2019.12〜2020.11の自選作品集です。
2019.12〜2020.11の自選作品集です。
参加年 = 2010年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 大阪府
倒木は倒木のまま山眠る
自家野菜盛る麹蓋枯木宿
春浅し馬場やや重とアナウンス
ランタンとせる竹筒に花の屑
墨痕のみことば涼しミニチャペル
礼拝の前の静寂蝉しぐれ
秋晴や運転免許返納す
ちびつ子のドンマイの声秋澄める
秋灯下更の聖書に線を引く
峡の道落葉時雨となりにけり
昨年12月の忘年句会を終えたころは、今年がこのような年になるとは予想だにいたしませんでした。3月以降、吟行や句会をともにすることもなく打ち過ぎた1年でしたが、ネットの俳句たちを通して、お会いできなくても皆さまの日々のご様子を垣間見ることができました。新しい仲間も増え、よき刺激を与えられたこともうれしいです。コロナが落ち着いてまた吟行や句会をともにできますよう祈っております。末筆ながら、みのるさんのさまざまなご配慮に感謝いたします。
参加年 = 2004年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
千体地蔵お顔それぞれ冬帽子
恙なく無口な夫となずな粥
テニスボール探す足許犬ふぐり
鐘一打余韻嫋嫋山笑ふ
寿老神光背のごと緋のつつじ
神在す村の要の楠若葉
梅干の天地返しや笊の中
観音の御手に触れもす秋の風
稔り田に山影落とす能勢街道
水鳥の助走の長き水しぶき
この一年コロナ禍で二月の園田競馬場以来みのるさんや皆様とお会いできませんでした。唯一この秋に大阪組で二回吟行しましたのが良い思い出です。来年は穏やかな年でありますようにと願っています。
参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 兵庫県
黒豆の艶上々や年用意
地蔵堂香煙絶へぬ小春かな
バイバイをして幼子の雛納め
よだれ掛け涼し双子のお食ひ初め
吸物に菜の花浮かせお朔日
巡り来る花時夫の忌なりけり
すれすれに舟傾かせ箱目がね
畦道に春耕の土匂ひけり
いにしへの古戦場あと鵙猛る
開け放つ土間に車座新酒酌む
二月の定例句会吟行は都合で欠席しましたので、唯一、十月に大阪組での慶沢園ミニ吟行のみという淋しい一年間でした。毎週、兼題、ZOOM句会の開催や のページの模様替えなどみのるさんには本当に頭が下がります。来年の早い時期には、これまでのように吟行句会が出来るよう祈るばかりです。
参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
切干の反りはじめたる冬日向
朱の椀に七種粥のみどり濃し
涅槃図に座して嘆きの声聞かむ
金閣寺白変したる春の雪
ベビーカー双児の寝顔聖五月
南座へ裾さばき美し白日傘
暑気払泡こまやかに抹茶点て
月光に濡れてうつくし大甓
鶺鴒のタクトに瀬音高鳴りぬ
コロナ禍のお洒落なマスク文化の日
今年はコロナでお会い出来ませんでしたが、来年こそはお会いしたいですね。
参加年 = 2018年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 徳島県
臼囲む男衆餅の湯気の中
初染や藍竈に聞く泡の声
白杖の足を止めたる夜の梅
石仏の日あたる肩に青蜥蜴
遠山の透けてみどりの金魚玉
乳牛の乳房張りたる大夏野
異国へと尾灯瞬く星月夜
月光にくびれ深まる観音像
少年の右手高々と海螺廻し
丸き背に北風いなす川渡し
2018年12月より参加させていただき、丸二年になります。毎日句会は休まず投句しよう、が目標でしたが何とか達成できました。 1年間720句からの厳選10句です。こう並べますと感慨深いものがあります。みのるさん、会員のみなさんありがとございました。
参加年 = 2020年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 島根県
カレンダー二つ並びて師走来る
