投句控


2019年2月   
引越しの挨拶笑顔暖かし  満天
万蕾に枝絡む日のあたたかし  みのる
啓蟄やタンカー浅瀬に乗り上ぐる  よし女
暖かき園に行厨吟行子  智恵子
春暖や和製アマルフイてふ漁村  やよい
偶に出る外の日溜まり暖かし  董雨
啓蟄に蟻のますます働けり  素秀
暖かや浜の万葉歌碑綴る  わかば
地虫出づ人間社会さわがしや  よし子
啓蟄や土の香混じる風そよぐ  素秀
啓蟄の満車の多きパーキング  更紗
はやぶさの着地成功地虫出づ  やよい
あたたかや十年を経し癌術後  やよい
啓蟄やべそをかく子の膝丸し  もとこ
虫偏の苦手な吾なれ地虫出づ  たか子
啓蟄や母の晴れ着を出してみる  明日香
啓蟄の土を吐き出す蟻の穴  みのる
啓蟄や菰取り外す園の松  董雨
啓蟄や通院もまた試歩とせん  せいじ
啓蟄や大地の熱気伝わり来  わかば
啓蟄や地べたで遊んだ昔の子  よし子
啓蟄の風に乱さる髪のまま  素秀
啓蟄の画面に夫の農日誌  菜々
暖かやよちよち歩き公園に  満天
啓蟄や飼い犬でんと吾を睨み  よし女
一輪車乗れたと破顔暖かし  たか子
啓蟄や走り出したら止まらぬ子  なつき
啓蟄やバーゲンセール賑はヘリ  三刀
湿布薬貼ってくれる手暖かし  よし女
啓蟄や農機具並べ総点検  こすもす
啓蟄やベランダ転がるだんご虫  はく子
啓蟄の蟻さんごめん鉢移植  みのる
啓蟄やみみず伸びたり縮んだり  はく子
啓蟄や洗濯物のよく乾く  董雨
啓蟄や廃屋毀つ土臭ふ  やよい
日本人親切心の暖かし  宏虎
風呂上り母の手編みを着てぬくし  董雨
今日こそは庭の手入れぞ暖かし  宏虎
屏風岩仏めく彫り温かし  小袖
暖かやレジャーシートに犬も居り  更紗
道路工事員の笑顔あたたかし  なおこ
啓蟄や町長選挙に町沸きぬ  うつぎ
啓蟄や見合ひ写真を急ぎ撮る  せいじ
地虫出て道草始まるランドセル  菜々
啓蟄や狭きテントの親子連れ  ぽんこ
ボール蹴るおさな移り気地虫出づ  よう子
啓蟄や夫とおはよう言ひ交し  よし女
うまい児の百面相や縁ぬくし  菜々
啓蟄や子らは移住の新天地  やよい
暖かや婚の吉報郵便来  宏虎
啓蟄や温水要らぬ台所  明日香
手に触れて連理の句碑の温かし  みのる
畦の香や雨後の大地の暖かし  智恵子
地虫出づ路上喫煙取り締まり  なつき
杖で来る回覧板の暖かし  うつぎ
あたたかや久闊を叙す笑い顔  ぽんこ
靴ひもを直すベンチの暖かし  せいじ
啓蟄や再登録の用紙来る  明日香
十字切る右近の視線あたたかし  ぽんこ
啓蟄やタイヤ交換何時にせん  こすもす
暖かや母の眼に児の遊ぶ  よう子
啓蟄や大地復活とげにけり  わかば
列島はあちこち揺れて地虫いづ  たか子
焼き討ちの恐れも知らず地虫出づ  たか子
暖かき雨しめやかに降る夜かな  わかば
啓蟄や古書街友と急くもなし  智恵子
暖かき日差しに母の髪を梳く  わかば
啓蟄や腐葉土そろそろ使いごろ  こすもす
偕老の相づち会話あたたかし  よう子
啓蟄を咥へむとすや鳥降下  隆松
春暖の光遍き山河かな  三刀
