2024年11月19日 | |
木枯らしに負けじと園長煙草のむ | えいじ |
小春日の嬰に添ひたる祝鯛 | えいじ |
軽々と吾子の掲ぐる熊手ゆく | えいいち |
たわわなる遺愛の柚子に父偲ぶ | むべ |
奥飛鳥女淵の瀞や冬日影 | 明日香 |
大秋晴動くともなき観覧車 | みのる |
モニュメント冬日の綺羅をはね返し | たか子 |
会議中熊出没のニュースあり | こすもす |
冬耕の畝真っ直ぐならず曲がりけり | 千鶴 |
寒菊の黄色生き生き畑の中 | きよえ |
舞ひあがりらせんを描く落葉かな | むべ |
昃ればみなゐずなりぬ石蕗の虻 | みのる |
神鳩を追ひし双子の七五三 | なつき |
初冠大山覆ふ初雪や | きよえ |
日を拾ひ落ち葉追ふや昨日今日 | ふさこ |
炉開の深き茶碗に仰け反りぬ | せいじ |
朴落葉かすかな風を起こしけり | みきお |
絶え間なく小鳥訪ふ初椿 | 澄子 |
冬めきて庭に皇帝ダリアかな | こすもす |
枯蟷螂鎌振り上ぐる力なし | 愛正 |
やうやくに実りし柚子の湯に浸かる | うつぎ |
木枯しや両手ポッケに通学路 | 山椒 |
水浴びす松の洲浜の鴉どち | せいじ |
石蕗あかり一隅てらす狭庭かな | 澄子 |
紅葉且つ散りて山王鳥居かな | 風民 |
柿吊るす昭和レトロの展示場 | 和繁 |
砂遊び紅葉の皿の忘れ物 | 康子 |
微笑みの八釣地蔵や冬帽子 | 明日香 |
ライトアップ黄金に瞬大銀杏 | 智恵子 |
雑木林草むら隠る寒葵 | 愛正 |
路地入りて寺から寺へ京時雨 | もとこ |
紅葉樹日射し射しこむ午後三時 | ぽんこ |
浮御堂静かに浮かぶ望の月 | 智恵子 |
銭湯の長居に癒す畑の冷え | 千鶴 |
クリーニングのコートにお菓子宅急便 | なつき |
茶を献ず社殿冬日の中にあり | 風民 |
不動なる大和の心木守柿 | みきお |
2024年11月18日 | |
石蕗の黄に取り囲まれし手水鉢 | せいじ |
寒風に挑み掛かりし鳶三羽 | 和繁 |
柝の音の飛び交ふ杜やお酉さま | えいいち |
お茶室は千客万来初紅葉 | あひる |
竹林の径分かつやに石蕗の花 | せいじ |
空青し融雪装置試運転 | こすもす |
七五三祖母も華やかワンピース | 康子 |
御手洗に水満々と小鳥来る | ぽんこ |
息白くなるやに空のオリオンへ | えいじ |
買物は大きな大根妻笑顔 | たかを |
切り干しの日向臭さの好き嫌い | もとこ |
風もなく綿虫現れ肩たたく | ふさこ |
作り変へ庭園おさまる夕時雨 | 愛正 |
故郷の海藍を濃く冬ざるる | たか子 |
しまなみを探す旅人霧笛鳴く | 智恵子 |
下校チャイム先の先まで空っ風 | 愛正 |
地に落ちてなおも鮮やか柿落葉 | みきお |
中身替え二日続きの一人鍋 | よし女 |
育ちたる海眺むれば冬の藍 | たか子 |
金剛石散りばめしごと星月夜 | むべ |
尉鶲ミラーに止まり冬化粧 | 明日香 |
野一面千萱なびくや返り花 | ほたる |
風の意に沿ふやに散華秋薔薇 | みのる |
お釣台池に張り出で秋を聞く | むべ |
三井寺の鐘の余韻や秋暮るる | 風民 |
北風へ一歩踏み込むペダルかな | 澄子 |
おでん酒酔へば無口がおしゃべりに | 千鶴 |
冬夕日雲見守りて瀬戸に落つ | きよえ |
冬耕や年季入りたるトラクター | 千鶴 |
古民家の土間に白菜ごろごろと | 智恵子 |
推敲の二転三転湯冷めかな | 康子 |
枯菊となりゆく香りなほ高く | うつぎ |
