投句控


2019年5月   
カルピスと麦のストロー昭和去る  たか子
麦秋やサイクリストがペダル漕ぐ  よし女
麦秋ゃ二筋三筋煙立つ  三刀
麦秋や農免道路一直線  こすもす
うどん屋の犇めく讃岐麦の秋  小袖
旅宿に姉妹の語り明け易し  菜々
走りても足の出ぬ夢明早し  素秀
ほろ酔いに寝入る心地や明易し  ぽんこ
麦秋ゃ一郷黄色の海となる  三刀
麦秋の中に停めある高級車  よし女
旅の夜の語らひつきず明易し  わかば
小湊の漁船沖行く明け易し  智恵子
厨から妻のハミング明易し  みのる
分校の正午の鐘や麦の秋  よし子
明易や湖に出たる漁り舟  隆松
明易やポストに落ちる新聞紙  隆松
明易しひとり納豆ご飯食ぶ  せいじ
麦秋や昼灯はずむ郵便車  なつき
起き抜けのベッドの白し夏の朝  なおこ
明け易し外湯めぐりの下駄の音  菜々
三姉妹笑窪の母似麦の秋  宏虎
奥入瀬の渓流の音明易し  わかば
麦秋や播磨平野の豊かなる  わかば
なほ続く仮設の暮し明易し  みのる
自家製のパンの焼き頃麦の秋  ぽんこ
想い出は蝋涙のごと梅雨にいる  よう子
畦に立ち鼬首振る麦の秋  素秀
跡継ぎも生れて父祖の地麦の秋  菜々
短夜やサスペンス本薄表紙  よう子
気にかかる夢の顛末明け易し  たか子
青嶺らし降下の飛機の生駒より  よう子
麦秋の匂い満載路線バス  智恵子
明易や生きてたよ夫言ふて起き  明日香
明易し音の近づく救急車  満天
明易や始発電車の走る音  明日香
明易や夢に出る人皆彼の世  董雨
麦秋や一瞬に過ぐ新幹線  三刀
麦秋のすくっと背伸び風去なす  ぽんこ
夕の畦おぶる子あやす麦の秋  智恵子
明易し夢に実家のブロック塀  こすもす
麦秋ゃ麦藁帽の見え隠れ  三刀
麦秋やフランスパンの焦げ具合  たか子
明易し数多の鯉の跳ねる音  満天
麦秋の水路に鎌を洗ふ爺  智恵子
検診も六年目なり麦の秋  素秀
自転車の風切る親子麦の秋  よし子
明易や看取りの母の手を握る  よう子
麦秋や野に現はるゝ金四角  もとこ
湖の辺も彼方に在りて麦の秋  隆松
右手左手おくる視線や麦の秋  隆松
麦秋やご縁の会てふ里帰り  せいじ
明易し先ずチェックする互選かな  こすもす
田畑は黄金の波麦の秋  ぽんこ
麦の秋札所詣での鈴つづく  菜々
コンバイン幾何模様なす麦の秋  よう子
彩雲の現れてセピアや麦の秋  智恵子
玄関に旅カパン置き明易し  董雨
スタンドを引寄す読書明易し  ぽんこ
まほろばの転作地増ゆ麦の秋  明日香
麦秋や村に一軒なんでも屋  うつぎ
明易し胸に確かむパスポート  なつき
麦秋や水音軽く水車まふ  董雨
満目の麦秋に胸躍らせて  わかば
四万十川の大きく曲がり麦の秋  うつぎ
麦秋の映画の中や原節子  宏虎
父母に祖母みな登場や明け易き  もとこ
後ろ手に組んで並びて麦を踏む  たか子
母に会ふ夢の途中や明易し  よし子
麦秋やマーマレードを水に溶く  せいじ
麦秋の刈り残されてコンバイン  董雨
歳月の流るる如し明急ぐ  董雨
