投句控 :500句/1頁

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穀雨てふ農道駆ける耕運機 かかし
理髪師の剃刀頬に目借り時 素秀
新緑や朝日のまぶし谷向かふ よう子
ゴリラ前歯を剝き胸手遠足兕 宏虎
花筵四隅を占むる車いす 愛正
鳥影に見上ぐ真青や復活祭 むべ
応答はクレッシェンドに囀り むべ
杜若ひそと咲き初む神の池 なつき
天地に倦みて菜の花蝶と化す 素秀
蝶追ひて母の呼ぶ声聞こえざる なつき
朧なる世界へ深く麻酔吸う たか子
金縷梅や池のほとりの亀の首 ぽんこ
藤の香に寄り来る虫も酔ひたるか はく子
山吹の垣を隠して盛りかな わかば
濃淡の緑様々山笑う こすもす
城山の雨に佐保姫門を出づ 素秀
うたた寝の膝にリモコン春日和 愛正
城目路のビジネスパーク芽木の道 はく子
大巾にアップの歩数若葉風 かかし
濃き淡き長き短かき苑の藤 はく子
赤黄白百万本のチューリップ かかし
終電の無人駅村朧月 宏虎
四阿にかそけき葉擦れ目借時 かかし
志賀直哉旧宅今や菜の花忌 宏虎
コートブラシ使う生徒へ綿毛かな こすもす
緑摘む脚立の上の大あくび 素秀
贔屓歌手の色紙に夢や山笑う こすもす
仔猫生まる住宅街の理髪店 宏虎
青葉風二歳児乗らぬベビーカー なつき
神名備の大樹捉へて懸り藤 はく子
春愁と言ふまい吾の経験値 たか子
灌仏の肩はや乾き夏兆す なつき
朝ドラのダイジェストみる霾ぐもり むべ
古民家に語り部の来て春の宵 むべ

2022年4月23日

寿老神光背に侍る白躑躅 ぽんこ
湯煙の露天に浸かり春惜しむ 宏虎
気紛れな気圧配置や春暑し こすもす
参列を許さるる葬花の塵 むべ
山吹や石の窪みの水に散る 愛正
筍の鍬傷うすく落としたり なつき
川に沿ひ歩を進めるや春の闇 わかば
渾身の鍬に筍飛び出せり よう子
桜蕊降る地を染める神の庭 ぽんこ
花冷えの雨に鎮もる城址跡 素秀
新緑に日の斑揺れる神の森 ぽんこ
配る顔浮かべ筍茹でこぼす なつき
助手席の差し込む光目借時 愛正
万葉の歌碑公園や春の逝く はく子
春惜しむ卒寿の早し瞬く間 宏虎
泥こぼし届く筍まだ温し なつき
桜蕊石燈籠に観音像 よう子
匍匐して膝の冷たきれんげ草 素秀
幼子の遊びはやまず蛙の子 愛正
ネクタイを幾度も直す新社員 かかし
夕間暮れて落花浮き立つ山の風 よし子
卒業生羅針盤無き船出せん かかし
春愁ひと言ひつ幸せそうな女 よし子
花屑の溢る托鉢親鸞像 かかし
悲喜語る婚五十年花の膳 たか子
大枝垂る花も馳走の宿の膳 はく子
環状線三周廻る目借時 かかし
霾晦おのころ島の影薄く わかば
たんぽぽの頭抜けてひとつ大き絮 素秀
黄水仙あるじホームに入居せり むべ
下校子の筍飯と言い当てり なつき
チューリップまつり三年振りに開園す こすもす
初燕土だけ残し廃れ窯 よし子
父母訪わむ墓石にすみれ開く頃 素秀
取り合うて鞦韆ついに揺れやまず たか子
城下町ぎっしり牡丹桜かな こすもす
土の香を立てて過ぎゆく春驟雨 愛正
鐘朧身の引き締まる永平寺 宏虎
惜春や吾娘きかせたるビブラート むべ
微睡ろまぬ蝌蚪の泳ぎに希望あり 宏虎
抜きんでて生家の椿千灯す はく子
ヘルメット脱ぐ長髪に花の風 よし子
水草の揺れにいざなう蝌蚪の群れ 愛正
定休日と吊り橋閉され山笑ふ はく子
少しずつ違う色合い新若葉 こすもす
おほらかに生きて逝かれり花の冷え わかば
筍の皮剝く夫のどこまでと なつき
休耕田園児手植へのチューリップ かかし
つれづれに古書店覗く日永かな わかば
虎杖はリュックに刺され下山せり よう子
亀の鳴く声の聞こえて来し八十路 よし子
家籠もりコロナの次の菜種梅雨 こすもす
邸宅は美術館へと花蘇芳 よう子
チャンバラごっこ捨て虎杖の無残かな よう子
宮の森籬に混じる躑躅かな ぽんこ
うなだれて黒き土見るチューリツプ 素秀
ひと夜さの窓に松籟春の宵 たか子
亀鳴くや山城険し男坂 たか子
受洗せし笑顔の友と青き踏む むべ
野も山も彩を重ねて春深む わかば
桜散る真っ青の空拡がれリ 宏虎
サイレンに震へる夜の朧かな むべ
コロナ禍も三歳となりぬ花は葉に ぽんこ
花鳥のほつ枝しず枝と忙し気に はく子
これしきに何故気を揉むか春の宵 たか子

