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2021年4月17日

耳元を羽音かすめて烏の巣 むべ
鳥雲に今もどこかで戦あり はく子
フェリーいま転舵してより水脈うらら みのる
城下町ふんわり包み山笑う こすもす
花万朶漫ろ歩きの小径かな わかば
つばくらや淡路瓦のいぶし銀 うつぎ
花万朶纏うは淡き日の光 わかば
リハビリの追いつ抜かれつ花筏 かかし
白玉椿これぞ清楚と言はずして はく子
右に習い今年は早目八重桜 こすもす
野辺をゆく人に近しと菫草 隆松
落椿拾へば零る昨夜の雨 うつぎ
雪雫軒下渡しの字滲む 愛正
のつたりと渚に果つる春の濤 凡士
巣燕や地下駐車場心して むべ
高牧のサイロの上の春の雲 みのる
引潮の浜に吸ひつく屑若布 なつき
花屑を句帳に挟む老夫婦 かかし
さはに生る親指ほどの実梅かな せいじ
ワイパーの掻き跡に砂つちふるる 隆松
八重椿己の重さに枝垂るるや はく子
松の芯駝鳥の伸びし首のごと せいじ
いつの間にベンチの荷物の落花かな こすもす
くわりんの花は少数精鋭ぞ せいじ
連翹や蕪村逗留したる寺 凡士
蒲公英の桟敷に野球応援す みのる
卓袱台に親子八人春の夢 かかし
渡良瀬川糸遊結ぶ三国境 愛正
夕飯の支度後散歩春夕焼 こすもす
かげろへる大吊橋のダンプカー 素秀
カラフルな種袋振るカナダ産 かかし
招き猫七色並びうららけし なつき
小糠雨晴れて明るき花の昼 わかば
吾が面ふいに翳りて昼の蝶 むべ
老い長閑ゲートボールいまティータイム みのる
花盛り数枝休眠明けやらず 愛正
沈丁香の誘ふ古刹や瞑想路 愛正
花冷えや目玉見開く踏まれ邪気 素秀
雪柳白の零るる程に揺れ よし子
母が吹き子が追ひかけるシヤボン玉 小袖
山桜雨の疏水の音高く わかば
かよひ路の小さき石橋亀のなく よし子
空の青飛花も落花も惜しみなく よし子
列乱す園児帽子に花の屑 かかし
花びらに紛れて蝶の乱舞かな うつぎ
被爆樟二世の若葉艶めけり なつき
校門の守衛に桜蘂降りぬ むべ
百済観音その微笑みに朧へと 凡士
公園の池広々と残る鴨 はく子
連翹の咲く屋敷跡城下町 よし子
眼帯の夫の退院夏近し なつき
テディベアリュックにのぞく花見の子 なつき
甲冑の武士の面差し春の闇 うつぎ
大池に三つ巴なる鳥の恋 せいじ
水温む木道ぬかる尾瀬ヶ原 愛正
篝火に浮き立つ宵や薪能 凡士
下山せし夫の土産や落し角 むべ
伯楽の牛を見る目で桃の花 素秀
永き日のコロナ自粛に倦みにけり みのる
鎭もりて苔むす苑や花の雨 わかば
春落葉散歩の坂道なすべりそ よし子
蔦の芽の朱くいだけり巨石群 素秀
コロナ禍の止む兆し無く鳥雲に はく子
歩を止めて乙女の見入るスイートピー せいじ
海鮮の生簀ゆうゆう桜鯛 素秀
公園の桜見せんと療法士 うつぎ
川の瀬に鷺ぽつねんと陽炎へる 凡士

