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2022年1月22日

雪見障子作務衣行き交ふ広庇 愛正
参拝記帳の列の長さや風花す こすもす
普段着の昔遊びに小正月 小袖
夕されば色濃くなりぬ冬の川 はく子
暖房の部屋に読経の子守唄 なつき
初景色吾の住む町俯瞰して 宏虎
風唸る納骨の手の悴めり なつき
体育館凍つに健康体操す はく子
いざなふる秘境の湯宿炬燵船 凡士
炉語りも佳境に遠野物語 凡士
寒風にたてがみ分ける御崎馬 素秀
故郷と呼びたき伊豆やあをさ汁 むべ
薬袋のいつしか減りぬ福寿草 よう子
花丸も添削の書も吉書揚 かかし
温そうな夕日に染まる冬の川 はく子
臘梅の香り仄かに部屋に満つ わかば
洞に在す無縁仏に初日影 うつぎ
駄菓子屋にバス待つ子らを冬日燦 素秀
嫁が君家族写真の一人増え よう子
三十分遅れのバス待つ水仙郷 よし子
本堂の影を正せる寒の月 よし子
新しき眼鏡の向かう寒茜 むべ
リハビリの杖の遠出や探梅行 素秀
初松籟香煙絶えぬ常香炉 愛正
バター焼き帆立に寒の夕餉かな 小袖
茶の席へふふみ続けと寒牡丹 わかば
中尊石陰影長き初日かな 愛正
仏壇にお雑煮供へお経せり 宏虎
積雪の法面滑る子供たち かかし
恙なく与へる笑みや去年今年 宏虎
広縁の僧侶の影や白障子 愛正
サラダにも数の子入っていたりけり こすもす
雪掻きのされぬ一棟解体待つ むべ
寒風や検問の灯の弧を描く うつぎ
暮六つや風花白く舞ひにけり よし子
見馴れをる里山なれど雪景色 かかし
風垣や砂に埋もれて迷路なる 素秀
卒寿来て正座の出来ぬ去年今年 宏虎
女正月厨の夫を垣間見る かかし
福寿草鉢の白砂の零れをり よう子
風花や神馬はいつも伏し目がち よし子
鱈汁や海鳴り冥き親不知 凡士
水鳥の着水滑り込む如し こすもす
しんしんと流るる夕べ冬の川 はく子
ハイヒールあふれる玄関女正月 よし子
小正月造花の百合の白さかな なつき
寒林に出会ふ郵便配達夫 うつぎ
大粒の苺供へり父忌日 なつき
初売や抽選会の外れなし かかし
懐手解かず聴きゐし訃報かな うつぎ
空つ風都庁展望室を打ち むべ
見送らる寒夕焼けの残る町 小袖
寒林や鳥語ゆたかに宮の森 わかば
板を割る小さな拳寒稽古 小袖
深々と朝湯に浸かる寒九郎 はく子
寒牡丹小間の暗きへ緋を点す わかば
襟を抜く和装の加減初稽古 小袖
降る雪や丹後に古し天主堂 凡士
福詣坂ゆらゆらと下る吾子 素秀
投げ入れし庭の千両灰かぶり むべ
大鳥居くぐりてよりの淑気かな こすもす
三寒や打ち寄す怒濤岬端 わかば
鰭酒の熱きを吹きて香に酔ひぬ よう子
書初に「きぼう」「希望」や姉妹笑む よう子
骨壷を抱きて寒さの募りけり なつき
三振の戒しむ言葉去年今年 宏虎
寒月や幹にくつきり枝の影 うつぎ
竹割るる音谺せり夜の雪 凡士
老松や広縁に濃き初日陰 愛正