2022年4月16日

用水のせせらぐ音色春終る 愛正
春愁や母校の名前消滅す こすもす
鴨のこる池広々と薬草園 よし子
遠き目の犬は落花のただなかに 素秀
風の来て掃けども掃けど春落ち葉 宏虎
ベランダに豌豆の花良く育ち こすもす
緑立つ巽櫓の美しく わかば
燕翔ぶ神戸にハラール専門店 凡士
縁側に猫の百態春日向 宏虎
花に来ておほらかなりし友のこと わかば
早暁の木々に耳当て桜守 かかし
三世帯入学式のハイチーズ かかし
花つぼみ香具師は屋台の場所取りす よう子
ポットの湯飲んでベンチに落花浴ぶ なつき
近づくと見えて離るや花見船 よう子
小暗さや出土の古墳涅槃西風 たか子
大仏堂遠足兕をば呑みこめり 宏虎
海神の声ぞ知覧の桜かな 素秀
囀りやおのころ島の花の丘 たか子
囀りに朝のはじまる庵かな 愛正
帰宅後に名を思い出し花ミモザ こすもす
千木の家家紋高だか花の村 よう子
春落葉掃かれぬままに茶室閉づ なつき
ゆっくりと肩の濡れ行く芽吹き雨 よし子
鍬に顎預けし農夫花吹雪 かかし
マラソンに挑む卒寿や風光る かかし
花吹雪総身に浴びて浄土とも はく子
木瓜の花朱色の濃さや生き生きと 宏虎
燕来て糞落とすなり無人駅 愛正
花万朶人を酔わせて鳥もまた わかば
大き絵を離れ眺むる春の昼 むべ
新入生来たり廃部の危機脱す むべ
蘖や校舎に耐震補強あり 凡士
チューリップ開ききつたる花時計 むべ
菜の花に色揃ひたる電車かな むべ
村と村繋いで桜屑の道 素秀
検眼のCのいろいろ燕来る 凡士
讃美歌を口ずさみつつ種選 むべ
四つんばひ這へば立てよの永き日や かかし
十二単母の好みし花なりき こすもす
暮春の旅沖の小島の細きこと 愛正
行き合うも一会でありし花の下 よし子
花吹雪くグランドゴルフの音にかな はく子
ばらばらも番は伴に春の鴨 凡士
旧陸軍庁舎茶房に春惜しむ はく子
花吹雪大玻璃窓に鄙の膳 はく子
花吹雪山寺の鈴風に鳴る よう子
カーテンを引きその向こうの初夏の風 よし子
花爛漫の里山を訪うバスの旅 はく子
松の花波寄せ返す幾年ぞ たか子
貝寄風に乗る松籟や宿の朝 たか子
野生牛の絶えず草食む春牧場 宏虎
春の海潮の流れの濃く薄く わかば
枝垂れては揺れるさくらの城下町 よし子
落花ごとざりがに捕りの網早し なつき
走り根に座す人もおり花筵 よう子
城池に満ちて色褪す花筏 なつき
実りよき僧のほまち田豆の花 なつき
囀や潮目くつきり二分す わかば
句仇は華道師範や源平桃 こすもす
がふがふと滝のごとくに飛花落花 素秀
小刻みに小枝揺るがす百千鳥 愛正
寄り道は夜桜灯りにいざなはれ 素秀
苔岩を散り敷きにけり落椿 凡士
花万朶孤高に聳ゆ天守閣 たか子

