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2024年04月17日

菜の花に埋まる野鳥や河川敷 愛正
老犬の散歩は休み花の雨 せいじ
三時の茶と共に嗅ぐ木香薔薇 えいいち
咲初めし薫る関山桜かな えいじ
磯の香を腹まで吸って春惜しむ 千鶴
水温む大名庭園昼寝鴨 山椒
朧月湯殿の窓を覗きけり 澄子
無為の日の春愁払ひ払へども うつぎ
さくら染てふスカーフは春の色 はく子
桜散り学び舎四階子等の声 満天
一刷の風に香るや松月花 えいじ
初燕波止の工場軒潜る きよえ
十二単衣くるりと剥がす春筍 あひる
仏手石の指の長さよ花の冷 なつき
切り口はためらひ傷か新筍 あひる
先生に桜蕊降る離任式 みきお
朝風に千手振るごと青楓 むべ
筆圧の強き絵日記一年生 みきお
八重桜重し眠たし閻魔堂 もとこ
新緑の大樹佇む無風かな たかを
春疾風ネモフィラの丘大波に 康子
謳歌する声聞こえさう百花かな 明日香
両手あげ拙き歩み花吹雪 ぽんこ
足裏で春筍探るなぞへかな 澄子
地に降りし花弁は浜に桜貝 えいいち
行春を物忘れてふ母とゐて むべ
牡丹散るしじま動物供養塔 なつき
すやすやと公園ベンチ桜舞ひ 山椒
起こさるる戦火の如く春雷雨 きよえ
四阿を虜に落花畳かな 康子
焼肉を囲み団らん八重桜 千鶴
夕桜白内障の目にまぶし せいじ
玻璃越しに腹を見せゐる春の蝿 かえる
つる薔薇のとびとびに咲く垣根かな 明日香
カーポート穴だらけなり雹叩く みきえ
御守りを枝垂れ桜の宮に得て たか子
明けぬれば雹の狼藉樋と屋根 みきえ
シャツ赤く染めて苺を食ぶこども かえる
山独活の溢る背負籠老婆の背 愛正

2024年04月16日

青空にビルの白さや夏近し 康子
日さすとき陰影しるき花の下 せいじ
終電に駆け込む人と花吹雪 智恵子
日に透きて綺羅の薄緑若葉かな えいいち
何急ぐ斜面転がる雀の子 愛正
大風に玉巻く芭蕉弄さるる むべ
ぬか雨に雫ぽつんと鴉の巣 えいじ
日翳れば影の薄らぐ花の陰 せいじ
繚乱の枝垂れ桜の傘のうち たか子
理髪屋のごとパンジーを切り戻す あひる
雨戸打つ爆音ひびき雹来る みきえ
光の輪風に転がる散り桜 山椒
こづかひのあるだけ射的祭の子 なつき
悪童の暴に泣くごと散る桜 えいいち
田を返す棚田に響く機械音 愛正
花屑を踏みてよちよち幼かな ぽんこ
待合室患者の歓喜す窓の飛花 そうけい
子歌舞伎の声朗々と春祭 山椒
花の土手お座りの犬水もらふ 智恵子
隣接の芝生の広場風光る こすもす
啓蟄の吾も動き出し外掃除 あひる
春疾風波闘ふか播磨灘 きよえ
春雷や雹も連来て木戸叩く せつ子
春うららバス停横切る六車線 みきえ
十字架の塔抽んでし花の雲 かえる
花びらの川面ゆっくり鷺一羽 満天
ふかふかの春落葉踏む森の径 かえる
挨拶を短く交はし春惜しむ 澄子
社家町の川底明かし春落ち葉 もとこ
薄雲にがんじがらみや春三日月 えいじ
白亜なる四阿囲むチューリップ 康子
竹林のひと風ごとに軽き音 千鶴
しぶき散る波止の波間に残る鴨 きよえ
東風吹けばよろけながらも先ず一歩 たかを
ひと跨ぎ落花畳を避けにけり 澄子
卓球場時おり入る若葉風 こすもす
寄せ植えの真中葉ぼたん茎立ちぬ なつき
山膨れ青葉若葉の目にぞ沁む 千鶴
目を見張る杉菜ばかりの日陰路地 そうけい
飛花の渦落花の渦やつむじ風 むべ
玻璃窓を今ぞと叩く春の雹 せつ子

