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2026年03月08日

全集の一書を欠きて春寒し 澄子
庭隅の知られずにゐし蕗の薹 うつぎ
庭隅にピンク一際シクラメン こすもす
水底に揺らめく石や春の風 山椒
探鳥のシャッター音や春の鳥 きよえ
頰を打つ風のなぞえの土筆かな えいじ
子の望む貸家の尺地に小木の芽 そうけい
丹精の手作り市やなごり雪 こすもす
あちこちに傷の勲章恋の猫 伸枝
学び舎や巣立つ日となる卒業式 勉聖
ほ句詠みつなぞえに屈む土筆採り えいじ
古木めく地下茎も見え蕗の薹 風民
涅槃図や槍跡のこる円柱 なつき
自転車を寝かして置ひていぬふぐり わたる
菜の花や湧くほどに揺れ踊り出す ふさこ
ぬばたまの闇こそよけれ沈丁花 澄子
羊歯萌ゆる囲む石垣奥の院 愛正
雪解水跳ねて虹出る幹線路 和繁
よれよれの花はつちやけて幣辛夷 せいじ
翻る櫂煌めけり春の池 山椒
日当たりを見定め果樹を剪定す みきお
護神馬のカメラ目線や春の昼 もとこ
山路ゆく木々の芽吹きの鼓動かな 花茗荷
こまやかな手刺繍連ね吊し雛 むべ
どちらかが何時も居眠り春炬燵 伸枝
地を擦りて枝垂桜の芽吹きをり なつき
春こたつ申告書類散らばれり 康子
やはらかきお薄の泡や春光 あひる
外遊の牧師のメール冬ぬくし せいじ
庭めぐる音の軽やかに春の水 あひる
忘れ雪水音高き用水路 愛正
館のロビー生けるみもざに集ふ漢 そうけい
この丘まで波音届く犬ふぐり よし女
ミルフィーユ鍋に白菜ゆるびをり 康子
ものの芽や散歩コースの築山に 和繁
内裏雛晴着の曾孫写メール来 きよえ
騙されたふりをして騙す四月馬鹿 みきお
ものの芽のこぞり立ちたる逞しさ みのる
雲海にすっぽり沈む春の里 千鶴
荼毘煙はるか踏むまじ犬ふぐり よし女
木橋に枝垂柳の影落とす むべ
蓬生ふ野面積なる城の趾 たか子
春泥に走る幼子物ともせず ぽんこ
草餅や同じ時間に同じ顔 わたる
胸に秘め学び舎を発つ春の朝 勉聖

2026年03月07日

鶯の初音の竹の先光る 藤井
蒲公英の黄や点々と野路明る きよえ
茶摘女の赤い襷が陽に映える みきお
春愁や無季ときづかず投句して みのる
輪護謨にて雁字絡みやヒヤシンス えいじ
卒業の答辞くぐもる声となる よし女
暖炉にはくるみ割り人形森のカフェ 山椒
咲く花へ訪ひゆく冬の蝶 勉聖
羊歯萌ゆる群生したる切通し 愛正
日溜りに布陣拡げて犬ふぐり 澄子
春泥にあひ譲り合ふ苑の径 康子
花ミモザ光を放つ花手水 あひる
硝子戸はアールデコなり春光に もとこ
覚えても名前忘れる春の星 わたる
運転手のくしゃみマイクに響きけり なつき
春風の強弱見事舞へる鳶 和繁
幼苗も紅あでやかに枝垂れ梅 あひる
高枝に空の巣箱の春待てり 山椒
水平線タンカー遠し春霞 花茗荷
水占の浮き出す文字や梅の宮 なつき
黒板に残すイラスト卒業生 よし女
ほころびて一枝の先桃笑ふ 風民
木瓜の花とげがあるらし手折られず 明日香
ビル街の霞む御苑の空広し 康子
土筆摘む夫婦袋をのぞき合ふ えいじ
風渡る真澄の空に花辛夷 澄子
折り紙の雛も並ぶ村のカフェ こすもす
寒戻りつぼみほぐれず遠のく陽 ふさこ
野路うらら歴史散歩の本抱へ うつぎ
波打って風の足どり大根花 ほたる
朱く染み見え隠れする朧月 ほたる
啓蟄や日の斑に遊ぶ雀どち 伸枝
春の昼東東へ雲急ぐ きよえ
三輪の薔薇はさながらキャンディーズ せいじ
とろけそう四囲の山々春のもや 明日香
手を合わせ祈る雛舟三姉妹 みきお
土手青む水藻ゆらゆら春の川 愛正
蕨餅黒みつ垂るる匙の先 むべ
花粉混じりの雨透明なカーポート 和繁
ジャズ流る春のカフェや夜灯ともる 勉聖
懐かしのフォークソングや春のカフェ こすもす
春炬燵何処へも行かず誰も来ず 伸枝
いま盛る妻丹精の薔薇の花 せいじ
春凪を染めて火の玉昇り出づ 千鶴
春愁を須磨の渚に捨てるべし みのる
微酔いの友を見送る春の夕 そうけい
枝揺らし限りの舞か落椿 そうけい
淡雪や野の草までも化粧して わたる
入れ歯しむ歯茎にひやり海鼠かな 藤井