2022年4月9日

大津絵の猫も鼠も春愁ひ 凡士
人もなし川辺を滑る風光る 愛正
花の土手ゆっくり歩く至福かな こすもす
花の城へツインビル中通り抜け はく子
葺替への屋根に群れゐる結ひの人 凡士
鯖街道京への径を春時雨 凡士
早暁や誦経かきけす春疾風 愛正
手をつなぎ名札読み合ふ新入児 なつき
川面への明るき日差し水温む わかば
チューリップ背比べする歩道かな むべ
気がつかばいつか峠の蕨狩 愛正
越境の軍靴離さぬ春の泥 素秀
故郷は同じと納め四月馬鹿 よう子
満開の花のトンネル海青し こすもす
暫くは花を愛でつつウォーキング こすもす
いつの間にかポピーに変わる辻花壇 素秀
囀のこぼるる中や樟大樹 わかば
一両車屋根に桜を散らしくる 素秀
水車落ち組み直したる花筏 なつき
花の雲に載りて燦然天守閣 はく子
丘に立つ段々畑花菜満つ わかば
雲雀野に心たらひし歩みかな わかば
遺影にもパンジーの香の移りけり むべ
燕や白き腹見せ蔵の街 愛正
スノーフレーク誰が揺らすか妖精か 素秀
花冷や盛りの命とどめをり わかば
囀りの真中に陶房轆轤挽く 凡士
春禽に賑はふ古木枝まばら むべ
シーソーを蹴つては触るる桜かな なつき
長閑なり紐ある小さき力石 よう子
濠水面春光蹴たて鷭駆くる はく子
ストリートバスケ落花の舞ひ上がる なつき
高校野球気になる天気と開花予報 こすもす
トランプのやうに広ぐる種袋 なつき
踏み入れば黄色き迷路菜花畑 素秀
極楽橋くぐりて花見御座船に はく子
調弦の音工房にうららけし むべ
春寒やキッチンカーのピザを待つ よう子
馬酔木咲く稲荷の狐すまし顔 凡士
春夕日書斎の窓に居座りて むべ
花に添ふ枝垂れ芽柳なほ美しく はく子
春光や寺となりたるセミナリヨ よう子
春憂う濃き薄きあり板塔婆 愛正
コロナ禍もしばし忘れる花見かな こすもす
美しくなると通販満愚節 よう子

2022年4月2日

暖かや猫とパン生地並ぶ窓 むべ
蕗味噌や炊き上ぐるまで楽しむ香 わかば
潮干狩山が段々遠くなる 宏虎
蜑路地の灯りを暈す島朧 凡士
菜の花や昭和の色の暮れんとす 宏虎
買ひ出のリュックを霰た走りぬ よう子
ぽつねんと青鷺堰に動かざる はく子
背伸びする蓬摘女の大袋 よう子
蜜蜂の密吸ひし跡摩崖仏 宏虎
春の宵人を待つ間のセレナーデ わかば
果たしえぬ地図を広ぐる日永かな わかば
江戸古地図ひろげ深川浅蜊飯 凡士
櫓の字分解しては城日永 はく子
雀の子防鳥ネット出口どこ よう子
踏切の警報遠き菜畑かな よう子
満開の河津桜を散らす雨 はく子
生き過ぎと言いつ笑まひの桜餅 わかば
銀色の雨滴をとどむ木の芽かな はく子
苗床の双葉に群るる里雀 愛正
爪噛む癖いつかなくなり卒園す なつき
両岸は河津桜の満艦飾 はく子
春闌けて碧の深まる大蘇鉄 素秀
嘴の揃ふ巣燕道の駅 愛正
春風や硬く暖か風ならむ 宏虎
若き日の思い出辿り春の宵 わかば
沈丁の香主人と並ぶ盲導犬 かかし
遮断機の上がりっぱなしや木瓜の花 よう子
野蒜食む故郷のいま廃屋に かかし
春耕の腰を伸ばせり楠大樹 素秀
空也仏拝し木彫りの写経せん かかし
初桜球児のエール漏れ聞こゆ なつき
遠目にも芽吹きの著し雑木山 凡士
囀りを次々こぼす大樹かな 素秀
浮きいでし御籤の文字や白木蓮 こすもす
芽柳のそよぐ川辺や車窓より こすもす
残り鴨堰の光をつつきたり なつき
鶯やグランドゴルフマスクして こすもす
風光る揺らぐ鬣放牧馬 愛正
ウォンバット長寿のギネスのどけしや かかし
花の雨旅番組の録画消す なつき
五平餅食ぶる木曽路の春火鉢 凡士
真柏の巨樹ひこばえの大いなる 素秀
三角田ブルーに染めてイヌフグリ こすもす
薪能金春舞ふや石舞台 凡士
卒業式色とりどりの小振袖 むべ
銀輪を撫でて黙礼卒業す かかし
後頭部ちりちり痛む春嵐 むべ
雨上がり寒緋桜を踏むまじく むべ
水くぐる汐入川の残り鴨 なつき
百千鳥古刹の読経薄れゆく 愛正
悼むごと白き花きんぽうげ散る むべ
散策の古都の街並花三分 こすもす
山陽に蕨の新芽並び立つ 愛正
俳句して蝶を見る目が変わりけり 宏虎
芽吹きたる欅の下を初登園 素秀

