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2023年09月25日
1 まっすぐの河岸を染めあげ曼珠沙華 | えいじ |
2 花らららロマンスの風纏ってる | 小牧 |
3 棟上げの空いっぱいにひつじ雲 | 小牧 |
4 秋涼し庭の手入れは除草から | 丹三 |
5 古書店の奥はおそらく真葛原 | 広夢 |
6 坂のぼる自転車レース秋の風 | しげ木 |
7 居待月毎時にカーテンあけてみる | しげ木 |
8 ほうき草のやさしき揺れに愚痴を吐く | おはる |
9 友いずこ届かぬ文や萩の庭 | 水琴窟 |
10 空蝉や風に煽られしがみつき | 修晶美 |
11 彼岸花月のあかりを受け出でる | 修晶美 |
12 はにかみて伏し目かげんに秋海棠 | 長操 |
13 揺り椅子の軋しみて秋の時を消し | 長操 |
14 十日月雲の山越え白く出で | 語后池 |
15 唄う如星屑下の虫の声 | 語后池 |
16 茸狩り登り来て霧の中独り | 水琴窟 |
2023年09月24日
1 読経に舟を漕ぎつつ秋彼岸 | えいじ |
2 秋分の日菩提寺参る気だけある | 丹三 |
3 曼珠沙華探して歩き見つからず | 丹三 |
4 割れ口で分ける柘榴の粒ひかる | しげ木 |
5 皮付きの楊枝を添える切り林檎 | しげ木 |
6 テレビ消し耳傾ぐ庭虫の声 | 長操 |
7 ドアミラーバックミラーにも盆の月 | 長操 |
8 台風の一過の後や空群青 | 修晶美 |
9 祭り笛響き呼応す秋の虫 | 修晶美 |
10 微風に包まれて聴く昼の虫 | 語后池 |
11 半袖の産毛を撫でる秋の風 | 語后池 |
12 秋場所の終わりてのちに鍋かこむ | おはる |
13 秋の雨錠の回らぬ裏白戸 | れいこ |
14 赤信号早く来いよと猫じゃらし | れいこ |
2023年09月23日
1 五条川紅の帯なす曼珠沙華 | えいじ |
2 薩摩芋使った菓子が出る季節 | 丹三 |
3 クーラーをつけると寒い爺の場所 | 丹三 |
4 秋彼岸おはぎの皿の餡すくう。 | しげ木 |
5 砂丘湖に砂とぶ岸の秋灯 | しげ木 |
6 雲は去り山はとどまり秋の暮 | 広夢 |
7 いつの間に布団を探る朝の秋 | 語后池 |
8 秋分の雨に小さく囃子の音 | 語后池 |
9 三本の夕焼けの雲曼珠沙華 | おはる |
10 青空に火炎が走る秋の暮れ | 修晶美 |
11 ゴーゴーと松の木ゆらす秋夜風 | 修晶美 |
12 秋彼岸好物おはぎ二個供へ | れいこ |
2023年09月22日
1 秋晴や夫婦して持つ力石 | えいじ |
2 彼岸花髪をカールに気は新た | 水琴窟 |
3 秋涼しカテキン欲しく緑茶飲む | 丹三 |
4 虫の声いろいろ換る我が庭よ | 丹三 |
5 都市公園ブナの疎林の草の花 | しげ木 |
6 生垣の根方どくだみの紅葉 | しげ木 |
7 月見酒仲間と飲むや山頭火 | 広夢 |
8 秋雨や一葉を浮かす溜まり水 | 修晶美 |
9 秋雨や虫の音響く雨上がり | 修晶美 |
10 柵の間に瑠璃色見ゆる蛍草 | 語后池 |
11 ぱらぱらと乾く軒打つ九月雨 | 語后池 |
12 ひと房の葡萄の先に空を見る | おはる |
2023年09月21日
1 焚きあげし湯気の薫りや今年米 | えいじ |
2 晩秋や錆びたブランコ押してみる | 水琴窟 |
