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すれ違ふ他人の空似墓参り むべ
どこにでも雑草生へる鰯雲 ぽんこ
朝顔をフェンスに這わせ保育園 はく子
初秋や楠を天蓋石灯籠 ぽんこ
行きはバス帰りは徒歩や草の花 こすもす
一穢なき空にキの字の赤蜻蛉 素秀
念入りに米を洗いて終戦日 はく子
明日まで置くなと助言オクラ採る こすもす

2022年8月27日

天ノ川指呼の句会の先師達 宏虎
コロナ禍の孫の退院秋高し ぽんこ
予後の身の三人寄りて墓掃除 なつき
のうのうとフランスベットの竹婦人 よし子
坪庭の秋めく日差し野鳥舞ふ 愛正
灘越える漁船の影や秋夕焼 素秀
走り根の大きな瘤に秋気配 ぽんこ
老いてなほ父母恋し虫時雨 よし子
ご町内一瞬照らす稲光 宏虎
散りしひて机に秋の薔薇名残 素秀
高峰に一の矢二の矢流れ星 愛正
強風に炎傾く万灯会 ぽんこ
かんばせを花火明かりをとりこめり 宏虎
朝まだき水路に律の調べあり むべ
天高し青鷺渉る尾瀬ヶ沼 愛正
秋晴れや線路流るる先頭車 ぽんこ
台風の眼のただならぬ静寂かな むべ
蜩の声に間のあり夕まぐれ 素秀
洋館の灯のいる窓辺蔦かずら ぽんこ
止まるとも飛ぶとも蜻蛉とどまらず はく子
刻まれし夫の行年秋曇 むべ
茶畑の緑まぶしき帰省かな 更紗
秋夕焼文豪愛でし跨線橋 むべ
病む姉の話相手に盆帰省 なつき
赤とんぼ山の頂カフェテラス はく子
草庵へ通ずる林道法師蝉 愛正
知られざる尊き生命終戦忌 わかば
夕山河法師蝉ゐぬいと淋し 宏虎
菅笠にあの娘の涙風の盆 よし子
鎮魂と核なき世をと終戦忌 わかば
幾山河辿りて谷の水澄めり わかば
献立に亡夫の好きな茗荷汁 むべ
揚花火昔語りに夫と見し なつき
実梅落つ天女のごとき梅古木 なつき
シャワー音の合間に微か虫の声 こすもす
遠雷にまじり救急車走る こすもす
谷川の響き変わらぬ墓参 わかば
なめらかに進むペン先涼新た 更紗
甲子園に母校の校歌秋暑し 更紗
露天風呂手で掬ひたる上り月 愛正
正論を述べたばかりの生身魂 宏虎
蜻蛉つがひ法の池にも関はらず はく子
面影を偲ぶこの日や墓洗ふ わかば
旧姓の文字なでいづる墓参かな 更紗
水郷をめぐる小舟や行々子 よし子
秋光を両手いつぱい大いなる 素秀
秋立つやさざなみ岸に寄せる音 素秀
とんぼうと共に揺れをり土手の草 はく子
映画会終わりし途端の雷雨かな こすもす
鉄葎軍手を刺の突き通す なつき
蜩や吾子の帰りを待ちてふと 更紗
噴水の垂直力や五メートル よし子