合掌と合図の鋭声寒修行
声揃ふ作努の白息永平寺
湯気立てて水足すだけの一日かな
マグマ噴くことを忘れて山眠る
スイッチの紐つぎ足して炬燵守る
熟し柿落下するのに迷ひ無し
冬帽の色で呼ばるる立飲屋
跳ね出しは踏まれてしまふ鰯漁
しんがりとなりて吟行秋山路
毎日句会の特別会員に入れて頂きまだ二ヶ月です。ここでは勉強になることばかりで、とくに秀句合評は楽しく拝見しております。みのる様、皆様に心より感謝申し上げます。
参加年 = 2015年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 神奈川県
竹林に華やぐ野点秋日和
故郷に帰る家なし零余子飯
野仏を囲みて風の千草かな
藪椿天蓋なせる磨崖仏
観覧車桜吹雪の高みへと
水遊びおむつ一つで恵比寿顔
雛祭り母を偲びて手まり寿司
稲妻の四囲に轟くゲリラ雨
芽柳のつつく水面に稚魚遊ぶ
漁火に踊る鵜匠の影法師
未だ霧の中をもがいてますが、お陰様で俳句あっての日常です。
参加年 = 2003年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 兵庫県
トロ箱にふくれつ面の河豚糶らる
鰤起こし闇に轟く旅枕
立葵谷戸に明治の木の校舎
宿下駄の弱き鼻緒や蛍狩
浜木綿や一湾望む遭難碑
魚河岸に高知弁飛ぶ初鰹
就中女鵜匠の凜凜しかり
身構へし守宮の喉の息遺ひ
弁慶の男泣きする菊人形
一村の眠りに落ちて星冴ゆる
日頃は大変お世話になり有り難く厚く御礼申し上げます。毎日句会は申すに及ばず、毎週句会、兼題句会、Web句会と増やされ、新人も増えしかも実力揃いで尻を引っぱたたかれて居ります。頑張らなくてはと思って居ります。コロナで皆様に久しくお会い出来ませんが、又の機会をお待ち致します。どうかお元気で!
参加年 = 2015年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 大阪府
園児らの太鼓一打にどんど焼
日溜りに押しくら饅頭寒雀
花吹雪鍬休めをる老夫婦
箸使ふこともリハビリ五月来ぬ
渋団扇火入れ祝詞の登り窯
渡月橋日傘を肩にモデル嬢
男衆の野菜乱切り芋煮会
名月や一駅前でバス降りる
杉玉を吊し新酒の試飲会
千枚田天地返しに落葉鋤く
首の頸椎異常等で一年間苦しみました。来年こそは健康で、また皆さまと吟行句会に参加出来る事を願って治癒を頑張ります。
参加年 = 2016年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
裸木に輪廻の芽吹きしかとあり
梅東風の日に集ひけり祝膳
パドックへ騎手の一礼草青む
花散らす程にはならず小糠雨
はしやぐ火を叩いて叱る野焼きかな
児等去りて音の調ふ夏の川
心太茶屋の緑の透けてをり
刃を噛んでにつちもさつちも栗南瓜
鰐口を打てば余韻の音さやか
洞門の手鑿の痕やそぞろ寒む
外出の出来ぬ一年でしたが のおかげで、ほぼ毎日投句出来ました。来年は新しい方とも吟行に行ける事を願っています。
参加年 = 2020年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 兵庫県
晩夏光試合終へたる球児の背
馬鈴薯の花を過ぎればオホーツク
百余年絶へぬてふ水新豆腐
今日はどの猪口を選ばむ温め酒
秋耕の影のびにのび夕日落つ
五箇山の縄もて縛る新豆腐
海峡の町沁みわたる夜の霧笛
天平の仏の笑みや菊日和
塾帰り最後は走る枯野道
暮れゆきて枯野に遠き山家の灯
今年の一月から半年間添削指導を受け、八月から毎日俳句に入会させていただきました。人様に読んでもらえるような俳句を毎日二句つくることは本当に至難でアップアップの毎日です。実質俳句一年生の今年を振り返って、初めての添削で「俳句に程遠い」とおしかりを受けた当時から、多少なりとも成長しているだろうかと自問しているところです。今後ともよろしくお願いします。
参加年 = 2011年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 愛知県