2022年3月26日

主居ずや母屋の奥の燕の巣 愛正
燕来る駒留め残る格子窓 なつき
卒寿てふ段々畑の春耕す かかし
虫出しの雷に老犬飛び出せり むべ
深々と日矢さす堂に春の塵 凡士
塩の道に五十年継ぐ燕の巣 なつき
神樟に手当のトタン春時雨 なつき
門出の子引越し便の風光る かかし
春眠に乗り越す駅や一人旅 はく子
はずれ馬券春塵となるモニター前 よう子
潮の香や河津桜の満開に わかば
パドックに熱き眼差しマスク越し よう子
成田発見送る空を鳥帰る 凡士
外国の事を思いて青き踏む わかば
山峡に群れて押っ立つ蕨かな 愛正
騒がしきビニールハウス彼岸時化 素秀
猪名堤飛機を見送る黄水仙 せいじ
白梅のつぼみ賑やか無縁塚 なつき
野地蔵に花手向けたり卒業子 愛正
風光る女の騎手の結び髪 よう子
ホワイトデードライ苺の抹茶チョコ あひる
啓蟄やけんけん遊ぶ子らの声 わかば
さるすべりの裸木に朽つ巣箱かな なつき
春うらら駿馬が煽る射幸心 せいじ
なゐふりて真夜のLINEや朧月 むべ
春塵や青と黄の旗掲ぐ店 むべ
菜の花の川原にはたと海の波 わかば
囀とせせらぎ友に山路かな はく子
春燈やジャズ流れくる北野坂 凡士
小枝揺れ姿見せねど初音かな かかし
雨避けて軒に遍路は仏顔 素秀
松根方残すしずくや春しぐれ 素秀
ジョッキーはなべて小柄や馬場のどか せいじ
吊り橋を下から眺め山笑ふ はく子
故郷の港の名入り干鰈 こすもす
苗床となる軒下の林檎箱 愛正
春雨に鼻緒を濡らし石畳 素秀
孫ともども指折り数ふ春休み こすもす
百千鳥墓前の花の新しき むべ
石塀を越へて枝垂るる花ミモザ わかば
鳥帰る田んぼの端に道祖神 はく子
小走りに春雨傘の僧一人 素秀
頬被り出走表に赤印 よう子
北窓開く裾を引く赤城山 愛正
調教の栗毛靡くや草青む かかし
常盤木の中の桜の眩しかり はく子
斑鳩の相輪はるか棚霞 凡士
生で良し茹でてまた良し蛍烏賊 こすもす
動かざる雲井にひばり見失ふ あひる
螺髪めく蕾はさくら猪名堤 せいじ
生業は木地師といふて炉を塞ぐ 凡士
城跡の土塁の辺り落椿 かかし
白木蓮に混じりて咲けり昼の月 むべ
春風を孕み疾走勝負服 よう子
パドックにティーンも見入る春休み せいじ

