みのる選:2025年1月度
2025年01月17日 | |
豚汁に炊出し想ふ阪神忌 | あひる |
遺児はいま三十路のパパや阪神忌 | あひる |
阪神忌人の絆をな忘れそ | きよえ |
防災無線黙祷を告ぐ阪神忌 | こすもす |
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2025年01月16日 | |
点検す防災リュック阪神忌 | やよい |
シリウスの今にも雫こぼしさう | うつぎ |
仏花とす夫手遊びの冬菊を | よし女 |
殿を行く山道の寒さかな | うつぎ |
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2025年01月15日 | |
炉火燃えて大梁の軋む家 | 澄子 |
足元は緋の絨毯や藪椿 | よし女 |
見舞ひとは言はぬ存問あたたかし | あひる |
宮守と世直し語る焚火かな | なつき |
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2025年01月14日 | |
老い互ひ着膨れ励まし合ひにけり | あひる |
飛機の灯の凍てし夜空に瞬きぬ | 康子 |
一筋の杣家の煙山眠る | せいじ |
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2025年01月13日 | |
ぴかぴかの皮靴並ぶ成人日 | みきえ |
祖母に顔見せんと集ふ新成人 | せいじ |
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2025年01月12日 | |
大正の模様硝子や冬日燦 | むべ |
硝子窓翳ると見れば雪しまく | せいじ |
蝋梅の一花に励む庭仕事 | うつぎ |
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2025年01月11日 | |
米寿なる師の初釜に集ひけり | なつき |
ものの芽の解れんとする力かな | うつぎ |
爪先で逃げしあんかを探りけり | たか子 |
2025年01月10日 | |
達筆の手描き歌留多や緋毛氈 | むべ |
大幹の洞に嵩なす落葉かな | ぽんこ |
着膨れて地震の日のまた偲ばるる | うつぎ |
寒雀陽の枝うつり遊びけり | もとこ |
蝋梅の香に癒やさるる至福かな | よし女 |
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2025年01月09日 | |
白息のとびかふ工事現場かな | 康子 |
霜の朝湯煙の洩る堆肥小屋 | 千鶴 |
ヘルパーさん来て老い母の初湯かな | あひる |
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2025年01月08日 | |
宅急便受け取る御慶交はしつつ | やよい |
夫の分まで生きなんと七日粥 | よし女 |
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2025年01月07日 | |
句仲間の自選句集を読初に | うつぎ |
淑気満つ大切岸の磨崖仏 | 愛正 |
七草に雑穀も入れ健祈る | よし女 |
富士高嶺さしせめぎあふ凧 | 康子 |
新聞のかため読みして女正月 | うつぎ |
根ごと炊く七種粥の野の香かな | むべ |
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2025年01月06日 | |
ネクタイの苦しき仕事始めかな | わたる |
参道の木漏れ日つつく寒雀 | 澄子 |
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2025年01月05日 | |
目瞑りて思考す棋士の懐手 | 澄子 |
昨夜の河豚鏡のごとく煮凝れり | うつぎ |
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2025年01月04日 | |
しなやかに命毛はしる筆始め | ほたる |
子ら去にて一人語りの四日かな | なつき |
2025年01月03日 | |
隠せざる齢うべなふ初鏡 | うつぎ |
初凪の渚に高く鳶の笛 | 千鶴 |
日の枝に音符並びす寒雀 | わたる |
畳なはるアルプスの嶺々初御空 | むべ |
二歳児も分け隔てなくお年玉 | もとこ |
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2025年01月02日 | |
孫ひ孫御慶百寿の手を取りて | あひる |
駅伝の目指すは箱根雪の富士 | せいじ |
海峡に天使の梯子大旦 | うつぎ |
碧落に雲一と刷毛の淑気かな | よし女 |
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2025年01月01日 | |
晩年の今が幸せ初鏡 | うつぎ |
老い母の寝息に安堵大旦 | せいじ |
百歳の母励まして屠蘇祝ふ | せいじ |
国内線搭乗口に松飾り | 和繁 |
お雑煮を供へ遺影に御慶のぶ | たか子 |
若水に明けの日差しの届きけり | 澄子 |
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2024年12月31日 | |
刃を拒む巌のごとき八頭 | むべ |
家々に幸の灯洩るる大晦日 | うつぎ |
いくつもの尾根を重ねて山眠る | 明日香 |
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2024年12月30日 | |
耐えきれず静寂やぶる雪庇かな | ほたる |
さきがけて娘が帰着小晦日 | せいじ |
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2024年12月29日 | |
暫くは鳰浮くまでの水鏡 | 澄子 |
無音界深々と降る夜半の雪 | ほたる |
観音の千手もゆるぶ小春かな | 明日香 |
煤逃げのいつもの面子揃ひたり | 澄子 |
闘病の夫に見せたき冬銀河 | やよい |
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2024年12月28日 | |
車椅子孫に押されて歳の市 | なつき |
砂遊びする児抱擁する冬日 | 澄子 |
佳きことに付箋つけたる古日記 | 康子 |
いささかの愚痴も散見日記果つ | うつぎ |