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2022年09月24日

鰯雲手繰られるごと山の端へ 明日香
小樽にて煉瓦の倉庫秋の水 宏虎
小鳥来て夜の球場中断す みきえ
荷物番の爺のさしたる秋日傘 なつき
山かげのはや薄暗き秋分日 素秀
稲束を握りザクッと鎌引きぬ 千鶴
夕食の片付け終えて虫の声 たかを
稲雀いびつになりてわっと散り たか子
友の無事祈るしかなし長き夜 せいじ
毒草と忌まれ口惜し鳥兜 澄子
真夜に聴く頭上過ぎゆく野分あり 澄子
人通り絶えぬ週末秋夜長 こすもす
カラフルなぼっちテントの秋の芝 たか子
峠茶屋望む借景照紅葉 智恵子
目薬の頬に溢れる秋暑し みきお
艶めける山栗供ふ無縁墓 みきお
帽子から靴までピンク花野の子 なつき
思ひ出の次から次へ栗を剥く うつぎ
爽快や列車の響きメロディーして きよえ
赤米の植えられし田や明日香村 明日香
稲藁を切り込み落とすコンバイン 千鶴
遺されて夫へ母へと栗の飯 うつぎ
山霧や朝湯へ向かふ下駄の音 ひのと
ふたり居て静けき秋の蚊遣香 あひる
友逝けり秋の真中の槍ヶ岳 あひる
二十世紀みずみずしくてかぶりつく 宏虎
天高し寄せ植え美なる蘇鉄かな みきえ
秋夕焼もういいかいの声消ゆる もとこ
稲妻の襲ふ菜園苗ぽきり かえる
秋夕焼野球少年素振りする 満天
秋嶺を仰ぐ修道院の朝 むべ
審判の笛響く空曼珠沙華 豊実
晴るる今朝未だ聞こゆる残る蝉 きよえ
古都の夜袋小路の秋暑し こすもす
ミシン踏む夜なべの母の子守唄 智恵子
コスモスを揺らすごと子等散歩道 満天
遠山を背伸びに見やる紫苑かな 素秀
宵の雨雫と歌ふ虫の声 そうけい
コスモスの揺れる踏切閉鎖され たかを
山霧よ晴れよ救命ヘリよ飛べ せいじ
露草の露輝きて草むらへ ふさこ
献血車降りて夜学の門くぐる ひのと

2022年09月23日

秋雨や物憂き心募りけり せいじ
筋雲へ背のびの孫のVサイン あひる
秋の雨研修生打つレジの音 みきえ
鶺鴒の遊べる川に鎌洗ふ 素秀
丹精の五色競演彼岸花 きよえ
紙飛行機子供等飛ばす秋彼岸 たかを
久久の青空見上ぐ天高し きよえ
田を渡る風に稲穂の重さあり うつぎ
あるなしの風に波打つ稲穂かな 満天
なるようになると思へど秋彼岸 千鶴
砲台跡海を眼下に風は秋 ふさこ
猫じゃらし右へならへと靡きけり せつ子
風紋の海彼方より鳥渡る 澄子
古池の今飛びなむと蒲の絮 そうけい
おはようと言ふ子も長袖羽織る今朝 かえる
待たされて秋思の我やガラス窓 たか子
整列をしてなぞへ埋む曼珠沙華 うつぎ
街なかの地蔵の祠彼岸花 明日香
下がり花垂れて湖に揺る月明かり 智恵子
雨一日秋分の日の暮れ早いし なつき
北鎌尾根だけは晴れよ秋の雨 あひる
野分けあと濁流脇の鷺孤高 もとこ
紫蘇の実を摘むほど深き香りかな そうけい
古刹へと辿る長坂曼殊沙華 せいじ
秋気満つテラスに父の囲碁相手 智恵子
雁渡る波一つなき今朝の海 ひのと
遠き山近くに迫り天高し みきお
山肌を舞ひつつ上る狭霧かな 明日香
梨齧る幼な子の手汁だらけ みきお
大仏の由来聴く児等秋彼岸 こすもす
水澄めリ沈みしコイン池の中 宏虎
秋の蝶雨止み舞ふやひとときを 満天
足元をあきつの一匹ホバリング たかを
本開きまぶた重たき秋時雨 なつき
雨宿りの鹿樹の下に軒下に こすもす
白砂の指に遺らぬ秋の浜 素秀
露天湯に稲刈終へし顔そろふ ひのと
秋雨や沼草揺らす錦鯉 豊実
水澄みて泳ぐ銀鱗見えにけり 宏虎
秋彼岸供花に笑まふ墓標かな みきえ
三年なる栗剥く黙にしたしみぬ むべ

