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2026年4月11日

カンバスは黄色一色花菜畑 康子
菜の花や苦み旨みに変はりをり 雀乃
句の調子整へる指花の冷え よし女
花冷やライトアップを待つ茶房 康子
川堤つずる菜の花明かりかな 澄子
花冷えや小学校へ初登校 松原白士
キャンパスへ賑はふ小径花菜畑 康子
花冷の里に小雨の匂ひけり むべ
花菜風戦火逃れし太子堂 なつき
花冷やにら玉匂ふ厨かな 勉聖
袖口に金糸ほつれて花の冷え あきこ
花冷やそっと鍬洗ふ水の面 勉聖
菜の花やだいだいの月丸くして きりん
菜の花や川面に映ゆる雲一朶 博充
駆込み寺の電波圏外花の冷え なつき
菜の花や青き御空と二人連れ きりん
農道や揺るる柳と菜の花と こすもす
菜の花の崖縁耐ゆる大師堂 よし女
花冷えや靴音ひびく石畳 博充
光りける菜の花月夜の後ろ髪 あきこ
菜の花や雲へ翔けゆくグライダー 孤古老獪
菜の花の匂ひ濃く添ふ午後の土手 和繁
土手伝ひ花菜の黄なる果てしなく 孤古老獪
剃刀の堤底ひに菜花生ふ 澄子
菜の花や陽を返したり河川敷 こすもす
戸を放つ松陰学舎花の冷え よし女
家並みを貫く川の花菜風 康子
菜の花に青空ありて旗の色 雀乃
菜の花や農道の脇明るかり こすもす
菜の花の列をなしたる花壇かな 松原白士
風まじり雨まじりかな花の冷え まろん
菜の花や杖替はり成す子の腕 よし女
公園に煙草の老女花の冷え 和繁
芝居小屋に人影疎らや花の冷え こすもす
花冷えやほどけぬ蕾の固さかな 花茗荷
花冷の土間に羽釜のいぶし銀 むべ
花冷やブルーシートの幕張ぬ きりん
花冷えやつつじ口閉づ順を待つ 雀乃
花冷えや撮り鉄の行く人の波 花茗荷
路地裏にレトロ喫茶や花の冷 むべ
釣堀を縁どり花菜満開に むべ
菜の花や白を引きつつ兎跳ね あきこ
出来あがりしほくほくのパン花菜咲く 松原白士
花冷やポニーテールの背の丸し こすもす
菜の花へ映え求めんと立漕ぎす 雀乃
花冷や踏まれし邪鬼の横っ面 澄子
花冷えや天守を仰ぐ木のベンチ なつき
花菜畑眼下に白帆蒼き海 わかば
空と海はさまれ花菜畑かな わかば
菜の花や光ゆらげる川の端 博充
菜の花と青空映す小川かな 康子
菜の花やおかつぱ髪の子らの列 博充
見おろせり菜花は今も此処にあり まろん
花冷や和む一時喫茶店 わかば
古民家の梁黒々と花の冷え 澄子
花冷えや半袖のままコート着る 孤古老獪
日の高しむせ返る香の花菜畑 むべ
水清し菜の花なほ清らかに 勉聖
菜花束一茎ぬきて活けにけり 澄子
花冷えや祈り急ぎて布団かな 雀乃
霊岩にはさむ小銭や花の冷え なつき
花冷えや席取りをして待つ仲間 花茗荷
菜の花や小揺れの中を蝶ひとつ 勉聖
菜の花や暮れても残る黄のぬくみ 勉聖
六地蔵の真っ赤な帽子花菜風 なつき
花冷や鎮痛薬を一つ飲む きりん
花冷えや笑顔まばゆき記念写真 孤古老獪
花片を掬へば軽き冷え伝ふ わかば
花冷えや人影絶ゆる寺の門 博充
菜の花の濃き色満つる道の駅 よし女
花冷や老職人の咳一つ きりん
花冷えや庭着におろす古ダウン 松原白士
葉芽脇の残る花芽の花の冷え まろん
浮島や緑に浮かぶ花菜畑 孤古老獪
花冷を纏ひて友と池巡る わかば