残菊やフェンス飛び出す白さかな | みきえ |
床の間の書を読み解きて封切り茶 | あひる |
散る枯葉裏表なし地に還る | みきお |
くるまれて鼾かきをり犬の冬 | えいじ |
ひと風に水面彩なす散紅葉 | 澄子 |
淡海の銀に紛るる鳰の群れ | 風民 |
お点前を頂く広間藪椿 | こすもす |
冬めくや枝葉鳴るごと北の風 | きよえ |
独り身の寂寥もらす秋の人 | みのる |
つむじ風落葉連れ去り解き放し | 明日香 |
2024年11月17日 | |
雲割れてふいに顔出す冬の望 | 智恵子 |
朝寒に尻も驚く厠かな | えいじ |
秋の杜物見の人に追い越され | えいじ |
枯園に苔の緑の浮き上がる | 和繁 |
賑はひに吾子の背を追う酉の市 | えいいち |
畑に散る柿の紅葉や夕映へて | きよえ |
むら雲のそれぞれに照る冬朝日 | 和繁 |
濡れ縁の木の葉に戯る子猫かな | 愛正 |
舂ける秋日は天を薔薇色に | むべ |
山茶花の咲き初む垣根父植えし | 明日香 |
創作の菓舗茶舗ずらり駅小春 | 千鶴 |
清掃日次々色葉の透く袋 | うつぎ |
冬ぬくし手術痕撫づ祈りの手 | なつき |
玉砂利を踏む沓の音冬に入る | 風民 |
満車底脚抱きつく子コート影 | ほたる |
日の射してほつほつ白く冬桜 | 康子 |
秋時雨大人の渡らぬ歩道橋 | はく子 |
岩の上空を見上げる雪兎 | 山椒 |
クリスマスはや電飾の灯りけり | 千鶴 |
見下ろして満艦飾のはぜ紅葉 | たか子 |
炉開や煙草を欠きし煙草盆 | せいじ |
つわぶきの黄が席巻す茶庭かな | みのる |
磨かれし床に燃ゆるや庭紅葉 | 智恵子 |
被り物のマラソンランナー小春の日 | こすもす |
湯冷めして母の小言の思い出し | もとこ |
子のおもちゃバザーへ運ぶ十二月 | なつき |
嵩高き落葉囲に入日さす | むべ |
秋澄むやヘルマンハープの音の揃ひ | あひる |
冬耕の畝黒々と波打てり | みきえ |
天空に松の凛々しき神の留守 | 康子 |
炉開や高僧の書が掛軸に | せいじ |
炭焼きの煙ひと筋里の山 | みきお |
冬の滝奥に明王彫られゐて | 明日香 |
しぐる山庭は夕日の影長し | 愛正 |
森林の左見右見する薄紅葉 | ぽんこ |
冬暖か杖と連れ立ち投票所 | きよえ |
隣り合ふ静もる池と鴨騒ぐ池 | みきえ |
地の底を探る足先蓮根堀り | みきお |
煮ゆる音もすくふ杓子や芋煮鍋 | あひる |
池塘人思ひ思ひに秋惜しむ | みのる |
冬めくや渋いろ似合ふをんなの子 | ふさこ |
2024年11月16日 | |
暖かしひ孫誕生カード来る | よし女 |
鮮やかに庭彩りて石蕗の花 | こすもす |
緋色待つ丹色の櫨や薄紅葉 | むべ |
諸鳥の声聞き分けつ秋惜しむ | みのる |
もみぢ葉の殊に明るき一樹かな | せいじ |
冬の雨徒歩で買ひ物伸ぶ歩数 | みきえ |
捥ぎたての蜜柑の皮の瑞々し | 千鶴 |
北風に頬叩かれて乱れ髪 | 智恵子 |
店仕舞思案のときの時雨かな | えいいち |
洗いたてパジャマ爽やか星降る夜 | ほたる |
街灯の揺らぐ池面の浮寝鳥 | 康子 |
枯蓮の虚実相似や池鏡 | みのる |
手に取りし紅葉はレザータッチかな | せいじ |
冬灯し通らぬ針やほつれ縫ふ | たか子 |
一面に鳥の足跡椎拾ふ | なつき |
時雨雲泣きそな空や風すこし | きよえ |
瀬戸の陽と潮風纏ふ蜜柑山 | 千鶴 |
みそ汁の大根の佳き分厚さよ | 和繁 |
秋灯や娘の腹撫でて待つ陣痛 | 康子 |
