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2025年02月25日

頂きを雲居に置けり春の富士 むべ
雪富士を間近に仰ぐ水汲み場 むべ
庭の木々淡雪ポトリ光けり 明日香
梅の寺紅一輪の誇らしく きよえ
田の神さあに一献参らせ耕うん機 よし女
まんさくやモノクロ里に色付けて わたる
ぼんぼりも金彩色や陶器雛 康子
雨晴れて春光さはに注ぎけり せいじ
囀や習はで交はす相聞歌 せいじ
一と鉢のしかも純白寒牡丹 よし女
窓越しの氷柱に映る青き空 ほたる
ボール探す雀隠れの草野球 みきお
啓蟄や野良着繕ふ作業小屋 みきお
畑より飛び立つ音や群雀 董雨
水仙の石の狭間の蕾かな わかば
氷柱落とすやついたてで窓護りつつ 和繁
春空より落ちし真白の鳥の糞 えいじ
ひと筆の目に微笑める陶器雛 康子
薬剤は不足してます春の風邪 明日香
街も木も耀く光春近し 山椒
客人のたへることなき春のカフェ 澄子
春色の口紅試す手の甲に 千鶴
堅雪や残る足跡野生の気 わたる
マンバンヘアきりり若者春耕す あひる
振りて買ふ魔除けの鈴や会陽寺 なつき
下萌や潮の香通ふ蜑の路地 わかば
寒いねと春の色着し配達婦 えいじ
葉の間より突き出る花や寒菖蒲 愛正
閉院の庭は陽だまり梅万朶 あひる
雪国の郷にも来たり今日の春 こすもす
御包みの赤児もありぬ吊るし雛 和繁
松明の鬼の乱舞や春呼べり なつき
児等はしゃぐキッズコーナー春の音 きよえ
木の芽吹く犬は道辺の草を嗅ぐ 愛正
梅一枝床の間で笑む天神様 ほたる
鳳凰の東山見ゆ椿東風 もとこ
勾配に添ふ山茶花や古戦場 ぽんこ
窓開けて猫も浴びたり春陽かな こすもす
ちょっとした人垣ならめ花一朶 澄子

2025年02月24日

春の空ピーチクパーチク鳥一羽 たかを
奥座敷巡る廊下になは余寒 澄子
まだ言へぬこと二つあり春愁 あひる
医師呟く終局萠すうそ寒し 董雨
枝垂れ梅墓地に紅色揺らぎをり みきえ
居間一日独り占めして納税期 せいじ
漆黒の湖揺るがせて冬花火 澄子
百日祝孫へつば付き春帽子 康子
吹雪く中除雪車二台移動中 こすもす
風車回る一坪ほまち畑 なつき
去る子らの帽子似合いの風花す わたる
日照雪なるも片端は春の雲 えいじ
コンビニ前除雪車二台稼働中 こすもす
忘れ雪露天の湯景彩りぬ わたる
もこもこと木の葉に積もる春の雪 明日香
店先に草餅焼くや香ばしき むべ
吾子乗せて飛機雪雲へ消えゆけり あひる
代々の食い初め椀や春の塵 康子
マラソンの気迫風花ものとせず たか子
梅東風や婆ひざまずく奥の院 なつき
青空に煌めき聳ゆ雪の富士 みきえ
浅春の白波光る浜辺かな わかば
朝まだきほつほつ灯る木蓮の芽 えいじ
春風にふくらむドレス発表会 もとこ
雪晴や八幡神社の白鳥居 和繁
卒業子の呼ぶ名震える教師かな 愛正
春日浴び若きランナー大会新 きよえ
蹲る陽だまりの猫春の土 えいいち
焦燥は今日で仕舞に納税期 せいじ
雪の田に黒き影あり番鴨 和繁
ランナーの熱気や雪も何のその きよえ
盆梅の甦るごと付く蕾 わかば
風花や膝の艶めく賓頭盧さん ぽんこ
群れで来て群で飛び去る寒雀 みきお
満潮の波白々き余寒かな よし女
灯の回廊やわらかき灯の雪一夜 ほたる
雪壁の迫りて轍身を細む ほたる
マラソンが我が街抜ける春の雪 ふさこ
切り干しの縮みし皺の旨みかな 千鶴
降りしきる春雪のもとマラソンが 明日香
雪被りどの枝もみな太くなり よし女
木枯しに流れは緩き白い雲 たかを
雪富士の腹を撫でゆく雲の影 むべ
梅の香やたどるは磴の五十段 そうけい
両手出し動けぬ吾子や雛あられ 愛正
彼岸西風やたら気になる訃報欄 みきお
読めぬ字も書けぬ字もあり春炬燵 うつぎ

