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2019年10月
災難をお札にすがる身にぞ入む ぽんこ
身に入むや大磐座に鑿のあと 菜々
列島の河川決壊身にぞ入む わかば
身に入めり血の染み黒き陣中旗 なつき
紅葉山渓の流れを染め尽くす わかば
身に入むや恩師の文の薫陶に みのる
身にしむや廃校候補の母校かな こすもす
山の上錦絵模様紅葉かな 宏虎
また増へし診察券や身にぞ入む 満天
母の字の葬儀のメモや身にぞ入む 明日香
身に入むや速達便の再検査 かかし
身に入むや草野裂きゆく風のあり 隆松
草紅葉サッカーの子の足眩し かかし
山鳩の声ぞ身に入む散歩道 隆松
杜の樹に落書きいくつ身にぞしむ 菜々
野仏の円座となりて草もみぢ 菜々
身に入むや施設に友を見舞ふとは うつぎ
身に入むや和歌の講座を受け終えて 小袖
黄葉してポプラ高々城市かな もとこ
銀杏黄葉一直線の御堂筋 よし子
身に入むや抱いて欲しげな力石 明日香
身に入むや別れの後の一人酒 よし子
朽ち果てる老の桜の紅葉かな ぽんこ
故郷の紅葉の寺やバス旅行 よう子
人口の右肩下がり身にぞ入む 小袖
隠れては現る川の下紅葉 董雨
脚光を浴びて古墳のもみづれる はく子
紅葉黄葉まぶたの奥の鎮まらず たか子
七福神みくじを集む紅葉寺 なつき
蔦紅葉容赦なく刈る庭師かな よう子
身に入むや旅の朝餉の粥一杯 素秀
願掛けに紅葉明りの磴のぼる 明日香
紅葉寺みんな笑顔で撮られけり みづき
山峡を重ねていよよ紅葉す みづき
参道は紅葉の天蓋日の斑降る 宏虎
病棟の窓に迫れる蔦紅葉 素秀
キャンパスへ銀杏黄葉の美しき なおこ
雨垂れの起点となりし下紅葉 せいじ
照準よし土器投げの紅葉谷 よう子
異次元の災害数多身にぞ入む かかし
痛ましき浸水被害身にぞ入む わかば
野点席さくら紅葉の吹かれをり 小袖
並木道銀杏黄葉の被さりて こすもす
石積みし武将の墓や蔦紅葉 なつき
玉の日に至福とみたる照紅葉 みのる
身に入むや刻字カタカナ捕虜の墓 ぽんこ
床紅葉水鏡にも増して美し 明日香
続きたる水禍のニュース身にぞ入む はく子
照紅葉五重の塔の見え隠れ 智恵子
夕紅葉暮れのひととき灯を点し 明日香
幼子の歩きスマホや身にぞ入む なおこ
せせらぎに触れんばかりの谷紅葉 満天
谷紅葉燃え上がらんとしつつあり 董雨
蔦紅葉窟彩りて舞ふ飛天  もとこ
採石の島や無人の紅葉渓 素秀
さりげなき被災のことば身にぞ入む せいじ
灯りなき家に入る日や身にぞ入む みづき
荘厳の銀杏黄葉の宮居かな わかば
殉教の血染む川とや身に入めり なつき
渓流に添ふ道曲がり初紅葉 董雨
野仏の肩に幾片もみぢ散る 隆松
魁と際やかに朱の櫨紅葉 わかば
風筋に枝を踊らせもみづれる ぽんこ
六道の辻京街中に身にぞ入む はく子
身に入むや母屋はいつもひっそりと よし子
水鏡して静寂なる夜の紅葉 なおこ
飛機の窓なごりを惜しむ紅葉山 たか子
身に入むや思い出の歌聴きし夜は みづき
身に入むや玄奘追ひて西の旅 もとこ
身にしむや遂に更地となりにけり こすもす
身に入むや災禍の中の半長靴 隆松
紅葉晴れ峠越えれば県境 よし子
身に入むや高齢車事故聞くにつけ はく子
函館の海へ急坂もみじ晴 たか子
手の痺れ句帳の文字の身にぞ入む かかし
渡り来し朱橋真下に紅葉山 董雨
ブロック塀がんじがらめに蔦紅葉 こすもす
句会ととせ紅葉明るき駅に降り 菜々
