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2024年11月17日

11月9日~11月15日 コメントを書く

2024年11月15日
咳の吾に美容師そつと飴ひとつみきえ
万華鏡覗く心地や淵落葉うつぎ
2024年11月14日
抱き癖は爺の子守よ日向ぼこなつき
小春日に千手ひろげし御神木澄子
出棺の母を見送る柿花火あられ
水琴窟地底の秋を奏でけりうつぎ
御神酒の香湯気ごともらふ蒸饅頭むべ
2024年11月13日
万里てふ茶室は古りて石蕗明かりうつぎ
縁小春指が覚えてゐる影絵康子
お社に詣でて入る紅葉山風民
小流れを縁取りて咲く石蕗の花ぽんこ
吟行の小春日和と云ふ至福たか子
秋惜しむ移ろふ雲に癒やされてやよい
2024年11月12日
秋晴れへ太郎の塔は手を広ぐはく子
メンバーを数へつ巡る園小春せいじ
浅漬をポリポリと咬む乳歯かな康子
団栗に頭寄せ合ふ吟行子あひる
村総出防災訓練冬はじめ千鶴
2024年11月11日
太陽の塔は碧眼秋の空あひる
苔むせる岩の実生も照葉かな風民
2024年11月10日
菊枕けふより後期高齢者せいじ
七五三縦に横にとカメラマンえいじ
天窓に射す日ゆたかに冬に入る和繁
神の留守退屈さうな巫女溜りなつき
朴の葉の落ちて明るき山の道風民
2024年11月09日
リースにと枯蔓を選る山路かなむべ
あかぎれを覚悟の指や厨ごと康子
読み聞かす絵本きりなし縁小春康子
香り立つ造り酒屋の杉玉に智恵子

2024年11月10日

11月2日~11月8日 コメントを書く

2024年11月08日
住職のほまち畑に秋茄子なつき
柳川の水郷めぐる小春かな千鶴
トロッコの鉄路を埋む落葉かな風民
蔀戸の障子明かりに観世音うつぎ
紅爆ぜて山路明るき檀の実むべ
苔庭に万華をなせる散紅葉明日香
2024年11月07日
黄落の散りやむ間なき無音界風民
また同じ一匹らしき秋の蝿うつぎ
胎の児に語りかけもす柚子湯かな康子
2024年11月06日
館内に響くくさめやあれは夫あひる
派手を着て若返りたる冬コートたか子
目が合ひしナースの笑みの温かし明日香
靴跡に象嵌めきし櫟の実むべ
2024年11月05日
石蕗咲いて家の中まで明るうすうつぎ
河岸小春海鮮丼に舌鼓せいじ
安産を願ひ腹帯干す小春康子
山門を潜るや否や照紅葉山椒
2024年11月04日
秋冷の高野山道石畳やよい
民宿の客らも総出鰯引くみきお
七五三裳裾はだけてスニーカーやよい
反抗期銀杏落ち葉を蹴りあげてたか子
目瞑ればみな走馬灯我白寿董雨
お祓いを享くる本殿秋寂しぽんこ
2024年11月03日
冬雲の割れて天使の梯子射す明日香
名水に杖置く母に小鳥来るなつき
一穢なき空の青さや文化の日やよい
故郷の民謡に秋惜しみけりこすもす
雑炊でしめる二人の残り鍋もとこ
2024年11月02日
木洩れ日を背ナに受けつつ落葉掻く明日香
風ぐせに曲がりしままの小菊かなうつぎ
仏手柑置きてしつらふ京町家もとこ
老い父の寝間に歳時記文化の日康子
雨の夜居間に炬燵の出でにけりみきえ

