やまだみのる

楽しかった俳句作りが、どうも最近は苦しくなってきたというあなたへの手紙を書いてみました。

*****作句が苦しいというあなたへ*****

最近のあなたは毎日の投句を欠かさず続けることが苦しいと悩んでおられるようですね。

投句を続けることがなぜそんなに苦しいのでしょうか。

それは結果を気にするあまり良い句を作ろうと頭で考えて創作しているからではないかと思います。

毎日句会は、野球の練習法 ティーバッティングに似ていると思います。 ティーバッティングは強振しないでコツコツとひたすらボールの芯をとらえることを訓練します。 繰り返して練習することで頭からの命令ではなくて体が反射的に対応するように記憶させることが目的です。 これが野球のバッティングの基本だからですね。

では作句の基本は何でしょうか。

正しい日本語を使う、平明な言葉づかい、季感、などのチェックポイントの他に基本中の基本があります。 それは、作りっぱなしにしないで 5・7・5 の正しい調子に推敲するということです。 このことを日々意識して向き合うことで、正調のリズムを右脳に記憶させてしまうことが重要なのです。

もう一点、自分自身に律して守るべき事は、[必ず吟行で詠む] と言うことです。

つい横着して頭で考えた句を毎日投句していると、知らず知らずのうちに感性が鈍化し、吟行にでかけても中々句が詠めない・・・吟行が苦手、という悪循環に陥ってスランプを招くのです。

毎日吟行に出掛けるのは無理・・・と言う方もあるでしょうね。

でも、日々の生活のなかで10分でもいいですから気分転換して心を遊ばせることを心がけて下さい。 少し早く家を出て通勤途中で寄り道するとか、散歩や買い物の途中、お昼休みとかでもいいのです。 そうした日々の努力の積み重ねが吟行の力となって身についていくのです。

継続は力。肩の力を抜いて、普通に呼吸をするごとく俳句ライフを楽しもうではありませんか。

(2002年5月15日の日記より)