3 四季咲きの赤薔薇ドアの脇二輪 | 丹三 |
4 薩摩芋蔓がよれ葉を付け直す | 丹三 |
5 夕鐘の止むとき白風のこりけり | 長操 |
6 自動ドア開いて色なき風の過ぐ | 長操 |
7 秋鵜飼かがりに紅の照る鵜匠 | しげ木 |
8 草花の苗を花壇に白露の日 | しげ木 |
9 朝顔や次々と咲く朝が来た | 語后池 |
10 梨柿に葡萄を供え彼岸入り | 語后池 |
11 黒塀を濡らす秋雨絵を残し | 修晶美 |
12 花曇りはやる心もおだやかに | 修晶美 |
13 葡萄描く夫の横顔夜深し | おはる |
14 一心に草を食む牛秋の原 | 水琴窟 |
15 朝練のソフト部の声秋高し | 睦花 |
16 軒下の燕いつしか去にけり | れいこ |
17 青空に流れるごとく鰯雲 | れいこ |
18 上履きを干したる空や秋桜 | 睦花 |
2023年09月20日
1 うす白く粧ひし葡萄ひとつ摘む | えいじ |
2 菓子貰い敬老の日と気付く爺 | 丹三 |
3 梨五個の重さで悟る衰えよ | 丹三 |
4 屋根と屋根すき間いっぱい鱗雲 | しげ木 |
5 柘榴の実大陸移動のミニモデル | しげ木 |
6 秋風や火照る吾身を冷ましをり | 語后池 |
7 秋蝶や吹かれ見る間に空高く | 語后池 |
8 神輿揺り神の心を昂らす | 広夢 |
9 街路樹の木陰求める残暑かな | 修晶美 |
10 遠雷の雨雲恋し残暑かな | 修晶美 |
11 夜の鐘一つ鳴きけり秋の風 | 広夢 |
12 稲光われに返りて書を閉じぬ | おはる |
13 老猫が帰ってこない秋の雨 | れき |
14 長き蛇に三歩下がりて穴惑 | れいこ |
15 穴惑赤い銭紋首立てて | れいこ |
2023年09月19日
1 雲の端を透かして秋の朝日かな | えいじ |
2 葉の上の茶色蟷螂陽を浴びる | 丹三 |
3 珍しく蛇を見つけた道路際 | 丹三 |
4 蟷螂やはよお帰りよ暑くなる | 修晶美 |
5 金色で雲間ふちどる秋の暮れ | 修晶美 |
6 宵の月日と別れつつ光りけり | 語后池 |
7 茅踏んで曲がるトラック土手の辻 | しげ木 |
8 農道のはた草の実を食む雀 | しげ木 |
9 老いてなほダメージジーンズ栗拾ふ | 広夢 |
10 憲法論一冊読みて夜長かな | 広夢 |
11 シンク角すっくと伸びる西瓜の芽 | れき |
12 縁側の隅にすっくと西瓜の芽 | れき |
13 大雨にうたれしあけび土に這ふ | おはる |
14 横顔に鶏頭手向け子規偲ぶ | 翡翠 |
15 秋の夜あの娘にサッと追い抜かれ | 翡翠 |
16 幼子の枕並べて寝待ち月 | れいこ |
17 芋虫や筋だけ残しキャベツの葉 | れいこ |
2023年09月18日
1 すじ雲の重ね綾なす秋夕焼 | えいじ |
2 涼風の空気の軽くなりにけり | 修晶美 |
3 地引網ゴンズイ踏んで我忘れ | 修晶美 |
4 啄木鳥のモールス信号松林 | しげ木 |
5 ただ稲を刈ればアイデアふっと湧く | しげ木 |
6 柿の苗今年初生り三年目 | 広夢 |
7 三日月や仄かに光り宵に入り | 語后池 |
8 竹を伐る塀越えの枝念入りに | 丹三 |
9 運動会ラインで孫の動画見る | 丹三 |
10 秋風に少し遅れて犬のこゑ | 長操 |
11 秋風を振り払ひ行くランドセル | 長操 |