2025年02月23日

春の旅医院の予約抜け落ちて みきえ
雪解けの僅かにのぞく地に鶫 和繁
犬吠ゆる梅香に止まる人の影 愛正
髪切りて尚思ひ知る余寒かな こすもす
八重椿花びらに影生まれたる むべ
発熱に右往左往や春の風邪 明日香
伸び縮む黒き塊り鳥帰る みきお
存問の孫に豚汁牡丹雪 せいじ
びんずるの艶めく膝と肩ぬくし 康子
深海の古代魚撮す春の宵 千鶴
梅一輪書院の庭に紅ともす わかば
音立てて春の雪間の朝散歩 えいじ
春泥のまみれる子らに有る未来 うつぎ
美容院ちんまりとあり紙雛 こすもす
春競馬新札舞ひて妻の顔 ふさこ
見守りの言葉の温く届きける たか子
連日の雪注意報雨水かな わたる
頂上や吹きあぐ小屋の雪煙 ほたる
輪橇綺羅にあさひの透ける跡 ほたる
落書きの髭や天神土人形 なつき
春寒や気負ふことなく歩みたし わかば
無縁塚すそに真紅の落椿 なつき
風花の先の雲間に青い空 和繁
梅林一花見むとて踏査せり えいじ
銀沙灘からの光や春障子 もとこ
一輪車漕ぐ得意顔桃の花 みきお
のぼり来る風香しき梅の丘 康子
お遣ひを孫らに頼む寒苺 あひる
春愁や妻は腱鞘炎押して せいじ
起立礼日差しを受くる卒業子 愛正
春寒の風や松の枝絡みをり きよえ
寒さ問ふ見守り隊の声の澄む たか子
畑打てばとんとこ春がやって来る よし女
整然とならぶ光や寒苺 あひる
春寒に軽く足踏みバスを待つ きよえ
祭笛雫となりし笛の息 よし女
艶黒のボンネットにも椿落つ むべ
無人店残り一つの猫柳 わたる

2025年02月22日

寒菖蒲葉に埋もれて楚々と咲く 愛正
白梅の中に夕星またたけり むべ
戸を開くや否や足許余寒かな よし女
春空を映す川面や鳥の水脈 えいじ
凍て返る手垢光りのこけしの眼 よし女
結露して結露滴る窓余寒 和繁
トラックの荷台に積もる雪の嵩 ほたる
春めいて垣内まわりの猫が来る 明日香
白黒と静寂広がる雪景色 千鶴
出張の父に似せたる雪だるま せいじ
桑芽吹く狭まるる土手の散歩道 愛正
白子干し耀く白さ海の綺羅 明日香
五百年湧くお茶の井や水草生ふ もとこ
春寒や戻りし子らへおでん鍋 わかば
競馬場子連れの多き ふさこ
半日をジャム造りとし春を待つ たか子
美容院吾を迎ふごと紙雛 こすもす
春泥に不意によろめく吟行子 えいじ
駄菓子屋の奥の奥まで大西日 みきお
春風邪に戸惑ふ夫の台所 ぽんこ
新芽出づ真下に落ちる春落葉 みきお
十余りの蘭の明日にも開くかに はく子
誘惑の団子片手に探梅行 康子
野良猫の梅東風に耳そば立ちぬ 澄子
雨水過ぎ球根の芽の著し 澄子
下萌や則る色よ目に記す そうけい
祖母宅が服の病院春休み せいじ
館内にコンシェルジェめく享保雛 なつき
鼻歌も出てピザ窯に薪を組む あひる
やみまなく降り続きをり春の雪 こすもす
ふと出づる唱歌なる歌今朝の霜 みきえ
春の風子ずもれ多き競馬場 ふさこ
春浅し強き海風湊町 わかば
寒戻る身の縮まりて家居かな きよえ
春寒し冬物セール始まらず わたる
枝垂れ梅仄か紅染む母子観音 そうけい
雪晴れや枝から枝へ鵯渡る 和繁
梅東風や揺らぎやまざる筧水 康子
白壁に幾すぢの影しだれ梅 むべ
一村や布団のごとく雪被る ほたる
冴返る強風の中ヘリ西へ きよえ
寒気続き足の冷え込み目の覚める 董雨
梅東風や無住となりし鬼門寺 なつき
手を引かれ下りる小さき冬帽子 みきえ
金縷梅の花に教わる季の進度 わたる