2022年8月20日

秋気満つ渓谷を断ちロープウェイ 素秀
盆帰省またねと子らの笑顔かな なつき
盆波に舳先を浮かす手漕ぎ舟 素秀
子の逝きて五十年なる墓洗ふ はく子
秋色の尾根を急げる旅衣 素秀
糠床の馴染みて茄子の紺清か わかば
老夫婦頬摺りをせん初穂かな かかし
孫先に迎へ進まぬ盆用意 なつき
遠雷や乗降手間どる病院前 愛正
浮気心てふ驚きの名のダリア こすもす
セピア色若き父親敗戦日 ぽんこ
手入れ良き臥龍の松の大門かな ぽんこ
盆過ぎてブロックの街壊しけり なつき
盆灯籠たこ足配線一つ足す なつき
滑り落つ斑葉の栞ハンモック 愛正
街灯に負けぬ明るさ盆の月 こすもす
休みたる噴水に立つさざ波や むべ
保育士の見送り終へて法師蟬 かかし
剣玉を競ひし園児汗涼し かかし
雲去りし中天孤高の盆の月 はく子
あれこれと仏花を選ぶ盆支度 ぽんこ
ゴアテツクス纏ひ出でたる台風裡 むべ
年別の梅酒の並ぶ水屋かな 愛正
日帰りのみな日を合はせ盆帰省 なつき
赤子抱く如く店主の新豆腐 かかし
無縁塚を墓守のごと夾竹桃 ぽんこ
秋句会欠席三人花いっぱい こすもす
扇風機水を引き込みミスト吹く ぽんこ
南瓜熟るあらぬ藪中蔓伸ばす わかば
立秋の石の十字架止り木に むべ
洗ひたるご先祖様の墓の五基 はく子
川原に競ふ草丈秋暑し わかば
念仏の時間短し暑気中り 愛正
洋館に衛兵のごと夏木立 むべ
をちこちに案山子を立てし千枚田 かかし
語られぬ悲劇次々終戦日 こすもす
照り返す海に白帆や秋暑し わかば
露草の空をゆずらぬ姿かな 素秀
なんきんの下がるに任せ塀の外 わかば
空襲を逃れし洋館敗戦忌 むべ
碑の文字の読めぬ先祖の墓洗ふ はく子
夕立風薬両手の停車場 愛正
盆の月雲間にふはりと出でませり はく子
洗濯バサミ全て取替涼新た こすもす
天窓を早足に行く秋の雲 素秀

2022年8月13日

刃を入れて弾ける音や西瓜切る わかば
手作りの夜店焼きそば大はやり はく子
黒塀より数個顔出す柘榴の実 ぽんこ
ドーム映す昏き川面や原爆忌 むべ
刈草を巻き上げ散らすローカル線 愛正
床の間の射干の辺に納経す よう子
久方のラジオ体操花むくげ ぽんこ
背番号無くも球児の汗涼し かかし
鐘楼を半分隠す百日紅 よう子
朝顔や出立を急く旅衣 素秀
とりどりの毛色の猫や夕焼雲 こすもす
農家カフェ鈴虫聴きつランチ食 かかし
お泊りの子が竹刀振る汗涼し なつき
酒の借りその場で返す草相撲 素秀
駅前の赤のポストや星流がる 宏虎
旅の途次萌ゆるカンナに迎えられ 宏虎
倒影の山に釣り舟夏の暁 愛正
一刀を待ちかね西瓜裂けゐたる 素秀
楽団員はにかみて立つ夏の夜 むべ
露の世や遠き記憶の父の事 わかば
敗戦忌心高ぶる流る音 宏虎
スプーンを箸の記念日涼新た かかし
崖の上ぽつんと百日紅の家 むべ
山門の大瓶三つ蓮の花 こすもす
初秋や痛める肌へサラダ食む わかば
朝顔や学級日誌懐かしく 宏虎
浮子ひとつ波に洗はれ夏の果 むべ
馬の背を辿る人影秋初め わかば
酔いどれの照らす足元夏の月 愛正
はぐれ咲く高砂百合の背筋かな よう子
ひと時の老いのお喋り百日紅 ぽんこ
鞘堂の褪せし鈴の緒夏深し よう子
原爆忌核なき世をと祈るのみ わかば
入らるる施設にも慣れ夏の逝く はく子
映画一本エンドロールに昼寝起 なつき
街角の無事を見守る向日葵群 ぽんこ
字の滲む一升瓶の梅酒かな 愛正
僧の来ぬ初盆なりしコロナまた なつき
絵に詩に心遊ばせ夏の雲 はく子
高く低く風に乗り来る踊り唄 はく子
晩夏光逆さ灯籠揺るぎなし よう子
子と父のメモで買ひ物夏休 かかし
ペディキュアの下駄軽やかに盆踊り はく子
遠き鳥威し耳そば立てる猫 素秀
呼ばれたる夢の返事す昼寝起 なつき
カリヨンの涼し校舎は煉瓦色 むべ
草いきれ分け入る先の飼畜小屋 愛正
母となりし猫に声掛け夏の朝 こすもす
図書館の前庭に咲くカンナは黄 こすもす
城跡の崩れし土塁虫の声 かかし
路地裏の格子に掛掛かる百日草 ぽんこ
卆寿とは第三の春カンナ燃ゆ 宏虎
父母の遺影の笑みし盆用意 なつき
田の色を吹き揃へるや秋の風 素秀

