やまだみのる

論より実作

俳句雑誌で見た広告が小路紫峡先生とのご縁の始まりであったことを感慨深く思う。

ご指導を頂くようになって十数年、この間先生から難しい理論をお聞きしたことは一度もなく、「論より実作」をご自身の作句態度を通して教えて下さった。

ある句会で先生が選ばれたうちの一句について無季の句だから没ではないのかとのことで議論が沸騰した。その句に使われた季語はどの歳時記にも載ってないからというのである。 そのとき先生は季語云々ではなく、一句の中に季感があるか否かが大切だと言われ目から鱗の落ちる思いがしたことを今も忘れない。

俳句は理論やルールに縛られて作るのではなく、感性(直感)なのである。

(1999年09月15日)