冬の陽や子供等逃げる追うはパパ | たかを |
と見る間に冬霧まとふ二上山 | 明日香 |
ほおかむり解いて道端の立ち話 | ほたる |
子の放る木の実かんこんバケツ打つ | えいじ |
百重なる落ち葉の小径うら寂し | 愛正 |
朱を極む紅葉を選りておみやげに | 澄子 |
気がつけばお国訛りに今年酒 | 澄子 |
朝鴉来て何かおくれと野路の秋 | えいじ |
剥がし合ふ盗人萩や吟行子 | あひる |
暗闇に踏み込む一歩虫時雨 | みきお |
門前に咳止め飴の老舗かな | みきえ |
アップルパイ厨に香る誕生日 | あひる |
冬木立古墳守るごと囲みをり | 明日香 |
短日や曇天なれば尚のごと | きよえ |
重ね着や血液検査おほわらは | もとこ |
一輪車乗れたる笑顔秋うらら | みきお |
町師走馴染みのカフェの閉づ知らせ | なつき |
雲の間に見え隠れして冬の望 | 智恵子 |
風誘ふ冬の山々雲流れ | ふさこ |
秋水の湧きて御苑の池をなす | むべ |
紅葉かつ散りて大樹の大きい洞 | ぽんこ |
ゴミ袋ひとつは落葉ぎゅうぎゅうに | こすもす |
牛小屋の藁に居座る冬蝗 | 愛正 |
2024年11月15日 | |
聖樹の灯流るる川や博多の夜 | 千鶴 |
県境を跨ぐ一歩や冬すすき | みきお |
紅葉狩り竿さす舟の飛沫かな | 智恵子 |
トラクターゆつくり進む冬田かな | たかを |
自棄っぱちどうでもしろと破れ蓮 | たか子 |
初時雨小走りの人軒の人 | きよえ |
くちづけをひんやり返す冬薔薇 | あひる |
咳の吾に美容師そっと飴ひとつ | みきえ |
木枯の渦巻き抜くる桑畑 | 愛正 |
雪峰の連峰しずか暮れ早し | ふさこ |
初紅葉水面耀ふ日の斑かな | 澄子 |
勝ち力士の髷の乱れや大相撲 | こすもす |
これからぞ緩き人生老の秋 | たかを |
晩酌の締めの新蕎麦香り立つ | ほたる |
ウォーキングのいつもの場所の浮寝鳥 | なつき |
渓谷を出で初雪の富士望む | 風民 |
蒼天を透かし裸木煌めけり | 明日香 |
一粒の椎の実煎りて香ばしき | むべ |
ぱらぱらとカメムシの散る布団かな | ほたる |
菊薫る墓石華やぐ左見右見 | 智恵子 |
陽だまりに風掴まんと枯蓮 | ぽんこ |
なぞへ縫ふ小径をゆけばお茶の花 | むべ |
秋灯下熱気渦巻く立回り | もとこ |
散紅葉小雨弾ひて庭光る | きよえ |
秋光の鳥鳴く森に日の斑満つ | えいじ |
過疎村の廃屋飾る柿落葉 | 愛正 |
水琴の音を褒め合ひて秋惜しむ | せいじ |
日だまりのベンチで仰ぐ冬桜 | なつき |
雀一羽取り残されて冬きざす | 和繁 |
精米機先客新米吾は古米 | こすもす |
勾玉の胎児のかたち星流る | 澄子 |
振り上げる冬耕の鍬煌めけり | みきお |
鮒釣りの素足投げ出す秋の川 | えいじ |
お点前をいただく庵の窓紅葉 | せいじ |
山峡の冬霧まとふくつな石 | 明日香 |
万華鏡覗く心地や落葉淵 | うつぎ |
電飾の賑はひ冬の駅広場 | 千鶴 |
遠山の日裏日表大苅田 | やよい |
2024年11月14日 | |
抱き癖は爺の子守よ日向ぼこ | なつき |
園児らを躱して冬蚊いづこへと | 康子 |
霧ぶすま浄土に浮かぶ五重塔 | もとこ |
小春日に千手ひろげし古木かな | 澄子 |
蓮枯るるぐんと広ごる池の面 | せいじ |
ひむがしに薄き半月秋日濃し | やよい |
冬夕日雲日を抱く瀬戸の海 | きよえ |
庭園に落ち葉蔵める山の宿 | 愛正 |
