2023年02月07日 | |
先駆けて校門脇の梅一輪 | やよい |
早春賦口ずさみゆく小径あり | 澄子 |
寒もどり散歩は行かぬと犬そら寝 | かえる |
春寒し通ひ続けし治療治療 | 満天 |
二ン月や帽子目深にオープンカー | なつき |
みかん食ぶ芋づる式にとれし筋 | せいじ |
体操の足元に来る余寒かな | たか子 |
コロナ癒えきらぬ身にまた春の風邪 | みのる |
駐車場の一角山積みの捨て雪 | こすもす |
春の卓ローズヒップのティー薫る | せいじ |
繰り出せる糸の限りの凧 | 素秀 |
アルプスを集めて早し雪解川 | 宏虎 |
春雨や西空彼方晴模様 | きよえ |
春立つや米寿の唄の声の張り | 千鶴 |
飛び石の靴跡かすか別れ霜 | 素秀 |
梅東風や海遙かなる港町 | 豊実 |
梅東風や更地に数多小さき家 | 澄子 |
暗ければ踏み石を見る春時雨 | 董雨 |
雛市のなか雛抱いて通りけり | ひのと |
もぞもぞとまんさくのごと起き出して | 明日香 |
春光に煌めき回る観覧車 | 智恵子 |
焼原に数個の奇岩浅間山 | 愛正 |
京都へとバスの予約や春浅し | こすもす |
春時雨傘をバットに下校の子 | きよえ |
見せ廻る術後の写真友の春 | たかを |
春寒や嘘とわかりし話聞く | みのる |
空耳か鳴くほととぎす汀子の忌 | よし子 |
春時雨軒下えらびボストまで | 董雨 |
節分会豆は撒かれず安心す | 明日香 |
二ン月や横目で過ぐるチョコ売場 | なつき |
紅き実のこぼれて鵯の羽音かな | あひる |
踏石のまあるく濡れて春しぐれ | よし子 |
春寒の展望台にみな小声 | あひる |
冴え返る音甲高き杭打ち機 | 愛正 |
眼裏に君との梅見染めつけし | ふさこ |
春の雨軒下の鉢屋外へ | みきえ |
春寒や電線まるまる雀どち | 満天 |
遠浅へおぶされ渡る潮干狩り | 智恵子 |
花鋏取り落としたる余寒かな | ひのと |
引率の旗ひらめける春の坂 | もとこ |
早春の雲の切手や国若し | 宏虎 |
朧夜や飛機音寄りて遠ざかり | みきえ |
2023年02月06日 | |
口寄せる鴉や蛇口春の水 | たかを |
寒明けて背筋伸ばして散歩せな | 満天 |
目瞑りて馬頭琴聴く春の宵 | 澄子 |
池塘なる聖母は春を待ち給ふ | みのる |
春鹿の出でて思はずこんにちわ | 千鶴 |
貝母の芽はこべの間に見つけたり | 明日香 |
早々に客引き揚げて朧月 | 澄子 |
雲梯に反る子の髪や風光る | よう子 |
つま先の小突きに揺らぐ薄氷 | 隆松 |
春立つや金の鱗の神の鯉 | なつき |
雪霧に模糊となりけり藁の屋根 | 隆松 |
宿木に淡き花付け春の色 | 智恵子 |
解体の跡に息吹や春の土 | たか子 |
小流れを輪舞音なき浮氷 | 素秀 |
ハモニカを溢るる息のあたたかし | ひのと |
水溜り田に春を待つ稚魚の影 | 智恵子 |
百千鳥次々去りて波止の夕 | きよえ |
蝌蚪の紐流れに任せ伸び縮む | みきお |
白さぎの側溝覗く春の昼 | きよえ |
寝返りを繰返す猫春炬燵 | こすもす |
芽吹き見んと記念樹の枝探りけり | うつぎ |
春寒し不審なメールつぎつぎと | 満天 |
春泥の靴跡飯場にて終る | ひのと |
なめくじの卵発見真珠めく | 明日香 |
玻璃窓の植木に優し春陽射し | みきえ |
頬なでる風早春の山歩き | 千鶴 |
恙なく立春の句座囲ひけり | たか子 |
たんぽぽの絮まんまるの小宇宙 | はく子 |