2026年4月4日

春宵や独りの猪口の食前酒 よし女
麗かや心やはらぐ歩となりぬ わかば
緩やかな鳶の螺旋や野はうらら 澄子
春宵や机に残る古手紙 博充
春宵の花見小路や茶屋灯り きりん
瓦斯灯の灯る漫ろや春の宵 わかば
川の面にガス灯滲む春の宵 康子
麗かや向きの変わらぬ風見鶏 わかば
虹色に烟る大橋春の宵 わかば
春の宵仔犬抱かれて散歩せり なつき
薄墨の山影にじむ春の宵 あきこ
既読つかずメール見直す春の宵 こすもす
うららかや地酒五橋の封を解く よし女
春の宵夫の土産や道明寺 雀乃
春の宵山裾淡く暮れにけり あきこ
子の球を母の空振る園うらら えいじ
麗らかや年少さんの散歩隊 きりん
春宵や聖書読み終へ灯を消す 勉聖
剥出しの針の時計やうららけし 松原白士
諍ひて家飛び出せば町うらら 孤古老獪
妻と来しはや八十路や春の宵 勉聖
春宵や句に身を寄せて詩に迷ふ 勉聖
うららかや亡夫の短冊語り来る よし女
マジックの小さき子の手のうららけし なつき
麗らかなるサラダボウルや千鳥ヶ淵 雀乃
小娘が輝きて見ゆ春の宵 孤古老獪
麗らかにナズナ澄ましてここにあり 雀乃
春宵やそよ風受けつ赤ワイン 松原白士
春宵や醤油バターの土筆かな 雀乃
飼い主とアイコンタクトうららけし むべ
春宵や文士の愛でし洋食屋 澄子
うららけし風に乗りたる鳶一羽 松原白士
春宵や細き路地より三味の音 博充
麗らかや波と戯むる白ひ犬 きりん
名にしおふ茶屋の行列苑うらら 澄子
ささやかなイベント跳ねて春の宵 和繁
春宵やカンテラのあるテラス席 むべ
春宵の更けて月あり薮の上 よし女
麗らかや地震の更地の広がりて 花茗荷
船笛を遠くにききて波麗ら 澄子
売り切つて遅めのランチ春麗ら 和繁
春宵や崩れし町を月照らす 花茗荷
うららかや貝殻探す親子連れ こすもす
麗かや日の遅々として暮れがたき きりん
鯉の餌もらふ群鳩うららけし 康子
リコーダー聴きて余韻の春の宵 わかば
春宵の小路前ゆく声親し むべ
そこここに猫眠りゐる山うらら 康子
春の宵民話聴く会車座に むべ
白壁の街を影絵に春の宵 康子
春宵や薄き水割り一つ飲む きりん
火葬場の烟悲しや春うらら 孤古老獪
水占に浮かぶ吉の字うららけし なつき
本題を逸れる会話や春の宵 こすもす
仕事終へ口に紅さす春の宵 孤古老獪
麗かに首都高の下川流る むべ
ランチタイム声うららかや皆八十路 こすもす
グラデーションなす春宵の舟流し 康子
ほつほつと路地に燈灯る春の宵 澄子
麗らかや砂場に跳ねる雀どち 勉聖
うららかや吾子の涙のひとしづく あきこ
春宵や門の灯影の人ひとり 博充
白黒の映画の余韻春の宵 こすもす
春宵や一人使ひの風呂落とす よし女
一叢の草にぺちやくちや波うらら えいじ
わだつみの神の鼻歌波うらら えいじ
麗かや小舟つなぎし堀の端 博充
春の宵見慣れた町が輝けり 孤古老獪
麗かや古き石磴影浅し 博充
うららけし好みのカップ選るカフェ なつき
春宵の棟に猫ゐる港町 えいじ
見晴るかす巨船航るや瀬戸うらら えいじ
選ばれしみこころに問う春の宵 雀乃
うららかや古書の背撫づる指の先 なつき
麗らかや上着を脱ぎて庭いじり 勉聖

