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2026年2月28日

手かざしへ丘の春光容赦なく えいじ
うすらひや芥を乗せて流れおり きりん
春光に太公望のうたた寝や きりん
薄氷に犬とホップの親子連れ かかし
畝の間に薄氷ありぬ一枚田 和繁
老幹の洞に春光満ちにけり 康子
春光や阿弥陀如来の眼の細く あきこ
うすらひのオブラートのごと解けにけり きりん
薄氷に綺羅の生まるる朝の池 むべ
春色の街を歩けり薄化粧 えいじ
鳶の群れ翔べば春光ゆらぎけり 勉聖
一と筋の春光とどく山の家 よし女
春光の溢るる丘に師弟句碑 康子
すきとほる薄氷軋み水ゆがむ あきこ
川岸の薄氷となり光るなり わかば
日の昇り池の薄氷動き初む むべ
うすらひを割る音胸に残りけり あきこ
暖かや一歩入れば木の香と火 こすもす
春光に香の溢るる花手水 康子
春光に壜の球根けふ咲けり えいじ
春光や石段白く乾きたり 博充
春光の帯となる川村はずれ なつき
春光や雲切りゆけば富士の嶺 勉聖
春光や苔むす岩の仏めく なつき
尾根歩き春光の森広がりぬ むべ
池の面の風紋なせる薄氷 わかば
薄氷を割りて漬物取り出しぬ 澄子
薄氷やひょうたん池にくびれあり なつき
春景や畦の白杭ひとつ立つ 博充
春光の沖に水脈引く船の影 わかば
薄氷に留めし風の記憶かな 澄子
春光や航く船そして返す波 よし女
大路いま隈なく春のひかり充つ 澄子
春光を受けて野焼きの烟かな えいじ
翼船の一ひく水脈に風光る みのる
春光を蹴って飛び去る小鳥どち 澄子
窓越しに春光の菜を頂きぬ よし女
春光や風に紅茶の波揺るる あきこ
春色の茶碗の縁の光りをり 博充
春望の多摩の横山かち歩み むべ
薄氷や底を流るる水の音 勉聖
海難碑こんなところに薄氷 よし女
春光や松の梢の尖端に むべ
春光の彩窓畳に色落とす よし女
うすらひや透かして見やる夕茜 きりん
うすごほり水路の隅に残りけり 博充
地団駄に道の薄氷踏む子かな みのる
春光を纏いて探る詩歌かな わかば
春光や一番列車動き出す わたる
春光を浴びし漣遊覧船 かかし
回収箱に投入済ませ懐炉かな こすもす
春光の湾処に動く稚魚の群 わかば
ふと絵踏思ひ薄氷踏みにけり みのる
春光や心配事のひとつあり わたる
春光や冷雨ぽつぽつ頬に落つ 勉聖
春光や図書館ロビー溢れをり わたる
お不動に春光の水手向けけり みのる
家族分並ぶ玄関スノボ板 こすもす
薄氷や割りて登りし大比叡 きりん
春光を弾く鉄橋只見線 わたる
春光の少し足らざるしのぶ山 和繁
春光や風の撒きたる川の綺羅 康子
薄氷や踏めはひびゆく朝の道 勉聖
門出の子新たな服に春の色 かかし
春光のリズム軽やか割烹着 かかし
護摩供へと薄氷踏みて修行僧 なつき
スポークに回る春色丘の道 えいじ
水底に春光揺らぐ手水鉢 みのる
春光や手に並べたるシーグラス なつき
薄氷とたゆたふ池のボールかな 康子
春光の遠投競う軌跡かな わたる
春光や畳の端の影薄し 博充
春光を掬ふ柄杓となりにけり 澄子
春光や焔天突く登り窯 かかし

