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2021年1月16日

公園の落葉を掻くや実生三つ かかし
黒猫の淑気の中の大あくび 素秀
けふもまた湾おだやかに冬夕焼 更紗
初日の出ビルとビルとのすき間より よし子
残んの世楽しく生きん老の春 はく子
退院の主を迎ふ寒紅梅 むべ
初雀枝移りして遊びをり わかば
去年今年表情豊かに手話ニュース うつぎ
転がりて庭で戯むる初雀 愛正
冬木立神の息なる葉擦れかな むべ
来し方をベンチに偲ぶ寒夕焼 せいじ
廃校にのこりし松の色変えず よし子
大橋を影絵としたる寒夕焼 せいじ
御あかしの法鼓に揺らぐ修正会 はく子
冬の鳥樹林の光こぼしけり そうけい
明けやらぬ中の一声初鴉 わかば
探偵の事件解決絵双六 なつき
会釈して三三五五の落葉焚 かかし
初風す神馬と瞳合いおれば 小袖
岩氷柱短剣のごと尖りけり 小袖
天空に結ぶ噴煙初淺間 愛正
寒夕焼朝礼台の影長し せいじ
寒紅を濃く引き夫を驚かす うつぎ
修正会の大護摩御堂焦がすかに はく子
頼りなき糸のさ迷ふ懸凧 よう子
駅中のピアノ演奏松の内 かかし
早朝のグランドゴルフ松の内 こすもす
添え書きの一句すがしや年賀状 そうけい
狂言に笑ひ誘はれ明の春 うつぎ
写真撮る児がしな作る初化粧 なつき
初暦明日へ続く希望かな わかば
子犬来てワンとひと鳴き寒夕焼 せいじ
書初や硯の岡の薫り立つ わかば
玻璃窓を袖で拭ふや雪催 かかし
孫と吾の豊頬寄せて初鏡 みのる
知らぬ間に冬菫生ふホスピスや むべ
滲み入りぬ太筆舟の初硯 愛正
小淺間も浅間も白し初景色 愛正
また一羽鳥が飛び込む寒夕焼 せいじ
孫たちのポチの不平に初笑ひ みのる
初夢を攫つて行きし震度1 うつぎ
数日のものを買ひ込み日短 更紗
寒オリオン礼拝堂を見下ろしつ むべ
冬灯し百の味噌桶ならぶ蔵 なつき
一人来て三人帰る節料理 よう子
ひょっとして前行く女は雪女郎 よし子
元日や子の寝息聞く夕まぐれ 素秀
轟ける法鼓に始まる修正会 はく子
たわわなる子の髪結ひて初鏡 更紗
元旦や格言多く語る父 なつき
残雪やホルスタインの模様めく こすもす
初詣持ち物護摩に祓はるる はく子
賀状写真父似母似や三兄妹 よう子
のど飴を一つ貰ひて寒の入 よし子
銃眼を日矢の貫く淑気かな みのる
マッチ擦る役取りあふて初竈 素秀
青空の芝生に交わす御慶かな こすもす
元日の鉄瓶の湯気幸呼ぶか そうけい
松過ぎの釣り人恵比寿のごと埠頭 素秀
茶懐石後の楽しみ宝引 わかば
仏前に上ぐ読み初めの正信偈 こすもす
家中の暦掛かえ年迎ふ こすもす
朝市の客寄せとなる焚火かな うつぎ
初鏡伸ばすと決めし無精髭 みのる
成人になる子も居りて屠蘇祝ふ よう子
着物着て殿姫童初写真 なつき
初霞して滑りゆく渡し舟 素秀
朝日さす赤城の山容淑気満つ 愛正
あの花のあとと思へぬ枯蓮田 よし子
七種の囃子ことばの曖昧なり むべ
折り目皺のばし広げて絵双六 みのる
平穏がいの一番よ七日粥 かかし
結球せぬ白菜鳥の来ては去る よう子