12 ほうき草森のかたちにつとなりぬ | おはる |
13 ほうき草しなやかに揺れ一日暮れ | おはる |
14 空青く天に雲なし敬老日 | 語后池 |
15 片足のない松虫も鳴いている | れき |
16 石鎚の山頂で飲む生ビール | 広夢 |
17 アンテナに烏悠然秋日暮れ | 水琴窟 |
18 墓参り子鳶天より舞い降りる | 翡翠 |
19 東のぞく南みあげる居待ち月 | れいこ |
20 くさむらの瑠璃の青さや帽子草 | れいこ |
2023年09月17日
1 赤蜻蛉夕日に映えて回遊す | えいじ |
2 頬杖を気づけばついて秋の月 | 広夢 |
3 秋の暮知人の急に年老いて | 丹三 |
4 韮の花庭の唯一の彩りよ | 丹三 |
5 黄昏て蝉の鳴き声主代わり | 修晶美 |
6 寒鴉轢死のたぬき食いにけり | 修晶美 |
7 凛と立つ草花の朝の爽やかさ | 語后池 |
8 オレンジの空と空気の秋夕焼 | しげ木 |
9 覚めて見る屋根の連なり真夜の月 | しげ木 |
10 朝顔や白粉ほのか花弁すじ | 語后池 |
11 長き影やや俯きて秋の暮 | 睦花 |
12 柔すぎる今年最後の桃を剝く | れき |
13 柔すぎる桃剝く祖母と二人きり | れき |
14 土かわき秋の気配の身に近し | おはる |
2023年09月16日
1 道せばの真直ぐに秋の朝日かな | えいじ |
2 平凡でさびしい坂の夕紅葉 | 広夢 |
3 木の下の草叢あたり虫の声 | 丹三 |
4 庭の隅虫が集まる韮の花 | 丹三 |
5 コスモスを俯瞰で写す自撮り棒 | しげ木 |
6 雨の降る林の奥に曼珠沙華 | しげ木 |
7 早苗田爆雨のしぶき一になり | 修晶美 |
8 岩木山里で色づく稲穂かな | 修晶美 |
9 日が照ればまた影歩く残暑かな | 語后池 |
10 朝顔の朝の艶かさ暑の果てか | 語后池 |
11 球めがけ猛者駆け回る子規忌かな | 翡翠 |
12 薄曇り秋風のなか何もなし | おはる |
13 水面飛ぶ微かな羽音糸蜻蛉 | れき |
14 蒼天や裂けて柘榴の粒ひかる | ふくふ |
15 十六夜電車の灯り待つ迎車 | れいこ |
16 プランタ一ひと夜に生えしきのこ三つ | れいこ |
2023年09月15日
1 新米の緩む隙なし袋詰め | えいじ |
2 まだ秋よインフルエンザ流行るけど | 丹三 |
3 薩摩藷伸び過ぎた蔓折り返す | 丹三 |
4 日の昇る同じ屋根から望の月 | しげ木 |
5 年一度飾る薄が庭の隅 | しげ木 |
6 女高生二学期朝の突っ走り | 語后池 |
7 秋風に連れられて来た彼岸花 | 小牧 |
8 蟷螂や助けしはずが猫奪い | 修晶美 |
9 岩木山りんご畑が森と化し | 修晶美 |
10 茶碗ひっくり落ち葉散る秋かな | 広夢 |
11 妙齢を纏う色なき風の過ぐ | 長操 |
12 朝風にひらく朝顔立つ蕾 | 語后池 |
13 コスモスの茎の強さに息をのむ | おはる |
14 コスモスのかすかにゆるる昼下がり | おはる |
15 晴天や木槿一輪咲いている | れき |
16 此処とここ路線をなぞる秋の地図 | ふくふ |
17 雨上がり騒音だけの無月かな | れいこ |
2023年09月14日
1 屋根上のだいだい色や秋夕焼 | えいじ |
2 陽は落ちて古池眠る白芙蓉 | 広夢 |
