2025年02月25日 | |
頂きを雲居に置けり春の富士 | むべ |
雪富士を間近に仰ぐ水汲み場 | むべ |
庭の木々淡雪ポトリ光けり | 明日香 |
梅の寺紅一輪の誇らしく | きよえ |
田の神さあに一献参らせ耕うん機 | よし女 |
まんさくやモノクロ里に色付けて | わたる |
ぼんぼりも金彩色や陶器雛 | 康子 |
雨晴れて春光さはに注ぎけり | せいじ |
囀や習はで交はす相聞歌 | せいじ |
一と鉢のしかも純白寒牡丹 | よし女 |
窓越しの氷柱に映る青き空 | ほたる |
ボール探す雀隠れの草野球 | みきお |
啓蟄や野良着繕ふ作業小屋 | みきお |
畑より飛び立つ音や群雀 | 董雨 |
水仙の石の狭間の蕾かな | わかば |
氷柱落とすやついたてで窓護りつつ | 和繁 |
春空より落ちし真白の鳥の糞 | えいじ |
ひと筆の目に微笑める陶器雛 | 康子 |
薬剤は不足してます春の風邪 | 明日香 |
街も木も耀く光春近し | 山椒 |
客人のたへることなき春のカフェ | 澄子 |
春色の口紅試す手の甲に | 千鶴 |
堅雪や残る足跡野生の気 | わたる |
マンバンヘアきりり若者春耕す | あひる |
振りて買ふ魔除けの鈴や会陽寺 | なつき |
下萌や潮の香通ふ蜑の路地 | わかば |
寒いねと春の色着し配達婦 | えいじ |
葉の間より突き出る花や寒菖蒲 | 愛正 |
閉院の庭は陽だまり梅万朶 | あひる |
雪国の郷にも来たり今日の春 | こすもす |
御包みの赤児もありぬ吊るし雛 | 和繁 |
松明の鬼の乱舞や春呼べり | なつき |
児等はしゃぐキッズコーナー春の音 | きよえ |
木の芽吹く犬は道辺の草を嗅ぐ | 愛正 |
梅一枝床の間で笑む天神様 | ほたる |
鳳凰の東山見ゆ椿東風 | もとこ |
勾配に添ふ山茶花や古戦場 | ぽんこ |
窓開けて猫も浴びたり春陽かな | こすもす |
ちょっとした人垣ならめ花一朶 | 澄子 |
2025年02月24日 | |
春の空ピーチクパーチク鳥一羽 | たかを |
奥座敷巡る廊下になは余寒 | 澄子 |
まだ言へぬこと二つあり春愁 | あひる |
医師呟く終局萠すうそ寒し | 董雨 |
枝垂れ梅墓地に紅色揺らぎをり | みきえ |
居間一日独り占めして納税期 | せいじ |
漆黒の湖揺るがせて冬花火 | 澄子 |
百日祝孫へつば付き春帽子 | 康子 |
吹雪く中除雪車二台移動中 | こすもす |
風車回る一坪ほまち畑 | なつき |
去る子らの帽子似合いの風花す | わたる |
日照雪なるも片端は春の雲 | えいじ |
コンビニ前除雪車二台稼働中 | こすもす |
忘れ雪露天の湯景彩りぬ | わたる |
もこもこと木の葉に積もる春の雪 | 明日香 |
店先に草餅焼くや香ばしき | むべ |
吾子乗せて飛機雪雲へ消えゆけり | あひる |
代々の食い初め椀や春の塵 | 康子 |
マラソンの気迫風花ものとせず | たか子 |
梅東風や婆ひざまずく奥の院 | なつき |
青空に煌めき聳ゆ雪の富士 | みきえ |
浅春の白波光る浜辺かな | わかば |
朝まだきほつほつ灯る木蓮の芽 | えいじ |
春風にふくらむドレス発表会 | もとこ |
雪晴や八幡神社の白鳥居 | 和繁 |
卒業子の呼ぶ名震える教師かな | 愛正 |
春日浴び若きランナー大会新 | きよえ |
蹲る陽だまりの猫春の土 | えいいち |
焦燥は今日で仕舞に納税期 | せいじ |
雪の田に黒き影あり番鴨 | 和繁 |
ランナーの熱気や雪も何のその | きよえ |
