最新のみのる選

2024年11月16日

俳句作者
目潰しの落暉広ごる枯野かなぽんこ
玉砂利を踏みつつ愛でる庭紅葉せいじ
百年の杜もとほれば木の実雨むべ
漣の千々に乱るる紅葉影澄子
杉苔へ翻り落つ照紅葉たか子
小春日の洲浜に松の威風かなわかば
倒影の朱を極めたる唐楓はく子
水鏡の青天井を鳥渡るむべ
セコイアの秀枝こぼるる秋日影うつぎ
紅葉且つ散る草庵の檜皮葺たか子
ピースして破顔一笑七五三えいじ
錦してアメリカ楓は炎立つうつぎ
啄木鳥や木椅子に耳を傾けむうつぎ
太陽の塔見下ろして昼の月せいじ
石蕗日和清談弾む茶席かな よう子
中島の要の松の色変へずぽんこ
薔薇健気冬を迎ふになほ赤くはく子
湧水に躍りやまざる紅葉影澄子
枯蓮の池に射す日の翳り癖あひる

2024年10月13日

俳句作者
せせらぎに憩ふ我らに風涼し澄子
古民家の籬をなせる竹の春康子
萩に触れ桔梗を愛でて京ひと日はく子
展がりて起伏をなせる花野かな澄子
薮茗荷の実は黒真珠神の庭うつぎ
蕊あまた蒼穹を指す曼珠沙華むべ
紅葉影くすぐつたさう鬼瓦ぽんこ
秋涼の庵にお薄いただきぬむべ
平安を偲ぶ境内桔梗咲くわかば
句短冊ゆらゆら萩の風通ふもとこ
秋まつりばらす櫓の砥の粉散るえいじ
桔梗の庭に無粋や大鴉せいじ
漆喰の白壁に映ゆ薄紅葉康子
御所さんの銀杏なればと拾ひけりうつぎ
紅白の萩の籬や能舞台あひる
小参道触るるも風情萩綴るうつぎ

2024年09月15日

俳句作者
笹の葉の早瀬に逸る水の秋むべ
ポイ捨てはやめてと睨む案山子翁せいじ
小魚の影濃く水の澄めりけりむべ
おはぐろや奔流しぶきやまざりし澄子
羽衣をひろげしごとき秋の雲なつき
佇めば一渓わたる蝉の声澄子
日を弾く綺羅の水面に風立ちぬ澄子
滝の岩攀じらんとする蔦紅葉康子
こぼれ萩殉教の碑の残る古寺なつき
屋敷林がんじがらみに蔦かづら康子
夕映の穂波に群るる赤蜻蛉むべ
庭苔に朝露珠と艶めきぬ康子
葉隠の綺羅の一縷は山清水康子
遣水を渉り茶室へ初紅葉むべ

2024年08月17日

俳句作者
神の杜深閑として今朝の秋澄子
夏の果貝殻絵馬の文字うすれなつき
蓮の池葉裏に揺るる晩夏光むべ
ドームなるステンドグラス堂涼しわかば
畔行けば吾を打ち囲む群れ蜻蛉むべ
敗戦忌核なき世をと祈りけりわかば
赤とんぼ草の穂先に逆立ちすぽんこ

2024年07月13日

俳句作者
落ちてなほこよなく白し沙羅の花わかば
睡蓮の陣さざ波に広がりぬせいじ
歩板へと迫り出す蓮の巻葉かななつき
萩叢のトンネル駈けて序破の風澄子
本堂にじいさんバンド夏祭なつき
パーゴラに斑を散らしたる若葉影康子
蝉生れて東雲に翅乾きゆくあひる
芝庭に撒水ホースとぐろ巻くせいじ
梅雨茸丸太ベンチに一と並びあひる
苑愉し蛇の目を借りて日傘とすかえる
老鶯の禊のごとく朗詠すよう子
掬ぶ手にまろび輝く清水かなむべ
四阿は網代天井風涼し澄子
羅に透けて真白き腕見ゆるかえる
背伸びして高きに結ぶ星の竹むべ
幼の字平和と読めし笹飾り康子
深山径足な取られそ蔦茂るぽんこ

2024年06月15日

俳句作者
蓮の葉の珠水に棲む命なにせいじ
池透けて見ゆ萍の細根かなむべ
山峡の谷戸に展ごる植田かな澄子
門潜るや否やパノラマ濃紫陽花千鶴
万緑を分かちて激つ瀬のま白あひる
微塵子を籠めたる蓮の珠雫うつぎ
広前を埋め尽くして蓮の甕せいじ
水底に影の縺るるあめんぼうむべ
日をはねて水かげろふや作り滝むべ
行厨は瀬音涼しき宇治河原はく子
宇治川の激つ瀬音の楽涼しはく子
軒忍水車飛沫に常濡れす康子
虫食ひの茄子太りたるほまち畑なつき
寺涼しようおまいりと碑の迎ふもとこ
蓮巻葉大き浮葉を突き上ぐるうつぎ
畳なはる山の緑の五彩かなわかば
亭涼し竹籠に活く山野草康子
梢洩る日矢に煌めく泉かな康子
老鶯の遠谺して宇治の山たか子
濃淡に紫紺織りなす菖蒲池むべ
三重の塔万緑を貫きぬぽんこ
植田いましざるがごとき雲の影澄子
宇治の辻新茶の茶舗の立ち並び千鶴
御神木樹齢三百木下闇はく子
苔の花小さき地蔵の祈りの手もとこ
広芝のスプリンクラー虹生るかえる
宇治なれや抹茶づくしのかき氷うつぎ
緑陰を占めて瞑想吟行子こすもす

