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2021年3月

彼岸桜突如歩道に舞ひ来たる 董雨
紙風船猫のパンチに凹みけり みのる
天井にディズニーランドの風船 豊実
賽銭箱ことり音なす彼岸寺 宏虎
石段に息つき山の彼岸寺 素秀
ありがたき彼岸法話にうたた寝す みのる
球場へリュックに風船空気入れ よう子
文箱の栞は母の紙風船 素秀
復興を祈り風船飛ばしけり みのる
妻と食ぶ母を詣でて彼岸餅 豊実
彼岸の入荒れた芭蕉の墓詣 ぽんこ
生かされて押し車押す彼岸入り 董雨
疏水路を巡り彼岸の南禅寺 わかば
子供らと折りしは六角紙ふうせん はく子
入彼岸逆縁の子の墓に水 董雨
紙風船さみしい時は高く揚げ 菜々
わがままな日々是感謝彼岸かな もとこ
説法にコロナ禍交え彼岸寺 明日香
彼岸寺釈迦の壁画を開放す ぽんこ
三日目の風船の犬椅子の下 よう子
住職は単身赴任彼岸寺 なつき
折紙の風船つけば重き音 やよい
ふくらますやうに手で突く紙風船 豊実
地蔵尊の前掛け真白彼岸寺 満天
風船の紐垂れ下がる子ども部屋 せいじ
彼岸入り寺にはためく五色幕 やよい
風船をごつこ遊びの刀とす 小袖
風船や真澄に落とす赤き点 素秀
夢を描き園児の作る紙風船 明日香
香煙に身を引き締める彼岸かな 豊実
駅前の花屋の忙し彼岸入り よう子
膨らます水風船の重さかな ぽんこ
風船の旅は何処まで続くやら 小袖
東山靄に包まる彼岸かな わかば
墓じまひ賛否両論彼岸講 みのる
赤ふうせん子離れ空のまんなかへ みづき
白波の河口騒めく彼岸西 素秀
子の部屋に帰り待つかに赤ふうせん みづき
故郷に向かひ経読む彼岸入り 智恵子
山路来て迷ひ込んだる彼岸寺 せいじ
彼岸過ぎ島へ夫婦の連れ立ちて なつき
彼岸入り夫の手塩の仏花かな 明日香
今昔の富山の薬紙風船 わかば
天窓より空見てゐたりゴム風船 なつき
コロナ禍の無沙汰を詫びつ彼岸過ぐ 小袖
人よればいつも聞き役紙ふうせん みづき
紙風船つけば自ずと数へ唄 うつぎ
線香の点火に手間取る彼岸かな こすもす
はためきし五色の幕や彼岸寺 こすもす
猫パンチ風船裂けて飛び跳ねり かかし
好きな皿供ふ牡丹餅お中日 智恵子
肩車パパより高いゴム風船 よし子
手作りの牡丹餅供え彼岸かな こすもす
仏壇のうっすら埃彼岸過 よし子
未来へと五色の風船空高く はく子
彼岸会や婆に教はるかぞへ歌 みづき
角風船つけばあちこち逸れにけり やよい
風船の乱舞に酔ひし甲子園 かかし
7回裏風船飛ばす景の無き たか子
宇宙船真似て風船飛ばす児ら かかし
無住寺の開かずの扉彼岸寒 よう子
ゴム風船通天閣より高く よし子
春ひがん野山に満つる光かな みづき
口すぼめ頬染め吹くやゴム風船 隆松
紙風船旅の駄菓子屋箱溢れ 智恵子
蠟涙や普賢菩薩の彼岸かな ぽんこ
満開の彼岸桜に故郷を 満天
風船の色迷い泣く幼かな 智恵子
紙風船突く度音の潰れゆく たか子
街角の青き風船人寄せに ぽんこ
忿怒の相なして風船膨らます せいじ
彼岸寒いつもの猫も来ずじまい 菜々
綿雲の空に消えゆくゴム風船 わかば
風船を手にする子等の皆笑顔 満天
遅れ来て分けてもらへり彼岸餅 なつき
スタンドに万の風船舞し日も はく子
風船にうづもる一歳バースデー もとこ
風船の靡き眠る児乳母車 かかし
新発意の声代わりして彼岸の経 よし子
父逝きて六十年の彼岸かな 董雨
リハビリに吹く風船や息足りず うつぎ