盆梅の甦るごと付く蕾 | わかば |
風花や膝の艶めく賓頭盧さん | ぽんこ |
群れで来て群で飛び去る寒雀 | みきお |
満潮の波白々き余寒かな | よし女 |
灯の回廊やわらかき灯の雪一夜 | ほたる |
雪壁の迫りて轍身を細む | ほたる |
マラソンが我が街抜ける春の雪 | ふさこ |
切り干しの縮みし皺の旨みかな | 千鶴 |
降りしきる春雪のもとマラソンが | 明日香 |
雪被りどの枝もみな太くなり | よし女 |
木枯しに流れは緩き白い雲 | たかを |
雪富士の腹を撫でゆく雲の影 | むべ |
梅の香やたどるは磴の五十段 | そうけい |
両手出し動けぬ吾子や雛あられ | 愛正 |
彼岸西風やたら気になる訃報欄 | みきお |
読めぬ字も書けぬ字もあり春炬燵 | うつぎ |
2025年02月23日 | |
春の旅医院の予約抜け落ちて | みきえ |
雪解けの僅かにのぞく地に鶫 | 和繁 |
犬吠ゆる梅香に止まる人の影 | 愛正 |
髪切りて尚思ひ知る余寒かな | こすもす |
八重椿花びらに影生まれたる | むべ |
発熱に右往左往や春の風邪 | 明日香 |
伸び縮む黒き塊り鳥帰る | みきお |
存問の孫に豚汁牡丹雪 | せいじ |
びんずるの艶めく膝と肩ぬくし | 康子 |
深海の古代魚撮す春の宵 | 千鶴 |
梅一輪書院の庭に紅ともす | わかば |
音立てて春の雪間の朝散歩 | えいじ |
春泥のまみれる子らに有る未来 | うつぎ |
美容院ちんまりとあり紙雛 | こすもす |
春競馬新札舞ひて妻の顔 | ふさこ |
見守りの言葉の温く届きける | たか子 |
連日の雪注意報雨水かな | わたる |
頂上や吹きあぐ小屋の雪煙 | ほたる |
輪橇綺羅にあさひの透ける跡 | ほたる |
落書きの髭や天神土人形 | なつき |
春寒や気負ふことなく歩みたし | わかば |
無縁塚すそに真紅の落椿 | なつき |
風花の先の雲間に青い空 | 和繁 |
梅林一花見むとて踏査せり | えいじ |
銀沙灘からの光や春障子 | もとこ |
一輪車漕ぐ得意顔桃の花 | みきお |
のぼり来る風香しき梅の丘 | 康子 |
お遣ひを孫らに頼む寒苺 | あひる |
春愁や妻は腱鞘炎押して | せいじ |
起立礼日差しを受くる卒業子 | 愛正 |
春寒の風や松の枝絡みをり | きよえ |
寒さ問ふ見守り隊の声の澄む | たか子 |
畑打てばとんとこ春がやって来る | よし女 |
整然とならぶ光や寒苺 | あひる |
春寒に軽く足踏みバスを待つ | きよえ |
祭笛雫となりし笛の息 | よし女 |
艶黒のボンネットにも椿落つ | むべ |
無人店残り一つの猫柳 | わたる |
2025年02月22日 | |
寒菖蒲葉に埋もれて楚々と咲く | 愛正 |
白梅の中に夕星またたけり | むべ |
戸を開くや否や足許余寒かな | よし女 |
春空を映す川面や鳥の水脈 | えいじ |
凍て返る手垢光りのこけしの眼 | よし女 |
結露して結露滴る窓余寒 | 和繁 |
トラックの荷台に積もる雪の嵩 | ほたる |
春めいて垣内まわりの猫が来る | 明日香 |
白黒と静寂広がる雪景色 | 千鶴 |
出張の父に似せたる雪だるま | せいじ |
桑芽吹く狭まるる土手の散歩道 | 愛正 |
白子干し耀く白さ海の綺羅 | 明日香 |
五百年湧くお茶の井や水草生ふ | もとこ |
春寒や戻りし子らへおでん鍋 | わかば |
競馬場子連れの多き | ふさこ |
半日をジャム造りとし春を待つ | たか子 |