2026年2月28日

静まれる城址の森の木の芽かな わかば
訪ふ城の木々の騒きて木の芽吹く わかば
壺いっぱい梅の小枝や句会場 こすもす
一旧家臥龍の梅を宝とす みのる
潮風に色を深めて梅咲けり 花茗荷
鳶の笛一と際高く芽木林 よし女
切通芽木の萌黄や浅緑 むべ
梅東風や絵馬カタカタとかろき音 澄子
木の芽風蕎麦屋の幟はためけり 博充
ドリブルの少年一人芽吹く木々 和繁
宇治川の流れ速しや芽木の色 きりん
木洩日を縫ふ道に芽木芳しき みのる
風なくも鳥どち散らす梅の花 康子
芽木暮るる帰り遅れて鳴く鴉 よし女
芽木ひかる森の小径や美術館 むべ
盆栽の若葉競ふや芽吹きどき 勉聖
老幹に命かよひて梅万朶 澄子
白梅や石のひびより水滲む 博充
梅満開今は昔や通学路 こすもす
六段の調べ昂る春うらら 花茗荷
老梅や我も傘寿を越えにけり 勉聖
飛梅やいざ飛び給へ吾の地にも きりん
片目明け青空見上ぐ如く芽木 こすもす
古寺や千年の枝に桜の芽 勉聖
点々と緑小さや木の芽山 こすもす
焼きいも屋の声のしみ入る梅の園 えいじ
白梅や光を集め山の裾 花茗荷
いにしえの賀名生の梅や重なりて きりん
見えねども香に導かれ梅日和 むべ
てんでんに名札掲げて梅ひらく えいじ
梅の芽やさぐる指さき空青し 勉聖
芽木匂ふ奥院に笑むえびす像 康子
籠の鳥行き来止まずや鉢の梅 和繁
かづら橋足下の谿の芽木匂ふ みのる
広縁にお薄賜る梅の寺 澄子
乳色の八重にほころぶ野梅かな むべ
赤子抱き一族郎党梅の宮 みのる
鎌倉を望む城址に芽木の風 むべ
曇天に灯る匂ひや梅の花 えいじ
雪柳細き枝枝木の芽張る わかば
投げ入れの梅伸びやかに祈祷殿 康子
梅一輪塀の向かうに犬吠ゆる 博充
梅の香もまるごと撮りぬ二人連れ えいじ
紅梅に短冊を吊り天満宮 よし女
凛と空見ごろ迎へし梅の花 よし女
米粒の如点々と芽吹かな こすもす
空き地ゆく紙片白し木の芽かな 博充
せせらぎの音に目覚めし芽木の宿 澄子
潮風の香がないまぜに梅の山 みのる
久に訪ふ城址に香る梅白し わかば
廃屋に野梅となりて咲き誇る 澄子
芽木萌ゆや桜のかたち宿しをり 勉聖
まだ固く黒き擬宝珠や芽木の先 きりん
梅林の起伏一服茶屋まんじゅう よし女
かんば来てガザニアしおる花壇かな 董雨
球根の壜を凌駕の芽立ちかな えいじ
梅の香に誘われ綴る城の道 わかば
臘梅の花残し咲く青空下 董雨
梅の花古井戸端に桶傾ぐ 博充
とりどりの色の名札に木々芽吹く 康子
日矢さして木の芽眩しき雑木山 康子
鳴滝や蕉翁の梅白きまま きりん

