2021年01月14日 | |
煮凝りの鯛の目玉を戴きぬ | 宏虎 |
蝋梅の開花一輪空の青 | 豊実 |
ワイパーが動かないほど霜の朝 | 明日香 |
玉の日に透く蝋梅の濃き香り | 智恵子 |
鴨鍋や比良の嶺風吹かれきて | 凡士 |
喪中家に墨の匂ひの寒見舞 | 素秀 |
寒凪や無防備にふと外出す | たか子 |
幹に鍬枝に手拭ひ梅の花 | 潤道 |
風花のいつのまにやら吹雪きへと | こすもす |
人日や昭和の御世も語りぐさ | みのる |
可惜夜の明けて霜踏む家路哉 | 音吉 |
腰下ろし伸ばす手に触る仏の座 | 智恵子 |
餅花やコロナ禍に鎖すアーケード | みのる |
黄泉の国かくある景か枯れ尾花 | 潤道 |
夕暮の歩道迫り出す冬木の芽 | せいじ |
長老の片肌脱ぎや弓始 | なつき |
白鷺の五羽それぞれに冬の川 | もとこ |
雪雲の裾よりこぼる日射しかな | やよい |
壁に貼る番付表や小正月 | こすもす |
ふんまえる自粛生活山眠る | ぽんこ |
植替えしビオラの鉢に雪降り積む | あひる |
牛の尾の左右に揺れて草萌ゆる | 音吉 |
三人居てただストーブの音ばかり | あひる |
追憶碑ぽつんと残し川普請 | なつき |
坪庭の余白を埋め草萌ゆる | せいじ |
寒晴の動くものなし公園に | 満天 |
陽だまりの冬芽ふっくら天を突く | やよい |
冬日浴ぶ猫吹抜けの一等地 | 素秀 |
臘梅の日差しとどめて香を放つ | 満天 |
酒米がとどき呉春の寒仕込み | 凡士 |
玄関を叩き屋根へと石叩 | 三刀 |
雪融けて球根伸びる植木鉢 | 明日香 |
託されし老犬と吾春を待つ | むべ |
気品ある俯き勝ちの野水仙 | 宏虎 |
2021年01月13日 | |
なんとなく日差しやはらか春隣 | 明日香 |
冬日受け白の耀ふ鷺一羽 | やよい |
集めればボールひとつの雪残り | 明日香 |
底冷えのいびつなへこみお砂踏み | なつき |
水鳥を浮かべて眠る印旛沼 | 音吉 |
界隈に一つの色や冬菫 | たか子 |
幼らの吉書コロナに負けるなと | みのる |
梅の花なんの破寺満開ぞ | 潤道 |
おでん屋は稲荷の社前雪催ふ | 凡士 |
寒晴や公園の木々艶めける | 満天 |
故郷の菜花に出合う売り場かな | あひる |
風花や掴めさうなり掴み得ず | 宏虎 |
さへずりの声掛け合ふや冬の鳥 | むべ |
ステイホームこそコロナ禍の恵方道 | みのる |
雪解けの畑に大根引く漢 | 三刀 |
数の子はちびりちびりと食すべし | せいじ |
五箇山の“結い”でつなげる雪下ろし | 凡士 |
竹馬に親の背越ゆる笑顔かな | 素秀 |
初場所や小兵力士技多彩 | 宏虎 |
寄生木の高孤に露冬木立 | 智恵子 |
どんど燃ゆ躍る炎の影法師 | 智恵子 |
凧揚げやパパの厳しき声の飛ぶ | あひる |
マスク出づ眉太く描く初鏡 | なつき |
雪の原樹下に逃れる奈良の鹿 | 音吉 |
左義長の焦げあと残る郷の宮 | こすもす |
那智黒に小雪舞い散る宮詣 | ぽんこ |
店頭の春待つピンクシクラメン | 満天 |
冠雪に遠山尾根をあらわにす | 素秀 |
夜半の冬闘病長き夫想ふ | やよい |
初詣兼ねて出かける散歩かな | こすもす |
直列に立ち尽くす鴨池凍る | せいじ |
連凧や一糸乱れず揃い踏み | もとこ |
ぽろぽろと蕾落として梅を切る | 潤道 |
2021年01月12日 | |
出初なる放水国生み島へ向け | みのる |