3 にわか雨慈雨を得て土黒々と | 修晶美 |
4 秋の虫かまどに響く菜切音 | 修晶美 |
5 こおろぎの口は複雑よく動く | しげ木 |
6 げんこつで畝に穴あけ大根蒔く | しげ木 |
7 雨警報黒い雲から稲光 | 丹三 |
8 ひまわりの末の一輪大ぶりよ | 丹三 |
9 家並の影伝い行く残夏なり | 睦花 |
10 星月夜仰げば背なに温き土 | 睦花 |
11 秋蝶や羽一振りで地に降りる | 語后池 |
12 夕映えのじんわり熟れるゴーヤかな | れき |
13 木通の実日陰に育ち口閉ざす | おはる |
14 見え隠れ木通の成りて二つ三つ | おはる |
15 縁側に母と座りて小望月 | れいこ |
16 新しき地蔵の帽子秋桜 | ふくふ |
2023年09月13日
1 秋雨の雲間に光る朝日かな | えいじ |
2 雨上がり空の真上に昼の月 | 丹三 |
3 ミニトマト最後の一つ実を付けて | 丹三 |
4 枝豆を根のついたままおすそ分け | しげ木 |
5 はざかいの畑にひとむら秋桜 | しげ木 |
6 腐葉のる白茸の足ふときかな | ふくふ |
7 霧流る天藍色の広き湖 | ふくふ |
8 夏雲の白く光りて動かざる | おはる |
9 湧き上がる夏雲のごと背伸びする | おはる |
10 雷雲の龍が如くに駆け上り | 修晶美 |
11 さるすべりそよと揺れて花散らし | 修晶美 |
12 昼夜も絶え間なし鳴く鉦叩 | 語后池 |
13 デイパック始発を待ちて秋気澄む | 睦花 |
14 東屋のベンチ軋みて秋日和 | 睦花 |
15 朝日受け壁一面に花糸瓜 | れき |
16 鈴虫や踊り疲れて湯に眠る | れいこ |
2023年09月12日
1 月暈や草に沸きたる虫時雨 | えいじ |
2 重陽や山岳保険更新す | ふくふ |
3 蟷螂や網戸の隅で威嚇して | 修晶美 |
4 雨あがり虫の音急に騒がしく | 修晶美 |
5 薩摩藷蔓伸び庭の全体に | 丹三 |
6 暦は秋パーティーの服出してみる | 丹三 |
7 トラクターが畝立てていく大根蒔き | しげ木 |
8 真夜中に覚め天上の望の月 | しげ木 |
9 夕涼みに歩き帰へれば虫を聞く | 広夢 |
10 産土や友の住んでるラ・フランス | 広夢 |
11 祭り後の跡形無くし蔵う粋 | 語后池 |
12 足元の朝顔の花数えをり | おはる |
13 暁に金鱗となる鰯雲 | 語后池 |
14 老猫が煮干しをねだる秋の暮 | れき |
15 秋袷水面に映る赤と青 | 翡翠 |
16 散歩路の足元濡らす白露かな | 睦花 |
17 帆船のマスト四本秋高し | 睦花 |
18 暗闇に馬追聞きし奥座敷 | れいこ |
2023年09月11日
1 物干しに銀の滴や秋時雨 | えいじ |
2 雨音で聞こえぬ庭の虫の声 | 丹三 |
3 台風で買い込んだパン食べ続け | 丹三 |
4 童らは笑い転げよ藍の花 | 広夢 |
5 包丁で一刀両断初西瓜 | 広夢 |
6 蟷螂や網戸にへばりこちら見る | 修晶美 |
7 赤とんぼ網戸に驚き急展開 | 修晶美 |
8 間引菜の砂を残した鍋の底 | しげ木 |
9 かけ終えて梯子の残る稲架のあり | しげ木 |
10 日入るまえ和らぐ日差し秋の蝉 | 語后池 |
11 新米を炊く鬼婆の鼻歌よ | れき |
12 干潮や釣れる釣れるのちさき鯊 | れいこ |