2026年2月14日

目覚めれば川に朝霧立ちこめて 藤井
セピアなる葎を分けて草萌ゆる みのる
春寒や風を翼に群雀 えいじ
下萌や目覚むる細枝鳥の声 勉聖
揺れ残るタオルの端や風光る 博充
春浅し松の緑の濃く硬く 花茗荷
冴返る障子に影の留まりぬ 博充
下萌や名草醜草へだてなく 澄子
熱々の蕎麦運ばれて春寒し むべ
われの足跡だけの春の雪 藤井
春寒の磴の薄影残りけり 博充
膝掛けの配らる通夜や春寒し こすもす
春寒の屋根の鉄板軋みけり 博充
春寒し能登のバス停日に二便 花茗荷
下萌に飛沫をとばす水車かな みのる
下萌や菟道離宮の檜皮葺 きりん
霾るや老いの足元たよりなく 藤井
下萌に黒ぼこあまた土竜道 康子
春寒し山の稜線くっきりと 花茗荷
アトリエの画架の軋みや春寒し 勉聖
下萌や腰を下ろせば伊吹山 きりん
ひろびろと国衙跡にも草萌ゆる むべ
春寒し末社を風の折り返す なつき
コロツケパンの移動販売下萌ゆる なつき
辞書割って拾ふ一字や下萌ゆる よし女
春寒や亀の川面に浮きかねて きりん
下萌や登山帽子を誂へり 澄子
料峭や海辺の風の肌を刺す わかば
下萌えや山雨やさしく通り過ぐ よし女
石段の雫したたり余寒かな 博充
春寒し風に響もす高圧線 えいじ
春寒や風の唸りし奥の院 なつき
下萌や足裏に柔き雨上がり 康子
春寒や老いて疎遠となりし友 みのる
下萌を促す今朝の雨となる わかば
春寒や露天そば屋の終わりけり 勉聖
下萌や新芽を越へて蝶舞へり 勉聖
春寒や鳥どちの声重なりて きりん
下萌や大地に弾む息遣い わかば
春寒し幼文字なる出世絵馬 なつき
雨音の響く今宵や春寒し わかば
吹き溜まる堀の芥や春寒し 澄子
春寒し回覧板持て坂下る よし女
春寒や黒光りせる蔵の梁 わかば
下萌に真つ直ぐ立たぬ画架のあり むべ
朧月静寂やぶる救急車 藤井
下萌えやウオーキングの靴軽し よし女
ほつほつと大地に兆す下萌ゆる 勉聖
力入れて叩く木魚や春寒し みのる
春寒し廃れ船小屋浜の風 花茗荷
下萌や三十年を経し震災碑 みのる
春寒し北に広がる青い空 和繁
ぬかるみに狸寝入りや草の萌え えいじ
春寒しされど膨るる雲を見よ えいじ
春寒し甘未処の旗揺るる なつき
草萌にポスト傾げる古き家 康子
下萌や野点の席の緋毛氈 澄子
春寒や声のひろごる花いちもんめ えいじ
ボール追ひまろぶをさなや草萌ゆる むべ
お隣の引越し準備春寒し こすもす
春寒や有翼の龍睨む堂 むべ
参道の脇の空地や草青む こすもす
鳥どちの忙しき土手や草萌ゆる 康子
歩いてはしゃがむ幼なや草萌ゆる 康子
春雷や遠くかすめる音一つ 藤井
下萌や土手を転がる笑ひ声 きりん
春寒し青空なれど雲奔る よし女
下萌や雫したたる雪囲ひ 和繁

2026年2月7日

国生みの島泰然と春立ちぬ みのる
立春や鳶高らかに声を上ぐ わかば
立春の言の葉にふと口遊む わかば
立春や水琴窟の一雫 えいじ
春立つや雪の夜更けの回覧板 勉聖
春されば水辺のベンチ満席に むべ
春立つや草木も水を吸い始む きりん
父母と豆を撒きたり節分夜 まろん
スキップを踏む下校の子春来る 康子
節分やジイジに似たる鬼の面 きりん
落とすべき厄もなくなり福は内 みのる
川のうへ青空展け春来る むべ
吾妹子に年の豆投げ睨まるる みのる
春立つや飛行機雲の太うして きりん
二週間ぶりの運転春立つ日 こすもす
校庭を駈けめぐる子に春立ちぬ みのる
子らはみな跳ねて豆待つ節分会 康子
立春の乾きし道の響きかな 和繁
乗り継ぎてご朱印受くる春立つ日 なつき
立春や投薬増ゆる数種類 よし女
節分の豆受取の列長し こすもす
家中が豆だらけなる節分夜 まろん
節分や歳程の豆とても無理 わかば
立春の光弾けて明石の門 わかば
春立つや豆碾く音の厨かな 勉聖
節分を忘れカレーを作りける 和繁
節分の法螺鳴り渡る奈良の寺 こすもす
立春や帰る漁船の影長し 花茗荷
節分会抱き地蔵にも長き列 なつき
立春の車の列の滞る 和繁
立春大吉雨の降る日の初デート えいじ
三々七拍子でしめる節分会 なつき
おかず豆娘が炊き来る節分会 よし女
節分過ぎ散歩の足に風軽し 勉聖
津軽では節分の雪のっそりと きりん
節分の投げ合ふ豆は袋入り 花茗荷
豆打てず鬼が手を擦る節分会 きりん
立春大吉鼾に目覚む昼休み えいじ
節分や妻と巻き寿司黙々と えいじ
立春の潮の香纏ひ帰りけり 花茗荷
立春や上着を手にし城めぐり 花茗荷
漸くにお日様マーク春立つ日 こすもす
春立ちて鯉にゆらめく鏡池 康子
玄関の靴の脇まで節分豆 勉聖
舌戦に一票託す春立つ日 花茗荷
立春大吉一番風呂で深呼吸 えいじ
春立つや杜氏の息の残る蔵 勉聖
春来る園たもとほる人眩し むべ
節分の恵方かまわず恵方巻 よし女
節分の売場特設恵方巻 よし女
山伏の腰の毛皮や節分会 こすもす
春立ちてひと刷毛の雲蒼天に 康子
立春や耳の光りし撫でうさぎ なつき
寿司を巻く日と決めてをり節替り わかば
川沿いに駐輪多し春来る むべ
鬼は外飛び立ちもどる鳩の群れ なつき
立春の鳶を放ちて高嶺晴 みのる
春や立つ進む乱視のめがね替ふ よし女
春立ちて苑に奏づる川の音 康子
頭上ゆく羽ばたきさやか春立てり むべ
うかとして切り分けしたる恵方巻 うつぎ