2026年3月28日

春風やケーキの香り乗せて吹き きりん
春風や背な膨らませ登る坂 澄子
春風や蝶と見まがふ紙のちり えいじ
水温むボケ封じ佛擦りけり よし女
春風や靴紐なほす銀の靴 なつき
春風や一枚脱ぎしウォーキング こすもす
河川敷のキャッチボールや水温む こすもす
春風に広げて干せり旅鞄 康子
水温む藻のそよぎをる遊水池 松原白士
球児らの声高らかに春の風 康子
水温む魚糶の声高らかに よし女
春風やここは一番霊山寺 きりん
春風や久闊を叙すお堀端 康子
水温む谷川楽を奏でをり わかば
春風に導かれつつ一万歩 雀乃
春風や手紙に残る友の香 博充
樟大樹映して濠の水温む むべ
首かしげ亀にのる亀水ぬるむ なつき
春風や帽子ひとつの転がり来 博充
川の景借りし料亭春の風 むべ
水温む音やはらかし木曽路かな なつき
広池に鯉の乱舞や水温む 康子
水温むいよよ大樹の目覚めけり 澄子
風紋を消して海へと春の風 花茗荷
春風や瀬戸に犇めく波の綺羅 えいじ
鍬洗ふ手のしわゆるび水温む 勉聖
春風や片側だけの雪景色 孤古老獪
手離しの一輪車へと春の風 康子
電線に名も知らぬ鳥春の風 こすもす
春風や水面に黄なの親子鳥 孤古老獪
春風に舞ひてからはら絵馬歌ふ えいじ
春風と潮風出会ふ岬かな むべ
水温む片足つけて靴下三つ 雀乃
池の辺に寄り来る鯉や水温む わかば
水温む鋤簾重きや十三湖 きりん
水温む舟の離るる音のこる 博充
水温む足首に触れ流れゆく 博充
水温む稚魚の群れなす湾処かな 澄子
水温み物干しに風そよぐなり 孤古老獪
川底に青い葉のあり水温む 和繁
学び舎の減りゆく村や春の風 勉聖
歩き初むおかっぱ髪に春の風 よし女
水温む電気毛布をしまいけり きりん
鵙一羽泥田や水の温みゆく 勉聖
苔むしぬ野外ステージ春の風 松原白士
春風や富士見晴かす坂の上 むべ
春風や弁天堂の恋みくじ なつき
春風や呼ばれてい出でしシャツ一枚 雀乃
春風や畦にそよげる芹の群れ 勉聖
来ては去るものの気配や水温む あきこ
小魚の群れて素早し水温む 澄子
水温む渡れずにゐる丸太橋 よし女
春風や洗車の水の疾く乾き きりん
春風や浜に水切り飛ばしみる わかば
春風や同行三人導かる 雀乃
水温む泥田に泡のひとつ浮く 勉聖
春の風幼児の髪に触れにけり 博充
丘昇る春風に乗るとんびかな 和繁
水温む鳥も故郷に帰る空 孤古老獪
小魚の初泳ぎなり水温む 孤古老獪
動き初む大地ゆたかに水温む 澄子
堰落つる瀬音軽やか水温む わかば
制服のブラスバンドに春の風 花茗荷
池の面へ遊ぶ細波春の風 わかば
水温む滝に抗う子らの声 松原白士
底ひより泡ぽこぽこと温む川 むべ
懐かしき夢の目覚めや春の風 よし女
河川敷の土俵整備や水温む こすもす
春風や天より授く自句自賛 えいじ
春風や大地百花の色めけり えいじ