期日前すます投票冬うらら | 千鶴 |
ピンと張る雪吊りの縄植木かな | みきお |
冬風鈴玻璃にひび入るめし屋かな | なつき |
居合せて問はず語りや秋灯火 | 澄子 |
冬陽射し赤色黄色の小花たち | たかを |
一生の至福の笑みや七五三 | えいじ |
城門に鯱一陣の秋の風 | 山椒 |
石灯籠笠にかぶさる実南天 | ぽんこ |
出棺の母を見送る柿花火 | あられ |
釣鐘のごとく固まり枯蓮 | あひる |
幾度も電気ポツトに湯気立ちぬ | 和繁 |
水琴窟地底も秋であるらしき | うつぎ |
さまざまな落葉あつまる古墳かな | 明日香 |
御神酒の香湯気ごともらふ蒸饅頭 | むべ |
紅や黄や落葉つやつや森の径 | きよえ |
さきがけて池の畔の薄紅葉 | むべ |
旅終わり静かなる冬黒部ダム | ふさこ |
冬耕やひと鍬ごとに土晒す | みきお |
綿帽子神殿進む秋日和 | 山椒 |
日だまりの遊具さまよふ冬の蝿 | 康子 |
先客は柿の紅葉や車椅子 | あひる |
冬日燦六角墳のマルコ山 | 明日香 |
夕時雨遠吠え細き犬の声 | 愛正 |
落葉掻き庭師来るまで根比べ | みきえ |
むざんやな水面に刺さる蓮の骨 | せいじ |
山の背に乗りたるやように秋の雲 | 風民 |
淵に落ち捕らへられたる山紅葉 | 風民 |
師と並びおうす戴く冬初め | たか子 |
大屋根に紅葉降り注ぐ児等駆ける | たかを |
秋光に綺羅のさざなみ川流る | えいじ |
吊るし柿窓辺を灯す民家カフェ | 智恵子 |
冬野菜籠いっぱいに道の駅 | 智恵子 |
冬の靄川辺に鷺とコウノトリ | こすもす |
待つと云ふ時間の重さ冬銀河 | 千鶴 |
2024年11月13日 | |
冬暖か散歩の犬も嬉しげに | きよえ |
立冬の谷間を急ぐ水の音 | 風民 |
万里とふ茶室は古りて石蕗明かり | うつぎ |
縁小春指が覚えてゐる影絵 | 康子 |
秋の森あまどころ抱く黒真珠 | むべ |
冬耕の人影ちらと道すがら | 明日香 |
欠席の理由は夫婦共に風邪 | こすもす |
帰り来し白鳥潟に広ぐ羽 | 山椒 |
繁盛のカフェ開店冬ぬくし | きよえ |
お社に手合わせて入る紅葉山 | 風民 |
小流れに顔をつきだす石蕗の花 | ぽんこ |
知事選に託す一票寒椿 | 千鶴 |
悠然とあるがままなり枯蓮 | あひる |
秋の夜投ぐや振り落つ投手帽 | みきえ |
風に乗り風に押される冬の霧 | 明日香 |
急に降る耳につんざく鵯のこえ | みきお |
七五三いつもの光る靴履いて | なつき |
山頂に雲たなびけりみかん畠 | 山椒 |
瘡蓋のほろり剥がれて冬温し | 澄子 |
炉開やはしなくも正客の座に | せいじ |
秋の昼皿に幾重の鬼まんじゅう | えいじ |
溜池の堰き止む落ち葉千切れ雲 | 愛正 |
冬一日吟行と云ふ至福かな | たか子 |
つけ外す補聴器せわし虫の声 | みきお |
散らされし池面の雲や鴨の水脈 | あひる |
小春日や移ろふ雲を飽かず見る | やよい |
甘味屋の抹茶尽くしに小春かな | もとこ |
初冬にももいろの薔薇ほの明し | 和繁 |
日向水木いや土佐水木冬木の芽 | うつぎ |
御料地の杜のしづけさ初紅葉 | むべ |
十一月はや電飾の灯す家 | なつき |
小春日和介護手摺にまだまだと | ふさこ |
炉開やどうしたもんかこのキセル | せいじ |
ひらがなの候補者リスト石蕗の花 | 千鶴 |
冬耕の菜園群がる雀かな | 愛正 |
ひと叢の芒にひかり定まらず | 澄子 |