2026年1月31日

縁結びの神樟さやぐ春隣 なつき
鳥どちの声を身近に春隣 わかば
風花の監視画像に明滅す 和繁
外に出せと媚び鳴く猫や春隣 みのる
花びらのごと日に舞ひて風花す みのる
風花を散らしてゆけり前照灯 康子
風花やのの字を書いて消えにけり わたる
健診を終へ並木道風花す 和繁
風花や暫くは傘ささぬまま こすもす
春隣膝小僧見ゆメイド服 なつき
風花や富士の峰より吹き来たる きりん
風花を眸こらして追しこと わかば
風花の舞ひ疲れしは苔の中 よし女
風花や赤き実こぼす神の庭 よし女
遠出へと浮き立つ心春隣 わかば
風花や足高々と神馬跳ぬ なつき
ドライブに欠伸うつされ春近し 康子
畑の菜の収穫了ふる春隣 よし女
風花の儚き生命惜しみけり わかば
お薄受く緋毛氈へと風花す 康子
第一回麻雀教室春隣 こすもす
畦匂ふ春は隣と思ひけり みのる
陽だまりに遊ぶ雀ら春隣 康子
青空のこぼす風花愛でにけり わかば
縮緬波延べて須磨浦春隣 みのる
おみくじを引けば大吉春隣 和繁
昼ネオン灯す小路や風花す なつき
シルバーカーの散歩や風花舞ひ来る よし女
風花や市の売り子の小銭箱 わたる
風花のふうはりふはり消えにけり きりん
春隣鏡の如き富士の海 きりん
風花に下校子の列乱れけり みのる
ご朱印をもとむ乙女ら春隣 なつき
風花や電線張り替へ工事中 よし女
春近し無人野菜に幟立つ 康子

2026年1月24日

駈けてきてハグする頬のあたたかし みのる
暖かや猫に移りし大あくび きりん
泣き笑ふ太夫に温し棹の合いの手 よう子
冬青空目指し胸突坂のぼる むべ
暖かな午後や烏の交はす声 和繁
幾そ経し神の杜なる大冬木 わかば
冬晴や遥かに続く単線路 わたる
冬の海糸鳴り重しダイヤ引く きりん
我が手相複雑なりや冬の星 勉聖
灰色の波のうねりや冬の海 わかば
あたたかや障子にしるき庭木影 みのる
冬の朝紙漉き人の赤き指 わたる
冬ぬくし鳥どち亀どち集ふ川 むべ
早世の墓誌に天蓋冬桜 むべ
蒼天へ競ふ銀冬木の芽 わかば
偕老の二人と見たり冬帽子 康子
冬の夜や針穴に立つ絹の糸 勉聖
靴紐を結ぶ視線に春の芽が たか子
冬の晴一朶の雲も見当たらず みのる
干し物の白さ際立つ冬日燦 康子
下げし後はケーキに変身冬りんご こすもす
凍空や残業のビル輝けり よう子
春よ来いハミングしてみる暫しかな たか子
一水に沿ふてもとほる冬の森 むべ
八甲田冬雲厚くいや増せり きりん
仏間閉づなほ息のあり冬の朝 勉聖
譲られし席の温もり暖かし わかば
空青し棚田に冬耕終へにけり 勉聖
暖かや小島の磯の砂までも きりん
暖かや日を背に歩む老二人 えいじ
日を浴びて凛と天向く冬芽かな むべ
冬晴れや銀翼遥か点と消ゆ きりん
天皇家の相撲観戦あたたかし こすもす
再会を誓ひし握手あたたかし みのる
樹氷原夕日を浴びて太さ増す わたる
冬の川曲がらず流れ岸遠し 勉聖
冬の日にほぐれて淡し枯尾花 和繁
老人会自慢の花壇暖かし たか子
冬晴や手作り凧の高々と 和繁
冬日満つわが俳部屋の四畳半 みのる
暖かや窓の球根妻覗く えいじ
晩学の庭に期待の冬木の芽 わかば
席譲られ見合す顔の笑み温し よう子
冬すみれ毎年ここらと通る度 たか子
暖かや鋸引く音の町にあり えいじ