寝返りの容易ならざり明易し  うつぎ
麦秋の中ゆっくりと一両車  満天
明易し瞼の裏の眩ゆけり  隆松
明易や閉め忘れし戸なほ放つ  よし女
明急ぐ夢も未完となりにけり  素秀
少年の眠りは深し明易し  よし子
戸袋に雛の鳴き声明易し  なつき
明易し灘の遠近漁船の灯  やよい
明け易ゃ朝刊配るバイク音  三刀
明易し探偵小説謎多し  宏虎
黒い穂を母と抜いた日麦の秋  小袖
長々き貨車が通貨す麦の秋  よし女
山の宿露天湯に起き明易し  宏虎
佐賀平野見渡す限り麦の秋  やよい
兄妹のトトロごっこや麦の風  なつき
見渡すに近江平野の麦の秋  小袖
麦秋をセピアにつつむ夕帷  みのる
明易や門灯のつい消し忘れ  明日香
こうのとり舞う青空や麦の秋  こすもす
明易やみのるの日記読めばなほ  明日香
ひと吹きの風の音聞く麦の秋  素秀
麦の秋彼方に碧き近江富士  菜々
明易の舟屋は何処もがらんどう  うつぎ
短夜やナースの仮眠のいかほどに  小袖
フルートの風わたる如麦の秋  もとこ
麦秋や赤子の顔のまん丸に  なつき
失明の義姉にハグする麦の秋  やよい
久々に合わす目覚し明易し  こすもす
明け易しひとりのラヂオ深夜便  もとこ
冷え性をかこち湯浴みす夏の朝  せいじ
明易し雨戸の隙間日の射して  満天
断捨離を突如始めし麦の秋  せいじ
対岸は須磨か明石か麦の秋  よし子
麦の穂の鳥よけと云ふ尖り方  たか子
見晴かす美瑛の丘の麦の秋  みのる
明易しおしゃべり止まぬ軒雀  満天
明易や蓋開けて待つ洗濯機  うつぎ
明易や妻覚むるまで待機中  みのる
茜さす明石大橋明易し  やよい
いなみ野の麦秋今に輝けり  わかば
新聞の配達単車明易し  宏虎
かわかわと先づ鴉から明易し  もとこ
夏暁や畑に水遣る一と仕事  よし女
麦秋の平野を左右に高速路  やよい
2019年4月   
生駒嶺の変らぬ起伏春惜しむ  たか子
那智黒の一歩に辿る庭若葉  ぽんこ
若葉風髪上げ仰ぐ飛行雲  智恵子
椎若葉指を触れれば吸ひ付きて  明日香
神苑の鹿のお辞儀に若葉風  もとこ
枝先の柿の若葉を渡る風  董雨
良き影の喬木城の樟若葉  わかば
小祠や千年の幹楠若葉  よう子
平成の御代を最後に春惜しむ  宏虎
ミーアキャット立つて嗅ぎたる若葉風  なつき
廃屋に柿若葉のみ明るけり  素秀
納骨の墓新しく春惜しむ  素秀
句敵と奈良飛火野に春惜しむ  せいじ
昨日今日春惜しむにはこの寒さ  もとこ
参道は一直線や若葉光  満天
奥比叡のぞむ石庭春惜しむ  やよい
移り行く深山の景や春惜しむ  ぽんこ
就中楓若葉の明るさよ  みのる
若葉濃き奈落を埋む一の谷  わかば
岩間から伸び雑木の若葉かな  素秀
鳴き交わす雀の声や柿若葉  三刀
木漏れくる日の斑も揺るり若葉風  隆松
菩提樹の若葉あかりに大仏殿  なつき
新しき時代の足音若葉風  三刀
惜春やふるさと山河まなうらに  菜々
春惜しむ比叡借景の寺庭に  はく子
足に寄り餌を乞う鳩に春惜しむ  董雨
春惜しむ海を眺めの屋上に  うつぎ
