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2020年10月24日
祝ぎの日と知りてか庭に小鳥来る みのる
ゆく道も帰りの道も薄紅葉 よし子
鳴門金時紅美しく洗ひあ上ぐ はく子
鴨川のデルタに鳶や天高し せいじ
ゆく雲に病窓の秋惜しみけり みのる
遠出する車にひとつ花梨の実 こすもす
こもれ日や手を差し入るる稲架襖 愛正
放ち飼ふ鶏の遠出や秋麗 うつぎ
藷ふかす九里よりうまい十三里 はく子
御朱印帳ひざ掛け厚く秋の夕 愛正
能登島の入り江に映る秋灯 そうけい
芒原水平線の夕日かな かかし
朝露のきらきら光る秋山路 小袖
菓子分ける子らの頭に木犀花 素秀
紅葉には少し間のある札所寺 よし子
秋の蝶石碑に翅を畳みけり 素秀
独り居の昼餉に焼いて秋なすび 菜々
三井寺の閼伽井ぼこぼこ水澄める よう子
あやす子もあやさるる子も手に木の実 小袖
秋あかね湿地にタッチ繰り返し 小袖
倒木の水浸く山路の秋深し 小袖
白日の中を慌てて穴まどひ 素秀
山襞へ流れる霧の速さかな わかば
穭田を啄みをりし群雀 かかし
木犀の香や公園となる城址跡 そうけい
先生も渡船登校鯔飛べり なつき
朝寒し体操服の子の渡船 なつき
忠告のどこ吹く風や猫じゃらし うつぎ
秋の暮灯り広ごる山の裾 そうけい
たわわなり葉っぱと見分けつかぬレモン こすもす
戻るべき道をさがして草の花 よし子
と見る間にドローンは点に空高し せいじ
少しだけ残して庭の赤まんま うつぎ
秋雨に彩深め行く野山かな わかば
笈摺の御朱印乾く秋日和 よう子
色鳥に息を呑み込む探鳥会 かかし
天高しヘリの轟音うしろから せいじ
百年てふ母校統合蚯蚓鳴く かかし
行くほどに濃くなる紅葉峡深く わかば
接近の火星の赤さ秋寒し うつぎ
マロン色の電車にのって栗拾い よし子
オープンの古民家カフェ柿たわわ こすもす
三川の目指すは浪速天高し せいじ
つる草を引かば一房山葡萄 愛正
夕刊の配達はまだ暮れ早し 菜々
山麓の光る一筋芒かな 愛正
山湖への小径紅葉の多彩かな わかば
色鳥来心豊かとなるひとひ わかば
膝つきて自然薯を掘る背の無心 よう子
過疎村のまた一つ消ゆ秋灯 そうけい
お見舞と児らの差し出す木の実かな うつぎ
バター浮かすホットココアや秋冷ゆる 小袖
秋ともし写経の文字に母と父 かかし
庭下駄の鼻緒もゆるみ秋深む 菜々
鵙猛る即身仏の古墳塚 なつき
田園に稲架少し農耕機 愛正
金木犀寺町路地に夕の風 そうけい
木犀や屋根の修理す古希翁 なつき
天高し腹にキャラ描く飛行船 せいじ
無月なる唐招提寺の甍かな よし子
湯の街の射的屋覗き寒夕焼 素秀
懐メロの流るるラジオ秋深し はく子
爽やかに「ようお参り」と朱印押す よう子
夫の秋桃山城までサイクリング 菜々
角巻のうちに閉じこむ夕茜 素秀
炊きたての新米星のごと光る みのる
喜寿寿ぎて子ら集ひくる菊日和 みのる
残る蚊の磔のごと外厠 なつき
村に入る木犀の香の只中に はく子
今年から鳴門金時届かざり はく子
師の教へ守り継がんと菊に立つ みのる
猪垣の壊されしまま朽ち行けり よう子
2020年10月17日
アラフォーの娘と美酒を酌む夜半の秋 せいじ
本堂の甍の上の紅葉山 みのる
廃屋をすっぽり覆う蔦紅葉 こすもす
スーパーへバイク颯爽木の葉髪 菜々
葉を返し崖に真葛の風の道 素秀
古民家の茅葺きの屋根草紅葉 かかし
捨案山子集め供養の農夫たち かかし