身に沁むやからだ僅かに磨崖仏 もとこ
身に入むや入水の母子の碑に みのる
身に入むや古本市の虚子の本 よう子
海底に眠る空母や身にぞ入む うつぎ
ご神木の紅葉囲みて道に苔 董雨
一葉がことに真つ赤や初もみぢ せいじ
せせらぎの水草紅葉ネオンめく 智恵子
身に入むや磨きて愛車との別れ うつぎ
身に入むや特攻遺書を書く気持ち 宏虎
中腹に風禍の残る紅葉山 せいじ
紅葉山源流水はこの辺り かかし
酒蔵の小さき窓や蔦紅葉 よし子
照紅葉あたりに反射光明寺 宏虎
ハリストス教会そびゆ蔦紅葉 たか子
廃寺の仁王一体身にぞ入む よう子
葉漏れ日に濡縁赤し紅葉寺 隆松
散紅葉一葉句帳に挿みけり 満天
逆縁の墓碑の享年身にぞ入む みのる
蹲を埋づむ紅葉の裏表 うつぎ
また一人寡婦となりたり夕紅葉 はく子
吊橋の赤きダム湖や紅葉濃し 素秀
風の色林泉華やぐ庭紅葉 ぽんこ
修行者の泥染む草履身にぞ沁む 智恵子
異国語でロビー賑やか紅葉宿 素秀
堰落ちて落ちて高鳴る紅葉川 菜々
四郎像桜紅葉に染まりたる なつき
大観の紅葉訪ねて紅葉山 なおこ
紅葉してキャンパスライフ真直中 なおこ
身にしむや略奪されし壁画仏 もとこ
身に入むや片目のライトとすれ違い こすもす
老舗まで消ゆる街並身にぞ入む 宏虎
日を浴びし散居の里の冬もみじ たか子
紅葉や瀬音の中の駅舎かな みづき
長堤の先の先まで夕紅葉 せいじ
縁に座し手合わす母や紅葉寺 智恵子
火襷に蔦紅葉せる右近の碑 みのる
身に入むや再度豪雨の片づけに 満天
掛声の走る部活や草紅葉 満天
薄紅葉天蓋に待つ野点かな 智恵子
阿字池の向かふは彼岸紅葉映ゆ うつぎ
2019年9月
近寄れば小さき紫花野かな もとこ
脳トレのクイズ楽しむ夜長かな こすもす
針穴の通らぬ糸の夜長かな ぽんこ
鍔広を飛ばしてみたき大花野 みのる
長き夜や麻酔の覚めたICU 素秀
ご無沙汰の手紙いくつも夜長かな 明日香
書を伏せてよりの夜長の続くなり わかば
スーパーの裏に展けし大花野 せいじ
旅先にいつものドラマ見る夜長 なつき
碧落に犬鷲一羽大花野 智恵子
山裾は蕎麦の花野や雲白し こすもす
花野にもあるらし少年秘密基地 よし子
エーデルワイスここよここよと花野道 はく子
露地奥の古本屋の灯夜の長し よし子
花野出て仔牛じゃれ合ふ牧場かな なつき
ふるさとのバスの向こうに花野道 満天
野づかさのあれば越えもし花野道 菜々
花の池包みて古都の花野かな こすもす
スタンドのコードをたぐる夜長かな ぽんこ
優駿の速足となる花野かな 素秀
終着の駅に広がる大花野 素秀
万葉集古語辞典と長き夜 かかし
花野風髪を乱して朝散歩 隆松
登り窯の焔滾るや夜長し かかし
花野来て淡紅深紅風渡る 董雨
背負はれし子と手振り合ふ花野道 はく子
万葉の花と矢印花野かな ぽんこ
花野道ゆるゆる母の車椅子 菜々
連休の中日ひしめく花野人 せいじ
老い母の話し相手となる夜長 わかば
予約して焼き上がり待つ夜長かな こすもす
一つだけ囚われつづく夜長かな もとこ
ロープウェイ眼下に蛇行花野径 たか子
家族みなそれぞれ部屋へ夜長かな よし子
一笛に帽子集まる花野かな たか子
大花野白嶺の富士を目路の果て 菜々
古戦場の標うづもる大花野 隆松
母の手を引いて花野を歩く夢 素秀
どこまでも続く小途や大花野 よし子
声潜め君と語らふ夜長かな 隆松
枕辺に本積みてより夜長かな 明日香
大雨のテレビ凄まじ夜長かな 董雨
夜の長し早寝標榜して出来ず せいじ