彼岸寺コロナ鎮めとこそ祈る はく子
突くほどに紙風船の膨らみて 明日香
開店の祝い風船空ヘ逃ぐ 宏虎
紙風船膨らます子の頬真つ赤 みのる
逆縁の子話し多し彼岸かな 董雨
子の来ない父母の寂しき彼岸かな 明日香
彼岸寺無縁墓にも供華数多 満天
薬屋にもらひし四角の紙風船 はく子
閼伽所柄杓新調彼岸寺 宏虎
寺階段こわしと下る彼岸婆 隆松
退院を彼岸の父母に車椅子 やよい
大寺や涅槃図蔵し彼岸入り たか子
老僧の声のはりある彼岸経 よし子
風船を放ちイベント終了す こすもす
円陣の老いの風船バレーかな うつぎ
島の花色とりどりに彼岸寺 うつぎ
小糠雨香煙深き彼岸寺 わかば
長風船きゆきゆと捩ればうさぎさん 小袖
一本の彼岸桜に父母眠り もとこ
彼岸寒堂に潜みし天の龍 もとこ
しぼむとき鳴る風船に風少し 小袖
数へ唄途切れ風船落ちにけり うつぎ
幼なじみと出会ふもうれし彼岸寺 菜々
泣く暇もなく風船の空に消ゆ せいじ
タイガース風船タオル応援す 宏虎
風船やポピンズゆらり浮かび来る もとこ
市たつも疎らな人出彼岸寺 たか子
彼岸寺鐘撞堂の大いなる たか子
山寺に履物溢る彼岸講 隆松
かのおまけ四角でありし紙風船 隆松
名の増へし過去帳供ふ彼岸入 隆松
彼岸寒読経の声もくぐもりて 菜々
薬屋と父の思い出紙風船 こすもす
ゴム風船たちまち犬となりにけり やよい
彼岸会の読経の調べ絶え間なし せいじ
彼岸寺大門開けて歓迎す 宏虎
お楽しみ袋に一つ紙風船 豊実
家中の写真を替える彼岸入り よう子
一便で島を行き来の彼岸過ぎ なつき
風船でペンギン造る園児たち かかし
風船を一気に膨らす肺活量 満天
急登に花束揺るる彼岸墓地 素秀
紙風船しわくちゃなりて宝箱 智恵子

2021年2月

いぬふぐり踏むまじと行く園めぐり 董雨
競ひたる子らの大声犬ふぐり なつき
梅東風や姿見えねど香のほのか 智恵子
いぬふぐりまだ可愛げな道の傍 素秀
犬ふぐり秀でるものの無き同士 たか子
棟上げのクレーン高々雲雀東風 素秀
水子堂切なき絵馬や東風に揺る たか子
朝東風に襟を立てをるバスの列 かかし
梅東風や溢れたる絵馬打ちあひぬ もとこ
東風吹かば河口相打つ舫舟 智恵子
廃線の枕木しとね犬ふぐり たか子
療養中の友へ写真のいぬふぐり こすもす
空の青呼応するかに犬ふぐり 明日香
梅東風を楽しむごとき群雀 満天
若草山の匂ひはらみて東風吹けり こすもす
梅東風に乗りたる芳香得も言えず 宏虎
吟行子すばやく見つけいぬふぐり 小袖
いぬふぐり発見すれば続けざま せいじ
日溜りに瑠璃色燦といぬふぐり かかし
風に震へ頭でっかち犬ふぐり 智恵子
いぬふぐり等身大に放つ綺羅 隆松
東風吹きて海の濁りや波高し わかば
亡き友の家跡隅にいぬふぐり 董雨
夕東風に添われて飛機は上昇中 もとこ
畦道に屈む足許いぬふぐり ぽんこ
強東風にカットの髪も逆立ちて ぽんこ
雨晴れて星のごとくに犬ふぐり 満天
犬ふぐりまだ枯草の残る野に はく子
強東風にパンダ組帽追ひし児ら かかし
襁褓替ふ機嫌の足やいぬふぐり みのる
レジ袋東風に攫はれ高空へ みのる
犬ふぐり残して庭の掃除終へ よう子
いぬふぐり心晴れれば尚青し 小袖
東風吹かば神に仕える禰宜衣 宏虎
梅東風や風切る車夫の赤だすき みづき
山畑の畝を彩る犬ふぐり わかば
東風に乗り雲掛かりけり伊吹山 隆松
朝東風や登校前のお手伝い こすもす
朝東風に列乱れなき登校子 満天