啓蟄や畦道を行く人の影  三刀
歩き初む子を見る曾祖母あたたかし  はく子
暖かや心を込めてする握手  董雨
出産待つ娘と語らひてあたたかし  なつき
暖かき日射し背にして草を取る  三刀
突然の鳥の羽ばたき森温し  せいじ
啓蟄や靴履き替へし吟行子  隆松
あたたかや樹齢五百の楠大樹  はく子
啓蟄やよくぞ潜れり地下の駅  宏虎
啓蟄や道路工事のはじまりぬ  よし子
スカートをはきたくなる日地虫出づ  よう子
あたたかや異国語溢れ富士のバス  もとこ
相席の二言三言あたたかし  うつぎ
子らの声響く園庭暖かし  智恵子
啓蟄にまた誘われて旅支度  もとこ
啓蟄や畦やはらかな土の香が  明日香
啓蟄やパステルカラーの靴を履く  なおこ
啓蟄や真つ赤な靴の先とがる  なつき
啓蟄や花壇整備のボランティア  こすもす
暖かや地蔵尊への供華あふれ  満天
読み聞かす保母さんの声暖かし  三刀
啓蟄や門を出で来る園児どち  せいじ
啓蟄や鼻息あらきブルドッグ  みのる
あたたかや鳩も見ている天守閣  よし子
畑掘れば眠たき地虫転ぐり出  よし女
啓蟄の手にして迷ふ羽織もの  更紗
砂利の山シャベル黄ばかり地虫出づ  小袖
触角を大きく回し地虫出づ  うつぎ
啓蟄や髪型変えてアナウンサー  菜々
啓蟄や土と親しむ暮らしして  明日香
ホームグラウンドの地虫穴を出づ  なおこ
風ぬくしデッキに立ちて島巡り  隆松
ふくよかにリボンを結びあたたかし  更紗
引越しの後の珈琲あたたかし  更紗
啓蟄や風あり厳し現世知る  宏虎
いやいやをおぼへたる子やあたたかし  はく子
啓蟄や煙一筋作業小屋  こすもす
啓蟄や泥を付けたる革の靴  素秀
啓蟄やまだ眠たくて出られない  ぽんこ
暖かや巡礼渡る竹生島  隆松
暖かきうたた寝の手にクリスティー  もとこ
啓蟄や散歩に畦を踏みしめて  隆松
啓蟄や城の砦は野面積み  たか子
警官に褒めらるる犬暖かし  うつぎ
啓蟄や虫食い野菜道の駅  智恵子
啓蟄や砂にまみれしテニス靴  ぽんこ
啓蟄や売地の杭を濡らす雨  素秀
暖かや小槌のやうな種もらひ  なつき
啓蟄の戸口に試歩の松葉杖  菜々
啓蟄や旅の話は盛り上がる  満天
啓蟄や赤白帽子菜園に  満天
啓蟄や街に騒めき戻りをり  もとこ
啓蟄や選挙カーらし谷こだま  よう子
壁の絵の藤田の猫のあたたかし  よし子
2019年1月   
初鳩の等間隔や人の道  董雨
法令線深くなりしか初鏡  満天
子ら去りて妻とふたりの初映画  せいじ
抱つこして吊革持たす初電車  なつき
新しい鉛筆削り初句会  菜々
多賀詣でローカル線の初電車  小袖
大仏の御手よりこぼれ初雀  みのる
災(さい)のなき年を願ふや初暦  やよい
蒸したてのおこわに列の初大師  ぽんこ
変顔を比べあひして初笑  なおこ
舞初や扇子のなれる傘や槍  素秀
有名校ばかりへ祈願初天神  たか子
初飾り朝日に光る商店街  智恵子
水鳥のほのぼのと浮く初景色  はく子
初鏡横からのぞく目元似て  なつき
老いし母目の前に居る初鏡  明日香