花野行く風大好きな女の子 たか子
お泊まりの児を寝かしつけ夜長なる なつき
放牧の牛のカウベル花野道 はく子
滑り台反射している花野かな ぽんこ
笑ひ声花野迷路を漏れきたり なつき
放牧の羊柵なき花野かな よう子
長き夜に読む上下巻の二段組 素秀
夜長人捩る膏薬貼りなほす なつき
一物の一面広ぐ花野かな 董雨
長き夜の記憶夜行のベットなる たか子
一人居の夕餉終へてよりの夜長 はく子
大花野雲ゆっくりと風渡る 宏虎
病身の眠りの浅き夜長かな ぽんこ
いつまでも厨の音す夜長妻 せいじ
長き夜や推理小説ホシ不明 宏虎
単線の行く先長き大花野 満天
手弁当子ら駆け回る花野かな 智恵子
その先のランチに期待花野行く こすもす
晩学の一人の夜長愉しめり はく子
幼手の摘みたるギフト花野から もとこ
行くは二人帰りは一人花の道 よし子
漆黒に鉱炉火を噴く夜長かな みのる
大花野下はあまたの虫浄土 明日香
獣道辿れば突と大花野 うつぎ
人影も茜色なり花野道 隆松
長き夜の其々に居り老夫婦 もとこ
引き返し眼鏡を探す花野かな よう子
木道と湿原多き花野行く 宏虎
待ち合わせ花野の前と決めており 明日香
誰からとなく唄ひ出す花野道 うつぎ
旅夜長一会の人と杯重ね 菜々
手ずからの軽便鉄道花野行く うつぎ
車椅子の笑まいをる列花野ゆく かかし
音のせぬ電波時計や夜の長し よう子
古日記読めば止まらぬ夜長かな たか子
寝たきりの妣愛でし庭花野かな かかし
長き夜の古きアルバム捲りけり 満天
妻と吾の思ひ思ひの夜長かな みのる
リビングに趣味持ち寄りて夜長かな 智恵子
雁行に木道延びる花野かな みのる
どの花も愛らしきかな大花野 智恵子
伊吹山右に左に大花野 明日香
白黄色群がる山の花野かな 董雨
難解パズル解けるまではと夜長の灯 うつぎ
煌々とコンビナートの灯の夜長 みのる
母の言繰り返し聞く長き夜 わかば
首位競ふナイター厳し夜長かな 董雨
レコードのまた裏返し聴く夜長 うつぎ
ケーブルカーの眼下広ごる大花野 満天
竹人形削る刃音の長き夜 かかし
大雪の斜面に展ぐ花野かな わかば
長き夜や晩学しつつマイペース 宏虎
子の事など語り夜長の老夫婦 菜々
声すれど花野の羊見えもせず よう子
靄晴れて花野一望なす所 わかば
ホーミーの青年の息長き夜 よう子
特急のい行きさ揺らぐ花野かな せいじ
犯人はもう其処にをり夜長かな もとこ
遠く住む姉との電話夜の長し 満天
駅前の自販機明かし夜長かな 宏虎
袋菓子一人一つの夜長かな なおこ
長き夜のエレベーターとドアの音 智恵子
2019年8月
ひと筆に朝顔咲かす色紙かな 満天
朝顔に始まる一と日老二人 うつぎ
車窓にて動きの早き鰯雲 董雨
朝顔の鉢植えに咲く銀座裏 よし子
木登りは今も得意やうろこ雲 なつき
隠岐包む一夜明けても鰯雲 宏虎
鰯雲ドクターヘリの音追へば こすもす
缶蹴りの缶に広がる鰯雲 素秀
適塾の勝手口らし紺朝顔 菜々
雨晴れて茜に染まる鰯雲 せいじ
鰯雲ビルのガラスに捕まりぬ 素秀
朝顔の格子に絡む古都の路地 智恵子
朝顔の塀ほしいままむらさきを 満天
朝顔の紫紺一樹を咲き昇る やよい
いわし雲カーテン揺らす朝の風 はく子
鰯雲染むる入り日の瀬戸の海 わかば
朝顔や坂の途中にある売り家 なつき
朝顔や今まだ八個咲く力 こすもす
朝顔や点呼五名の消防署 よう子
朝顔の支柱は木っ端材木店 やよい
鰯雲煩わしさを放りけり もとこ