登山者へ惜し気もあらず若葉風  たか子
渓谷の吊り橋ゆする若葉風  智恵子
目標は若葉の森や目指す寺  こすもす
小流れを覆ふ若葉のシャワー浴ぶ  明日香
目に染むる直哉旧居の窓若葉  せいじ
友と聴く講演会に春惜しむ  こすもす
ナビ片手崩れ土塀に春惜しむ  小袖
せせらぎの天蓋となる溪若葉  宏虎
畦道の散歩頬撫ず若葉風  こすもす
アカペラのハモり伸びやか若葉風  なつき
惜春やあれもこれも見逃して  もとこ
打ち返す波音を聞き春惜しむ  三刀
カレンダー風にめくられ春惜しむ  須磨子
一列にロードバイクや若葉風  うつぎ
浴槽を磨きて清し若葉風  よし女
若葉燃ゆこの家に嫁して六十年  菜々
目に若葉メタセコイアの並木ゆく  隆松
まほろばをテクテク歩きて春惜しむ  もとこ
惜春の灯のともりたる浮見堂  うつぎ
若葉雨空のどこかが明るくて  菜々
〆を巻く朽ちた切株春惜しむ  ぽんこ
どっぷりと朝湯につかり春惜しむ  はく子
惜春や母の句帳の薄き文字  たか子
ケーブルカー若葉かきわけ天目指す  智恵子
咲くもあり散るものありて春惜しむ  董雨
「でんぐり返り」の子供の像に若葉風  よし女
神在す苔むす大樹樟若葉  ぽんこ
鳶の舞ふ能勢の青空春惜しむ  宏虎
刻印の残る城垣若葉燃ゆ  わかば
柿若葉少年の声よくとおる  やよい
まんまるのハートは桂若葉かな  はく子
惜春やハズキルーペで読む季語集  よし女
鴨川へトランペット吹き春惜しむ  満天
若葉雨メタセコイアを滴りぬ  隆松
若葉萌ゆ塚の敦盛寧かれと  みのる
昭和以降知らぬ夫や春惜しむ  こすもす
春惜しむ茅葺き屋根の雨垂れに  みのる
飴くれてはにかみし児や草若葉  須磨子
平成の名残の雨や春惜しむ  やよい
春惜しむ衣類整理の須臾に過ぐ  よし女
惜春の直哉旧居に傘置き来  うつぎ
断捨離といふことばあり春惜しむ  みのる
厨より朝の楽しみ窓若葉  明日香
新たなる元号決まり若葉光  董雨
柔らかき陽射しの中に春惜しむ  三刀
一雨に山は全き若葉色  よし子
春惜しむ古し灯籠苔むして  董雨
見慣れたる山美しく若葉もゆ  三刀
神さびや楠の大樹の金若葉  よし女
春惜しむ七十路歩むハイカーと  せいじ
若葉道カーブ曲がれば目に映へし  隆松
防波堤足ぶらつかせ春惜しむ  智恵子
バス停の屋根は小さし若葉雨  よし子
惜春や鼓聞こゆる能舞台  ぽんこ
百年の母校百年の楠若葉  菜々
若葉萌え鎮守枝張る楠大樹  宏虎
若葉雨出遅れた木々元気づけ  明日香
降り頻るものの多くや春惜しむ  わかば
武庫川の泡立つ淀み春惜しむ  たか子
浪花には八百八橋春惜しむ  よう子
春惜しむフェルメール展見逃せり  たか子
藍若葉雑草ととも葉を開く  素秀
立て膝で子規の座机春惜しむ  なつき
ささやきの小道と標春惜しむ  小袖
駅頭の足湯に旅の春惜しむ  みのる
ホルン待つ子鹿の群れや春惜しむ  小袖
京の寺社三つをめぐりて春惜しむ  はく子
憶良詠む七種の花に若葉風  もとこ
教会にハープの演奏春惜しむ  はく子