雲海に埋もる城址や山粧ふ わかば
鶏頭に雫の重し今朝の雨 素秀
黒牛を際立て阿蘇の芒原 うつぎ
高原の風感じつつ秋惜しむ こすもす
曼珠沙華対岸に待つ沈下橋 素秀
すがれ虫何か言ひたげ車庫の隅 うつぎ
山粧ふ尾根に人影続くなり わかば
青空の野分の雲のすき間より はく子
柿あまた食べしは油断胃の疼く せいじ
秋うらら休み休みの庭仕事 せいじ
草の露踏みつつ淀の水際まで はく子
間引き菜の一品加へ今日の贅 うつぎ
野分あと犬駆け回る河川敷 はく子
神木の松の手入や清め塩 かかし
予約してミナペルホネン秋の展 せいじ
秋日和列車奥へと山迫る 宏虎
僧苑を抱く裏山粧ふなり わかば
池の端に丁度良き数曼殊沙華 そうけい
稲刈りて跳ねて蛇行の雀かな 愛正
先頭行く勇気のしるし草じらみ なつき
暮れなずむ嶺々の紫野分あと はく子
男衆の野菜乱切り芋煮会 かかし
ゲートルに背ナの屋号や松手入 かかし
決戦の里は秋日に浸りけり なつき
本陣へ先頭切りて草じらみ なつき
西口のバスは出たあと秋の雨 よし子
おん鶏の反撃に逃ぐ穴まどひ みのる
鹿の群れ大和大路を横断す 宏虎
労ひの声かけ仕舞ふ扇風機 せいじ
秋晴れやものよく聞こえよく見えて よし子
栗買ふは鶏誘ふ無人市 よう子
信貴山の塔頭ごとの初紅葉 小袖
凶作や浮塵子被害のただならず みのる
田仕舞ひの煙立つ里決戦地 なつき
山粧ふ五色沼抜け桧原湖へ わかば
惹く路地のとび入り茶会曼殊沙華 そうけい
風と描く曲線の妙曼殊沙華 そうけい
青竹の野菊一輪地蔵尊 素秀
一の谷なだるる葛へ秋の風 みのる
高原に吹きわたる風天高し こすもす
小屋隅の捨てし筵や昼の虫 愛正
町中に残る里山柿熟るる 菜々
一棹の稲架を照らす夕日かな 愛正
園丁は地元の農夫ダリア園 よう子
山粧ふ九輪の塔を覗かせて わかば
高原は秋おにぎりをほおばる子 こすもす
すぐそことダリア園まで誘はるる よう子
野分雨洗いつづけるビルの窓 よし子
貼り替えて障子明かりの四畳半 よし子
村の墓地家々に記す曼殊沙華 そうけい
強風に吹かれ松かさスラローム 愛正
流し目の眦紅し菊人形 素秀
秋の燭お堂の中のお砂踏み 小袖
秋声や太子見してふ榧巨木 小袖
色鳥や山湖に彩をこぼしけり よし子
天啓の一句もがもな落し文 みのる
蟷螂の一色に枯る眼まで うつぎ
婦人部の玄米おにぎりダリア園 よう子
蕎麦の花幟はためく本陣跡 なつき
稻雀攻めるも逃ぐもいと迅し 宏虎
柳散る温泉街の朝散歩 宏虎
廃校舎横の転作ダリア園 よう子
客をらぬアスレチックや秋あかね こすもす
旅に出てみたくなる日や鰯雲 うつぎ
吟行子野分の後の河を見に はく子
ご自由と書かれし桶の薄かな 愛正
切り株を包み込むかに草紅葉 小袖
乱舞して筆惑わせる曼殊沙華 そうけい
曼珠沙華支流集めて大和川 小袖
万国旗ひらひらと舞ふ運動会 宏虎
2020年10月10日
駅頭の黄色き声や赤い羽根 宏虎
波立てて大海原となる薄 小袖
名月や下駄突つ掛けて外に出でぬ せいじ
名月や一駅前でバスを降り かかし
山寺の縁の下までこぼれ萩 素秀
雲は秋いつまで続くテレワーク みのる
竹生島らしき影あり霧の湖 なつき
難波宮址今公園に秋惜しむ はく子
老い母は落穂拾ひに余念なし みのる
聖堂に和装マリヤの爽やかに はく子
欠伸して耳を抜けゐる風爽か 素秀
満月や肩車され眺めし日 かかし
千草道抜け来し染みのスニーカー よう子
落ち鮎の遊ぶ岩根の澱みかな 素秀