間の空きて言葉探せり初電話  素秀
初春の淀滔滔とあをあをと  菜々
初鴉神の使いと崇められ  宏虎
囲みしは誕生日なり初暦  素秀
太柱鋲も梅なり初天神  たか子
洛北に降り立ちて上ぐ初比叡  明日香
邂逅の友と嬉しき初茶会  わかば
初鏡裏に昭和の日付あり  よう子
幼くも亥の一文字を書き初むる  こすもす
髪切つて首すじ清し初手前  なつき
手を伸ばす牛の頭や初天神  明日香
初市の億といふ値の大まぐろ  たか子
初暦揺るぎなき日をおくりたし  わかば
書初や左手の筆の巧みなり  せいじ
初試合今年は勝と碁石打つ  董雨
日本の心にかへる初詣  よし子
乗初めは中央局のポストまで  明日香
乗り継ぎの青春切符初詣  小袖
島一つ浮かべて凪の初景色  三刀
初湯殿秘湯の入浴剤入れて  みのる
茶道のおくぎは禅に通づと初映画  よし女
初弘法東寺は人であふれけり  はく子
初暦撥ね年一つ重ねけり  董雨
孫も来て初ドライブす誕生日  董雨
越の国海より明くる初景色  よし子
書初の「正」は苦手や「お正月」  せいじ
初乗や夫の運転変わりなく  ぽんこ
正信偈の音読読書初めとす  こすもす
芸術的ピカソのやうな福笑  よし子
韋駄天の福男なり初戎  宏虎
車椅子ポカポカ陽射す初散歩  智恵子
良きことの多きを願ふ初日記  よう子
初鼓めぐる鎌倉能舞台  智恵子
初護摩供いま転読の唄ふごと  菜々
子ら去にて部屋の静やか初硯  やよい
家族みな元気と記す初日記  みのる
泣き声もまためでたけれ初電話  うつぎ
幼子の一挙一動初笑  もとこ
買初めは氏神さんの守り札  はく子
近況の訛り言葉に初電話  満天
初日記楷書で今日の出来事を  満天
初伊勢や赤福餅をまづ食す  もとこ
当り籤もて白米を買初す  せいじ
初句会饒舌となり忘れ物  よう子
なごやかに家族揃いて初写真  わかば
余生また色分けするや初暦  満天
初句会今年こそはの顔並ぶ  明日香
唯一の己が句集を読み初めに  菜々
初買は俳句の本とカレーかな  宏虎
初空にひとひら残る月ならん  はく子
末社にも初天神の心持て  たか子
初もうで安産祈願の両手に児  なつき
法螺貝に続く一声せり始め  三刀
初夢のまだ何者も現われず  素秀
神妙に巫女集まりて初天神  たか子
指差しの駅員きりり初電車  よう子
夫に添ふ散歩初めや凪の浜  よし女
さだまさし聴きいる仏間初明かり  こすもす
経典て背を打つ音や初観音  三刀
勅題の茶碗を揃へ初点前  うつぎ
家族増え寄って寄ってよ初写真  もとこ
初大師押すな押すなの参拝者  宏虎
初売の大入袋に長蛇の列  ぽんこ
鍬始めすずなすずしろ横に見て  三刀
踏み減りし磚もゆかしや初詣  菜々
中天に千木の輝く初戎  ぽんこ
カレンダーの車列指さす初笑顔  よし女
幕あがる喜寿への一歩初明り  やよい
遠回りする山陰海岸初景色  こすもす
拍手の小脇の犬も初参  ぽんこ
岩風呂へ長き廊下や初明かり  智恵子
初芝居贔屓の太夫出ておらず  よう子
初凪の一湾よぎる物もなし  やよい