七連凧きらりと光る淀の風 | あひる |
水掻きの閉じ込められし初氷 | 豊実 |
初吟詠鏡の湾に広がリぬ | 三刀 |
雪景色添えて友よりメール来る | こすもす |
肉厚の葉に白雪のふんわりと | せいじ |
戸を繰れば一変するや雪あかり | 満天 |
追ひかけて孫の爪切る七日かな | 潤道 |
しんしんと鹿の眉間を雪ぞ降る | あられ |
風に耐ふ冬たんぽぽの穂絮かな | なつき |
日の光いっぱい吸ひぬ福寿草 | 宏虎 |
あちこちと治療のはしご去年今年 | やよい |
成人の日に寿ぎと期待寄す | たか子 |
鴨七羽同時着水インパルス | 音吉 |
山道具部屋に亡夫の腁薬 | むべ |
玄関の曇り硝子に雪明り | せいじ |
黎明に一柱立ちし大どんど | みのる |
川氷る風の意のまま模様描き | 明日香 |
松過ぎの体重増える餅太り | 三刀 |
風を受けしなる羽音や初烏 | みきお |
白息の止まりて射手の矢を放つ | なつき |
雨上がり畦に氷の光る道 | 智恵子 |
メール来る初雪に友はしゃぎつつ | こすもす |
庭石に斑に積もる今朝の雪 | 明日香 |
ボール立て仁王立ちするラガーかな | たか子 |
双六の半ば再従兄弟の名前聞く | 素秀 |
鰤起し伊根の舟屋を震はする | 凡士 |
連凧の忙しく向きを変えにけり | あひる |
初詣戎様にとお札買ふ | 宏虎 |
自然のまま干柿となり鳥の餌に | ぽんこ |
河渡る寒灯の貨車煌めけり | もとこ |
雨粒がいつしか雪に音も無く | ぽんこ |
雨音の止み六花舞ふ夕の黙 | 智恵子 |
中庭のベンチに二人雪だるま | あられ |
大垂氷木琴のごと弾きけり | 凡士 |
寒風に横一列のインコかな | 音吉 |
脂浮く鰤のあら煮の甘きかな | 素秀 |
初雪やふはりと包む庭の木々 | 満天 |
冬の雨鳩遊びゐる潦 | やよい |
三寸の紐に暴るる虎落笛 | 潤道 |
雪原に光り一筋朝あかね | みきお |
2021年01月11日 | |
乙女の矢ふはりと落ちし弓始 | なつき |
老松の手当のごとく菰巻きす | なつき |
応援の声さらひけり空っ風 | たか子 |
去年今年身辺整理続きけり | もとこ |
日が恋し人が恋しと落葉焚き | 潤道 |
糟糠の妻もほろりと屠蘇の酔い | 宏虎 |
裸木の野路に顕や鳥の贄 | 智恵子 |
二羽の鴨鴛鴦ほどの間にあらず | 音吉 |
冬銀河ウルトラマンの星探す | 凡士 |
隠れたる竜の髯の実探り当つ | むべ |
疎らなる自転車置き場冬日和 | みきお |
晴れ上がる空の奥より虎落笛 | せいじ |
初暦一字記して始まりぬ | 素秀 |
大徳の早や晩酌と日短 | 潤道 |
初氷のこる蹲夕茜 | 智恵子 |
鏡開手慣れぬ夫の善哉炊き | ぽんこ |
粒ごとに光り溜めけり実南天 | みきお |
川凪ぐや漁場知りたる離れ鴨 | 音吉 |
点眼のタイマー忙し日短し | やよい |
成人式毀滅の刃の装いに | 満天 |
弾初めのエレクトーンやハミングも | こすもす |
欄干に川見て鳴けり冬の鷺 | 素秀 |
白サギの所在なさげに薄氷 | たかを |
手焙やぜんざいを待つ五番札 | 豊実 |
縫い初めや針山母の編みしもの | こすもす |
年明けて活き活き窓辺のシクラメン | 菜々 |
それぞれの母校に集ふ成人式 | 満天 |
冬日差し黒猫ばかり出会うかな | たかを |
百歳は近くて遠し福寿草 | 宏虎 |
庭の葱も加えて今宵はすき焼きに | 菜々 |
蝋梅のふふみて鈴の鳴るごとし | あひる |
