2024年04月17日 | |
菜の花に埋まる野鳥や河川敷 | 愛正 |
老犬の散歩は休み花の雨 | せいじ |
三時の茶と共に嗅ぐ木香薔薇 | えいいち |
咲初めし薫る関山桜かな | えいじ |
磯の香を腹まで吸って春惜しむ | 千鶴 |
水温む大名庭園昼寝鴨 | 山椒 |
朧月湯殿の窓を覗きけり | 澄子 |
無為の日の春愁払ひ払へども | うつぎ |
さくら染てふスカーフは春の色 | はく子 |
桜散り学び舎四階子等の声 | 満天 |
一刷の風に香るや松月花 | えいじ |
初燕波止の工場軒潜る | きよえ |
十二単衣くるりと剥がす春筍 | あひる |
仏手石の指の長さよ花の冷 | なつき |
切り口はためらひ傷か新筍 | あひる |
先生に桜蕊降る離任式 | みきお |
朝風に千手振るごと青楓 | むべ |
筆圧の強き絵日記一年生 | みきお |
八重桜重し眠たし閻魔堂 | もとこ |
新緑の大樹佇む無風かな | たかを |
春疾風ネモフィラの丘大波に | 康子 |
謳歌する声聞こえさう百花かな | 明日香 |
両手あげ拙き歩み花吹雪 | ぽんこ |
足裏で春筍探るなぞへかな | 澄子 |
地に降りし花弁は浜に桜貝 | えいいち |
行春を物忘れてふ母とゐて | むべ |
牡丹散るしじま動物供養塔 | なつき |
すやすやと公園ベンチ桜舞ひ | 山椒 |
起こさるる戦火の如く春雷雨 | きよえ |
四阿を虜に落花畳かな | 康子 |
焼肉を囲み団らん八重桜 | 千鶴 |
夕桜白内障の目にまぶし | せいじ |
玻璃越しに腹を見せゐる春の蝿 | かえる |
つる薔薇のとびとびに咲く垣根かな | 明日香 |
カーポート穴だらけなり雹叩く | みきえ |
御守りを枝垂れ桜の宮に得て | たか子 |
明けぬれば雹の狼藉樋と屋根 | みきえ |
シャツ赤く染めて苺を食ぶこども | かえる |
山独活の溢る背負籠老婆の背 | 愛正 |
2024年04月16日 | |
青空にビルの白さや夏近し | 康子 |
日さすとき陰影しるき花の下 | せいじ |
終電に駆け込む人と花吹雪 | 智恵子 |
日に透きて綺羅の薄緑若葉かな | えいいち |
何急ぐ斜面転がる雀の子 | 愛正 |
大風に玉巻く芭蕉弄さるる | むべ |
ぬか雨に雫ぽつんと鴉の巣 | えいじ |
日翳れば影の薄らぐ花の陰 | せいじ |
繚乱の枝垂れ桜の傘のうち | たか子 |
理髪屋のごとパンジーを切り戻す | あひる |
雨戸打つ爆音ひびき雹来る | みきえ |
光の輪風に転がる散り桜 | 山椒 |
こづかひのあるだけ射的祭の子 | なつき |
悪童の暴に泣くごと散る桜 | えいいち |
田を返す棚田に響く機械音 | 愛正 |
花屑を踏みてよちよち幼かな | ぽんこ |
待合室患者の歓喜す窓の飛花 | そうけい |
子歌舞伎の声朗々と春祭 | 山椒 |
花の土手お座りの犬水もらふ | 智恵子 |
隣接の芝生の広場風光る | こすもす |
啓蟄の吾も動き出し外掃除 | あひる |
春疾風波闘ふか播磨灘 | きよえ |
春雷や雹も連来て木戸叩く | せつ子 |
春うららバス停横切る六車線 | みきえ |
十字架の塔抽んでし花の雲 | かえる |
花びらの川面ゆっくり鷺一羽 | 満天 |
ふかふかの春落葉踏む森の径 | かえる |
挨拶を短く交はし春惜しむ | 澄子 |
社家町の川底明かし春落ち葉 | もとこ |
薄雲にがんじがらみや春三日月 | えいじ |
白亜なる四阿囲むチューリップ | 康子 |
竹林のひと風ごとに軽き音 | 千鶴 |
