みのる選:2025年11月度

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2025年11月10日

11月2日~11月8日

2025年11月08日
小春日の障子を過ぎる鳥の影澄子
宮島の鳥居射抜きて秋日落つ康子
苔寒し神話の国の力石もとこ
柿花火朝日が包む一軒家山椒
庭手入れ済みましたかと色鳥来うつぎ
冬うらら寝顔のままに母逝きぬせいじ
臨終の祈りの窓に寒夕焼あひる
石蕗の花日差しに応ふ窓辺かなよし女
歌碑巡る枯葉の径を踏み鳴らし明日香
2025年11月07日
立冬の日だまりに読む一句集みきお
穏やかに冬立つ朝や鍬仕事千鶴
庭石の窪みの翳や石蕗の花うつぎ
ゴンドラの影の縫ひゆく紅葉山康子
2025年11月06日
心字池縁取る石蕗の花明かり康子
どんぐりやちやんで呼び合ふいとこ会ほたる
冬霧の大和三山漂ひて明日香
2025年11月05日
米寿の師喜寿の子集ふ菊日和みきえ
行く秋や束の間の陽を纏ふ樹々和繁
2025年11月04日
海原の深き藍色秋深かむなつき
落葉敷く野外チャペルの石の椅子むべ
2025年11月03日
ひつぢ田の尖る葉先に雨の珠えいじ
鳥どちのレストランめく七竈むべ
踏まずんば参拝ならず銀杏の実うつぎ
折り鶴を孫に褒められ文化の日康子
2025年11月02日
倒されど神輿太鼓の鳴り止まずみきえ
夕映えの天守に架かる時雨虹千鶴
御神燈仕舞ひて末社冬に入るあひる

2025年11月3日

10月26日~11月1日

2025年11月01日
柿の店ひらく農家の門先にあひる
錦繍やヘアピンカーブ曲がるたび康子
音もなく末広なせる鴨の水尾わたる
柿花火旧家の庭を明るうす澄子
2025年10月31日
木犀の香に一服す庭仕事せいじ
旅日記ひらく文机柿ひとつなつき
秋灯雨に滲みしカフェの窓むべ
雲間より天の梯子や枯野原澄子
由緒寺訪へば爽やか花手水たか子
2025年10月30日
大楠を揺らして神のお立ちかな澄子
天高く音響けども機影見ず明日香
2025年10月29日
果舗茶舗をめぐる城下の秋の旅千鶴
2025年10月28日
秋澄むや杖の向くまま里山路きよえ
庭畑に細き畝足し葱植うるなつき
2025年10月27日
栗剥きつ摘み食ひせる厨かなもとこ
2025年10月26日
片時雨楡の大樹に宿りけり澄子