日当たりの綻ぶ冬芽見てゐたり | 明日香 |
氷張る手水鉢の上雪片が | 明日香 |
蝋梅のつぼみをのせて写メ送信 | あひる |
氷張る素焼の植木鉢の底 | せいじ |
ガッツポーズラガーの胸の先に空 | たか子 |
眠る山117と灯りけり | みのる |
灯籠みな絆と記す阪神忌 | みのる |
雪を抱く立木の見せる裏表 | 三刀 |
奥能登の二重に構ふ風囲 | 凡士 |
2021年01月10日 | |
正月は百回したと母笑ふ | 潤道 |
枝ぶりに花も見てよと梅の花 | 音吉 |
的中に姿勢揺るがぬ弓始 | なつき |
屋根よりの雪崩るる音に耳をやる | 三刀 |
冬耕の夕日に走るトラクター | 素秀 |
舞鶴の母に届けよ鶴の声 | 音吉 |
つるつるの朝陽映して初氷 | たか子 |
アルバム繰る老いの茶の間へ冬日濃し | 菜々 |
弓始め零度の杜に集ひけり | なつき |
凍て道のへっぴり腰やな滑りそ | こすもす |
泥煙して身じろぐや寒の鯉 | 満天 |
書初へ母いそいそとデイケアー | せいじ |
勝利する地元力士の初場所に | 満天 |
ポタポタと滴止まらぬ軒氷柱 | こすもす |
川堰に種の違ふ鴨集まりて | 明日香 |
氷瀑や巌に白き水の音 | 素秀 |
香り立つ成人式の晴れ着の娘 | やよい |
神御座す天の真青に淑気満つ | むべ |
軸見らず梅を見らずに客帰る | 潤道 |
吹き荒ぶ厄除祈願初氷 | 豊実 |
寒禽や外人墓標苔むす字 | ぽんこ |
松十日そろそろ行かむスーパーへ | 菜々 |
今年もて最後と記す賀状多々 | みのる |
ラガーらの滾る熱量花園に | 凡士 |
大混雑情けの嬉し初湯かな | たかを |
黒豆のあと少しだけ鎮座せり | もとこ |
ボール投げ女児とママとの冬日かな | たかを |
しみじみと寒の蜆をすする朝 | 凡士 |
コロナ禍や二部制といふ成人式 | やよい |
朝ぼらけ風紋のまま凍る川 | 明日香 |
御鏡やお餅に代へてりんご積む | せいじ |
幸せの写真満載せし賀状 | みのる |
腰に来し一病なだむ去年今年 | 宏虎 |
雪の朝出窓に猫の姿なし | 智恵子 |
清掃日ほうき片手に御慶述ぶ | たか子 |
石磴の長きを見上げ初参り | 智恵子 |
屠蘇祝ふ妻に感謝の照れ臭し | 宏虎 |
2021年01月09日 | |
里山の裾は日だまり大根干す | 菜々 |
悪びれず推定無罪冬の海 | 音吉 |
荒れ庭に時々雀たまに狐狸 | 邑 |
初空に漁師の町の大漁旗 | 凡士 |
やれやれと外出戻りを湯豆腐に | 菜々 |
目覚めれば向かいの屋根の雪明り | やよい |
年またぎ汁まで無きやおでん鍋 | もとこ |
受験生不寝の灯りや寒波来る | むべ |
寒梅の日向に開き初む蕾 | 素秀 |
正月は何処へも行かず来客も | 宏虎 |
公園の芝たちまちの雪化粧 | 素秀 |
七草を持つ泥の手や母戻る | 智恵子 |
骨酒に榾火に酔ひて山の宿 | 凡士 |
稜線の見え隠れする雪時雨 | みきお |
リーモトの初糶始まる港町 | みきお |
時はるか初湯に妣の細き背な | たか子 |
初活けや立華の香り六角堂 | 音吉 |
初凪を踏んまへて反る大架橋 | みのる |
玄関に積もる雪掃く竹箒 | 三刀 |
健康と財を願いし初戎 | 宏虎 |
鷹匠の野に美しき佇まい | 智恵子 |
紅白の丑の落雁初茶の湯 | なつき |
北風や真っ直ぐ続く通学路 | たかを |
列島はコロナの好きな寒波来る | ぽんこ |
