投句控 :500句/1頁

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網戸より漏れる泣き声子だくさん みきお
梅雨出水音たて坂を滑り来る 智恵子
急がしや子燕四尾梅雨の夕 たかを
風蘭の気根互ひの鉢侵す うつぎ
うたた寝や山も取り込む夏座敷 愛正
篝火の川面を焦がす鵜飼舟 山椒
提灯の灯に浸る子等盆仏間 そうけい
吾を見むとぐるりと回る蜻蛉の目 あひる
宿浴衣心遊ばせやや派手に たか子
木の幹を複々線化蟻の道 せいじ
白南風やいざ潜らんと子房柄 せいじ
連峰の流雲見ゆる夏座敷 愛正
櫓へと顔に浴びたる蝉しぐれ なつき
ドアベルを響かせカフェへ音涼し 康子
中干しの稲の青さや梅の雨 えいじ
ソプラノで鳴き合ふ鳥や明易し 満天
牙継ぎし陶の狛犬蝉しぐれ なつき
伸びし葉に水玉光る梅雨の庭 董雨
蓮の蕾赤の口許開くごと ぽんこ
庭陰の小さき葡萄袋掛け 山椒
万緑の山に湯煙噴きやまず かえる
老鶯の雨の一声それつきり よし女
送り梅雨大和三山烟らせて 明日香
合はせ来る父の命日娘の帰省 千鶴

2024年07月13日

赤とんぼくるりと舞いて燕呼ぶ たかを
石庭の荒れて白砂に蟻あまた せいじ
百歳の手塩の西瓜赤く熟る きよえ
岬鼻の別荘晩夏の夕景色 よし女
ソーダ水透かして眺む沖の船 智恵子
雨しずく森は生き生き蝉時雨 ぽんこ
同窓会逢ひたき人と喜雨の中 千鶴
大樹より初蝉の声こぼれけり みきお
男らの景気語りて冷素麺 なつき
公民館涼し健康体操終へ こすもす
梅雨工事泥乗せしままショベルカー かえる
気がつけば読書三昧梅雨籠り 澄子
木が邪魔と嘆きつ足場立つ梅雨日 みきえ
祇園会や何処に返すこぞの粽 千鶴
大西日大谷石の露天掘り 愛正
蛍待つ吾子は背なにて寝息なす 智恵子
果物と思ひて切れば錦糸瓜 あひる
鴨川の畔に独り夏の星 山椒
アガパンパス覚へられぬ名恋の花 ふさこ
瓜揉めば翠を増して縮みけり かえる
梅雨晴間最も低く二機のヘリ よし女
園丁の水を足しをる蓮の鉢 せいじ
蓮鉢に溢れさせたる山の水 あひる
梅天の庭にくぐもる猫の声 えいじ
よろめきぬ僅かな傾斜晩夏光 みきお
飽き足らず宿のプールへ駆け出せり 風民
盆の入線香を立て存問す えいいち
独り居の今日の三時は心太 こすもす
花も葉も密かに畳み合歓の花 たか子
夜濯ぎや小さきパンツもまぎれ込む もとこ
無人店曲がり胡瓜の暴れをり 康子
黒焦げのそら豆剥けば翡翠とも はく子
夕風に微かに煙る盆の入 えいいち
抹茶点て黒文字つきの水羊羹 満天
威勢良き声足場組む梅雨の庭 みきえ
目印となりし葵や道案内 康子
暁の芝行く犬や露涼し むべ
炎の天ひたすら歩く散歩道 たかを
甘き香の青き氷菓のラムネ味 なつき
黄色帽きのこの如し園児達 山椒
爪立ちて夕餉にせんと独活の花 風民
抜け道の暗渠カンナの緋の点てる 澄子
軒浅き郊外住宅大西日 愛正
声響く仲好し家族バーベキュー きよえ
入院を促す話し極暑かな 董雨
弓なりのアガパンサスや梅雨晴るる えいじ