2022年8月6日

児の口を種弾けとぶミニトマト なつき
宇治金の少し無理して註文す 宏虎
帰省子や盛りだくさんの三日間 こすもす
写経終へ膝を崩すや花芙蓉 かかし
天窓のわづかに開き蝉時雨 むべ
鯖子干す網の斜めに釣りの宿 むべ
秋を待つ気候変動いかにかと わかば
金蛇の卵の白し草むしり むべ
炎暑中煙吐きたる桜島 はく子
一週間ハワイ帰りの日焼け顔 よし子
薄め飲む黒酢つーんと暑に耐ふる なつき
影絵なす楠大樹の黒揚羽 ぽんこ
ネイルアート爪に同化の天道虫 愛正
滴りの音に合わせる呼吸の間 素秀
墓守が片隅に植うミニトマト なつき
桟橋に頭預ける蓮かな 素秀
メトロノーム揺らぐ葉先の川蜻蛉 愛正
川に沿ふ草丈延びて夏深し わかば
風蘭の香り待たるる今宵かな わかば
相輪の塔の輝き晩夏光 ぽんこ
盛りいつ来たかわからぬ百日紅 素秀
真夜中の蝉ぶつかりし壁の音 むべ
海と母校見せて孫連れの帰省 こすもす
秋近し山の向こうの風にきく よし子
コミバス停薬袋に青田風 愛正
遺影の顔いつも笑顔や夜の秋 はく子
足一歩載せてみたいと蓮大葉 よし子
災害の多き日の本猛暑かな わかば
ラムネ飲む昭和の味の懐かしく 宏虎
八月の見慣れぬ蝶の翅重し 素秀
踏切やレールの炎暑足裏より よう子
庭畑の黄ばみ初めたる大暑かな なつき
忘れてはならぬと思ふ原爆忌 わかば
海無し県の孫大はしゃぎ海水浴 こすもす
訪ふ度に千体地蔵炎ゆる中 ぽんこ
広縁に老婆うたた寝渦巻香 愛正
苔纏ふ水掛不動夏旺ん ぽんこ
水なすの糠漬け旨き店閉まる よう子
客寄せの大玉西瓜楕円形 よう子
いかづちや黒雲低く垂れ込めり むべ
空蝉や脱皮直ぐ跡濡れており 宏虎
帰省子に川の流れの時間かな よし子
一陣の風に波立つ柳蘭 愛正
新聞紙渦巻く箱のメロン来る よう子
カーブする鉄路の先の先も夏 よう子
夏果てど棄ても失くしも出来ぬ月 素秀
朝採りのトマト供ふる日課かな なつき
蟬時雨また減便のバスを待つ かかし
久安寺なごりの紫陽花雨もよい よし子
足湯して森林浴や蟬時雨 かかし
誕生日の娘に贈りたり京扇子 こすもす
峠茶屋皆売り切れてソーダ飲む 宏虎
涼風や傘となしたる樟大樹 ぽんこ
炎天にひとまず幕や夕日落つ はく子
炎天や鉄路はどこまで平行線 はく子
初恋は永久に初恋遠花火 かかし
熱き茶を一人に入れて夜の秋 はく子
放棄田に万の向日葵隠れん坊 かかし

2022年7月30日

花の寺小さき池の作り滝 こすもす
流木に翅立て流る川蜻蛉 愛正
蚊遣火を腰にリードの伸びにけり むべ
石橋の蜻蛉ぐるりと眼を回す なつき
コロナ見舞ネット注文夜の蝉 よう子
滝飛沫浴びてしずまりゆく心 わかば
遠雷や重きペダルに変速す むべ
大暑の日鍬のリズムの米寿翁 かかし
木立の間を歩数で計るハンモック 愛正
紅白の夾竹桃や車窓飛ぶ わかば
夕闇に蚊遣り地を這ふ三和土かな 愛正
蝉時雨池の真中の弁財天 ぽんこ
笹の葉に鮎の塩焼き尾を跳ぬる はく子
油虫押さへて猫の目は爛々 素秀
蚤の市暇な店主の三尺寝 ぽんこ
月亮門くぐれば古りし扇店 むべ
鉢植えのミニひまわりもゴッホなる よう子
帰省子の引っ越しのごと赤児と荷 かかし
本を閉づまぶた閉づれば蝉時雨 よう子
鎮守の杜ただに激しき蝉しぐれ はく子
紫陽花の葉を干す慣ひ離れ島 むべ
予約診待合室の花ミモザ こすもす
蝉しぐれ夫と子の忌を修しけり はく子
雨上がるお化け胡瓜の地を撫づる よう子
小波に立つ倒影の柳蘭 愛正
噴水やリズミカルなる三拍子 こすもす
訪ひし国地図に花丸ソーダ水 かかし
鬼百合の珠芽触るればほろと落つ よう子
打つ手なき酷暑に耐える力石 ぽんこ
補助輪の取れてどや顔日焼の子 かかし
滴りや昼なほ暗き吉野杉 わかば
つぼ少しずらして耐へる土用灸 なつき
鮮やかなおかめ南天池薄暑 ぽんこ
土用灸熱く読経の早口に なつき
颯爽と力士浴衣の縄模様 素秀
土用灸終え寺めしの賑へり なつき
夏休みの子と作りたるカレーかな こすもす
溜席時間に上げるサングラス 素秀
脚もげしががんぼ止まる白き壁 愛正
消えさうで消えぬ燭の灯土用東風 なつき
病葉と共に落つるは青胡桃 わかば
夕焼や昏き運河に石の橋 むべ
八寸の彩り豊か夏料理 はく子
雑草の露を見ている力石 ぽんこ
滴りを受くる掌沢登り わかば
夕立去り竿に連なる雨滴光 はく子
水羊羹掬ひてテレビ桟敷かな 素秀
峠茶屋ポンと昭和のラムネ玉 かかし
冷酒の氷は月の欠片かな 素秀