いくつもの水輪の陣地鴨潜る | もとこ |
幾度も坂曲がりゆく梅の郷 | あひる |
白梅のつぼみ並びて咲く日待ち | みきえ |
バレンタインにハ-トのかまぼこ夫辛党 | 和子 |
亡き母と行きし梅園咲くとゆう | 董雨 |
広前に善男善女節分会 | せいじ |
出航のカモメ引き連れ春の潮 | 小袖 |
浅き春枯れし青菜に朝日差す | 愛正 |
ビル高く復興の街うららけし | 小袖 |
囚われの瀞に身を寄す落椿 | 素秀 |
霜枯れてお辞儀をしたるスベリヒユ | 董雨 |
霞敷く京都タワーは見えざりき | せいじ |
春の夢見ているらしき寝息かな | あひる |
荒縄の撓みはためく若布かな | 愛正 |
春宵のロビーに響く駅ピアノ | みのる |
初雪へしるす童の一歩かな | かえる |
雪残る山を見上げて春田打つ | みきお |
隣家から蝋梅香る地鎮祭 | 豊実 |
涅槃寺作法書きたる箸袋 | なつき |
散歩帰り袂に眠る蕗の薹 | ふさこ |
側溝の流れの速し雪解水 | こすもす |
2023年02月05日 | |
電池変へ振り子軽やか春障子 | 董雨 |
里山の垂氷の音の速さかな | 智恵子 |
懸想文解きては畳み繰り返す | 和子 |
春来たる毛染め多しや美容室 | 満天 |
門前の豆掃く朝や春到来 | かえる |
寒明けの木々の賑はひ小鳥来る | 満天 |
春禽の落とす実を浴ぶ裏参道 | せいじ |
恵方へと回す神牛春立てり | なつき |
重ね着の緑おばさん旗を振り | みきお |
立春の蕾おおひに綻びぬ | 澄子 |
村里や寒肥におふ日暮れ時 | 愛正 |
遠霞今出た船も沖に消ゆ | きよえ |
反戦をあつく語りて息白し | みのる |
大吉の御籤を懐く受験生 | 智恵子 |
日脚伸ぶ水槽の水入れ替へる | みきお |
ヘリの音に祝詞の聞けず節分会 | せいじ |
立春や祈りて翁鍬を持つ | かかし |
御仏の踝撫ぜし春の風 | 澄子 |
立春や古代は指呼にキトラ墳 | 明日香 |
梅東風をとらへし鳶の両翼や | むべ |
息呑むほど春満月の極致かな | 千鶴 |
春の雲伴走させてジョギングす | みのる |
揺るる枝密に並びて寒雀 | こすもす |
友来る梅の一枝挿して待つ | ふさこ |
如月や日々暮れるのが遅くなり | 宏虎 |
濯ぎ物干す背温し朝の庭 | みきえ |
雑木の芽吹いたと夫の朝散歩 | たか子 |
佐保姫の粧ひを倣ふ眉の山 | 素秀 |
身のこなし軽くなりゐし今日立春 | うつぎ |
梅が香や撫で牛の鼻光りたり | なつき |
よその犬足に絡まる梅二月 | 豊実 |
けんけんで跳びし薄氷通学路 | かかし |
恋猫の脱走試みたる夜 | 素秀 |
春眠やもぐり込む子のやはらかし | もとこ |
茎と葉を切り分く若布卒寿の手 | 愛正 |
京土産老舗のすぐき締めご飯 | みきえ |
比叡より京へ広がる冬霞 | あひる |
ふらここに隣りし友が恋敵 | ひのと |
祥月命日仏花に添える猫柳 | こすもす |
百年の生涯走り黄水仙 | 董雨 |
漬物を手皿で受くる春炬燵 | ひのと |
石舞台差し込む光春を浴ぶ | 明日香 |
港内は出船入船春の波止 | きよえ |
夕朧ふはりと月の山の端に | はく子 |
如月や鐘の余音もうらめきて | 宏虎 |
銀輪の光りて島の春来たる | 和子 |
2023年02月04日 | |
裏山の藪の中より寒苺 | あひる |
赤青黃子ら右往左往の鬼おどり | 愛正 |
子を映す床屋の鏡春立てり | ひのと |