しぶき散る波止の波間に残る鴨 | きよえ |
東風吹けばよろけながらも先ず一歩 | たかを |
ひと跨ぎ落花畳を避けにけり | 澄子 |
卓球場時おり入る若葉風 | こすもす |
寄せ植えの真中葉ぼたん茎立ちぬ | なつき |
山膨れ青葉若葉の目にぞ沁む | 千鶴 |
目を見張る杉菜ばかりの日陰路地 | そうけい |
飛花の渦落花の渦やつむじ風 | むべ |
玻璃窓を今ぞと叩く春の雹 | せつ子 |
2024年04月15日 | |
朝霧にすつぽり隠れわが町内 | わかば |
枝下し雀の家族団欒す | むべ |
人波の少し途切れて八重桜 | 澄子 |
薫風の岬彩る観覧車 | みきえ |
行く春の色香漂ふ山路かな | 愛正 |
巣を取られ電柱の先親鴉 | えいじ |
ユーチューブ見過ぎて今朝の朝寝かな | 千鶴 |
梵字書く石つくばひに遍路寺 | なつき |
寺門へと順に咲き初む躑躅かな | 康子 |
風光る海峡見つむ夢レンズ | みきえ |
朝霧の晴れて明るき日の光 | わかば |
石垣のわずかな隙間花すみれ | みきお |
外ランチテーブルはらり春落葉 | 山椒 |
花散りて赤のぼんぼりただ揺らぎ | ぽんこ |
日を弾く水面むかふも花菜畑 | 澄子 |
狭庭に咲く春の花花白多し | こすもす |
春祭り終へし安堵や酒旨し | 千鶴 |
撮影は花笠めきし花の下 | あひる |
自転車のかごに散る花二つ三つ | むべ |
外つ国の家族に譲る花の陰 | せいじ |
ガレージの何時もの場所へ燕来る | 満天 |
木々覆ふ小さき末社の春灯し | もとこ |
株立ちの燃ゆるマゼンタ花蘇芳 | えいいち |
花下微笑せる一門の女流かな | かえる |
カタクリの朝日に目覚め開く花 | 智恵子 |
満開の花を散らせて法螺法鼓 | はく子 |
母姉妹カフェを陣取り日永かな | 康子 |
春の暮散歩の人の増しにけり | えいいち |
筍の煮物昨日の今日卓に | せいじ |
明星井汲みて灌仏へと三杓 | なつき |
楽しみは順に咲きゆく春の花 | こすもす |
走り根に躓き歩く桜土手 | みきお |
菜の花見中洲陣取る群雀 | 愛正 |
里山に一人静の群れ映ゆる | 智恵子 |
モノレール下に子の家紅芽垣 | そうけい |
皿を割る社員になれと入社式 | 山椒 |
咲き満ちて常盤万作径覆ふ | かえる |
さまざまを枝垂れ桜に満ち足りし | たか子 |
葉桜にまた来春と想ひ寄す | きよえ |
小走りの小犬やサワワ春落葉 | せつ子 |
桜守の児童の記録花つぼむ | せつ子 |
子のゐない電柱にをり親鴉 | えいじ |
また明日声掛け合ふて下校の子 | きよえ |
2024年04月14日 | |
天覆う園を統ぶる楠若葉 | ぽんこ |
春暑し乗り子の叩く大太鼓 | 千鶴 |
山車の上のからくりくるり春祭 | 明日香 |
対岸のビル薄っすらや春霞 | みきえ |
警ら中桜の駐在所しづか | かえる |
花堤満席の舟巡りたり | 山椒 |
光撒く木香薔薇の庭訪ひぬ | むべ |
散る花に祭り太鼓の連打かな | たかを |
檀尻に道塞がるる春祭り | 千鶴 |
草刈りをせんといふ子の芝野かな | えいじ |
夕風に小袖振るやう白あやめ | むべ |
鳥の羽根めくひと刷けや春の雲 | かえる |
行春や竹林賑わす群雀 | 愛正 |
形良き五弁の桜胴に吹く | えいいち |
のどけしや白帆浮かべて須磨の海 | わかば |
花吹雪ファンタジーめく能舞台 | 智恵子 |
春風に余り進まぬ白帆かな | わかば |