2022年1月15日

追伸に雪の深さを知らす文 素秀
竜の玉葉越しにあまた隠れけり むべ
晴れてまた曇る枯野の鐘の声 よし子
買ひだめの食材残る四日かな なつき
紙漉の伝統文化異邦人 かかし
沈みゆく寒九の夕陽日本海 よし子
マスクしてみな同じ顔福娘 凡士
山際の茜広ごる初景色 はく子
風花の触れては消ゆる辻地藏 うつぎ
冬木の芽まだ本性を現さず うつぎ
老妻へ感謝の御慶大声で 宏虎
一風の向かふ庵や年賀便 愛正
朝抜いて検査着着たる4日はや なつき
法螺貝に続く僧列淑気満つ はく子
氏神の神馬嘶く初詣 かかし
御神籤を結びし枝の冬芽かな 素秀
門松や銀行デパートどんと据え 宏虎
修正会の法鼓御堂を震はしむ はく子
修正会の法鼓に稚児すやすやと はく子
穏やかに明くる感謝のお元日 わかば
泳跡や楕円広がるつがい鴨 愛正
ごわごわのノーマルタイヤ雪催 こすもす
熊笹を脛でかき分け冬遍路 素秀
花よりも名のめでたさよ福寿草 よし子
初暦明るき日々を重ねたく わかば
高枝に身を寄せあひて初烏 小袖
生き急ぐことをうらやむ老の春 なつき
コンビニの灯の煌々と枯野道 凡士
コンサート一週間後の初句会 こすもす
停泊船マストは高し冬銀河 よし子
羽子板で遊びし庭の狭さかな よう子
虛子の名は今も敬ふ去年今年 宏虎
冬ざれの畦を耕転機の一騎 素秀
羽子板をラケットに替ふ本気かな よう子
冬灯に飛ばした爪の見つからず 素秀
大津絵の寒念仏に芭蕉の句 凡士
虎落笛いつしか寝入る能登の宿 凡士
触れないで棘に隠れて冬木の芽 うつぎ
去年今年削除の多し住所録 愛正
天を行く青きリゲルや去年今年 むべ
看護師の心配りの四温かな かかし
七草粥深層水の塩を振る よう子
気に入りの服の毛玉を取る七日 なつき
吾が上を大き羽音や初御空 むべ
遠吠へに浅き目覚めの霜夜かな 小袖
法螺貝と法鼓に始まる修正会 はく子
寅吠ゆる喪中に来たる年賀状 なつき
キッチンに集ふ朋友女正月 小袖
湯治場の炉辺に溢るる国訛り 凡士
一病の息災なりし去年今年 宏虎
贔屓にす餅屋のありて雑煮椀 むべ
景品付イベント数多初打ち会 こすもす
生かされて初風呂に酔ふ卒寿かな 宏虎
夫眠る西の方より風花す むべ
息白く何はともあれ産土神へ うつぎ
いそいそと初コンサート「新世界」 よう子
人日やサラダ山盛り休肝日 よう子
初硯稚拙な虎の墨の香 愛正
藁苞に開く勢の寒牡丹 わかば
廃校の低き下駄箱初講座 かかし
土手沿いの遠のく影や鴨の列 愛正
句敵の今日は仲良し女正月 うつぎ
今日からは一人暮らしや葱きざむ よし子
元日や疫の無き世を願ふなり わかば
温むる思ひ様々初湯殿 わかば
果樹園の木々を撫でつつ寒肥を かかし
七草の七種を食す安堵かな 小袖
玄関の別れに仰ぐ寒の月 小袖

2022年1月8日

買初の福銭付きの財布かな なつき
餅食べて戦後を語る老夫婦 宏虎
御神酒かけ菊炭窯の焚初め 凡士
片肌を脱いで弓射る初稽古 凡士
歳末やパズルの様な駐車場 よう子
藪巻を済みて這松横臥龍 愛正
二人卓お疲れさまと晦日蕎麦 かかし
葉牡丹の干支の時計や休耕田 かかし
竜の玉地球は青いと宇宙より はく子
初鏡くるりと伸ぶる子のまつげ なつき
菰巻かれ老松凛と参拝道 愛正
娘と孫の和服に祝気覚えけり こすもす
行きつけの古本屋あり年惜しむ むべ
団欒の蜜柑の皮のエコ堆肥 かかし
河豚を酌む酒も忙し鍋奉行 宏虎
真珠湾冬日そぞろに慰霊塔 宏虎
色の無き夢より醒めて雪明り うつぎ
雪しまく棚田の上に棚田あり うつぎ
ダイエットのサラダ俎始かな なつき
数え日や買い出しメモを忘れけり よう子
竜の玉花は真白よ小さくて はく子
木星をめざす寒暮の家路かな むべ
髪切つたうなじ撫で行く雪女郎 うつぎ
紅白を見つつ数独大晦日 こすもす
ゴールして倒る走者の毛布かな 凡士
元旦や傘寿の扉開きけり 凡士
金屏の虎に影なす月明り 素秀
竜の玉海の真青に勝るとも はく子
玄関の香りも白し水仙花 愛正
歳毎に光陰早し年の暮 宏虎
大掃除三和土のビー玉傷だらけ よう子
ねんねこの母のうなじの涎かな よう子
毛糸玉捨てられぬままニ十年 うつぎ
賀状来る百寿の義母に美容室 凡士
信楽の狸も首に門飾 素秀
手袋し家路を急ぐ余寒かな 宏虎
指示棒の気象予報士御慶より うつぎ
藪巻に横臥の龍か古寺の松 愛正
注連飾雀の一家小躍りす かかし
除夜の鐘今年は撞けると寺だより はく子
乗初や夫が洗車を済ませたり なつき
葉牡丹を紅白揃え床の間に こすもす
シクラメン前ボケにして彼の人を よう子
髭もじゃにかくれんぼうの竜の玉 はく子
菰巻きの男結びや紙垂のごと 愛正
寄す波を磐に堪える夕千鳥 素秀
黒鳥もかふと鳴きたる赤き嘴 素秀
捨てられぬ手紙の束や年の暮 むべ
花鋏研ぐところから年用意 むべ
初鶏を聞きて二度寝の枕かな 素秀
入院に備へパジャマを買ひはじめ なつき
ひねくれて裏番組と晦日蕎麦 むべ
投句日の花丸印暦果つ かかし
新聞の重さ二日は休刊日 こすもす