2022年3月19日

葱の花野菜屑捨つ三角田 なつき
産土の狭き境内落椿 よう子
弁慶の鍋ころがしや春の坂 むべ
登り来て山湖しづもり山笑ふ はく子
遠山の朧の中のリフトかな こすもす
壺焼の噴きこぼれたる潮かな 凡士
春風やプロペラ付きの犬の帽 なつき
春風や螺旋階段くるくると はく子
春田打つ彼方行き交ふ新幹線 なつき
白山を水面に戻し鴨帰る 凡士
葬送のネクタイ緩め夕霞 かかし
桜草去年もここに恙なし よう子
令和となり通天閣の灯に染まる 宏虎
裏門の地蔵に供花卒業子 愛正
イヤホンを外し名草の芽吹き聞く よう子
初恋は永久に初恋春の雪 かかし
遅き日を重ねて二十三回忌 素秀
童歌口遊みつつ青き踏む わかば
海晴れて沖の島影薄霞 わかば
初蝶の飛び立たんとして止まる息 素秀
今年また桜見れたと車椅子 わかば
亀鳴くや轍の深き泥の道 素秀
猫眠る仕舞ふ仕舞はぬ春炬燵 かかし
家苞に諸子を買いて膳所の駅 よし子
雪解水岩噛み流る奥利根峡 愛正
色違ひの双子の靴や青き踏む なつき
陣組むで無く判っておりぬ残り鴨 宏虎
しろがねの鋒なほかたし幣辛夷 むべ
池塘に正座している落椿 宏虎
名刹を抱きて笑ふ東山 はく子
目刺し干す品に釣られて家包に 宏虎
かげろふの内に彼岸とつなぐ橋 素秀
ラジオ体操義母腰かけてあたたかし 凡士
春雷や畑仕の人へ良き兆し わかば
山笑ふ蒸気機関車裾縫いて はく子
鶯を聞き分けてをり里暮し よう子
螺旋階段くるくる降りて春の川 はく子
黙食の農家カフェや百千鳥 かかし
黄水仙香るベンチをひとりじめ むべ
春日濃しをちこちに干す人のあり むべ
賭けもせぬ勝馬応援声あげて よし子
北窓開く納屋に入り込む真竹かな 愛正
発掘の欠片に刷毛ののどけしや かかし
春の雷三十六峰駆け巡る よし子
春一番削る川原の空き巣かな なつき
宍道湖の吃水深し蜆女 宏虎
北窓を開き赤城の風を吸ふ 愛正
思惟仏の指先にある春愁かな よし子
飛行機は鶴のマークか春霞 よう子
山霞かなたに富士の浮かみくる むべ
糶へゆく牛の背梳く春日かな 凡士
晴れやかな顔に決意や卒業す わかば
婚の日も満開たりし梅今朝も こすもす
雪雫高音響くトタン屋根 愛正
揺蕩ふと若狭の海の蒸鰈 凡士
八十路とて夢のありけり雛飾る よし子
春暁や夢に驚き目覚めたり こすもす
新しき綿に包まる雛の顔 素秀

2022年3月12日

ぐずる児をあやしてをりぬ風車 よう子
フリスビー見事にキャッチ草青む かかし
船頭唄流し嫁入り舟に雛 なつき
黄水仙群れて明るき小庭かな わかば
山笑ひ谷水楽を奏でけり わかば
庵の戸を開けて梅が香四方より なつき
口遊む母の声止み春の雷 わかば
夕映の黄抜きだして花ミモザ むべ
雌の鴨陸に上がれば雄も又 はく子
しら梅の一輪越しに天守閣 凡士
境内にキャタピラ跡や除雪中 こすもす
甌穴の溢るる雪解け白き雲 愛正
生垣の内に一本藪椿 むべ
春時雨にはかに道の黒々と むべ
決壊の年読めぬ碑や水温む むべ
春愁うお悔やみ欄の没年令 愛正
囀や鍬を休めて茶の夫婦 かかし
佇みて見る人もなし堤焼き 愛正
町川を潮の満ちつつ猫柳 素秀
ぎしぎしの広葉の赤く萌え出づる はく子
揺蕩ふと風に舞ひをる柳かな かかし
漣の動きに浮沈浮寝鳥 こすもす
百相の納めだるまや梅の寺 なつき
川風の梳かす花穂や猫柳 愛正
おぼろなり羽根レースめく白孔雀 なつき
内視鏡体内巡り冴返る かかし
夕去りてたんぽぽの絮暮れ残る はく子
花の寺三つ葉躑躅は未だ蕾 こすもす
地下通路近づくヒール冴返る よう子
しゃがみ書くポストの横の遍路かな よう子
春灯下偕老嗜む食前酒 愛正
囀りや鴉の地鳴き混じりをり 凡士
地下道を出て中之島かぎろへる よう子
フラミンゴの池で弾けりしやぼん玉 なつき
子犬走ればたんぽぽの絮飛べり はく子
石段の左半分雪残る こすもす
母の辺に半襟を掛く春の雨 わかば
強東風や消防団の銀しころ むべ
篳篥の音色に泣けて春の昼 素秀
いにしへを思ふ古墳に鳥の恋 素秀
走り来るグリコサインに春疾風 凡士
標なき砲台跡やすみれ咲く よう子
淡淡と里山笑ひ初めにけり わかば
啓蟄や巣穴のやうな路線地図 凡士
朝東風に汐の香るや倉庫街 素秀
わらべ歌洩るる園児ら雛飾る かかし
能登に来て舳倉は遠し雪の果 凡士
潮の香の混じる梅東風花の寺 こすもす
木工所跡に連翹枝垂れけり 素秀
たんぽぽの絮そよ風にさそはるる はく子