靴紐を結び直せり初みくじ
中洲なる花菜明かりに鳥あそぶ
歩き初む児と蝶渡る太鼓橋
お迎へのママへと土筆一握り
水たまり畑に広がる穀雨かな
護符焚いて新樹の杜をけぶらしぬ
万緑やコロナ禍なれど深呼吸
星空の下にピザ窯避暑の庭
西日中巨大迷路を脱出す
庭木々にイルミネーションクリスマス
一年を振り返って、今と全然違う日常だったことに驚きます。毎日句会に参加して、俳句が日記のようになっています。コロナ禍でも変わらずに続けられて、本当に良かったと思います。ありがとうございました。
参加年 = 2010年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 山口県
竹林の穂先を染めて寒夕焼
うぐいすの声の間近に耕しぬ
大干潟真白に光る群れ千鳥
鯉幟わが里山の天辺に
一郷の端から端へ杜鵑
休み田の吾が丈超ゆる草を刈る
引き売りの喇叭の音や秋深む
金風に乗りて海へと千切れ雲
作業着に焚火の匂いつけ戻る
子狸の眠る小春の休耕田
みのるさんご指導有難う御座いました。お陰さまで苦吟しながらも令和2年の年の瀬を迎えることが出来ましたが、一日一句が大変なことも良くわかりました。歳を重ねると動きも感性も減退し高みを目指す気力も落ちるようです。だが、句友の皆様方の作品を拝見しながら力を頂いています。これからもよろしくお願いいたします。
参加年 = 2020年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 神奈川県
蜩の間遠となりぬ湯屋の窓
狂ひなき研ぎ師の手元秋の水
ひとり寝や夢に夫訪ふ秋の夜
金色の芒の海に呑まれけり
杣道のしるべとなりし烏瓜
帰る友釣瓶落しの影法師
身に入むや戦火に耐へし礼拝堂
紅絹色の爆ぜんと孕む檀の実
茶の花やいにしへ偲ぶ館跡
冬満月地球の影の仄かなり
添削指導を受けはじめて一年、毎日句会に参加して四ヶ月になります。みなさまの句の視点や発想に多くの刺激をいただきました。コロナ禍の中、免疫抑制剤を投与している私には何よりの慰めでした。みのるさんと 会員のみなさまのご健康をお祈りしております。
参加年 = 2016年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
若楓揺れて水面に触れにけり
奏で初む待春の川見て飽きず
志新たに開く初日記
左義長の炎天まであがれかし
紅葉濃し大観の絵を想ひけり
雛飾る座卓は隅に追いやられ
茗荷の子縦に横にと微塵切り
ルノアールの女の瞳暖し
耳あてて水琴窟の春を聞く
玉の日を吸つて膨らむ大手鞠
いつもご指導を賜り誠にありがとうございます。おかげさまで細々とですが俳句を続けさせて頂いております。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
参加年 = 2004年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
吹き渡る松風涼し廃寺跡
ランプの灯映す窓辺の濃紫陽花
雨雫抱きたるままに芙蓉閉づ
ほととぎすけふは高音に真昼時
花栗のにほひに咽る能勢路かな
コスモスに次の風待つ楽しさよ
前をゆく祇園舞妓の日傘かな
湯たんぽや昭和の薄き敷布団
蕎麦の花いよいよ白し夕まぐれ
鳴き砂の鳴かずに乾く冬の浜
コロナ禍のなか、ゴスペル俳句に感謝いたしながら があればこその一年でした。能勢の吟行にまた皆様とご一緒しましょう。
参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
孫の嫁加はる一家初写真
子らの声届く高階日脚伸ぶ
ほろほろと樹より零れて寒雀
春うららポンポン船の小気味良く
園児らの植えて満開チューリップ
島と島つなぐ大橋五月晴
どんぐりの釣合ひよろしやじろべえ
晩学の一人の夜長楽しめり
竹かごに野の花挿して卓涼し
十五夜の遊ぶ雲さへ無かりけり