2022年7月23日

雲の峰グランドゴルフ楽しめり はく子
雲の峰勝つのは弟腕相撲 はく子
ボランテヤ駆引きなしの出水かな 宏虎
水馬かぼそき足で流されず 宏虎
青時雨碑だけの残る一里塚 なつき
まだまだと息継ぎ鳴ける蟇 素秀
踊子や蹴出しと笠の紐赤き 素秀
焼きすぎたトーストかじる大暑かな なつき
沼沢に行く人もなし花あさざ 愛正
大壺に宝珠のごとく蓮の花 ぽんこ
収穫のピーマンまだまだB級品 こすもす
夏影に鐘の声きく久安寺 よし子
恙がなき朝を迎ふ花木槿 わかば
蝉しぐれ大波小波引く間合ひ はく子
目薬師の百度石撫づ青葉影 なつき
橋脚の芥の混じる出水かな 宏虎
しっとりと雨の滴る酔芙蓉 ぽんこ
元気いっぱいキャンプ帰りのメール来る こすもす
流暢に西瓜を値切る印度人 素秀
採り頃の胡瓜手尺で確かめる よう子
後毛のワツクス光る祭髪 素秀
噴水の高さを決める会議あり よし子
雨あがり風ヒンヤリと網戸越し こすもす
急かされる畑作業や朝曇 かかし
繭籠るスーパームーン涼しかり はく子
滴りの落つる光や苔の庭 わかば
仏像の古拙の微笑蓮の花 かかし
七月の卒寿の朝の深呼吸 宏虎
銀翼の吸い込まれゆく梅雨の空 よし子
錠剤を飲んで咽せたる大暑かな なつき
夏休み鳶色の目の下宿生 むべ
暮待たず雨に凋める木槿かな むべ
荒波を潜つてみたき夏の海 わかば
ためらわず百合の白さを庭で切る よし子
太陽の塔諸手に捧ぐ夏の雲 よう子
炎昼やじっと我慢の力石 よし子
今日一日見事に咲きて散る木槿 わかば
戻り梅雨安堵の笑みの農夫婦 かかし
手垂れて本滑り落つハンモック 愛正
シャイな夫三日目に着るアロハシャツ よう子
わくら葉の落ち行く渓流水早し 愛正
病葉の落つるに惜しき色止む わかば
飛交うも鳴き声はせず庭の蝉 こすもす
手際よく夏服詰める旅支度 むべ
湧水の蓋に一輪牽牛花 ぽんこ
無住寺の縁に人声夏の月 愛正
休憩は葉桜の下風の道 はく子
ウヰスキーの町より届く夏見舞 むべ
首筋を冷やす滴り八合目 愛正
朝粥に塩を多めの大暑かな よう子
竿上がる又揚がる鮎解禁川 宏虎
転寝の助手席の妻サングラス よう子
朝蝉の声に知りたる雨上がり 素秀
燃へいずるゴッホの黄色向日葵群 ぽんこ
朝市の干物をつつむ蚊遣香 なつき
芍薬の葉っぱに残る雨真珠 ぽんこ
風鈴に賛美重なる修養会 むべ
手に汗のヘアピンカーブ峠道 かかし
終農てふ卒寿の農夫青田波 かかし

