レース編む孔雀の羽のごと模様 | 明日香 |
風に浮くレースの襟の翅のごと | 素秀 |
花嫁のレース豊かに シヨーウインドウ | 小袖 |
晩年の今が幸せレース編む | うつぎ |
レース編みしつつ汽車通せし頃も | こすもす |
風纏ふレースカーテン大欠伸 | 豊実 |
病葉やみどりに埋もれ艶ありて | もとこ |
病葉のまだ艶ありて栞とす | 満天 |
宮参り純白レースのケープ着せ | はく子 |
風が梳く髪のすなほやレースの子 | もとこ |
踏み惑ふほどの病葉裏参道 | よし子 |
病葉よ苦労判らず同情す | 宏虎 |
病葉や官舎の窓の指の跡 | よう子 |
贈られし汕頭レース惜しみ持つ | わかば |
いと豪華女子会の友レース着て | 宏虎 |
病葉や老ひて身勝手許さるる | もとこ |
足湯する病葉浮きし有馬の湯 | みづき |
清流へ落つ病葉の赤さかな | 小袖 |
レース編む座敷机に似合うもの | 宏虎 |
青空を透かせる小花レースめく | こすもす |
病葉や老ひてこそ知る事あまた | みづき |
女子アナのレースの袖や天気予報 | 豊実 |
病葉や日の色変わる藪の中 | 隆松 |
病葉は廻るばかりや堰は急 | たか子 |
レース着るアナウンサーの語り口 | ぽんこ |
オリーブを描く病葉も忘れまじ | せいじ |
昼休み競うてレース編みし日も | やよい |
寄る辺なき母の枕辺レース編む | わかば |
病葉をくるりと廻し表裏かな | よう子 |
病葉の吾は我とす潔さ | たか子 |
参燈の隅を病葉移らひて | 素秀 |
古城跡病葉落つる苔の石 | 隆松 |
亡き友の母が手編みのレースかな | せいじ |
おさげの子レースのリボン跳ねてくる | よう子 |
レース編みのテーブルセンター五十年 | こすもす |
病葉を抜き石垣に散り日の斑 | 隆松 |
花嫁の涙隠してレース震る | 智恵子 |
黒レース網目にしみる花の柄 | 隆松 |
こきこきとレース編む針光りけり | たか子 |
露天湯や病葉払ふ脱衣籠 | みづき |
レース編むテラスの風の心地良き | 智恵子 |
暇あればレース編みゐし頃もがな | はく子 |
病葉や積もる祠の歳月に | たか子 |
病葉の艶愛おしや卓の上 | よう子 |
病葉や枝にすがる葉命まだ | 明日香 |
2021年5月 | |
手びねりの湯呑みに今日の新茶淹れ | 満天 |
仏壇に庭の新茶のうすみどり | なつき |
新茶汲み父の御機嫌とりし母 | 智恵子 |
自転車の列追ひ越せぬ峡薄暑 | よう子 |
せがまれて薄暑の池の貸しボート | 豊実 |
新茶飲む尻を並べて湯治宿 | 素秀 |
明るさに時計見直す夕薄暑 | こすもす |
お稲荷を邪教と説法堂薄暑 | 素秀 |
鴉啼く睨みきかせる池薄暑 | もとこ |
吾が贈りし地酒の礼と新茶来る | こすもす |
リハビリは二分立つから院薄暑 | 隆松 |
久々の街素っ気なく夕薄暑 | たか子 |
増へ来たる水上バイク湖薄暑 | 隆松 |
渡船場に干物の匂ふ島薄暑 | うつぎ |
薄暑光ベンチに憩う遊歩道 | 智恵子 |
白目立つ見物客や館薄暑 | 宏虎 |
しばらくは新茶楽しむ日なりけり | みづき |
百寿僧の説法終へて新茶濃し | かかし |
縁に売る新茶知覧の武家屋敷 | やよい |
新茶の香茶筒を開けたその瞬間 | 明日香 |
途中下車新茶の香りに誘はれて | 菜々 |