老い母に呼ばれて仰ぐ窓の月 せいじ
落し水けざよに残る雀跡 愛正
錆色を増してもみづる桜かな 素秀
名月や光を無くす街路灯 せいじ
なだれ咲き色を極めし紅葉かな 宏虎
大極殿址に上りて秋惜しむ はく子
玉雫に色を深める畦千草 よう子
鮮やかなり尾根の赤松野分あと 愛正
月見団子里の友垣便りせん かかし
走り蕎麦完売ですと小黒板 よう子
山寺や蕎麦の花咲く里懐し よう子
大窓に一望宮址秋たかし はく子
吾影の先へ先へと月の道 よし子
雲湧いて転げさうなる花野道 なつき
卓袱台を囲みし頃や月見酒 かかし
スイッチョを聞けばゆうくり仕舞い風呂 よし子
電話番号は語呂合わせらし金木犀 こすもす
人工芝の張替へ水禍の後始末 こすもす
名月や星一つ連れ中空に わかば
明石架橋いま真ん中や天高し みのる
音に散りまた戻りくる稲雀 わかば
先達のリュック鈴鳴る花野道 なつき
疎となりしポプラの梢いわし雲 みのる
名月や発車間際のサイドミラー せいじ
白靴のにじみ止むなし草の露 そうけい
蝶翔たせ風のウェーブ蕎麦の花 うつぎ
蕎麦の花一際白く日暮れ時 小袖
山里は草の穂そよぎ鳥の声 小袖
高速道路の完成間近山装う こすもす
山伏の法螺や山頂霧晴るる なつき
裏路地を振り分け行くや朝の露 そうけい
道路より川の明るき良夜かな うつぎ
薄の穂峡の小道の迷路めく よう子
まばゆくて雲一つなき良夜かな わかば
秋深しいぶきと名付く花々も なつき
中止とのお知らせ無念秋大祭 こすもす
蟲の音のリズムに合わせ謡いけり 宏虎
竹藪に抱かれるごと露葎 そうけい
鵙高音城址の森の奥深く わかば
投句箱枝折垣置く秋の暮 宏虎
頬杖で虫の声聞く羅漢像 素秀
人目引く浮気心てふダリア うつぎ
走り蕎麦静かに客の入れ替わり 小袖
栗の毬(いが)数多散らばる杣の径 宏虎
芋の葉にまほろぶ露の光りかな そうけい
畦道で鎌研ぐ老爺早稲の香 愛正
稲架高し大和の風は天津風 よし子
えのころ草ゆれて何やらせわしなし よし子
後ろより跳ね来て蹊蚸不意を突く うつぎ
畑風に百様となる芋の露 そうけい
山畠の奥まで白く蕎麦の花 小袖
青蜜柑たわわや空の物干し台 こすもす
野葡萄や結ぶ実の色七彩に わかば
鹿の角切り落とされてただの鹿 よし子
寝惜しめる伊根の泊りや月今宵 みのる
秋灯下燦と出土の耳飾り はく子
嬉しさを素直にポンポンダリアかな うつぎ
わが顔に似通ふ月のあばた面 せいじ
名月の天心なるや頭垂れ かかし
軒下の孫の自転車秋の宿 愛正
松原を抜ければ白し秋の波 愛正
2020年10月3日
田一枚畝まっすぐに蕎麦の花 小袖
記念日の朱書きの湯呑秋の夜 かかし
日の暮て八坂の杜の虫浄土 はく子
初潮や岬の礁動かざる よう子
千枚田刈田となりて段険し かかし
草の実のズボンにつきぬ散歩かな 宏虎
山門に入れば浄土の狭霧かな かかし
澄む水に雲も遊ぶや 尾瀬ヶ沼 愛正
手桶下げ先祖に参る新婦かな そうけい
数独にうつつを抜かす夜長かな せいじ
ほんのりと彩差し染むる楓かな わかば
長き夜や書淫となるを防ぎ得ず せいじ
沈下橋秋の出水に逆らはず よう子
墓詣ゆるき坂道照葉樹 ぽんこ
長き夜やホ句の推敲どこまでも せいじ
印南の空を広げて稲雀 わかば
児少なく遊戯の欠伸草紅葉 宏虎
砂をどる湧き水豊か秋の声 ぽんこ
園芸店の柵に絡みてるこう草 こすもす
かすかなる風にも散りて萩の花 うつぎ
霧吹いて籠の鈴虫励ましぬ みのる