2026年03月06日

軽トラのみもざ山積み山下る そうけい
日差し受け白さ紙めく水仙花 むべ
「ありがとう」呟き納むひいなかな みきお
春の夕四方の狭し雲一面 きよえ
下萌に踏まれし煙草疎みけり みのる
雪吊りや岩を伝ひて落つる水 山椒
山茱萸の花の黄色を眩しめり むべ
啓蟄や虎の檻より猫車 伸枝
大蛇神楽了へし野面の犬ふぐり よし女
野遊びや句帳に記す草木の名 うつぎ
野焼いま朝戸を繰れば匂ひけり せいじ
子の声の浜を跳ねるや春の風 えいじ
卒業や靴音軽く風の道 勉聖
腰丈に満たぬ丁字の籬かな 澄子
竹刀置き花種を蒔く古老あり たか子
万巻の書や日のなごり卒業祭 勉聖
反り返り反骨旺盛ヒヤシンス えいじ
静けさや闇に奏づる雛の楽 山椒
春夕べ花見小路の灯のつなぐ なつき
灰色の雲突き抜けて雪の峰 和繁
ウォーキングどのコースにも梅満開 こすもす
雪柳隙間を駆ける雀かな ぽんこ
花粉症やくしゃみ止まらず医者通ひ 千鶴
はくれんの統ぶる御苑の空青し 康子
潦流れるそばに犬ふぐり わたる
スーパーの駐車場にまだ残る雪 こすもす
啓蟄や混み合ひてをり南口 伸枝
夕東風やペット抱きて走る人 きよえ
海見たく杖なしで来て犬ふぐり よし女
芽ぐむ薔薇袖をとらえる獣道 愛正
草萌えや下宿ありの学生街 愛正
春の雪敷かれし朝の鳥の声 和繁
喩ふれば匍匐前進丁字の香 澄子
病院の隅まで知りて待つ日永 もとこ
ヘルパーに傘さし掛けて春の雨 せいじ
「綺麗だよ見て」とラインや春満月 やよい
蝋梅に郷の香偲ぶ留学生 そうけい
春風裡われほ句をもて主を讃めん みのる
樹下親し春雨に傘たたみけり 康子
座る位置自ずと決まる日向ぼこ みきお
水中は交互に脚を春の鴨 明日香
旅予定決まらぬままに春炬燵 わたる
マカロンを手土産に行く春日傘 風民
囀や霊場めぐるぼけ封じ なつき
つまずきて妻の手探す春の夜に ふさこ
くいくいと頭つき出し春の鷭 明日香

