投句控 :500句/1頁

次のページ

2026年1月24日

街の灯を白く濁して初時雨 素秀
外人墓地菊の供花と国旗添へ ぽんこ
老木の裾にひこばゆスカート巻く ぽんこ
通帳の残高にらむ一葉忌 宏虎
小鳥来るヒマラヤ杉の梢高く はく子
ひよ鳥のつつき飛び交う熟柿かな 愛正
秋天にさしも九輪塔聳えけり ぽんこ
動物の童話仕立ても菊花展 はく子
夕映えの残る美空に白き月 はく子
青空を守もりて鷹の空統べる 宏虎
惑星の次々のぼり月孤独 むべ
陶器かと見紛ふばかり次郎柿 素秀
至福なりコスモス畑に佇みて こすもす
木枯しに押され合鴨流れ去ぬ 愛正
傾ける日をかき分けて秋の蝶 素秀
天高しヒマラヤ杉のなほ高し はく子
黄落の肩に鞄に自転車に むべ
古民家を抜ける爽籟一服す むべ
泥んこも何のそのとて甘藷掘り こすもす
赤々と紅葉が翳す花時計 なつき
木枯しの後追ふ空き缶音高し 愛正
洋館の門にしだれる秋の薔薇 ぽんこ
御朱印の達筆競ふ神の留守 宏虎
杖の爺よちよちと追ふ小春かな なつき
七五三年子の兄が世話焼けり なつき
力なく臥す胸のうへ月渡る むべ
秋アカネ乱舞の広場ドッグラン こすもす
文化祭皆歳取りぬ当日朝 宏虎
散る日迄目を楽します紅葉かな 宏虎
恐竜のマスクの男の子七五三 なつき
芳香の樟の切株神の留守 なつき
ドアノブの鈍く光るや霜の夜 素秀
着き菓子の柚餅子を語る仲居かな 愛正
古民家の誰待つ人ぞ柿熟す 愛正
秋の水きらめき落つる水車小屋 むべ
釈迦像のあばら浮き立ち落葉降る ぽんこ
草の実の取払方四苦八苦 こすもす
山向こう雨止んだらし秋の虹 こすもす
秋惜しむ読経洩れ来る大寺に はく子
編み込むは錦の糸の紅葉山 素秀

2022年11月5日

老木にしもべの如くオキザリス ぽんこ
受付の一輪挿しに石蕗の花 こすもす
頭垂れ舗道見下ろす泡立草 素秀
金次郎の本に賽銭小鳥来る なつき
気持ちよく晩学に出る小春かな わかば
秋桜その彩りの風流す はく子
初さんま煙吹き散る排気口 愛正
深秋の渚に波の音はざん 素秀
仏飯はコウノトリ米報恩講 こすもす
鰯雲寝て遣りすごす頭痛かな むべ
龍神の旅立つ海や笛太鼓 わかば
秋桜百万本の浄土かな かかし
沢沿いをのぼる川霧露天風呂 愛正
長き夜や地図をなぞりて時刻表 かかし
葉の黄ばむ一鉢離し菊花展 なつき
絶好調の友の背中に赤トンボ こすもす
と見る間に里山覆ふ霧襖 かかし
顔のごと大き付け毛の七五三 なつき
渋柿の食べ方談義休み時間 こすもす
小春なる峰寺訪いて句碑めぐる わかば
百舌鳥鳴くや夕影帯びし鎮守杜 愛正
こすもすの可憐さに秘む強さかな はく子
散り占めて近づき難し金木犀 素秀
細き辻金木犀を踏むまじく むべ
書店仕舞ふ本の行方に秋愁ふ 素秀
秋桜風をいなしてすましをり はく子
洋館の門にしだれる秋の薔薇 ぽんこ
比叡よりの風にコスモス大揺らぎ はく子
そぞろ寒テープでつなぐ玻璃の罅 なつき
釈迦像の肋浮き立つ頭に落葉 ぽんこ
初霜や薪割り急かす里の山 かかし
秋空にさしも九輪塔聳へけり ぽんこ
チャイム鳴る空の校庭小鳥来る なつき
華やかやここはむらさきゑのこ草 むべ
廃屋の樋に名知らぬ草の花 愛正
老木の幹にひこばゆスカート巻く ぽんこ
AIに労らはれたるうそ寒し むべ
重ね着をしすぎて上衣持て余す わかば
こすもすや比叡山頂くっきりと はく子
大漁と聞けど高値の秋刀魚かな 愛正
藤袴アサギマダラを憩わせて わかば
薬膳や生姜を欲す病み上がり むべ
新走おらが国さの米自慢 かかし
萩の去り路地に立ちたる売家札 素秀
一礼し潜る鳥居や木の実降る こすもす