2022年09月22日

敬老日互いに老いを笑い合ふ 宏虎
あてど無くペダル踏み行く秋の郷 せつ子
秋の雲いわしも鯖も味わえり たか子
敬老の日おら百歳腰伸ばし ふさこ
鶺鴒のふり向く様のポーズかな きよえ
阿波からの芋と酢橘を箱詰めで 千鶴
悠々と雁には無けり国境線 素秀
庭たたき打ち払ふごと草払ふ きよえ
雨一日何するでなき秋彼岸 なつき
野分後校庭にバスリュックの子 みきえ
里の秋飼主従がえ肥えた犬 たかを
白芙蓉いつしか見えぬ老婦人 隆松
久々の絵筆に秋の草花を 満天
酒臭き息で追ひたる夜の蜘蛛 なつき
参磴の明かりともなる曼殊沙華 せいじ
吊り橋の影くつきりと秋の潮 あひる
校庭に声掛け振る手秋の窓 みきえ
秋風や植木に隠す木戸の鍵 ひのと
腰屈め嫗撮りをり萩の花 こすもす
水神の岩の祠や秋の蝶 豊実
旅をして失せ物ひとつ鰯雲 ひのと
海峡を渡る車列や鰯雲 あひる
朝毎に増へてをりしや花芙蓉 隆松
秋暁に至り外灯ふと消へり むべ
神護寺の木立を縫ひて曼殊沙華 せいじ
強風も操りし風船葛 そうけい
木犀の香りに長居朝の庭 智恵子
秋寒や出しそびれたる葉書あり 澄子
家並みの途切れ車窓に豊の秋 澄子
ザリガニの稲田の畦の憐れかな こすもす
茜さすまほろば線の音さやか 明日香
遠吠への君も語るか今宵月 智恵子
秋茄子や嫁母の名の付かぬ日々 もとこ
饒舌となる独り酒とろろ汁 うつぎ
皆好きなカレーたっぷり敬老日 宏虎
台風去りて又台風の予報あり 満天
雑草も虫の揺り籠深き闇 みきお
過疎の村生徒総出の落穂狩 みきお
乾きゐる刈田は藁の王国に 素秀
膝で寝る犬に温もる秋の朝 かえる
紫蘇の実の塩漬け飯のプチプチと そうけい

