体言止

やまだみのる

作句の壺シリーズ

作句の戒めに、

"一句のなかに動詞は一つ"

というのがあるのはご存知だと思います。 一句の中に動詞が二つあると焦点が二つあるようなもので句に力がなくなるからです。 また句の最後の言葉を動詞で終わると力強さが増すという人もいますが、 これは好みの問題なので一概には言えません。

一方、名詞で終わる句のことを『体言止』といいいます。動詞は言い切ってしまうので、主張の強い句になり連想の広がりを抑制するように働くことがありますが、体言で終わると余韻のある佳句が生まれやすいのです。

滝の道右に左に歌碑ならぶ

滝道の碑(いしぶみ)三十六歌仙

二句とも同じ情景を写生していますが、前句はただの報告に近い凡句ですね。そして後の句は『体言止』であるとともに、全く動詞を使っていません。 体言止や動詞を使わない作句を必要以上に意識すると句ができませんので、これらは句を作った後の推敲で考えるのです。

さらに高度なテクニックとして

" できるだけ形容詞を使わない"

というのがあります。 形容詞を使うとより説明に近づいてしまいます。美しいといわないで美しさを伝えるのが写生のテクニックです。

(2001年6月1日)

 
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