縁小春孫に教へるわらべ唄 | 康子 |
小鳥来て願掛け人に声かけし | えいじ |
抜きん出し紅葉我が家のハナミズキ | こすもす |
2024年11月12日 | |
ゆるやかに台地の呻き冬きたる | ほたる |
な転げそなぞえしきつむ木の実かな | えいじ |
秋晴れへ太郎の塔は手を広ぐ | はく子 |
爽やかや太陽の塔深呼吸 | あひる |
吊り橋の揺れて粧ふ山揺るる | 風民 |
四階の日照りの窓辺冬の蝶 | きよえ |
句を学び像仰ぎみる芭蕉の忌 | もとこ |
厚物は姫の風格菊花展 | むべ |
交番のはや灯点れる暮易し | 千鶴 |
七五三ネクタイ正し祈祷受く | なつき |
展望台追ひかけてくる時雨雲 | 明日香 |
小さき手の握る落葉の音楽し | 康子 |
校庭の築山滑る子と木の葉 | 愛正 |
細葱の根っこ残して植えにけり | ふさこ |
尼寺の猫のねぐらの毛布かな | なつき |
ニューデザインの頬かむり売るバザーかな | こすもす |
メンバーを数へつ巡る園小春 | せいじ |
冬の日の時計の音のやはらかき | 和繁 |
無事を謝す結婚記念日神の留守 | やよい |
紅葉の母校に集ふ笑顔かな | むべ |
浅漬をポリポリ白き乳歯の子 | 康子 |
せせらぎの宙に王めく女郎蜘蛛 | せいじ |
団栗に寄せ合ふ頭吟行子 | あひる |
木の葉散る緑青の屋根反り返り | 明日香 |
かほり無く色に出にけり冬薔薇 | たか子 |
冬日差し遺影照らして和みけり | きよえ |
銀盤を滑るがごとく落ち葉かな | 風民 |
村寄りて防災談議冬はじめ | 千鶴 |
首筋に落ちる雨垂れ冬の雨 | みきお |
遠目にも真っ赤な楓カナダ産 | ぽんこ |
中島に次々亀の日向ぼこ | ぽんこ |
山村に犬の遠声冬の月 | みきお |
紅葉の空に石段に石垣に | 山椒 |
泥落とし親も子もをる芋届く | みきえ |
七五三髪に手櫛やはいチーズ | えいじ |
大盛況のふるさとまつり小春の日 | こすもす |
木枯の静まる村里屋敷森 | 愛正 |
2024年11月11日 | |
常連の翁は居らず落葉掻 | せいじ |
添えられし墨のホ句箋富有柿来 | ほたる |
立冬過ぎ電車時まで子の動く | 董雨 |
山颪の抜くる道筋登山道 | 愛正 |
紅葉を蹴散らして翔つ鴉かな | あひる |
陰日向稲架に生まるる谷戸夕べ | むべ |
太陽の塔は碧眼秋の空 | あひる |
空晴れてけふは佳き日や鳥帰る | やよい |
秋の灯や文書き切れづ表まで | みきえ |
馬小屋に漏れる白息命燃ゆ | みきお |
木道に響く靴音冬に入る | 風民 |
引き剥がす盗人萩や帰宅途次 | せいじ |
湯葉の張る鍋を掻く箸冬の暮 | えいじ |
年末の墓掃除早頼みけり | 董雨 |
泥つきの大根一本留守の間に | こすもす |
鐘一打墓石に灯る秋夕焼け | 智恵子 |
廃校や木の葉ラリーの庭球場 | 愛正 |
海原にふわり綿雲小春空 | きよえ |
引力に負けてはらはら散紅葉 | 明日香 |
献立をおでんに変えるリクエスト | こすもす |
秋短し四季から二季へ空に問ふ | ふさこ |
恐竜の卵のごとし花梨の実 | ほたる |
冬日濃し遠くの山の近づきて | 明日香 |
ビル解体して冬ぬくき登校子 | 康子 |
古し宮神の留守なる温泉街 | もとこ |
切り戻す白菊の香や召天日 | むべ |
九州場所歓声聞こゆ湯葉を掻く | えいじ |
苔むせる岩の実生も照葉かな | 風民 |
羽のごと背に帯ひかる七五三 | なつき |
日を仰ぐ花壇に冬の蝶群るや | きよえ |