2021年1月9日

寒風切りジェットコースター頭上過ぐ はく子
蹲にまろびて一つ龍の玉 素秀
分譲地野鳥寄り会ふ年の暮 愛正
漣に滑るが如く浮寝鳥 こすもす
初春や野に連凧の翻る せいじ
百歳の義母の音頭で屠蘇祝ふ かかし
行く年やコロナの謎の解けぬまま よし子
枯蘆の夕日に映えて紛れなし せいじ
連山にホルン流れリ雪残る 宏虎
加賀は好き千代女も好きや宝船 宏虎
玻璃ごしの小鳥静かや今朝の春 愛正
健康の文字添へ写経筆始 かかし
父と引く二人大吉初みくじ なつき
煤掃きや建て付け悪き戸を外し なつき
分校は廃校となり山眠る よし子
野に臥せば間近に迫る初御空 せいじ
窓の日に抱擁さるる福寿草 みのる
年の名残神の森割く大夕日 そうけい
誰も居ぬグランド広し冬休み こすもす
鉄塔の覆ひかぶさる影冴ゆし 愛正
新しき鉛筆削る初日記 よう子
餅つきの阿吽の気合老夫婦 かかし
洗浄機縁石白し年用意 愛正
湯豆腐の鍋煮えてきて膝正す よし子
子等と巡る電飾園地に年惜しむ はく子
風花や山河変わらず詣で道 小袖
数え日となりてなすべき事多く わかば
電飾に負けじと加はる冬の望 はく子
刃物研ぎの音の途切れず年の市 なつき
大晦日神待つ門に清き水 そうけい
粉雪に仏舎利大塔舞ひ上がる 宏虎
女の子おはじき遊び良寛忌 宏虎
土手行けば夕日に赤き冬木立 せいじ
写メールの産土神に初詣 よう子
初雪やいつもほほ笑む辻地蔵 よし子
賀状書く消し線大し住所録 愛正
輪飾りの久しき釘の高さかな そうけい
斑雪刈り込み文字の一際に 小袖
初春やあと二センチの大股に よう子
初凪へ末広の水脈曳きにけり みのる
煤掃きや外す末社の戸に付番 なつき
コロナ禍やスーパー予約の福袋 そうけい
田畑を守る祠の注連飾 かかし
帰る子の今度いつ来や藪柑子 よう子
古日記様変わりする生活かな わかば
電飾と楽の競演年送る はく子
粉雪をしばし留めてソフト帽 素秀
古日記おもたき日々の記録かな わかば
たかが猫されど猫なり嫁が君 宏虎
福寿草黄金きらめく日の窓辺 わかば
がら空きの駅のホームや年の暮れ こすもす
オリオンの見つむる先の寒満月 なつき
カルタとり孫がとるまで探すふり みのる
城山に鴉の帰る雪曇 素秀
家居して二人で興ず投扇 かかし
若人の集ふ座敷や老ひの春 よう子
歌がるた畳たたいて悔しがる みのる
新玉の年の願ひや疫なき世 わかば
一刷けの瑞雲染めて初明かり みのる
氏神の鞘堂あかあか大旦 小袖
古時計の時きざむ音去年今年 よし子
大晦日朝餉を迎え手を合わす そうけい
土手遥か雪化粧せる初比叡 せいじ
狐火の噂立ちたるつづら坂 素秀
寒禽の声や厨に出汁匂ふ 素秀

