みのるの日記

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2016年11月17日

小主観を詠み込む


露骨に心象を詠んだ主観句はどうしても嫌味が出てしまいがちですが、客観写生でありながら上手に小主観を詠み込むとさらにステップアップした作品になります。

靴脱いで歩いてみたき木の実径 うつぎ

玉砂利のごと木の実踏む杜の道 みのる

どちらの句も沢山散り敷いた径の木の実を写生していることは連想できますね。単なる写生だと類想句になりがちですが、作者の遊び心(小主観)が詠み込まれていることで個性が滲む作品に仕上がります。

冬ざれてルルドの泉とは見えず  たか子

イエス像の胸に飛び込む冬日かな なおこ

ルルドの泉はピレネー山脈の麓に実在し、カトリック教会の巡礼地として知られています。カトリック系の施設の庭にはこれを模した池や泉があります。冬ざれて…という季語を斡旋したことで後者であろうことが連想できます。水量の乏しくなった修道院の庭池に「ルルドの泉」と標が立っているのを見ての感慨で、「…とは見えず」が作者の小主観です。

後者の場合、「イエス像の胸に冬日さす」…と平凡に詠んでしまいがちですが、冬日がイエスの胸に飛び込んでいるという小主観が得られるまで時間をかけて観察したことで佳句を授かった。

十字架のイエス像は、磔像(たくぞう)といいます。磔像ではないイエス像の多くは両手を翳しておられるか、下にひろげておられる姿が多いです。翳しているのは、「寧かれ」と祝祷されている姿で、下に広げておられるのは「我に来たれ」と招いておられる姿です。冬日が胸に飛ぼこもうとしている…ので招きのスタイルで且つ屋外の像であることが連想できますね。

イエス像の台座に聖書の御言葉が記されていたのを見ましたか?

すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。
わたしがあなたがたを休ませてあげます。

腰かける石温かき小春かな  豆狸

玉砂利に足なとられそ千歳飴 明日香

前者は、一休みしようと腰掛けた石がほんのりと温かいと感じた瞬間の小主観が一句の要となっています。後者は、「玉砂利に足を取られる千歳飴」という原句で毎日句会で高点を得た佳句です。原句のままでも十分合格点の作品ですが、その情景を微笑ましく観察していた作者は、恐らくこのように感じたのではないかという小主観風に添削しました。足な取られそ→足を取られてはいけないよ…の意ですね。「な…そ」は軽い禁止を意味する古語表現で俳句ではよく使われます。

ある程度写生の技術が身についてきたら、もう一歩踏み込んで心を遊ばせてみることも大事ですね。

2016年11月16日

宝塚黙想の家(修道院)



圧倒されるような風景でした。画像をクリックしてみてください。

しばらく日記の更新をサボっていたので皆さんにご心配をおかけしました。

昨日は定例句会で阪急宝塚線売布神社駅にある宝塚黙想の家と売布神社を吟行しました。修道院のお庭の素晴らしい紅葉を目の当たりにして暫くは絶句状態でしたね(^o^)

錦繍の樹下黙想の椅子並ぶ みのる

宝塚黙想の家というのは、男子修道院なのですがカソリック信者の方であればだれでも祈りの場として利用できるそうです。お庭の見学は、行事予定のある場合は駄目だそうですが、それ以外なら事前連絡さえしておけば自由に出入りさせていただけます。

実は写真に写っているのは隣接のカトリック女子御受難修道会のお庭です。運営母体は黙想の家と同じだそうで庭続きになっています。


イロハモミジのグラデーションがすばらしいでしょう。

この写真は黙想の家の裏門からの風景です。紅葉明かりのお庭の左側に見えるのが女子修道院の建物です。

錦繍の森に白亜のトラピスト みのる

売布神社にも素敵な竹春の林がありましたが、写真を取るのを忘れていました。残念です。

近詠にも作品をアップしましたので御覧ください。感想をお寄せいただければ嬉しいです。

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