俳句を始めてずいぶん経ちます。当然ながら年齢も増え続け、脳力?体力は下降するばかりです。今年は吟行もほとんど行けず残念でした。来年は行けますようにと祈るばかりです。みのるさん、皆様、今後ともよろしくお願い致します。
参加年 = 2010年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
時なしの鐘の余韻に年惜しむ
初座敷書院障子に松の影
半日を寄席に笑ふて骨正月
校訓は質実剛健梅真白
サイン帳互ひに記し卒業す
馬場うらら騎手の黄帽子赤帽子
あぢさゐ園課外授業の声弾む
コロナ禍の事も告げつつ墓洗ふ
紅葉もゆ千歳の古刹埋め尽くし
読みたい本読める幸せ文化の日
コロナ禍のために皆様との吟行もかなわず不安な一年でしたが、毎日句会がよりどころでした。
参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
コンバイン去りて刈田の匂ひけり
竹叢を丸く組伏せ梅雨滂沱
出水禍に消ゆ思ひ出の湯宿かな
胸張りてモデル歩きや羽抜鶏
肥を得るための驢馬てふ園小春
手に掬ふ能勢の湧水新樹光
風五月セーラー服の一団に
晩酌は薩摩白波目刺焼く
山祇に落とす賽銭つくつくし
継目なき松の柾目の廊涼し
コロナ禍、豪雨、猛暑、私的にもざわざわした一年でした。投句率40%と不甲斐ないですが10句選べたことはみのるさん、皆様のお陰です。吟行句会の緊張感が懐かしいです。早い再開を祈っています。
参加年 = 2010年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 広島県
初旅は日本海の蟹料理
初生りの胡瓜根性曲りをり
満作や日差し溢るる中庭に
舫ひ綱張りては弛む春の波
百千鳥声の一つに聞き覚え
紅葉山射抜き疾駆すハイウエイ
山紅葉なだるる谿の深さかな
紅葉谿埋め尽くしたる楓かな
燃え盛る紅葉の並木通りぬく
一塵もなき参道の寒さかな
長年俳句を詠んでいるのですが、俳句になっていない気がして初めから勉強し直そうと思います。私の欠点は物事の真底まで見ようとしないことです。上辺だけ見て深く調べないから上達しないのでしょう。初心に帰って本物の俳句が詠めるように努力いたします。
参加年 = 2004年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 兵庫県
枝先に寄り添ふふくら雀かな
絵筆持つ窓辺の机日脚伸ぶ
海に向く砲台の跡かげろへる
春塵や並ぶ宮居の道具市
山腹へ展ぐ棚田や青田道
遠会釈日傘を上げて応ずなり
林泉の風のさざなみ秋の声
山襞を撫でゆく霧の速さかな
天険の城址は雲に山粧ふ
対峙する白き櫓や菊日和
先の見えないコロナ禍の中、みのるさん、グループの皆様に支えられ、なんとかゴスペル俳句が続けられたこと感謝致します。新しい年には、皆様とご一緒に吟行に参加できればと心から願っております。
参加年 = 2018年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 宮城県
玉串の葉擦れ涼しき地鎮祭
草刈りて大の字に寝るなぞへかな
不動なる射手のまなじり夏袴
調律の音色漏れくる夕焼かな
撃ち下ろす面の一と声堂涼し
魚臭き釣り銭もらふ土用かな
折鶴に息吹き込むや沖縄忌
合掌を解いて涼しき涙かな
風鈴や父の棺に釘打てば
骨壺にほのかな温み沙羅の花
ゴスペル俳句と出会い、みのるさんに学ぶことが出来て本当に幸いでした。道に迷ったとき、いつも が私の指針になっています。
参加年 = 2018年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 群馬県
梅の香の袋小路の土蔵塀
揚土を雀啄む春田かな
梅咲くや疎林に古りし一軒家
能舞台絶え間なく舞ふ花吹雪
独活香る媼の背負ふ籠の中
水郷に流る舟歌鳥曇り
風花や鬣黒き放牧馬
露天湯の湯気にこもりし声朧
係留の小舟に絡む糸柳
敷石の窪みにひかる薄氷