2021年1月2日

忙しなく夕チャイムなる師走かな そうけい
冬銀河地球と結ぶはやぶさ号 かかし
道端の雪は泥んこ壁成して こすもす
涸れしダム蛇腹めきたる地肌見す うつぎ
公園の枯れを統べ立つ大ポプラ みのる
笊耳に讃美歌残る聖夜かな せいじ
榾火いま機嫌良くなり睡魔来る みのる
飾切り赤や黄の星クリスマス 小袖
葉の落ちて天突く枝の冬木立 宏虎
雪嶺の一刀彫のごとき襞 みのる
休めぬと二重マスクの里の医師 かかし
行く程に深くなりたり山の雪 こすもす
ダム涸るる助手席の妻覗き込む よう子
石の宝殿羨道奥処まで冬日 はく子
城濠の賑やかとなる鴨の陣 わかば
この炉辺に語りし日あり彼悼む みのる
冬麗や大手門へと松並木 はく子
里明かり街は電飾クリスマス 宏虎
裏通り人の気配の冴ゆる夜 愛正
毛糸編むはかどる夜の静けさに 小袖
石蕗咲くや庭に袖垣四ツ目垣 はく子
パペットを独り操る聖夜劇 せいじ
冬霧の包む氏神朝詣 よう子
ロードコーン規制の大し年の内 愛正
星冴えて青菜の白き光りかな 愛正
完売の百円野菜山眠る かかし
冬空や木星土星の天体ショー こすもす
帰り花来て良かったと寺詣 うつぎ
又逝きて減る戦中派日向ぼこ 宏虎
冴え返る鎮守の杜の砂利の音 愛正
飛行雲崩れて峡の寒天田 よう子
灯し火の次々増えて降誕祭 せいじ
酢牡蠣食べ大吟醸を友と酌む 宏虎
日溜りをふくら雀の包みをり かかし
探鳥の双眼鏡に冬木の芽 かかし
賀状書く自立の孫の新住所 愛正
我が町の八景巡る冬日和 はく子
村人守る木喰仏や冬菜畑 よう子
ゲレンデの食堂集め冬ざるる 宏虎
生真面目の鉢の草生う師走かな そうけい
六甲の彩り残し山眠る わかば
奥入瀬の氷柱ばかりの静寂かな 小袖
肉付きに選ぶ注連縄年の市 素秀
寒夕焼け格子の奥の仏まで よう子
寒天干す空は一筋飛行雲 うつぎ
耶蘇の吾に輪廻説かるる炉の主 みのる
紅を萌すや数多冬木の芽 わかば
讃美歌の斉唱すがし降誕祭 せいじ
橋梁を持ち上ぐクレーン百合鴎 素秀
遠眼鏡覗いて眩し寒昴 素秀
一人居の誰に憚らむ大嚔 うつぎ
半日は盆に鎮座や雪うさぎ こすもす
生かされて今ある幸やクリスマス わかば
神鶏の長鳴き透る寒旱 素秀
電飾を灯す屋並みや十二月 わかば
糸寒天絹光りして乾きけり うつぎ
キャンドルが照らすみどり児降誕祭 せいじ
林道の閉鎖報せる冬の梅 素秀
冬の雨日がな大窓乳色に はく子
冬ぬくし電話受診の医師の声 そうけい

2020年12月26日

鴨遊ぶ十人十色なる仕草 せいじ
古民家の先の焦げたる火吹き竹 よう子
ブルーシート眼下に散らす山眠る わかば
葉牡丹で丑の絵文字の休耕田 かかし
産土の腰折れの松菰巻きす なつき
太陽の力は偉大雪溶ける こすもす
鴨三羽シンクロナイズして離水 せいじ
電飾の映る川面に鴨の陣 素秀
帰り花恋の御籤を引いてみる よし子
吹き抜けのビルの天突く聖樹かな よう子
船波に身を任せたる浮き寝鳥 はく子
鴨遊ぶすべてが番とは言へず せいじ
すれ違う車新雪載せをりぬ こすもす
星明り街は電飾クリスマス そうけい
極月の余白の暦詰まりつつ わかば
縄張りのあるごと分かれ鴨遊ぶ せいじ
手あつれば芯まで凍る力石 小袖
年寄りも買い物多き年の暮 よう子
柚子風呂に肩の力の抜けにけり うつぎ
寒き影谷間は暗き過疎の村 愛正
雪掻きや我を見つめる窓の猫 こすもす
峠越え白樺林冬ざるる 宏虎
たまゆらの日に身震ひす冬芽かな みのる
枯草に半ば埋もれて丁目石 はく子
裏参道おでん屋もあり天神詣 よし子
棟上の洗米拾ふ寒雀 素秀
初雪やふるさと便の届きたる よし子
鴨翔ちぬ水面全力疾走し せいじ
整然と緑あふるる冬菜畑 はく子
しぐるるや明智の郷に穴太積み うつぎ
百選の棚田隠せず枯木山 よう子
野良棲むや本丸址の冬日向 なつき
歯朶刈の老婆に陽さす疎林かな 愛正
建仁寺垣にひひらぎ匂ひけり みのる
年の暮買物ごとにメモを消す かかし
底冷えの中山寺に立つ羅漢 宏虎
友遠しころりと碧き竜の玉 うつぎ
傘立てに時雨の滴怒髪天 うつぎ
竹馬に背丈逆さま兄妹 小袖
藩士の碑丸く残して川普請 なつき
眠りけり背山妹山袖合はせ みのる
閘門を開くる水路や鴨来る なつき
店頭のサンタひと役客招く 宏虎
出迎えの占むるロータリー月冴ゆる 小袖
持ち越しの元気蓄え浮寝鳥 宏虎
夕暮れの軒下白し干し大根 愛正
年の暮動く歩道を駆ける人 かかし
寒禽の声飛礫めく神の杜 なつき
枇杷咲いて風呂敷脇に急ぐ僧 素秀
楼門を仰ぐ紅葉の結願寺 よし子
葉牡丹の並ぶ朝露光りけり そうけい
灯が冴ゆる裾野は長き赤城山 愛正
階段に絵本積みいるクリスマス そうけい
バーゲンの赤字旗めく年の暮 かかし
駐禁に巡査ステッカー貼る師走 よう子
鎮魂の小さき聖堂師走の灯 わかば
靴ひもを緩めて仰ぐクリスマス そうけい
時として反す木霊や山眠る わかば
ポイ捨てを拒む葉牡丹鋪道沿ひ 素秀
浅間山薄煙なびく小春かな 愛正
薄日さす明智の寺の冬桜 うつぎ
亡き友の庭に今年も柚子たわわ 小袖
白壁に夕陽あかあか冬めきて よし子
譲り合う右折の車吹雪の日 こすもす
尼の庵二タ筋三筋柿吊るす みのる
帰郷せる単身赴任河豚馳走 宏虎
道幅を狭め商ふ街師走 わかば
いしぶみの虚子に愛子に岬寒し みのる
ぬるみゆく峡田の朝や冬の鷺 小袖
紙漉の文様浮かぶ天日干し かかし
香箱を毛布に組みて昼寝猫 こすもす
クリスマス擦り切れ絵本「ぐりとぐら」 そうけい
石切場上の枝ぶり松迎へ 素秀
初しぐれ傾ぎおはしぬ道祖神 はく子