初仕事採血にかほ反らしたり  もとこ
初茜千年欅は隆々と  うつぎ
声色を真似て音読読み初め  こすもす
愚痴溢れ聞くばかりかな初電話  もとこ
賽銭の音も高らか初詣  よし子
初電話受話器取り合ふ子等の声  うつぎ
初弘法古色堂塔取り囲み  はく子
群衆の歓声まさに初日の出  小袖
東雲の遠く聞こえし初の鷄  素秀
煤けたる大黒天と初笑  うつぎ
初便りポストはみ出す旅チラシ  智恵子
初夕日の雲間に光り目の眩む  董雨
初旅が汝の弔問にならうとは  みのる
湧き水の音沸々と初山河  三刀
初詣バイトの巫女の初初し  宏虎
風そよぐ台場跡より初比叡  せいじ
白砂浜初松籟にめぐりけり  みのる
初日の出海展けゆく須磨の浦  わかば
家移りの古民家広し初掃除  やよい
子に持たす畑のもの掘る鍬初め  よし女
ゆるキャラが子の頭撫づ初大師  なつき
初夢や足取り軽ろし吟行子  満天
象の耳殻に塗るワセリンや仕事初め  よし女
東雲に心あらはる初明かり  わかば
虚子の句を一幅掛けて初句会  よし子
2018年12月   
日向ぼこ聖歌洩れくる木のベンチ  菜々
高原の並木の分かつ枯野かな  隆松
前は海後は山の枯野かな  宏虎
広ごれる枯野の古き作業小屋  こすもす
灰色の空と溶け合ふ枯野かな  かつみ
色のなき枯野の道を郵便車  よし子
朱の橋のあらはにせしや大枯野  満天
空谷の隧道出ると枯野原  かつみ
日向ぼこして極楽にゐるつもり  よし子
諍ひて鴉の騒ぐ枯野かな  素秀
被災地の枯野に埋もる七ヶ年  海潮音
枯野いま入り口隠す秘密基地  智恵子
日向ぼこ長寿の父母を懐かしむ  小袖
世間から世界の事へ日向ぼこ  たか子
靴を取り足投げ出すや日向ぼこ  隆松
多弁な世話を焼く婆日向ぼこ  宏虎
老いてなほ気丈な人に似し枯野  たか子
雲一朶なに見るでなし日向ぼこ  よう子
枯野へと赤き車両の消えにけり  満天
恙なく百三歳の日向ぼこ  わかば
玻璃ごしに庭を見る猫日向ぼこ  素秀
メモ帳を手元に窓辺ひなたぼこ  三刀
突風に逆らひもして枯野ゆく  せいじ
お尻に根生えて立てざる日向ぼこ  みのる
枯野中前照灯の電車不意  三刀
恙なし転た寝になる日向ぼこ  かつみ
存分に紫外線浴び日向ぼこ  うつぎ
湿原の道は無尽や大枯野  わかば
子守像鳩と雀と日向ぼこ  はく子
真青なる空へ広がる枯野かな  はく子
一輌車に小さき踏切り大枯野  うつぎ
腹掻く手猫とシンクロ日向ぼこ  隆松
電飾の闇に華やぐ枯野かな  智恵子
縁側に日向ぼこして猫がゐて  よし子
石垣にもたれ鍬抱く日向ぼこ  よう子
編み棒の慣れた手つきや日向ぼこ  こすもす
繋がれし山羊の一匹枯野かな  素秀
歳時記を繰りては縁に日向ぼこ  やよい
傍らに俳句本おく日向ぼこ  なつき
孫の婚までは生きたし日向ぼこ  あさこ
石蹴りの子らを隠して枯野原  海潮音
離陸機を頭上に仰ぐ枯野かな  みのる
嘘一つ見抜かれてをり日向ぼこ  海潮音
妻と娘を送りて独り日向ぼこ  せいじ
おしくらまんじゅうめきて婆どち日向ぼこ  こすもす
