みのる選:2017年11月度
2017年11月24日 | |
黄を極め寺領を統ぶる大公孫樹 | はく子 |
一陣の風に波打つ紅葉かな | ぽんこ |
柿たわわセピアに染まる里の畑 | なつき |
冬日差し浴びてにび色鬼瓦 | たか子 |
豪邸の松色変えぬ男ぶり | よう子 |
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2017年11月23日 | |
白息に一直線の磴登る | 満天 |
他府県のバスで犇めく古都小春 | こすもす |
竹箒から逃げ出せる落葉あり | ぽんこ |
北風の猛けて背中を押しにけり | たか子 |
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2017年11月22日 | |
冬凪を二タ分けに舟戻りくる | 三刀 |
朝窓を開けるや否や鵙高音 | 愛正 |
手で測る大王松の落葉かな | 明日香 |
年木積む神の山より切り出して | うつぎ |
冬帽子脱いで存問恩師の碑 | はく子 |
蓋とれば蟹ふつふつと飯の上に | あさこ |
冬ぬくし畳の部屋に聖歌本 | 満天 |
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2017年11月21日 | |
係留の小舟を揺らす小春波 | よし女 |
鈴の緒を新しくして神迎ふ | 明日香 |
冬の磴パワースポットとは知らず | 有香 |
もみぢ散る苔の茅葺屋根の上に | はく子 |
錦秋の宮から宮へ角隠し | 智恵子 |
小六月鳥語あふるる神の庭 | 菜々 |
翻るたびに白銀磯千鳥 | 三刀 |
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2017年11月20日 | |
柿一つ手向けられたる石仏 | 愛正 |
秋天へ十字架尖るチャペルかな | さつき |
つる引けば藪の奈落へ烏瓜 | そうけい |
あほなこと言える娘のゐて家小春 | はるよ |
ことことと雨戸ノックし寒波来る | 菜々 |
干し物を取り忘れまじ日短 | 明日香 |
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2017年11月19日 | |
トンネルを出て錦繍の山景色 | 野菊 |
根深汁外はぴゅうぴゅうと風の鳴く | うつぎ |
夫帰るころと思ひつ毛糸編む | 更紗 |
老二人息あわせつつ障子貼る | やよい |
白き画架立ち並びたる秋堤 | さつき |
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2017年11月18日 | |
まめ痛き足を湯船に霜の夜 | なつき |
どの畝も大根の肩せり上がる | せいじ |
裏畑に燃ゆる古木の柿紅葉 | あさこ |
満潮の渚の波に鴨浮沈 | 三刀 |
縄のれん分けて仰げば冬の月 | 宏虎 |
夕時雨枯山水を潤しぬ | うつぎ |
城濠に迫り出す松の色変へず | さつき |
隠沼の水面へ傾ぐ山紅葉 | 隆松 |
散紅葉雨の歩道に張り付きぬ | ぽんこ |
2017年11月17日 | |
枯れてなほ直立不動せる蓮 | よし女 |
写真館待てずに眠る七五三 | 智恵子 |
短日や煮物の匂ふ路地親し | やよい |
天守閣そびらに競ふ菊花展 | さつき |
残照の恋人岬鰡の飛ぶ | なつき |
鈴の音にはづむ袂や七五三 | 菜々 |
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2017年11月16日 | |
稲荷社の旗はためきて時雨急 | うつぎ |
鈍色の空にぽつんと木守柿 | せいじ |
山麓の集落隠す蕎麦の花 | 愛正 |
池小春友禅のごと錦鯉 | よし女 |
うり坊の並びをるごと亥の子餅 | みどり |
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2017年11月15日 | |
朝日射しシルクのごとし蜘蛛の糸 | なおこ |
錦秋の庭にくつろぐ野点かな | 智恵子 |
老犬の散歩嫌がる寒き朝 | 野菊 |
山門の仁王の脛に散もみぢ | よう子 |
冬霞影法師めく遠嶺かな | みどり |
紅葉山港町へと裾広ぐ | なつき |
葉牡丹の畝紅白に縞模様 | こすもす |
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2017年11月14日 | |
木像に仄と朱の射す紅葉晴 | 明日香 |
紅葉茶屋日矢に錐揉む煙かな | よう子 |
冬晴やビルのあひより昼の月 | せいじ |
頬の飴ごろりと動くマスクかな | 更紗 |
鶏の庭かけめぐる小春かな | こすもす |
冬野菜老ひし父よりふる里便 | 智恵子 |
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2017年11月13日 | |
市民マラソン小春の城下駆けぬけて | 菜々 |
朝霜の路地に響きし靴の音 | 満天 |
リハビリの腕励まして春を待つ | ぽんこ |
破蓮に這いつくばりしカメラマン | 三刀 |
秋灯の連珠をなせる家並かな | そうけい |