犬ふぐり一人下りたる縄電車 なつき
荒東風やサイレンの音拡散す もとこ
日溜まりのなぞへ笑らか犬ふぐり わかば
近道に思はぬ出会ひ犬ふぐり みづき
手付かずの菜園畠にいぬふぐり 董雨
潮入の波の音していぬふぐり 董雨
バス停の世間話や犬ふぐり よう子
何時からか開かぬ事務所や犬ふぐり よう子
夕映えの野に慎ましくいぬふぐり せいじ
サファイアをちりばめしごといぬふぐり せいじ
東風吹きて寄する荒波舞子浜 わかば
強東風や舫ひの綱の弛みをり かかし
コンクリの亀裂をつなぐ犬ふぐり 素秀
犬ふぐりきらりと眼光らせて はく子
梅東風に自転車押して廻り道 満天
昨日今日変わらぬ日々や犬ふぐり たか子
犬ふぐり踏まじと小さな赤き靴 みづき
梅東風に絵馬の反転牛踊る ぽんこ
お下がりの靴の片減り犬ふぐり なつき
いぬふぐりに敷き詰められし畦の土手 隆松
雑草の中の宝石いぬふぐり ぽんこ
雨降らず水を欲しがるいぬふぐり 宏虎
強東風や晴れ着の髪が乱されて 明日香
荷車に鈴なりわらべ犬ふぐり もとこ
腹這へば大草原の犬ふぐり よう子
野に落し地上の星か犬ふぐり 智恵子
梅東風に試飲誘ふ酒林 かかし
強東風に飛ばし過ぎたるテニス球 ぽんこ
梅東風や顔に貼り付く花つぶて せいじ
窯出しの長き干し棚東風吹けり みづき
東風の灘一望千里うさぎ波 みのる
黒犬の踏まずにゆけり犬ふぐり 素秀
日を浴びてぱちり目を開くいぬふぐり 明日香
畦道の草地色どるいぬふぐり 董雨
荒東風や沖の白波長命寺 よう子
あばら家も空き地となりぬ犬ふぐり もとこ
朝東風やベランダに子と水やりす こすもす
草原で独り座しをりいぬふぐり 宏虎
ナナハンの轍と見たり犬ふぐり みのる
強東風や岩掴めずによろけ鳥 隆松
日差し得て奏でるやうに犬ふぐり みづき
苔の畦瞬いてをりいぬふぐり 隆松
朝東風の旗に誘われおにぎり屋 小袖
雨戸繰り舞ふカーテンと梅東風を 満天
梅東風や合格みくじしかと結ふ なつき
東風吹くや郷関いでて半世紀 みのる
いぬふぐり空の青さと競ふごと 智恵子
犬ふぐり戦闘機飛ぶ空の青 なつき
強東風に橋の往来止めおかれ 小袖
犬ふぐり犬駆け回る河川敷 はく子
サファイアは誕生石やいぬふぐり こすもす
強東風や打球は伸びてライト越へ せいじ
東風の池綺羅の漣駆け巡る わかば
朝東風に波音混じる湯宿かな 素秀
川風に肩寄せ合ひて犬ふぐり 明日香
梅東風や村は水路の向こう側 はく子
夕東風や炊かれる煮鍋風に乗り 宏虎
鎖樋東風をいなして揺れもせず たか子
梅東風に駆けて行く行くランドセル 菜々
強東風に騒ぐ竹藪池ほとり はく子

2021年1月

御朱印をいただきし宮梅探る こすもす
隣街へあてどもなきし探梅行 素秀
春隣肩ぐるぐると回しみる 明日香
湖は鳥の楽園春隣 はく子
春隣児の二語文の爺おーい なつき
ティタイム遊ぶテラスや春隣 智恵子
探梅の紀州のどこも海明り よう子
春隣橋杭岩の潮満てリ よう子
手作りの帽子見せ合ふ春隣 うつぎ
一輪に順路定めて探梅す みづき
探梅る一会の人と二タ三言 みのる
千切りの包丁軽し春隣 かかし
通り抜け禁止の古刹梅探る 豊実
通行止解除待つ道春隣 隆松
探梅やかほり何処かと入りし薮 隆松
日々変わる赤子の笑顔春近し ぽんこ
水の無き丹の橋越えて探梅す 宏虎
待ち合はす駅の画廊や春近し よう子
探梅や数多の蕾朝日うけ 満天
蟷螂の卵見つけし探梅行 なつき
どんみりと降りみ降らずみ春近し ぽんこ
カブ排気音軽やかに梅探す 素秀
