選句画面へ
編集 を押して何度でも訂正できます。
医通いの杖にも慣れて朝曇
介護食作りの助手は扇風機
パプリカの色のパワーや夏料理
雲の峰山の彼方に消えゆけり
梅雨明けの空に幾重も飛行雲
おもたせの水無月食ひて涼しかり
盛り上がる肩の筋肉大相撲
蚊遣り香遠き昭和を呼び戻す
爪立てば匂ひ弾ける青蜜柑
引き波に踏ん張る礫や晩夏光
竹笊に裏を返して梅を干す
万緑をゆるがし落つるしぶき雨
夕暮れや浴衣のうなじまだ濡れて
口角を上げて見たとて夏痩せて
大顎を吾に向き直す小鍬形
梅雨明の傘の風さえ一息す
緑陰に一息つひて憩ひたり
梅雨明の目覚めの視界鮮やかに
強風に風鈴風情無くしをり
涼風の抜ける小径や夕散歩
石塊の波とじやれをる夏の浜
かきつばた見んと小流れひと跨ぎ
大地濡れ蜘蛛の巣光る嵐前
風寂し橋のたもとの浴衣かな
秋近し瀬音さやかに流れけり
夏風邪も加齢がためと話す医師
客去りし円座で猫の大欠伸
炎昼や直立不動なるポスト
熊蝉の鳴き初む日なり空青し