投句控 :500句/1頁

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見はるかす大和国原秋落暉 うつぎ
寡婦どうし耳かぶけ合ふ暮の秋 むべ
一日に二便のバスや石蕗の花 かかし
峠越ゆ眼下に人煙背に紅葉 愛正
江州の庭に咲きたる石蕗の花 宏虎
本堂の影を正して紅葉晴れ よし子
団栗の跳ねて転げて力石 よし子
かはらけのピシャリと谷へ秋気澄む うつぎ
ひらひらと舞ひて木の葉のかさり落つ 宏虎

2021年11月6日

浦瀬戸にはや白波の冬初め 凡士
日当りの窓にみせばや花の珠 素秀
六地蔵参りて寺の菊花展 なつき
西山の亭に灯ともる竹の春 凡士
秋日落つ山羊くぐりたる長屋門 素秀
柿簾雀を追ひし媼かな かかし
イヤホンを付けて無口や松手入 うつぎ
懸崖の菊の結界寺の廊 うつぎ
膳運び衣装お座なり秋灯下 宏虎
菰巻の背ナに屋号の太き文字 かかし
巫女の鈴めきて桐の実鳴らしけり うつぎ
光堂出でて梢に秋惜しむ 凡士
笊に盛る不揃ひの柿道の駅 かかし
ふらふらと廻り疲れし木の実独楽 素秀
一言にほぐるる心身にぞ沁む わかば
負けばいを慌てて拾ふ長屋の子 素秀
芋の葉の陰に腹這う迷ひ鶏 素秀
風激し波立つ夜や神の留守 わかば
ふつくらと笑む秋薔薇は王妃の名 なつき
夕闇に黒く沈みて針葉樹 むべ
出番なき山車に風当つ菊日和 なつき
点滴を終へて散歩の菊日和 かかし
祝儀袋選ぶ愉しさ秋日和 こすもす
夕映えに色を添えたり秋小鳥 愛正
新松子青き未来に好事あり 宏虎
冷まじや星を見る会集合す むべ
柿落葉に追ひかけられし古墳道 なつき
木の実落ち何時もの姿籮漢像 宏虎
炎立つほどの満天星紅葉かな むべ
不漁とて高値の秋刀魚見て通る はく子
釣瓶落とし大泣きの子を持て余す はく子
二十日月生絹の如き雲影に はく子
秋の暮れ対岸の灯の薄明かり わかば
関取と女将の足袋と干されをり 凡士
カーテンに日の斑の踊る秋の暮 はく子
入相の秋の名残の鐘一打 凡士
鶏頭やグウタッチして別れたる うつぎ
櫨紅葉落日に燃ゆ坂のうへ むべ
新藁を鋤きて農夫の鍬納め かかし
貝埋むる仏の冠や小鳥来る なつき
羨望の的や甘柿あるお家 こすもす
鋏音の長き合間や松手入れ 愛正
ひび薬介護に暮れし日々想ふ うつぎ
島の灯の一つづつ消へ秋の暮れ わかば
沢深き谷川岳や秋の末 愛正
みほとりに病む人多き暮れの秋 わかば
黄昏に溶けゆく空や薄紅葉 むべ
ぜんざいや秋満載の庭見つつ こすもす
朝方や互いにたぐる掛け布団 愛正
新酒酌む単身赴任子と二人 宏虎
若冲の墓前に菊花真新し はく子
湯の宿の下駄の散歩や柳散る 宏虎
うら枯れや山腹赤き大鳥居 愛正

2021年10月30日

虫の声切られ地蔵に目鼻なく なつき
蔦紅葉港の見える丘の窓 よし子
笑顔見てつるべ落としの見舞ひかな なつき
熱々のアスファルトの湯気暮の秋 こすもす
秋うららロバの瞳のつぶらかに はく子
百歳の健康自慢とろろ汁 かかし
太極拳見様見真似の菊日和 かかし
秋日和孫子揃ひて祝ぎの膳 はく子
片側は舗装工事や秋深し こすもす
病室で授業の児らや黄落期 むべ
式部の実今年の色の薄きまま こすもす
山粧う集落守る道祖神 愛正
延命地蔵前で取りたる草の種 なつき
藤袴浅黄斑を憩はせて わかば
色変へぬ松に鎮もり文殊堂 凡士
柴栗や味よろしきも剥ぐ苦労 わかば
秋暮るるメール一つの別れかな わかば
音も無く地球の自転秋の夢 宏虎
蔦紅葉湯屋の看板陶狸 凡士
箒目の清し菖蒲の帰り花 なつき
到来は御所に拾ひし銀杏の実 よう子
エプロンを胴着につけて文化祭 なつき
夜を通し栗皮剥いで渋皮煮 わかば
そぞろ寒墨薄れたる念仏書 愛正
見上ぐればただ青空の秋思かな 素秀
ラフに立ち構え足下チチロ鳴く 宏虎
阿弥陀如来背に光背の秋夕焼け よう子



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