2022年7月16日

札ごとし朱のわくら葉の城址道 愛正
芍薬の葉っぱに残る雨真珠 ぽんこ
蜥蜴の子メタリックブルーきらめかせ むべ
ビル街に昭和の長屋金魚玉 かかし
大壷に宝珠のごとき蓮の花 ぽんこ
針重ね正午炎暑の花時計 なつき
法衣から日焼の手首数珠を振る 素秀
せせらぎに和してまぎれず夏鶯 よし子
七夕飾り土産物屋の入り口に こすもす
蟻の道丸まり防御団子虫 かかし
夕暮れの淀川堤青田風 はく子
地下足袋の急く炎天の人力車 よう子
河川敷の小石の隙間竹落葉 こすもす
祭壇へ香雲押して風涼し 素秀
打水に轍を残し霊柩車 素秀
菓子開くる音にもぐもぐ昼寝の子 なつき
峯雲へ向かひ海峡渡りけり よう子
祈りもて始むる朝や露涼し むべ
行き止まりネイルに同化の天道虫 愛正
グランドゴルフ蝉の応援背に受けて はく子
放鳥の鳩は御魂と夏の空 素秀
炎天や山頂の小屋影わづか むべ
筋トレの講習会や汗しとど こすもす
雲映す青田に余白今少し はく子
滴りを集むる竹筒峠茶屋 愛正
入道雲水平線の船の濃き よう子
黒揚羽舞ひ来て友の事をふと わかば
峯雲へ鶴の尾翼は一点に よう子
夕焼の海美しく火の坩堝 わかば
雲上の風に咲きたりお花畑 よし子
池の水汲んで限無き水合戦 なつき
しっとりと雨の滴り酔芙蓉 ぽんこ
水中花夜には夜の色をして はく子
犬放つ土手を浮き出す月涼し 愛正
若さとは突っ張って生き雲の峰 よし子
くぐもるる土鳩の声や朝曇 かかし
心まで染まりし森の緑かな わかば
水筒に不老水てふ岩清水 かかし
燃へいずるゴッホの黄色向日葵群 ぽんこ
子に貰ふ男八十路の日傘かな よう子
副葬を隠さんとせむ百合の花 素秀
能舞台翅をたたみし天道虫 愛正
四十年前の聖書を曝しをり むべ
湧水の蓋に一輪牽牛花 ぽんこ
石蹴って石は片陰出て光る よし子
打水に光るホールの黒御影 むべ
打ち水に息吹き返す草木かな わかば
初蝉を待ちいしごとく聴きにけり わかば
うら返す団扇に天神祭の絵 よし子
散歩せん犬も二の足この暑さ かかし
河川敷笑顔で氷菓黙食す こすもす
ベビーカーへ日傘差しかく石畳 なつき
池に吠ゆ恐竜囲む水着の子 なつき
水中花子は恋をしてゐるのかも はく子

2022年7月9日

納骨式つき従ふや黒揚羽 むべ
御手洗の水一滴が苔の花 ぽんこ
余生など知らぬが花か梅雨晴れ間 宏虎
万緑に閉じ込められし庵かな 愛正
手を繋ぐ夫片陰を外れたり よう子
講談師立て板に水襟の汗 よう子
源流の走り根に座す落し文 かかし
雲の峰世情見下ろす鬼瓦 ぽんこ
サンダルに余る母似の大き足 なつき
形代を焼べるも夏越の祓へかな はく子
鮎の目に睨まれ怯む塩加減 よう子
立葵沖の波見る漁夫の妻 素秀
十薬の勢受けたし日日に わかば
この酷暑無事にと潜る茅の輪かな はく子
木下闇隅に鎮座の百度石 ぽんこ
日傘さし六角形の影と行く よし子
湯立の湯笹に振り撒く夏越祭 はく子
展望に山ある安堵風涼し よし子
夏至を指す天体といふ大時計 よし子
大蓮田なかに蕾の二、三本 わかば
蓮池の花を数へて遠きから 素秀
寺の庭鉢に見事な蓮の花 わかば
万緑や木の間に白き磨崖仏 愛正
空蝉の真一文字の破れ傷 ぽんこ
自転車の犬も舌見せ炎天下 むべ
雨蛙庭の片隅鳴き通す 宏虎
ティーシャツはペンギン柄や夏真昼 こすもす
ウインドウに映る私の夏帽子 よし子
大岩を神と崇める夏日影 ぽんこ
紫陽花を青く染めたる青時雨 よし子
虫干や亡夫の若き日を知る書 むべ
梅雨明けやカラスの子らの姦しく よう子
園児等の花丸の書の墨涼し かかし
空真青水の地球の青田波 かかし
濡れものを木枝に干して水遊び なつき
糠床の濡れたる秘密夏兆す 宏虎
果実酒をひそかに味見梅雨明くる むべ
手のひらの伽羅蕗つまむ老婆かな 愛正
紫陽花の道突き当たり池青し 宏虎
茅の輪くぐる禍収束願ひつつ はく子
保育園のお玉杓子に足生えて こすもす
園訪へばプール遊びの真最中 こすもす
板塀を越えて黄色きカンナ咲く 素秀
料理表に烏賊の造りの糸造り 宏虎
と見る間に飛機を覆ひし黒南風や かかし
置き傘の使はぬままに梅雨明くる なつき
橘の香のあふれたる発電所 素秀
夏霧や濡れて色濃き納屋の屋根 愛正
白蓮の大きく開き香の仄か わかば
銀ドーム炎ゆる天文台の森 むべ
絽の羽織脱ぐや佳境の講釈師 よう子
冬瓜煮快気祝ひの鶴の碗 なつき
日を返し紫陽花の藍まだ深し 素秀
無農薬の梅はそばかす美人なり なつき
不揃ひの胡瓜笊盛り土曜市 かかし
青々と清しき茅の輪くぐりけり はく子
お揃いのティーシャツ涼しボランティア こすもす
夏霧の失せて木の間の湖面かな 愛正
あるなしの風に花合歓ひと揺らぎ わかば

