やまだみのる

伝統俳句と現代俳句の違い

俳句のジャンルには大きく分けて 伝統俳句現代俳句 とがあります。

日本伝統俳句協会現代俳句協会

は伝統俳句です。

伝統俳句は有季定型といって必ず一句の中に季語を必要とし、調子も五・七・五に整え、原則として歴史的仮名遣いを用います。

対象は花鳥諷詠を基本とし観念や理屈の句、露骨な主観句を戒めます。

花鳥諷詠とは、四季の移り変わりによる自然界や人間界のあらゆる現象をそのまま客観的に詠もうとする俳句理念のことをいいます。

一方そうした制約を嫌いもっと自由に詠みたいという思想で派生的に生まれたのが現代俳句です。

現代俳句は、題材にも十七文字にも制約されず全く自由です。

無季俳句までも許容されているようで何でもあり…の感があります。

本来伝統俳句が本家、現代俳句は分家のような図式でしたが、時代の変化と共にいまは主客逆転しています。

決して現代俳句を否定するものではなくジャンルの違いなので選択は個人の自由です。ただその違いを正しく理解することなく、季語があり17文字で詠みさえすれば俳句だと勘違いして安易に現代俳句に走る人が多いのは残念です。

ちなみにテレビ番組「プレバト」の夏井いつき氏は黒田桃子を師系とする現代俳句の出身です。よって作風は現代俳句に傾いています。

もしあなたがプレバト風の俳句が学びたい…というのであれば、 はその場所ではありません。

自由であれば何でも新しいとし、季語のないものまでも俳句と呼ぶことには大いに抵抗があります。

温故知新 》という言葉があります。歴史に培われた古き伝統を尊重しつつ、そこから新しさを追求していく。この伝統俳句の姿勢に私は魅力と喜びを感じるのです。