2024年04月15日

朝霧にすつぽり隠れわが町内 わかば
枝下し雀の家族団欒す むべ
人波の少し途切れて八重桜 澄子
薫風の岬彩る観覧車 みきえ
行く春の色香漂ふ山路かな 愛正
巣を取られ電柱の先親鴉 えいじ
ユーチューブ見過ぎて今朝の朝寝かな 千鶴
梵字書く石つくばひに遍路寺 なつき
寺門へと順に咲き初む躑躅かな 康子
風光る海峡見つむ夢レンズ みきえ
朝霧の晴れて明るき日の光 わかば
石垣のわずかな隙間花すみれ みきお
外ランチテーブルはらり春落葉 山椒
花散りて赤のぼんぼりただ揺らぎ ぽんこ
日を弾く水面むかふも花菜畑 澄子
狭庭に咲く春の花花白多し こすもす
春祭り終へし安堵や酒旨し 千鶴
撮影は花笠めきし花の下 あひる
自転車のかごに散る花二つ三つ むべ
外つ国の家族に譲る花の陰 せいじ
ガレージの何時もの場所へ燕来る 満天
木々覆ふ小さき末社の春灯し もとこ
株立ちの燃ゆるマゼンタ花蘇芳 えいいち
花下微笑せる一門の女流かな かえる
カタクリの朝日に目覚め開く花 智恵子
満開の花を散らせて法螺法鼓 はく子
母姉妹カフェを陣取り日永かな 康子
春の暮散歩の人の増しにけり えいいち
筍の煮物昨日の今日卓に せいじ
明星井汲みて灌仏へと三杓 なつき
楽しみは順に咲きゆく春の花 こすもす
走り根に躓き歩く桜土手 みきお
菜の花見中洲陣取る群雀 愛正
里山に一人静の群れ映ゆる 智恵子
モノレール下に子の家紅芽垣 そうけい
皿を割る社員になれと入社式 山椒
咲き満ちて常盤万作径覆ふ かえる
さまざまを枝垂れ桜に満ち足りし たか子
葉桜にまた来春と想ひ寄す きよえ
小走りの小犬やサワワ春落葉 せつ子
桜守の児童の記録花つぼむ せつ子
子のゐない電柱にをり親鴉 えいじ
また明日声掛け合ふて下校の子 きよえ

2024年04月14日

天覆う園を統ぶる楠若葉 ぽんこ
春暑し乗り子の叩く大太鼓 千鶴
山車の上のからくりくるり春祭 明日香
対岸のビル薄っすらや春霞 みきえ
警ら中桜の駐在所しづか かえる
花堤満席の舟巡りたり 山椒
光撒く木香薔薇の庭訪ひぬ むべ
散る花に祭り太鼓の連打かな たかを
檀尻に道塞がるる春祭り 千鶴
草刈りをせんといふ子の芝野かな えいじ
夕風に小袖振るやう白あやめ むべ
鳥の羽根めくひと刷けや春の雲 かえる
行春や竹林賑わす群雀 愛正
形良き五弁の桜胴に吹く えいいち
のどけしや白帆浮かべて須磨の海 わかば
花吹雪ファンタジーめく能舞台 智恵子
春風に余り進まぬ白帆かな わかば
花虻の花柄シャツへ急接近 あひる
たんぽぽをひとひら乗せて犬の朝 たか子
苔むした岩が育てた芽立かな 智恵子
残るはな光曳きつつ消ゆる窓 澄子
磨崖仏拝む山路や春惜しむ 愛正
浜大根鳶の笛聞く朝の市 なつき
花虻に怯ゆる妹よな騒ぎそ せいじ
釣人の絵日傘回る日を追ひて なつき
ビル街をすつぽり包む夕霞 明日香
あの鳥は仙台虫喰らしと妻 せいじ
見上げれば微笑みかえす桜かな たかを
海の日や山の子海へ繰り出しぬ みきお
盃交わし言い訳を聞く春の宵 みきお
青鷺の泰然として身繕う えいじ
大吉の神籤結ひて若葉風 康子
同郷のひと隣あふ花の宴 澄子
春登山異国の人もコンニチハ あひる
千本の鳥居参道飛花落花 山椒
土手滑る赤白帽に花吹雪 もとこ
知れぬまに葉を出す欅夏近し えいいち
鳶注意ソフトクリーム慌て食ぶ みきえ
街路樹の一気に開く花みずき 満天
祈祷殿出づる赤子に花吹雪 康子
グランドゴルフ場は貸切り状態花吹雪 こすもす
合掌す小雨の中の仏生会 こすもす

