4月18日20時55分
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春潮へ稚魚放つ手の青臭き
風白し浜大根の花の野辺
湾内に艇庫抱へて波のどか
浦風に突っ込んでゆくつばくらめ
蒼天の深さ知りけり揚雲雀
巣籠もりの大義ありけり春炬燵
葱坊主虻の頭突きをうけにけり
クローバにひろげ玩具のお弁当
指さしぬすべて意のまま吾子の春
コロナ禍の街に眩しき花水木
胞衣塚に満天星千の鈴鳴らす
やすらぐは最後に添へしかすみ草
廊下へと父のいびきや昭和の日
河川敷野遊びする子たんぽぽ黄
春深し四囲の山々色変はり
昨夜雨に芽吹きそむ木々競ひては
河口へと白波上ぐる春嵐
住職の手中にゆるぶ白牡丹
懐メロに無聊なぐさむ春の雨
コロナ禍に愛し子遠しフリージア
春眠し終着駅に着く電車
横へ伸ぶ幹の朽ちたる藤の棚
藤房の風に揺られて得もしらず