2022年7月2日

五月晴銀の機体のきらめけり むべ
じゃがいもの芽ありて値切る朝の市 なつき
九体仏の後光届くや雨蛙 よう子
茶屋の軒借りるつもりの甘茶かな よう子
柿の花染めて阿讃の日暮かな 素秀
フイヨルド水面変へず白夜かな 宏虎
音凉し男下駄行く石畳 ぽんこ
立葵仲間に入れて立話 うつぎ
緑なす樹木みるだけも目の治療 ぽんこ
雨垂れや風鈴の音かき消され こすもす
梔子のつぼむ筆先うす緑 はく子
片影を選んで歩く小買物 わかば
煽ち風擬宝珠大揺れ橋袂 愛正
朝刊のバイク配達明け易し 宏虎
梅雨晴間病んで久しい友見舞ふ わかば
池巡れば数多や雨後の梅雨きのこ こすもす
紫陽花の角を曲がりて知らぬ街 素秀
花菖蒲昔日なりし法の池 宏虎
鵜篝を窓辺に置ひて旅の宿 素秀
保育園より漏れ来る歌と老鶯と こすもす
腹這ひを板目に添はし猫涼し 素秀
滴りの真珠光に玉なして はく子
神苑の箒忙しや梅雨晴間 よう子
万緑に朱色鮮やか太鼓橋 ぽんこ
古戦場山の茂りの夕鴉 ぽんこ
八の字の眉の兄妹水鉄砲 なつき
人影のごとき如来や梅雨の雷 なつき
紫をこぼして雨の花菖蒲 うつぎ
運転士西日に向かひ指差喚呼 むべ
梅雨晴や満艦飾の濯物 わかば
方位盤どこを指すのか夏の蝶 よう子
映りたる子等一列の代田かな 愛正
外来種と指されて梅雨の亀泳ぐ うつぎ
蛍呼ぶ歌に甘しと嘘をつき 素秀
サイレンの違い聞き分く五月闇 むべ
片蔭を一列に行くランドセル うつぎ
万緑の森の遠目に通天閣 ぽんこ
ブリキ看板のこる門前さみだるる なつき
箒目の玉砂利崩す梅雨滂沱 よう子
フレンチの店に駒寄せ油照 むべ
雲低く棚引く山並梅雨深し はく子
風涼し門前は木のアーケード なつき
梔子の花を頼りに暗き路地 むべ
風薫るコミバス消える水鏡 愛正
まだ固き蓮の蕾の幾本も こすもす
梅雨晴や風強き日となりにけり わかば
緊張し夏マスクして曾孫抱く 宏虎
万緑や池の点景番鴨 はく子
夏の鴨水脈きらめかせ悠然と はく子
甘さ残す新玉葱のレシピ好き 宏虎
揺らめけるレトロガラスに緑雨かな うつぎ
病人に見送られ出る百合の花 わかば
奥の院野鳥の降らす青時雨 愛正



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