朱雀門まわりは枯野寂しけり  宏虎
雨上がる雲走らせて枯野原  たか子
連山を遠くに控え大枯野  よし子
お持たせのハワイチョコ分け日向ぼこ  なつき
大枯野大極殿の鴟尾遥か  うつぎ
徘徊の母を枯野に探しけり  素秀
呆として流れる雲や日向ぼこ  三刀
大極殿へカーブ幾つや枯野原  こすもす
山裾に拡ごる家と枯野かな  明日香
川下り見ている猿の日向ぼこ  あさこ
又三郎自由奔放大枯野  たか子
日向ぼこ父母のアルバムめくりつつ  素秀
行けるなら天国希望日向ぼこ  みのる
山あひに段々となる枯野かな  隆松
枯野なる宮址ただ中電車過ぐ  はく子
行き暮れて湯だけが馳走枯野宿  もとこ
畝筋のうつすら残る枯野かな  明日香
日向ぼこ半袖の子は駆け回り  なつき
日向ぼこあの世賑やかかも知れぬ  あさこ
ふところに弁当抱いてゆく枯野  海潮音
山颪遮るものなし枯野かな  智恵子
亡き母の思ひ出一つ日向ぼこ  あさこ
枯野行くショウチャン帽の影一つ  三刀
繰り返す母の言の葉日向ぼこ  わかば
日向ぼこ生命線を見せ合ひて  うつぎ
あれそれと話のつづく日向ぼこ  満天
濯ぎ物干してそのまま日向ぼこ  せいじ
無の境地にはほど遠く日向ぼこ  もとこ
檄文の杭打たれたる枯野かな  みのる
日燦燦一句授かる日向ぼこ  明日香
横に居るはずの人居ぬ日向ぼこ  はく子
草野球土手に陣取り日向ぼこ  智恵子
枯野原ぽつんと小さき道標  小袖
これからはお前が頼り日向ぼこ  明日香
一つ星あげて枯野の昏れなんと  みのる
千年の欅枯野を踏まえ立つ  菜々
大欅見えゐて遠し枯野みち  菜々
こんなにも真っ平らかな大枯野  明日香
煙立つ枯野の端の一軒屋  三刀
末枯れてゆくも美し大和かな  よし子
日向ぼこ子守の爺の先に寝て  なつき
恙なし程よき距離の日向ぼこ  よう子
魚屋道開け眼下の枯野かな  わかば
子やぎ居る枯野に命温かき  たか子
夕映えのワンドを渡る枯野風  せいじ
煙吐く汽車の懐かし枯野かな  小袖
枯野原二分けしたる廃車路  かつみ
小学生駆くる枯野や声高し  隆松
布を刺す一針づつや日向ぼこ  ぽんこ
父となる人の笑顔や日向ぼこ  海潮音
餌をやる枯野の猫を集めては  やよい
野良猫の傍に攻め来る日向ぼこ  かつみ
骨壺を抱きて帰る枯野道  はく子
幼抱きなほ温かや日向ぼっこ  もとこ
庫裡の犬泰然自若日向ぼこ  よう子
同じ席同じ顔触れ日向ぼこ  宏虎
日向ぼこめく大玻璃の車検場  よし女
日向ぼこいつしか祖母は船を漕ぐ  菜々
耳かきのこけしを揺らし日向ぼこ  やよい
枯野原マウンテンバイク走り抜け  ぽんこ
大枯野ふた分けにして札所道  菜々
色褪せし地酒の看板枯野原  こすもす
大枯野果てより響く鳶の笛  よし女
とみかうみ枯野の里を吟行子  やよい
噂とは倍の尾鰭や日向ぼこ  宏虎
置物の猫と見粉ふ日向ぼこ  満天
湖際の眼下に広ごる大枯野  ぽんこ
日向ぼこ土手の少女と盲導犬  智恵子
日向ぼこ昔語りの尽きぬ母  うつぎ
落暉今銀光る大枯野  わかば