立春なりあの寒さには辟易す | 宏虎 |
校門に一礼をする卒業子 | みきお |
綿雲へ春はまだかと存問す | 明日香 |
手伝ひのご褒美ひとつ春苺 | ひのと |
鵯鳥の清めし庭に実を落とす | 董雨 |
法螺貝の寺内に響く節替り | 愛正 |
参考書睨みて車中春近し | もとこ |
梅一輪ほころび始めスマホ撮り | かえる |
雪坂の通勤怖さ語りけり | 董雨 |
雪野原一羽佇むこうのとり | こすもす |
春来たるもろ手あげるや一輪車 | 満天 |
年の豆まだ音させて味はへり | 満天 |
恵方巻のこりし品に少し福 | ふさこ |
船影や霞の海の播磨灘 | きよえ |
総会の準備完了春立つ日 | こすもす |
節分会鬼は来なくてタレント来 | 明日香 |
狩衣の宮司と二礼節替り | 豊実 |
倍数を十にして掌に年の豆 | みのる |
朗々と然れど昏く春の河 | 澄子 |
棺の中思い浮かべて春うらら | たかを |
春水を連れ来し白き外国船 | 素秀 |
それよりも元気が大事春の老 | たかを |
千年の憤怒の像へ春疾風 | 澄子 |
豆撒きの終はりてひそと夜の庭 | みきえ |
禰宜夫妻助け合ひたる節分会 | あひる |
立春の雲一片の寄るべなし | 宏虎 |
設えの盆梅美しき老舗かな | たか子 |
寒明けの浜のボランティア磯洗ひ | きよえ |
乱帙を砦に春を待ちにけり | みのる |
伯山へ満座の拍手春立ちぬ | 千鶴 |
立春やハート絵文字のメール来て | なつき |
老い巫女が鈴振り巡る節分会 | せいじ |
ゆるキャラも巫女の姿や節分会 | せいじ |
蠟梅の香りのつつむ遺作展 | よし子 |
着ぐるみの鬼は園長節分会 | 智恵子 |
鏡割り厨のぜんざい匂ひくる | 智恵子 |
雪積もる青空のぞく二階窓 | なつき |
二ン月やふいに淋しい雨の音 | よし子 |
春月にひとり行く道青白し | むべ |
星空の潤み光るや春隣 | 素秀 |
咳ひとつ視線集まる待合室 | みきお |
存問の先師の句碑に梅早し | はく子 |
2023年02月03日 | |
火鉢置く廊下と上がり框かな | こすもす |
鬼は外園長ゆっくり逃げてゆく | たか子 |
戸を開けて騒がしき声春の鳥 | 董雨 |
タッチいる自動ドアーや懐手 | みのる |
伊勢参り起点の地とや牛祭り | たか子 |
なんとなくみ空も風も春めきて | 千鶴 |
コンポストよくかきまぜて春隣 | むべ |
門前の厄除けうどんあたたかし | あひる |
ゆるゆると坂下りゆく梅二月 | 素秀 |
参道をやにはに襲ふしづり雪 | せいじ |
鼻先に下がる氷柱や磨崖仏 | 愛正 |
春立てり朝日の光黄金色 | きよえ |
残りゐる冬菜に頼る夕餉かな | よう子 |
悴んだ耳赤く染む子ら駆ける | かえる |
恵方巻のケーキ頂く節分に | 満天 |
亡き妻を語り尽くして春兆す | たかを |
灰掻けばころり焼き芋顔出しぬ | 智恵子 |
コート着て母を待ちゐる保健室 | ひのと |
節分や好きな具包む恵方巻き | なつき |
枯れ蔓にからす瓜の実ぶら下げる | はく子 |
山茶花の散りた花屑盛り上がる | 宏虎 |
バス待つ間並んだ人と春談義 | きよえ |
寒晴の肺軋むほど深呼吸 | ひのと |
ブロッコリー入れてサラダの仕上がりぬ | 明日香 |
雪残る都大路の片側に | せいじ |
観梅や上枝に二輪紅咲きぬ | ふさこ |
蝋梅の黄色を鳥の語るかに | 豊実 |
葛城の雪のひとすじケーブルカー | 明日香 |