虫すだく人気の絶へし子供部屋 かかし
駅前の少女の募る赤い羽根 宏虎
道の駅秋の草花写真展 こすもす
振り向けば五重にかかる初紅葉 ぽんこ
虫時雨止みて深まる静寂かな うつぎ
敷石の疎に走り咲きし草の花 ぽんこ
猿ごと土俵縦横無尽かな 素秀
花道を引き摺る足の負相撲 素秀
夜の更けて虫の野となる古戦場 みのる
僧帽筋怒らせ力士時間前 素秀
潮枯れの木の間に光る秋の海 なつき
対岸のまばらに点る良夜かな わかば
水汲み場いま一叢の彼岸花 小袖
力士顔見合わせ手付き不十分 素秀
野を行くや川瀬に秋の声を聴く わかば
潮風に穂草光りし古墳道 なつき
転作の村の明るし蕎麦の花 うつぎ
里に向け臥せる牧草野分跡 愛正
棚瓢地に影落とす良夜かな みのる
幾千の赤を散りばめ曼珠沙華 小袖
供養塔色なき風の鬼押出し 愛正
舞殿にご神灯並ぶ秋の夜 はく子
純白のウエディングドレス初紅葉 はく子
刈田にて祝盃あげる農夫たち かかし
色変へぬ松や開かずの勅使門 よう子
水澄める池塘に揺らぐ燧岳 愛正
夜長し妻は朝餉の支度もし せいじ
コスモスの丘へ集まる四囲の風 みのる
梵鐘の余韻楽しむ秋の声 愛正
嬉しさと淋しさ半々敬老日 うつぎ
子規句碑と萩雨に濡れ空しけり 宏虎
船着きの石柱に鵜の立ち尽くす なつき
秋うらら絵解きめきたる島の地図 なつき
熟睡を妨げる猫秋深し こすもす
秋声や島と向き合ふ台場跡 わかば
白鷺の見え隠れして稲架襖 よう子
水の泡現れては消えて秋の川 小袖
一の谷奈落は虫の浄土かな みのる
賑やかに子等の集まる墓参かな そうけい
ほんのりと土の香りや零余子飯 うつぎ
見事なる山の綾なす紅葉狩 宏虎
朝市果つ跳ぬる縞鯛締めにけり なつき
長き夜やネットサーフィン果てしなく せいじ
案山子翁去りて騒がし群雀 小袖
三十路とは早晩年の大相撲 素秀
農小屋をがんじがらめに藪枯 よう子
ひんがしの雲まで染めて秋夕日 はく子
秋日和婚の披露を恙なく はく子
2020年9月26日
拘置所の高塀沿ひに曼珠沙華 みのる
林泉の風のさやぎや秋の声 わかば
柿太る今年不作と言はれつつ はく子
渡船場に貸し傘借りる秋時雨 なつき
村役場跡の礎石や虫すだく よう子
殻積んで栗食む縄文人となり うつぎ
身にしむや昭和は遠く捨て火箸 小袖
海見ゆるハンモック吊るカフェかな なつき
秋潮の濃淡混ぜて渡船来る なつき
参道の萩うなだれる急な雨 こすもす
空き家なれど紫式部の色冴へて こすもす
通し土間一直線に秋の風 せいじ
秋惜しむ免許更新あと何回 こすもす
竹の春注連は緒のごと兜岩 なつき
水澄みて真青なる空映しけり わかば
鰯ぐも背反りできぬ回れ右 愛正
貴賎なく孤独死増えて蚯蚓鳴く 宏虎
岩肌を流る清水や秋の声 愛正
落人の開墾地てふ蕎麦の花 かかし
秋燕の峡の中空使ひ切り うつぎ
山風に白光流る薄原 そうけい
一村を赤く区分けの曼珠沙華 素秀
用無しの肥溜め埋める彼岸花 素秀
夕日差す空き家の庭の芒かな そうけい
溝蕎麦や泥濘みはまる猫車 愛正
秋草の道ゆっくりと電動車 小袖
逆転打溜息の出て虫時雨 よう子
甌穴や青天映ゆる秋の水 愛正
病牀にめげず革新獺祭忌 かかし
階下妻の生返事する長夜かな 宏虎
秋憂しやいつ失ひしイヤリング みのる
鬼やんま行きつ戻りつ縄張りを かかし
とんぼうと高度分かちて秋つばめ うつぎ
空港へ馳せる長橋星月夜 みのる
阿波国は藍園村の曼珠沙華 素秀
天文台秋燕高くひるがへり みのる