美容院吾を迎ふごと紙雛 | こすもす |
春泥に不意によろめく吟行子 | えいじ |
駄菓子屋の奥の奥まで大西日 | みきお |
春風邪に戸惑ふ夫の台所 | ぽんこ |
新芽出づ真下に落ちる春落葉 | みきお |
十余りの蘭の明日にも開くかに | はく子 |
誘惑の団子片手に探梅行 | 康子 |
野良猫の梅東風に耳そば立ちぬ | 澄子 |
雨水過ぎ球根の芽の著し | 澄子 |
下萌や則る色よ目に記す | そうけい |
祖母宅が服の病院春休み | せいじ |
館内にコンシェルジェめく享保雛 | なつき |
鼻歌も出てピザ窯に薪を組む | あひる |
やみまなく降り続きをり春の雪 | こすもす |
ふと出づる唱歌なる歌今朝の霜 | みきえ |
春の風子ずもれ多き競馬場 | ふさこ |
春浅し強き海風湊町 | わかば |
寒戻る身の縮まりて家居かな | きよえ |
春寒し冬物セール始まらず | わたる |
枝垂れ梅仄か紅染む母子観音 | そうけい |
雪晴れや枝から枝へ鵯渡る | 和繁 |
梅東風や揺らぎやまざる筧水 | 康子 |
白壁に幾すぢの影しだれ梅 | むべ |
一村や布団のごとく雪被る | ほたる |
冴返る強風の中ヘリ西へ | きよえ |
寒気続き足の冷え込み目の覚める | 董雨 |
梅東風や無住となりし鬼門寺 | なつき |
手を引かれ下りる小さき冬帽子 | みきえ |
金縷梅の花に教わる季の進度 | わたる |
2025年02月21日 | |
ようやっと内裏様のみ飾りけり | 明日香 |
雑踏へ紛らわし行く春憂い | たか子 |
萌黄染む苦味楽しむ蕗の薹 | わかば |
寄せ返す波しなやかに春岬 | よし女 |
かぐやびな千個手作り工芸翁 | みきえ |
紅梅の開花待ちをり米寿翁 | こすもす |
山椿高く灯せり川不動 | なつき |
卒業期空き部屋有りの学生街 | 愛正 |
寺の門枝垂れと八重の梅明かり | そうけい |
約束の次次入れて暖かき | もとこ |
古梅残し壊す無人の家寂し | そうけい |
採血の肌に冷たきゴムバンド | せいじ |
春寒し赤き前垂れ六地蔵 | ぽんこ |
水草生ひ初めて水面に見え隠れ | せいじ |
春浅き青空に鳩飛び交はす | 和繁 |
川不動へ足跡深き霜柱 | なつき |
竹筒にすまし顔なるかぐやびな | みきえ |
山茶花の屑の滝めく湧水池 | 康子 |
夕日浴び蝋梅今し琥珀色 | むべ |
草刈機うなる朝となりにけり | 明日香 |
リユックの顔出す怪獣青き踏む | ふさこ |
早春の日を背に受くる山路かな | えいじ |
口開く妊婦の埴輪春の雷 | みきお |
紅梅のまだまだ固き蕾かな | こすもす |
氷点下九度に至りぬ通勤路 | 和繁 |
句碑の佇つ寺苑や万の梅つぼみ | 康子 |
神妙に畏まる客雛祭り | みきお |
晴天に瑠璃の色濃き犬ふぐり | 澄子 |
手足未だ動きて励む春の畑 | よし女 |
伯山のチケットの列春寒し | 千鶴 |
天つ風星を溢して犬ふぐり | 澄子 |
傾ける放置重機や春堤 | えいじ |
車いすの日ごと巡りて梅の苑 | せつ子 |
年齢を忘れし老母や春うらら | あひる |
朝日浴ぶ杜に囀響きをり | きよえ |
長氷柱地に刺さりて斜塔立つ | わたる |
あっ雪が子どもの声の嬉しそう | きよえ |
酒売り場桜デザイン並びけり | わたる |
むら染めの夜空に潤む春の星 | むべ |
観光バスはや菜の花の房州路 | 愛正 |
茎のみとなりし木の芽の芽吹きかな | わかば |
2025年02月20日 | |