2024年07月12日

花も葉もひそかに畳み合歓の花 たか子
梅雨晴間鳴るは複数電子音 よし女
作業中合羽取り出す梅雨の日 みきえ
喉鳴らし飲み干す麦茶もう一杯 千鶴
園丁の黙々と水遣りめぐる あひる
最終は細くて長し祭笛 よし女
小さき傘握る両手や梅雨散歩 風民
おしゃべりの喉を潤す氷水 かえる
雨つくり水馬つくる水輪かな むべ
によきによきと高草生やし芝青む えいじ
猛々し片を反らせて零余子抱く かえる
二寸ほどの触ってみたき蜥蜴の子 明日香
軽トラの荷台に乗る子青田風 康子
マネキンの足大胆に夏衣 満天
夏の夜遠く暗渠の水の音 風民
亀涼し少し泳いで鼻を出す あひる
初蝉の古木の葉合ひ声したり きよえ
どこまでもアナログ通す時計草 はく子
突然の梅雨の齎す冷気かな きよえ
景色より西日を避くる座席かな 愛正
青芝は養生中の立看板 えいじ
梅雨最中今宵雨音の子守唄 智恵子
リヤカーに広げし野良着西日射す 愛正
引越しのやうやく終わる梅雨晴間 もとこ
雨女雨男居て梅雨戻る 澄子
朝風に畔道楽し草生きれ 智恵子
つや光るきゅうり千切りトトトトン 山椒
倒木の恐れありけり爆心地 みきお
この酷暑外套着たる作之助像 ぽんこ
向日葵の押しくらしたる保育園 康子
行く春や沖に消え行く船の影 山椒
白紫陽花やさしき雨になお白く 満天
花苗は銀の日除けに守られて せいじ
エプロンを広げ受け取る新キャベツ 千鶴
ゆくりなく半日過ごす梅雨のカフェ 澄子
燕の子残され一羽尖る口 ふさこ
夏空に誓ふ宣誓甲子園 みきお
一粒の雨に始まる驟雨かな せいじ
鯖鮓にのりたる昆布のまろやかさ むべ
見学者迎へし句会笹飾り こすもす

2024年07月11日

目に見えて分けつ進む稲青く 千鶴
牧草のにほひ漂ふ朝曇 愛正
信号を過ぎて夕立の街となる 風民
小骨取る箸のさばきや鮎一尾 千鶴
一水の魚道にしぶく音涼し むべ
蚊遣火の煙流るる夕の庭 かえる
アガパンサス三浦の岬埋め尽くす 智恵子
庭の木の周り無数の蝉の穴 よし女
昏きより瑠璃の尾きらり川とんぼ 明日香
日の暮れてゴミ出す門に守宮這う 董雨
夕立や犬と佇む手洗所 えいじ
山火事の傷跡覆ひ山滴る きよえ
庭プール水足しはしゃぐ吾子と犬 智恵子
雨あがり桔梗の白の際立ちぬ 澄子
夕されば閉ず合歓の花静かなる たか子
叡山に連ぬ山山夏霞 もとこ
青梅雨やダイヤのしずく葉に残し 康子
露天の湯そぼ降る雨や梅雨の空 たかを
初蝉や梅雨まだ明けぬ庭園に せいじ
蜘蛛の囲を避けつつ庭の手入れかな 明日香
トチノキの葉裏二つの蝉の殻 せいじ
子規出会ふ息吹く道後雲の峰 ふさこ
叱られしその日の夕餉豆ご飯 みきお
鉄砲百合五花を向き向き香を放つ はく子
夕闇に仄かに浮かぶ白桔梗 澄子
植木鉢の二匹のでで虫夫婦かも こすもす
アカバンサス今年は何故か一本咲く 董雨
菩提樹の花木を覆ひ空覆ひ 風民
カンナ燃ゆ選挙ポスター撤去中 康子
蟻の顎強し獲物を手放さず かえる
一陣の風に蓮の葉ひれ伏しぬ あひる
予定なし買物もなし梅雨ごもり 満天
参磴に藍の散りばむ蛍草 ぽんこ
百歳の愚痴聞く生家石蕗の花 みきお
朝顔の雨や風にも負けじ咲く きよえ
「ブローチ」と空蝉を付け胸を張る あひる
鬼瓦鈍き光の朝曇 愛正
南中の光と遊ぶ百日紅 むべ
梅雨茸の雨にも負けじ傘開く えいじ
梅雨激し傘の根っこを押さえねば よし女