2022年10月29日

父遺す畑仕舞する帰郷かな なつき
カラオケで青年の声戻る秋 宏虎
夕日受け河原に靡き わかば
病窓より見ゆるドラマや運動会 むべ
秋晴や濯ぎ物多々靡くなり わかば
久々の吟行に秋惜しみけり こすもす
走り根にどんぐりの実の弾く音 ぽんこ
火口湖を目指す山地や照紅葉 わかば
さやけしや修繕中の礼拝堂 むべ
瀬戸内の秋夕焼けの美しさ 宏虎
みそとせの同窓会や身に入みて むべ
股覗き水平線の鰯雲 かかし
橙の実の葉籠り下行厨す ぽんこ
金木犀夜見る人も花こぼれ 宏虎
根釣人糸繰りし指揉んでをり なつき
落葉路からと音して翻る わかば
産土の七五三絵馬打ち鳴れり なつき
小鳥くる群れて鳥語の一樹かな わかば
注連縄の甑の岩に小鳥来る ぽんこ
行雲を追ふ目虚ろに母の秋 素秀
紫に暮れ行く山に秋惜しむ はく子
むらさきの丘に匂ひし濃竜胆 素秀
釣果なき夕餉多弁な根釣夫 なつき
奥宮の拝殿造替神の留守 はく子
奥院の人見ぬ杜や残る虫 はく子
秋桜の揺れて楽譜の如き列 素秀
ハロウィンのかぼちゃの侍るポーチかな ぽんこ
半眼の神の守りし秋の水 ぽんこ
一房を粒押し合ひし葡萄かな 宏虎
長き夜や父母を偲びて写経せん かかし
黄落はまだ先メタセコイヤかな こすもす
巡回バス集落むすぶ刈田道 愛正
農家カフェ地産地消の走り蕎麦 かかし
梁太き櫓を抜くる秋の風 なつき
ドングリの色もサイズも様々に こすもす
過疎村に炊煙揺らぐ冬隣 愛正
彼の地では今を盛と金木犀 こすもす
家空けて勝手わからず火恋し むべ
点滴の針抜く痛み黄落期 むべ
板朽ちて芒が覆ふ校舎塀 愛正
すがれ虫残念石の城の跡 かかし
薄切りの檸檬沈まぬ朝スープ 素秀
言はでものその一言のうそ寒し はく子
月白に屋根の影増す倉庫街 素秀
たこ焼きの舟皿温し秋祭り 愛正
海見ゆるビル屋上に秋惜しむ はく子
山路行く車窓過ぎゆく芒かな 宏虎
参拝の客の途切れず秋の宮 こすもす
一日に二便のバスや柿簾 かかし
老僧の柚味噌談義や庫裏の斎 愛正

2022年10月22日

栗飯を買うてお仏供と昼ごはん はく子
細波の綺羅に初鴨潜りけり ぽんこ
秋祭り裏路地走る下駄の音 愛正
一筋の川面光れり芒原 なつき
三国越ゆ越後の山の錦かな 愛正
喬木に色を添えたる蔦紅葉 わかば
秋声は大山門の柱より はく子
江戸文字の寄付札並ぶ秋祭り 愛正
保護犬の泣き声細し秋の暮れ 愛正
冷まじゃ初代社長の五十回忌 宏虎
手の平に乗る盆栽の紅葉かな ぽんこ
石垣の通る頭上に泡立草 ぽんこ
空占める大樹の中の櫨紅葉 ぽんこ
長き夜や円周率の果てしなき かかし
冬支度一缶多き灯油かな 愛正
あきつ群る園内バスの停留所 なつき
杉玉の並ぶ酒蔵新酒出来 宏虎
古色なる水路閣より秋の声 はく子
風の中翅も動かぬ秋の蝶 ぽんこ
法堂の開け放されて秋日和 はく子
学童の笑顔に応へ赤い羽根 わかば
川底のうねりのままに鮭のぼる 素秀
数多なる色を違へて紅葉かな わかば
色変へぬ松選ばれて三百年 素秀
立ち入れば溺れさうなる芒波 素秀
ハロウィンのかぼちゃとベンチ座りたる なつき
剪定に身よじるやうな秋薔薇 素秀
古井戸は猫のたまり場秋さびし なつき
先着順に決まる乗客秋惜しむ こすもす
晩学に定年はなし夜学生 かかし
秋惜しむ時刻みけり砂時計 宏虎
秋の日の親の横いる牧子牛 宏虎
決断のいる値段だが松茸籠 宏虎
爽涼の窓全開で写経せん かかし
色鳥や母の齢を祝ふかに わかば
ハロウィンやかぼちゃの並ぶオーケストラ なつき
小春日や空にドクターヘリの音 こすもす
銀杏の実終焉地てふ芭蕉句碑 かかし
単線に断続しつつ野紺菊 素秀
四人組歌いっ放し秋惜しむ こすもす
回覧板は害獣駆除の秋日程 こすもす
秋夕焼山を焦がさんばかりかな はく子
菊花展特別賞の卒寿翁 かかし
四阿に憩ひて紅葉明かりかな わかば