2024年05月11日

俳句作者
切岸の岩を絞りて苔清水ぽんこ
深山道樹間隠れに躑躅燃ゆわかば
岩窪の小祠に生ふ銀竜草ぽんこ
藍染の鯉のぼりたつ工芸館むべ
鬩ぎあふ広葉の母衣や熊谷草澄子
一山家五彩の緑籬とす小袖
熊谷草へと日矢洩るる杉美林あひる
慰霊塔萌ゆる若葉を抽ん出し康子
沢蟹の瀬石に紛れかくれんぼたか子
またもとの瀬石へ戻る糸蜻蛉あひる
恐竜の森てふ秘境熊谷草うつぎ
朽木めく台場くぬぎに若葉萌ゆあひる
渓風に紅ほぐれそむ楓の芽むべ
熊谷草母衣めく広葉翻したか子
摘みし草供ふ子育て大師かななつき
樹下涼しデッキチェアに足あづけかえる
青羊歯の覆ふ岩戸は間歩の跡ぽんこ
蜘蛛の囲の無残うつぎの屑まみれうつぎ
苔潤むところ若葉の影遊ぶかえる
水の色森の色引き糸蜻蛉うつぎ
花菖蒲江戸肥後伊勢と陣分かちせいじ
過疎の里休耕田に雉子鳴くよう子
山颪しばしな吹きそ朴の花むべ
手汗拭きおもかる石を持ち上げぬなつき
沢音の奈落に響く谷若葉康子
輪塔に日の斑のあそぶ夏木立かえる

2024年04月13日

俳句作者
句談義の四阿にいま若葉風あひる
瞬かず鹿は遠目や花吹雪よう子
生垣をクッションにして椿落つ康子
春ともし阿修羅の影す後ろ壁うつぎ
初音いま目つむりて聞く深山道せいじ
円陣を組みたるごとく落椿澄子
銀輪を降りて歩きぬ花の道かえる
隣り合ひお国はどちら花の下よう子
広庭は落花畳や療養所むべ
照れば濃く翳れば淡き桜かな澄子
水揚げのめかぶ切り分く朝市女なつき
眉根寄す阿修羅に春の愁ひありたか子
春陰の菩薩足指反らしたるもとこ
身をよじり十二神将春の塵もとこ
分け入りし小暗き森の著莪真白かえる
苔庭の花かと見れば紋黄蝶うつぎ
射す日矢にきらめく桜吹雪かなあひる
花添はせ見栄切る松の男ぶりうつぎ
阿修羅像憤怒に春の愁ひ見ゆこすもす
草臥れた脚をさすれば山笑ふぽんこ
広芝に刺繍のごとく花すみれかえる
花陰に生ふは地獄の釜の蓋せいじ
天蓋の花を潜りてバス徐行かえる
花吹雪古色の塔へ高舞ひてはく子

2024年03月16日

俳句作者
幕末の慰霊碑のたつ花堤せいじ
弁当屋土堤の桜を知り尽くすよう子
福寿草ほぐれそめたる朝かなむべ
一鳥も潜れぬほどに花万朶うつぎ
哺乳瓶こくこく吸ふて花下に笑むあひる
土手埋む河津桜の帳めくうつぎ
咲き満ちて簪めける花馬酔木むべ
みどり児が花の宴の主役かなあひる
百相の瘤の榎の芽吹きけり澄子
激つ瀬のしぶきて春日弾きけり康子
熊笹の群落に落つ椿かなかえる
句友らと久闊を叙す花の下はく子
ゆくりなく小さき釈迦堂花堤ぽんこ
古刹なる松の根方に福寿草わかば
湧水の揺らぐにまかせ蝌蚪の紐康子
松毬転がるままに芝青む澄子
城山に見下ろす淀の花堤うつぎ
廃線のホームのゆかし初蝶来なつき

2024年02月17日

俳句作者
節分会礫のごとく豆まかれ澄子
お屋敷街そこ此処に猪注意札うつぎ
蒼天に放物線や福の豆むべ
在りし日の母と見しこの濃紅梅たか子
花愛でて香に寄りて梅の園わかば
踏石の梅の影ふむ日和かなぽんこ
葉牡丹のパッチワークは花時計せいじ
病窓を額縁として山笑ふ素秀
湾霞むコンビナートの煙飲みうつぎ
子らの靴散らばる土間に春の泥よう子
梅林の愉し遅速のあるもまたたか子
舞ふ豆に挙ぐる千手や節分会康子
寺小春句碑また句碑とたもとほりかえる
白梅の雫のごとく枝垂れけりあひる

2024年01月13日

俳句作者
居留地のガス灯烟る枯木道わかば
寺田屋の門の一歩に白椿うつぎ
冬晴や湯屋の煙突残る街うつぎ
鞠のごと跳ねて日向へ寒雀かえる
水郷の水の揺らぎや春隣たか子
庇影濃き方丈の白障子ぽんこ
絵馬掛所ガッツポーズに花八つ手なつき
そぞろ歩の疎水の道は四温晴せいじ
人力車花のごとくに春着の娘澄子
吹初の尺八に添ふ朱唇かなむべ
羽子つきの乾きし音や空まさをむべ
寒風や湖の鳥居へ縮れ波隆松
甑布干す酒蔵の庭小春せいじ
伊達門の寒禽騒ぐ高みかなかえる
讃美歌を爪弾く箏や明の春むべ
新地湯は令和の今も路地ぬくしうつぎ
酒蔵を映す運河に風光るあひる
弾痕に触るれば寒し太柱たか子
出格子の伏見古町踏青すよう子
彼彼女並んで結ひし初みくじなつき
坂がかる大路や俥夫の息白し康子
霜の朝棚田は縞のモノクロに素秀

年度別一覧

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