2022年1月1日

風呂洗ふフェイスパックの大晦日 よう子
ぼろ市の売る風呂敷を風除けに うつぎ
果大師とんと見かけぬ香具師思ふ なつき
土に鋤く農家総出の落葉掻 かかし
財布抱き買ふ気の客や果大師 なつき
流木を井桁に組んで磯焚火 凡士
見え隠れ川辺に光る浮寝鳥 愛正
パソコンに風呂敷かける煤払い よう子
ぼろ市の刀商ふお姉さん うつぎ
年輪と思ふこの皺去年今年 凡士
冬麗や楠に背伸びす鬼瓦 うつぎ
農の手のどれも無骨や衣被 うつぎ
つがい鴨見え隠れする葦の中 愛正
極楽門の内外賑はふ年の市 はく子
冬月の煌々照らし無音かな 素秀
柏手を打ちていただく飾り松 素秀
着ぶくれて水の地球に浮くやうな 凡士
静かなる老い三人の聖夜かな わかば
緋毛氈敷きしベンチや果大師 なつき
爺さんを急かす婆さん年の市 かかし
歳晩や輪廻信じる人のいて 素秀
冬紅葉残して渓の岩襖 素秀
どう見てもガラクタばかり年の市 はく子
人気なき校舎も木々も時雨けり むべ
シクラメン抱へ気になる別の色 よう子
凛然と五重の塔や古都の冬 小袖
革ジャンの混じる蕎麦屋や霙降る よう子
チェーンソー響く山小屋年用意 かかし
赤い実の目立つ庭先まず南天 こすもす
終ひ湯の柚子の重さや冬至風呂 むべ
冬霞宙に浮いたる八ヶ岳 愛正
ご近所のサイレン忙し師走の夜 わかば
終弘法のぞき込むかに鬼瓦 小袖
鰐口の音のやさしき朝しぐれ 素秀
冬日燦七堂伽藍整然と はく子
一盌の茶席の招き日短か わかば
冬霞突き抜く煙突白煙 愛正
鯛焼を差し入れてゐる楽屋口 凡士
湯に入れてまだ残りたる柚子数多 こすもす
太子会の読経しり目に年の市 はく子
町家かと見れば交番京小春 うつぎ
いきいきと京の外れの九条葱 小袖
ふかぶかと口閉じつかる柚子湯かな むべ
クリスマス錆びし機関車走らせる かかし
ぼろ市の堀端までも人の波 小袖
病む口に赤豆の粥のほろほろと むべ
パンジーや黄がちの鉢の並ぶ家 よう子
予報的中音もなく雪降り続く こすもす
盲導犬吐く息太し今朝の霜 凡士
笹鳴やこれより奥は獣道 かかし
一輪挿し居間でふくらむ冬至梅 愛正
里いづこ軒に大根割り干せり むべ
無人家の花壇彩る石蕗の花 こすもす
果大師一節うなる女香具師 なつき
ぼろ市の古布に秘めたる雅かな 小袖
相輪の眩しき程や冬の日に はく子
老い母に頼られてをり日短か わかば
病む耳にひびく賑ひ果大師 なつき
電飾の華やぐ街の師走かな わかば