2022年10月15日

踏み入りて空しか見えぬ芒原 素秀
幾山川越へし旅路の渡り鳥 かかし
丈余の萩天蓋のごと子規の句碑 かかし
冬服のリボン手間どる朝支度 むべ
アトリエの窓より富士の初雪や むべ
あだ名書く名前シールや体育の日 なつき
コウノトリ羽根休めをり薄原 こすもす
眠らねど夜霧に沈むコンビナート 素秀
好きなもの合はせ夜寒のワインティー なつき
久々の京都吟行秋晴るる はく子
柘榴爆ぜ地にいく粒か赤い星 素秀
長き夜や首輪を失くす猫のゐて 素秀
朝戸風甘き匂ひの金木犀 愛正
池面の亀の息継ぎ秋の雲 ぽんこ
新蕎麦を刻むリズムや道の駅 かかし
秋天や須磨に直筆師弟句碑 わかば
紅玉の散らばる路地裏梅擬き 愛正
巴里よりのビデオ通話や長き夜 むべ
農家カフェランチの窓辺小鳥来る かかし
子規虚子の句碑に佇み秋惜しむ わかば
山の秋これからと言ふ彩を待つ わかば
初鴨に亀も鯉もと餌に群るる はく子
野の錦屏風絵ごとき外輪山 愛正
神池へ恥らひの枝の薄もみぢ はく子
子の愚痴の楽しくもあり長き夜 なつき
歌碑あまた樹影連なり小鳥来る ぽんこ
秋の海寿永の悲話を思ひみて わかば
焼栗の店主軽口蚤の市 ぽんこ
秋霖に身を濡つまでひよの黙 むべ
心臓に似たる瓢の実そつと吹き なつき
秋祭り籤券手にし寄付集め 愛正
眺望の展望台や秋澄める わかば
木犀の漂ふ香り雲流る 愛正
秋を咲くま白き睡蓮神の池 はく子
卒寿てふコンバインにて稲を刈る かかし
橋殿に座して聞きをり秋の声 はく子
家包となり靴下のゐのこづち 素秀
秋日濃し砂紋の庭の野草かな ぽんこ
赤い羽根つけて広報配布せり こすもす
美容院の隣接の田は稲刈中 こすもす
踏切を後の村雨待ちゐたる むべ
たわわなる重みに残照銀杏の実 ぽんこ
弁当はおにぎりだけよ豊の秋 なつき

2022年10月8日

海に向く敦盛塚や竹の春 わかば
三日月の顎にしたたる一つ星 素秀
銀木犀ならではの香のやはらかし むべ
我が影が前行く彼岸花の土手 なつき
コロナ禍や町内静か秋の月 宏虎
爽やかや何処から見ても姫路城 宏虎
卓上に寂びた一輪曼珠沙華 ぽんこ
雑木林ゆけば団栗共和国 むべ
満面の笑みに刈田を駈ける犬 素秀
秋の空旗振山の尾根伝ひ わかば
芋を焼き戦後を語る老一人 宏虎
余生猶綺麗な緑秋澄めリ 宏虎
名水にもぎたて檸檬ひと搾り むべ
仰ぎ見る秋の白雲広ごりぬ わかば
音も無く夕霧つつむ白川村 宏虎
豪華列車とすれ違う駅ススキ揺る こすもす
菊の香や押入れにあるお仏壇 素秀
古民家や律の風入る通し土間 愛正
彼岸花青き遠嶺の見ゆる土手 なつき
秋闌くる山麓過疎の漏れ灯り 愛正
野仏の供花に誘われしじみ蝶 ぽんこ
カラス鳴き雀飛び立つ刈田かな 愛正
細き紐伝ひに彼岸花の土手 なつき
うつすらとたて縞残る烏瓜 むべ
天空に描く線画や渡り鳥 愛正
和菓子屋の母家栃の実天日干し こすもす
溶岩流跡の清流の音風は秋 こすもす
芒原声遠ざかるつづら坂 素秀
秋の雲三角点の国境 わかば
露の世を銀髪の修道女行く むべ
人吞みし井戸に蓋あり紫雲英蒔く 素秀
並列の陸墓に手向け花芙蓉 ぽんこ
樟大樹埋もる落葉に力石 ぽんこ
下り梁川音高き利根秘境 愛正
堅く閉づ廃墟の扉蔦かずら ぽんこ
走り根の多き尾根道木の実落つ わかば
彼岸花の赤に溶けたる人の影 なつき
住職の鐘楼に吊る柿すだれ なつき