はりはりと歯触りかろき板若布 | 澄子 |
山茶花の窓より覗く青々と | 宏虎 |
寒肥を撒きて土踏む花壇かな | 愛正 |
出稼ぎの支度する父二月尽 | みきお |
頬ふくらませ食ぶ節分の恵方巻 | なつき |
節分や腕まくり上げ恵方巻き | みきえ |
廊下にも一つ置かれし火鉢かな | こすもす |
招福のワサビ効かせた恵方巻、 | 董雨 |
句の道に定年はなし青き踏む | みのる |
手袋の右手ベンチに主を待つ | 智恵子 |
節分の山ともられし恵方巻 | 満天 |
メモ見つつ具材を籠に節替り | みきえ |
擬宝珠に尖りてはだれ雪清し | 素秀 |
竹林の土やはらかく春を待つ | あひる |
髪切るや春立つ気分感じたく | 千鶴 |
人酔ひも今は昔の節分会 | 澄子 |
呼び込みに異国語もあり春近し | もとこ |
まんさくや鳥鳴き交わす丘の上 | みきお |
2023年02月02日 | |
途中まで道ずれの人冬満月 | よし子 |
幼き児マスク着けるの声愁ひ | ふさこ |
中腹より上はまばらに雪残る | 千鶴 |
カタカタと二拍子の風寒明くる | たか子 |
初午やビルの上にも幡紅く | もとこ |
うす紅の凜と立ちたる冬薔薇 | 満天 |
寒風の湾の遙かや石仏 | 豊実 |
下萌と押しくらしてる土踏まず | みのる |
対岸の水無瀬は今し通り雪 | せいじ |
街路樹のもれくる日差し春近し | 満天 |
コロナ癒え味覚復活恵方巻 | みのる |
卵酒とろりとできて静かな夜 | あひる |
電線にふくら雀のすまし顔 | たかを |
傘すぼめ雪の暖簾をくぐりけり | ひのと |
子の逝きて十三回忌白椿 | 董雨 |
蝋梅の館に汀子回顧展 | よう子 |
冬うららテラスに母の髪を切る | 智恵子 |
店先にブーケとなりしチューリップ | あひる |
豆餅を添へて金柑の実の荷造りす | 董雨 |
うららかやゆるき流れの雲白し | たかを |
遠山の雲うすうすと二月来ぬ | 素秀 |
木洩れ日に万両秘そと朱をこぼす | 宏虎 |
満天星のかたき冬芽に日の差して | むべ |
冬苺摘む夕暮れのランドセル | ひのと |
落葉焼く雲へ光の太陽が | 宏虎 |
晴天に良き予感かな受験の日 | かえる |
遅れるも水脈を離れず夫婦鴨 | 素秀 |
雪虫を人差し指にふつと飛び | 明日香 |
柊挿す指に一巻き絆創膏 | 愛正 |
紅梅の赤子の拳咲き始む | きよえ |
股座に猫の居座る寒の朝 | 澄子 |
影崩れ揺らぐ紫寒牡丹 | 澄子 |
等圧線狭まりあいて大吹雪 | 千鶴 |
池広し自由自在に残る鴨 | きよえ |
追儺鬼マイクに割れる笑ひ声 | なつき |
北面の歩道だけなほ残る雪 | せいじ |
寒きびし外の多肉へ新聞紙 | 明日香 |
香煙に混ずる風花山の寺 | 愛正 |
啓蟄や土ざわめきしプランター | 智恵子 |
神木の嘴のきず跡寒の明 | よし子 |
床を打ち地固めの舞い節分会 | たか子 |
健脚の前行く人や雪の道 | こすもす |
面取りて泣く児をあやす追儺鬼 | なつき |
2023年02月01日 | |
カアカアと言無きカラス春詠ふ | たかを |
物干場陽射しに縮む和布かな | 愛正 |
襟巻きに頬を埋め読む単語帳 | かえる |
大寺のしづり見上げて僧どよみ | もとこ |
踏青やスキップの孫先立てて | みのる |
闇に投げ手応えの無き年の豆 | 宏虎 |
暁に傾ぎ始むる霜の花 | 素秀 |
抉られし幹逞しき梅古木 | みきお |