楓若葉殊に眩しき神の庭  やよい
鴨川の流れゆるやか春惜しむ  満天
春惜しむもぬけの部屋に椅子一つ  よし子
花の色日ごとに変わり春惜しむ  智恵子
若葉風ビンテージジーンズの青  よし子
春惜しむ川面にビルの迫りくる  よう子
ねねの道ゆるゆる巡り春惜しむ  菜々
佐保山の暮れゆく空や春惜しむ  よし子
むせ返る若葉の香る城址かな  わかば
庭若葉朝の頁の開きにけり  うつぎ
まづ拝むぽつくり菩薩若葉寺  なつき
玄関よりサンルームまで若葉風  こすもす
文豪の和洋の庭に春惜しむ  せいじ
エマオへの道も斯くやと若葉影  せいじ
故郷の歌合唱し春惜しむ  満天
文楽の碑のある村や春惜しむ  よう子
陽のさしてより艶増せり柿若葉  宏虎
城跡の石垣隠し若葉かな  素秀
丁寧に鍬を洗ひて春惜しむ  よう子
木漏れ日や紅葉若葉の影踊る  明日香
大蛇めく枝八方に樟若葉  やよい
萬葉園ひとめぐりして春惜しむ  満天
2019年3月   
診断の加齢と一言山笑ふ  満天
水温む河馬ゆつくりと水を這ふ  よう子
石段の一段飛ばし山笑ふ  うつぎ
水温む瀬音を聞きつ握り飯  三刀
長寿とは生きる事なり山笑ふ  宏虎
輝ける水車の飛沫水温む  うつぎ
山笑ふやめる勇気の白髪染め  なつき
水温みよちよち歩き公園に  満天
太極拳翳したる手に山笑ふ  みのる
雑木山萌黄に笑ひそめにけり  みのる
屋上より鷺の睥睨温む池  ぽんこ
おはようと云ふ人をりて水温む  もとこ
馬の背を辿る人増ゆ山笑ふ  わかば
水温む出合の水音優しけり  三刀
首伸ばし白鷺漁る水温む  董雨
切岸へ淡き色つけ山笑ふ  わかば
水温む轟音止まぬ洗堰  せいじ
小流れの流れ合うとこ水温む  よし子
水温む亀の漂ふ城の池  やよい
水温む娘が来るという知らせ  須磨子
山笑ふ改装急ぐ道の駅  よし女
トンネルを貫通させて山笑ふ  はく子
庭の実を鳥食べ尽くし山笑ふ  みのる
吊り橋に繋がる両の山笑ふ  はく子
太閤のお天守ゆらぎ濠温む  菜々
水温む嫁御来る日の大そうじ  もとこ
水温む米研ぐ音の緩やかに  董雨
校門に迎えママ達山笑う  小袖
新しき靴を降ろす日山笑ふ  素秀
絶壁の小便小僧山笑ふ  素秀
ガン見せる夫睨む妻山笑ふ  せいじ
トレールランひとあし毎に山笑ふ  素秀
山笑ふ風倒木をそのままに  せいじ
むつかしや今の家族は山笑ふ  もとこ
図書館へも少しひく紅山笑ふ  こすもす
パパママとおててつなげば山笑ふ  みのる
堂島の揺蕩ふ川や水温む  明日香
水温む鳥の集まる手水鉢  明日香
さんさんと日照雨に濡れて山笑ふ   ぽんこ
わらべ地蔵寝転ぶ足や水温む  智恵子
飛行船追いかける子ら山笑ふ  智恵子
水温む泥はね上がる潦  明日香
利かん気は母似で父似山笑ふ  なつき
山笑ふ吊り橋揺らす子恐がる子  菜々
水温む手押しポンプの鳴りやまず  うつぎ
山笑ふ迷路めきたるジャンクション  よう子
吾を叱咤しては百磴山笑ふ  やよい
山笑う麓を巡り福祉バス  小袖