花虻の花柄シャツへ急接近 | あひる |
たんぽぽをひとひら乗せて犬の朝 | たか子 |
苔むした岩が育てた芽立かな | 智恵子 |
残るはな光曳きつつ消ゆる窓 | 澄子 |
磨崖仏拝む山路や春惜しむ | 愛正 |
浜大根鳶の笛聞く朝の市 | なつき |
花虻に怯ゆる妹よな騒ぎそ | せいじ |
釣人の絵日傘回る日を追ひて | なつき |
ビル街をすつぽり包む夕霞 | 明日香 |
あの鳥は仙台虫喰らしと妻 | せいじ |
見上げれば微笑みかえす桜かな | たかを |
海の日や山の子海へ繰り出しぬ | みきお |
盃交わし言い訳を聞く春の宵 | みきお |
青鷺の泰然として身繕う | えいじ |
大吉の神籤結ひて若葉風 | 康子 |
同郷のひと隣あふ花の宴 | 澄子 |
春登山異国の人もコンニチハ | あひる |
千本の鳥居参道飛花落花 | 山椒 |
土手滑る赤白帽に花吹雪 | もとこ |
知れぬまに葉を出す欅夏近し | えいいち |
鳶注意ソフトクリーム慌て食ぶ | みきえ |
街路樹の一気に開く花みずき | 満天 |
祈祷殿出づる赤子に花吹雪 | 康子 |
グランドゴルフ場は貸切り状態花吹雪 | こすもす |
合掌す小雨の中の仏生会 | こすもす |
2024年04月13日 | |
そよ風にさくら花びらほろり降り | えいいち |
花冷えや阿修羅の頬に残る紅 | たか子 |
茎立の畠に黄花白花揺る | かえる |
啓蟄や島の畑に舟を漕ぐ | みきお |
終点の見えぬ満開花の道 | 康子 |
袖口をひと折内へ入園児 | 智恵子 |
部屋の朝日掛かるスカーフ首ぬくし | そうけい |
風光る新入生は皆笑顔 | 満天 |
春まつり檀尻太鼓響かせて | 千鶴 |
春しぐれ雨具にあがく一年生 | 愛正 |
春の奈良インバウンドが闊歩する | 明日香 |
雨多き年は豊漁若布干す | なつき |
庭隅の落花に埋まる小祠かな | 愛正 |
白木蓮天に向かって皆合掌 | 満天 |
草刈りをせんといふ子の芝野かな | えいじ |
ひとひらの桜の風に舞ひにけり | 山椒 |
沓裏に屑重ね往く花の道 | かえる |
切株の渦の真中に落椿 | あひる |
春深し名曲喫茶の飾り文字 | 澄子 |
祖母植えし瓦礫の中の水仙花 | みきお |
花万朶今を盛りの池巡る | わかば |
三日月や白き山吹暮れ残り | 澄子 |
水門に堰き止められし花の屑 | せいじ |
五部浄のまなざし遠く春の夢 | もとこ |
草原に紫の風花あやめ | むべ |
あめんぼう池独り占めしてスイー | きよえ |
四囲の山芽吹きの色に染まりけり | 明日香 |
海峡を跨ぐ大橋風光る | みきえ |
ブランコやペンキ塗りたて赤青黄 | たかを |
青鷺の泰然として身繕う | えいじ |
水脈引きて行き交ふ船や風光る | みきえ |
追いかけつこ桜の木々に小鳥たち | たかを |
紅や白躑躅咲き初む寺の庭 | きよえ |
桜降る息詰まるほど人を恋ふ | 山椒 |
竹林の白き光や著莪の群 | 康子 |
花の蕊残る小枝は桃色に | 智恵子 |
短パンに半袖子らの夏近し | えいいち |
水門を染めたる万の花筏 | あひる |
迷ひなく一気に咲けり花みづき | むべ |
恋猫か夜半に屋根裏駆くる音 | せいじ |
走り根を染め上げたりし花屑かな | ぽんこ |
傘重き病院出づる余寒かな | そうけい |
檀尻の法被衆ゆく春田道 | 千鶴 |
役行者の足の指先蜘蛛の糸 | なつき |
2024年04月12日 | |
よどみなく疎水に早し花筏 | むべ |