2025年02月21日

ようやっと内裏様のみ飾りけり 明日香
雑踏へ紛らわし行く春憂い たか子
萌黄染む苦味楽しむ蕗の薹 わかば
寄せ返す波しなやかに春岬 よし女
かぐやびな千個手作り工芸翁 みきえ
紅梅の開花待ちをり米寿翁 こすもす
山椿高く灯せり川不動 なつき
卒業期空き部屋有りの学生街 愛正
寺の門枝垂れと八重の梅明かり そうけい
約束の次次入れて暖かき もとこ
古梅残し壊す無人の家寂し そうけい
採血の肌に冷たきゴムバンド せいじ
春寒し赤き前垂れ六地蔵 ぽんこ
水草生ひ初めて水面に見え隠れ せいじ
春浅き青空に鳩飛び交はす 和繁
川不動へ足跡深き霜柱 なつき
竹筒にすまし顔なるかぐやびな みきえ
山茶花の屑の滝めく湧水池 康子
夕日浴び蝋梅今し琥珀色 むべ
草刈機うなる朝となりにけり 明日香
リユックの顔出す怪獣青き踏む ふさこ
早春の日を背に受くる山路かな えいじ
口開く妊婦の埴輪春の雷 みきお
紅梅のまだまだ固き蕾かな こすもす
氷点下九度に至りぬ通勤路 和繁
句碑の佇つ寺苑や万の梅つぼみ 康子
神妙に畏まる客雛祭り みきお
晴天に瑠璃の色濃き犬ふぐり 澄子
手足未だ動きて励む春の畑 よし女
伯山のチケットの列春寒し 千鶴
天つ風星を溢して犬ふぐり 澄子
傾ける放置重機や春堤 えいじ
車いすの日ごと巡りて梅の苑 せつ子
年齢を忘れし老母や春うらら あひる
朝日浴ぶ杜に囀響きをり きよえ
長氷柱地に刺さりて斜塔立つ わたる
あっ雪が子どもの声の嬉しそう きよえ
酒売り場桜デザイン並びけり わたる
むら染めの夜空に潤む春の星 むべ
観光バスはや菜の花の房州路 愛正
茎のみとなりし木の芽の芽吹きかな わかば

2025年02月20日

ため息の税の申告終わりけり 千鶴
菓子と茶の運ばれ来たる梅の下 あひる
春雨や古物商みて雨宿り なつき
落涙の千手観音春の雨 ぽんこ
摩天楼ビルの串刺す春の雲 康子
白梅のちらほら咲きぬ下枝かな みきえ
天日を乗せてうつむく水仙花 康子
朝まだき離れ浮く雲春の空 えいじ
春鳥の枝のたかきにふくみたり えいじ
白梅の萼赤々とまだ蕾 明日香
戸を繰れば目潰しの日矢春の朝 せいじ
落雪の狭まりし窓夕光芒 ほたる
ヘルパーの単車を濡らす牡丹雪 せいじ
風花や淡き日のさす午後の四時 和繁
置き場なき雪掻きの雪広き空 ほたる
枝から枝へにじり寄るよるよに春の鳥 きよえ
ショベルカー如月の地に爪立てて よし女
十五頭まではカウント春の鹿 こすもす
春の風邪そろそろ床をあげなんと わかば
大根煮るどこへも行かぬ影連れて よし女
紅白の白の勝りて杜の梅 澄子
夕暮れて集まり始め春の鹿 こすもす
蝋梅のほろりと落つる夕の里 むべ
梅一輪一番乗りの誇りかな せつ子
荷を車にさえない顔の焼き芋屋 董雨
一山を越えなほ続く梅畑 あひる
咳続く夜半の気兼ねや春の風邪 わかば
雪晴れの下弦の月に朝まみゆ 和繁
駅前の三色菫笑み称ふ きよえ
人影の蕎麦屋へつづく春時雨 なつき
山盛りの寄せ鍋食す老二人 みきえ
巣立ちたる子の雛飾る年行事 わたる
暖かや三年経つと医者の声 もとこ
陽炎の中に揺らぐや六地蔵 愛正
一茎の水仙の香に目覚めをり 澄子
囀りや小窓たたきて朝知らす ふさこ
さざなみに綺羅散らしたる鴨の陣 むべ
日差しに映える鷭の鼻筋 明日香
天井画春陽差したる大伽藍 たか子
叢林の中梅香の小枝手繰り寄す 愛正
子の雛を飾りて浮かぶ初節句 わたる