2024年11月3日

10月26日~11月1日 コメントを書く

2024年11月01日
スプーンで掬ひて啜る熟し柿ほたる
御朱印の達筆凛と秋日和山椒
玉眼に見透かされゐる秋思かなもとこ
怒髪天なる風神に冬近したか子
深秋やこれより脱帽御廟橋やよい
2024年10月31日
輪橋を鏡写しに水澄めるやよい
虫干しやホ句散りばめし畳紙ほたる
地団駄のごと落葉踏む石畳明日香
廃屋の増えし過疎地や柿花火愛正
昨夜の雨嘘のごとくに今朝の秋康子
2024年10月30日
くわりんの実疵より放つ香気かなむべ
をさなめく白寿の笑みや栗善哉あひる
藤袴ここにあるぞと蝶憩ふよし女
濯ぎ物干す背に和む小春かなみきえ
あり余る量と知りつつ種を採るうつぎ
キャディーらの指呼せる秀枝帰り花えいじ
千年の杉木立縫ふ爽気かなやよい
2024年10月29日
赤まんま真中に立ちし道祖神明日香
時雨るるや茶屋にて借りる男傘むべ
窓小春ベビー誕生待つベット康子
虫に傷み熱暑に傷み柿落葉うつぎ
2024年10月28日
山襞に霧立ち上る朝ぼらけ明日香
お喋りとおでんで足りる今日の客うつぎ
2024年10月27日
湯上がりの晩酌二合秋合せほたる
木犀の匂ふ校舎が投票所せいじ
讃美歌を墓前に手向く秋の人むべ
2024年10月26日
石階に触れて零るる実むらさきむべ
幼な子の内緒話や縁小春みきお

2024年10月27日

10月19日~10月25日 コメントを書く

2024年10月25日
金継ぎの線なぞりゆく秋思かな澄子
紅萩をふるはす門の軒しづくなつき
庄屋門臥龍の松の色変えずぽんこ
ゴブランを地に織るごとし柿落葉むべ
草刈機うなる小道を朝散歩よし女
秋の日を弾く御室の金襖せいじ
2024年10月24日
火祭や鞍馬の夜の底燃やす山椒
渋柿と大き札たつ無人店康子
一と匙の粥は新米離乳食康子
目薬の一滴鰯雲滲むむべ
秋澄むや染付皿の深き青風民
一夜さの風に散り果て柿紅葉うつぎ
2024年10月23日
こぼれ敷く小さき十字花金木犀あひる
田の神さあ刈田の風に吹かれをりうつぎ
朝まだき雲なき空に月高しえいじ
こすもすの風の迷路にあそびけり澄子
2024年10月22日
百体の子授け地蔵花野道風民
露一つづつが返してゐる朝日うつぎ
猪除けのフェンス甲斐なし夜半の畑千鶴
庭の灯の点れば浮かぶ銀木犀あひる
小夜時雨間遠となりぬ貨車の音むべ
彫深き十六羅漢紅葉雨なつき
2024年10月21日
払はれし電話ボックス残る虫うつぎ
忘れもの取りに来たのか秋の蝶明日香
読み終へて余韻に浸る夜長かなむべ
みどり児の眠りに落ちて星月夜あひる
蟷螂の鎌にたじろぎ猫パンチみきお
2024年10月20日
デイサービス秋思もて乗る送迎車よし女
雨しづく真赭の糸に珠となりむべ
宣誓は白寿の母や運動会あひる
夕日背に豆打つ母の影法師みきお
刈田はや測量杭の打ち込まるうつぎ
2024年10月19日
雑踏の中の孤独や秋時雨うつぎ
落暉より発したるやに鰯雲せいじ
降り出して雨足白し萩の宮なつき
秋天下ひたすら歩くニューシューズたかを
神木に触るる皺の手秋さぶしなつき