2022年09月21日

風止んでひっそり睦む秋の蝶 たか子
湧水の砂舞う音の爽やかに 宏虎
老い母も看る妻も吾も敬老日 せいじ
草原の人手借りずに彼岸花 きよえ
手に余りころころドングリ転がれリ こすもす
嫗らの姦し毬の栗拾ひ せつ子
餌を食む猿の親子へ赤とんぼ かえる
泣くやうに艫綱軋む夜寒かな ひのと
鳥かぶと艶めき誘ふ獣道 智恵子
馬の背を超へて次々野分雲 みきお
角曲がるとき正面に紅芙蓉 せいじ
雨戸閉づ夕餉の部屋の虫時雨 そうけい
とうきびの粒整然と日のかたち 素秀
風に揺るそっと触れる子曼珠沙華 きよえ
つづら折り今し道連れ曼珠沙華 智恵子
どの家も小さき庭あり零余子飯 素秀
神杉の木漏れ日を浴ぶ曼珠沙華 明日香
長袖の出番となりぬ野分後 みきえ
パンフ来て旅の誘ひや秋日和 もとこ
日の高き一番風呂よ草刈女 なつき
秋の朝蛇口の水の温きかな みきえ
熊野古道歴史ときほぎ秋暮れし ふさこ
彩づきて穂のお辞儀する豊の秋 宏虎
虫食ひのゴーヤ揺らして蔓たぐり なつき
木々あまた倒れ野分の置き土産 千鶴
参道のなぞえ真白き彼岸花 こすもす
混声の主旋律もあり虫すだく せつ子
秋天や大阿蘇を背のVサイン あひる
秋鰺の注文多しにぎり寿司 満天
笑みたまふ飛鳥大仏寺さやか 明日香
客去りしあとのしづけさ秋袷 ひのと
着る物に長袖探す今朝の秋 満天
延々と藪蘭続く並木道 豊実
朝はまず林檎の音とパンの香と たか子
団栗のこぼれ荒れたる山路かな 千鶴
ベランダの間合い街の灯虫時雨 そうけい
折れ枝の挿せば咲きたる野分あと むべ
袖口に盗人萩の侵入す あひる
台風の過ぎてなお吹く戻り風 みきお

2022年09月20日

コーギーも見送る柩身にぞ入む 千鶴
秋天へ本茅葺きのうだつかな 明日香
台風の遅遅に眠れぬ朝を待つ 満天
野分過ぎ溢るる水の濁々と かえる
四つ目垣少し緩めて野分去る たか子
根の切れる音ここちよく草を引く あひる
台風過風静かなる陽射しかな ぽんこ
食い意地の本性出るや葡萄がり ふさこ
指切りをして帰る子夏休み みきお
蔦紅葉上りきりたる異人館 みきお
名月と知りつつ何時か眠り墜つ 宏虎
竹林のざわめき残し野分去る こすもす
朝摘みの秋茄子二本持ち帰り 豊実
秋惜しむ瀬音に混じる葉擦れかな 明日香
台風過うれし便りや夫と拍手 きよえ
突上げし指を離れぬあきつかな 素秀
なほ高し雨戸の外の虫の声 せいじ
虫の音を父母も聞きしや墓洗う たかを
柳散る祇園白川下駄の音 智恵子
喫茶店の英国半旗秋空へ こすもす
女王の葬儀に見入る夜長かな 千鶴
素麺の空の木箱の捨てがたし あひる
対岸に赤き帯なす彼岸花 智恵子
敬老日おてがみ貰ひ玩具買ふ もとこ
野分去り鳴けとばかりに虫時雨 たか子
古戦場城址色無風き風過ぎる 宏虎
吉事あり酢飯切る夜の稲光 ひのと
おもちや屋へ子のおねだりや敬老日 なつき
虫喰ひ葉の葉陰の美肌青檸檬 せつ子
海岸はシャチ飛ぶごとし台風裡 そうけい
祝はれて背筋伸ばせり敬老日 なつき
秋扇に打たれて正す舞姿 ひのと
鳴く虫のメトロノームにのる間かな そうけい
落人の道を芒と辿りけり むべ
下冷えやお風呂上がりの読書かな みきえ
雨戸開け頬に優しい台風一過 満天
雨晴れて今朝は野分の吹返し せいじ
撮りためし動画消しゆく夜長かな 澄子
慕はれし女王葬送秋澄めり みきえ
一滴の味引き締めし阿波すだち せつ子
目の覚むる紫紺を傾げ鳥兜 澄子
夜行バス目覚むる窓の秋しぐれ 素秀