くさぐさの育つ菜園小鳥来る はく子
密などとは縁遠き里秋深む こすもす
野分くる鎮守の森の賑々さ 愛正
花庭を通ひ路とせる秋の風 せいじ
無き風に揺るる天蓋花の首 素秀
秋晴れや重く厳か三井の鐘 宏虎
雑草のはびこる狭庭風は秋 せいじ
帽子振り駆ける下校子群れとんぼ よう子
軒の巣に羽毛残して去ぬ燕 よう子
能勢栗を買ひ損ねたる道の駅 よう子
無住寺の朽ちゐる門に狐花 素秀
県別の新米試食道の駅 かかし
秋涼し開くお堂の鬼子母神 小袖
滝行場へ川筋辿り秋の声 小袖
打ち傷に触れて優しき秋の風 せいじ
一叢の軽き揺らぎや糸薄 わかば
身辺りに触るるばかりや秋茜 わかば
バスの座の高さで臥しゆく薄かな そうけい
背高の紫苑むらさき広げつつ はく子
大根蒔く畝黒々と整ひぬ はく子
窓の日の温みに目覚む秋の朝 そうけい
我らを待ちゐたかに去りぬ秋燕 うつぎ
銀山に代官所跡や秋の声 うつぎ
岩を噛み瀬音高まる秋の水 宏虎
孫宅を漸く訪ひし敬老日 せいじ
鵙猛る能勢氏住ひし城の跡 小袖
藍深く潮の目著き秋の海 わかば
子規の忌や溢れんばかり投句箱 かかし
秋の草花百を育てて卒寿刀自 はく子
秋彼岸又も迎へる誕生日 こすもす
臨海学校子ら見送りの紙テープ なつき
あひ見ゆことなし露の二面石 みのる
名水を汲み人の列金木犀 宏虎
校庭に響くコーラス秋夕焼 そうけい
2020年9月19日
まだ青き穂波に赤き夕焼雲 はく子
喧騒のビルの屋上ちちろ虫 かかし
街道の風船かづら他が植えし よう子
銃眼を貫くつるべ落しの日 みのる
とんび舞ふ島の富士山秋高し なつき
満月を負ひて吾が影踏む散歩 宏虎
畦道の散歩稲穂に触れもして はく子
長靴に鍬の園児ら稲を刈る かかし
名月や雲を透かして明るけり 素秀
子ら整ひ浜の吹奏鰯雲 そうけい
玄関まで蚊のついてくる日暮かな うつぎ
エンジン音に反応の猫鰯雲 こすもす
能勢路いま刈田稔田農繁期 よう子
爽やかや松籟を聴く遊歩道 わかば
蒼天を仰ぐ安堵や台風過 わかば
放映の大仏開眼虫すだく うつぎ
強風の仕業やぎんなん散らばれり こすもす
栗の毬割れて移ろふ能勢路かな 小袖
甲山稜線くっきり秋澄めり 宏虎
大盛りの新米供へ父母偲ぶ かかし
潜り戸にやんちや坊主の括り萩 かかし
白粉花ラッパのごとし昼下がり 小袖
象吠える満月鼻に巻きこみて 素秀
白粉花鼻筋白くおままごと よう子
生垣を燭の灯漏るる月の宴 素秀
山なみを群れなし泳ぐ鰯雲 愛正
土手下の草のささやき秋の声 愛正
遼遠に銀嶺見ゆる花野かな みのる
秋高し三十三段女坂 小袖
蜘蛛の囲の潮風孕む札所かな なつき
終日の暴風警報野分き後 こすもす
秋澄むや鋏の音は隣家より せいじ
明月を眺めん土手を歩きつつ 素秀
秋の雨まだ降りつづく被災地に よし子
神木の洞の闇より秋の声 はく子
秋暑しカーブミラーが有らぬ向き せいじ
子の肩に勲章のごと赤とんぼ みのる
エスカレーター連なる句友敬老日 よし子
雨に濡れ色の際立つ桔梗かな わかば
稲の香に心安らぐ心地かな はく子
爽やかに百四歳の笑顔かな わかば
尻もちや強情な稗抜きざまに みのる
園児らの来会うれし敬老日 せいじ
鳥威し雀百羽の一目散 かかし
花薄供えて墓前華やげる よし子
山祇に落とす賽銭つくつくし うつぎ
磴走る宮司の裾の爽気かな そうけい
夕風をさそいて寂し鉦叩 よし子
海坂をいまし顔だすけふの月 素秀
台風の余波や一歩も出ず一日 こすもす
蜑の庭ブイ吊したる葡萄棚 なつき