寒灯下古書棚に本ゆるびなく | なつき |
元祖てふ暖簾の文字に春陽かな | あひる |
朝経に芯まで冷える仏間かな | 智恵子 |
粉雪や閉じたる傘にかくれんぼ | ふさこ |
あぶり餅食ぶ待春の詣で道 | せいじ |
春隣学舎よりの歌声に | 満天 |
焦らずに夕食準備日脚伸ぶ | こすもす |
歴史負ふ枯れ椋大樹七百齢 | はく子 |
曇日の囀りあって鳥の飛ぶ | きよえ |
佐保姫の息吹きかけし蕾かな | 澄子 |
板張りの渡り廊下に雪兎 | 豊実 |
下萌や微かに弾む足の裏 | みきお |
簡単にこと告げる医師寒明くる | たか子 |
梅が枝の疎に密に咲きはじめをり | 明日香 |
ホウレン草ニンジン加へ白和へに | きよえ |
豆まきの主役は遠くなりにけり | 宏虎 |
盆梅の受付鎮座書道展 | 智恵子 |
悴む手香煙すくひ身を撫ずる | 愛正 |
北風に胴細らせて犬散歩 | むべ |
節分草しかと目覚めし誕生日 | うつぎ |
冬灯し院内迷ふ長廊下 | たか子 |
竹樋の氷柱に止まる水の声 | 素秀 |
学窓へ振り返す手や春隣 | みきえ |
霜焼を見せ合ひ借家暮らしかな | ひのと |
木遣り唄漏れくる露地や寒緩む | 澄子 |
縫ふ父の手元へはこぶ寒燈 | ひのと |
老妻の杖となりもし青き踏む | みのる |
飛沫上げ寒の杉原川晒し | みきえ |
山門の裏に積まれし残り雪 | あひる |
子らの息激しく忙し耐寒走 | 千鶴 |
まだら雪踏みて靴形付けてみる | 千鶴 |
膝の猫降りては登り日脚伸ぶ | こすもす |
跪きみくじ結ひたる受験の子 | なつき |
雪雲の水無瀬渓谷覆ひきる | せいじ |
2023年01月31日 | |
雪の朝猫の訪問あったやう | こすもす |
遠富士や雪吊り僅かに傾ぎおり | 澄子 |
盆梅に惹かれ暖簾を潜りけり | 澄子 |
しづり雪茶店の客のどよめきぬ | あひる |
日記付け閉じし卓上水仙花 | 宏虎 |
冬田道強風と押す猫車 | 明日香 |
チョコレート選ぶことなく一月尽 | もとこ |
ため池のルアーの釣り果冬うらら | 千鶴 |
冬萌えやほがらほがらと稚児の聲 | ふさこ |
店頭のカラフル除雪用具かな | こすもす |
寒晴の公園花壇まぶしけり | 満天 |
凍ゆるむぬかるみの道登校子 | みきお |
漁師らの団居の背へ風花す | ひのと |
解体の跡に拡がる寒日和 | たか子 |
宝箱持ち歩く子や日脚伸ぶ | なつき |
冬凪の湾を鉄路のなぞりゆく | 素秀 |
日の上り枝から幹へ雪解雫 | みきお |
焼き鳥の提灯誘ふガード下 | 智恵子 |
商談が釣りの話へ日脚伸ぶ | ひのと |
憂色の事なども有り一月尽 | たか子 |
軒下の鉢物へも雪一掬ひ | うつぎ |
日脚伸ぶ四方山話尽きもせず | きよえ |
啓蟄や父の格言思ひ出し | なつき |
あぶり餅待てる茶店の雪しづく | あひる |
汲み置きの盥に指や水温む | かえる |
冬うらら句から飛び出す友の日々 | 明日香 |
ぬかるみの轍は深し蕗の薹 | 智恵子 |
蜜柑食べながら話は聞いており | 宏虎 |
雪しづる音に驚く詣で人 | せいじ |
朝日受け少し色さす臘梅に | 満天 |
北風や市会議員のビラ配り | 豊実 |
待ち合ひの隣りから受く春の声 | みきえ |
手を合はす迷彩服の猟師かな | よう子 |
大かぶらシチュウと酢漬け半分こ | きよえ |
またひとり戦友逝けり吹雪の夜 | せいじ |
悴みて茶湯に暖とる峠茶屋 | 愛正 |
香煙を身にかけ和む厄払ひ | 愛正 |