2022年09月19日

木の実落つ見張り振り向く陣地かな なつき
賛美歌の澄みてわきたつ秋の空 あひる
台風の備え万端虫の声 たかを
鳥の声虫の音も絶え台風来 ふさこ
学び舎のひとつ残る灯虫すだく 満天
敬へぬ老人もいて敬老日 素秀
建ち並ぶ団地の路地に曼珠沙華 あられ
老人の日や糟糠の妻と茶菓 せいじ
秋蝶をしばし留めて旅鞄 ひのと
紅葉背に佇む猿や学者めく かえる
野分来る湖を割らんと波高し 隆松
新宅には無きままなりし棗の木 こすもす
茹で卵剥く力加減や今朝の秋 みきお
パラソルを取付け翁稲刈中 こすもす
野分にも伏せず立ちたる稲穂かな 千鶴
野分前刈り取る農夫手際良し たか子
野分立つ路地にいつもの秩序無く たか子
早朝に猫の爪切る颱風裡 素秀
只じっと台風通過待つ身なり きよえ
ゆく水の渦となり瀞となり秋 明日香
梨三つ食卓に有り家静か 宏虎
空唸る雲吠えるかに台風来 きよえ
彩窓の秋陽届ける棺かな あひる
一段と静まる気配野分前 ぽんこ
珊瑚樹を覆い尽くせり葛の花 豊実
台風来雨戸錆び付き鍵堅し みきえ
女王の柩千草の花の蓋 せいじ
半眼のやさし仏や萩の風 なつき
搬出のキャンバス煽る台風裡 そうけい
芝居絵の掛かりし小屋や秋簾 もとこ
屋根穿つ音凄まじき台風裡 澄子
早々と雨戸閉めゆく大野分 澄子
彼岸花後ろに廻り見てもみる たかを
枕辺に懐中電灯台風裡 みきえ
古希迎へ敬老の日の初祝ひ あられ
水澄むや笊に万札銭洗ふ 智恵子
敬老日グランドゴルフ颯爽と 満天
沖待ちの船に灯ともる夜霧かな ひのと
簀を張りて掬う漁師や鮎躍る 智恵子
一瞬に様相変はる台風禍 千鶴
母の世もありき里庭虫時雨 そうけい
風哭くや野分に震るる竹生島 隆松
天に地にしなふ若木や台風裡 むべ
漬け物や味忘すられず茄子の艶 宏虎
握り跡残る鍬の柄天高し みきお

2022年09月18日

幟旗はためく参道村祭り みきお
唐突に咲くのが常よ曼珠沙華 たか子
空砲の轟く朝や運動会 智恵子
秋晴や駆けだしさうに靴ならぶ ひのと
柿赤し甘ひや渋や押し問答 みきえ
爽やかに大阪弁のある余韻 宏虎
手分けして運ぶ花鉢台風来 あひる
定刻になれば人湧く登山駅 せいじ
茸狩りの名手にしたがふ一日かな 澄子
野分風敷布からりと干しにけり ぽんこ
木の実落つ曙杉の高きより むべ
山栗を小径に拾ふ野分けあと 智恵子
足跡を浚ふさざ波秋の浜 みきお
ひとり居て夜に溶け込み虫すだく もとこ
避けられぬ台風通過無事祈る きよえ
峠超へ続くハイウェイ竹の春 みきえ
列島をつぎつぎ襲ふ台風予報 満天
湖鳴いてやまじ凄まじ波の白 隆松
秋場所や結びの後の星ひとつ 素秀
秋日中五色幟の札所寺 なつき
神殿に抱いて奉納初南瓜 豊実
河川敷にも飛び石の如彼岸花 こすもす
台風の気圧耳にしたぢろげり 千鶴
秋扇を天に翳して踊り果つ ひのと
栃餅を鞍馬では牛若餅と せいじ
ひたひたと押し寄す不安台風来 明日香
学校に行きたくなくて柿を蹴る かえる
石仏の裾に茸のかさ広げ なつき
隣席に座す人持ちし白い菊 こすもす
坂の上の葛の香深き館かな 素秀
けだもののきもちで探す茸かな 澄子
羽ばたくは枝や野分のフェニックス あひる
ここら辺今日は貸切り秋あかね たか子
湖の秋や雲映り込みボート漕ぐ ふさこ
台風来木々も何やら構えをり 明日香
台風の進路にテレビくぎづけや きよえ
秋の蝶たおたお飛びし仲良くと 宏虎
アルバムの整理進まぬ夜の長し 満天
実り田のまだ刈り終へぬ野分前 千鶴