2022年10月1日

敬老日四人付き添ふ車椅子 なつき
秋の蚊を払ひ動かぬ荷物番 なつき
敗荷と言へど葉のまだ瑞々し こすもす
魔女の爪の如伸びをりぬオクラかな こすもす
新しき城建つ砂場台風過 なつき
病院の庭に団栗拾ふ児ら むべ
獺祭忌台風列島通過中 はく子
熟すまで毎日チェック木通かな こすもす
秋の燈や友へ見舞いの筆を取る わかば
曼珠沙華脚絆を隠し揺れる紅 素秀
くつろぎの昔の話秋彼岸 宏虎
壱岐つつむ島の奥まで鰯雲 宏虎
秋色になりつつメタセコイヤ立つ はく子
野にありてまばらに結ぶ実紫 むべ
赤とんぼ結界の縄ぴんと張り なつき
曼珠沙華必ずこの地この所 ぽんこ
街覆ふ水の匂ひや秋の雷 むべ
夕映への棚田百選稲穂波 かかし
秋簾木屋町川の水の音 宏虎
秋の海荒れて小波の尖るなり わかば
この土手の一番花の曼珠沙華 素秀
田仕舞や案山子に礼の老夫婦 かかし
好き候鳴きて何時しか蟲時雨 宏虎
曼珠沙華暮行く先の黒き帯 素秀
棟越に月出て浮かぶ参拝道 愛正
螽斯腹も震はせ愛の歌 むべ
古戦場跡地の史跡虫時雨 かかし
歴史持つ灯台今も秋岬 わかば
刈りとられ畦を枕の曼珠沙華 素秀
稲架掛けの地に這う影や夕日脚 愛正
割烹着の走り蕎麦打つ道の駅 かかし
六甲の著き稜線秋澄みぬ わかば
黒き蝶ひたすら吸ふは曼珠沙華 むべ
稲架襖声はすれども子は見えず 愛正
雨吸い込むマンホールより秋の声 ぽんこ
里芋の大葉の露の光り合ふ はく子
秋雨や仁王の視線太柱 ぽんこ
色帯し良夜なりけり風もなく 宏虎
黒雲に台風予報刻々と はく子
梵鐘の響く明日香路曼珠沙華 かかし
秋の浜歩めば沖に汽笛かな わかば
秋うらら子ら渋滞の滑り台 なつき
いわし雲過ぎ行く月日のいや早し はく子
大雨に鹿も木陰で膝を折る ぽんこ
五能線波濤をかくす烏賊襖 愛正
野分まだどこかにいるよ宿根草 ぽんこ
休耕の畦に一列彼岸花 愛正
山育ち野育ちのまま曼珠沙華 素秀