蒼天の明るき海や春隣 わかば
籠り居を解き探梅の小半日 うつぎ
探梅やヤッホー大きく返りくる やよい
警報機の音軽やかや春隣 こすもす
退院の目処を聞きゐる春隣 やよい
菜園の土黒々と春隣 満天
半島の沖の巨船や春隣 よう子
ぼやけいる山の稜線春近し ぽんこ
探梅行先ず床几にて汁粉かな もとこ
春隣野に出て飛ばす竹とんぼ みづき
体育館にきゆきゆつと鳴る靴春隣 豊実
鳥語撒く木々の梢や春隣 わかば
探梅やどの道行けど坂のあり 宏虎
春まぢか日に思ひたつ古書整理 素秀
鳥語はや降りて河原も春隣る せいじ
探梅と言うてここまで来たけれど よし子
探梅や急勾配の一軒家 豊実
探梅や二輪咲きしと友の庭 やよい
ハイキングいや探梅と山に入る 隆松
枝を剪り支えて梅の養生中 たか子
紫に靄る稜線春隣 うつぎ
坂登り足気使ひつ梅探る 董雨
探梅へ渡るダム湖の深みどり やよい
風に動くダム湖の綺羅や春隣 うつぎ
髪切つて眉は山なり春隣  なつき
陽が欲しと空へとあがく梅の先 たか子
厨から妻のハミング春隣 みのる
蜜避けて一人吟行探梅す かかし
車窓より瀬戸の島々春隣 董雨
観音のお膝元なる探梅行 ぽんこ
春隣新らしき鍬農小屋に みづき
亡き友と曾て来た丘梅探る 菜々
足弱の杖ともなりて梅探る みのる
近郷の名に負ふ園へ探梅行 せいじ
春隣透明度増す砂時計 明日香
探梅や犇めく絵馬の天蓋に 智恵子
手作りの菜園日誌春隣 かかし
探梅や眼下に展ぐ播磨灘 わかば
畑の土黒々として春を待つ よし子
吾が曾孫笑窪授かり春隣 宏虎
探梅行玉の日和をいただきて はく子
山カフェの再開予告春隣 隆松
朝市に雀いさかひ春隣 素秀
春近し池のあちこち水輪生れ みのる
師の句碑の丘へ探梅日和得て はく子
小高き丘逍遥しつつ探梅行 ぽんこ
カーテンを部屋取り替えて春隣 宏虎
ウォーキングのコースを変えて梅探る こすもす
探梅や車窓に過ぐる七分咲き 智恵子
春隣一部屋づつを片付けて よし子
猫ととも横並ぶ縁春隣 隆松
蒼天に心そぞろな春隣 みづき
探梅へ急磴二百登り切り はく子
日燦燦手足伸びだす春隣 明日香
林道の尽きし辺りに梅探る 素秀
紅き枝は温しかと触れ探梅す たか子
足長き我が影はずむ探梅行 なつき
再会を約す友居て春隣 こすもす
雉鳩の番いを庭に春隣 小袖
ハミングの洩るる厨や春隣 かかし
ポケットのスマホ震へる探梅行 なつき
曇天に白のひと枝梅探る もとこ
ランドセル背負う練習春隣 豊実
梅探りがてらに詣で産土へ はく子
咲くことは二の次城の梅探る たか子
一人吟同志の会釈探梅行 かかし
主待つ介護の手摺春近し やよい
マネキンの花柄ドレス春隣 満天
春隣り試飲にめぐる蔵の町 菜々
古墳出て次の古墳へ梅探る みのる
道づれは見知らぬどうし探梅行 よし子
菅公の国見の丘や梅探る 菜々
探梅やぐつと目鼻を近づける 明日香
春隣待ちに待ちたり陽明るし 宏虎
探梅や時の流るる日暮れ時 豊実
笹叢の黄金色して春隣る せいじ
天皇の遠流の島に梅探る  うつぎ
春近しグーグル浮遊旅ごころ もとこ
如意ヶ岳ふっくら見える春隣 みづき
女学校もれくる清歌春隣 智恵子
帯締めもどれにしようか春隣 小袖
川向こう煙りのたりと春隣 小袖
枝折戸の透き間明かりて春隣る せいじ
花時計放つ光彩春隣 智恵子
草庵の復旧間近春隣る せいじ
探梅や辿るは起伏多き道 わかば
春隣鉛筆すべて尖らせて 明日香
一万歩蕾の堅き梅探る たか子