2026年03月05日

磨かれしケースの中の豆雛 なつき
しゃぼん玉石州瓦を一つ越え 風民
カレーの香玄関入れば吊るし雛 こすもす
雲の地図ぬけて蕩蕩春の月 えいじ
春光やワックスかけし床まぶし 和繁
郷蔵を開けて旧家の雛飾り なつき
裁判の傍聴席は暮れかねて 明日香
湧き上がり山けぶるごと花粉かな 花茗荷
なほざりの鉢の木芽吹く力あり 愛正
朝日吸ふ匂ひふくらむ春の土 勉聖
夕風や蒲公英の絮の母の影 勉聖
春日燦幟旗めく直売所 山椒
十指みな細くて長し享保雛 よし女
つむじ風沈丁花の香巻き上ぐる むべ
雪解水軒流れ落つ雪連れて 和繁
末黒野の匂ひ煙たし土手の子ら 千鶴
茎立の黄の一茎を仏前に うつぎ
おかへりと白梅迎ふ父の庭 もとこ
春の花指に余りし友の庭 こすもす
春の泥どこを通ればいいのやら みのる
グローブのような鋏の望潮 明日香
初雛や手持ち無沙汰の男の子 ふさこ
ホテルドア開くたび回る吊るし雛 康子
菜の花やちらし寿司でも作らふか 伸枝
寝つかれぬ人を見おろす春の月 えいじ
春望や飛檐を映す水鏡 むべ
一直線の航跡や春の海 花茗荷
市長選近し辛夷の高空に 山椒
朝日浴ぶベランダの鉢土萌ゆる きよえ
春寒し川の魚も底に付き わたる
俯きて瓔珞重き女雛さま 澄子
啓蟄に欣喜雀躍する雀 みのる
春光や目高流れに逆らひて 伸枝
三寒に籠り四温の庭手入れ やよい
シャンデリア金の屏風に雛の影 康子
雨晴れて路樹に雀子の姦しき せいじ
花辛夷ひともとにして苑統ぶる 澄子
淡雪の消へて現る忘れ水 わたる
飛機雲に吸い込まれ行く白梅や きよえ
折り紙の雛に子の描くどんぐり目 風民
銀色に跳ねて踊るや上り梁 みきお
時くればいつものところ菖蒲の芽 みきお
塀乗り越え路地を狭むる茨の芽 愛正
春光や看経めきし糶言葉 よし女
強東風に傘煽られて濡れ鼠 せいじ
歳時記に止まる珍客春の蝿 ぽんこ

2026年03月04日

グローブのような鋏の望潮 明日香
干支の午背に小さき雛飾り なつき
吊し雛万華鏡めくホテルロビー 澄子
春疾風押せば傾く車椅子 ぽんこ
揺らぐリフト芽吹きそめたる山上る 愛正
いぬふぐり一滴ほどの青き花 勉聖
ミモザ咲く床屋の窓を黃に染めて やよい
独食はカフェで軽めに春の雨 せいじ
流し雛雨に打たれつ廻りつつ たか子
春の雪敷きて明るし朝の町 和繁
椿咲く池の向こふに鹿苑寺 もとこ
雛あられ抓みパラパラ繰る句帳 伸枝
散歩中の猫立ち止まりシクラメン こすもす
麦踏の影長くなる日暮かな みきお
雛御籤引いて緋色の千代小箱 山椒
槍梅のてんでに同じ空を指す 風民
心地よきジャズのリズムや春のカフェ せいじ
遠くから近づく太鼓春祭り みきお
雛の軸掛けて華やぐ祖母の家 風民
春の鴨岩場回りて遊びけり なつき
さきがけは校舎の裏や花万朶 あひる
裁判の傍聴席は暮れかねて 明日香
ビオトープめきて庇に名草の芽 あひる
伐採の残響渡る斑雪山 わたる
祈られし数ほど長き吊し雛 むべ
仰ぐ空こぼれて咲けるいぬふぐり 勉聖
雨上がり足裏に柔き春の芝 康子
春眠や床の誘惑大欠伸 きよえ
常夏の島に航る娘春休み 千鶴
群遊の鯉春天を泳ぐやに みのる
淡雪やふふむ花芽の薄化粧 わたる
黒漆の雛壇に背な映りこむ むべ
ゆでこぼす採れたて若布真みどりに よし女
前栽の啓蟄だよと土突付く うつぎ
包み紙紙雛になり吾子の手に ふさこ
何処までも続く青空花ミモザ 山椒
仕舞はれて雛向き合ふ箱の中 伸枝
たら芽吹くまだ静かなる雑木山 愛正
雲の湧く青空迫る春の今朝 きよえ
にはたづみひとつひとつに春の空 澄子
越冬のシクラメン今花ざかり こすもす
日永窓湯船に揺れのおさまらず えいじ
生家跡いまも更地や犬ふぐり よし女
片付かぬ瓦礫を包むなごり雪 和繁
春の川無謀着水鳥の水脈 えいじ
芝いつぱい付けて寝転ぶ春の昼 康子