ママ友の話尽き無き日向ぼこ  ぽんこ
日向ぼっこ店主も客も釣談義  もとこ
ぽん菓子の爆ぜるを待ちて日向ぼこ  なつき
まっしぐら枯野の中を犬走る  ぽんこ
故友会ひ過日語りて枯野かな  もとこ
参道に真白き猫の日向ぼこ  なおこ
厨房そと煙草くゆらせ日向ぼこ  小袖
噴煙を雲かと紛ふ枯野かな  よし女
日向ぼこ子に話すごと膝に猫  満天
猫もきて寺の床几に日向ぼこ  やよい
緞帳の上がるが如き雲枯野  よし女
百選の棚田を眼下日向ぼこ  せいじ
散歩犬尻目に猫の日向ぼこ  よし女
足跡を隠す枯野の風軽し  よう子
枯野行く目当ては水車廻る茶屋  あさこ
2018年11月   
集合時間なくて気儘や旅小春  やよい
倒木に迂回し辿る落葉道  せいじ
小春日や人の恩知る今門出  もとこ
小春日や団地広場に蚤の市  菜々
丘陵の空真空なる落葉径  ぽんこ
小春日や庭師の這入りさっばりと  あさこ
地の底の確かな温み落葉踏む  うつぎ
吹きたまる落ち葉の嵩の辻地蔵  よし子
な滑りそ飛沫ここまでこの落ち葉  よう子
丘の上の四阿落葉を踏みながら  こすもす
落葉踏み行く木洩日の散歩路  かつみ
生きて見ゆ25万博小春晴  かつみ
鬼ごつこしてをる風の庭落葉  みのる
晴れ着の子満面の笑み小春の日  こすもす
小春日や母の胎内居る如く  宏虎
立ち寄ると娘のメール卓小春  明日香
野地ゆかば靴底ぬくし落ち葉道  智恵子
禅寺の落葉掃かれし石だたみ  あさこ
水平に吹かるる落葉頬を打つ  うつぎ
朴落ち葉その大きさを拾いけり  たか子
交差点落葉愉しげに転げ  なおこ
縁側に漢爪切る小春かな  三刀
浮き島に滲むタンカー浜小春  智恵子
小春日や地蔵様めく力石  小袖
湯呑み手に寛ぐ婆の縁小春  智恵子
小春日の右へ左へ近江富士  満天
一樹立つ小さき盆栽にも落葉  もとこ
卓小春ミルに砕ける豆の音  みのる
まんまるの石を集めて浜小春  やよい
小春日にゴルフ会員辞しにけり  宏虎
大文字山より望む古都小春  せいじ
林道は陽の燦々と落ち葉敷く  智恵子
ゆくりなく師の句碑に会ふ宮小春  うつぎ
鮮やかな落葉も踏みて磴登る  満天
まほろばの瓦彩る柿落葉  もとこ
石頭撫で撫で小春の力石  うつぎ
孫たちと遊ぶ小春の至福時  かつみ
一日旅正倉院の列小春  わかば
そこここに落葉集めて苔の庭  せいじ
艶やかな彩を残して柿落葉  かつみ
柵の中鎮座の力石小春  よう子
恋唄やお染久松墓小春  たか子
落葉積む森に理学部研究棟  菜々
竿のべて釣れずともよし波止小春  みのる
小春凪沖に影濃き祝島  よし女
紺碧の瀞に散らせる落葉かな  うつぎ
踏みこみて嵩に驚く落葉かな  こすもす
銀杏散る六百年の葉を重ね  あさこ
嵩高き落葉の下に眠る皇子  明日香
一輪車乗り回す児園小春  ぽんこ
トルソーの雀も遊ぶ小春かな  よし子
北国にほっと一日の小春かな  よし子
斑鳩の笑い仏や里小春  はく子
小春日やハルカス浮かぶ水鏡  ぽんこ
裏庭の捨つるに惜しい柿落葉  明日香
降りしきる銀杏落葉に翁句碑  菜々