2025年02月19日

明日香来て春泥のまま玄室へ 明日香
強風に枝耐えており土佐水木 董雨
浅春や嫁荷の着物手放せる あひる
書を置きて探梅せむと昼休み むべ
長く濃き人工芝に風光る せいじ
泥掻きて唸る重機や池普請 せつ子
物足りぬ昼餉にそっと芋を焼く みきえ
春空の日差しの優しせせらぎに きよえ
牡丹雪の中傘さしてポスティング こすもす
しづり雪シャッターあけて鳥放つ 和繁
蝋梅や光こぼして満開に むべ
待春の絵馬打ち合へるかろき音 澄子
鶴亀の熨斗で届きぬ初雛 康子
カード更新済ませ役所は春の塵 たか子
雪雲の去つて晴れ晴れ春の空 えいじ
酒粕を焼けばあの日の母の声 あひる
春空を途切れ途切れに雲渡る えいじ
海峡の水平線の霞むなり わかば
降るやいなや直ぐに解けゆく春の雪 こすもす
雪晴れや春の切手を買ひ求む 和繁
月明かり土蔵にかかる梅の影 愛正
春なれど結露の窓に朝日射す ふさこ
光芒の波打ち寄する春の海 わかば
笑い合ふ双子ワールドあたたけし もとこ
セーターの毛玉取りやる子守婆 なつき
早々と谷間に落ちる冬日かな みきお
セピア色遠まなざしの江戸雛 なつき
春泥の轍の深し青き空 ぽんこ
薄氷にそっと踏み割る小さき靴 千鶴
母子観音咲き鎮まるや枝垂れ梅 そうけい
池中玄太惜しまれて逝く花の中 山椒
春浅し入学前のランドセル わたる
野地蔵に声をかけつつ梅の丘 康子
風光る坂をくだれば無人駅 せいじ
両袖に菜の花染まる春の寺 ぽんこ
咲初めし庭の水仙朝の供花 そうけい
浅葱の辛さを残しさっと茹で わたる
せせらぎの落合ふところ猫柳 澄子
菜の花を掻き分け進む電車かな みきお
手造り雛うさぎ波間に走らせて よし女
古草の横きながら放置畑 きよえ
神楽殿止まぬ木の葉の舞踊り 愛正
紅梅の一度に五輪庭明かし 明日香
庭仕事終へるや否や霰降る みきえ
裏参道より口火切る梅の花 よし女
電柱巣に立つ番い鸛雪しまき ほたる

2025年02月18日

鮒釣りの黒き防寒コート脱ぐ えいじ
グランドゴルフ気になるスコアと外の雪 こすもす
青空へ木の芽赤らむ山路かな えいじ
年度末随所の工事回り道 ふさこ
一安心新雪ホンの七センチ こすもす
朝刊のインクの匂い春浅し ぽんこ
風花に園児らの列乱れけり せつ子
ビリケンの足裏撫ぜれば街小春 たか子
差し入れの昼餉となりぬふかし芋 うつぎ
涅槃西風夕の介護に娘来る そうけい
店頭に楤の芽見つけ飛びつきぬ わかば
目覚めんと今朝の鳥声あたたかし そうけい
この頃のせり鍋主役根となれり わたる
図書館へ杖と連れ行き霞む瀬戸 きよえ
支柱立つ豌豆の芽は出たばかり あひる
春めくや交替告ぐる宅配くん せいじ
法螺の音の風によぢれる初大師 なつき
だだ押しの鬼追われても戻り来る 明日香
下萌をあらはに苑のつむじ風 むべ
キッチンカー窓より笑みと湯気立つ椀 康子
枯れ芝の土手のあちこち草青む 愛正
凍星の煌めきさらに遠くまで うつぎ
春寒の日差しに大根切りて干す 千鶴
夕暮れの雪は優しく山眠る 和繁
香具師と客長寿祝ぎあふ初大師 なつき
風やみて星凍つ夜となりにけり 澄子
晩酌のともは菜花の辛子和え ほたる
空晴れども身を切る風に余寒なほ 千鶴
すみれ草思はず踏みそ野道かな きよえ
風花やスクランブルの交差点 あひる
ポリポリと五色弾けん雛あられ せつ子
カウンター大将差し出す花菜漬 愛正
いそがしき天気よ晴れたり吹雪いたり 和繁
晩酌の締めは手打ちの十割蕎麦 ほたる
夫の云ふ去年は楤の芽当らずと わかば
我がために買ひし雛を飾りけり はく子
寒戻り水底の鯉身じろがず 澄子
進級すズボンは服の病院へ せいじ
玻璃越しに赤き毛氈雛飾り みきえ
鍬握る跡の窪みや春田打 みきお
水尾引きて一羽離れし鴨の陣 むべ
常香炉浴びる煙に風ぬくし 康子
まんさくや縮れる光り集め咲く みきお
見つめると触れたき不思議猫柳 わたる