2022年3月5日

ベア大会に向ける練習風光る こすもす
音もなく春こそ来たれ今日の空 よし子
春雷やふちどり金のワイングラス よし子
春の水湧く山を背に美術館 むべ
春浅し言葉不足に笑顔添へ 宏虎
蕗の薹吾娘にその名を貰ひけり むべ
河原の歩に草萌の柔らかく わかば
福寿草木立を抜くる日を追へり なつき
コンサートテノールに酔ふ春の宵 よう子
余寒なほ足湯の立て看道の駅 愛正
鰤しゃぶの鍋くぐらせば潮の音 凡士
畑焼きの一穂なびく川向う 愛正
塀越しの紅色兆す梅蕾 愛正
残る鴨川面白しろ暮れ残る はく子
羽閉ぢて初蝶白き線となり なつき
二羽の鳩身を寄せあふて春の堰 むべ
山笑ふウオークマンに足軽し よう子
泥水の浚渫船の余寒かな 宏虎
ざく切りの刃先に香る根芹かな むべ
千代紙よ貝よと手作り雛並べ はく子
菜の花や蕾ぎっしり辛子合へ よう子
小面の笑み妖しかり春の燭 凡士
雛飾りせしとハワイの便りかな よう子
うちの海晴れて迷路か春水仙 素秀
洛外といへど老舗の蓬餅 凡士
掛けましし虎の牙にて春動く 宏虎
啓蟄の土を返せば底浅し 宏虎
早春の風和らげる日差しかな わかば
春月や蕪村寄寓の与謝の寺 凡士
玉砂利を踏みしむ音よ恋の猫 素秀
元禄の梅八ツ房と今に尚 わかば
裏塀の隙間の風の余寒かな 愛正
首筋にうっかり雪解雫かな こすもす
犬ふぐり足の短い犬散歩 よし子
静かなる絢爛梅の二月かな 素秀
騒がしく篁叩くぼたん雪 素秀
雛飾る笑顔に覗く歯の二本 はく子
十三仏肩寄せ合ひて春の雪 よし子
病院の検査の一日春遅々と なつき
春兆す魚鱗の光水映る 宏虎
シルバニアのお家も並ぶひな祭り なつき
余寒なほあれど土には兆しあり わかば
神域の慰霊碑震ふ春の地震 素秀
ドラム缶はみ出す割り木焚火守 よう子
さざ波は早春の歌山の湖 よし子
春の日や久の門先立ち話 こすもす
梅寒し拍手まばらに大道芸 なつき
配布物のやっと終了余寒なほ こすもす
吊るし雛に埋め尽くされし旅の宿 はく子
春霞湯屋の煙突消へし街 凡士
山茱萸の花を確かめ城址へと わかば
買い足しは三度目木炭届きけり こすもす
猫柳川風受けて七変化 愛正
年一度の目文字今年も雛飾る はく子
緑青の池底干され浅き春 むべ

2022年2月26日

神輿蔵ひたと閉ざされ梅開く はく子
浮び来る鯉口丸く水温む 凡士
雪深き谷の駅舎の灯の淡し よう子
せせらぎや供花みどり立つ六地蔵 なつき
バレンタインハートを描きしオムライス なつき
白未だ紅満開の梅の宮 はく子
薄氷の朝日に光る汀かな わかば
雄鶏のつつくにまかせ落椿 素秀
昨日より今日また低し柿剪定 愛正



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