百日紅独居の漢の掃き掃除 そうけい
旅立を待ちて居並ぶ秋つばめ こすもす
溝蕎麦の横たふ畦や休耕田 愛正
去年同じ蕎麦の花見し友急死 宏虎
秋霞手打ち蕎麦屋の一里鐘 そうけい
秋日和ぎゆうぎゆう詰めの島渡船 なつき
刈り込みの鋏の音す涼新た せいじ
畦道を虫の合唱聞きながら はく子
推敲の手すさびとなり秋扇 うつぎ
摂津三川すすきの原の千の風 よし子
古寺の色なき風や音もなし 愛正
本心でないことも言ふ秋扇 うつぎ
青林檎買ったよと夫笑みこぼし 小袖
川床を割く水流や秋の声 愛正
席譲られ敬老の日を諾べなひぬ よう子
曼珠沙華一斉点火畦朱し 宏虎
白仏陀座し色萩の枝垂れけり 宏虎
箔薄く宝珠に重ね秋彼岸 小袖
海浜の揺るる塔婆や鰯雲 そうけい
鳳仙花触るれば鉄砲玉のよう よう子
秋汐に浮沈してをる礁かな みのる
避暑客の揺るるピアスや島渡船 なつき
虫強くすだく掃き出し窓の辺 せいじ
凛として無垢なる白の桔梗かな わかば
2020年09月02日
白椅子とテーブル爽やかカフェテラス はく子
上州と野州のせめあい秋の雷 愛正
稲田風吹き上ぐ一夜堤かな なつき
大津絵の護符嚢中に秋遍路 素秀
菜園の道通せんぼ鹿の糞 小袖
稲の香や細き建売並び建つ なつき
丹波路の自家製自慢とろろ汁 かかし
虫の音を拾ひ拾ひて車椅子 せいじ
谷戸に流る子等の合唱秋澄める うつぎ
蒔絵蓋閉じて声止む法師蝉 素秀
コーヒーの水にこだはる生身魂 よう子
序破急の竹の葉擦れや野わけ前 よう子
青栗のたわわやトンネル出た途端 こすもす
驚きはその大きさや桐一葉 こすもす
草刈女腰に手を当て天仰ぐ そうけい
法師蝉追伸の文字見直しぬ かかし
吹き上がり風の精霊蜻蛉かな うつぎ
桟橋に切れし釣り糸鯔飛べり なつき
ガンマンの如く夕日に立つ案山子 みのる
合唱のコスモス畑に流れ来る うつぎ
つとふれて揺らして見るは吾亦紅 小袖
ビル群を襲ふがごとく入道雲 そうけい
色鳥の来ているらしい板庇 よし子
大甕に溢る秋草道の駅 わかば
利根秘境一気に下る秋の雷 愛正
秋風に自転車で帰る親子かな そうけい
爽涼や女性コーラス練習日 小袖
蝋涙の虜となりし秋蚊あり みのる
芋の葉の雨粒くるり朝日射す かかし
一徹の有機農法稲穂波 かかし
卓上の小瓶に野の花草の花 はく子
スプリンクラー子等逃げ惑ふ処暑の庭 愛正
蝉死して季節は一つ移りけり よし子
幼児がカードにシール敬老日 せいじ
絵手紙の仄かににじむ月夜かな 素秀
見送りの門に明るき月の夜 わかば
マイチェアに蠅虎の鎮座して せいじ
錦絵の赤を散らせて曼珠沙華 素秀
返信用封筒入りの文さやか せいじ
ふと我に返れば庭の虫しげし うつぎ
秋爽や黒髪決めてリクルート よう子
ポイントの予約夜長の四苦八苦 せいじ
風死してコロナ禍の鬱なほ増せり はく子
山鳩鳴く颱風前の静けさに うつぎ
会議録届けし先の花桔梗 こすもす
葉を重ねヤツデてかてか庭残暑 菜々
額づきて泣いてゐるらし秋遍路 みのる
街道はいま裏通り葛の花 小袖
山頂の郵便局より秋便り よう子
いつの間に苅田幾枚天高し こすもす
釣鐘の小さき刻字や秋気澄む そうけい
とんぼうに先を越されしベンチかな かかし
手裏剣のとびかふごとく鵯の谿 みのる
夢あつく語る挨拶敬老日 みのる
背戸口の地に引きずりし秋簾 よう子



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