裏木戸の頭上明るき柿若葉 | 澄子 |
チューリップ咲初む狭庭赤白黄 | こすもす |
二歳児の笑顔で空へシャボン玉 | 満天 |
花屑を分けて大きな鯉の口 | 康子 |
銀輪のあとくつきりと落花道 | かえる |
ニ、三滴舌で転がし新茶汲む | みきお |
又出会わん真秀の花鳥誓い投げ | そうけい |
花屑のいつの間に積む三和土かな | たか子 |
二つ三つ寄り来てなせる花筏 | せいじ |
大川に映り込む花水に散り | ふさこ |
元少年スーツ短髪初出社 | 山椒 |
茅葺きの屋根包む如花吹雪 | こすもす |
春の鴉やニ羽と一羽に分かれ飛ぶ | たかを |
振り向くと全力疾走新入生 | たかを |
朝務め僧のあと追う花吹雪 | 愛正 |
花惜しみ再び訪へる城址かな | わかば |
垂れ衣の姫御前の如き桜かな | 山椒 |
佇めるひとりひとりに落花かな | 澄子 |
露台舞ふ日の斑の如き桜片 | かえる |
波止の苑順次咲き始む遅桜 | きよえ |
叡山を背に花満ちて供花ならむ | もとこ |
パトカーの馳す花屑を煽りたて | みのる |
犬膝におしやべり止まぬ花の下 | なつき |
みたらしを溢るる花の芥かな | みのる |
花筏里山を抜け河口へと | 智恵子 |
枝垂れたる万朶の花を川面へと | 満天 |
祝福のごとく総身に花吹雪 | むべ |
咲ききって妖しきさまに飛花落花 | 千鶴 |
木漏れ日とともに降りくる桜かな | あひる |
形良き流木拾ふ磯遊び | なつき |
頬白の飛び来て波止の苑賑ふ | きよえ |
花の下寄り来る鹿に触れもして | はく子 |
沿道に列なすスミレ濃紫 | 智恵子 |
途中から婆ばに背負わる入園児 | みきえ |
さつと挙げ朝の挨拶春帽子 | えいじ |
土手道や校歌と和せる春の風 | 愛正 |
花屑に埋め尽くされし疎水かな | せいじ |
バス停に春の花咲く鉢ふたつ | えいいち |
春うらら自分で祝ふ誕生日 | 明日香 |
あめんぼう小枝はひょいと交わしけり | 康子 |
天蓋のスウィートホームや鴉の巣 | えいじ |
廃村の破れ社や飛花落花 | 隆松 |
春落葉雨のごとくに風に舞い | ぽんこ |
婆と猫一角占める夏座敷 | みきお |
子のころと何処かの違う蒲公英や | えいいち |
春愁の空気の重さのしかかる | 明日香 |
大池へ寄する漣桜まじ | わかば |
車窓の花一色ににする市の公園 | そうけい |
惜春や甲羅干す亀向き揃へ | やよい |
2024年04月11日 | |
浜ゑんどうペットと入るカフェテラス | なつき |
朧夜の河渡りゆく車窓の灯 | 澄子 |
遠山は花の曼荼羅鍬振るう | うつぎ |
甘茶仏ミモザの金の花影に | うつぎ |
初対面泣く吾とひ孫うららけし | そうけい |
玻璃窓を涙ばしりすリラの雨 | みのる |
花曇り空埋め尽くすしろしろしろ | もとこ |
母さんの身長抜いたと新学期 | みきえ |
幼な手と作るお山の砂温し | 康子 |
花の帯臥竜の如き千鳥淵 | 山椒 |
遡る汐入川の花筏 | みのる |
花下に笑む一会の人は車椅子 | むべ |
閉じし手をどっと開くや紫木蓮 | 千鶴 |
静けさや遠蛙なく奥飛鳥 | 明日香 |
屋形船花のトンネルガラス張り | 智恵子 |
春愁や遺されし絵と対峙して | 澄子 |
紫木蓮祈りて合わす手を開く | 千鶴 |
満開の下なら濡れぬ花の雨 | えいじ |
菜の花の河原に色添えにけり | わかば |
花の下ノートに漫画描く子かな | なつき |