13 釣り人や釣っては放つちさき鯊 | れいこ |
2023年09月10日
1 銀光る足場で仰ぐ天高し | えいじ |
2 強風に耐えた青柿日を浴びて | 丹三 |
3 台風は逸れても庭に雨溢れ | 丹三 |
4 秋雨や砂地を掘りて川となり | 修晶美 |
5 街灯にはじけて煙る秋の雨 | 修晶美 |
6 まんまるの青い毬栗たわわなる | 語后池 |
7 秋の朝走る靴音かろやかに | 語后池 |
8 山栗拾ひこれは秘密の贈り物 | 広夢 |
9 花街に紅葉散りたり微風かな | 広夢 |
10 灯台に秋の夕暮れ磯の上 | しげ木 |
11 夕餉あと薄く皮むく梨小ぶり | しげ木 |
12 ゴーヤ熟る臓器のごとく赤き種 | れき |
13 帆の下りしマストにとまる秋の月 | 睦花 |
14 ランタンの灯り始むる秋の宵 | 睦花 |
2023年09月09日
1 養老の山また山へ鬼蜻蜒 | えいじ |
2 大雨に耐え残れたか虫の声 | 丹三 |
3 台風が持って行ったよ土手の土 | 丹三 |
4 雨止んで空を滑走赤蜻蛉 | 修晶美 |
5 大磯やアオバトあおる波しぶき | 修晶美 |
6 稲妻に雲の重なり浮き上がる | しげ木 |
7 田の中を四駆の軽が稲運ぶ | しげ木 |
8 役場支所に実をなし始む柘榴かな | 広夢 |
9 秋湿り本屋で見つけ地蔵の書 | 広夢 |
10 秋めくや空き地に一つすべり台 | 水琴窟 |
11 秋雨や大輪に垂れ涙如 | 語后池 |
12 迷走し吾を惑わす野分かな | 語后池 |
13 霧深し羽音響かす伝書鳩 | れき |
14 猿山へ落ちゆく遠き夏帽子 | 睦花 |
15 蟋蟀や遅き夕餉の訪ねびと | 睦花 |
2023年09月08日
1 秋晴れや点なる飛機の銀光り | えいじ |
2 大雨に土流される薩摩芋 | 丹三 |
3 ついに出た我が町産の新米よ | 丹三 |
4 静寂から鉦叩きの音五打二連 | 語后池 |
5 雨音に代わりて響く虫の声 | 修晶美 |
6 涼風に煽られ紡ぐ蜘蛛の糸 | 修晶美 |
7 終の地の一人暮らしや梨の花 | 広夢 |
8 靖国におらぬ兵士や沖縄忌 | 広夢 |
9 自転車の始業は間近散らす萩 | しげ木 |
10 軽トラのヘッドライトで稲架かける | しげ木 |
11 雨すこし混じるそよ風野分け前 | 語后池 |
12 花糸瓜皆うなだれる暴風雨 | れき |
13 蝉の殻残し七日の宙を知る | 長操 |
14 旅人となりたる朝の鰯雲 | 睦花 |
15 上履きを干したる空や秋桜 | 睦花 |
2023年09月07日
1 薄雲のグラデーションや秋の夕 | えいじ |
2 穴惑い庭に穴掘りシェルターよ | 丹三 |
3 ダンサーよ色鳥ならぬ色人か | 丹三 |
4 ゆったりと竹林を行くスズメバチ | れき |
5 夕焼けに子らもぼうっと眺めけり | 修晶美 |
6 土用波ザザーっと引いて足取られ | 修晶美 |
7 魚河岸にひとでの乾く厄日かな | 広夢 |
8 山頂の広場のカメラ流星雨 | しげ木 |
9 秋に入る図書を買ひ込む半年分 | 広夢 |
10 ブナの木へひよどりの声すずめ去る | しげ木 |
11 百段を登りて仰ぐ秋高し | 睦花 |
12 終点のバス停待てば赤蜻蛉 | 睦花 |
13 西向きののっぽ向日葵ついに咲き | 語后池 |
14 女学生真すぐ傘立て雨九月 | 語后池 |
15 廃屋やゑのころ草のまぶしきに | 長操 |