2021年4月10日

偕老の杖とリュックで花見せん かかし
裸足ゆくアビイロードの陽炎へる 凡士
聖書カバー娘らに縫ふ春灯下 むべ
まる八を提げて朧の陶狸 凡士
芝桜ゲートロードを縁どりぬ みのる
鶯の谺返して磨崖仏 うつぎ
能勢路きて空美しや山笑ふ よし子
花の影蜃気楼めく鏡池 みのる
春灯し忿怒やわらぐ不動尊 菜々
明治雛目鼻通りて優雅なり 宏虎
山間の桜明かりの車窓かな わかば
花万朶我が町そぞろに吟行す はく子
霾るや見晴るかす街朧なり はく子
春眠を猫のパンチが連発す かかし
我が町の万朶のさくらに酔いけらし はく子
花万朶人集まり来里公園 わかば
海棠や薄紅色に刺隠し よう子
春陰や土偶の四股のどこか欠け 凡士
杣小屋の板戸を塞ぐ蔦芽かな 素秀
生け垣に色添えたるや落椿 愛正
チューリップ開いて閉じて呆けたり よう子
先達に続く街道花吹雪 うつぎ
春闌けし蕊ふり積もる峠道 素秀
雪解風法衣はためく墓所 愛正
老いぬれば子に従ひて桜狩 せいじ
靄りたる空に気怠き春の午後 凡士
波の白際立つ青さ春の海 こすもす
花屑を巻上げて行くツーリング よう子
靴跡も轍も消して田水張る なつき
彼岸過ぎ伽藍の造替急ピッチ 菜々
彩窓の十字架透かす春日影 むべ
リハビリの予定を超へし花街道 かかし
日本人桜好きなるお国柄 宏虎
百千鳥この木なんの木かと仰ぐ みのる
橋立に股のぞきせり竜天に 凡士
兄弟の子遍路始む鬼ごっご なつき
仏壇の太陽のごと土佐文旦 うつぎ
階段の最後はジャンプチューリップ よう子
鶯や遠音近音と交はすなり わかば
海沿いの道は桜のトンネルぞ こすもす
葉ごと食ぶ祖母の流儀や桜餅 むべ
植えそびれ馬鈴薯の芽の林めく うつぎ
水鉢の揺らぐ花びら彼岸西風 愛正
上弦の月朧なり天守閣 よし子
馬の背に綿雲浮かべ春の空 わかば
夕遍路岬間近に急ぎ足 素秀
山上の足湯へはらり散る桜 小袖
子遍路のジュース一気に飲み干せり なつき
後ろ髪引かれて見遣る花の雲 せいじ
名も年も忘るる人や花筏 むべ
シャンソンの別れの歌や花ミモザ よし子
大和魂性格の合ふ桜かな 宏虎
花見して悩める気持ち忘じけり 宏虎
朱の橋の袂に分かつ花の道 小袖
山間を処処に彩る桜かな わかば
天井絵彩色あざやか花の寺 はく子
花の雲本丸三百六十度 みのる
花吹雪く旧参道に茶屋の跡 うつぎ
孫娘の頬に映りぬ花万朶 宏虎
吹き溜まりの花弁宙に撒いてみる こすもす
日暮まで解けぬ問題万愚節 よし子
黙々と漁網の修理春怒涛 こすもす
養花天伏し目にをはすマリア像 はく子
両岸の花は連理の枝めきて せいじ
遊具へと一直線に青き踏む なつき
美容室笑まふ鏡の桜かな よう子
潮吹の岬に咲ける浜大根 素秀
長堤を覆ひ隠して花の雲 せいじ
満開の桜にポッポ電車過ぐ 小袖
寺通り野鳥飛び交ふ落椿 愛正
子はなぜと桃の咲き分けいぶかりぬ せいじ
池半分占めて揺らめく花筏 こすもす
散る桜貼り絵のごとき明り窓 愛正
花影を縮緬に織りさざ波す みのる
願掛けのかわらけ投ず花の谷 小袖
ぐぜり鳴く鶯若し薄曇り むべ
羽繕ふ放生池に一羽の鵜 なつき
鳥を追ふ双眼鏡に花吹雪 かかし
ヘルメット脱ぐ長髪や花の風 よし子
遅桜源氏祖廟へ続く道 小袖
新社員背広姿に見紛ひぬ かかし
遍路笠あげて少女の顔となり 素秀

