みのる選:2017年11月度

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2017年11月26日(Sun)

11月18日~11月24日

2017年11月24日
黄を極め寺領を統ぶる大公孫樹はく子
一陣の風に波打つ紅葉かなぽんこ
柿たわわセピアに染まる里の畑なつき
冬日差し浴びてにび色鬼瓦たか子
豪邸の松色変えぬ男ぶりよう子
2017年11月23日
白息に一直線の磴登る満天
他府県のバスで犇めく古都小春こすもす
竹箒から逃げ出せる落葉ありぽんこ
北風の猛けて背中を押しにけりたか子
2017年11月22日
冬凪を二タ分けに舟戻りくる三刀
朝窓を開けるや否や鵙高音愛正
手で測る大王松の落葉かな明日香
年木積む神の山より切り出してうつぎ
冬帽子脱いで存問恩師の碑はく子
蓋とれば蟹ふつふつと飯の上にあさこ
冬ぬくし畳の部屋に聖歌本満天
2017年11月21日
係留の小舟を揺らす小春波よし女
鈴の緒を新しくして神迎ふ明日香
冬の磴パワースポットとは知らず有香
もみぢ散る苔の茅葺屋根の上にはく子
錦秋の宮から宮へ角隠し智恵子
小六月鳥語あふるる神の庭菜々
翻るたびに白銀磯千鳥三刀
2017年11月20日
柿一つ手向けられたる石仏愛正
秋天へ十字架尖るチャペルかなさつき
つる引けば藪の奈落へ烏瓜そうけい
あほなこと言える娘のゐて家小春はるよ
ことことと雨戸ノックし寒波来る菜々
干し物を取り忘れまじ日短明日香
2017年11月19日
トンネルを出て錦繍の山景色野菊
根深汁外はぴゅうぴゅうと風の鳴くうつぎ
夫帰るころと思ひつ毛糸編む更紗
老二人息あわせつつ障子貼るやよい
白き画架立ち並びたる秋堤さつき
2017年11月18日
まめ痛き足を湯船に霜の夜なつき
どの畝も大根の肩せり上がるせいじ
裏畑に燃ゆる古木の柿紅葉あさこ
満潮の渚の波に鴨浮沈三刀
縄のれん分けて仰げば冬の月宏虎
夕時雨枯山水を潤しぬうつぎ
城濠に迫り出す松の色変へずさつき
隠沼の水面へ傾ぐ山紅葉隆松
散紅葉雨の歩道に張り付きぬぽんこ

2017年11月19日(Sun)

11月11日~11月17日

2017年11月17日
枯れてなほ直立不動せる蓮よし女
写真館待てずに眠る七五三智恵子
短日や煮物の匂ふ路地親しやよい
天守閣そびらに競ふ菊花展さつき
残照の恋人岬鰡の飛ぶなつき
鈴の音にはづむ袂や七五三菜々
2017年11月16日
稲荷社の旗はためきて時雨急うつぎ
鈍色の空にぽつんと木守柿せいじ
山麓の集落隠す蕎麦の花愛正
池小春友禅のごと錦鯉よし女
うり坊の並びをるごと亥の子餅みどり
2017年11月15日
朝日射しシルクのごとし蜘蛛の糸なおこ
錦秋の庭にくつろぐ野点かな智恵子
老犬の散歩嫌がる寒き朝野菊
山門の仁王の脛に散もみぢよう子
冬霞影法師めく遠嶺かなみどり
紅葉山港町へと裾広ぐなつき
葉牡丹の畝紅白に縞模様こすもす
2017年11月14日
木像に仄と朱の射す紅葉晴明日香
紅葉茶屋日矢に錐揉む煙かなよう子
冬晴やビルのあひより昼の月せいじ
頬の飴ごろりと動くマスクかな更紗
鶏の庭かけめぐる小春かなこすもす
冬野菜老ひし父よりふる里便智恵子
2017年11月13日
市民マラソン小春の城下駆けぬけて菜々
朝霜の路地に響きし靴の音満天
リハビリの腕励まして春を待つぽんこ
破蓮に這いつくばりしカメラマン三刀
秋灯の連珠をなせる家並かなそうけい
2017年11月12日
川底に五彩を競ふ散紅葉満天
大時計刻む音冴ゆる宿廊下智恵子
ネクタイに得意顔なる七五三ぽんこ
我が肩に触れて黄落遊歩道満天
パイプ椅子辻占ひの着ぶくれてなつき
2017年11月11日
黄落の只中に訪ふ母校かな更紗
山茶花の散りこぼれをる垣根かな恵三
集ひ来て唄ふ校歌や文化祭更紗
トンネルを抜けて県境照紅葉やよい
冬ぬくし奈良にあふれて人と鹿はく子
どこまでも煙まとわる野焼きかなたかを