2024年04月13日

そよ風にさくら花びらほろり降り えいいち
花冷えや阿修羅の頬に残る紅 たか子
茎立の畠に黄花白花揺る かえる
啓蟄や島の畑に舟を漕ぐ みきお
終点の見えぬ満開花の道 康子
袖口をひと折内へ入園児 智恵子
部屋の朝日掛かるスカーフ首ぬくし そうけい
風光る新入生は皆笑顔 満天
春まつり檀尻太鼓響かせて 千鶴
春しぐれ雨具にあがく一年生 愛正
春の奈良インバウンドが闊歩する 明日香
雨多き年は豊漁若布干す なつき
庭隅の落花に埋まる小祠かな 愛正
白木蓮天に向かって皆合掌 満天
草刈りをせんといふ子の芝野かな えいじ
ひとひらの桜の風に舞ひにけり 山椒
沓裏に屑重ね往く花の道 かえる
切株の渦の真中に落椿 あひる
春深し名曲喫茶の飾り文字 澄子
祖母植えし瓦礫の中の水仙花 みきお
花万朶今を盛りの池巡る わかば
三日月や白き山吹暮れ残り 澄子
水門に堰き止められし花の屑 せいじ
五部浄のまなざし遠く春の夢 もとこ
草原に紫の風花あやめ むべ
あめんぼう池独り占めしてスイー きよえ
四囲の山芽吹きの色に染まりけり 明日香
海峡を跨ぐ大橋風光る みきえ
ブランコやペンキ塗りたて赤青黄 たかを
青鷺の泰然として身繕う えいじ
水脈引きて行き交ふ船や風光る みきえ
追いかけつこ桜の木々に小鳥たち たかを
紅や白躑躅咲き初む寺の庭 きよえ
桜降る息詰まるほど人を恋ふ 山椒
竹林の白き光や著莪の群 康子
花の蕊残る小枝は桃色に 智恵子
短パンに半袖子らの夏近し えいいち
水門を染めたる万の花筏 あひる
迷ひなく一気に咲けり花みづき むべ
恋猫か夜半に屋根裏駆くる音 せいじ
走り根を染め上げたりし花屑かな ぽんこ
傘重き病院出づる余寒かな そうけい
檀尻の法被衆ゆく春田道 千鶴
役行者の足の指先蜘蛛の糸 なつき

2024年04月12日

よどみなく疎水に早し花筏 むべ
裏木戸の頭上明るき柿若葉 澄子
チューリップ咲初む狭庭赤白黄 こすもす
二歳児の笑顔で空へシャボン玉 満天
花屑を分けて大きな鯉の口 康子
銀輪のあとくつきりと落花道 かえる
ニ、三滴舌で転がし新茶汲む みきお
又出会わん真秀の花鳥誓い投げ そうけい
花屑のいつの間に積む三和土かな たか子
二つ三つ寄り来てなせる花筏 せいじ
大川に映り込む花水に散り ふさこ
元少年スーツ短髪初出社 山椒
茅葺きの屋根包む如花吹雪 こすもす
春の鴉やニ羽と一羽に分かれ飛ぶ たかを
振り向くと全力疾走新入生 たかを
朝務め僧のあと追う花吹雪 愛正
花惜しみ再び訪へる城址かな わかば
垂れ衣の姫御前の如き桜かな 山椒
佇めるひとりひとりに落花かな 澄子
露台舞ふ日の斑の如き桜片 かえる
波止の苑順次咲き始む遅桜 きよえ
叡山を背に花満ちて供花ならむ もとこ
パトカーの馳す花屑を煽りたて みのる
犬膝におしやべり止まぬ花の下 なつき
みたらしを溢るる花の芥かな みのる
花筏里山を抜け河口へと 智恵子
枝垂れたる万朶の花を川面へと 満天
祝福のごとく総身に花吹雪 むべ
咲ききって妖しきさまに飛花落花 千鶴
木漏れ日とともに降りくる桜かな あひる
形良き流木拾ふ磯遊び なつき
頬白の飛び来て波止の苑賑ふ きよえ
花の下寄り来る鹿に触れもして はく子
沿道に列なすスミレ濃紫 智恵子
途中から婆ばに背負わる入園児 みきえ
さつと挙げ朝の挨拶春帽子 えいじ
土手道や校歌と和せる春の風 愛正
花屑に埋め尽くされし疎水かな せいじ
バス停に春の花咲く鉢ふたつ えいいち
春うらら自分で祝ふ誕生日 明日香
あめんぼう小枝はひょいと交わしけり 康子
天蓋のスウィートホームや鴉の巣 えいじ
廃村の破れ社や飛花落花 隆松
春落葉雨のごとくに風に舞い ぽんこ
婆と猫一角占める夏座敷 みきお
子のころと何処かの違う蒲公英や えいいち
春愁の空気の重さのしかかる 明日香
大池へ寄する漣桜まじ わかば
車窓の花一色ににする市の公園 そうけい
惜春や甲羅干す亀向き揃へ やよい