海峡はタンカー銀座鰯雲 よう子
古戦場寝転びたるに鰯雲 隆松
朝顔の行灯仕立て右に寄る 明日香
下校児の朝顔の鉢重たそう 董雨
翠黛の峰の向かふやいわし雲 ぽんこ
いわし雲一雨欲しき坂の町 ぽんこ
広がりては群れては白し鰯雲 菜々
朝顔やフィルターで濾すコーヒーかな ぽんこ
朝顔や明日咲く花のねじ緩む はく子
鰯雲飛び魚のごと羽根ひろげ 明日香
来年へと朝顔の種三十個 こすもす
いわし雲高く上げたるサーブ球 ぽんこ
山辺の空一面の鰯雲 宏虎
朝顔の咲き継ぐ前の話弾む 満天
鰯雲ビワイチ女子のなびく髪 隆松
蔦めきて石垣覆ふ牽牛花 こすもす
阿波木偶の野外桟敷や鰯雲 素秀
風力発電並ぶ稜線いわし雲 やよい
朝顔や水遣り終へて路地の風 もとこ
地を這える蔓に朝顔開きけり 素秀
草の葉に捲きて地を這ふ野朝顔 よう子
故郷へ無沙汰詫びるや鰯雲 満天
朝顔の観察日記懐かしし 宏虎
朝顔の咲き放題や濃紫 宏虎
父恋へば夜をしろしろと鰯雲 菜々
鰯雲押出してをり電波塔 うつぎ
故郷の方へと続く鰯雲 せいじ
鰯雲夕餉の窓に明かりさす 智恵子
決勝打アルプス席の鰯雲 よう子
朝顔のオーシャンブルー席巻す 明日香
朝顔日記ハートの双葉に始まりぬ はく子
終電の空疎らなる鰯雲 なつき
草に座し遠き日の夢鰯雲 わかば
鰯雲そろそろ旅の準備かな もとこ
埋め戻す城址の遺構いわし雲 なつき
朝顔の蔓は何処まで宙浮かん ぽんこ
朝顔や寅さん現れさうな路地 うつぎ
見上げればビルの隙間の鰯雲 よし子
朝顔やおままごとにも色足して もとこ
朝顔の初咲き一花初初し 宏虎
鰯雲尋ね人貼る無人島 やよい
朝顔の夕に並びしおちょぼ口 智恵子
入院の夕べの空に鰯雲 せいじ
朝顔の一花にもらふ気力かな わかば
いわし雲海を遠くに住み古りて はく子
一鉢は祖母の丹精紺あさがほ 菜々
朝顔や恙の母の看取り明く わかば
今年咲く令和朝顔紺深し よし子
授業参観日思ひ出させる鰯雲 こすもす
鰯雲窓いつぱいの退院日 素秀
山寺の屋根高からず鰯雲 よし子
鰯雲とけ行く先の虚空かな うつぎ
朝顔や棚に覗かる身繕い 隆松
海峡の空のまさをや鰯雲 やよい
いわし雲父出勤の日曜日 なつき
余すなく大窓埋めいわし雲 はく子
水車舞ふ庭に朝顔彩添へる 董雨
朝顔の占むるくれない四目垣 わかば
さながらに鹿の子絞りや鱗雲 菜々
水枯れの鉢に小さき牽牛花 智恵子
前向きに 生きて行きたし鰯雲 董雨
鰯雲背伸びして干す子のシーツ よう子
鰯雲へクレーン高々自由自在 満天
鰯雲先は三輪越え大宇陀へ 明日香
朝顔や今朝は今朝よの色をなし 隆松
朝顔やしようと念ふ好きな事 もとこ
一枚づつ鱗ピンクや鰯雲 明日香
故郷を出て半世紀鰯雲 せいじ
東雲の空いっぱいに鰯雲 智恵子
藥袋へ朝顔の種採りにけり うつぎ
西仰ぐパステルカラーの鰯雲 董雨
峠道空いっぱいの鰯雲 よし子
と見る間に数を増やせり鰯雲 せいじ
季知るはいつもそこから鰯雲 隆松
2019年7月
三代の女の家に百日紅 素秀
吹く風に息を止めたる炎暑かな 素秀
炎暑なか凛と尾羽立て風見鶏 菜々
溶接の火花炎暑へ撒き散らし やよい
あるなしの風にゆれるや百日紅 満天
坂の果て空歪みたる炎暑かな 隆松
もう百日まだ百日や百日紅 やよい
鍾乳洞出でてこの世の炎暑かな うつぎ
咲き満ちて重し重しと百日紅 たか子
夕間暮れ白々とありさるすべり よし子
空青し石段の上の百日紅 こすもす
旅の道案内するよな百日紅 隆松