2022年9月24日

傍らに犬の寝息や夜仕事す むべ
秋耕の畝影長き夕陽かな 愛正
突堤に足投げ出して鶯を待つ 宏虎
台風を避けて繰りあげ電車移動 こすもす
香煙が百度石へと千灯祭 なつき
大道芸野分の風に踏ん張れり なつき
十字架の道行たどる秋の声 むべ
首筋を撫ずる爽涼沢登り 愛正
山路来て樹々の梢の薄紅葉 わかば
秋雨のクレッシェンドに降りつのる むべ
大使館半旗掲げし秋思かな むべ
ハンモックの父の裸足をくすぐれり なつき
丹波路の稲穂黄金にうねりをり わかば
阿蘇五岳スツポリ消えぬ霧立ちぬ 宏虎
鶏頭の赤くふッくら花三つ 宏虎
萩の縁寺の浄土と申し上ぐ 宏虎
奥の院の日の班踏みしめ秋遍路 なつき
丹波路に梢の秋を見つけたり わかば
青空をバックに菊を作りけり 宏虎
畦道の泥土にのろり秋蛙 愛正
逆バンジージャンプに割れり群れとんぼ なつき
四方山に静まる心爽やかに わかば
みぞはぎの咲き乱れし水の影 ぽんこ
しろがねの打てば響くか今日の月 はく子
布袋草大甕の口塞ぎけり よう子
廃軌道単線走る秋の風 愛正
葉隠れに木瓜の青き実露けしや むべ
蜻蛉の翔びたつ草に風の声 素秀
ゆっくりと朝顔開くおちょぼ口 ぽんこ
抜穴の格子を染める楓かな ぽんこ
厚雲よりとく出でよかし居待月 はく子
いたずらを繰り返す猫障子はる こすもす
仏坐す古木の洞へ稲穂風 よう子
しみじみと昭和歌謡や秋の宵 素秀
落日に染まり紅葉しつらへし 素秀
ラリックの工芸展や秋の雲 わかば
滑走路跡を連ねる大花野 素秀
盆栽の小さきお山も紅葉づれる よう子
観音の豊かな頬に秋日差 ぽんこ
工事止める遺跡調査や秋あかね よう子
陋屋に華やぎ添える灸花 ぽんこ
露けしや土に埋もるわれ茶碗 素秀
大窓に刻々変はる秋夕焼 はく子
皓々と今宵の月の白銀に はく子
十六夜の白雲染めつ漂へり はく子
榛名富士草原波立つ松虫草 愛正
高速の鬼やんま地に平行に こすもす
巫女デビュー父は神主秋祭り よう子
手放せぬものの一つや秋団扇 こすもす

2022年9月17日

萩枝垂れ波の皺立つ水辺かな 愛正
廃城の傾げし標虫時雨 かかし
花野道抱き上ぐる子に日の匂ひ なつき
破蓮や日暮れて池に水の泡 素秀
秋の雲農具手入れの老農夫 かかし
雨雲のレーダ―見つつテニスの秋 ぽんこ
花野道子は髪ゴムの鈴鳴らし なつき
杖つきて足鈍くさし敬老日 宏虎
通帳に利息は付かず敬老日 宏虎
市主催の観月会やお茶席も こすもす
木犀や夕べの雨に香の沈む わかば
参道に火照り残れる万灯会 なつき
街灯の切れし小路や月今宵 なつき
重なり合ふ絵馬に無風の残暑かな ぽんこ
月光のふとふりむきぬべートベン 宏虎
苔むした墓石濡らす朝の露 ぽんこ
山門の枝折戸の奥吾亦紅 かかし
夕映への濁世を隔つ秋桜 かかし
ガード下暗き溝より昼の虫 ぽんこ
里山の裾野に広ぐ秋桜 わかば
長き夜や句作数独読書かな こすもす
リフォームの絣の上着秋の旅 こすもす
カリヨンの鳴る音優し朝澄めリ 宏虎
プラタナス並木往き交ふ秋の昼 むべ
木犀に旗を預けて警備員 素秀
いちじくの皮をむく子とむかぬ子と 素秀
紅白の風に解け合ふ秋桜 わかば
小雨止みて束の間見えし芋名月 こすもす
宵闇や人の繋がる里灯り 愛正
朝顔の今朝の空色もらいたる はく子
廃校の低き蛇口や芒原 かかし
墓石に戦死を刻む秋思かな ぽんこ
ポストほどのちさき図書館小鳥来る むべ
草に浮き草に静もる秋の蝶 宏虎
軒低き納屋を賑わす小鳥かな 愛正
三日月や堰落つ水の音清か わかば
穴まどひ行列できる検診車 素秀
亀甲のめくれる田面落し水 愛正
坪庭に木賊直立くずさざる はく子
平らかな街を流るる秋の川 むべ
この世をばあまねく照らす月今宵 はく子
大阪と奈良より満月写真来る こすもす
萩の風茶室の木戸の見え隠れ 愛正
稲の香や風車の回る遊園地 なつき
かなかなや柴を踏みしむ杣の背に 素秀
山湖澄む空と脊山の影映す わかば
父居らぬ父の家なり昼の虫 むべ
大空に雲一つなき月今宵 はく子
ベランダにくらわんか花火堪能す はく子
まっすぐな光の筋や月今宵 むべ