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2017年11月12日 | |
川底に五彩を競ふ散紅葉 | 満天 |
大時計刻む音冴ゆる宿廊下 | 智恵子 |
ネクタイに得意顔なる七五三 | ぽんこ |
我が肩に触れて黄落遊歩道 | 満天 |
パイプ椅子辻占ひの着ぶくれて | なつき |
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2017年11月11日 | |
黄落の只中に訪ふ母校かな | 更紗 |
山茶花の散りこぼれをる垣根かな | 恵三 |
集ひ来て唄ふ校歌や文化祭 | 更紗 |
トンネルを抜けて県境照紅葉 | やよい |
冬ぬくし奈良にあふれて人と鹿 | はく子 |
どこまでも煙まとわる野焼きかな | たかを |
2017年11月10日 | |
神主の祝詞粛々木の葉降る | やよい |
蒼天へ千手広げて柿熟るる | 菜々 |
蹲踞の水飲む小鳥庭小春 | 菜々 |
時雨急客四散する大道芸 | さつき |
草蝨払ひつつ待つ里のバス | よう子 |
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2017年11月09日 | |
飛火野に隣る初冬の屋敷町 | たか子 |
塀越しに落葉掃かるる音聞こゆ | さつき |
うなじふと打たれし気配初時雨 | ともえ |
末枯れの広野吹き分け風渡る | みどり |
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2017年11月08日 | |
山はいまパッチワークのごと粧ふ | みどり |
月の浜彼と彼女の影法師 | 智恵子 |
浮見堂へと尻向けて鴨潜く | ぽんこ |
角きりの痕白々と鹿たむろ | たか子 |
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2017年11月07日 | |
水底に煌めく渓の散紅葉 | 宏虎 |
二上山へ傾くつるべ落としの日 | 明日香 |
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2017年11月06日 | |
木の葉髪持ち上げられぬ力石 | 宏虎 |
神杉の裾模様なす蔦紅葉 | せいじ |
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2017年11月05日 | |
潮騒を聴きつ一献月の宿 | 智恵子 |
毛糸編むシルバーシートにゆられつつ | やよい |
四囲の嶺々影絵となりて秋日落つ | せいじ |
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2017年11月04日 | |
月白の空白雲の駆けやまず | 菜々 |
秋天に全容見せし浅間山 | たか子 |
2017年11月03日 | |
散策の山路に摘みしむかご飯 | 智恵子 |
銀杏散るサイロの屋根に堆く | さつき |
島出づる最終フェリー十三夜 | なつき |
文化の日孫に教へる箸づかひ | 菜々 |
燈親し文机ひとつ吾の城 | みどり |
猫丸く日干しの座布に居眠りぬ | 野菊 |
文化の日出向く夫婦の趣味は別 | 満天 |
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2017年11月02日 | |
ついてくる電車の窓の後の月 | こすもす |
長き夜を十七文字に遊びをり | みどり |
島山を包みし蜜柑日和かな | 恵三 |
隠沼の日だまりに鴨陣解きぬ | やよい |
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2017年11月01日 | |
霊宿る梵字の岩や蔦紅葉 | なつき |
湖澄むや水面に白き雲流れ | 満天 |
満ち潮の波音の余韻十三夜 | 三刀 |
瀬の楽がBGMや野に遊ぶ | なおこ |
小夜更けていよいよ白し十三夜 | 明日香 |
恋人にもどる父母ダリア園 | なおこ |
惜しみつつカーテン閉じる窓の月 | たかを |
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2017年10月31日 | |
児童の部高齢者の部菊花展 | 菜々 |
神木の橡の実一つ御守りに | うつぎ |
秋高し真一文字に飛行雲 | 隆松 |
走り根に掃き寄せられし木の実かな | ぽんこ |
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2017年10月30日 | |
雨樋の行方を探す颱風禍 | うつぎ |
落ち葉蹴りマラソンランナー快走す | 智恵子 |
広池に水輪広げて鳰潜る | さつき |
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2017年10月29日 | |
裏方の揚げたる月や村芝居 | 恵三 |
野面積はざまはざまの草紅葉 | たか子 |
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2017年10月28日 | |
徒ならぬ肺活量や鳰潜る | さつき |
晴れ晴れと結納交はす菊日和 | 恵三 |