2021年12月25日

パソコンで贈るカードやクリスマス 凡士
箱火鉢京の町家の袋小路 かかし
鳩すずめ鴨も加わり野の小春 はく子
昭和の世爺の名指しの甘藷かな 宏虎
銀杏落葉千手の枝の祈るごと かかし
予報はずれ積雪ほんの一センチ こすもす
容赦なき冬将軍を迎ふ朝 素秀
鏡池染めてセコイヤ剣競ふ はく子
霜の庭踏めば地球の啼くごとし よし子
後継ぎの会話尽きぬや大根洗ふ かかし
冬凪やいざなぎいざなみ島に訪ふ うつぎ
セコイヤの錆朱極めて散初むる はく子
不器用に五人家族の聖菓分く なつき
ひと時は穢れなき世や昨夜の雪 よう子
焚火果て空一面の星瞬く 宏虎
電飾の昼は侘びしむ冬木立 わかば
鴨可笑し雄はピーピー雌グァグァと はく子
繚乱の蘭の室咲き眼鏡拭く 凡士
柊の花父家を離るる日 むべ
粥啜るほかに音なき冬至の夜 凡士
伝統技村童見入るえり簀編み 愛正
着ぶくれて長き行列レジ遠し よう子
膝に猫何度も鳴るや雪起こし こすもす
黄落やいちよう並木は真っ裸 よし子
青空へ精一杯に冬桜 はく子
初挑戦次の試合へ冬帽子 こすもす
からからと吾を追い越せり朴落葉 むべ
吹かれ来て溝に嵌まりし落葉かな うつぎ
冬帽の手帖を睨む吟行子 素秀
夜の雪をこびりつかせてボンネツト 素秀
冬の月冬の月冬の月 よし子
独走のラガーに歓声わき上がる よし子
石積みを登る棚田や冬至梅 愛正
冬菫寂し公園彩りぬ わかば
蔵壁の揺るる水面や濠の鴨 愛正
歳晩の鎮まりおはす仏達 うつぎ
冬木とて朱の膨らむ夢を付け 宏虎
うらにしの丹後に游ぶ蕪村の忌 凡士
百歳の無我の境地や冬帽子 うつぎ
枯芝を踏んで公園彷徨へる わかば
風呂吹に一本つけて老の膳 うつぎ
色変へぬ檜葉のリースや降誕節 むべ
不揃いの水輪光るや浮寝鳥 愛正
聖樹立つ大三角を冠として 凡士
病院の窓の人影冬銀河 よう子
枯野星最終電車揺れどほし よし子
さよならと事務員の声冬ぬくし こすもす
手渡しの郵便物に初霙 むべ
黒猫の横に蒟蒻玉並び むべ
刈り込まれ薔薇の小径の養生期 わかば
鉢隠る縺れ垂れたる蟹さぼてん 愛正
気分変え夫婦茶碗や年の市 宏虎
教会へ慈善のコート届きたり なつき
相応に選ぶセーターモノトーン 素秀
小春日和魚鼓の一打に写経せん かかし
ビロードの光る日差しや冬木の芽 わかば
暖房のリモコン探り朝まだき 素秀
冬よもぎ絞りの町の一里塚 なつき
線香と菊の香に咽す初七日 なつき
行く年や寄り来る子供新紙幣 宏虎
黒門の上座を占める虎河豚や かかし
立ち読みの旅本戻す師走人 なつき