2017年11月12日(Sun)

11月4日~11月10日

2017年11月10日
神主の祝詞粛々木の葉降るやよい
蒼天へ千手広げて柿熟るる菜々
蹲踞の水飲む小鳥庭小春菜々
時雨急客四散する大道芸さつき
草蝨払ひつつ待つ里のバスよう子
2017年11月09日
飛火野に隣る初冬の屋敷町たか子
塀越しに落葉掃かるる音聞こゆさつき
うなじふと打たれし気配初時雨ともえ
末枯れの広野吹き分け風渡るみどり
2017年11月08日
山はいまパッチワークのごと粧ふみどり
月の浜彼と彼女の影法師智恵子
浮見堂へと尻向けて鴨潜くぽんこ
角きりの痕白々と鹿たむろたか子
2017年11月07日
水底に煌めく渓の散紅葉宏虎
二上山へ傾くつるべ落としの日明日香
2017年11月06日
木の葉髪持ち上げられぬ力石宏虎
神杉の裾模様なす蔦紅葉せいじ
2017年11月05日
潮騒を聴きつ一献月の宿智恵子
毛糸編むシルバーシートにゆられつつやよい
四囲の嶺々影絵となりて秋日落つせいじ
2017年11月04日
月白の空白雲の駆けやまず菜々
秋天に全容見せし浅間山たか子

2017年11月5日(Sun)

10月28日~11月3日

2017年11月03日
散策の山路に摘みしむかご飯智恵子
銀杏散るサイロの屋根に堆くさつき
島出づる最終フェリー十三夜なつき
文化の日孫に教へる箸づかひ菜々
燈親し文机ひとつ吾の城みどり
猫丸く日干しの座布に居眠りぬ野菊
文化の日出向く夫婦の趣味は別満天
2017年11月02日
ついてくる電車の窓の後の月こすもす
長き夜を十七文字に遊びをりみどり
島山を包みし蜜柑日和かな恵三
隠沼の日だまりに鴨陣解きぬやよい
2017年11月01日
霊宿る梵字の岩や蔦紅葉なつき
湖澄むや水面に白き雲流れ満天
満ち潮の波音の余韻十三夜三刀
瀬の楽がBGMや野に遊ぶなおこ
小夜更けていよいよ白し十三夜明日香
恋人にもどる父母ダリア園なおこ
惜しみつつカーテン閉じる窓の月たかを
2017年10月31日
児童の部高齢者の部菊花展菜々
神木の橡の実一つ御守りにうつぎ
秋高し真一文字に飛行雲隆松
走り根に掃き寄せられし木の実かなぽんこ
2017年10月30日
雨樋の行方を探す颱風禍うつぎ
落ち葉蹴りマラソンランナー快走す智恵子
広池に水輪広げて鳰潜るさつき
2017年10月29日
裏方の揚げたる月や村芝居恵三
野面積はざまはざまの草紅葉たか子
2017年10月28日
徒ならぬ肺活量や鳰潜るさつき
晴れ晴れと結納交はす菊日和恵三

 

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