2021年4月3日

洗へども洗へど墓に花ふぶき 凡士
新聞紙敷きつめし車庫つばめ来る こすもす
蜃気楼浮き沈みせん淡路島 かかし
蘖の我一番と背くらべ うつぎ
春灯の裏木戸暗し通し土間 素秀
初燕三時に閉まる道の駅 よう子
松の葉を被る春蘭里の山 愛正
長靴の花屑洗ふ在宅日 むべ
手作りの種案山子吊る園の庭 かかし
鰐口を空打ちしをる春疾風 うつぎ
声高に猫を探すや朧月 小袖
満水の疎水にキッス柳の芽 せいじ
ゴンドラの人が手を降り山笑ふ みのる
岬端船で巡りて島桜 素秀
つちふるや目利きの友と陶器市 なつき
雪洞のやうな日輪霾れり 凡士
低き山日本一とて笑ひたる 素秀
壺に挿さん触るれば零る雪柳 はく子
春の雨模糊とし船の影薄く わかば
久に訪ふ京の旅情や花の雨 たか子
風一陣草むら起ちて雉の声 愛正
切り込みし風の横波青柳 愛正
怒涛ともなだれ吹雪きてゆきやなぎ はく子
海沿ひの私鉄沿線花万朶 せいじ
枝垂梅石の臥牛にふれんとす みのる
虎吼えて遠足列の乱れたる 素秀
杉山の峪を埋めて山桜 うつぎ
門に辞す道は朧となりにけり みのる
赤ん坊授かる如く種袋 かかし
散歩道また新しき落椿 愛正
京駈くる俥夫の背(そびら)に花の雨 凡士
花満ちて格のいや増す南禅寺 たか子
うららかや開演前の長き列 むべ
ナナハンの縦列駐車して花見 うつぎ
ビヨヨンと笑ひを誘ふ石鹸玉 小袖
無地の傘いつの間にやら花模様 こすもす
桜並木の天蓋なせるインクライン こすもす
雪柳夕べの風に吹雪たる はく子
長土塀(ながどへ)を加賀のことばの春袷 凡士
花菜畑どこまでつづく夕日かな 凡士
粗削り木喰仏ののどけしや かかし
昨夜雨に散りつくしたる雪柳 はく子
まんぽとはトンネルと知る京の春 こすもす
すれ違ふ人の余韻や春日傘 小袖
引潮に現るる断層磯遊 なつき
峡の田の蝶戯れる耕運機 よう子
蝶もつれ一の谷へと落ちにけり みのる
京の街縦横流る春の水 たか子
春の雨参道あちこち名入傘 愛正
ひと片を肉球につけ花筵 むべ
舟溜まり結ぶレールに花の屑 たか子
海光に五分の渡船長閑なり 小袖
花見とて小学生を助手席に せいじ
鳥帰る大空の道迷ひなく わかば
民宿の庭に五竿の若布干す なつき
とりどりの傘も桜に色を添え こすもす
卒寿てふ杖をうっちゃり春耕す かかし
散る花の古木の洞を寝床にす むべ
抽んでし京都タワーや春霞 せいじ
教室に追試の二人春休み 素秀
草に寝ね夢膨らます春の空 わかば
端切れめく捨田に渡す鯉のぼり なつき
幾星霜春光拒み水路閣 たか子
咲き初める堰の水面の朝桜 よう子
昼網や一番競りは桜鯛 うつぎ
自転車のカバー新し菜種梅雨 よう子
谷沿いに渚のごとし雪柳 小袖
山並みや見下ろす谷の江戸彼岸 よう子
燈明の闇に浮かびて修二会かな わかば
高瀬川堤を統ぶる花菜かな せいじ
麗かやゆるりと浮かぶ飛行船 わかば
門川に筏となりて雪柳 はく子
飛び石の一つぐらつき野芹摘 なつき
国生みの島削られて身にぞ入む みのる
裏木戸に友の差し入れ春の暮 むべ