2026年03月03日

目に染むや静かな雨に草萌ゆる きよえ
旅先でついつい買ふて蓬餅 もとこ
二羽ごとに鴨飛び立ちて陣を解く せいじ
くじ引いて母からもらふ雛あられ 山椒
弄ればセピアのなかを芝青む えいじ
線から点連峰越えて鳥雲に 愛正
足跡の遠ざかりゆく春の海 花茗荷
犬ふぐり神馬の蹄近づきぬ うつぎ
畜魂碑へ道なき道や犬ふぐり よし女
ばら寿司の青物刻む男系かな ぽんこ
球拾ひの声おぼろなり河川敷 なつき
六歳を祝う双子のひな祭り こすもす
ほの赤き楓の芽吹き川不動 なつき
流し雛俵を枕風まかせ ふさこ
日矢さして影を縫いゆく窓辺かな 勉聖
十人の自己紹介や春のカフェ あひる
玻璃窓は大正硝子吊るし雛 風民
日もすがら電線工事犬ふぐり よし女
松籟や行くあてもなく春疾風 えいじ
白椿緋襷奔る古壺かな 澄子
春北風横断旗手に六年生 風民
鳥帰る単身赴任の我置ひて わたる
春雨の洗ふ飛石苔の庭 むべ
のどやかに降る雨音や京の川 あひる
幼な子の手にそえて蒔く花の種 みきお
春時雨止む間に鳥語飛び交ふて きよえ
手毬麩を浮かせて老いの雛の膳 うつぎ
硬質の手すりも春の水に揺れ 明日香
足跡の遠のいてゆく春の海 花茗荷
雪しろの音なす沢や川となる 愛正
雨雫蕊に留まり紅椿 むべ
薄紅の梅の花弁やうち散りて 千鶴
春暁や散歩をせがむ犬の声 伸枝
カラスよけネットを濡らす春の雨 せいじ
鳥帰る重たきものは置いてゆく わたる
春光や遊ぶ子の声塀を越ゆ 勉聖
桜餅まずは一服お薄点て 澄子
気まぐれな東風藪の秀を翻弄す みのる
待庵の掛筒一花紅椿 伸枝
八歳の神馬達者や里の春 みのる
ランドセルも二つ並べるひな祭り こすもす
逆光に浮かぶ人影蜆舟 みきお
碧眼の人も手に取りつるし雛 康子
春の雲川面の影はやわらかし 明日香
申告の待合室に紙雛 和繁
帰宅路の峠越えれば朧月 和繁
琴弾きの帷となりぬ吊るし雛 康子

2026年03月02日

木の根明く老木梢に野鳥啼く 愛正
貝の欠け洗ふ潮の香春の海 花茗荷
春雨に赤字大きく三原港 董雨
放流の稚魚往く川や鳥帰る わたる
目刺焼く昭和の路地の残りけり みきお
春驟雨追はれて犬と駆け下る えいじ
カップルは離島指差し犬ふぐり よし女
雪解川曲がる早瀬を照らす陽よ 和繁
菫咲く降りそな空を仰ぎをり きよえ
毎日の家事も楽しや木の芽どき せいじ
下萌えや蝶舞ふ里の芽吹きかな 勉聖
円周に並べてみたり落椿 澄子
曽根の松崇め祀るや梅の宮 きよえ
ちりめんの菱餅添へて雛飾り 風民
動かざる沖のタンカー日永かな やよい
囀の協奏曲や原生林 みのる
日の香纏ふ今日の写真や春の夕 そうけい
春光や霞うすれて富士白し 勉聖
春日影遊ぶ茶室の深庇 むべ
唐人の衣着てすくと吉野雛 あひる
金メダルのりくりゅう雛のリフトせり なつき
女子ばかり雛の宿にていとこ会 むべ
馬柵越しに大き鼻面犬ふぐり うつぎ
水平線滑り行く船春霞 山椒
春寒し昔語りの宮大工 風民
春光の窓に誘はれ外出かな 康子
花ミモザ焼杉塀へなだれ咲き 康子
入学式母は妹おんぶして こすもす
村歌舞伎終わりし空や鳥帰る わたる
菠薐草茹でれば未練断ち切れし 伸枝
中東を地図で確かむ春愁ひ 千鶴
三輪山の展望台は春霞 明日香
宵闇に香を放ち沈丁花 澄子
退院する明日は春雨降りそうな 董雨
桜並木電車の風よ如何せむ そうけい
垂れ込める煙の果ての野焼きかな ほたる
芽吹きみて正体わかる枯れ木かな 明日香
春めいて広田うつすら萌葱色 和繁
生駒峯に春の陽登り街目覚む たか子
チューリップどの芽をみてもVサイン こすもす
頭上ゆく鴉の声も長閑なり せいじ
立金花更地の隅に花掲げ あひる
誕生日会へ集まる雛の客 なつき
媚びて啼く野良猫汝れも春愁か みのる
茶房よりショパンのワルツ犬ふぐり よし女
振り向けば蟹股畝る春の浜 えいじ
日脚伸ぶ立ち寄り処またひとつ 伸枝
サイレンで知らせる浜辺磯開き みきお
ふんわりと水平線や春の沖 山椒
ランドセルとりどりの色背で弾み ふさこ
山裾の天に道あり鳥帰る 愛正
ムスリムに席譲られてあたたけし もとこ