16 ゑのころの川原は風になじみをり | 長操 |
2023年09月06日
1 碧天を金の鈴めく樗の実 | えいじ |
2 朝の空半分だけの月残り | 丹三 |
3 草叢の蟷螂小ぶり今はまだ | 丹三 |
4 落花生煎る祖母の背の細くなり | 睦花 |
5 灯台の白き峰ゆく赤蜻蛉 | 睦花 |
6 朝靄の眠気を晴らす百舌鳥の声 | れき |
7 秋の浜風に吹かれるあおい貝 | しげ木 |
8 波静か三日月かかる佐渡島 | しげ木 |
9 雨月やころろんぶと樋の雨 | 修晶美 |
10 夏終わりザブンと寄せる岩の波 | 修晶美 |
11 道の草はや秋色になりにけり | 語后池 |
12 落栗は山のメグミよ供へけり | 広夢 |
13 秋湿り旅館の床間の角柱 | 広夢 |
14 炎天や鳥待ち人の消えた池 | 翡翠 |
15 白桃やつるりとむけてにおいたつ | れいこ |
2023年09月05日
1 残照に西瓜香れる厨かな | えいじ |
2 秋の雲高卒者みな家を捨つ | 広夢 |
3 秋初め河口に沈む虚蟹 | 広夢 |
4 秋雨や恋に敗れてつく家路 | 修晶美 |
5 秋雨や青空映す水たまり | 修晶美 |
6 逆上がり地蹴りまわる子秋の空 | 語后池 |
7 そっと開け外出て仰ぐ星月夜 | 語后池 |
8 部屋の隅姪のしぼんだ水風船 | れき |
9 空いてきた温水プール爺歩く | 丹三 |
10 引き出しにビスケットあり百舌鳥の贄 | 丹三 |
11 着陸の機上から見る揚げ花火 | しげ木 |
12 上段へアンダースロー稲架かける | しげ木 |
13 秋立ちぬ昨日と違ふ海の青 | 睦花 |
14 新豆腐トランポリンの弾むやう | 睦花 |
15 黒トンボつかず離れず飛び回る | 翡翠 |
16 歳の数葡萄盛られしタルトかな | れいこ |
17 片影やガニ股チワワ待つベンチ | れいこ |
2023年09月04日
1 夕映えの黄金の翅や秋茜 | えいじ |
2 まだ死ねぬ八十歳余の秋の家 | 広夢 |
3 松茸や二度目の急雨何のその | 広夢 |
4 秋雨や樋にあふれる水の音 | 修晶美 |
5 捨てられて彷徨う子犬秋の雨 | 修晶美 |
6 夕闇に光る簪浴衣の児 | 丹三 |
7 虫の声かき消すテレビバスケット | 丹三 |
8 国道の午後の待避所女郎花 | しげ木 |
9 株元をひと枝伸びる秋のバラ | しげ木 |
10 向日葵が折れてしまった拳振る | 語后池 |
11 新米や釜底のこげ食う子供 | れき |
12 闇の夜ふわっと白き百日紅 | れいこ |
13 旱天の慈雨に老鯉飛び跳ねる | れいこ |
2023年09月03日
1 主治医ごと救急箱に震災忌 | 広夢 |
2 夜半の月静かに照らす夢の中 | 広夢 |
3 横たわる蝉の翅透く秋の暮 | えいじ |
4 小枝差し釣りし思い出蝉の穴 | 修晶美 |
5 土用波しぶきをあげて迫り来る | 修晶美 |
6 畦道に人影浮かぶ揚げ花火 | しげ木 |
7 もみ殻を焼く白煙が紫煙へと | しげ木 |
8 七輪に熾火を待ちて鰯雲 | 睦花 |
9 新涼やブルームーンがついてくる | 睦花 |
10 山の恵み栗は拾って食膳に | 丹三 |
11 秋の川掛かった鯉を上げられぬ子 | 丹三 |
12 月照らす天はほのかに蒼い闇 | 語后池 |
2023年09月02日