2021年12月18日

セーターのどれも思ひ出秘めてをり うつぎ
結びたる口に寒紅死化粧 素秀
思ひ出し笑ひ飛び出す衣被 よう子
冬日燦眩しき銀杏大樹かな わかば
己が囲に縋りしままや冬の蜘蛛 うつぎ
寒禽の賑はひ森に一頻り わかば
招き揚げ京の師走の幕上がる 凡士
土の香のまだ新しき猪の跡 うつぎ
雪吊つて背筋伸びたる兼六園 凡士
打ち寄する波に浮き寝の都鳥 凡士
モノトーンの里の夕日や懸大根 かかし
クリスマスからくり時計踊りだす うつぎ
仏壇をいびつな蜜柑転がれり なつき
あかあかと冬の夕日は海へ落つ よし子
いただきし鰤一本に思案かな 凡士
魞水底龍宮有るらしく 宏虎
黒雲を一刷毛で燦冬夕焼 かかし
向かひ家の出窓に垂るる蝦蛄仙人掌 愛正
雀どち入れては吐きて大冬木 はく子
隙間風電波時計の狂ひなし かかし
病得て最後と決めし賀状書く なつき
鴨浮き寝メタセコイヤは錆重ね はく子
箸先の浅漬白し朝日陰 愛正
白菜の食べ方数多ネットメニュー こすもす
マスクして声なき葬や灯の冴ゆる なつき
手足閉じ半眼の亀虎落笛 かかし
板戸ひく白南天の鄙の家 むべ
家計簿に一言添へし日記果つ なつき
忘れたるものの数とや冬銀河 よし子
黄落す淀川見下ろす大公孫樹 はく子
読経終えヒーター唸る葬儀場 なつき
日記買ふ無駄な事書く未だあり 宏虎
触れもせで柊の花ほろほろと よう子
川沿ひに切土の道や冬苺 むべ
恙なく夫婦揃いて齢惜しむ 宏虎
学僧のゆらす藁束冬構 愛正
柞山里人いづこ冬ざるる よう子
塀越に花柊の真白きを はく子
冬ざれや岬の下の火葬場 素秀
冬山路つひにあらはる湯宿かな むべ
冬雲の覆ふ海峡濤高く わかば
湯豆腐の鍋に残りし出汁昆布 宏虎
水鳥を湾処にとじ込む川嵐 愛正
白菜料理工夫重ねて食卓へ こすもす
熱燗や尽きぬ獣害話かな よう子
寺庭を埋め尽くして黄落す はく子
煤逃に混み合ふ午後の神谷バー 凡士
昔日の渡し場跡に枯尾花 むべ
寺隠す裸公孫樹の仁王立ち うつぎ
境内に並ぶ落葉の袋詰め こすもす
廃校の子らの声無く枯れすすき よし子
着膨れて母の手握る救急車 素秀
枯木立どうにもならん身軽なり 宏虎
冬帽に校名刺繍予備校生 かかし
模糊として水平線や冬の朝 わかば
星凍る手枕の母眠るごと 素秀
猪の晩餐あとや通学路 よう子
竜田川紅葉みだれて流れけり よし子
言い訳の言葉のをかし息白し よし子
涙染みひとつ蒲団に寝ずの番 素秀
冬晴や建てつけわろき窓の鍵 むべ
山門に寄り添ふ一枝冬至梅 愛正
散り残る木の葉に意地といふものを わかば

2021年12月11日

水鳥や水尾広げつつ夕日影 わかば
宅配の夜を小走り十二月 小袖
陽を享受して干柿の朱を極む はく子
日曜の工場群や冬日和 むべ
蕭条と引揚桟橋霙降る 凡士
ピースするサンタのシェフに見送られ よう子
宿木の緑際立つ冬木立 はく子
渾身の力ひめたる冬木かな わかば
冬木立世界遺産の宮の杜 はく子
流木の散らばる浦や浜焚火 小袖
締め切りや滑る膝掛巻きなほす よう子
寒風や猫立ち止まる塀の上 素秀
朱雀門廻りは枯野淋しけり 宏虎
焼芋は新聞がみのなかにこそ はく子
反論もほどほどが良し一夜漬け 愛正
極月の納棺の父軽きかな なつき
初雪の降りて小庭を一変す 宏虎
酒蔵の路地は港へ冬温し よう子
紅葉散るかさね色目の石畳 愛正
時雨るるやカーブミラーに眼を凝らす よう子
山門の蹲ひ覆ふ散紅葉 かかし
風除けの大樹めぐらし散居村 凡士
深山の枯れて禽獣人里へ 凡士
鯛焼を頬張り下校予備校生 かかし
日向ぼこ兼ねる散歩や猫抱いて こすもす
コート脱ぐ駅構内の喫茶店 小袖
払いてもまた日だまりへ冬の蠅 小袖
落葉掃く音大仰に竹箒 うつぎ
いただきし訳あり蟹の産地タグ 凡士
海峡に鳶の輪幾重小六月 うつぎ
大海鼠浅瀬を統べて内の海 素秀
風避けて日差しに集ふ浮寝鳥 宏虎
沖に日矢さしてエリ漁の延ぶる杭 凡士
教本に挟む栞か散る紅葉 愛正
冬晴れや人も車も大行列 こすもす
放棄田を覆ひ尽くすや枯尾花 かかし
寒の菊翳を重ねて花あまた 素秀
夕暮の禽の塒や大冬木 わかば
年の市鈴鳴る鍵の落し物 なつき
通夜料理帰りて食ぶる寒さかな なつき
短日や早島の灯の点り初む わかば
雪吊りの漢の作業男結び 宏虎
小春凪タンカー動くとも見へず よう子
冬木立大阪城は泰然と はく子
炊き込んで家族を待つやおでん鍋 わかば
頬かむり解きて漁村の喫茶店 うつぎ
城跡より眺む街並み冬日影 こすもす
川はさみ芒の土手の枯ゆけり 素秀
迫りだして水面明るし照紅葉 むべ
六義園もみづ紀のくに唐のくに むべ
農学生沢庵漬けを大樽に かかし
落葉焚見知らぬ人と談笑す かかし
白鳥の首の長さと小さき眼 宏虎
白富士や当駅どまりとアナウンス むべ
街の灯の近くて遠き刈田道 なつき
落葉焚き今が盛んと手招きす 小袖
南北に川を挟みて山眠る 素秀
大根干す庇はずれし陽の光 愛正
木道の色塗りかへて散紅葉 むべ
通夜客の窓開けて見る冬の虹 なつき
と言う間に芝生真白やあられ降る こすもす
子らに聞く将来の夢暖炉燃ゆ うつぎ
藁抱え通る学僧冬構 愛正
もう何も欲しきもの無し日向ぼこ うつぎ