2024年04月11日

浜ゑんどうペットと入るカフェテラス なつき
朧夜の河渡りゆく車窓の灯 澄子
遠山は花の曼荼羅鍬振るう うつぎ
甘茶仏ミモザの金の花影に うつぎ
初対面泣く吾とひ孫うららけし そうけい
玻璃窓を涙ばしりすリラの雨 みのる
花曇り空埋め尽くすしろしろしろ もとこ
母さんの身長抜いたと新学期 みきえ
幼な手と作るお山の砂温し 康子
花の帯臥竜の如き千鳥淵 山椒
遡る汐入川の花筏 みのる
花下に笑む一会の人は車椅子 むべ
閉じし手をどっと開くや紫木蓮 千鶴
静けさや遠蛙なく奥飛鳥 明日香
屋形船花のトンネルガラス張り 智恵子
春愁や遺されし絵と対峙して 澄子
紫木蓮祈りて合わす手を開く 千鶴
満開の下なら濡れぬ花の雨 えいじ
菜の花の河原に色添えにけり わかば
花の下ノートに漫画描く子かな なつき
幼な手に花弁載せて花吹雪 きよえ
水玉の揺蕩ふ影やしゃぼん玉 康子
新茶入れ五感にしみて久しぶり 満天
花見客浮塵子の如し九段下 山椒
草草に日のやはらかし風光る わかば
ふらここの吾子膝に乗せ手を翳す ふさこ
吾も鹿も桜吹雪のただ中に あひる
帰省子やまず仏壇に手を合わせ みきお
公園より道へはみ出し飛花落花 満天
山門を入るや飛び込む花手水 みきえ
春日透く裸枝にうすらと若葉色 えいいち
菫あり里の外れの日向土手 隆松
四肢伸ばし浮かぶ蛙や山の池 みきお
花曇を従へ聳ゆ白鷺城 せつ子
四阿に天降る鳥語や花曇り せいじ
花の雲垂れて騒げり雨の宴 えいじ
花冷えや出掛けにかぶる毛のチョッキ せいじ
舞い上がる桜に窓を開けて置く たか子
馬の仔の立ちて夜明けの缶コーヒー 智恵子
林内に山延胡索煌めけり 隆松
競ひ合ふごとくに芽吹く三輪の山 明日香
花の塵大地を紅く染めにけり むべ
古寺の順路に出合ふ山の蟻 あひる
落ち花を纏う軽トラ山下る 愛正
鳶は空よりらんまんの花見かな かえる
夫命日落花に存問する墓前 そうけい
竹箒僧侶のはたく花の塵 愛正
ビル街の道先燃ゆる春夕日 えいいち
湿り帯びいのちを留む花の屑 かえる
船頭の水棹分け入る花筏 せつ子