ため息の税の申告終わりけり | 千鶴 |
菓子と茶の運ばれ来たる梅の下 | あひる |
春雨や古物商みて雨宿り | なつき |
落涙の千手観音春の雨 | ぽんこ |
摩天楼ビルの串刺す春の雲 | 康子 |
白梅のちらほら咲きぬ下枝かな | みきえ |
天日を乗せてうつむく水仙花 | 康子 |
朝まだき離れ浮く雲春の空 | えいじ |
春鳥の枝のたかきにふくみたり | えいじ |
白梅の萼赤々とまだ蕾 | 明日香 |
戸を繰れば目潰しの日矢春の朝 | せいじ |
落雪の狭まりし窓夕光芒 | ほたる |
ヘルパーの単車を濡らす牡丹雪 | せいじ |
風花や淡き日のさす午後の四時 | 和繁 |
置き場なき雪掻きの雪広き空 | ほたる |
枝から枝へにじり寄るよるよに春の鳥 | きよえ |
ショベルカー如月の地に爪立てて | よし女 |
十五頭まではカウント春の鹿 | こすもす |
春の風邪そろそろ床をあげなんと | わかば |
大根煮るどこへも行かぬ影連れて | よし女 |
紅白の白の勝りて杜の梅 | 澄子 |
夕暮れて集まり始め春の鹿 | こすもす |
蝋梅のほろりと落つる夕の里 | むべ |
梅一輪一番乗りの誇りかな | せつ子 |
荷を車にさえない顔の焼き芋屋 | 董雨 |
一山を越えなほ続く梅畑 | あひる |
咳続く夜半の気兼ねや春の風邪 | わかば |
雪晴れの下弦の月に朝まみゆ | 和繁 |
駅前の三色菫笑み称ふ | きよえ |
人影の蕎麦屋へつづく春時雨 | なつき |
山盛りの寄せ鍋食す老二人 | みきえ |
巣立ちたる子の雛飾る年行事 | わたる |
暖かや三年経つと医者の声 | もとこ |
陽炎の中に揺らぐや六地蔵 | 愛正 |
一茎の水仙の香に目覚めをり | 澄子 |
囀りや小窓たたきて朝知らす | ふさこ |
さざなみに綺羅散らしたる鴨の陣 | むべ |
日差しに映える鷭の鼻筋 | 明日香 |
天井画春陽差したる大伽藍 | たか子 |
叢林の中梅香の小枝手繰り寄す | 愛正 |
子の雛を飾りて浮かぶ初節句 | わたる |
2025年02月19日 | |
明日香来て春泥のまま玄室へ | 明日香 |
強風に枝耐えており土佐水木 | 董雨 |
浅春や嫁荷の着物手放せる | あひる |
書を置きて探梅せむと昼休み | むべ |
長く濃き人工芝に風光る | せいじ |
泥掻きて唸る重機や池普請 | せつ子 |
物足りぬ昼餉にそっと芋を焼く | みきえ |
春空の日差しの優しせせらぎに | きよえ |
牡丹雪の中傘さしてポスティング | こすもす |
しづり雪シャッターあけて鳥放つ | 和繁 |
蝋梅や光こぼして満開に | むべ |
待春の絵馬打ち合へるかろき音 | 澄子 |
鶴亀の熨斗で届きぬ初雛 | 康子 |
カード更新済ませ役所は春の塵 | たか子 |
雪雲の去つて晴れ晴れ春の空 | えいじ |
酒粕を焼けばあの日の母の声 | あひる |
春空を途切れ途切れに雲渡る | えいじ |
海峡の水平線の霞むなり | わかば |
降るやいなや直ぐに解けゆく春の雪 | こすもす |
雪晴れや春の切手を買ひ求む | 和繁 |
月明かり土蔵にかかる梅の影 | 愛正 |
春なれど結露の窓に朝日射す | ふさこ |
光芒の波打ち寄する春の海 | わかば |
笑い合ふ双子ワールドあたたけし | もとこ |
セーターの毛玉取りやる子守婆 | なつき |
早々と谷間に落ちる冬日かな | みきお |
セピア色遠まなざしの江戸雛 | なつき |
春泥の轍の深し青き空 | ぽんこ |
薄氷にそっと踏み割る小さき靴 | 千鶴 |