ハルカスと五重の塔の秋のコラボ | ぽんこ |
門前に猫抱く媼暮の秋 | なつき |
さす棹の水のさばきやこたつ舟 | 千鶴 |
日向ぼこカーテン裏は秘密基地 | 康子 |
紅葉降る古都を駆け行く人力車 | 智恵子 |
枯蟷螂風に煽られ歩みけり | みきお |
常緑樹静かにそそぐ紅葉かな | たかを |
香ばしさ極まる鰻せいろ蒸し | 千鶴 |
鳩の群羽音揃へて刈田発つ | やよい |
2024年11月10日 | |
菊匂ふ七十五歳最後の日 | せいじ |
さし覗く寝入る水辺の浮寝鳥 | 愛正 |
冬立つや遠嶺に黒き雲置きて | やよい |
満席の中洲屋台のおでん酒 | 千鶴 |
暮早しシャッター街の温泉かな | もとこ |
十一月大蝌蚪をりし神の池 | なつき |
大根の煮上がるまでのカフェタイム | 康子 |
冬枯れの並木に電飾華やげりり | 智恵子 |
縦横に撮りし笑顔の七五三 | えいじ |
日の当たる石を噛みをり冬の蝶 | みきお |
ぜんざいをふるまうイベント小六月 | こすもす |
天窓の光ゆたかに冬に入る | 和繁 |
赤提灯竿さすし舟の炬燵かな | 智恵子 |
風呂の窓鍵忘れ知る隙間風 | きよえ |
冬日向市民祭りへ税務署も | たか子 |
冬晴や母とブランコ入れ替わる | たかを |
神の留守退屈さうな巫女のをり | なつき |
冬の雲大空埋む夕早し | きよえ |
千歳飴値上がりするも同じ顔 | ふさこ |
蟷螂の枯れたる駐車場の角 | 和繁 |
冬籠り電車ごっこで旅する子 | 康子 |
空真青寒鮒釣の大欠伸 | えいじ |
目の前をよぎるジェットや山小春 | せいじ |
天守より見張らす街や秋の色 | 山椒 |
庭先に農具干されて柿花火 | むべ |
一枝を三つに彩る楓かな | 風民 |
冬日差し千々に草木の輝けり | 明日香 |
川風に水草ひそむ鴨の群れ | 愛正 |
玻璃磨く早めの小掃除小春かな | みきえ |
大根を食器のやうに洗ひをり | うつぎ |
目の前をよぎる綿虫散歩道 | みきお |
どんこ舟たどりし入り江菊花展 | 千鶴 |
振袖に駄々をこねたる七五三 | ぽんこ |
投句欄訂正ばかり木の葉髪 | 明日香 |
冬ぬくし広場貸切り市民祭 | たか子 |
朴の葉の落ちて明るき山の道 | 風民 |
山裾を靄包み行く秋時雨 | 山椒 |
2024年11月09日 | |
リースにと野に選る蔓や今朝の冬 | むべ |
船頭さす冴ゆる水音棹の先 | 千鶴 |
つくばいに黐の実ぽろり小波たつ | 智恵子 |
踏切を渡って花壇冬の蝶 | きよえ |
年の瀬やまねき看板勘亭流 | みきえ |
冬うらら賓頭盧さまはピカピカに | 明日香 |
かけ引きに負けて気合の大熊手 | みきお |
枯蓮まだまだなれぬ二つ折れ | ぽんこ |
立冬の風にさざめく宮の木々 | せいじ |
ハグ仕合ふ同窓会や秋日和 | 山椒 |
一斉に繰り出す漁船ずわい蟹 | みきお |
長き夜や歯車のかみ合わはぬまま | 明日香 |
柳川やお堀巡りのこたつ舟 | 千鶴 |
隙間風納戸となりし子供部屋 | 愛正 |
あかぎれの指に覚悟の厨ごと | 康子 |
宇治川に光の道や秋落暉 | あひる |
池のぞく子の帯光る七五三 | なつき |
双蝶の不即不離なり秋堤 | えいじ |
読み聞かす絵本きりなし縁小春 | 康子 |
裸木の林に描く松模様 | 愛正 |
お社を囲む満天星紅葉かな | 風民 |
香り立つ造り酒屋の冬のれん | 智恵子 |
白樺の黄葉に濃し空の青 | 風民 |
七五三母も大きなリボンつけ | なつき |