2020年12月19日

冬の蟻うすき影ひき石畳 小袖
クリスマスカードは素朴なるが好き せいじ
谷川を貫き越後山眠る 愛正
野良猫の喉元撫でる漱石忌 かかし
焼藷の別腹と言ふ言い逃れ 宏虎
眼力の冬日を弾く石狐 小袖
晩学に気分転換日向ぼこ 宏虎
ちゃんちゃんこ手縫いの温みにくるまれて よし子
固唾呑む第九のタクト一振りを よう子
乱れ打つ和太鼓ひびく冬座敷 なつき
梢みな光を放つ霜の朝 わかば
町師走なべてジングルベルの歌 せいじ
撫で牛にも欲し狛犬の大マスク うつぎ
賑はひを見せて師走の魚市場 わかば
冬銀河ロゼが好きですワイン酌む よし子
落暉映へ燃ゆるがごとき山紅葉 よし子
山あいに雲垂かかる寒さかな 愛正
涸滝の細き流れに鹿は口 素秀
ファンシーな袋が闊歩師走市 せいじ
風強し利根の河原の師走かな 愛正
住職の天塩の菊も切られけり はく子
百円で袋いつぱい年用意 なつき
店舗ごと趣向を凝らす聖樹かな せいじ
ほつほつと人減り通夜のうす寒し みのる
レジ袋持つ人稀に年の市 せいじ
不動門の二階に灯る吊し柿 なつき
せはしげに楽しげなりぬ冬雀 はく子
駅伝の鍔迫りあひの息白し みのる
欠航の長き桟橋秋寂し よう子
うなだれてみな東向く枯芒 素秀
呼び声の掛け合ひ大き師走市 わかば
寒禽の声の射抜きぬ力石 よう子
顔見世の勘亭流や年の暮 かかし
水底に影揺らぎゐる冬日かな わかば
農学部の休耕田に麦を蒔く かかし
子等の背にあまた降るなり朴落葉 愛正
命がけ海鼠初めて食べし人 宏虎
霜の朝両手で撫でる膝小僧 かかし
煮凝りのサイコロカット一品に こすもす
パソコンもたまには掃除師走来る 宏虎
監査日の二転三転忘年会 こすもす
狛犬のマスク持ち上げ阿か吽か よう子
撫で牛に木の実時雨の容赦無し うつぎ
冬ざるる茶店のベンチ饂飩食ぶ よう子
眺望の隅は海光冬日和 うつぎ
手入了庭を眺めて日向ぼこ みのる
落葉敷く吾の歩に並ぶ土鳩かな そうけい
緑金の首振る鳩や落葉雨 そうけい
冬紅葉色づきながら散りながら よし子
白き月母子観音の冴え冴えと そうけい
力石木の実時雨を弾きけり うつぎ
商ひ札吊るしフレームピザを焼く うつぎ
獅子岩の吐きだす冬の朝日かな 素秀
たたなず摂津連山紅葉晴 よし子
種々の野菜育てて傘寿刀自 はく子
恵比寿講脂浮きたる兜汁 素秀
無人駅柵に真白な干大根 愛正
狛犬にやつれの見えし大マスク 小袖
思わざる月日を重ね早師走 わかば
収容所跡の渺渺枯木立 素秀
爆音はドクターヘリや冬ざるる こすもす
仏花にと冬菊多に切り呉れし はく子
着膨れてお尻地につくハンモック なつき
存分に落葉踏めとぞ嵯峨小径 みのる
雪吊りや棒中心の円錐形 宏虎
玄冬や汗染みまるく力石 小袖
漱石忌黄ばみし本を再読す かかし
枯芝に手つなぎジャンプ仮装の子 なつき
息白き馬の鼻撫でねぎらひぬ みのる