2022年09月17日

リフトより手を振る親子大花野 みきお
頭垂れ巫女の鈴受け秋気澄む もとこ
新蕎麦の幟誘ふ暖簾まで かえる
露草や雑草の影花青き ふさこ
御詠歌の鈴伸びやかや秋澄めり なつき
秋彼岸あんこの団子作りけり こすもす
台風圏ゴミ箱に紐襷掛け 董雨
秋刀魚海の恋しき目に涙 宏虎
小夜ふけて浮かぶ弓月大きかり 千鶴
船出港後追いするや野分風 ぽんこ
台風か軋む信号バスツアー あられ
秋夕焼向かひの人と立ち話 満天
日を避けて路地に入り秋の萩 董雨
お茶会の会話弾ませすぐりの実 あひる
老舗宿備前の壺に秋の色 たか子
夕闇の上枝に灯を置くかりんかな せつ子
曼珠沙華さざ波寄する湖畔かな みきえ
おもちや箱から団栗の転がり来 ひのと
野分よりひとあし先に郷に入る あひる
身をかわし身をかわし生く秋の蝶 明日香
うたた寝の耳の奥から鉦叩 豊実
とんぼうの考え深き停止かな たか子
台風に向かひ旅する子ら憂慮 せいじ
今宵こそ見上げる空や月の雲 みきお
パソコンの詐欺メール多し秋暑し 満天
新米やそのひとつ粒の菩薩様 素秀
白線を新たに運動会の朝 ひのと
秋の湖波の向かふに竹生島 みきえ
鉦叩蟲の中でも声高し 宏虎
曼珠沙華なびく先には竹生島 隆松
山霧に吸われるやふに午睡せり 澄子
小兵力士勝ちて秋場所大拍手 せつ子
あめつちを斜に沈む秋夕焼 素秀
台風来鄙にこもりて古書整理 せいじ
海賊船渡る芦ノ湖薄紅葉 智恵子
野分立つ大樹枝揺らし枝の葉擦れ きよえ
行き暮れて夕顔棚の家見ゆる むべ
庭草に混じりて水引草の花 こすもす
雁の棹見送る夕べ茜空 智恵子
天高し足場積み上ぐ金属音 たかを
山霧や気配を消して鹿とおす 澄子
虫の音やいつの間にか子守唄 きよえ
蓮の実の飛んで池面のきらめけり なつき