幼な手に花弁載せて花吹雪 | きよえ |
水玉の揺蕩ふ影やしゃぼん玉 | 康子 |
新茶入れ五感にしみて久しぶり | 満天 |
花見客浮塵子の如し九段下 | 山椒 |
草草に日のやはらかし風光る | わかば |
ふらここの吾子膝に乗せ手を翳す | ふさこ |
吾も鹿も桜吹雪のただ中に | あひる |
帰省子やまず仏壇に手を合わせ | みきお |
公園より道へはみ出し飛花落花 | 満天 |
山門を入るや飛び込む花手水 | みきえ |
春日透く裸枝にうすらと若葉色 | えいいち |
菫あり里の外れの日向土手 | 隆松 |
四肢伸ばし浮かぶ蛙や山の池 | みきお |
花曇を従へ聳ゆ白鷺城 | せつ子 |
四阿に天降る鳥語や花曇り | せいじ |
花の雲垂れて騒げり雨の宴 | えいじ |
花冷えや出掛けにかぶる毛のチョッキ | せいじ |
舞い上がる桜に窓を開けて置く | たか子 |
馬の仔の立ちて夜明けの缶コーヒー | 智恵子 |
林内に山延胡索煌めけり | 隆松 |
競ひ合ふごとくに芽吹く三輪の山 | 明日香 |
花の塵大地を紅く染めにけり | むべ |
古寺の順路に出合ふ山の蟻 | あひる |
落ち花を纏う軽トラ山下る | 愛正 |
鳶は空よりらんまんの花見かな | かえる |
夫命日落花に存問する墓前 | そうけい |
竹箒僧侶のはたく花の塵 | 愛正 |
ビル街の道先燃ゆる春夕日 | えいいち |
湿り帯びいのちを留む花の屑 | かえる |
船頭の水棹分け入る花筏 | せつ子 |
2024年04月10日 | |
囀りのホンキートンクピアノめき | せいじ |
こんなとこ胴吹き桜の息づかい | 愛正 |
武道館大屋根花に浮かびたり | 山椒 |
場所決めの家族会議や花の下 | えいじ |
満開の桜に風の容赦なし | わかば |
嵐きて見る間に落花畳なる | かえる |
赤松の勇姿に降れる春落葉 | ぽんこ |
お座船や波つくり去り花吹雪 | ふさこ |
堆肥より湯気立ち上がる春田かな | みきお |
講堂に歩む白足袋花の塵 | 愛正 |
四阿へ桟橋わたる菖蒲池 | みのる |
満開の花又花の車窓かな | はく子 |
花蘇芳雲払ふごと濃く咲けり | むべ |
路地うもる花くず踏むに惜しみける | 千鶴 |
澄み渡る鶯声聞きつ屋根修理 | 千鶴 |
傘の花囲む読経の花御堂 | あひる |
道灌の気分で貰う濃山吹 | こすもす |
花の雨揺らぎのやまぬ潦 | かえる |
目の前を驚かしてはつばくらめ | わかば |
雨に敷く歩道の落花畳かな | 康子 |
若草山くさもちめきて春うらら | あひる |
日向ぼこ同じ話しの繰り返し | みきお |
花筏分けて水脈引く番鴨 | やよい |
花は葉に孫の通ひし幼稚園 | せいじ |
赤信号じっと見ている入学児 | たかを |
雨粒を溜めて仰向く落椿 | 康子 |
横並び柵に腰かけ花の元 | たか子 |
申し訳の如く二三個土佐水木 | こすもす |
夕映をまとひ明るき柿若葉 | むべ |
陣旗立つ古井戸に花散り込めり | なつき |
入学式少し重そうランドセル | きよえ |
芝に映え真紅に燃る落椿 | えいいち |
焼け跡に息吹三笠の山笑ふ | もとこ |
風吹きてさくらの花の雪景色 | えいいち |
春泥に獣のいのち残しけり | 澄子 |
ばあばぁの鬼に追わるる春休み | えいじ |
鷺の巣の小島賑はふ宮の池 | 智恵子 |
七三分けダブルピースの入学子 | なつき |
大きめの制服を着し入学の子 | きよえ |
春の風邪ひねもすうつら伏せ至り | 澄子 |