母子観音咲き鎮まるや枝垂れ梅 | そうけい |
池中玄太惜しまれて逝く花の中 | 山椒 |
春浅し入学前のランドセル | わたる |
野地蔵に声をかけつつ梅の丘 | 康子 |
風光る坂をくだれば無人駅 | せいじ |
両袖に菜の花染まる春の寺 | ぽんこ |
咲初めし庭の水仙朝の供花 | そうけい |
浅葱の辛さを残しさっと茹で | わたる |
せせらぎの落合ふところ猫柳 | 澄子 |
菜の花を掻き分け進む電車かな | みきお |
手造り雛うさぎ波間に走らせて | よし女 |
古草の横きながら放置畑 | きよえ |
神楽殿止まぬ木の葉の舞踊り | 愛正 |
紅梅の一度に五輪庭明かし | 明日香 |
庭仕事終へるや否や霰降る | みきえ |
裏参道より口火切る梅の花 | よし女 |
電柱巣に立つ番い鸛雪しまき | ほたる |
2025年02月18日 | |
鮒釣りの黒き防寒コート脱ぐ | えいじ |
グランドゴルフ気になるスコアと外の雪 | こすもす |
青空へ木の芽赤らむ山路かな | えいじ |
年度末随所の工事回り道 | ふさこ |
一安心新雪ホンの七センチ | こすもす |
朝刊のインクの匂い春浅し | ぽんこ |
風花に園児らの列乱れけり | せつ子 |
ビリケンの足裏撫ぜれば街小春 | たか子 |
差し入れの昼餉となりぬふかし芋 | うつぎ |
涅槃西風夕の介護に娘来る | そうけい |
店頭に楤の芽見つけ飛びつきぬ | わかば |
目覚めんと今朝の鳥声あたたかし | そうけい |
この頃のせり鍋主役根となれり | わたる |
図書館へ杖と連れ行き霞む瀬戸 | きよえ |
支柱立つ豌豆の芽は出たばかり | あひる |
春めくや交替告ぐる宅配くん | せいじ |
法螺の音の風によぢれる初大師 | なつき |
だだ押しの鬼追われても戻り来る | 明日香 |
下萌をあらはに苑のつむじ風 | むべ |
キッチンカー窓より笑みと湯気立つ椀 | 康子 |
枯れ芝の土手のあちこち草青む | 愛正 |
凍星の煌めきさらに遠くまで | うつぎ |
春寒の日差しに大根切りて干す | 千鶴 |
夕暮れの雪は優しく山眠る | 和繁 |
香具師と客長寿祝ぎあふ初大師 | なつき |
風やみて星凍つ夜となりにけり | 澄子 |
晩酌のともは菜花の辛子和え | ほたる |
空晴れども身を切る風に余寒なほ | 千鶴 |
すみれ草思はず踏みそ野道かな | きよえ |
風花やスクランブルの交差点 | あひる |
ポリポリと五色弾けん雛あられ | せつ子 |
カウンター大将差し出す花菜漬 | 愛正 |
いそがしき天気よ晴れたり吹雪いたり | 和繁 |
晩酌の締めは手打ちの十割蕎麦 | ほたる |
夫の云ふ去年は楤の芽当らずと | わかば |
我がために買ひし雛を飾りけり | はく子 |
寒戻り水底の鯉身じろがず | 澄子 |
進級すズボンは服の病院へ | せいじ |
玻璃越しに赤き毛氈雛飾り | みきえ |
鍬握る跡の窪みや春田打 | みきお |
水尾引きて一羽離れし鴨の陣 | むべ |
常香炉浴びる煙に風ぬくし | 康子 |
まんさくや縮れる光り集め咲く | みきお |
見つめると触れたき不思議猫柳 | わたる |
2025年02月17日 | |
池の面に見入る漢や木の芽時 | せいじ |
手造り雛ソフトクリーム持たされて | よし女 |
石塀の片側濡れて春時雨 | よし女 |
自販機のコーラ気になる浅き春 | たかを |
水温むリュックに一つ塩結び | ふさこ |
寒波の兆し皆すみやかに帰宅せり | 和繁 |