水温む鷺のぬき足さし足に  みのる
遊具よりこぼれ落つ子や山笑ふ  なつき
山人の畑の手入れや山笑ふ  よし子
引き波の音高らかや水温む  せいじ
陸奥へ親子の旅や水温む  よう子
一片の異動通知や山笑ふ  よう子
川登る数多の鯉や水温む  満天
池温む観音山に抱かれて  菜々
山笑う改装中の道の駅  三刀
水温む池に鳥よけネット張り  よし女
山寺は四方の山々笑ふなか  よし子
懐に鳥語包みて山笑ふ  わかば
末つ子の公園デビュー水温む  菜々
草野球の応援合戦水温む  こすもす
山彦の呼べば応えて山笑ふ  よし子
一雨にうふふおほほと山笑ふ  明日香
御手洗のマニキュアの指水温む  よし子
山笑ふ恵方と信じ退院す  宏虎
山笑ふ課外授業の子らの声  うつぎ
谷戸流るせせらぎの音水温む  董雨
池の面へ差す日柔らか水温む  わかば
蘆の角細波まとひ水温む  宏虎
抜き足の鷺の濃き影水温む  やよい
温む池亀の懸垂浮き沈み  ぽんこ
舟べりに波のゆらゆら水温む  こすもす
伐採を終へて明るし山笑ふ  よし女
陵を二つ麓に山笑ふ  はく子
水温む底澄む岸辺魚の影  三刀
餌を待ちてただ立つ鷺に水ぬるむ  はく子
山笑ふ御朱印帳のはやいつぱい  素秀
水温む大師井に置く長柄杓  なつき
水温む会話の弾む車椅子  満天
くまもんの名札のリュック山笑ふ  なつき
水温み大大阪の渡船かな  もとこ
林立のはためく幟水温む  こすもす
まな板の音も軽やか水温む  やよい
SLの運行開始山笑う  三刀
遠近にしし鍋看板山笑うふ  よし女
助走して飛び越す小川水温む  うつぎ
水温むふんだん流し糶終はる  宏虎
山笑ふ呵呵大笑に山笑ふ  明日香
道の駅ゆるむ財布や山笑ふ  ぽんこ
決め事は大安吉日山笑ふ  宏虎
鍬杖に腰を伸ばせば山笑ふ  智恵子
山笑ふ下戸も詣でし酒の神  菜々
鈴鳴らし背負ふリュックや山笑う  智恵子
応援のボリューム高し山笑ふ  こすもす
高空に鳶の帆翔山笑ふ  素秀
噛み合はぬ媼の会話山笑ふ  やよい
鳥居くぐり笑ふ御山をめぐりけり  はく子
水温む水路に洗ふ野菜かな  智恵子
トンネルを越せば晴天山笑ふ  ぽんこ
球のごと太りし猫や山笑ふ  せいじ
ビル谷間古墳乱立山笑ふ  もとこ
足音に寄り来る鯉や水温む  董雨
温む水掬ひてお礼参りかな  みのる
水温む病院通ひ解かれたり  よう子
山笑ふ口は動けど足動かず  満天
堰落つる瀬をはずませて水温む  わかば
山笑ふ湖面に水皺走らせて  よし女
2019年2月   
引越しの挨拶笑顔暖かし  満天
万蕾に枝絡む日のあたたかし  みのる
啓蟄やタンカー浅瀬に乗り上ぐる  よし女
暖かき園に行厨吟行子  智恵子
春暖や和製アマルフイてふ漁村  やよい
偶に出る外の日溜まり暖かし  董雨
啓蟄に蟻のますます働けり  素秀
暖かや浜の万葉歌碑綴る  わかば
地虫出づ人間社会さわがしや  よし子
啓蟄や土の香混じる風そよぐ  素秀
啓蟄の満車の多きパーキング  更紗
はやぶさの着地成功地虫出づ  やよい