2024年04月10日

囀りのホンキートンクピアノめき せいじ
こんなとこ胴吹き桜の息づかい 愛正
武道館大屋根花に浮かびたり 山椒
場所決めの家族会議や花の下 えいじ
満開の桜に風の容赦なし わかば
嵐きて見る間に落花畳なる かえる
赤松の勇姿に降れる春落葉 ぽんこ
お座船や波つくり去り花吹雪 ふさこ
堆肥より湯気立ち上がる春田かな みきお
講堂に歩む白足袋花の塵 愛正
四阿へ桟橋わたる菖蒲池 みのる
満開の花又花の車窓かな はく子
花蘇芳雲払ふごと濃く咲けり むべ
路地うもる花くず踏むに惜しみける 千鶴
澄み渡る鶯声聞きつ屋根修理 千鶴
傘の花囲む読経の花御堂 あひる
道灌の気分で貰う濃山吹 こすもす
花の雨揺らぎのやまぬ潦 かえる
目の前を驚かしてはつばくらめ わかば
雨に敷く歩道の落花畳かな 康子
若草山くさもちめきて春うらら あひる
日向ぼこ同じ話しの繰り返し みきお
花筏分けて水脈引く番鴨 やよい
花は葉に孫の通ひし幼稚園 せいじ
赤信号じっと見ている入学児 たかを
雨粒を溜めて仰向く落椿 康子
横並び柵に腰かけ花の元 たか子
申し訳の如く二三個土佐水木 こすもす
夕映をまとひ明るき柿若葉 むべ
陣旗立つ古井戸に花散り込めり なつき
入学式少し重そうランドセル きよえ
芝に映え真紅に燃る落椿 えいいち
焼け跡に息吹三笠の山笑ふ もとこ
風吹きてさくらの花の雪景色 えいいち
春泥に獣のいのち残しけり 澄子
ばあばぁの鬼に追わるる春休み えいじ
鷺の巣の小島賑はふ宮の池 智恵子
七三分けダブルピースの入学子 なつき
大きめの制服を着し入学の子 きよえ
春の風邪ひねもすうつら伏せ至り 澄子
どん尻のゴールの膝の春の泥 山椒
にわたずみ溢れ出発花筏 智恵子

2024年04月09日

山峡を清めるごとく霞立つ 明日香
「生きかた」てふ本読む少女春休み せいじ
道の辺の山吹揺らぐ空となり ぽんこ
小雨降るおもちゃの様な花御堂 たか子
雨留むや紅ふっくらと夕桜 きよえ
雨ともに地に降り染むや桜散る えいいち
あれ程に待ちたりし君花と去る ふさこ
満席や食べそこねたるわらび餅 こすもす
切株に並べられある落椿 むべ
堀川は溢れる笑顔花の曇 きよえ
切り株の怒髪の先に花ひとつ かえる
風強く春の落葉を吹き上ぐる わかば
花の雲ヘリコプターの旋回す なつき
花の下幼子眠る乳母車 満天
花見つつ黄泉のみやげと義母の言ふ えいいち
鶯に励まされつつ試歩の杖 康子
花の宴ふわり渡さる紙コップ 澄子
風誘う三和土に宿る花吹雪 智恵子
擁壁はピンク一色花の塵 むべ
満開の花近寄せてハイポーズ みきえ
影動き鳶かすめゆく花の雲 千鶴
花吹雪公園脇の我が家へと たかを
折れてなほらんまんと咲く桜の枝 かえる
この苑に老ひ幾たびの花の宴 澄子
それぞれにLINEで伝ふ花便り 千鶴
パンジーの縁どる花壇みな笑ふ みきお
戦没碑何万枚の桜散る 山椒
花の屑地蔵の赤きよだれ掛け やよい
ベビーカー子猫三匹乗せをりぬ こすもす
引越しや運転席の金魚鉢 みきお
春嵐電線唸り戸の乱打 そうけい
母と肩ならべて覗く犬ふぐり 康子
花の雨潜りて会ひに阿修羅像 あひる
殴られし口の苦けり春の泥 山椒
触れもせでシャベルに幼虫土匂ふ そうけい
掘割へなだるる桜堤かな みのる
新しいランドセルへと桜舞ふ 満天
廃城の陣旗めくる花の風 なつき
夏近し塗装新たなボート小屋 愛正
新入生ゲントにハルトカイトとト せいじ
桜東風荒ぶ海峡波高し わかば
裏返りなびく牧草風光る 愛正
曇天に飾り鮮やか花御堂 もとこ
歩道橋しばし楽しむ花吹雪 智恵子
びつしりとコンビニ傘に落花かな えいじ
唐突に吾に向かひくる花吹雪 あひる
遠くでも近く尚良し桜花 明日香
全力のばあばに追わる春休み えいじ