会員の皆さまとお会いしたことはありませんが、添削指導を受けて3年が経ちました。今ではすっかり俳句を楽しむことが生活の一部となっています。年度作品の応募資格があるとのことですので恥ずかしながら10句自選いたしました。これからもよろしくお願します。
参加年 = 2018年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 千葉県
ふらここの高みに海の風匂ふ
湧き水を手杓で掬ふ春の苑
芝焼や煙がくれに火の走る
アイロンの折り目涼しきユニホーム
館出でて一斉にさす日傘かな
能登島の入り江に映る秋灯
行く秋や梵鐘を撞く一人旅
冬ざるる能登の岬の空き旅館
待ち人の裏木戸に踏む霜柱
推敲の刻を重ねる膝毛布
今年は、コロナで吟行に出かける機会も少なく句材には苦労しました。来年は少しでも多く出かけられること願っています。選句により多くのことを学ばせていただきました。これからもよろしくお願いします。
参加年 = 2005年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
新緑の山近づけよ遠眼鏡
端つこの破れし寺宝の涅槃会図
露地奥に古書肆の点る夜長かな
稜線の影くつきりと冬茜
枯蓮自信の持てぬ骨密度
手に取りてしみじみ大き朴落葉
ハロウィンのかぼちや泣き顔笑ひ顔
妙見山の名水で炊く今年米
せせらぎに秋の声きく初音川
短冊に五歳の願ひ星祭
今年はコロナで終わってしまいますが、来年は皆様とご一緒に楽しい句会を開く事ができますように、願っております。
参加年 = 2018年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 兵庫県
ひつぢ田の果てなき向ふ高嶺晴
重箱の隅拭き上ぐる六日かな
初旅の案内やはらか伊勢ことば
マルクスも紙魚の住処となりにけり
かき氷をんなの愚痴に山崩れ
江戸切子酒に色差す夜の秋
胸厚き一木如来秋の里
飛ぶ星に願ふ間もなき島泊り
庭の柚子削ぎて一碗香を愛づる
コロナなどどこ吹く風と日向猫
2018年1月の句会から参加させていただき、三年になります。のらりくらりとしておりましたが、今年のコロナ禍に心入れ替え、毎日一句は頑張ろうと投句し続けて、年度作品集にも参加することができました。みのるさんの打てば響く俳句システムのお陰と感謝しております。来年はどこ吹く風と吟行句会に参加できますように!
参加年 = 2016年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 和歌山県
玻璃戸拭く小春の雲に触れもして
湯けむりの匂ふ湯の町冬うらら
日脚伸ぶラジオ窓辺に針仕事
主留守の犬小屋統ぶる寒すずめ
ショーウインドーに髪整える春の風
黒潮の風に痩せゆく目刺かな
追熟の青梅かほる厨かな
道を問ふ人見当たらず立葵
葉裏なる空蝉背より雨しずく
石ひとつケルンに重ね縦走す
まさかの夫の長い闘病生活でなかなか俳句と向かい合うことができないこの頃ですが、沢山の新会員さんの参加に刺激を受けています。 来年は吟行句会に参加できればいいなと思っています。来年もご指導よろしく願いします。
参加年 = 2010年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
暖かや母の瞳に児ら遊ぶ
明智寺京射干の紅一花
ロレンソの通りし道や山卯木
暫くは草の匂ひす蛍の手
煙草屋の軒の燕と雨宿り
見回りの神官腰に蚊遣り香
あとで効く母の小言や唐辛子
夕散歩木の実と分かる足裏かな
麻雀もカードも知らず葛湯吹く
改易の天守なき濠浮寝鳥
災いの多い一年でした。 「災いを転じて福となす」の例えの通り、コロナ禍の中みのるさんの次から次への課題にアップアップしながら何とか句作に取り組めたことに感謝しております。みのるさん、皆さま有難うございました。
参加年 = 2019年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 大阪府
夢ひとつ心に秘めて初詣
大空に観覧車置き日脚伸ぶ