あたたかや十年を経し癌術後  やよい
啓蟄やべそをかく子の膝丸し  もとこ
虫偏の苦手な吾なれ地虫出づ  たか子
啓蟄や母の晴れ着を出してみる  明日香
啓蟄の土を吐き出す蟻の穴  みのる
啓蟄や菰取り外す園の松  董雨
啓蟄や通院もまた試歩とせん  せいじ
啓蟄や大地の熱気伝わり来  わかば
啓蟄や地べたで遊んだ昔の子  よし子
啓蟄の風に乱さる髪のまま  素秀
啓蟄の画面に夫の農日誌  菜々
暖かやよちよち歩き公園に  満天
啓蟄や飼い犬でんと吾を睨み  よし女
一輪車乗れたと破顔暖かし  たか子
啓蟄や走り出したら止まらぬ子  なつき
啓蟄やバーゲンセール賑はヘリ  三刀
湿布薬貼ってくれる手暖かし  よし女
啓蟄や農機具並べ総点検  こすもす
啓蟄やベランダ転がるだんご虫  はく子
啓蟄の蟻さんごめん鉢移植  みのる
啓蟄やみみず伸びたり縮んだり  はく子
啓蟄や洗濯物のよく乾く  董雨
啓蟄や廃屋毀つ土臭ふ  やよい
日本人親切心の暖かし  宏虎
風呂上り母の手編みを着てぬくし  董雨
今日こそは庭の手入れぞ暖かし  宏虎
屏風岩仏めく彫り温かし  小袖
暖かやレジャーシートに犬も居り  更紗
道路工事員の笑顔あたたかし  なおこ
啓蟄や町長選挙に町沸きぬ  うつぎ
啓蟄や見合ひ写真を急ぎ撮る  せいじ
地虫出て道草始まるランドセル  菜々
啓蟄や狭きテントの親子連れ  ぽんこ
ボール蹴るおさな移り気地虫出づ  よう子
啓蟄や夫とおはよう言ひ交し  よし女
うまい児の百面相や縁ぬくし  菜々
啓蟄や子らは移住の新天地  やよい
暖かや婚の吉報郵便来  宏虎
啓蟄や温水要らぬ台所  明日香
手に触れて連理の句碑の温かし  みのる
畦の香や雨後の大地の暖かし  智恵子
地虫出づ路上喫煙取り締まり  なつき
杖で来る回覧板の暖かし  うつぎ
あたたかや久闊を叙す笑い顔  ぽんこ
靴ひもを直すベンチの暖かし  せいじ
啓蟄や再登録の用紙来る  明日香
十字切る右近の視線あたたかし  ぽんこ
啓蟄やタイヤ交換何時にせん  こすもす
暖かや母の眼に児の遊ぶ  よう子
啓蟄や大地復活とげにけり  わかば
列島はあちこち揺れて地虫いづ  たか子
焼き討ちの恐れも知らず地虫出づ  たか子
暖かき雨しめやかに降る夜かな  わかば
啓蟄や古書街友と急くもなし  智恵子
暖かき日差しに母の髪を梳く  わかば
啓蟄や腐葉土そろそろ使いごろ  こすもす
偕老の相づち会話あたたかし  よう子
啓蟄を咥へむとすや鳥降下  隆松
春暖の光遍き山河かな  三刀
啓蟄や畦道を行く人の影  三刀
歩き初む子を見る曾祖母あたたかし  はく子
暖かや心を込めてする握手  董雨
出産待つ娘と語らひてあたたかし  なつき
暖かき日射し背にして草を取る  三刀
突然の鳥の羽ばたき森温し  せいじ
啓蟄や靴履き替へし吟行子  隆松
あたたかや樹齢五百の楠大樹  はく子
啓蟄やよくぞ潜れり地下の駅  宏虎
啓蟄や道路工事のはじまりぬ  よし子
スカートをはきたくなる日地虫出づ  よう子
あたたかや異国語溢れ富士のバス  もとこ