2022年11月12日

街の灯を白く濁して初時雨 素秀
外人墓地菊の供花と国旗添へ ぽんこ
老木の裾にひこばゆスカート巻く ぽんこ
通帳の残高にらむ一葉忌 宏虎
小鳥来るヒマラヤ杉の梢高く はく子
ひよ鳥のつつき飛び交う熟柿かな 愛正
秋天にさしも九輪塔聳えけり ぽんこ
動物の童話仕立ても菊花展 はく子
夕映えの残る美空に白き月 はく子
青空を守もりて鷹の空統べる 宏虎
惑星の次々のぼり月孤独 むべ
陶器かと見紛ふばかり次郎柿 素秀
至福なりコスモス畑に佇みて こすもす
木枯しに押され合鴨流れ去ぬ 愛正
傾ける日をかき分けて秋の蝶 素秀
天高しヒマラヤ杉のなほ高し はく子
黄落の肩に鞄に自転車に むべ
古民家を抜ける爽籟一服す むべ
泥んこも何のそのとて甘藷掘り こすもす
赤々と紅葉が翳す花時計 なつき
木枯しの後追ふ空き缶音高し 愛正
洋館の門にしだれる秋の薔薇 ぽんこ
御朱印の達筆競ふ神の留守 宏虎
杖の爺よちよちと追ふ小春かな なつき
七五三年子の兄が世話焼けり なつき
力なく臥す胸のうへ月渡る むべ
秋アカネ乱舞の広場ドッグラン こすもす
文化祭皆歳取りぬ当日朝 宏虎
散る日迄目を楽します紅葉かな 宏虎
恐竜のマスクの男の子七五三 なつき
芳香の樟の切株神の留守 なつき
ドアノブの鈍く光るや霜の夜 素秀
着き菓子の柚餅子を語る仲居かな 愛正
古民家の誰待つ人ぞ柿熟す 愛正
秋の水きらめき落つる水車小屋 むべ
釈迦像のあばら浮き立ち落葉降る ぽんこ
草の実の取払方四苦八苦 こすもす
山向こう雨止んだらし秋の虹 こすもす
秋惜しむ読経洩れ来る大寺に はく子
編み込むは錦の糸の紅葉山 素秀

2022年11月5日

老木にしもべの如くオキザリス ぽんこ
受付の一輪挿しに石蕗の花 こすもす
頭垂れ舗道見下ろす泡立草 素秀
金次郎の本に賽銭小鳥来る なつき
気持ちよく晩学に出る小春かな わかば
秋桜その彩りの風流す はく子
初さんま煙吹き散る排気口 愛正
深秋の渚に波の音はざん 素秀
仏飯はコウノトリ米報恩講 こすもす
鰯雲寝て遣りすごす頭痛かな むべ
龍神の旅立つ海や笛太鼓 わかば
秋桜百万本の浄土かな かかし
沢沿いをのぼる川霧露天風呂 愛正
長き夜や地図をなぞりて時刻表 かかし
葉の黄ばむ一鉢離し菊花展 なつき
絶好調の友の背中に赤トンボ こすもす
と見る間に里山覆ふ霧襖 かかし
顔のごと大き付け毛の七五三 なつき
渋柿の食べ方談義休み時間 こすもす
小春なる峰寺訪いて句碑めぐる わかば
百舌鳥鳴くや夕影帯びし鎮守杜 愛正
こすもすの可憐さに秘む強さかな はく子
散り占めて近づき難し金木犀 素秀
細き辻金木犀を踏むまじく むべ
書店仕舞ふ本の行方に秋愁ふ 素秀
秋桜風をいなしてすましをり はく子
洋館の門にしだれる秋の薔薇 ぽんこ
比叡よりの風にコスモス大揺らぎ はく子
そぞろ寒テープでつなぐ玻璃の罅 なつき
釈迦像の肋浮き立つ頭に落葉 ぽんこ
初霜や薪割り急かす里の山 かかし
秋空にさしも九輪塔聳へけり ぽんこ
チャイム鳴る空の校庭小鳥来る なつき
華やかやここはむらさきゑのこ草 むべ
廃屋の樋に名知らぬ草の花 愛正
老木の幹にひこばゆスカート巻く ぽんこ
AIに労らはれたるうそ寒し むべ
重ね着をしすぎて上衣持て余す わかば
こすもすや比叡山頂くっきりと はく子
大漁と聞けど高値の秋刀魚かな 愛正
藤袴アサギマダラを憩わせて わかば
薬膳や生姜を欲す病み上がり むべ
新走おらが国さの米自慢 かかし
萩の去り路地に立ちたる売家札 素秀
一礼し潜る鳥居や木の実降る こすもす