紅茶の香るシフォンケーキや春うらら | ほたる |
春の川雨の水輪の音符めく | なつき |
早春の尖る白波明石の戸 | わかば |
若き日の洋画にはまる春炬燵 | たか子 |
消えゆける淡色の虹冬の雲 | あひる |
春の雲ふはり綿雲何処辺か | きよえ |
公魚の陽光浴びて弾けけり | わたる |
藁帽子かぶる寄植ゑ寒牡丹 | えいじ |
腹に日矢射してあたたかえびす像 | 康子 |
春障子あけて襖絵彩りぬ | もとこ |
ゴルフ帰り軽に四人や牡丹雪 | こすもす |
仄明き窓見る度の春の月 | 明日香 |
春野菜あちこち見詰め主婦走る | たかを |
雪国や温泉川に雪放つ | そうけい |
冴え返る舫い結びの紐かたし | わたる |
春近し待ち合ひ客の笑ひ声 | みきえ |
野良猫の距離を詰めゆく苜蓿 | 澄子 |
夕暮れの街蒼茫と寒戻る | 澄子 |
ゆったりと行き交ふ鯉や春日和 | 山椒 |
焼きたてをふるまうケーキ春うらら | ほたる |
畑打や畝黒ぐろと種を待つ | 明日香 |
雪掻きの作業手早き子福かな | そうけい |
朝日浴び見るまに消ゆる春の霜 | 千鶴 |
春日差す砂のお山は高くなり | きよえ |
人影にゆるりと出でし春の鯉 | あひる |
吊橋の揺るる山里春疾風 | 愛正 |
自転車の将棋倒しや春北風 | みきえ |
受験子を守ると電車のアナウンス | 康子 |
往路四度復路零度や牡丹雪 | こすもす |
春セーター着るマネキンの得意顔 | 山椒 |
馥郁と寂れし庭に枇杷の花 | むべ |
母子憩ふ砲台跡は四温晴 | せいじ |
万物の蠢めく気配春の闇 | みきお |
雛飾る発熱患者待合室 | なつき |
観梅の固き蕾に待つ心 | わかば |
計算が見込みと合わぬ納税期 | えいじ |
冬蔦の昇龍めける大樹かな | むべ |
雪落ちて桜の幹の苔みどり | 和繁 |
電飾を浴びる街路樹冬温し | みきお |
梅が香に覗く生け垣犬吠ゆる | 愛正 |
2025年02月16日 | |
跳び箱を飛ぶごと白きうさぎ跡 | ほたる |
日の短か夕日差し込む額の絵に | はく子 |
滝山の松明に舞ふ鬼まつり | みきえ |
締め込みの犇き畝る春祭り | みきえ |
祝祷を受ける二十歳や春浅し | むべ |
止め足の獣騙しやうさぎ跡 | ほたる |
卓上にまこと小さき雛かな | 澄子 |
下萌や脚絆の畑主垣見舞 | そうけい |
雪見風呂とぽとぽの音しみりけり | わたる |
草萌えやポニーテールの揺れ走り | えいじ |
鍋奉行二人もおりてシメ雑炊 | ふさこ |
すれちがふダンプカー皆雪運ぶ | 和繁 |
春キャベツ形とどめぬパック売り | みきお |
大黒と集合写真梅祭り | 山椒 |
仁王門の出陣太鼓や修正会 | なつき |
御屋敷の庭開放すしだれ梅 | むべ |
吾が在所坂登り詰め山茱萸咲く | よし女 |
路地うらら老女の餌に猫集ふ | 康子 |
待合はプリザーブドの春の花 | 明日香 |
春朝やかつてのラッシュ駅に無く | 明日香 |
春の野や両手を上げてチャリ漕ぐ子 | せいじ |
野地蔵やしろつめくさの首飾り | みきお |
舌伸びるごと下りてきし寒気団 | 千鶴 |
軒下の鉢物に水四温晴 | うつぎ |
換気する窓より入る雪解風 | こすもす |
古都巡る市民マラソン寒明くる | もとこ |
春浅し表札あらた代替わり | 澄子 |
春北風湯煙斜めに倒しけり | わたる |
朝焼けの飛び交ふ鳥語山笑ふ | きよえ |
二種類のりんごケーキや春厨 | こすもす |
群鳩のとりどりに臥し日向ぼこ | せいじ |