頬にあたる風心地よし春隣 こすもす
学び舎の女性コーラス春隣 満天
四五人の京ことばなり探梅行 よし子
探梅や雨に荒れたる道辿る わかば
赤ん坊タイツ脱ぎ捨つ春隣 もとこ
春近し結納の庭鯉跳ねる よう子
我が夫ベルト穴増え春隣 もとこ
枝先に雨滴光らせ春隣 満天

2020年12月

懸大根星輝きて里眠る かかし
大根畑夕日は山に移りけり みづき
悴む手ついて茶室の躙り口 小袖
大根は今年豊作値崩れす 宏虎
刃物売り話巧みに大根切る 小袖
大根干すバケツリレーの如くして せいじ
柔らかに煮えたか大根穴だらけ たか子
持つてけと大根抜いて土のまま みのる
コロナ禍で悴む心句に晴らす 明日香
悴むや烏が止まる茅の屋根 隆松
踊る文字これも一興悴む手 智恵子
悴みて響く道路や靴の音 わかば
電飾の青きトンネル悴める なつき
バイク降りまづポケットへ悴む手 やよい
大根の頭はみ出すレジ袋 豊実
悴みて支払ひレジー焦りけり 満天
大根煮る巣ごもりつづくひと日かな もとこ
大樽に大根漬ける寺の厨 智恵子
悴む手振る空港の別れかな 小袖
急用のスマホ繰る手の悴めり うつぎ
一本でメニュー五通り長大根 こすもす
あれこれか何ぞ作るや大根葉 隆松
押しボタン信号待つや悴みて やよい
大根の弱火じっくり透けるまで 満天
大根炊く聖護院てふ御名かな もとこ
大根引く腰を撫ぜ合ふ老農夫 かかし
悴むや心に憂ひ持つ日かな わかば
大根漬どかっと座る仕込み桶 みづき
悴みて落とす電源ブレーカー 素秀
閼伽桶を洗ふ手元の悴みて 明日香
悴む手釣り銭かぞへ朝の市 よし子
尼寺に大根匂へる厨口 みづき
霊石撫づ消毒しては悴む手 なつき
畔散歩すずしろ見つけ良き日かな 智恵子
掛け大根見上ぐ沢庵和尚かな 智恵子
悴みし手に珈琲茶碗諸手持ち 満天
放水の消火訓練悴む手 豊実
葉は菜飯皮はきんぴら庭大根 うつぎ
悴む手合せて詣ず夫の墓 はく子
大根干し終へて樹間に夕日落つ せいじ
打ち直し多きメールや悴んで こすもす
病院でレントゲン待ち悴みぬ 宏虎
大根煮はことこと弱火妣のこつ 宏虎
濯ぎ物悴む指をなだめつつ たか子
自転車に振り分け大根父帰る よう子
闘病の夫煮大根旨してふ やよい
見事なる葉付き大根抜き呉るる はく子
風呂吹や圧力鍋の蒸気満つ ぽんこ
悴む手生命線に息を吐く かかし
菜箸で取る大根のくずれけり やよい
片手では持てぬ大根貰ひけり よし子
大根干す襷掛けして沙弥総出 せいじ
助け合ふ梯子の農夫懸大根 かかし
煮大根煮れば煮るほど滋味なるや 明日香
悴む手明日の二合の米を研ぐ よう子
悴むや参道脇になき屋台 隆松
悴みもホットレモンにほぐれけり 満天
陸奥のお茶受けに出る大根漬 みづき
悴むや波尖る日のコンコース わかば
ATM前に悴み札数ふ 素秀
千切りの大根どさり赤絵鉢 小袖
悴むや不調のつづく術後の目 やよい
選落ちのメタボ大根ステーキに みのる
悴むも切れ目むづかし立ち話 もとこ
悴める手にラケット握りしめ ぽんこ
悴むやぐうちよきぱあの指体操 かかし
畑より戻りし夫の悴みて 明日香
魚糶場風まともなり悴めリ 宏虎
大根の浅漬おでんみそ汁と はく子
のぞみ号に一人で座る大根かな 豊実
大根足褒められて抜く大大根 なつき
悴みてヒールは無理の齢なり うつぎ
朝戸繰るどかと葉付きのだいこかな わかば
悴みて思ひ出す母足袋ぎらひ もとこ
悴むてふ感じ通ずや今の子に こすもす
スーパーの大根切られ逆立ちす よう子