2026年03月01日

そよ風のひと片ごとに梅散らす むべ
夫婦して席譲られて暖かし 山椒
山茱萸や句碑立つ丘を明るうす 風民
たんぽぽや厩も馬も泥だらけ うつぎ
天心のここよここよと春三日月 えいじ
下校児の賑はふ声やどこか春 愛正
児の作る紙雛ほほを寄せ合へり 康子
春風や開店間近のケーキ屋さん こすもす
鳥語いま恋の縺れか椿落つ みのる
匂ひ立つものの芽ほぐる雑木山 愛正
身に沁むや弔問の居間友の涙 ぽんこ
春の日やいつもの屋根の鳩の声 和繁
雛かざり母の指先まだぬくし 勉聖
梅東風や骨董市の値下げ札 なつき
福音を乗せゆく飛機や春の月 あひる
蛇行する川に花菜の帯なせり 康子
菜の畝にぺんぺん草の花ざかり あひる
京終といふ果てに来た春の旅 明日香
鴉の声に群れ翻る鳥曇 ほたる
春疾風飛び立つ鴉押し流す 和繁
菜の花の段々畑果てに海 山椒
鳥帰る点になるまで小手かざす わたる
税のこと漸く了へて二月果つ せいじ
茶を足して話し継ぎ足す春炬燵 伸枝
木漏れ日にあおいすみれのひとつかな 青海
長子へのメールの返信待つ日永 そうけい
まだ解けずあんずの蕾犀星忌 花茗荷
全身に潮風受けて磯遊び こすもす
鵯の矢の傍若無人椿落つ みのる
鞦韆や大志抱ける少年期 藤井
春昼やトムハンクスの名演技 たか子
春の海波に消えゆく子の足跡 藤井
大地蹴るハングの羽根に風光る ほたる
利休梅かたき蕾のほぐれきし 明日香
春憂ふゲームのごとき戦争に せいじ
永き日のナムルのレシピ繰り返し そうけい
家計簿のエクセル操作春きざす 千鶴
白酒や乙女の頬の火照り初む 勉聖
白き壺傾くるごと花馬酔木 むべ
春天に檜皮の塔の凛として よし女
鯛焼きをたべて中身は桜餅 なつき
ロゼットに旧家の門戸閉ざしまま きよえ
梅日和巫女の舞ふ宮賑ひけり きよえ
風神の袋今日より春の風 伸枝
三歳児肩車して青き踏む みきお
加茂川の音やはらかに水温む もとこ
春光や地平線へと海と空 青海
荒縄の結び目匂ふ垣手入れ みきお
芽柳を揺らし正午の鐘響く 風民
末黒野を巡るポニーや子を乗せて よし女
立ち尽くす冬鷺川に泰然と やよい
春芽吹く狭庭の隅も匂ひ立つ ふさこ
麗らかや馬との会話相通じ うつぎ
寝転べば夕日に迎かふ春三日月 えいじ