どっしりと富山の城は雪化粧 | やよい |
紫の霜焼けの手や茶を点つる | なつき |
羅漢顔ああだこうだと燗熱く | 潤道 |
複数のカーブミラーに寒夕焼 | せいじ |
冬籠り爪先立ちで筋トレを | 明日香 |
御院家の法衣膨らむどんど焼き | 潤道 |
雪景色空振りになる予報かな | 明日香 |
カレーライスへソース代はりの寒卵 | 満天 |
新しき年バリカンで刈り上げし | せいじ |
群れで来て一羽に一枝初雀 | うつぎ |
舳先いま初凪の浦二タ分に | みのる |
列島はコロナが好きな寒波来る | ぽんこ |
初雪や信号待ちのワイパーに | 豊実 |
寒晴や川面の流れきらきらと | 満天 |
飛び立ちて二声三声寒鴉 | たかを |
2021年01月08日 | |
出不精が習い性なる寒波かな | 明日香 |
GoToや冷凍みかんは三個入 | 邑 |
束ね出し束で届きしねんがじょう | 宏虎 |
ゲレンデに流るユーミンリフレーン | 智恵子 |
師の寿ぎ句記して日記始めとす | みのる |
六日まだ届かぬ賀状に案じをり | はく子 |
はこべらを庭より足して薺粥 | むべ |
悴みて干し物手間に焦りけり | 満天 |
月冴ゆる書類の重き鞄かな | 更紗 |
雪しぐれ沖のタンカー見え隠れ | 智恵子 |
風花や自粛の街に踊りける | もとこ |
冬ぬくし友に曳かれて脚曳いて | たかを |
朝まだき先ず確かめる屋根の雪 | こすもす |
しずり雪枝撥ね鳥の跳ぶことも | 音吉 |
日だまりに鳩のふくらむ寒さかな | 凡士 |
寒波来て手足揃はぬ体操に | 満天 |
初詣人の背中を見るばかり | 潤道 |
荒北風にもぎとられゆく葉の尽きず | せいじ |
陽にからみ日向啄む初雀 | 宏虎 |
雪を抱くブロッコリーに群れる鳥 | 三刀 |
初雪や一瞬積もる浪速の街 | ぽんこ |
あり合せなる三つ葉もて七日粥 | せいじ |
一桶は神水仕込み味噌造る | なつき |
初御籤吉や凶やと晴着の子 | 凡士 |
ゴミの日を待つてましたと初鴉 | みのる |
心身に刺さるひと言雪催 | やよい |
真新し杉桶に搗く令和味噌 | なつき |
肩ならべ老い励ましつ七日粥 | 小袖 |
一年を託すに軽き破魔矢受く | たか子 |
今も耳に七草囃す妣の声 | やよい |
枯草のまだ残りをる二の鳥居 | 素秀 |
幼子のやうに泣く母雪催 | 更紗 |
手水舎の水いただいて花八手 | 素秀 |
冬牡丹観音様のお慈悲かな | 音吉 |
上段の自転車降ろす着膨れて | 豊実 |
初詣一重瞼の巫女の舞ひ | 潤道 |
籠らずにおれぬ寒さや今日もまた | 明日香 |
動物の足跡数多雪野原 | こすもす |
2021年01月07日 | |
風の恋切なく揺るる遊蝶花 | 音吉 |
侘助のかすかに揺るる風の色 | ぽんこ |
紅つばき落ちて苔のベルベット | 智恵子 |
初句会花びら餅も配られて | はく子 |
福笹に笑顔を吊るす娘かな | 素秀 |
薄味の妻の手加減七日粥 | 豊実 |
七草やコロナ、コロナで明け暮れる | 三刀 |
重ね着や右の手袋見当たらぬ | 邑 |
着膨れて我が他人めく影なじる | なつき |
御慶のぶ心地に須磨の句碑めぐる | みのる |
七草やパックの絵柄囃しける | もとこ |
空白も思ひ出詰まる古日記 | みきお |
七種の名を言いながら青き食む | たか子 |
御老人こけて仲間と初笑い | たかを |
大雪予報迎え撃つ気の買物へ | こすもす |
仕事始め移動図書館パンダ号 | やよい |