2021年12月4日

縁側の陽射しに老婆柿簾 愛正
海境をマスト伸びくる冬の凪 素秀
紅葉見と通勤の客替はるバス せいじ
出入り口塞ぐ山小屋冬構 愛正
農家カフェ暖簾代りの柿簾 かかし
言の葉にならぬと動画紅葉かな よう子
前屈みで進む凩の土手かな こすもす
小春日や何をするのも好都合 宏虎
雪吊の円錐天を引き締むる 凡士
目離せぬ延長戦や息白し こすもす
広島弁姦し浜の牡蠣打ち場 凡士
境内は落葉に埋もり公孫樹 凡士
紅葉見と分かる服着て朝の汽車 せいじ
稜線の朝日透かせて冬木立 うつぎ
剪定こぶ露わに欅落葉かな 素秀
船頭の案内も楽し紅葉晴 はく子
冬となり庭の樹木も花咲かず 宏虎
着膨れの影のうごめく穴仏 なつき
大皿は柿右衛門とや河豚を盛る よし子
風除けに添うて石蕗の黄覗くなり わかば
過疎団地銀杏並木の大通り よう子
冬雲や暗き真昼の街あかり むべ
丹精を凝らせし古寺の紅葉かな せいじ
身に入むや閉会と言ふ一区切り よし子
シュトレン母娘で仕込む待降節 むべ
岨道の落葉は深しな滑りそ せいじ
深く座す紅葉疲れのカフェの椅子 よう子
野を駆ける子の一塵や冬帽子 素秀
日本晴れの冬のひと日を保津峡に はく子
綿虫の着地したるは犬の背な むべ
息子の手少しだけ借り年用意 こすもす
子の健に育つ動画や冬ぬくし はく子
神農の虎の貌みな浪速貌 よし子
隙間風だらけの家に執着す うつぎ
冬夕焼じっと見詰めて優雅なり 宏虎
棕櫚剝きて作る和箒村おこし 愛正
廃校舎子らの声なし秋深し よし子
光頭が出でし小春の穴仏 なつき
予備校生銀輪の背に冬銀河 かかし
冬ぬくし浜辺にしばし息ふなり わかば
おでん酒屋台文化の根付く街 凡士
温泉に団子の猿や冬ざるる かかし
落葉踏む幽けき響き獣道 かかし
母のぬくみまだ残りたる冬帽子 うつぎ
庭隅の朽ちたる厠花八手 愛正
吹き溜まり紅葉むしろの裏鬼門 愛正
落葉掻く早朝よりの音近く わかば
一椀は瀬田の香りや寒蜆 凡士
文机は七歳からの一葉忌 素秀
老犬と残夜に仰ぐ寒の月 むべ
綿虫やのらりくらりと右左 宏虎
楽しみの一つと言うて落葉掃く わかば
記念撮影マスク外せと老人会 うつぎ



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