2026年02月28日

いぬふぐり畦を縁取る青さかな えいいち
加湿器の機嫌良き音に寝ねやらず 康子
切り株に松脂浮ける二月尽 風民
雛飾り官女の一人君に似て ふさこ
苔庭へ続き間のごと雛の間 むべ
湯に浸かる日永の窓の震へかな えいじ
手水舎の杓の音冴え戻り寒 千鶴
一刷の風の香抜けり梅の園 えいじ
春日洩る大阪駅の大鉄傘 せいじ
春昼や荷造り済みて墓参り 藤井
春の音魚道波立つ水に聴く 愛正
白酒や甘き香りに少女笑む 勉聖
春陽射す置かれしままの妣の杖 あひる
定植の色のざわめき春の苑 ほたる
奉仕者のエプロン真白梅日和 せいじ
春二番椎の大樹のざざめけり むべ
深き山声かけあひて蕨採 みきお
麗らかや埴輪に欠伸移されし 伸枝
たゆたふて暗香となる夜の梅 うつぎ
てふてふや風に掬はれ塀越ゆる 澄子
退院や入院騒ぐ梅一輪 董雨
春耕の小さき足跡体験会 康子
強東風に椎の梢の鳴りやまず 澄子
昨夜の雨涙と溜めし落椿 みのる
母国の香蝋梅引寄す植物園 そうけい
青鷺と目のあふ近さ庭の池 みきお
紅の花風に舞ひけり枝垂れ梅 藤井
子の指の一輪持てる犬ふぐり 風民
トレンドの服着こなして春の街 山椒
散り梅や庭に展げし花衣 山椒
そよ風を呼び込んでをり茎立ち菜 よし女
飯蛸の短き足やカールして 伸枝
春二番威勢よきかな風の音 えいいち
枯枝に速贄とかげ空に立ち そうけい
爆煙や世を凍てつかす春の雲 ほたる
花片をつぶてのごとく春疾風 あひる
五色線結ぶ観音春の闇 もとこ
土解けて芽のふふむや水の音 勉聖
暖かや絵手紙飾るたい焼き店 和繁
口笛や鷽啼く声か人真似か わたる
春寒に客を見送る改札口 ぽんこ
デイルーム出迎へ嬉し内裏雛 きよえ
青海苔の磯辺の香り打つ波や きよえ
春光刺す港出入り静かなり 董雨
梅の下赤い単車が荷を下ろす よし女
白鳥や田に残雪と入れ替はり 和繁
春光や岩場縫ふ水きらめけり なつき
鳥帰る別れの声の空にあり わたる
下萌えに足止めて見る大道芸 なつき
用水の流れの音や春動く 愛正
囀りの二つ返事に応ふかな うつぎ
訥弁の訛るに似たる初音かな みのる
独り居の春眠とろとろ切りも無し たか子

2026年02月27日

残雪の話しなどして杜氏帰る 伸枝
通り道朝な夕なの梅見かな 愛正
引く白鳥姿消えれど声聞こゆ 和繁
春愁の便りに返事窮しけり みのる
恵の雨昨日のもの芽今日倍に ぽんこ
携へて心の軽き春コート 風民
自転車はストップモーション春疾風 山椒
銀輪のベルの音軽し春の昼 えいじ
今少しおのれ励ます受験生 ふさこ
春の鴨嘴を畳みて浮きてをり よし女
遠き日を思ひて覚むる春の夢 藤井
白白と散りしく梅に夜の雨 あひる
杉山の荒れゆくままに野梅かな うつぎ
境内に混じる男子の針供養 みきお
犬の耳旗めき揺れて春の風 たか子
歩を止めて小径を塞ぐ梅見客 せいじ
蓋とれば芹の香溢れかやく飯 あひる
翅伏せて観察せよと初蝶来 わたる
税務署が雛の箪笥に目配せす 伸枝
ひと筆の春雲残し雨後の朝 康子
鳶の群れ翔べばかげろふ春の空 勉聖
雛飾る縁に媼の草鞋編む なつき
信号待ちの革ジャンライダー春疾風 こすもす
奉仕終へ家苞ととなる雛の膳 むべ
春光や湯の底描く日の模様 わたる
三椏の深く息吸ふ香気かな むべ
春眠の若人すつと席譲り 康子
冬冬ざれの公園響くチェーンソー 山椒
手を引かれ顔見知りする入学児 みきお
蜜蜂も園のお客や日燦燦 せいじ
遠足の列しんがりはママの列 みのる
水溜りみな清らなる春の雨 風民
薄紅梅小雨に薄き紅しずく きよえ
雨水の候雲間の空の青深む 和繁
かわいいと褒められてゐる鉢の梅 なつき
踏青や双眼鏡の羽光る 青海
客乗せず行きかふリフト春浅し 千鶴
老いてなほ息子気がかり春の風邪 もとこ
枝垂れ梅声の記憶の遠くなる 藤井
山茶花の花屑の修羅に立ち尽くす よし女
せせらぎの流れに乗りて落椿 澄子
ぬくし夕予報通りの恵み雨 きよえ
囀りや梅にこぼるる目白かな 勉聖
梅見茶屋短冊置かれし障子の間 愛正
春光を掬ひ編み込む竹細工 澄子
浅春や淡き人影あぜ道に 青海
天霧ふ春田舞へるや群雀 えいじ

2026年02月26日

先人の罪として飛ぶ杉花粉 伸枝
芽木芽吹くまだ花ならぬ桜かな 勉聖
膝揃え小さき足裏雛の客 みきお
雛壇の下の壇ほど楽しさう 伸枝



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