淋しき日白鳥の目と吾の目と | 潤道 |
蝋梅の大豆ほどにも膨らみぬ | せいじ |
水涸れて地層の貝の息づかひ | むべ |
箒目の残れる社小鳥来る | みきお |
初詣目を閉じ祈る人の癖 | 宏虎 |
着水の鴨の羽音や水脈長し | やよい |
七草を声にし刻む朝のキッチン | 満天 |
母がりの目覚めは七草たたく音 | 菜々 |
干網に回り道する浜千鳥 | 素秀 |
七種粥塩控え目にお変わりを | 満天 |
初景色吾の住む町俯瞰して | 宏虎 |
金槌で叩いても無理鏡割 | 明日香 |
くちびるに木の匙やさし若菜粥 | 更紗 |
初御空真さをに鳶の笛澄めり | 凡士 |
人日や爪切る音も軽やかに | 更紗 |
朝練の磴かけ登る白き息 | 智恵子 |
寒に入る小雨と共に音も無く | たか子 |
短日の遊ぶ子呼ぶよ母の声 | 潤道 |
七草のなくて吾妻大根粥 | 音吉 |
時々は確認雪の降りっぷり | こすもす |
白マフラーギブスのごとく登校す | なつき |
初磨や墨たつぷりを麻紙におく | 凡士 |
泰然と淡路島あり初凪す | みのる |
福寿草小笹に隠れ子沢山 | うつぎ |
電線をすり抜け凧の高々と | せいじ |
白粥にあお味散らして七日粥 | 明日香 |
初打やたちまち暗く降りそぼつ | ぽんこ |
2021年01月06日 | |
それぞれに願いの絵馬や淑気満つ | 宏虎 |
凧糸の弧の美しき初御空 | せいじ |
獅子舞に付かず離れず中華街 | 智恵子 |
賀状受け友の息災喜こべり | 宏虎 |
金柑を庭に残して代替り | 素秀 |
墨を濃く達筆賀状俳句添へ | はく子 |
寿老神慈愛まなざし四温かな | ぽんこ |
福寿草丶(ちゅ)と土塊をつけてをり | みのる |
青空に良く似合ひたり奴凧 | こすもす |
好きな札近場に置きて歌留多取る | 智恵子 |
五日まだ残るマスクの福袋 | なつき |
礼者顔してひそと来る雀かな | たか子 |
葉牡丹や温泉街の遊歩道 | 豊実 |
凧糸の静かに唸る初御空 | せいじ |
幼時より一病息災枇杷の花 | 邑 |
電線の編隊組んで掛り凧 | うつぎ |
日燦々夫いそいそと初田打ち | 明日香 |
裸木へ散りては戻る群雀 | 満天 |
冬紅葉逆さに池の静まりて | やよい |
甲高き声の打ち合ふ初稽古 | 素秀 |
飯を食ふ窓を隠すや花八手 | 潤道 |
メタセコイア枯れて天地の柱とす | むべ |
天気図の列島増へるや雪だるま | 満天 |
年玉を孫より貰い仏壇に | ぽんこ |
落ちがつく周りに遅れ初笑ひ | 凡士 |
庭に来る雀に混じり笹なきも | 明日香 |
凍蝶や旅も終はりて塵の中 | もとこ |
仕事始め主婦は掃除に買い物に | たか子 |
見る程に大小様々松飾り | こすもす |
雑音のラジオかまゐる夕時雨 | 潤道 |
偕老の去年今年なき暮らしかな | みのる |
寒に入る起毛肌着の出番かな | 三刀 |
寒の入隣家解体始まれり | なつき |
初茜雄山の社染ゆけり | 凡士 |
2021年01月05日 | |
飲まずとも老の酩酊新年会 | たかを |
曇天や高速道路渋滞し | 更紗 |
尻残し潜る水中鴨の群 | みきお |
過疎の村またひとしきり霰打つ | 潤道 |
灯明の透けて蝋梅奥座敷 | 素秀 |
冬日影遍く照らす忠魂碑 | ぽんこ |
初御空見慣れた山河晴れやかに | 明日香 |
福豆を手にして眠る二歳かな | みきお |
淑気満つ千本鳥居通り抜け | 凡士 |