2024年07月10日

炎天下いつもの園に人はいず 智恵子
牛小屋や出入り自由の燕の巣 みきお
たまに飲み話弾むや缶ビール 満天
横生えのトクサを曲げて整えり 董雨
歳月を語る茶の間や古梅酒 愛正
日盛りの格子の窓の昏さかな 澄子
歯ざわりの良き胡瓜入りサラダかな こすもす
曇天やひび割れの田に稲青む えいじ
神太鼓響く本殿花桔梗 ぽんこ
庭涼しアガパンサスは愛の花 せいじ
軒下に朝顔咲ひて暖簾とす みきえ
異国語に日本語学ぶ夏の旅 明日香
子は後ろ朝顔鉢は前かごに みきえ
浜風の通る庭先釣り忍 千鶴
汗かかぬ一日今日は家籠り もとこ
一水の飛石覆ふ歯朶涼し 康子
垂れこみし雲へすつくと蓮ひらく あひる
星涼しローマの水に慣れし友 せいじ
風鈴を声明と聴く山の寺 たか子
角出して車止めるや蝸牛 ふさこ
風煽つ羽音にも似て青芭蕉 むべ
また同じところに生ふる草むしり かえる
夏野菜焼いて別盛りカレー食む 智恵子
熱中症対策と呼ぶ氷売 なつき
マッサージ機にしばしまどろみ暑気に処す はく子
滞る空は鈍色稲青む えいじ
雨ぽつり急ぎ飛び去る揚羽蝶 よし女
三伏や庭の水栓お湯になり 明日香
潤み帯ぶ膨れるやうな夏の月 かえる
懐かしや祖母の墨字の古梅酒 愛正
あめんぼの水面に空と鳥の影 あひる
七夕飾り元武家屋敷開け放ち なつき
眼鏡屋の冷房鳥肌立つほどに よし女
貸し出せる苑の唐傘色涼し 康子
玻璃杯にアスター活くる卓涼し むべ
若きらは瓦職人梅雨晴間 こすもす
濡れしまま畑打つ夫婦青時雨 みきお
木香薔薇枝伸び早し空をつく 董雨
風興り風鈴の舌乱舞せり 澄子

2024年07月09日

直売所得たり最後のとうもろこし 山椒
不覚にも午睡ドラマは最終章 あひる
雷雨去る一時の涼心休む きよえ
女郎蜘蛛最適の場所囲を張りて 明日香
練乳の分水嶺よりかき氷 むべ
糠つきしままをひと口胡瓜漬 むべ
ローカル線山また山の栗の花 愛正
地下鉄を出て街濡れ夏の雨 もとこ
散歩道半陰探し迷うなり ふさこ
遠雷と見る間に雷雨地をたたく きよえ
七夕笹の一枝振りて下校の子 なつき
直売所水冷服の若夫婦 山椒
犬連れのそぞろ歩きや白夜めく かえる
ゆったりと風に頷く花擬宝珠 風民
雨上り涼しきゴルフ帰りかな こすもす
鉢持ちてぼそぼそ食ぶる冷し麦 えいじ
七夕の願ひあふるる子らの笹 なつき
長袖にして良かりけり冷房車 せいじ
吹抜けの真上に鎮座夏日かな 康子
横這いと言う特技にて蟹走る よし女
出不精も往く夏の海見たくゆく よし女
熱中症なりかけし友と長電話 千鶴
生日のケーキに傾ぐさくらんぼ えいじ
訪う人も薔薇の苗持て修道院 風民
祇園祭見ず帰郷せし若き日や 董雨
大雷雨土の匂ひの湧き立てり みきえ
天金の文語の聖書晒しけり みのる
里帰りせる朋友と星今宵 せいじ
立葵川沿ひまっすぐ青空へ 満天
天を突くひと塊のカンナ濃し 澄子
うねり来る蝉の初声朝の薮 千鶴
夏菊を添へて給仕す茶房かな かえる
カタバミを引けば種子飛び顔を打つ 董雨
行々子精一杯を言ふ子ゐて 明日香
宅急便北の大地のメロン来る みきえ
暑気払い夕餉に並ぶ酢物かな 智恵子
青すだれ古都の路地裏三味響く 智恵子
おのろけを聞いてる受話器梅雨ごもり あひる
深山の見る人あらじ栗の花 愛正
湧き上がる白雲高く梅雨晴間 満天
爪弾けば奏でそうなり干しそうめん はく子
雨上りの高原涼し道の駅 こすもす
玉の汗拭わず作る夕餉かな 康子
お茶屋へと招くごとく木槿咲く ぽんこ
説教を盛り上げるかに風鈴千 たか子
身ほとりにリモコン幾つ梅雨籠 うつぎ