街炎暑なれど鉾なる稚児凛と せいじ
層塔に如何な謂はれや百日紅 うつぎ
四十八年前の手植えや百日紅 こすもす
釈迦堂へ登る階段百日紅 智恵子
炎暑かな灼けゐる墓に水を多 はく子
自転車の漕ぐ脚白き炎暑かな もとこ
溶け出して足のよろける炎暑かな なつき
両脳も炎暑めらめら火となりぬ 宏虎
真青なる空に広げし百日紅 わかば
百日紅けふも並木を霊柩車 隆松
一行写経ペン掠れや炎暑なる なつき
炎暑とて声の弾けるシルバーゴルフ 満天
学び舎の休みとなりて百日紅 満天
百日紅海鼠塀より紅散らし 明日香
ことさらに京の炎暑に身を焦がす 小袖
観音の堂は閉ざされ百日紅 うつぎ
全国一と知り納得の炎暑かな こすもす
戦なき砲台跡や炎暑来る よう子
天井川低き家並み百日紅 ぽんこ
名は対を百日咲きて百日紅 宏虎
街路樹の中に一樹の百日紅 明日香
百日紅透けし隣家の夕灯 小袖
千羽鶴供へて祈る炎暑かな みのる
迂回路も陸橋も嫌街炎暑 うつぎ
屋根の上紅の彩這う百日紅 董雨
爆心の石垣根づく百日紅 なつき
御堂筋炎暑横断歩道まだ半ば 菜々
風孕む縦横無尽さるすげり ぽんこ
一の宮炎暑に一つ力石 よし子
息子居ぬ訃報の家や百日紅 よう子
炎暑とて海水減りも増えもせず よし子
もう嫌と何に苛立つ炎暑かな たか子
両親亡く兄弟逝きて百日紅 宏虎
禅林の大き洞もつ百日紅 うつぎ
路面電車軋みて曲がる炎暑かな みのる
谷川に足を浸して遣る炎暑 よう子
駅出でて紅白揺れる百日紅 満天
炎暑なり気力体力やる気なし 宏虎
何事も柔軟にねと百日紅 たか子
街炎暑服を脱ぎたし水浴びたし 宏虎
炎暑日も食衰えぬ吾げんき 智恵子
散歩する肉球ひりり炎暑かな ぽんこ
公園囲む赤白交互百日紅 こすもす
築地より伸びて空塞く百日紅 せいじ
炎暑来てラヂオ体操流れをり もとこ
こんちきちん涼し然れども街炎暑 せいじ
浜炎暑一歩にたたら踏みにけり みのる
下山して町の炎暑を纏ひけり やよい
夕暮の枝青白し百日紅 素秀
虹色の橋に傾く百日紅 たか子
古刹の門潜れば白き百日紅 董雨
廃校の像に傘なす百日紅 智恵子
百日紅の揺れ鳥籠見え隠れ 董雨
採血の静脈蒼し百日紅 素秀
炎暑の樹洞に被爆の石詰まる なつき
碧天の下灼灼と百日紅 わかば
炎暑なかテニスコートの球歪む 素秀
夫逝きし頃も炎暑の日々であり はく子
百日紅一人暮らしも三と年に はく子
紅白に街路を分かつさるすべり せいじ
ジョギングの喘ぐ炎暑や河川敷 やよい
建築中のビルの伸び行く街炎暑 はく子
ドンマイと球児の声援百日紅 よう子
復員の父が手植えの百日紅 明日香
大雨に耐へる朝の百日紅 董雨
百日紅フリルの小花を零しては はく子
照りつける日射しに盛る百日紅 わかば
寺炎暑怒髪天突く仁王像 菜々
滑走路揺らぐかと見ゆ炎暑かな みのる
自販機のどさり音する炎暑かな 満天
ご朱印を受くる炎暑のみな無口 なつき
慰問する笑顔いぢらし百日紅 ぽんこ
お屋敷の紅一点やさるすべり 菜々
谿川を下り炎暑の町中へ わかば
街炎暑靴に吸い付くアスファルト ぽんこ
咲き広ぐ空家の庭の百日紅 董雨
御所深く上臈めきし百日紅 せいじ
咲き満ちて何やら悲し百日紅 明日香
寄り道す炎暑の街の深庇し たか子
死に蝶の乾ききる翅炎暑かな もとこ
曾孫四人百寿の葬の炎暑かな こすもす
通り雨炎暑の熱の冷めやらず 智恵子
百日は長いと思ふさるすべり よし子
退屈なテトラポットの炎暑かな よし子
百日紅挿頭す御廟に摩耶夫人 みのる