2025年02月17日

池の面に見入る漢や木の芽時 せいじ
手造り雛ソフトクリーム持たされて よし女
石塀の片側濡れて春時雨 よし女
自販機のコーラ気になる浅き春 たかを
水温むリュックに一つ塩結び ふさこ
寒波の兆し皆すみやかに帰宅せり 和繁
紅茶の香るシフォンケーキや春うらら ほたる
春の川雨の水輪の音符めく なつき
早春の尖る白波明石の戸 わかば
若き日の洋画にはまる春炬燵 たか子
消えゆける淡色の虹冬の雲 あひる
春の雲ふはり綿雲何処辺か きよえ
公魚の陽光浴びて弾けけり わたる
藁帽子かぶる寄植ゑ寒牡丹 えいじ
腹に日矢射してあたたかえびす像 康子
春障子あけて襖絵彩りぬ もとこ
ゴルフ帰り軽に四人や牡丹雪 こすもす
仄明き窓見る度の春の月 明日香
春野菜あちこち見詰め主婦走る たかを
雪国や温泉川に雪放つ そうけい
冴え返る舫い結びの紐かたし わたる
春近し待ち合ひ客の笑ひ声 みきえ
野良猫の距離を詰めゆく苜蓿 澄子
夕暮れの街蒼茫と寒戻る 澄子
ゆったりと行き交ふ鯉や春日和 山椒
焼きたてをふるまうケーキ春うらら ほたる
畑打や畝黒ぐろと種を待つ 明日香
雪掻きの作業手早き子福かな そうけい
朝日浴び見るまに消ゆる春の霜 千鶴
春日差す砂のお山は高くなり きよえ
人影にゆるりと出でし春の鯉 あひる
吊橋の揺るる山里春疾風 愛正
自転車の将棋倒しや春北風 みきえ
受験子を守ると電車のアナウンス 康子
往路四度復路零度や牡丹雪 こすもす
春セーター着るマネキンの得意顔 山椒
馥郁と寂れし庭に枇杷の花 むべ
母子憩ふ砲台跡は四温晴 せいじ
万物の蠢めく気配春の闇 みきお
雛飾る発熱患者待合室 なつき
観梅の固き蕾に待つ心 わかば
計算が見込みと合わぬ納税期 えいじ
冬蔦の昇龍めける大樹かな むべ
雪落ちて桜の幹の苔みどり 和繁
電飾を浴びる街路樹冬温し みきお
梅が香に覗く生け垣犬吠ゆる 愛正