不具合のスマホ和ます寒の夜 | みきえ |
仏めく石を諸手に冬の川 | 素秀 |
2023年01月30日 | |
注文したと子の電話あり恵方巻 | こすもす |
水口に残りし雨の薄氷 | 素秀 |
真つ新な教科書にほふ春隣 | ひのと |
水仙の葉の間に数多白蕾 | きよえ |
風邪の手の影絵遊びに付き合ひぬ | ひのと |
プレー中の玻璃越しに見えしずり雪 | こすもす |
谷戸晴や曙光を弾く霜の花 | 隆松 |
初雪や螺髪に無垢の髪飾り | 智恵子 |
霜焼けの黄色い菜つ葉食卓へ | 明日香 |
声冴ゆる自転車下校生辞儀す | きよえ |
炬燵より国会中継のめり込む | 満天 |
啓蟄や菰焼く苑に煙立つ | 智恵子 |
堂寒し青筋立つる憤怒像 | もとこ |
酒蔵に弾みし声や杜氏来る | あひる |
中天に寒月の冴え極めけり | 千鶴 |
二人連れおしゃべり楽し探梅行 | はく子 |
群れなして動きは鈍し寒の鯉 | 愛正 |
リヤカーを揺すりてはらふどんどの火 | なつき |
うたかたの如く消えゆる霙かな | かえる |
駅前の市旗はぼろぼろ北おろし | たか子 |
冬天も海も蒼すぎ人黙す | 澄子 |
色ほめし見知らぬ人や寒紅梅 | むべ |
探梅や一輪競ひ見つけたり | ふさこ |
菜園の虫食い冬菜我も食ぶ | 明日香 |
軒下に動かぬふくら雀かな | みきお |
干支凧の後を濁さず大どんど | なつき |
寒風やぐるぐる巻きに濯ぎ物 | 満天 |
湯飲み手に玻璃窓越しの日向ぼこ | 豊実 |
凍雲の帳じぐざぐ降りてくる | たか子 |
湧き水のほとばしる郷寒造り | あひる |
川底の石にも似たり寒の鯉 | 愛正 |
柔らかき光りで育つ春子かな | みきお |
街の歴史背負ふ枯れ椋七百齢 | はく子 |
磴の袂を占めて冬菫 | 澄子 |
のれんから漏れる灯と声寒牡丹 | 素秀 |
紀州の子土産は蜜柑箱二つ | よう子 |
突然の雨にショールの頬かむり | あられ |
2023年01月29日 | |
吟行の締めは角打ち寒造 | 素秀 |
暖房の入りてモビール動き初む | あひる |
子等の去り今年で終わり雛納め | みきお |
雪被りても生き生きすビオラかな | みきえ |
つり革を握る手ゆるむ花疲れ | みきお |
朝霜に光る相輪神々し | 智恵子 |
水筒を忘れしベンチ雪だるま | かかし |
雪道の轍伝へど底擦りぬ | うつぎ |
寒椿落ちてなほ色鮮やかに | 満天 |
すべり台上手く滑れて春を待つ | はく子 |
護摩堂へ渡る木橋や池凍る | なつき |
妙法に降る雪綴る妙の文字 | もとこ |
縮れたる冬菜のひだに土匂ふ | たか子 |
早梅の写メの誘ひや外にも出よ | よう子 |
寒の水汲みてコーヒー二人卓 | かかし |
おでん鍋新しい種楽しみに | 明日香 |
雪うさぎふいに飛び出すリフト下 | 智恵子 |
年越しの蘭や花芽を出しにけり | みきえ |
長靴を履き換えグランドゴルフかな | こすもす |
寒晴や光を放つイヤリング | 満天 |
水鳥のひょいひょい歩く波の上 | きよえ |
寒すずめ跳てば驚く大群だ | 宏虎 |
居座りて列島真上雪催い | ふさこ |
出来立ての霜へ丸ばつ書いてみる | 明日香 |
真言を唱へる明けの息白し | うつぎ |
バスケットの子らの歓声春隣 | 千鶴 |
枯山や鴉の鋭声下に聞く | せいじ |
胡麻塩になる土くれや雪時雨 | せいじ |
粕汁を温め客を待ち侘びる | かえる |
蒲団干す船去りし沖まなかひに | ひのと |