2021年3月27日

三椏の花咲きしまま鉢もらひ むべ
一握りほどの初摘み庭の蕗 小袖
蹲にうつぶし浮かぶ椿かな みのる
延々と続く墓地なり春しぐれ はく子
穴の列隅に残りし大根咲く よう子
陽炎や非通知電話又もくる よし子
万蕾のさくらさくらの並木道 小袖
春山を鉢巻のぼるハイキング みのる
三椏の群生模糊として閑か 小袖
炙られて鰭ちりちりと干鰈 素秀
兵役の無き國に住み大石忌 宏虎
ウォーキングコースは桜あるところ こすもす
燕来る始発駅舎に丸ポスト 小袖
夕影に白浮かばせて花辛夷 わかば
ほの白く川辺突き出る猫柳 愛正
蹴り損ねボール転転うららけし せいじ
一輪車肥料を積みて春耕す かかし
有馬筆ながめておれば芽木の風 小袖
流れゆく飛機の灯りや春の闇 凡士
墓の場所問ひて小さき春日傘 素秀
待人にすっぽかされて茎立し よし子
しみじみと法事の膳に蜆汁 素秀
春宵の白き巨船に旅ごころ 凡士
男雛のみ残る土雛への字口 なつき
田楽の串に重たき堅豆腐 素秀
柳の芽水面綾なす用水路 愛正
山路来て走り根に座す百千鳥 かかし
主なき浅茅が宿の梅花かな 愛正
蒲公英の絮毛な付けそ野に遊ぶ せいじ
細りつつ捨てじゃが芋の芽吹きをり よう子
初花や夫と子の墓詣でけり はく子
ふらここやマスク一緒に空仰ぐ はく子
木蓮の花掃く音や朝の路地 むべ
春塵や電動都市の交差点 よし子
藻畳をしとねとしたる落椿 みのる
掃くに惜し苔の茶庭の落椿 みのる
蔵の街柳芽揺らす高瀬舟 愛正
戦無く國境なきを鳥帰る 宏虎
薔薇の芽やとぼそ開ける教会堂 むべ
夕まぐれ瀬戸は菜の花明りかな 凡士
小舟など出でて山湖のうららけし よし子
框より赤き毛氈雛飾る なつき
辛夷咲く並木懐かし通勤路 わかば
囀りは木々の揺らぎの間より よし子
家飲みのレシピ片手に山椒和 かかし
カメラマン菫を避けて膝つけり よう子
雪舟の濃淡の墨初燕 かかし
動画撮る揺るる柳を背景に こすもす
軽トラに上着を放り春田打つ 凡士
春塵のサドル拭きたる手の黒し むべ
小糠雨朱の芽色づき現れり 宏虎
早咲きの桜に目見ゆ車椅子 わかば
春山の天辺に沸く子らの声 みのる
東北の痛みに潤む春の星 むべ
時として奔放に活け梅の花 宏虎
吊し雛金の屏風に丸き影 なつき
雲雀野や力任せにボール蹴る せいじ
時折はれんげの原に眠りたし 宏虎
海鳴りの間遠となりぬ笹鰈 凡士
満開の花を啄む鳥の群れ わかば
甲虫のごとき艶あり山椒の芽 せいじ
桟橋を掠めてもどる燕の子 なつき
堤行けば耳にウグイス空青し こすもす
まっすぐに畝立つ畑や春の雨 はく子
春雷や川原飛び立つ群雀 愛正
青空へ紅きグー解く牡丹の芽 よう子
風光る海峡眩し船の影 わかば
故郷の水の匂ふや蕨餅 素秀
鉄棒の子マスクと共にくるくると はく子
蝶生れし野菜畑の空真青 かかし
チェンバロに梢の芽吹く昼下がり よう子
獅垣にあらず猫除け豆の花 なつき
砲台場跡てふ石碑山笑ふ せいじ