どん尻のゴールの膝の春の泥 | 山椒 |
にわたずみ溢れ出発花筏 | 智恵子 |
2024年04月09日 | |
山峡を清めるごとく霞立つ | 明日香 |
「生きかた」てふ本読む少女春休み | せいじ |
道の辺の山吹揺らぐ空となり | ぽんこ |
小雨降るおもちゃの様な花御堂 | たか子 |
雨留むや紅ふっくらと夕桜 | きよえ |
雨ともに地に降り染むや桜散る | えいいち |
あれ程に待ちたりし君花と去る | ふさこ |
満席や食べそこねたるわらび餅 | こすもす |
切株に並べられある落椿 | むべ |
堀川は溢れる笑顔花の曇 | きよえ |
切り株の怒髪の先に花ひとつ | かえる |
風強く春の落葉を吹き上ぐる | わかば |
花の雲ヘリコプターの旋回す | なつき |
花の下幼子眠る乳母車 | 満天 |
花見つつ黄泉のみやげと義母の言ふ | えいいち |
鶯に励まされつつ試歩の杖 | 康子 |
花の宴ふわり渡さる紙コップ | 澄子 |
風誘う三和土に宿る花吹雪 | 智恵子 |
擁壁はピンク一色花の塵 | むべ |
満開の花近寄せてハイポーズ | みきえ |
影動き鳶かすめゆく花の雲 | 千鶴 |
花吹雪公園脇の我が家へと | たかを |
折れてなほらんまんと咲く桜の枝 | かえる |
この苑に老ひ幾たびの花の宴 | 澄子 |
それぞれにLINEで伝ふ花便り | 千鶴 |
パンジーの縁どる花壇みな笑ふ | みきお |
戦没碑何万枚の桜散る | 山椒 |
花の屑地蔵の赤きよだれ掛け | やよい |
ベビーカー子猫三匹乗せをりぬ | こすもす |
引越しや運転席の金魚鉢 | みきお |
春嵐電線唸り戸の乱打 | そうけい |
母と肩ならべて覗く犬ふぐり | 康子 |
花の雨潜りて会ひに阿修羅像 | あひる |
殴られし口の苦けり春の泥 | 山椒 |
触れもせでシャベルに幼虫土匂ふ | そうけい |
掘割へなだるる桜堤かな | みのる |
新しいランドセルへと桜舞ふ | 満天 |
廃城の陣旗めくる花の風 | なつき |
夏近し塗装新たなボート小屋 | 愛正 |
新入生ゲントにハルトカイトとト | せいじ |
桜東風荒ぶ海峡波高し | わかば |
裏返りなびく牧草風光る | 愛正 |
曇天に飾り鮮やか花御堂 | もとこ |
歩道橋しばし楽しむ花吹雪 | 智恵子 |
びつしりとコンビニ傘に落花かな | えいじ |
唐突に吾に向かひくる花吹雪 | あひる |
遠くでも近く尚良し桜花 | 明日香 |
全力のばあばに追わる春休み | えいじ |
2024年04月08日 | |
水面へと枝垂る桜の影写す | わかば |
五弁花もまじりて下る花筏 | むべ |
持ち寄りて和菓子洋菓子花の宴 | 澄子 |
里山に小流のあり歯朶萌ゆる | 隆松 |
花の下走り当てたるドッチボール | ぽんこ |
そわそわと桜見ているつがい鳩 | たかを |
幼虫にさてそろり掻く春の土 | そうけい |
花の雨幹漆黒に濡れてをり | 澄子 |
谷風に散りしきるなり山桜 | 隆松 |
葉桜の徐々に増したる先二寸 | 千鶴 |
義母を乗せ桜の道を巡りたる | えいいち |
風見鶏カラカラ唄う花吹雪 | 智恵子 |
胴吹きの桜一房家花見 | 愛正 |
縁側の挟み将棋や春休み | えいじ |
花雲に飛び込むジェットコースター | 智恵子 |
手を翳すマリアの像は著莪浄土 | かえる |
見張るかす千鳥ヶ淵に花霞 | 山椒 |
沿線の工場縫うて花の雲 | せいじ |
先輩と挨拶まわり新社員 | みきお |
ひとひらの落花舞い込む出入り口 | 愛正 |