1 西瓜喰む端切れ二三を庭に放る | えいじ |
2 初もぎのブドウ遺影の母の笑み | 小牧 |
3 藤豆の下でジェラート抹茶味 | しげ木 |
4 刈り終えて残照の中稲架かける | しげ木 |
5 土用波テトラポッドに砕け散り | 修晶美 |
6 灼け砂に泣いて転がるあわてん坊 | 修晶美 |
7 木の実落つ風なき靄の登山口 | 広夢 |
8 花芒達磨夕日の沈む海 | 広夢 |
9 秋晴れに庭の葉枯れて水を撒く | 丹三 |
10 年寄の寝覚めた耳に虫の声 | 丹三 |
11 親と子か泣き飛ぶ夕の秋烏 | 語后池 |
12 薄雲に透けてぼんぼり月明り | 語后池 |
13 大地這いあばれ過ぎゆく野分かな | れいこ |
14 秋茄子小ぶりにしまり母泣かせ | れいこ |
2023年09月01日
1 秋夕焼腹を空かせてミイ帰り | 広夢 |
2 ちちろ鳴く交番前の薄明り | 広夢 |
3 盆の月薄雲あれど皓皓と | 丹三 |
4 秋草に隠れたやもり小さくて | 丹三 |
5 砂山に熱気の残る星月夜 | しげ木 |
6 日が暮れてなお稲を刈るライト二機 | しげ木 |
7 朝窓にふっと流るる秋の風 | 修晶美 |
8 朝窓にしみいる蝉の声変わり | 修晶美 |
9 妻言うやほんとまんまる秋の月 | えいじ |
10 ほの甘いのど鳴りしみる梨の水 | 語后池 |
11 秋の宵風にぴゅるると稽古笛 | 語后池 |
12 魂の目覚めたるごと螢草 | れいこ |
2023年08月31日
1 物干しのたなびく衣空さやか | 語后池 |
2 ちちろ鳴く交番前の薄明り | 広夢 |
3 秋夕焼腹を空かせてミイ帰り | 広夢 |
4 両足でいがを剥いては栗拾う | 丹三 |
5 塀越しに突き入る枝に柿一つ | 丹三 |
6 夕焼けや赤白黄色渦巻いて | 修晶美 |
7 青空を縦横無尽秋あかね | 修晶美 |
8 稲架かける梯子の人へ束渡す | しげ木 |
9 コンバイン袋の籾の重いこと | しげ木 |
10 泥川に逆らい泳ぐ緋鯉あり | 翡翠 |
11 朝曇り膝つき媼何祈る | 翡翠 |
12 一斉に体操の子等端居の爺 | れいこ |
13 ひとり居の宵に佇む白木槿 | れいこ |
2023年08月30日
1 山道の凹に一個秋があり | 広夢 |
2 句会閉づ秋の夜なりカシオペア | 広夢 |
3 運動会家族証提げ孫を見る | 丹三 |
4 子供らは親の刈る先蝗とる | しげ木 |
5 空に向け投げて放った黄金虫 | 丹三 |
6 秋雨はまだかまだかと人も木も | しげ木 |
7 夕焼けを座して見下ろすおぼろ富士 | 修晶美 |
8 赤とんぼ気流がのせて青空へ | 修晶美 |
9 白鷺の舞う田に遠く赤城山 | 水琴窟 |
10 葉隠れのきのこの潜む雨の森 | 水琴窟 |
11 阿蘇山の蹄の音や草いきれ | やすこ |
12 朝霧に浮かぶ天草天主堂 | やすこ |
13 バケツ鯊大口開けてひしめきぬ | れいこ |
2023年08月29日
1 赤とんぼ青空高く吸い込まれ | 修晶美 |
2 桜花散る特攻に思い馳せ | 修晶美 |
3 夜長し寝覚めた耳に庭の音 | 丹三 |
4 忙しい孫と行けるか栗拾い | 丹三 |
5 霧の中建つ石塔の鐘を引く | しげ木 |
6 飛び石に秋の長雨傘いらず | しげ木 |
7 段畠耕す農民空高し | 広夢 |
8 鬼灯の燃えてる色やわれの家 | 広夢 |