2021年3月20日

亡き人は辛夷の空の風となり よう子
検査終へふと窓に見る春夕焼 凡士
啓蟄に鶏冠を立ててあとじさり みのる
春塵をつま先に乗せ配達夫 素秀
車庫の陰あと一息の連翹かな こすもす
涅槃図を善男善女見詰めけり 宏虎
押寿司の木型を濡らす春の昼 小袖
春雨や合羽目深に渡し守 素秀
鎧戸の隙間拡げて春の風 素秀
太陽の光の粒や花ミモザ むべ
佐保姫をいざなふ寺のライブかな 凡士
赤べこの影の首振る春の雷 素秀
春疾風黄旗見守る通学路 かかし
城跡に空向き凛と落椿 宏虎
北窓を開きて口に「早春賦」 凡士
割烹着の試食販売木の芽和 かかし
正門に十五の春を送り出す 小袖
子雀の集まり東遊園地 うつぎ
空瓶の首振りやまぬ春の汐 みのる
雀の子もうお帰りとベンチ立つ よう子
鍵盤に踊る十指や春の昼 かかし
花盛り友丹精の春の庭 こすもす
見るよりも先に触れたし猫柳 愛正
春うらら餌付け禁止と言はれても せいじ
土手の草混じるや子らの土筆摘み なつき
藪椿落ちて色さす苔の上 わかば
春禽のどこか浮き浮きしてをりぬ せいじ
おほどかにほぐるる大地もの芽出づ わかば
花の香に歩を緩めたり春の闇 愛正
ランドセルに夢を詰め込み入学す かかし
春の色まわるよメリーゴーランド 小袖
山里は近くて遠し木の芽道 愛正
唐南天病院裏を明るうす むべ
木蓮のまたひと片や散り急ぎ むべ
芽を摘まれ楤また棒に戻りけり みのる
決め顔の前が良し卒業写真 むべ
チューリップ風車の丘を埋め尽くし せいじ
焼きか煮か聞かれて料る桜鯛 うつぎ
一両車窓いっぱいの野梅かな うつぎ
橋桁の消えて現る春の川 宏虎
春匂ふインク緑のエアメール 素秀
孫は皆成人したりつくしんぼ はく子
摘むことの出来ぬ古墳の土筆かな 小袖
名草の芽引きて後の妻の声 よう子
苦労して運び来る毎燕来る 宏虎
初音かな鍬を休めし老夫婦 かかし
電線の垂るる路地裏春の宵 よう子
子が摘めば煙吐きたるつくしんぼ なつき
廃線に残る駅舎や山笑ふ なつき
野地蔵の頭をなづる枝垂れ梅 愛正
旅にみる享保の雛や脇本陣 凡士
彼方此方へ一人吟行山笑ふ 宏虎
紅梅の紅さす一枝満車札 愛正
春うららカメラ向くるも鷺逃げず せいじ
花支度ぽかぽか陽気に大根も 菜々
掛筒の椿一花に和むなり わかば
紅白の八重花桃に会いに行く はく子
つくしんぼ袴脱がされ裸んぼ はく子
置きざりの見開き雑誌春炬燵 小袖
摘み頃を逃しぬ坪の蕗の薹 うつぎ
茶舗の棚茶筒と並ぶ土雛 なつき
芽ぐむ薔薇アーチ繕ひはじめけり みのる
燭台の白き炎や花辛夷 うつぎ
初物と父土筆煮を喜べり なつき
煙吐く摘まんと土筆に触れたれば はく子
大量の三又分けて句会果つ こすもす
春水にかがむ園児の好奇心 みのる
鳥雲に入りて二時四十六分 むべ
咲き初めし花を啄む雀どち せいじ
雨かさね風なほ重ね沈丁花 凡士
春寒し黒光りなす蔵の梁 わかば
燕来る旧居留地の百番館 よう子
卒寿翁へ祝ふ言の葉暖かし わかば
山笑ふ麓の竹に撫でられて 菜々

2021年3月13日

木の芽道樹種を記せる道しるべ みのる
露天風呂来る道赤く垣椿 宏虎
啓蟄や天地返しの花丸日 かかし
何処へでも連れ立つ夫婦山笑ふ うつぎ
海風を纏ふ浜辺の暖かし わかば
春光や檜皮一束奉納す よう子
犬と座す背ナの広さや鳥雲に 小袖
鳥帰る北への旅路無事なれと わかば
遍路道胸突き八丁踏みしめて よう子
靴飛ばしボール蹴る子や春の芝 素秀
啓蟄や近づく夫の誕生日 こすもす
陽炎の中より電車現れぬ 宏虎
声もなし坂東太郎霞立つ 愛正
春うらら額の眼鏡失念す せいじ
金継ぎの夫婦の湯呑み春炬燵 かかし
園児らのはないちもんめ草萌ゆる かかし
凍解けて畑の長靴足取られ かかし
春耕や畝間深々掘り下げて せいじ
春の雨はじく工事を終へし道 せいじ
春眠の手元より落つ句帳かな みのる
おのが名を覚えはじめし仔猫かな みのる
無造作に山独活くるむ新聞紙 素秀
強東風に逆らひて待つ夜半の駅 むべ
蕗の薹広ぐ香りの厨かな わかば
ゆくりなく雲雀の鳴きぬ交差点 むべ
揚げ雲雀空の深さを教へけり 小袖
色づいて蕾立ちゆく紫木蓮 素秀
黄水仙咲きて塞ぐる猫の道 むべ
頬つぺにキスしたるを知らず春眠す みのる
雛人形欲しいと泣いた弟よ よし子
阿羅漢の泣くも笑ふも春埃 うつぎ
朝霞群峰のみの八ヶ岳  愛正
野梅咲く礎石のみなる廃寺跡 はく子
牛車の輪はずれしままに雛飾る よし子
手術了春眠覚めぬごと寧し みのる
春光や寺に男の子のすくすくと はく子
孔のみのまなこの埴輪春おぼろ はく子
蕾のままの風折れ無念桜かな こすもす
朝霞合間に見ゆる渡し跡 愛正
剪枝して棒がし棒に戻りけり せいじ
老木の梅花一輪塔頭寺 愛正
初大師手すりすがりて奥の院 なつき
啓蟄やお好み焼が上手く焼け こすもす
先端の開き初めおり白木蓮 こすもす
街路樹の木の芽膨らみ晴れ渡る 宏虎
目薬師に子ら並び撞く鐘朧 なつき
啓蟄やカルチャー講座申し込む よう子
白木蓮(はくれん)の下に待ち人来たらずや むべ
大霞カルデラに浮く榛名富士 愛正
通し鴨羽根繕いて安住す 宏虎
たんぽぽや話相手の犬を撫づ よう子
朝散歩摘み頃思案の蓬かな こすもす
藪椿小枝に鳥の動く影 わかば
薬師仏朧の中の胸二つ なつき
啓蟄や木の根あらはの切通し はく子
燕来る日なり新居に若夫婦 素秀
地虫でてコロナ感染心配に よし子
真すぐな雨まっすぐに名草の芽 よし子
春眠し電車の揺れに身をゆだね うつぎ
本棚に紙雛飾る立子の忌 よし子
市朧メリヤス売りを素通りに なつき
啓蟄や噴火に増ゆる島陸地 はく子
菜の花の丘に沖向く忠魂碑 よう子
前髪を垂らし遍路の顔見せず なつき
春陰のせせらぎ抜けて通院す むべ
憂ふことまだ知らぬ子の雛あられ 素秀
音高く用水路ゆく春の水 せいじ
客として訪ふ生家彼岸寒 うつぎ
朝摘みの庭の一輪水仙花 小袖
磐座へ辿る岩山落椿 わかば
春の雷一瞬ひかり街照らす 宏虎
籠り居の欲る春愁の捨て処 うつぎ
ユーターン荒む田面を耕せり かかし