水落つる羊歯から羊歯へ水落つる | 潤道 |
引く糸を切らんと凧の抗ひぬ | みのる |
書初の筆確かめて介護車へ | せいじ |
朝まだきしづる雪音旅の宿 | 智恵子 |
久に登る磴に足釣る初詣 | やよい |
寒潮やおのころ島を遥かにし | たか子 |
竹林の幹青白く凍てにけり | せいじ |
電線に掛りし凧の唸りをり | うつぎ |
リハビリが記し一番初暦 | 満天 |
手を突いて雪の階段神詣 | 豊実 |
花殻を丁寧に摘む五日かな | 更紗 |
干支の丑いろいろ有りて年賀状 | 宏虎 |
寒禽の声透き通る神の森 | やよい |
里山の竹林影に冬椿 | 素秀 |
狭庭来て蹲ゐあさる初雀 | 宏虎 |
狛犬の阿の口ふさぐマスクかな | 凡士 |
初仕事靴音響く晴の朝 | 満天 |
初晴や銀輪の群れ試合へと | もとこ |
食べ過ぎに食べる癖つく五日かな | なつき |
菊の供花風化激しき無縁仏 | ぽんこ |
イベントの企画たっぷり初打会 | こすもす |
一賀状もて薄き縁つなぎけり | みのる |
年賀状野菜作りにはまったと | 三刀 |
美容師の妹来て春の始まるや | 音吉 |
点数より親睦優先初打会 | こすもす |
昼時のめし屋手に手に破魔矢持ち | たか子 |
小寒の湖にさざ波の煌めけり | 智恵子 |
梅早し歩き初む子に抜かれゆく | むべ |
陽と花を活けて賀正の飾り窓 | 音吉 |
学生の孫はバイトの三が日 | はく子 |
朝日受く初鳩並ぶ高架橋 | なつき |
2021年01月04日 | |
山くだる青年三日の風となれ | 邑 |
初詣キャッチボールも始球式 | あられ |
お正月コロナマスクで頭下げ | 満天 |
瑞雲の心地よき今朝初景色 | 宏虎 |
冬帽は赤きハートの別れかな | 潤道 |
凍て空に夜間飛行の窓明かり | 智恵子 |
波の来て夜に流さるる浮寝鳥 | 素秀 |
先頭で開かずの踏切待つ四日 | なつき |
華やかなお召に襷歌留多取る | 凡士 |
御慶述ぶごみ袋手に集積所 | やよい |
単線に入れば始まる雪景色 | こすもす |
父と子のキャッチボールの三日かな | はく子 |
リハビリの成果確かや去年今年 | やよい |
雑煮椀妻の味なり家の味 | 宏虎 |
冬の潮跨ぐ架橋の海あかり | たか子 |
初競りを見守る漁師真顔なる | 智恵子 |
晴渡る四日大きな鳶の舞 | 三刀 |
追羽子やかーんと小気味よき音色 | せいじ |
三が日と或る病院煌々と | 凡士 |
草を出て草に入りたる雪解水 | 潤道 |
冬の鵯ワイパー止まり身繕ひ | 明日香 |
初烏やしろの杉を独り占め | 明日香 |
ゲーム機を箱に収める三日かな | 豊実 |
漬物と茶漬けの旨し四日かな | うつぎ |
師の遺訓つらぬかむとす去年今年 | みのる |
読初の詩篇の背文字美しき | むべ |
野鴉も景の一つや冬木立 | せいじ |
元日もラジオ体操欠かさざる | みのる |
独り居の小さきテレビを見る四日 | なつき |
小さき旅終へて我が家の雑煮かな | たか子 |
其々の居場所にもどる四日かな | もとこ |
倒れ込む白息の先襷継ぐ | 豊実 |
餅焼ひて中々減らぬ今年かな | 満天 |
夜咄の佳境決まって怪異談 | 素秀 |
遠拝みしてコロナ禍の初詣 | 菜々 |
日帰りの年賀のはしご終へにけり | こすもす |
すれ違ふかすかな鈴の音破魔矢かな | ぽんこ |
2021年01月03日 | |
残んの世楽しく生きん老の春 | はく子 |
淀の風はらみぐんぐん凧揚る | 菜々 |