山裾に広がる梅園榛名山 | 愛正 |
襞すべて霜に隠れし室外機 | 和繁 |
切り株のどうぞお掛けと春の園 | きよえ |
春の野に物産フェアや最後尾 | 康子 |
赤鬼の魔除け鈴買ふ会陽寺 | なつき |
青空の春や音なす高圧線 | えいじ |
貝塚を囲む広畑草萌る | そうけい |
徒長枝の切り口梅の開花かと | よし女 |
納屋裏に見る人あらじ梅の影 | 愛正 |
大泉水岩上に立つ冬の鷺 | 山椒 |
2025年02月15日 | |
雪解けて柞の森の端歩く | よし女 |
軽快に踊るお多福梅祭 | 山椒 |
浅春や眺む稜線雑木道 | 愛正 |
園の径木々はやさしく芽吹きをり | きよえ |
村あげて育てる山地節分草 | みきお |
沼狸母子揃ひて雪間草を食ぶ | えいじ |
春愁やタワマン修理おぼろ雲 | ぽんこ |
ビルよりも高き雪吊り青き空 | 山椒 |
粕汁や啜りてしばし言葉出ず | わたる |
春雪や石庭のごと静謐る | わたる |
チョコかじりつつユーチューブ春炬燵 | こすもす |
げんげ田を行ったり来たり縄電車 | みきお |
あれほどの鴨いつの間に発ったのか | 明日香 |
紅白の梅の落ち合ふ寺の磴 | 康子 |
梅が香の異にし匂ふ紅と白 | むべ |
春浅し山襞しかと赤城山 | 愛正 |
春浅しスローモーなる鯉五匹 | せいじ |
二ン月や出願の児のお下げ髪 | もとこ |
梅東風や漕がずに下るをんな坂 | むべ |
暖かや犬を縁に立話 | 澄子 |
斑雪ふみて釣人衆参す | えいじ |
宮に載る春満月の神々し | そうけい |
春愁や何かが足りぬ腑に落ちぬ | たか子 |
春北風の袋小路に極まれる | 澄子 |
葉の落ちし木々の裏庭暮れ易し | 董雨 |
館うらら脳トレゲ−ム奇声あげ | そうけい |
珈琲が沸くまで窓辺春陽浴び | たか子 |
春の風パステル色の絵馬揺るる | 康子 |
芽柳や恋歌ながれ朱雀門 | ふさこ |
囀りや座して離れぬ彼彼女 | せいじ |
家ノ前石雛並べ街明かり | 董雨 |
仄紅き雲は羽衣朧月 | 明日香 |
大根を煮て仏前にバレンタインデー | よし女 |
風花や峪わたり来る鳥の声 | うつぎ |
松明持て寺縁ゆるがす修正会 | なつき |
鬼面は親子三代修正会 | なつき |
氷点下七度で空は青き春 | 和繁 |
長考につぐ長考や春炬燵 | こすもす |
除雪のプロお辞儀は深くきびきびと | 和繁 |
山茶花の花びら食みつ散らす鳥 | みきえ |
春光や真白き畑の霜溶ける | 千鶴 |
枝の蕾咲きそで固し園の梅 | きよえ |
2025年02月14日 | |
見て見てと小さき誘ひの春満月 | もとこ |
休耕田そっと降りたる今朝の霜 | みきえ |
猪口咲きす白侘助の二三輪 | むべ |
蠟梅の歓び色に咲き満ちて | よし女 |
道祖神囲む水仙村の辻 | みきお |
古地図より広がる世界春の宴 | ふさこ |
椿落つ一番きれいな時にこそ | よし女 |
山笑ふ地元力士の顕彰碑 | うつぎ |
矢のごとく鳥語飛び交う春堤 | えいじ |
沼狸母子の連れ添う春の土手 | えいじ |
春月に影を持ちたる天守閣 | むべ |
走り根にお神酒を供へ春めける | ぽんこ |
侘助の一輪押しや部屋照らす | わたる |
春光や新調カーテンなほ白し | やよい |
茶菓子にもチョコ味多きバレンタイン | こすもす |
雪原に風の丸めし雪の筒 | 和繁 |
涅槃図へ踏み香炉に身を浄め | うつぎ |
鶯餅ふらりと街で買ひにけり | あひる |