2022年09月16日

曼珠沙華残る畦道石仏 みきお
散歩道落葉拾いに誘われる たかを
鞍馬なる仙人草の霧雫 せいじ
秋風や香具師の熱帯ぶ政治論 なつき
嵯峨野路の葉擦れの音や竹の春 宏虎
露草や溝蓋の隙咲きにけり みきえ
新涼や木陰で二人車椅子 満天
砂糖菓子のごと貰ひけり白ゴーヤ あひる
ビスコッティ紅茶に浸す夜長かな なおこ
喪の菓子を打つ翁あり秋の夜 ひのと
燃ゆるもの沼のほとりの曼珠沙華 ぽんこ
ひよろひよろと棚まで伸びて糸瓜咲く あひる
作り滝止まりて静か鯉二匹 董雨
感傷を連れて列車の秋の旅 素秀
蜻蛉や羽一枚を置き土産 かえる
目薬の入れ方が下手秋暑し こすもす
秋夕焼生駒峯照らしショー終える たか子
目の前をふと横切たる鬼やんま 更紗
雑草のひしめく空き家虫すだく みきお
産直の土産の梨は四五軒分 そうけい
日替はりに趣き深し秋の月 みきえ
柿の実の届かぬ高さ札所寺 なつき
伸びやかな子規句碑賞でつ萩の寺 たか子
寡婦となり早七年の栗を剥く ひのと
鈴虫の力の限り鳴き通す 宏虎
眼科医のステンドグラス秋麗 こすもす
新蕎麦をすすりかしまし旅終へる もとこ
山ぼうしの熟れし実紅く浮き立ちぬ 千鶴
逆転の一打伸びゆく秋の宵 董雨
野菊咲く化野の道無縁墓地 智恵子
澄む秋や電線ぴんとたゆみなく 更紗
街道の走り蕎麦あり揺れる旗 ふさこ
息切らし登りて出逢ふ岩沙参 智恵子
更待や夜勤の仮眠室の窓 豊実
とき色がすみれの雲に秋の暮 素秀
子等の剥く肘まで落つる梨の汁 そうけい
秋扇開き一句のかすれ文字 満天
葛畳むらさきの香を閉じ込めて 明日香
元気ない吾を叱咤する鵙高音 明日香
霧走る風禍の山の植林地 せいじ

2022年09月15日

墓の端ろうそくのごと彼岸花 明日香
月光の燦々と照る千枚田 宏虎
見あぐれば亀の如くに秋の雲 たかを
藁焼きの田に陣張るや群れ烏 隆松
くず餅や匙の上にてぶるぶると 董雨
ぐうぜんに花火出会ひし心満つ もとこ
幼な子の背伸びの先に柿ひとつ かえる
久々の散歩に秋色探し行く たか子
珈琲を淹れてはじまる夜長あり 澄子
秋燕の巣ばかり目立つ厩舎かな 澄子
手も足ものばす湯浴みやけふの月 更紗
松虫や無賃乗車を許されし あひる
物書くに添へし左手火恋し ひのと
神池に小さき菖蒲の帰り花 なつき
刈り入れを待つ千枚田稲架を組む 智恵子
外国の姉気炎を吐くや鶏頭花 そうけい
新蕎麦や薬味で生きるざるの主 ふさこ
この庭のここを居場所と秋桜 素秀
お誘いも断念今日の残暑かな こすもす
埋め戻す遺跡に群るる赤とんぼ なつき
叡山に猿育みし山の梨 あひる
初物のゆず巻柿の香りかな 董雨
天辺のオクラの下に大花散る そうけい
広芝をスクランブルす秋津かな せつ子
霧晴れて広野に残る夕の空 素秀
コンビニで支払ひ済ます秋の夜 満天
柳散るおむすび二つ浮御堂 智恵子
明朝のパンを仕込みて寝待月 せいじ
一夜ごと愛づる名月呼び名あり みきえ
紅芙蓉きりりと絞り今日を閉づ 満天
天高し大き掛け声徒手体操 みきえ
歩板より触れもす蒲の穂絮かな ぽんこ
秋夕焼しやうゆ香ばし焼き団子 更紗
立て掛けて動かぬ竿や寝待月 豊実
青蜜柑くひこむ爪の芳しき むべ
千枚田朝霜消ゅる蕎麦の花 宏虎
三つ編みを解いて花野に遊びけり ひのと
白鷺の連れて降り立つ刈田かな 千鶴
いづくから撮るも美美しき女王花 せいじ
秋霖に浮かぶ巨石は石舞台 明日香