9 バス旅の飛び込んでゆく夏の空 | 水琴窟 |
10 夕焼けやビニルハウスの赤く染む | やすこ |
11 草の花一輪添へるテラス席 | やすこ |
12 旗踊り口紅地蔵けふ施餓鬼 | 翡翠 |
13 米山を黄金に包む稲穂かな | れいこ |
14 幼子の地蔵にたむける草の花 | れいこ |
2023年08月28日
1 悔いなしといひたき道や鳳仙花 | 広夢 |
2 書斎へと差し込む夜の小望月 | 広夢 |
3 家並みの上に半分遠花火 | 丹三 |
4 苧殻焚く燻る中に紙も焼べ | 丹三 |
5 花むくげ野外ライブのKポップ | しげ木 |
6 透けるよう真っ白な雲萩の上 | しげ木 |
7 打ち上がる花火に奇声外人も | 修晶美 |
8 花火見て子供が興奮夜なべして | 修晶美 |
9 あめんぼう煌めく水輪悠々と | やすこ |
10 跳ねし鯉背中の上をあめんぼう | やすこ |
2023年08月27日
1 致死量の月光さして蔓は枯る | 広夢 |
2 自転車で下れば顔に赤とんぼ | 広夢 |
3 幼児プール水の掛け合い父と児よ | 丹三 |
4 長袖でダンスができる秋となり | 丹三 |
5 処暑になお積乱雲の湧き上がる | しげ木 |
6 前栽で育てる桃の色ほのか | しげ木 |
7 ドンと鳴り海面を照らす花大輪 | 修晶美 |
8 半月が海を照らして花火待つ | 修晶美 |
9 石段やかんざし揺るる浴衣の娘 | やすこ |
10 朝顔の蔓の彷徨う青き空 | やすこ |
11 夏雲や十二神将並び立つ | 水琴窟 |
12 秋夕日真っ赤な機体青空へ | れいこ |
13 舞いあぐりしなうガウラや秋の風 | れいこ |
2023年08月26日
1 この暑さ玉龍までも枯れ始め | 丹三 |
2 どこで踊る駅に大勢浴衣の娘 | 丹三 |
3 打ち上がる花火の合間を月照らし | 修晶美 |
4 花火見てさかなをあてにもう一杯 | 修晶美 |
5 秋風や備前の壺を焼く煙 | 広夢 |
6 自転車で下れが顔に赤とんぼ | 広夢 |
7 雨のあと花茎の伸びる秋海棠 | しげ木 |
8 そちこちに稲架作る人道路わき | しげ木 |
9 包丁の黒縞分ける西瓜かな | 睦花 |
10 木道の割れ目にのぞく草の花 | 睦花 |
11 桃好きの義父より届く桃の箱 | やすこ |
12 爺の星探す吾子の手天の川 | やすこ |
13 秋立つや夕暮れ風の通り道 | 水琴窟 |
2023年08月25日
1 墓掃除入りこむ草そっと切る | 丹三 |
2 ゴミ袋西瓜の皮の重みあり | 丹三 |
3 秋晴れや地平線まで続く空 | 水琴窟 |
4 海望むはまなす実る砂防の簾 | しげ木 |
5 山なみの起伏のままに葡萄棚 | しげ木 |
6 虫取りで気がせき揺れる爺の網 | 修晶美 |
7 蝉しぐれ朝の静けさ切り裂いて | 修晶美 |
8 日焼けの子水筒揺らし登校日 | やすこ |
9 秋の月葉陰に光り回り道 | やすこ |
2023年08月24日
1 バス向きを替へて産土へ秋を行く | 広夢 |
2 秋の虫鳴き声終日賑はす | 広夢 |
3 盆飾り蝋燭に代え豆電球 | 丹三 |
4 庭に蝉窓つい開けて逃げられる | 丹三 |
5 学生の自転車の列泡立草 | しげ木 |
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