2025年02月16日

跳び箱を飛ぶごと白きうさぎ跡 ほたる
日の短か夕日差し込む額の絵に はく子
滝山の松明に舞ふ鬼まつり みきえ
締め込みの犇き畝る春祭り みきえ
祝祷を受ける二十歳や春浅し むべ
止め足の獣騙しやうさぎ跡 ほたる
卓上にまこと小さき雛かな 澄子
下萌や脚絆の畑主垣見舞 そうけい
雪見風呂とぽとぽの音しみりけり わたる
草萌えやポニーテールの揺れ走り えいじ
鍋奉行二人もおりてシメ雑炊 ふさこ
すれちがふダンプカー皆雪運ぶ 和繁
春キャベツ形とどめぬパック売り みきお
大黒と集合写真梅祭り 山椒
仁王門の出陣太鼓や修正会 なつき
御屋敷の庭開放すしだれ梅 むべ
吾が在所坂登り詰め山茱萸咲く よし女
路地うらら老女の餌に猫集ふ 康子
待合はプリザーブドの春の花 明日香
春朝やかつてのラッシュ駅に無く 明日香
春の野や両手を上げてチャリ漕ぐ子 せいじ
野地蔵やしろつめくさの首飾り みきお
舌伸びるごと下りてきし寒気団 千鶴
軒下の鉢物に水四温晴 うつぎ
換気する窓より入る雪解風 こすもす
古都巡る市民マラソン寒明くる もとこ
春浅し表札あらた代替わり 澄子
春北風湯煙斜めに倒しけり わたる
朝焼けの飛び交ふ鳥語山笑ふ きよえ
二種類のりんごケーキや春厨 こすもす
群鳩のとりどりに臥し日向ぼこ せいじ
山裾に広がる梅園榛名山 愛正
襞すべて霜に隠れし室外機 和繁
切り株のどうぞお掛けと春の園 きよえ
春の野に物産フェアや最後尾 康子
赤鬼の魔除け鈴買ふ会陽寺 なつき
青空の春や音なす高圧線 えいじ
貝塚を囲む広畑草萌る そうけい
徒長枝の切り口梅の開花かと よし女
納屋裏に見る人あらじ梅の影 愛正
大泉水岩上に立つ冬の鷺 山椒

2025年02月15日

雪解けて柞の森の端歩く よし女
軽快に踊るお多福梅祭 山椒
浅春や眺む稜線雑木道 愛正
園の径木々はやさしく芽吹きをり きよえ
村あげて育てる山地節分草 みきお
沼狸母子揃ひて雪間草を食ぶ えいじ
春愁やタワマン修理おぼろ雲 ぽんこ
ビルよりも高き雪吊り青き空 山椒
粕汁や啜りてしばし言葉出ず わたる
春雪や石庭のごと静謐る わたる
チョコかじりつつユーチューブ春炬燵 こすもす
げんげ田を行ったり来たり縄電車 みきお
あれほどの鴨いつの間に発ったのか 明日香
紅白の梅の落ち合ふ寺の磴 康子
梅が香の異にし匂ふ紅と白 むべ
春浅し山襞しかと赤城山 愛正
春浅しスローモーなる鯉五匹 せいじ
二ン月や出願の児のお下げ髪 もとこ
梅東風や漕がずに下るをんな坂 むべ
暖かや犬を縁に立話 澄子
斑雪ふみて釣人衆参す えいじ
宮に載る春満月の神々し そうけい
春愁や何かが足りぬ腑に落ちぬ たか子
春北風の袋小路に極まれる 澄子
葉の落ちし木々の裏庭暮れ易し 董雨
館うらら脳トレゲ−ム奇声あげ そうけい
珈琲が沸くまで窓辺春陽浴び たか子
春の風パステル色の絵馬揺るる 康子
芽柳や恋歌ながれ朱雀門 ふさこ
囀りや座して離れぬ彼彼女 せいじ
家ノ前石雛並べ街明かり 董雨
仄紅き雲は羽衣朧月 明日香
大根を煮て仏前にバレンタインデー よし女
風花や峪わたり来る鳥の声 うつぎ
松明持て寺縁ゆるがす修正会 なつき
鬼面は親子三代修正会 なつき
氷点下七度で空は青き春 和繁
長考につぐ長考や春炬燵 こすもす
除雪のプロお辞儀は深くきびきびと 和繁
山茶花の花びら食みつ散らす鳥 みきえ
春光や真白き畑の霜溶ける 千鶴
枝の蕾咲きそで固し園の梅 きよえ

2025年02月14日

見て見てと小さき誘ひの春満月 もとこ
休耕田そっと降りたる今朝の霜 みきえ
猪口咲きす白侘助の二三輪 むべ
蠟梅の歓び色に咲き満ちて よし女
道祖神囲む水仙村の辻 みきお
古地図より広がる世界春の宴 ふさこ
椿落つ一番きれいな時にこそ よし女
山笑ふ地元力士の顕彰碑 うつぎ
矢のごとく鳥語飛び交う春堤 えいじ
沼狸母子の連れ添う春の土手 えいじ
春月に影を持ちたる天守閣 むべ
走り根にお神酒を供へ春めける ぽんこ
侘助の一輪押しや部屋照らす わたる
春光や新調カーテンなほ白し やよい
茶菓子にもチョコ味多きバレンタイン こすもす
雪原に風の丸めし雪の筒 和繁
涅槃図へ踏み香炉に身を浄め うつぎ
鶯餅ふらりと街で買ひにけり あひる



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