やまだみのる
やまだみのる
「季重なり」について、会員のTさんから次のような質問がありました。
同様の疑問を持っておられる方も多いと思うので、 みのるの差し上げた返信も併せて紹介しておきます。
Tさんからの質問
> この秋にスイスの氷河を歩きました。アイゼンを使ってのトレッキングでした。 > アイゼンは冬の季語ですが勿論夏でも氷河を歩く時使います。 > その時の俳句にアイゼンのほかに秋の季語を使いました。 > これは季重になるのでしょうか。
以下はみのるの返事です。
正確に言えば、季語が二つあるから季重なりということではなく、 一句の中に季感が二つあることを言います。 ですから、アイゼンと秋の季語を使ったから季重なりなのではなくて、 作られた作品の季節感がどうかによって評価されます。 親友の南上加代子さんのヨーロッパ旅吟に次の句があります。
白靴でユングフラウの雪を踏む 加代子
白靴は夏の季語です。雪という冬の季語が入っていますが、 あきらかに夏の句だとわかりますね。 彼女は師範級の腕前です。 こうした句を作れるようになるには、何年もの修行が必要です。 確かな基本が身につくまで、初学のあいだは季語が二つ入った句は 絶対に作らない・・という心構えで訓練されることをお奨めします。
(2002年10月17日の日記より)