積雪や朝刊配るバイク音 | かかし |
御手洗は消毒液や初詣り | たか子 |
初髪の祇園白川巽橋 | 凡士 |
もみ殻を狼藉したる雀かな | ぽんこ |
投扇の遊びを飾る老舗かな | みのる |
暴れおるビニール紐の寒さかな | 潤道 |
新春の公園静かにキャッチボール | 満天 |
コロナ禍やマスクのままの御慶かな | こすもす |
弓始め烏帽子の射手の目や清し | 凡士 |
籠居の父と詣でる三日かな | なつき |
連凧を虜としたる大ポプラ | みのる |
米俵奉納の宮淑気満つ | たか子 |
年賀客初の招かぬコロナかな | 宏虎 |
磴登るママへエールや初詣 | やよい |
新年にコロナ後の案出しあって | 明日香 |
永らへて共に白髪の祝箸 | 宏虎 |
初みくじ小吉なれど善きお告げ | やよい |
日章旗風の声聞く初詣 | ぽんこ |
初御空押し上ぐ秩父連山や | むべ |
上州は此処ではあらぬ空つ風 | 潤道 |
初買ひは普段の惣菜ばかりなり | 満天 |
もなか手に娘婿来し三日夜 | 素秀 |
双六や小さき賽の暴走す | なつき |
餅送る年始に来れぬ妹へ | 明日香 |
数へ日やコロナは止まず日の暮れる | みきお |
タルトタタンおせちのあとのティータイム | せいじ |
まっさらな空に光と吾子の凧 | 豊実 |
正月を返上の医師窓明り | かかし |
三日はや背戸の奥からカレーの香 | 邑 |
ハムスター小さき温もり雪時雨 | みきお |
折々の詩読みはじむ夜更かな | 素秀 |
三日はやパン派と雑煮派に分かれ | せいじ |
初景色沖に孤高の島の影 | 三刀 |
年明けのネットはみ出すゴミの山 | 智恵子 |
喰積のやうやう様になりにけり | もとこ |
青竹の梯子に躍る出初式 | 智恵子 |
そそくさと御慶を交し立ち話 | こすもす |
2021年01月02日 | |
ミニ花壇に葉牡丹密やハート型 | こすもす |
猫出入り冬の窓辺のドアーマン | たかを |
笛に舞ふ巫女あどけなき初神楽 | 智恵子 |
瀬戸内の海と言へども冬怒涛 | たか子 |
福笑ひ似てると囃す志村けん | 凡士 |
リクエストのピザ生地こねる二日かな | なつき |
羽子の音のみ空へと吸ひ込まれゆく | せいじ |
年賀状の余白に多し願ふ健 | 満天 |
寒椿吾に恨みのある如く | 音吉 |
初詣菊の御紋の由緒かな | たか子 |
羽子の音の高き金属音なして | せいじ |
節料理なかなか減らぬ老いふたり | 明日香 |
庭に来て辺り睥睨冬の百舌 | 三刀 |
神在はす田にも畑にも雪解水 | 潤道 |
新年の抱負も問はぬ時代哉 | 音吉 |
天地のはじめの神慮読み始め | みのる |
観音の後光輝き淑気満つ | ぽんこ |
退院を待ち侘ぶ部屋の初明かり | やよい |
駅伝や記録塗り替え継ぐ襷 | あられ |
年惜しむ別れを告げる七十代 | みきお |
正月の空の青さや町静か | 満天 |
白息を吐いて叔父貴の土佐なまり | 素秀 |
懸命に空掃く竹林炬燵より | 明日香 |
歌留多会孫の成長凄まじき | 智恵子 |
スマホには幼恥じらふ御慶かな | もとこ |
孫二人合唱のごと御慶述ぶ | みのる |
元旦やキャッチボールの音と風 | 豊実 |
パソコンに二礼二拍手初句会 | かかし |
晴れ渡る空に淑気の満ちをりぬ | こすもす |
交番に日の差し込んで鏡餅 | 凡士 |
朱くなる顔はオヤジもお年酒 | 潤道 |
淑気満つ健康願ひ万歩計 | かかし |