2022年9月10日

杖借りて高枝引き寄せ柘榴採る はく子
無住寺の棟門狭し大毛蓼 愛正
赤とんぼ座布団干せる大師茶屋 なつき
登り来て霧が隠せし登山バス 宏虎
散歩終へ犬と飛蝗の家に入る むべ
海峡を潮の行きつく果ての秋 素秀
授乳中の猫と目の合う秋の昼 こすもす
隠沼に蜉蝣立ちぬ青き水 素秀
鉦叩真闇に音の澄みまさる はく子
数独や繰り返すミス秋の雷 こすもす
子等遊ぶ休耕田の赤まんま 愛正
摘まれても良くぞ生きたり楤の花 愛正
昨夜の雨苑の芝はら露深く わかば
大道芸拍手まばらな秋の昼 むべ
虫集く窓辺に寝床しつらへり むべ
迷走の台風海の濤尖る わかば
萩日和友の杖引く音かろし はく子
秋桜休耕田を独り占め 愛正
苑を統ぶ大樹に憩ふ蔭涼し わかば
秋陰や墓を尋ぬる電話あり むべ
露けしや草にまみれし酒地蔵 宏虎
夕潮のふくらみ空に鯔のはね 素秀
ガード下暗き溝より昼の虫 ぽんこ
墓石に戦死を刻む秋思かな ぽんこ
谷風にうねり起こすや萩の花 愛正
赤梨の口に果報の酸味かな 素秀
カンナ咲く赤ポスト有る小学校 宏虎
鐘楼の前にハーレー秋遍路 なつき
寺めしにいつも来る子や休暇明け なつき
心づく信号待ちの虫の声 素秀
重なり合ふ絵馬に無風の残暑かな ぽんこ
水澄みて心休まる湖畔かな わかば
葛の蔓やさしく肩を叩かれぬ むべ
傘立てに亡夫の杖や虫集く はく子
雨雲のレーダー見つつテニスの秋 ぽんこ
野ぶだうの色の美しきは食ならず はく子
稚児大師像に集へり赤とんぼ なつき
パソコンの御機嫌悪るし夜半の秋 宏虎
色帯びし良夜なりけり風も無く 宏虎
廃業の仏壇屋跡身に入むや なつき
広芝の朝露玉となり光る わかば
稲の香や体操教室週一回 こすもす
苔むした墓石濡らす朝の露 ぽんこ

2022年9月3日

盆の市長蛇の列の赤飯屋 ぽんこ
鬼灯の鉢をはみ出す艶姿 素秀
列島の傷跡深き秋出水 わかば
夜の更け鈴虫を聴く静寂かな わかば
額縁に影のありたる秋思かな 更紗
絵に詩に心遊ばせ秋の雲 はく子
駐輪場飛蝗動かぬサドルかな 愛正
秋空へつひ手を伸ばす尾根の道 むべ
山里の水の手柄や新豆腐 素秀
なぜなぜに答えて汗の子を撫づる なつき
野外演奏昼の部の法師蝉 愛正
蒼天や伽藍静かに萩の花 ぽんこ
保護犬の募金呼びかく残暑かな むべ
友待つ間眺む噴水伸び縮み こすもす
指折りに虫の名浮かべ虫すだく 更紗
尼寺に夕べ赤らむ酔芙蓉 はく子
秋愉し誕生祝にフラフープ こすもす
千枚田をちこち響く威銃 かかし
涼新た京の露地裏旅気分 かかし
奔放な朝顔の蔓種採りす なつき
別荘地木の間ちらちら秋日傘 愛正
時に吹く風に秋かと覚ゆなり わかば
標本になりて鍬形全うす なつき
鳳仙花猫のパンチで弾けをり かかし
髪洗ふチタンの埋もる手術跡 なつき
切る音に良しとオクラの茹で加減 素秀
水澄むや鯉の緋色踊りくる ぽんこ
慈しむ母との会話虫の秋 わかば
てつぺんに黄葉きざす銀杏巨樹 素秀
子ら帰り二人の卓に虫の声 かかし
朝顔の空色包んでしまひけり はく子
小灰蝶翅をたたみて小休止 むべ
整髪や鏡の奥に涼新た かかし
ヒマラヤの石家にある秋思かな むべ
賽銭が跳ねて飛び立つ法師蝉 愛正
鉦叩闇の黙を打ち続く わかば
クリームの皿舐むる子や八月尽 なつき
無人駅軽トラに乗る秋日傘 愛正
母ぶりの天晴な猫秋うらら こすもす



次のページ