生家いま無住となりぬ百日紅 やよい
ひっそりと荒物屋消ゆ百日紅 もとこ
百日紅地にも池にも花のあと 明日香
さるすべり百日庭を明るうす 菜々
迷ひたるビルの谷間の炎暑かな わかば
やるべきを忘れ溜息炎暑かな 智恵子
2019年6月
風孕み噴水昇る龍と化し 素秀
噴水の一瞬光の彩出来る 明日香
黴の堂覗けば閻魔の眼が光る 菜々
五軒長屋の三和土でこぼこ黴にほふ 菜々
噴水の高さを決める会議あり よし子
定年の靴捨てがたや黴白し よう子
噴水の背山を抜きて高々と はく子
見へねども黴意識する寝具干し こすもす
噴水やときに形を取り替へて せいじ
噴水の高さが世界一と言ふ はく子
黴の書の厚し重しの紳士録 よし子
噴水は今し子供の遊び場所 智恵子
この家の目下の敵は黴の花 うつぎ
噴水に神溢れ出すローマかな もとこ
孫ら来と聞きて風呂場の黴拭ふ せいじ
嗣ぐ禰宜のなくて黴びたる一末社 みのる
噴水の天辺にある優越感 宏虎
黴匂ふ青春の日の写真帖 わかば
噴水の止みて親子の立ち去れり なつき
噴水や恋人達のミスト影 智恵子
黴匂ひ捨てると決めしハイヒール 満天
噴水の変わるリズムに見とれをり 董雨
ふた開かぬ黴の絵の具やさくらロゴ よう子
臍の緒の小箱箪笥の黴にほふ 小袖
噴水の飛沫の中へ子等嬉々と わかば
気まぐれな噴水出たり出なんだり ぽんこ
噴水や踊り出したるナイトショー 素秀
黴匂ふ師の歳時記を繙けば 明日香
噴水に集ふ天使のコスチューム なつき
黴の書の栞に若き日の決意 みのる
本棚の黴の香かすか広辞苑 こすもす
人訪わぬ洞の神棚黴にほふ たか子
噴水の前に混み合ひ人を待つ 満天
黴匂ふ家となりしか父母の老い もとこ
噴水の穂にキッスして子ら遊ぶ せいじ
母残す白原稿に黴の染み 素秀
南冥に散りたる徒らの黴の遺書 みのる
噴水に濡れて走る児喜ぶ児 宏虎
おつかひへ祖母のお駄賃かび臭し 菜々
噴水やいともあっさり急停止 たか子
天空に留まる刹那噴水綺羅 菜々
ふつふつと育つ醤油や黴の蔵 はく子
噴水の天洗ふごと高々と 満天
噴水や宙の余白へ模様描く 明日香
上下する噴水涼し駅の前 董雨
薬剤の効果てきめん黴拭ふ せいじ
堂に満つ五百羅漢の黴の息 うつぎ
噴水の垂直力や青い空 よし子
食べ惜しみ旨しカレーに黴占拠 もとこ
千年の黴のほほえみ菩薩像 よし子
山小屋の雑魚寝の布団黴匂ふ うつぎ
上がるだけ上がって落つる噴水よ こすもす
黴の書となりて並ぶや資本論 もとこ
一粒づつ水滴となり落つ噴水 こすもす
黴臭いと車の中も消臭剤 明日香
大川へ大量に吐く大噴水 たか子
噴水の力一気に抜けるとき よし子
噴水のビルの横顔模糊となす ぽんこ
現職に愛用鞄黴匂ふ 宏虎
二十年の味噌に白黴息づけり なつき
間歇の噴水突と弧を描く ぽんこ
黴匂ふ見知らぬ祖父のラヴレター もとこ
噴水の吹きあぐ高さ揃いけり 董雨
黴知らず二十四時間換気扇 はく子
黴生える家事の怠慢見透かされ 明日香
庭園の要の噴水ニンフ像 よう子
噴水に真向き背きて人を待つ うつぎ
懐かしき吉野の黴の資料館 わかば
捨てられず黴となりたる発禁本 みのる
噴水のリズムに合わせぴたり止む 宏虎
噴水の高さを競ふ青天井 ぽんこ
誰知らぬ噴水の成す小さき虹 素秀
噴水の水輪に亀の数多かな わかば
黴の靴捨つなり思ひ出と共に うつぎ



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