みのる選:2023年8月度
2023年08月25日 | |
湯殿より窓越しに見ゆ月涼し | なつき |
腰深く落として処暑の太極拳 | 素秀 |
稔田の鹿の狼藉憎みけり | 千鶴 |
石庭の一水白く秋立ちぬ | むべ |
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2023年08月24日 | |
扇風機祈る老母の背に向ける | あひる |
なぞへなす谷戸の棚田の稔かな | 素秀 |
雷雨来て地上の熱を冷ましけり | 満天 |
喧嘩負け西瓜にかぶりつく子かな | なつき |
雨やんだよと告ぐるやに法師蝉 | 明日香 |
秋茄子の畑潤して紫雨上がる | きよえ |
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2023年08月23日 | |
参磴を塞ぎし風の乱れ萩 | ぽんこ |
太陽光パネルが埋む枯野かな | 明日香 |
雨意兆す風に騒がしねこじやらし | せいじ |
蔀戸に秋風通ふ薬師堂 | もとこ |
愛犬のつかずはなれず露まみれ | 澄子 |
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2023年08月22日 | |
ペディキュアを塗られ微笑む生御魂 | 澄子 |
遊ばれよ京の残暑を覚悟して | もとこ |
残暑にも負けず青春切符旅 | なつき |
傘立てに日傘犇めく診療所 | 智恵子 |
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2023年08月21日 | |
世話役は老人会や地蔵盆 | こすもす |
先頭を行く老骨の夏帽子 | うつぎ |
本殿の鈴緒取り替へ涼新た | ぽんこ |
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2023年08月20日 | |
配達便受取りねぎらふ残暑かな | 満天 |
風渡る葉擦れの稲の香りかな | あひる |
朝粥でもてなす京の残暑かな | もとこ |
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2023年08月19日 | |
漆黒の闇の高きに大花火 | たか子 |
2023年08月18日 | |
露天湯の頭上に群るる赤とんぼ | 愛正 |
野良猫の視線の先に瑠璃蜥蜴 | こすもす |
階をなせる段丘蕎麦の花 | 素秀 |
裏山の影襖なす星月夜 | 千鶴 |
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2023年08月17日 | |
法話聞きながら舟漕ぐ秋遍路 | なつき |
野分去り街の灯りの澄みまさり | はく子 |
引き潮を追ひし足跡秋の浜 | なつき |
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2023年08月16日 | |
大嵐過ぎて安堵の送り盆 | うつぎ |
蜩の降り注ぐやに大欅 | むべ |
麦わら帽被り父似の羅漢あり | なつき |
漆黒の闇に揺らめく五山の火 | 千鶴 |
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2023年08月15日 | |
あるなしの風に大仰蓮広葉 | ぽんこ |
峠茶屋松の梢に氷旗 | 愛正 |
山頂の夜景に揚がる遠花火 | 豊実 |
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2023年08月14日 | |
海峡の渦せめぎ合ふ瀬戸の秋 | 千鶴 |
みな美女に見ゆる編み笠風の盆 | かえる |
句帳手に道草しつつ墓参り | こすもす |
眠ることも仕事よと笑む生身魂 | もとこ |
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2023年08月13日 | |
とれとれの野菜を供へ盆供養 | たか子 |
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2023年08月12日 | |
風いなす早稲の穂波のはや重し | 素秀 |
屹立す杉美林より鹿の笛 | 素秀 |
2023年08月11日 | |
爺の背な水鉄砲に滅多打ち | なつき |
藍染の卓布に変へて涼新た | 澄子 |
民宿の客も総出で鰯引く | みきお |
幼な子も花桶運ぶ墓参かな | みきえ |
初めてのお泊りできし夏休み | なつき |
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2023年08月10日 | |
帆のごとく翅立て運ぶ蟻の列 | みきお |
笊の豆涼しまろべば波の音 | 小袖 |
ご遺影に語りかけもし盆用意 | ぽんこ |
ななかまど色づく蝦夷の大路かな | むべ |
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2023年08月09日 | |
かき氷食ぶ友の愚痴聞きながら | もとこ |
掌の返へれば進む踊の輪 | 素秀 |
暑に耐ふる介護ノートの日数かな | たか子 |
お泊りの孫と一緒に盆用意 | なつき |
清らかな子らの宣誓原爆忌 | こすもす |
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2023年08月08日 | |
水足らぬ面して畑の夏野菜 | 明日香 |
玉蜀黍畑を抜けてチャペルへと | むべ |
全容に蔦を鎧ひし供養塔 | ぽんこ |
サンダルをはみ出す指に絆創膏 | もとこ |
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2023年08月07日 | |
気功の手翳す秋天支ふごと | 小袖 |
立ち食いの頬にケチャップ夏祭 | 豊実 |
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2023年08月06日 | |
潮吹きのごと尾根影に遠花火 | はく子 |
銀輪の夫の荷台に大西瓜 | あひる |
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2023年08月05日 | |
祭の夜むかしの声のままに知己 | 素秀 |
ペンギンの頭上を泳ぐ館涼し | はく子 |
2023年08月04日 | |
諍いを悔いつ片陰戻りけり | たか子 |
幼名で呼び合ふ座敷初盆会 | うつぎ |
減らず口達者となりて夏休み | もとこ |
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2023年08月03日 | |
ぽんぽこのお腹にフリル子の水着 | 智恵子 |
クーラーを効かせ看護の今後聴く | たか子 |
群青に空洗ふごと月涼し | むべ |
苔涼し碑に寄進者の我が名あり | せいじ |
待ち人もいまは鬼籍や打水す | うつぎ |
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2023年08月02日 | |
炎天下人影の無き漁師町 | みきお |
痩せゆくは詮なき事よ心太 | たか子 |
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2023年08月01日 | |
名を呼べば向日葵畑に猫応ふ | 素秀 |
芋の葉が行くてを塞ぐ観音径 | ぽんこ |
遠花火土手に影絵の人の列 | 素秀 |
好まねどエアコン頼む猛暑かな | こすもす |
突風と戦ふ家路雷雨急 | むべ |
今日もまた遠雷のみで雨降らず | 明日香 |
大摩崖仏へと容赦なき西日 | せいじ |
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2023年07月31日 | |
熱帯夜コンビナートは煌々と | 素秀 |
傘の陰手向く目高の手水鉢 | たか子 |
塩飴を舐めて猛暑に耐へにけり | たかを |
海原の間遠に響く遠花火 | なつき |
夫婦してお昼寝タイム日課とす | きよえ |
ひ孫らの経たどたどし初盆会 | うつぎ |
対岸の島浮かびたる遠花火 | なつき |
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2023年07月30日 | |
秋蝉やまた訃報聞く同窓会 | もとこ |
夏休み孫と息子の焼くプリン | あひる |
富士見えて歓声あがるバス涼し | 澄子 |
落ち蝉の残る命の足動く | たか子 |
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2023年07月29日 | |
青田波よりぬつと出し鷺の首 | 素秀 |
鰻より穴子が好きと瀬戸育ち | よし子 |
芭蕉葉を庇としたる旧家かな | むべ |
孫娘に着せやる浴衣三代目 | はく子 |
不動明の憤怒の顔へ蝉時雨 | ぽんこ |
外つ国の日本人会みな浴衣 | あひる |
老い母の昔語りや庭花火 | せいじ |
猛暑日の蛇口から湯の飛び出して | 満天 |