2026年3月21日

上社より下社へ巡る宮のどか 康子
夕餉どき焼酎の香や春のどか 勉聖
宮のどか禰宜の談笑そこここに 康子
波の音遠のいて浜長閑かな 花茗荷
この川を渡れば故郷猫柳 わたる
のどけしや猫の横切る船揚場 むべ
のどけしや天守なき城散策す わかば
潮遠く引きて乾きし砂州のどか よし女
しろがねの堰の落差や猫柳 澄子
縦走の人影見えて尾根長閑 みのる
畑長閑鍬を杖とし立話 みのる
瀬音聞く産毛纏いし猫柳 こすもす
猫柳挿して花穂を楽しめり わかば
墓を守るともし火のごと猫柳 和繁
のどけしやおほきな月の丸くして きりん
長閑さや日曜菜園賑はいて みのる
名水に掬ぶ芽を吹く猫柳 勉聖
長閑さや小半刻なる立話 澄子
単線の各駅停車長閑なり こすもす
のどけしや橡の新芽の黒き艶 松原白士
のどけしや鯉の跳ねたる水の音 康子
長閑なり1時間後のバスを待つ わたる
地元講師の訛長閑や勉強会 こすもす
長閑さや有線流る海辺町 わたる
のどけしや苑に動かぬ雲ひとつ 康子
柔らかや銀鼠揺らめく猫柳 きりん
のどけしやドルフィンの窓貨物船 きりん
ネクタイの締め方忘れ長閑な日 孤古老獪
のどけしや値切れず巡る骨董市 なつき
のどけしや雪吊り外す鋏の音 勉聖
水槽の番たわむる昼長閑 えいじ
のどかりし法定速度のドライブ 松原白士
長閑なり昼の港に網繕ふ むべ
長閑さや電車乗り越し知らぬ駅 孤古老獪
点滴に痛みもとれて長閑なり 董雨
瀬の音や猫柳揺れて春の風 勉聖
のどけしや午後の窓辺にバラライカ あきこ
ホルムズの機雷忘れて長閑なり 孤古老獪
猫柳明る川の辺花穂満つ わかば
長閑さや漁師のいない船溜り わたる
子の一家去れば長閑や犬眠る えいじ
逆光に透ける産毛や猫柳 みのる
長閑さや椅子を持ち寄り独酌かな 孤古老獪
猫膝に眠る露店主のどけしや なつき
のどけしや沖のタンカー遅々として わかば
のどやかや牛の鈴ゆく峠道 博充
落ち合ひて早瀬となりぬ猫柳 澄子
のどやかや畦に置きたる鍬ひとつ 博充
長閑けさに旧居留地のカフェテラス わかば
江の島のうへに鳶の輪長閑なり むべ
のどけしや凪の光に湯気の渦 あきこ
内浦の舟の揺らぎの長閑なる 花茗荷
蛸壷の積みしが崩れ浜のどか よし女
のどけしや啓発本のワンコイン なつき
長閑なり昼寝タイムの保育園 わたる
猿回しの準備のどかに猿背負ひ なつき
マリオネット揺るる骨董市のどか なつき
のどやかや夕梵ひびく村の道 博充
銀鼠や古戦場にも猫柳 きりん
猫柳水面に影の揺れにけり 博充
猫柳川向うへと急ぎけり よし女
大正の硝子越しなる苑のどか 康子
飛石の早瀬に濡れて猫柳 むべ
爺婆の訛り通訳してのどか よし女
捨て置きし大根花咲き長閑なり 澄子
猫柳触れれば猫にさも似たり こすもす
長閑なり里山海道流れよし 花茗荷
街長閑とうふとうふの声やまず えいじ
のどけしや苫屋の烟いくすじか きりん
ブラシめく蕊にあぶ訪ふ猫柳 むべ
鳴く鳩の尾羽震へる園長閑 えいじ
汝れの名は猫じゃらし否猫柳 みのる
水の輪に遊ぶ児童や猫柳 松原白士
のどけしや土筆の袴まわし取る えいじ
のどやかや川面の舟の影一つ 博充
ユーチューブひとり見る午後長閑なり こすもす
道ばたや水辺に絮の猫柳 勉聖
長閑なり急行過ぐる無人駅 澄子
長閑なる雲へ幼子高い高い 和繁
子の名前忘れしホーム長閑なり 孤古老獪
長閑なり猫と鴉の小競り合ひ よし女

