎ |
廊下行く口笛はジャズ夜学生 | 素秀 |
鬼瓦虜にしたる蔦紅葉 | あひる |
2023年10月06日 | |
一陣の風に惑える蒲の絮 | 素秀 |
錦繍の森を見下ろす展望台 | 康子 |
露しとど芳香放つ桧葉の森 | かえる |
爽やかや厨に鳥語きく朝 | やよい |
伊丹郷めぐり粕漬家苞に | たか子 |
秋蝶の鼓動伝はる指の先 | せいじ |
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2023年10月05日 | |
黄落の舞ふ古城址に佇ちにけり | たか子 |
境内に四国巡りや小鳥来る | なつき |
稲刈を終へ地下足袋に乾く泥 | 素秀 |
天高く投手ナインへ指ぎつね | 千鶴 |
夕日いま真赭に染むる芒原 | むべ |
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2023年10月04日 | |
薪として割る樹を選ぶ冬支度 | 澄子 |
茅葺の高倉抜ける秋の風 | 康子 |
鰡飛ぶや尾鰭に銀の飛沫散り | 素秀 |
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2023年10月03日 | |
堆く年木積まれし一山家 | 澄子 |
銅鑼一打わつと飛び立つ稲雀 | よし子 |
茅葺の屋根にとどまる紅葉かな | 康子 |
澄む水の流れの小石日を弾く | 満天 |
白壁のアブストラクト蔦紅葉 | 満天 |
秋嶺を遥かに望み朝掃除 | むべ |
憎けれどおんぶ飛蝗は逃しやる | うつぎ |
憤怒する仁王の顔に秋日射 | ぽんこ |
夫唱婦随半世紀なる月仰ぐ | たか子 |
灯下親し使ひ切つたるボールペン | うつぎ |
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2023年10月02日 | |
灯下親し老い母と繰る聖書かな | あひる |
耳鳴りかはた虫の音か寝ねやらず | 康子 |
鴨の来て景の定まる加茂河原 | もとこ |
やや寒に香の立ちのぼる茉莉花茶 | むべ |
岬鼻の野菊は殊に色濃ゆし | 澄子 |
秋麗や池心の島に弁財天 | ぽんこ |
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2023年10月01日 | |
ひつぢ田の青目に沁みる小糠雨 | 千鶴 |
運動会見守り隊へ招待状 | 満天 |
栗を剥く無心にひとつまたひとつ | あひる |
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2023年09月30日 | |
篳篥の闇に染みゆく月今宵 | 豊実 |
急く吾の裾濡らしたる道の露 | 素秀 |
生きてをらば金婚の日や月今宵 | うつぎ |
釣人の竿ふる沖に鯔跳ねる | きよえ |
2023年09月29日 | |
漆黒の海二タ分けす月の道 | かえる |
大比叡襖を照らす良夜かな | もとこ |
名月のぽんと浮き出る甍かな | あひる |
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2023年09月28日 | |
露天湯に久闊を叙す星月夜 | なつき |
天高し音はすれども機影見ず | せつ子 |
落ちさうで落ちざる風の芋の露 | 千鶴 |
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2023年09月27日 | |
露葎掻き分け進む犬の鼻 | みきお |
二上山が徐々に一つに野路の秋 | 明日香 |
いねやらぬことも又良し月の夜 | うつぎ |
待ち人に肩叩かれし十三夜 | きよえ |
蜆蝶うごかす鉢について来る | あひる |
霧晴れて富士の全容現れにけり | 澄子 |
なだれなす明日香棚田の彼岸花 | あひる |
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2023年09月26日 | |
一家なし舗装を割りし猫じゃらし | うつぎ |
藁屑を引き摺る靴や刈田行く | うつぎ |
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2023年09月25日 | |
月光を漁るごとく投網打つ | 素秀 |
参磴の左右を綴りし曼殊沙華 | せいじ |
手を振ればピエロ手を振る秋うらら | なつき |
陸墓古りて盗人萩の野となりぬ | ぽんこ |
母訪へば庭から声や小鳥来る | むべ |
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2023年09月24日 | |
爽やかに会釈池塘のジョガーどち | はく子 |
裾払ふ盗人萩の狼藉に | もとこ |
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2023年09月23日 | |
膝掛けをそつと渡され通夜の席 | こすもす |
峠道触るるばかりに天の川 | 澄子 |
新米の湯気包み込み塩むすび | 千鶴 |
リハビリの手に転ばせる椿の実 | 満天 |