2020年12月12日

はつ雪に祈る羅漢の掌 素秀
冬灯干支の押し絵に目をつけて 小袖
開け放つ窓辺池塘の冬紅葉 わかば
果大師次々露店たたむ音 なつき
願い事は絵馬に書かせて神の留守 よし子
たかだかと風車を越ゆる冬の雁 素秀
山眠る湯の町に麦藁細工 わかば
冬の凪船影もなき水平線 よし子
毛糸編む安楽椅子に睡魔棲む みのる
林道のこれより始む冬の梅 素秀
小買物友手作りのマスクして はく子
回廊に吹あげ積もる落葉かな 愛正
銀杏落葉落暉に染まる御堂筋 かかし
師走来て友の誘日や一日旅 わかば
昆陽池の羽音一斉鴨翔ちぬ 宏虎
試合の日こっそり忍ばせカイロかな こすもす
レシピ添へ菊芋を売る無人店 せいじ
白磁器のつぼまる花瓶冬椿 かかし
庭に撒くお礼を込めて寒肥を かかし
一望の豊なる菜園小春風 そうけい
碑の傍に一輪白き寒椿 せいじ
突風に噴き出す銀杏落葉かな そうけい
つま先に嵩なす枯葉雑木林 小袖
魔法の杖あらばと思ふ冬銀河 うつぎ
花柚子を花と浮かばせ柚子湯かな うつぎ
檄文を釘打たれたる大枯木 みのる
着膨れて恙もあらず白寿の賀 うつぎ
門構様子変りぬ実南天 宏虎
病室の名札外され室の花 素秀
夕星の一入冴ゆる今宵かな わかば
槻もみぢ彩放ちつつ舞散りぬ はく子
仄明かり和尚の背なの冬桜 愛正
閉店を告げる張り紙冬の雨 よし子
大島のマスク着けてよりあらたまる はく子
風呂吹に俊太郎の詩想い馳せ 小袖
賀状書くうさぎを追ひし日の友へ 菜々
極月や自粛如何にと小買物 わかば
喜寿祝し十年日記買ひにけり かかし
一日中猫潜り込む炬燵かな こすもす
北の窓赤城颪を招き入れ 愛正
冬ざれて猪狼藉の根方かな 小袖
鳥の声残して消える庭の霧 そうけい
Tシャツで蘭の手入れやサンルーム みのる
工程は濡れ手ばかりや紙漉女 小袖
虎河豚や怒り貌なる生簀中 宏虎
雪一片喪服の肩に触れにけり 素秀
紅葉散るバックネットに高舞ひて せいじ
咲き揃う日を思ひつつ球根植う 菜々
暮れ残るバックネットへ落葉雨 せいじ
冬涛の武蔵小次郎一騎打ち みのる
焼栗の試食マスクの下で食む なつき
呼び込みや黒きマスクの黒づくめ なつき
散歩犬連れる人とも息白し 宏虎
懐炉にてラジオ体操一二三 かかし
咲いてよし散って又よしひめつばき よし子
蓄音機ずいずいずつころばし冬温し うつぎ
廃屋に手入れした如冬の薔薇 こすもす
舞続く館の玄関落葉風 そうけい
音もなく嵯峨の時雨や石畳み よし子
一苦労して立ち上がる炬燵かな うつぎ
紙漉きの捩れ波打つ水の筋 宏虎
罅走る磴は震禍や冬すみれ みのる
舗装終へ滑りも軽し朴落葉 愛正
突っつきし形跡残る木守柿 こすもす
薄日背にメリヤスしまふ果大師 なつき
山頂にいまは閉ぢたる紅葉茶屋 せいじ
着膨れて逆打に撫づ獅子頭 なつき
木の葉舞ふ雲霞の如き風の空 愛正
夕枯野過ぐる電車を数えおり そうけい