下萌や少女のリユック鈴鳴りぬ
春埃夫の残せし地球儀に
近江路や店の生け簀に梅雨鯰
小流れの暮れて蛍の夜となりぬ
暮れてなほ畳に残る残暑かな
小春日やピエロの招くカフェテラス
夫の書庫静かな匂い秋深む
園児らの無垢の瞳や聖夜劇
お仲間に入れて頂いて約1年半になります。楽しく勉強させて頂いております。
参加年 = 2020年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 兵庫県
長竿を振り出す池塘行々子
咲き満ちて刈るには惜しき姫女苑
手の甲にペタリ冷たし雨蛙
受付のアクリル板や梅雨寒し
ワイパーの掃く水重き驟雨かな
一坪の畑の恵みや薩摩藷
納竿を見据えしやうに鯔の飛ぶ
太刀魚の釣られて光る夕の波止
コロナ禍に幕間の咳もはばかりぬ
笹原を揺らすは熊か木枯しか
今年の5月から参加させて頂きました。私は皆さんのように多作ができず、毎日1句が精一杯ですが、何とかマイペースで楽しんで継続しています。コロナが明けて皆様とお顔合わせができる日を楽しみにしています。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
参加年 = 2003年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 奈良県
うららかやパドックの馬よそ見して
遠目にも桜とわかる四囲の山
新緑や万古不易の石舞台
まほろばを取り囲みたる青嶺かな
大和富士のみに日矢さす梅雨晴間
山の辺に辿るいにしへ法師蝉
二上山を浮き上がらせて霧の海
身の内に命あふるる冬木の芽
袖合はす山のあひより冬の靄
福耳の人頭石や冬ぬくし
みのるさん、GHの皆さま、今年もいろいろありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
参加年 = 2002年頃
性 別 = 女性
都道府県 = 千葉県
参磴の一歩一歩に淑気満つ
ペン先に滲むインクや春愁ひ
モノクロの映画懐かし梅雨籠
山肌をなほ濃くしたる緑雨かな
湧き出づる清水や銀紙揉むごとく
日焼けして歯並びの良き笑顔かな
手をほどき駆けだす吾子やねこじやらし
水みくじ浮かべし御池澄めにけり
盆の月照らす実家に母ひとり
月冴ゆる闇に波音ばかりなり
みのるさん、いつも丁寧なご指導を本当にありがとうございます。そしてみなさんのお句にいつも勉強させていただいています。体調不良が続き、ここ10年ほど俳句から遠ざかっておりました。数年前再開をするときに「作句の壺」や「上達への近道」がとても勉強になり、またみなさまのお仲間に入れていたたけたこと、本当にありがとうございます。これからも、マイペースに自分らしい俳句を詠めるようにがんばりたいと思います。来年は、少しでも心穏やかな1年を迎えられますようにお祈り申し上げます。
参加年 = 2000年頃
性 別 = 男性
都道府県 = 兵庫県
三線にうたふ故郷や花筵
路上ジャズ拍手喝采花吹雪
蓑虫のもろ肌脱ぎに貌だしぬ
畦に買ふ百円野菜曼珠沙華
ワルツはたサンバや風の秋桜
母の髪すけば小春の日の匂ひ
寄り道の旅の足湯にしぐれけり
ドヤ街の焚火にあたる巡査かな
放牧の牛呼ぶ声や日短
巻き癖の玄関マット冬支度
10年ぶりに年度作品集を編纂できましたことをうれしく思います。今年は、予想だにしなかった新型コロナウイルスとの戦いに終止した日々ででしたが、みなさんのご協力があったからこそ、ここまで継続できたのだと思います。いまなお続く感染拡大の状況を見聞きしていますと、早期に元の生活に戻ることは至難で、今後も長期の忍耐が必要になりそうです。そのためには、新しい俳句ライフのスタイルについて更なる工夫が必要になると思います。
この素晴らしい の交わりの輪を絶やすこと無く育て広げていくためにも、参加者のみなさまのご支援は不可欠です。互いに切磋琢磨し、支え励まし合いながら、期待と希望をもって2021年度の歩みを励みましょう。感謝!
Merry Christmas!
皆様に沢山の幸せが訪れますように!