2026年3月14日

借景の涅槃の庭や春かすみ なつき
マリア灯籠人立ち止まり初蝶来 なつき
晴れの予感山に棚引く春霞 こすもす
初蝶や日矢の一点燈すごと えいじ
富士の嶺赤き霞の夜明けかな きりん
初蝶や子らに追わるる昼下がり きりん
翠黛を薄墨とせし春霞 みのる
行間に佇む人や花霞 あきこ
春霞川面に広ぐ風の紋 博充
真向へる九州の嶺々霞みけり よし女
春霞ほのかに白き富士の嶺 きりん
庭畑は夫の仕事よ初蝶来 なつき
対向車はほぼライトつけ春霞 こすもす
初蝶の上へ下へと辿る土手 和繁
連ねたる峰峰の間に夕霞 松原白士
見晴らしの高みに城下霞をり 澄子
初蝶のゆく手小さきつむじ風 澄子
大山の霞洗ひざらしのデニム 松原白士
沖目指す漁船音立て朝霞 よし女
春光や霞うすれて富士白し 勉聖
初蝶や石の温みにとどまりぬ 博充
若者の紫煙紛るる春霞 和繁
初蝶や空にこぼるる音符かな あきこ
おぼつかぬ羽根の動きや初蝶来 こすもす
海峡に籠る汽笛や春霞 わかば
山路来て光重なる春霞 花茗荷
霞の海覆ふ田畑の一里塚 松原白士
捨てられし花大根に初蝶来 むべ
むらさきの裾濃のごとし遠霞 むべ
初蝶や日なき壁をたどりゆく 勉聖
景行の赤き霞や霞浦 きりん
広芝の日射しにまぎれ初蝶来 康子
起伏野に見え隠れしつ初蝶来 みのる
良き知らせ運びくるかに初蝶来 わかば
子の声に草の凪より初蝶来 えいじ
初蝶の光こぼして飛び立てり わかば
海上をつなぐ道あり島霞む むべ
初てふや折り目ただしき内外宮 松原白士
三峰を一山として春霞 澄子
結界のうちより現れて初蝶来 みのる
初蝶を追ひつ川辺の散歩かな 康子
初蝶の花を待たでに出でにけり きりん
霞立つ人と犬行く里の浜 よし女
初蝶に案内されたる樹木葬 むべ
朝霞橋の向かうの人ひとり 博充
霞立つ川の曲りの小舟かな 博充
農手袋きれいに洗ふ夕霞 よし女
霞む野や鉄塔ひとつ音もなき 博充
麓より富士の消えゆく遠霞 澄子
久々の苑ウェルカムと初蝶来 康子
山は春霞立ちたる影絵かな えいじ
春霞いづる巨船の航遅々と えいじ
春霞国生み島の無きごとく みのる
烈風の去つて鈴鹿の峰霞む えいじ
夕霞浜の貝殻掌に乗せて よし女
初蝶や母の紬にとまりおり あきこ
初蝶や垣根かき分け渡りゆく 勉聖
初蝶や涅槃の庭を渡りけり なつき
土手の道紙舞ふやうに初蝶来 康子
初蝶の身をゆだねをる野辺の花 康子
初蝶や児らの歩みのまえうしろ 澄子
一艘の消えゆくところ春霞 花茗荷
初蝶来開運宮の守り札 なつき
島影の淡き海峡春霞 わかば
茎立をジプシーしつつ初蝶来 みのる
遠霞沖往く船の模糊として わかば
春霞やほどける奥に富士ありて 勉聖
水墨画めきて重なる山霞む むべ
初てふの舞へば手の止む庭仕事 松原白士
初蝶や光の中より羽ばたきぬ 勉聖
初蝶や今日の陽射しの嬉しかり こすもす

2026年3月7日

墓前へと卒業証書手向けけり 康子
残しこと帳消しにして卒業す わたる
いつまでも円陣解かぬ卒業子 澄子
いぬふぐり踏むを躊躇ふ旅路かな 勉聖
萌え競ふ草の波間やいぬふぐり えいじ
いぬふぐり摘みて吾妹の家苞に みのる
犬ふぐり星の瞳と呼ばれなむ きりん
ランドセル他国に送り卒業す よし女
尻もちの跡と見らるるいぬふぐり みのる
疎に密に畔彩りていぬふぐり こすもす
卒業の子らより母の涙かな 澄子
卒園の門に薄日さしにけり 博充
奏楽はパイプオルガン卒業式 むべ
椿咲き揃ひつつあり卒業す 和繁
学舎の思い出多く卒業す わかば
学び舎や空に雲ゆく卒業日 勉聖
卒業や部活監督胴上げす よし女
コンクリの土留めの罅に犬ふぐり きりん
昼の月野辺に幽けきいぬふぐり あきこ
コサージュをととのへ合ひて卒業子 むべ
祝杯や卒業証書眺めつつ 康子
犬ふぐり朝日と共に綺羅なせる わかば
子や孫に祝福されて卒業す みのる
暖かき風の吹く坂いぬふぐり 和繁
走り根に二三寄り添ふいぬふぐり えいじ
鼻面を躱す地の星いぬふぐり えいじ
悲しみを喜びとして犬ふぐり わかば
本名とあだ名の落差いぬふぐり わたる
老幹の洞幾回の卒業歌 よし女
いぬふぐり垣のほとりに咲きにけり 博充
草叢に瑠璃の点描いぬふぐり えいじ
追ひ風に校歌広がる卒業子 あきこ
日溜まりはここぞと咲けるいぬふぐり むべ
交差点卒業の列晴れやかに 花茗荷
山積みの書籍をのこす卒業子 康子
いぬふぐり朝の雫を湛えたり 勉聖
卒園やほどけしままの名札紐 博充
先生は袴に変身卒業す よし女
小さき児のよちよち歩きいぬふぐり わたる
着古した白衣を置いて卒業す 康子
腕時計の跡くっきりや卒業式 こすもす
いぬふぐりお隣に敷くスヌーピー みのる
日本海見える校庭卒業す こすもす
ひと駅を乗らず歩けり卒業子 むべ
卒業や机の深き傷ひとつ 博充
万巻の書に夕映えや卒業祭 勉聖
地震の町故郷忘れず卒業す 花茗荷
卒業や窓の夕日のやはらかき 博充
群れ咲きて霞むなぞえやいぬふぐり えいじ
卒業歌唄ふ袴着胸高に みのる
卒業の日や黒服の交差点 わたる
老ひ犬の鼻先に咲くいぬふぐり むべ
おはじきをばら撒きしかにいぬふぐり こすもす
見えぬまで手を振りあひて卒業子 澄子
山嶺のひかり眩き卒業期 澄子
欠点に半年遅れ卒業す わかば
卒業や吾子の眼に泣きし跡 康子
卒業の幾年月を経にしかな きりん
一遍の詩を斉誦し卒業す 澄子
サッカーボール連日蹴って卒業す よし女
卒業や新しき道光あれ きりん
卒業や心友を得て今もなほ わかば
寄書の恩師の言葉「いぬふぐり」 まろん
花束が街に華やぐ卒業生 花茗荷
卒業や甘き赤飯祖母の味 きりん
陽だまりを零れて青きいぬふぐり 勉聖
落書きは残したままで卒業す わたる