2024年07月08日

献立は好きで手早い冷や奴 満天
父の忌にまた現われり庭の蟇 山椒
草を牽くアスバラカスの葉を残し 董雨
噴水の秀を掠める鳩の群 康子
花栗の香吹き抜くる切り通し 愛正
暑気払ふ湾を見下ろすレストラン せいじ
イベントの陣笠暑し武将隊 えいじ
玉と出る汗は健康命とも 満天
クーラーにどっぷり浸かりケーキ焼く 智恵子
山麓や垂る花穂の栗林 愛正
向かひ合ひ食後の薬氷水 うつぎ
熊笹のなぞへを抜けて夏の空 澄子
鳶の輪を映す植田やピーヒョロロ 千鶴
炎帝に蝶のしづかに舞ひ上がる 澄子
青天へ祝砲はなつ鉄砲百合 むべ
マジックで肌着に住所猛暑来る よし女
瀬付き鯵笊に大きな値札付け よし女
ひと口で背ナに風来るかき氷 康子
燕の子上がり框に居候す ふさこ
里ひとつ白南風のなか旅心 たか子
熱中症寸前ふらり立ち上がる 董雨
夕の風蛍袋の白揺るる 風民
猛暑日や人影の無き商店街 みきお
夕茜西日に高層玻璃燃ゆる 智恵子
厨より湯気立ち上がる豆ごはん みきお
峠地蔵丸く夏草囲みたり なつき
白シャツで拳振り上ぐ選挙カー かえる
悩み聞くアイスコーヒーぬるくなり なつき
ちりちりと首痛むほど街炎暑 むべ
イベントに合はせる娘らの帰省かな こすもす
お願ひの重みに撓む今年竹 かえる
冷素麺希釈忘れのつゆ辛し みきえ
炎昼やブブカの如き仮面女子 山椒
子蛙を持てた子の手の硬直す あひる
雷鳴や雨垂れを譜に唄ふやう えいいち
神庭に七夕の笹火をかけり ぽんこ
大小の蕾数多や白桔梗 こすもす
教会の石壁夏の日を鎮め 風民
ブローチに欲しき紅さや夏茜 もとこ
うつけ役暑いでござるとドア開けし えいじ
洗ひたてのシャツに纏はる夏の蝶 せいじ
ささげ持ち来る雨靴に蝌蚪泳ぐ あひる

2024年07月07日

短日や明けやらぬ街鴉鳴く みきお
猪目窓福を招くや南吹く たか子
緑濃し石仏埋もれ印結ぶ もとこ
カップルの登山者につい微笑みぬ せいじ
傘のやに憩ふ人有り落羽松 みきえ
雷に惑ひふためく街の景 かえる
青柿の転がり落つや小さし音 きよえ
旗を立て準備万端夏祭 ぽんこ
学童は朝顔の鉢持ち帰り ふさこ
藁帽子被る西瓜の畑かな 山椒
翡翠来る檜皮の塔は修理中 よし女
涅槃絵図まず猫描いたてふ絵解き なつき
梅雨の雷追はれて急ぐ家路かな むべ
鬼やんま通り抜けたる座敷かな あひる
牛舎脇花たちばなの漂ふ香 愛正
杼のあれば織りてもみたきそうめん干し はく子
カップルの会話に和む登山道 せいじ
夏草や通ひ懐かし小道かな えいいち
山頂に入り日とどまる炎暑かな たかを
おしぼりは帰宅の妻へと冷凍庫 智恵子
鉄砲百合雄蕊摘めるピンセット かえる
潺潺と堰落つ水の音涼し えいじ
東京の御空にひかり星今宵 千鶴
お喋りに崩壊寸前かき氷 康子



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