2024年04月08日

水面へと枝垂る桜の影写す わかば
五弁花もまじりて下る花筏 むべ
持ち寄りて和菓子洋菓子花の宴 澄子
里山に小流のあり歯朶萌ゆる 隆松
花の下走り当てたるドッチボール ぽんこ
そわそわと桜見ているつがい鳩 たかを
幼虫にさてそろり掻く春の土 そうけい
花の雨幹漆黒に濡れてをり 澄子
谷風に散りしきるなり山桜 隆松
葉桜の徐々に増したる先二寸 千鶴
義母を乗せ桜の道を巡りたる えいいち
風見鶏カラカラ唄う花吹雪 智恵子
胴吹きの桜一房家花見 愛正
縁側の挟み将棋や春休み えいじ
花雲に飛び込むジェットコースター 智恵子
手を翳すマリアの像は著莪浄土 かえる
見張るかす千鳥ヶ淵に花霞 山椒
沿線の工場縫うて花の雲 せいじ
先輩と挨拶まわり新社員 みきお
ひとひらの落花舞い込む出入り口 愛正
熊蜂に止まられおじぎ花大根 むべ
大池の水際縁取る花の影 せつ子
宇治十条結末語りて花散りて ふさこ
雨風にそがれる如く椿落つ きよえ
容赦なく雨満開の花散らす 満天
カーブして川に沿ひゆく菜花かな あひる
赤黄白行儀良かりしチューリップ 満天
花の池鴎飛び交ひ水に入る わかば
曇天に読経くぐもる花御堂 もとこ
同じ名の男の子五人の進級す なつき
猫の絵のおめめは黄色春の色 えいじ
花大樹深き傷もつ太き枝 明日香
石除けて種植え拡ぐ春の土 そうけい
やはらかに組まれ大樹の鴉の巣 あひる
土佐水木花から花へ雨伝ふ きよえ
停車中蟇横断の田舎道 みきお
落椿掌にのせ愛おしむ かえる
万愚節日を間違へて待ちぼうけ みのる
靖国の神門潜り花の風 山椒
青空と白雲を背に花の雲 えいいち
茅葺きの屋根を睥睨山笑ふ たか子
行厨は花の下なり皆笑顔 こすもす
ビオトープ水面を埋む落花かな 康子
風に鳴る戸袋に鳥巣のいびつ なつき
鏡なる湖面に桜ほの白く 千鶴
花びらのイヤイヤするやう揺れてをり 明日香
背伸びする幼の指に花吹雪 せつ子
曇天に黄色映えおり連翹かな こすもす
湧水に渦巻いてをる花筏 康子
切株をベンチにふたり白日傘 せいじ

2024年04月07日

露店前動かぬ駄々っ子花万朶 みきえ
試歩の母饒舌となる花の道 康子
ティグランド立てば樹間に初音かな えいじ
花曇長き首延べ恐竜像 やよい
等間隔の車とテント花見客 こすもす
鳥の巣の髪を気にせり進級子 なつき
春の泥まみれ球場後にせり 山椒
灯籠にかかる枝ぶり桜どき ぽんこ
大川の水面染め上ぐ花万朶 せいじ
一角の空の明るき花菜畑 康子
次々とすずめ翔び立つ花の雲 あひる
手を伸ばし花に触れそうジャングルジム 満天
礼服のパパと手つなぐ入学児 せいじ
うららけしグランドゴルフでハイタッチ たかを
ウエーブのごとくに風の花菜畑 澄子
麗らかや幾つも並ぶ泥団子 澄子
純白の堂の桜や房たわわ 千鶴
花筵異国の歌を合唱す なつき
花の幹猿の腰掛け真ん中に 明日香
黄砂降る徹夜の明けし官庁街 山椒
鴨引くや沼広々と静かなり みきお
尻ひとつおもてに浮かせ残り鴨 かえる
葉隠れのひと啼き残し揚雲雀 かえる
花盛りトンネル友と潜り行く きよえ
公園の腰掛埋まる花見かな 満天
帯状に連なり浮かぶ山桜 千鶴
大木にまきつく蔓や木下闇 みきえ
本堂に吹きいる落花無人寺 愛正
池鏡へと高舞ひて飛花落花 みのる
降り注ぐ落花浴びるや六地蔵 愛正
咲きたるも散り始むかな今日桜 えいいち
風光る日時計に友待ち合はす わかば
アドレスのヘッド震わす初音かな えいじ
海峡を過る巨船や風光る わかば
花疲れ温泉街の下駄の音 ふさこ
フリマいま賑はふ花の城址かな みのる
思春期の子もほのと笑む花の下 あひる
日に朱く実の熟すごと楠紅葉 えいいち
ネモフィラの丘に風車や春爛漫 たか子
土埋木苔竜胆の群れ可愛い 智恵子



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