腐葉土へ積みたむ落葉ほっこりと  はく子
公園のボール遊びや落葉舞ふ  満天
今はもう座して小春の力石  小袖
雀二羽老々らしや屋根小春  かつみ
金色の大地銀杏落葉かな  三刀
神木の洞に落葉の吹きだまる  小袖
猫達は屋根にたむろし寺小春  たか子
水影と共々走る銀杏落葉  ぽんこ
小春日や紙飛行機の大回旋  さつき
小春風お礼参りの絵馬鳴れり  なつき
結界や落葉の舞ひて車窓打つ  あさこ
眼帯で夫と手つなぐ小春の日  なつき
小春日や吾が心中に翳りなし  宏虎
湖小春外輪船より周航歌  菜々
落葉踏む音にリズムの生まれけり  わかば
馬の背を歩く人影山小春  わかば
飛機一機銀翼ひかる小春空  よし子
二時間の束の間散歩街小春  こすもす
校長の日課や門の落葉掃く  やよい
落葉風稲荷の狐隠れたり  もとこ
廃屋の屋根や樋まで散落葉  宏虎
唐傘に落葉降りたり骨董市  なつき
小春日や旧居留地のカフエテラス  わかば
朝掃きて夕また掃く落葉かな  三刀
連鎖して風に駈けだす落葉かな  みのる
川下り落葉拾ひの小舟また  さつき
生垣の中より聞こゆ鳥小春  明日香
自家用車は棚田のカフェ窓小春  なおこ
ざくざくと砂利踏む渚小春凪  やよい
ライブへと白髪群れし小春かな  もとこ
苔庭の落葉舞はせて寄せあつむ  なつき
高札場探す箕面の辻小春  よう子
倒木に降り積もりたる落葉かな  せいじ
揺蕩ふて流れ掴みし落ち葉かな  よう子
縁小春話しは弾む嫁姑  菜々
シスターら賛美しながら落葉掃く  みのる
嵩高き落葉二人で掃かねばと  よし女
墓守と猫談義する小六月  たか子
神の杜嵩の落葉に静もれる  はく子
水底の散り敷く落葉色極む  満天
園児らの手つなぎ散歩宮小春  小袖
ロープウエイ小春の日撥ね山上へ  はく子
野良猫の歩みも軽き小春かな  三刀
廃屋や理容店らし落ち葉踏む  よう子
石磴の落葉踏みかけな滑りそ  ぽんこ
駅小春中折れ帽の靴磨き  なつき
月参り直前までの落葉掃き  明日香
境内に散り積む落葉風に舞ふ  宏虎
嬰児を抱けば笑へり小六月  よし女
小春日や勤皇志士の慰霊祭  よし女
小春日の野辺に遊べる心地かな  わかば
行列もルンルン気分小春の日  こすもす
西行の妻子が墓へ落葉道  やよい
哲学の道いま落葉時雨かな  せいじ
落ち葉掘り何かこそこそ森のリス  智恵子
それぞれの印組む羅漢堂小春  たか子
小春日の琵琶湖一周バスツアー  満天
ランナーを追いかく銀杏落葉かな  よし女
落ち葉掃くかさこそ風の音のやう  よし子
踏みしめる柞紅葉の靴の音  三刀
落葉時雨終の一枚吹かれゆく  有香
蕎麦屋まで小春日和の谷戸をゆく  あさこ
落葉積み重ね眠らせ腐葉土へ  はく子
2018年10月   
夕陽に染まり色ます照り紅葉  三刀
漕ぎ出だす車輪の音や無月なる  更紗
霊山はいずこも紅葉寺となり  やよい
山粧ふ大磐座を天辺に  菜々
石磴は易易ならず山紅葉  よし女
剥落の野外ステージ紅葉燃ゆ  よし女
目の高さ幼と合わせ眺む月  こすもす


前頁なし