2022年10月29日

父遺す畑仕舞する帰郷かな なつき
カラオケで青年の声戻る秋 宏虎
夕日受け河原に靡き わかば
病窓より見ゆるドラマや運動会 むべ
秋晴や濯ぎ物多々靡くなり わかば
久々の吟行に秋惜しみけり こすもす
走り根にどんぐりの実の弾く音 ぽんこ
火口湖を目指す山地や照紅葉 わかば
さやけしや修繕中の礼拝堂 むべ
瀬戸内の秋夕焼けの美しさ 宏虎
みそとせの同窓会や身に入みて むべ
股覗き水平線の鰯雲 かかし
橙の実の葉籠り下行厨す ぽんこ
金木犀夜見る人も花こぼれ 宏虎
根釣人糸繰りし指揉んでをり なつき
落葉路からと音して翻る わかば
産土の七五三絵馬打ち鳴れり なつき
小鳥くる群れて鳥語の一樹かな わかば
注連縄の甑の岩に小鳥来る ぽんこ
行雲を追ふ目虚ろに母の秋 素秀
紫に暮れ行く山に秋惜しむ はく子
むらさきの丘に匂ひし濃竜胆 素秀
釣果なき夕餉多弁な根釣夫 なつき
奥宮の拝殿造替神の留守 はく子
奥院の人見ぬ杜や残る虫 はく子
秋桜の揺れて楽譜の如き列 素秀
ハロウィンのかぼちゃの侍るポーチかな ぽんこ
半眼の神の守りし秋の水 ぽんこ
一房を粒押し合ひし葡萄かな 宏虎
長き夜や父母を偲びて写経せん かかし
黄落はまだ先メタセコイヤかな こすもす
巡回バス集落むすぶ刈田道 愛正
農家カフェ地産地消の走り蕎麦 かかし
梁太き櫓を抜くる秋の風 なつき
ドングリの色もサイズも様々に こすもす
過疎村に炊煙揺らぐ冬隣 愛正
彼の地では今を盛と金木犀 こすもす
家空けて勝手わからず火恋し むべ
点滴の針抜く痛み黄落期 むべ
板朽ちて芒が覆ふ校舎塀 愛正
すがれ虫残念石の城の跡 かかし
薄切りの檸檬沈まぬ朝スープ 素秀
言はでものその一言のうそ寒し はく子
月白に屋根の影増す倉庫街 素秀
たこ焼きの舟皿温し秋祭り 愛正
海見ゆるビル屋上に秋惜しむ はく子
山路行く車窓過ぎゆく芒かな 宏虎
参拝の客の途切れず秋の宮 こすもす
一日に二便のバスや柿簾 かかし
老僧の柚味噌談義や庫裏の斎 愛正

2022年10月22日

栗飯を買うてお仏供と昼ごはん はく子
細波の綺羅に初鴨潜りけり ぽんこ
秋祭り裏路地走る下駄の音 愛正
一筋の川面光れり芒原 なつき
三国越ゆ越後の山の錦かな 愛正
喬木に色を添えたる蔦紅葉 わかば
秋声は大山門の柱より はく子
江戸文字の寄付札並ぶ秋祭り 愛正
保護犬の泣き声細し秋の暮れ 愛正
冷まじゃ初代社長の五十回忌 宏虎



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