熊蜂に止まられおじぎ花大根 | むべ |
大池の水際縁取る花の影 | せつ子 |
宇治十条結末語りて花散りて | ふさこ |
雨風にそがれる如く椿落つ | きよえ |
容赦なく雨満開の花散らす | 満天 |
カーブして川に沿ひゆく菜花かな | あひる |
赤黄白行儀良かりしチューリップ | 満天 |
花の池鴎飛び交ひ水に入る | わかば |
曇天に読経くぐもる花御堂 | もとこ |
同じ名の男の子五人の進級す | なつき |
猫の絵のおめめは黄色春の色 | えいじ |
花大樹深き傷もつ太き枝 | 明日香 |
石除けて種植え拡ぐ春の土 | そうけい |
やはらかに組まれ大樹の鴉の巣 | あひる |
土佐水木花から花へ雨伝ふ | きよえ |
停車中蟇横断の田舎道 | みきお |
落椿掌にのせ愛おしむ | かえる |
万愚節日を間違へて待ちぼうけ | みのる |
靖国の神門潜り花の風 | 山椒 |
青空と白雲を背に花の雲 | えいいち |
茅葺きの屋根を睥睨山笑ふ | たか子 |
行厨は花の下なり皆笑顔 | こすもす |
ビオトープ水面を埋む落花かな | 康子 |
風に鳴る戸袋に鳥巣のいびつ | なつき |
鏡なる湖面に桜ほの白く | 千鶴 |
花びらのイヤイヤするやう揺れてをり | 明日香 |
背伸びする幼の指に花吹雪 | せつ子 |
曇天に黄色映えおり連翹かな | こすもす |
湧水に渦巻いてをる花筏 | 康子 |
切株をベンチにふたり白日傘 | せいじ |
2024年04月07日 | |
露店前動かぬ駄々っ子花万朶 | みきえ |
試歩の母饒舌となる花の道 | 康子 |
ティグランド立てば樹間に初音かな | えいじ |
花曇長き首延べ恐竜像 | やよい |
等間隔の車とテント花見客 | こすもす |
鳥の巣の髪を気にせり進級子 | なつき |
春の泥まみれ球場後にせり | 山椒 |
灯籠にかかる枝ぶり桜どき | ぽんこ |
大川の水面染め上ぐ花万朶 | せいじ |
一角の空の明るき花菜畑 | 康子 |
次々とすずめ翔び立つ花の雲 | あひる |
手を伸ばし花に触れそうジャングルジム | 満天 |
礼服のパパと手つなぐ入学児 | せいじ |
うららけしグランドゴルフでハイタッチ | たかを |
ウエーブのごとくに風の花菜畑 | 澄子 |
麗らかや幾つも並ぶ泥団子 | 澄子 |
純白の堂の桜や房たわわ | 千鶴 |
花筵異国の歌を合唱す | なつき |
花の幹猿の腰掛け真ん中に | 明日香 |
黄砂降る徹夜の明けし官庁街 | 山椒 |
鴨引くや沼広々と静かなり | みきお |
尻ひとつおもてに浮かせ残り鴨 | かえる |
葉隠れのひと啼き残し揚雲雀 | かえる |
花盛りトンネル友と潜り行く | きよえ |
公園の腰掛埋まる花見かな | 満天 |
帯状に連なり浮かぶ山桜 | 千鶴 |
大木にまきつく蔓や木下闇 | みきえ |
本堂に吹きいる落花無人寺 | 愛正 |
池鏡へと高舞ひて飛花落花 | みのる |
降り注ぐ落花浴びるや六地蔵 | 愛正 |
咲きたるも散り始むかな今日桜 | えいいち |
風光る日時計に友待ち合はす | わかば |
アドレスのヘッド震わす初音かな | えいじ |
海峡を過る巨船や風光る | わかば |
花疲れ温泉街の下駄の音 | ふさこ |
フリマいま賑はふ花の城址かな | みのる |
思春期の子もほのと笑む花の下 | あひる |
日に朱く実の熟すごと楠紅葉 | えいいち |
ネモフィラの丘に風車や春爛漫 | たか子 |
土埋木苔竜胆の群れ可愛い | 智恵子 |