2022年09月14日

不完全燃焼という秋景待つ 宏虎
一両の展望電車照紅葉 せいじ
廃線のトンネルの先秋ありそ ふさこ
身にしむや最後にマムと呼ぶ君主 もとこ
萩垂るる十三重の石塔へ 明日香
照葉して展望席に赤む顔 せいじ
石垣の棚田の畦に彼岸花 智恵子
故郷は城うつくしき空澄めり 澄子
矢印を曲がれば匂ふ菊花展 みきお
青空に弾けて離れ恋の蝶 あひる
地蔵尊の光背となす弟切草 ぽんこ
藪の朱を深める溝川烏瓜 そうけい
瀬戸海の秋大潮に渦深し せつ子
野の花と共に供へる新走り 澄子
激つ川白き奏でに秋惜しむ 明日香
色づいて群れるコキアの珊瑚めく かえる
追風に落葉と歩調合せけり ぽんこ
連鎖してあれやこれやとこの秋は たか子
通過する一両電車曼珠沙華 こすもす
店頭の値上げ多しや秋暑し 満天
居待月氷浮かべる食前酒 豊実
力こぶ見せ合ふ子らや秋うらら 更紗
星ひとつ側女につけて今日の月 たか子
夕映の落つや裏見の滝は秋 素秀
曼珠沙華不意に顔出す庭の隅 みきえ
ののさまへ供ふ新米ひとつまみ ひのと
歳時記に手擦れの跡や夜半の秋 更紗
虫めがね欠かせぬ読書秋の夜 みきお
床につき窓の月見ゆ至福かな みきえ
影もまた恋のリズムや揚羽蝶 あひる
秋の渦中もまれ漁するかんこ舟 千鶴
三叉路のどれも秋夕焼けの中 なつき
秋場所の小兵の技に期待する 満天
新酒汲むこの航海を最後とす ひのと
有明の中天高く匕首の月 みのる
倒木に青白きかな月夜茸 智恵子
白寿の身にこころざしあり秋そうび 董雨
優しくもはた強く引く烏瓜 そうけい
生国は遠き異国や雁渡る 宏虎
音なくて月光穿つ地層かな むべ
紅花の葉先先駈け銀ろ梅 董雨
うたた寝の顔に芒の垂れてをり 素秀
すり切れし孔雀の尾羽秋時雨 なつき

2022年09月13日

漣の大池なせる蕎麦の花 せつ子
伴走のとんばうと目の合ひにけり せいじ
健啖を謝して子規忌を修しけり たか子
立待や屋敷の庭の松の影 豊実
どの書にも父の遺筆や秋燈下 ひのと
飛機雲や変じて秋のひつじ雲 きよえ
籠もりいて帰郷迷へる秋彼岸 澄子
帰り来て野萩を急ぎ活けにけり ふさこ
夜勤明け十六夜のこる空見上げ なつき
相席は美大生らし紅葉茶屋 せいじ
木星をあとに立待の月光る みきえ
火口湖に取りすましたる秋の水 素秀
猫じゃらしあるかなきかの風に揺れ かえる
立待の岬思ほゆ月見かな みきえ
よどみなき話の輪居て秋愁ひ なつき
飛機雲の四すじ五すじと天高し きよえ
敬老日へ紅白饅頭配られる 満天
立つよりも座して待つなり十八夜 千鶴
公民館の花壇に一本曼珠沙華 こすもす
猫じゃらし車過ぐ度手を振りて 明日香
思い出のひとつ能勢路の栗畑 はく子
駐車場車間に列す草紅葉 そうけい
日章旗掲げるだけの文化の日 みきお
耳澄ます虫の輪唱草の根に ぽんこ
天高し駆け抜け逝きし師や無念 もとこ
白雲へクレーン差し込む天高し 満天
コロナ禍に出荷止めらる秋野菜 たか子
里山の裳裾真白き蕎麦の花 せつ子
鰹木の菊の御紋へ秋日燦 明日香
窓開けて運動会の声を浴ぶ ひのと
故郷の最後の梨を惜しみけり あひる
古暖簾匂ふ酒蔵新走り 智恵子
土に帰すこれら落葉の厚さかな 澄子



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