2024年10月20日

10月12日~10月18日 コメントを書く

2024年10月18日
蒼天へ秋風描く羊雲明日香
静けさや秋気溶け入る禅の庭山椒
牧柵の途切れてポプラ秋の風むべ
ひんがしの山まで染めて秋夕日はく子
広芝に大の字となり秋の人康子
オブジェとも生け花展は秋催ひたか子
故郷の香りを載せて林檎来るきよえ
2024年10月17日
里山の森に木霊す添水かなみきお
大病に克ちたる友と星月夜千鶴
秋天へ本茅葺のうだつかな明日香
杉落葉しがらみとなり飛鳥川明日香
芋の露小さき宇宙を閉じこめてやよい
2024年10月16日
収穫を終へたる村の秋ともし風民
秋さぶや古りしサイロの赤煉瓦むべ
日に透けて軒端彩る吊るし柿みきえ
徳利の底でうべなふ温め酒ほたる
後の月隠して雲の華やげりやよい
アトリウムチェロの響きて秋気澄む康子
炊き上がる新米の香に目覚めけりほたる
佇めば呂律を奏づ秋の川明日香
夫の忌を修せば秋の深まりぬたか子
雨戸閉ず月に別れを惜しみつつあひる
御旅所の籬となりて曼珠沙華よし女
2024年10月15日
客人を見送り仰ぐ十三夜澄子
おしゃべりの喉を潤す蜜柑かなきよえ
山寺の回廊にさす紅葉影もとこ
三栗のいつも押されている真中風民
弟妹の一人かけたる十三夜ほたる
四ツ辻は殊にゆるりと秋祭りたか子
掘割に桜紅葉の散る夕べ幸子
畦道へ触るるばかりに豊の秋明日香
万葉歌碑巡るサークル秋澄めりやよい
2024年10月14日
そつと手をさしだしつなぐ虫の夜なつき
号砲は村の鎮守の秋祭りよし女
芒原あかがねに染む落暉かなむべ
大原女の過ぐれば菊の香りけり智恵子
福耳のはみ出す帽子小春風みきお
2024年10月13日
松手入女庭師の赤鋏たか子
秋天の高さ広さよ鳶一羽むべ
御朱印に列なす人や初紅葉山椒
海峡に水尾幾筋や秋澄みぬ千鶴
2024年10月12日
究極の安定感や芋の露千鶴
牛描く田んぼアートは古代米なつき
キャンパスに獣道あり蝦夷の秋むべ
ふたかみの天辺かくす片時雨明日香
草紅葉分け入りすすむ杣の道澄子
道ゆきの祠に供ふ木の実かな澄子

2024年10月13日

10月5日~10月11日 コメントを書く

2024年10月11日
しもた屋の細き露地より弓張月ぽんこ
朝寒や掬す手水のほのぬくしやよい
秋さやか牧に散らばる放牧馬澄子
鯉跳ねて映る水面の天高しほたる
燈火親し遺句集読みて汝れ偲ぶほたる
ひと揺れに進むゴンドラ秋気澄む幸子
墓山を埋め尽くさんと曼珠沙華愛正
2024年10月10日
雲海を抽んでて見ゆ富士山遥かむべ
苑の萩愛づ短冊のホ句もまたあひる
爽涼や海風届く天守閣千鶴
2024年10月09日
明日香路の畦といふ畦彼岸花明日香
神宮の玉砂利踏めば音さやか山椒
長き夜の思考迷走してやまずたか子
茹でたての枝豆つまむ厨妻むべ
ハングライダー風の翼のごと撓むほたる
深秋や生家を守り独り住む千鶴
参道のいつしか濡れて萩の雨あひる
2024年10月08日
残る虫かつてたばこ屋ありし辻幸子
千年を湧き継ぐ水の澄みまさりあひる
庭涼し作務衣の僧の京言葉せいじ
碑に防人歌や荻の声むべ
桐下駄の軽き音して秋湯治千鶴
曼珠沙華焼杉塀の裾綴る康子
2024年10月07日
萩こぼる宮名水に口漱ぐはく子
松手入れ終へて梢に透く美空康子
露地さやか亀甲竹の塀つづくむべ
鯛焼きの小豆は地産朝の市なつき
2024年10月06日
棋士はいま思案投首秋扇あひる
諸鳥の零れ落ちくる刈田かなやよい
2024年10月05日
肩こりを忘れ一途に栗を剥くうつぎ
豊秋の青海波なす畔を行くあひる

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