相席の二言三言あたたかし  うつぎ
子らの声響く園庭暖かし  智恵子
啓蟄にまた誘われて旅支度  もとこ
啓蟄や畦やはらかな土の香が  明日香
啓蟄やパステルカラーの靴を履く  なおこ
啓蟄や真つ赤な靴の先とがる  なつき
啓蟄や花壇整備のボランティア  こすもす
暖かや地蔵尊への供華あふれ  満天
読み聞かす保母さんの声暖かし  三刀
啓蟄や門を出で来る園児どち  せいじ
啓蟄や鼻息あらきブルドッグ  みのる
あたたかや鳩も見ている天守閣  よし子
畑掘れば眠たき地虫転ぐり出  よし女
啓蟄の手にして迷ふ羽織もの  更紗
砂利の山シャベル黄ばかり地虫出づ  小袖
触角を大きく回し地虫出づ  うつぎ
啓蟄や髪型変えてアナウンサー  菜々
啓蟄や土と親しむ暮らしして  明日香
ホームグラウンドの地虫穴を出づ  なおこ
風ぬくしデッキに立ちて島巡り  隆松
ふくよかにリボンを結びあたたかし  更紗
引越しの後の珈琲あたたかし  更紗
啓蟄や風あり厳し現世知る  宏虎
いやいやをおぼへたる子やあたたかし  はく子
啓蟄や煙一筋作業小屋  こすもす
啓蟄や泥を付けたる革の靴  素秀
啓蟄やまだ眠たくて出られない  ぽんこ
暖かや巡礼渡る竹生島  隆松
暖かきうたた寝の手にクリスティー  もとこ
啓蟄や散歩に畦を踏みしめて  隆松
啓蟄や城の砦は野面積み  たか子
警官に褒めらるる犬暖かし  うつぎ
啓蟄や虫食い野菜道の駅  智恵子
啓蟄や砂にまみれしテニス靴  ぽんこ
啓蟄や売地の杭を濡らす雨  素秀
暖かや小槌のやうな種もらひ  なつき
啓蟄の戸口に試歩の松葉杖  菜々
啓蟄や旅の話は盛り上がる  満天
啓蟄や赤白帽子菜園に  満天
啓蟄や街に騒めき戻りをり  もとこ
啓蟄や選挙カーらし谷こだま  よう子
壁の絵の藤田の猫のあたたかし  よし子
2019年1月   
初鳩の等間隔や人の道  董雨
法令線深くなりしか初鏡  満天
子ら去りて妻とふたりの初映画  せいじ
抱つこして吊革持たす初電車  なつき
新しい鉛筆削り初句会  菜々
多賀詣でローカル線の初電車  小袖
大仏の御手よりこぼれ初雀  みのる
災(さい)のなき年を願ふや初暦  やよい
蒸したてのおこわに列の初大師  ぽんこ
変顔を比べあひして初笑  なおこ
舞初や扇子のなれる傘や槍  素秀
有名校ばかりへ祈願初天神  たか子
初飾り朝日に光る商店街  智恵子
水鳥のほのぼのと浮く初景色  はく子
初鏡横からのぞく目元似て  なつき
老いし母目の前に居る初鏡  明日香
間の空きて言葉探せり初電話  素秀
初春の淀滔滔とあをあをと  菜々
初鴉神の使いと崇められ  宏虎
囲みしは誕生日なり初暦  素秀
太柱鋲も梅なり初天神  たか子
洛北に降り立ちて上ぐ初比叡  明日香
邂逅の友と嬉しき初茶会  わかば
初鏡裏に昭和の日付あり  よう子
幼くも亥の一文字を書き初むる  こすもす
髪切つて首すじ清し初手前  なつき
手を伸ばす牛の頭や初天神  明日香
初市の億といふ値の大まぐろ  たか子


前頁なし