2021年3月6日

一服の抹茶しみじみ二月尽 小袖
奉納す檜皮の束や風光る よう子
木の間より射す陽光や春の湖 よう子
青空に舞入る如く春の雪 はく子
貝寄風に能島の根城渦を巻く 凡士
目口描き吾子に似たりし絵付け雛 なつき
チエンソーの音止み間なし春の宮 こすもす
ジョンガラもロックありて室の花 よし子
一本の紅白梅の香りかな わかば
多摩川の堤や犬と青き踏む むべ
図書館に捩り鉢巻受験生 かかし
公園は砂塵嵐や春疾風 せいじ
隧道を出れば海峡東風強し うつぎ
鰆東風鳶に注意のアナウンス うつぎ
尾を付けて凧となりけりレジ袋 素秀
巡り来し春三月の磨崖仏 小袖
遠霞伴侶なく翔ぶ鷺一羽 愛正
裸婦像の肩が気に入り雀の子 よし子
梅の香垂るる一枝を手繰り寄す 愛正
荒東風にハンドル固く握りしむ うつぎ
クロッカス咲いて引戸の時計店 素秀
春障子おうすの茶碗小ぶりにて よし子
山盛りの水菜小鍋に二人分 素秀
ひとときを梅花に舞て春の雪 はく子
剪定の庭の日差しの眩しかり よし子
野焼きせし香の立ちたる田園地 愛正
自転車もスピード落とす梅見かな むべ
蕗味噌や白きが眩し割烹着 凡士
竹筒に百円硬貨春野菜 かかし
豪商の軒に古巣のつながれり なつき
鎖樋乾きしままや梅日和 こすもす
二月尽胸突き八丁踏みしめて よう子
鳥影の飛び移りゆく梅の苑 わかば
梅日和万年寺古墳は丘の上 はく子
山茱萸の黄へ柔らかき日差しかな わかば
庭先にいぬのふぐりやゆめ踏まじ むべ
うららかや水輪のをどる深庇 みのる
春めくや一つ増えたるサッカー台 せいじ
防火用バケツも転ぶ春疾風 せいじ
春耕やラジオはみゆき流しをり 凡士
手を浸し心も洗ふ芹の水 むべ
梅寒し人影まばらの山田池 はく子
春暁の開門待つや伊勢神宮 愛正
梅が香に足止めされし家路かな むべ
真つ直ぐに進まぬカート冴返る うつぎ
石仏のお顔数多に里の春 小袖
百年てふ支へ数多も梅八分 かかし
発掘の土掻く箆や山笑ふ 凡士
木蓮の嘴少し開きけり せいじ



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