2026年2月28日

手かざしへ丘の春光容赦なく えいじ
うすらひや芥を乗せて流れおり きりん
春光に太公望のうたた寝や きりん
薄氷に犬とホップの親子連れ かかし
畝の間に薄氷ありぬ一枚田 和繁
老幹の洞に春光満ちにけり 康子
春光や阿弥陀如来の眼の細く あきこ
うすらひのオブラートのごと解けにけり きりん
薄氷に綺羅の生まるる朝の池 むべ
春色の街を歩けり薄化粧 えいじ
鳶の群れ翔べば春光ゆらぎけり 勉聖
一と筋の春光とどく山の家 よし女
春光の溢るる丘に師弟句碑 康子
すきとほる薄氷軋み水ゆがむ あきこ
川岸の薄氷となり光るなり わかば
日の昇り池の薄氷動き初む むべ
うすらひを割る音胸に残りけり あきこ
暖かや一歩入れば木の香と火 こすもす
春光に香の溢るる花手水 康子
春光に壜の球根けふ咲けり えいじ
春光や石段白く乾きたり 博充
春光の帯となる川村はずれ なつき
春光や雲切りゆけば富士の嶺 勉聖
春光や苔むす岩の仏めく なつき
尾根歩き春光の森広がりぬ むべ
池の面の風紋なせる薄氷 わかば
薄氷を割りて漬物取り出しぬ 澄子
薄氷やひょうたん池にくびれあり なつき
春景や畦の白杭ひとつ立つ 博充
春光の沖に水脈引く船の影 わかば
薄氷に留めし風の記憶かな 澄子
春光や航く船そして返す波 よし女
大路いま隈なく春のひかり充つ 澄子
春光を受けて野焼きの烟かな えいじ
翼船の一ひく水脈に風光る みのる
春光を蹴って飛び去る小鳥どち 澄子
窓越しに春光の菜を頂きぬ よし女
春光や風に紅茶の波揺るる あきこ
春色の茶碗の縁の光りをり 博充
春望の多摩の横山かち歩み むべ
薄氷や底を流るる水の音 勉聖
海難碑こんなところに薄氷 よし女
春光や松の梢の尖端に むべ
春光の彩窓畳に色落とす よし女
うすらひや透かして見やる夕茜 きりん
うすごほり水路の隅に残りけり 博充
地団駄に道の薄氷踏む子かな みのる
春光を纏いて探る詩歌かな わかば
春光や一番列車動き出す わたる
春光を浴びし漣遊覧船 かかし
回収箱に投入済ませ懐炉かな こすもす
春光の湾処に動く稚魚の群 わかば
ふと絵踏思ひ薄氷踏みにけり みのる
春光や心配事のひとつあり わたる



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