2020年12月5日

着膨れてプレーすグランドゴルフかな こすもす
青白く幽かに光る雪蛍 せいじ
日あたりに身を細うする寒雀 素秀
耳立てて神馬嘶く虎落笛 かかし
空映り込む鴨群れおこす波紋かな 愛正
唐松の落葉褥のごとく積む わかば
中空に瞳と見しは雪蛍 せいじ
枯蓮自信の持てぬ骨密度 よし子
冬青空茅葺の角際やかに うつぎ
水鳥や柏手響く神の池 そうけい
末枯れの叢高し河川敷 愛正
陽の当たり塀の片隅石蕗咲けリ 宏虎
大盛りの浅漬明日は旅に立つ 愛正
葛湯かくときの湯かげん混ぜかげん よし子
高層のビル借景に冬薔薇 よし子
悴む手包む大きな拳かな なつき
立ち上がる洋蘭花芽冬ぬくし はく子
塩舐むる仔牛や冬の風に立つ なつき
参磴の杖に貼り付く紅葉かな よう子
短命の手相の筈が日向ぼこ うつぎ
チョキ出来ぬ夢に飛び起き冬の朝 こすもす
風捉え風をはなして芒の穂 よし子
千枚田天地返しの落葉鋤く かかし
コロナ禍の何時まで続く冬の霧 はく子
冬鷗歌劇の街の乙女らよ 小袖
皮ジャンにマスク真っ赤なオープンカー なつき
茅葺に移らんばかり紅葉燃ゆ うつぎ
医者通いメーター廻る万歩計 宏虎
鈍色の空の畜舎や冬ざるる なつき
チビ侍さながらの子や七五三 こすもす
日向ぼこ猫の寝そびる石階段 愛正
五時過ぎに暮れ時雨来る路店かな 宏虎
短日や島の灯早も点りけり わかば
山茶花の寺の生垣紅百花 そうけい
虚子あつく語る長老芋煮会 みのる
短日や思ふばかりで捗らず うつぎ
山門の紅葉且つ散る落暉かな かかし
落ち葉掃く切りもなきと笑ひつつ はく子
少年の餌に乱れる百合鴎 素秀
冬の虹墓地の向こうの山の端に はく子
水筒の熱きコーヒー悴む手 なつき
懸大根高々として山の風 よし子
山茶花や夕日の馬碑に供へ人 そうけい
曇天に山茶花の散る庄屋跡 そうけい
切通し抜けて日矢さす笹子かな 素秀
畳なはる山際立たせ冬日出づる はく子
草枯れのあめ色となる雨後の路 そうけい
極小のヘリさながらに雪蛍 せいじ
工場の点滅揺れて浮寝鳥 素秀
日を透かし朱を極めたる冬紅葉 わかば
夕ばえや寄せ波に沿ふ島千鳥 素秀
立つ波に影まき散らし夕千鳥 みのる
鳴き砂のさらさら乾く冬の浜 小袖
老い集ひ日向ぼこ組輪投げ組 みのる
秋惜しむ琵琶湖哀歌の流る船 よう子
蟲付かず葉に艶残る柿落葉 宏虎
過去帳の墨のかすれや小六月 宏虎
炭焼の煤けし顔の八重歯かな かかし
小春日や煙一筋山裾野 愛正
兜煮の膳に一献褞袍着て 小袖
蒼天下ポーズを競ふ冬木立 うつぎ
毛糸編むテレビドラマに涙して みのる
綿虫よ雪蛍よと姦しき せいじ
福火とて寺領の榾を焚きにけり みのる
唐門の極彩色や秋澄める よう子
源流の七色の燦初氷 かかし
渇きたる土の冬田の続くなり わかば
落下傘部隊のごとく雪蛍 せいじ
歳暮選る人の流れに逆らはず わかば
そぞろ寒遅延を知らす電光板 よう子
着膨れに手摺途切れし女坂 よう子

2020年11月28日

参道に大き白雲銀杏枯る 素秀
石庭の主峰に添ひて石蕗黄なり みのる
パレットに拡がる絵具冬紅葉 そうけい
マスクの子いつもの席の船登校 なつき
本堂はそぞろ寒しや膝頭 よし子
丈六の大日如来そぞろ寒 よし子
青空と黄のハーモニー公孫樹 せいじ
直角に歩く男や神の留守 なつき
振り返リ立ち止まり辞す紅葉寺 よう子
今年またこのアングルで城紅葉 せいじ
しばらくを我が掌に雪蛍 はく子



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