吊し柿夫唯一のお仕事なる | もとこ |
秋の暮改札出れば駅ピアノ | やよい |
風散らす木の葉河口に流れ行く | きよえ |
秋高しクロスなす空飛行雲 | みきえ |
剃髪の女官の涙秋の寺 | 山椒 |
添えられし墨のホ句箋富有柿来 | ほたる |
独り居のソファーのキルト窓小春 | あひる |
神楽月大杉玉の青々と | あられ |
淹れくれし熱きコーヒー山小春 | せいじ |
冬茜翼下に滲む伊勢の海 | えいじ |
又ひとつ増えし仕事や落ち葉掃き | こすもす |
冬晴のヘリコプターや森影へ | たかを |
叩かれて怒涛の雨や銀杏の実 | ほたる |
2024年11月08日 | |
青空の銀杏拾いきりもなや | ほたる |
ハグ仕合ふ同窓会や秋日和 | 山椒 |
晴空に浮く月白や冬の夕 | きよえ |
黒びかりせしカウンター熱燗で | もとこ |
暮早し句会のあとの喫茶店 | こすもす |
万両の朱き実姫の眠る寺 | 山椒 |
住職のほまち田小さき秋茄子 | なつき |
柳川の水郷めぐり小春空 | 千鶴 |
よろめきて木枯らし的に球打てり | えいじ |
トロッコの廃線埋める落ち葉かな | 風民 |
肌寒や頬杖つきて日記書く | えいじ |
蔀戸の障子明かりや観世音 | うつぎ |
掃き寄する落葉や尊徳像の前 | なつき |
冴ゆる夜や解錠の音響きけり | せいじ |
凍雲の残す風音河川敷 | 愛正 |
畔道が白く浮かぶや星月夜 | 智恵子 |
金網をくぐりて一輪コスモスよ | たかを |
あちこちに手締めの声や酉の市 | みきお |
唇と舌で確かむ燗の酒 | みきお |
凩に塵払はれて星残る | むべ |
初もぎをひとつずつ分け庭蜜柑 | こすもす |
紅爆ぜて山路明るき檀の実 | むべ |
寝つかれず仏間に座せば嘘寒し | 智恵子 |
木枯しと押しくらしたるベビーカー | 康子 |
冬に入る世界情勢不穏なる | たか子 |
柿吊るす翁旧家の主かな | みきえ |
哀れなり吹きあぐ霧の陽のひかり | ほたる |
ドッヂボールの声はつらつと冬初め | やよい |
秋日濃しステンドグラスの青たちて | 明日香 |
苔庭を一幅の画に散紅葉 | 明日香 |
青鷺の見つめる先のどんこ舟 | 千鶴 |
裏庭に木の葉吹き込む山の風 | 愛正 |
一穢なき凍空を割く送電線 | せいじ |
小春空重なり彼方飛行機雲 | きよえ |
2024年11月07日 | |
今朝の冬電線並ぶ鳩親子 | きよえ |
癒されし声弾みゆく小春かな | あひる |
凩や子らにまぎれて鬼ごつこ | もとこ |
穭田を残せる谷戸や風青し | むべ |
冬来たる一枚増やす羽織りもの | みきえ |
枝先に柿押し合ひてたわわなる | 明日香 |
黄落や賑やかにして無音なり | 風民 |
また同じ一匹らしき秋の蝿 | うつぎ |
ストーブに再会したる読書会 | あひる |
秋冷の山たたなはるバスの窓 | やよい |
紛れ無し一枚羽織る冬の朝 | ふさこ |
鉢植えの木の葉宙舞ふ気色かな | 愛正 |
ユリノキの黄葉晴れにさんざめく | えいじ |
木枯らしに髪逆立てしウォーキング | ぽんこ |
旅前の水遣りたっぷり冬に入る | 千鶴 |
秋深し山懐の涅槃石 | 山椒 |
ロープ張る神の穭田日の溜り | なつき |
ユリノキのもみじ栞のをさまらず | えいじ |
空っ風に我へとそよぐ桑の葉よ | たかを |
峭壁に響く水音冬立てり | 風民 |
律儀にも風を吹かせて冬立ちぬ | たか子 |
便箋の和紙の手ざわり冬はじめ | 幸子 |