抜くまでは長さわからぬ大根かな 明日香
根上りて青首並ぶ大根畑 せいじ
悴む手に息吹きかける母なりし こすもす
悴みて梵字めきたる句帳の字 みのる
滝の上の神官如何に悴みし たか子
悴む手テトラポットに立てる竿 豊実
大根と油げの味噌汁母の味 小袖
手の軍手たわしに洗ふ大根かな みのる
紙漉女水を操り悴めリ 宏虎
ヘルメット脱いで確かむこごゆ耳 なつき
大原の静かな軒に大根干す みづき
アレンジでカレーになりし煮大根 なつき
ひとかどの大根育て裏庭に よし子
特大の重さ諾ひ買ふ大根 うつぎ
悴みて打ちしパソコン誤字脱字 みのる
切り分けて大根幾何の教材に よう子
大根のリヤカー引いて農学生 素秀
大根に馴染む醤油の煮物かな ぽんこ
お帰りと悴む妻の荷を取りぬ よう子
菜箸を大根に刺す鍋奉行 豊実
大根焚き微妙な顔の異邦人 たか子
木喰仏拝む手のひら悴みて よし子
初めての挑戦今年は干大根 こすもす
悴みて弁解しどろもどろかな うつぎ
桜島大根目の前の大きさよ はく子
大根の肩仰ぎ見る山の畑 素秀
悴みて芯の痛さの消ゆるまで たか子
盛塩に悴む指の跡残る 素秀
大根や青首を出す土布団 隆松
大根の煮る匂ひさせ夕厨 わかば
懸大根高々として山の風 よし子
悴みて山頂に待つ日の出かな はく子
悴みてポッケのなかの句帳かな ぽんこ
糠漬の大根の白引き立ちぬ ぽんこ
悴む手小さき両手でつつまれり もとこ
悴みて解けぬ結び目苛立ちて 満天
大木の天辺までも大根干す せいじ
悴むやまだかまだかの停留所 隆松
禅僧らたすききりりと大根干す 菜々
悴みてめくるページのもどかしき 智恵子

2020年11月

冬ざれの畔に燦燦陽の匂ひ 智恵子
冬ざれの庭もまた良しわが狭庭 明日香
久に訪ふ店はシャッター冬ざるる たか子
洞門の断崖そびえ冬ざるる たか子
灯台に尖る白波冬ざるる かかし
冬ざれやビルの狭間の急ぎ足 豊実
湯たんぽの上に猫寝る桃源郷 宏虎
湯たんぽのちゃぽんの音に母偲ぶ かかし
湯たんぽにパンダのカバー子の寝顔 うつぎ
冬ざれてぶらんこ揺れることもなし 明日香
冬ざるるテトラポッドや渡し舟 豊実
冬ざれの闇に瞬く星数多 智恵子
湯たんぽの湯を入る銅の洗面器 うつぎ
街中のサイレン増えし冬ざるる もとこ
やけど注意母口癖の湯たんぽや かかし
ゆたんぽのやさしき温み好む母 はく子
苔枯れの野仏うす茶に冬ざるる 素秀
飛行機音に目覚める朝や冬ざるる こすもす
飛び飛びの墓地の空き地や冬ざるる なつき
湯婆売るよろずやの消え令和かな もとこ
冬ざれし山静かなり星降る夜 みづき
なぞなぞの姉妹に湯たんぽの一つ よう子
冬ざるる更地に歪む立看板 満天
湯たんぽに一夜一夜の眠りかな 小袖
湯たんぽや両脇に入れ稚眠る わかば
冬ざるる庭にころがる如雨露かな なつき
秘湯てふ湯婆に注ぐ峡の宿 かかし
冬ざれや小さき港の波殺し よう子
ペットボトルは時に代用湯たんぽの こすもす
押し入れに湯たんぽふたつ捨てもせず ぽんこ
母忍ぶ古りし湯婆身を寄せて みづき
開発地檄文貼られ冬ざるる みのる
揺らしたる湯婆に聞こゆ母の声 素秀
湯たんぽや行儀の悪く蹴飛ばせリ 宏虎
礎石のみ残る宮址冬ざるる はく子
冬ざるる天平の代の廃寺跡 せいじ
湯たんぽてふ言葉一気に母の顔 明日香
冬ざれや置石の屋根海に向く よう子



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