寒牡丹ひとつひとつに藁の家 | 澄子 |
春よ来よ砂場ぶらんこ子らを待つ | はく子 |
保護林に苔現れぬ落葉掻 | 豊実 |
大釜に湯気酒米の蒸し上がる | あひる |
反り屋根を照らす寒月樹冠より | 愛正 |
葦の間に鴨遊ばせて日が暮るる | 宏虎 |
氷嚢を替へて風邪の子また睡る | ひのと |
一層の凍土を均し骨が原 | 澄子 |
山茶花や散華のごとく散り敷けり | なつき |
ビルを切る光輝を放つ寒の月 | 愛正 |
寒木瓜のかたまりて咲くいのちかな | むべ |
釣人の着ぶくれてをり波止の夕 | きよえ |
流木のくすぶり潮を噴く焚火 | 素秀 |
2023年01月28日 | |
シリウスを指す手袋に分つ指 | 素秀 |
庭隅にひそと一輪雪中花 | みきえ |
移築門当時の傷や凍て返る | 明日香 |
寒波急離れ住む子の誕生日 | なつき |
水仙の風のまにまに揃ひ踏み | せいじ |
堅雪を踏んで喧嘩の帰り道 | ひのと |
神戸土産フルーツジャムが寒見舞 | こすもす |
冬麗の空に高鳴る鳶の笛 | せいじ |
鈍色に街の霧らひてみぞれけり | はく子 |
苗札を埋めてしまひ庭の雪 | うつぎ |
寒暁の空へ始発の発車ベル | 豊実 |
厳寒に芽立ち生る木やもの言はず | 千鶴 |
歓声の響く園児ら雪つぶて | かかし |
雪掻きの音響きたり夜明け前 | かえる |
そこまでと出掛けし帰途に霙降る | たか子 |
小雪舞ひフード押さへつ漕ぐペダル | みきえ |
飛び立つはふくら雀と覚えたり | よう子 |
血管のように枝伸ぶ冬樹かな | たか子 |
さざ波に見え隠れする蘆の角 | みきお |
暁の中洲を走る群千鳥 | 素秀 |
寒鴉低空飛行何事ぞ | きよえ |
福耳のはみ出す帽子入学児 | みきお |
親子並ぶ今年は兎雪だるま | ふさこ |
雲ひとつ寄せ付けもせず寒の月 | 満天 |
セキレイのつつつと進む冬田かな | 千鶴 |
小湊の船間の岩に捕る海鼠 | 智恵子 |
祖母の味吾の味となり大根汁 | あひる |
寒の鳥声透き通る神社より | 満天 |
島の子に習ふ近道小春空 | ひのと |
陽だまりに椅子置く寒の弾き語り | なつき |
コンビニ前休憩タイムの除雪車 | こすもす |
まつすぐに冬芽蒼天指しにけり | むべ |
薄墨に滲みて東山眠る | もとこ |
寒禽の尖塔交はす刹那かな | 澄子 |
立ち往生雪は車を通すまじ | 智恵子 |
浄瑠璃を好みし母や近松忌 | 宏虎 |
風冴ゆる頬っぺの紅く下校の子 | きよえ |
水洟をすする話のつなぎとし | 宏虎 |
砂浜や廃船照らす寒の月 | 愛正 |
斑雪残す河原の流れかな | わかば |
焼き網の上ではじくる霰餅 | 愛正 |
雪しまく昭和の景色畦の道 | かかし |
外来の亀の多さや池普請 | 澄子 |
大寒の青空にあるゆるびかな | わかば |
微かなるしぶき飛ばして大根切る | あひる |
2023年01月27日 | |
小走りに銭湯までの懐手 | 澄子 |
もう誰もいない公園雪だるま | よし子 |
まだ明る冬三日月の浮遊かな | きよえ |
侘助の白葉隠れにひそと咲く | 満天 |
霙降る街は乳色靄ごめに | はく子 |
紙飛行機不時着したる雪間かな | うつぎ |
無人売場百円入れて山眠る | よし子 |
氷瀑の時を止めたる無音界 | 素秀 |
幹捻れ苔むす枝の梅二輪 | 明日香 |
解約の判子を拭ひ冬終る | ひのと |
雪の量見て変更す帰り道 | こすもす |