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2020年12月

懸大根星輝きて里眠る かかし
大根畑夕日は山に移りけり みづき
悴む手ついて茶室の躙り口 小袖
大根は今年豊作値崩れす 宏虎
刃物売り話巧みに大根切る 小袖
大根干すバケツリレーの如くして せいじ
柔らかに煮えたか大根穴だらけ たか子
持つてけと大根抜いて土のまま みのる
コロナ禍で悴む心句に晴らす 明日香
悴むや烏が止まる茅の屋根 隆松
踊る文字これも一興悴む手 智恵子
悴みて響く道路や靴の音 わかば
電飾の青きトンネル悴める なつき
バイク降りまづポケットへ悴む手 やよい
大根の頭はみ出すレジ袋 豊実
悴みて支払ひレジー焦りけり 満天
大根煮る巣ごもりつづくひと日かな もとこ
大樽に大根漬ける寺の厨 智恵子
悴む手振る空港の別れかな 小袖
急用のスマホ繰る手の悴めり うつぎ
一本でメニュー五通り長大根 こすもす
あれこれか何ぞ作るや大根葉 隆松
押しボタン信号待つや悴みて やよい
大根の弱火じっくり透けるまで 満天
大根炊く聖護院てふ御名かな もとこ
大根引く腰を撫ぜ合ふ老農夫 かかし
悴むや心に憂ひ持つ日かな わかば
大根漬どかっと座る仕込み桶 みづき
悴みて落とす電源ブレーカー 素秀
閼伽桶を洗ふ手元の悴みて 明日香
悴む手釣り銭かぞへ朝の市 よし子
尼寺に大根匂へる厨口 みづき
霊石撫づ消毒しては悴む手 なつき
畔散歩すずしろ見つけ良き日かな 智恵子
掛け大根見上ぐ沢庵和尚かな 智恵子
悴みし手に珈琲茶碗諸手持ち 満天
放水の消火訓練悴む手 豊実
葉は菜飯皮はきんぴら庭大根 うつぎ
悴む手合せて詣ず夫の墓 はく子
大根干し終へて樹間に夕日落つ せいじ
打ち直し多きメールや悴んで こすもす
病院でレントゲン待ち悴みぬ 宏虎
大根煮はことこと弱火妣のこつ 宏虎
濯ぎ物悴む指をなだめつつ たか子
自転車に振り分け大根父帰る よう子
闘病の夫煮大根旨してふ やよい
見事なる葉付き大根抜き呉るる はく子
風呂吹や圧力鍋の蒸気満つ ぽんこ
悴む手生命線に息を吐く かかし
菜箸で取る大根のくずれけり やよい
片手では持てぬ大根貰ひけり よし子
大根干す襷掛けして沙弥総出 せいじ
助け合ふ梯子の農夫懸大根 かかし
煮大根煮れば煮るほど滋味なるや 明日香
悴む手明日の二合の米を研ぐ よう子
悴むや参道脇になき屋台 隆松
悴みもホットレモンにほぐれけり 満天
陸奥のお茶受けに出る大根漬 みづき
悴むや波尖る日のコンコース わかば
ATM前に悴み札数ふ 素秀
千切りの大根どさり赤絵鉢 小袖
悴むや不調のつづく術後の目 やよい
選落ちのメタボ大根ステーキに みのる
悴むも切れ目むづかし立ち話 もとこ
悴める手にラケット握りしめ ぽんこ
悴むやぐうちよきぱあの指体操 かかし
畑より戻りし夫の悴みて 明日香
魚糶場風まともなり悴めリ 宏虎
大根の浅漬おでんみそ汁と はく子
のぞみ号に一人で座る大根かな 豊実
大根足褒められて抜く大大根 なつき
悴みてヒールは無理の齢なり うつぎ
朝戸繰るどかと葉付きのだいこかな わかば
悴みて思ひ出す母足袋ぎらひ もとこ
悴むてふ感じ通ずや今の子に こすもす
スーパーの大根切られ逆立ちす よう子
抜くまでは長さわからぬ大根かな 明日香
根上りて青首並ぶ大根畑 せいじ
悴む手に息吹きかける母なりし こすもす
悴みて梵字めきたる句帳の字 みのる
滝の上の神官如何に悴みし たか子
悴む手テトラポットに立てる竿 豊実
大根と油げの味噌汁母の味 小袖
手の軍手たわしに洗ふ大根かな みのる
紙漉女水を操り悴めリ 宏虎
ヘルメット脱いで確かむこごゆ耳 なつき
大原の静かな軒に大根干す みづき
アレンジでカレーになりし煮大根 なつき
ひとかどの大根育て裏庭に よし子
特大の重さ諾ひ買ふ大根 うつぎ
悴みて打ちしパソコン誤字脱字 みのる
切り分けて大根幾何の教材に よう子
大根のリヤカー引いて農学生 素秀
大根に馴染む醤油の煮物かな ぽんこ
お帰りと悴む妻の荷を取りぬ よう子
菜箸を大根に刺す鍋奉行 豊実
大根焚き微妙な顔の異邦人 たか子
木喰仏拝む手のひら悴みて よし子
初めての挑戦今年は干大根 こすもす
悴みて弁解しどろもどろかな うつぎ
桜島大根目の前の大きさよ はく子
大根の肩仰ぎ見る山の畑 素秀
悴みて芯の痛さの消ゆるまで たか子
盛塩に悴む指の跡残る 素秀
大根や青首を出す土布団 隆松
大根の煮る匂ひさせ夕厨 わかば
懸大根高々として山の風 よし子
悴みて山頂に待つ日の出かな はく子
悴みてポッケのなかの句帳かな ぽんこ
糠漬の大根の白引き立ちぬ ぽんこ
悴む手小さき両手でつつまれり もとこ
悴みて解けぬ結び目苛立ちて 満天
大木の天辺までも大根干す せいじ
悴むやまだかまだかの停留所 隆松
禅僧らたすききりりと大根干す 菜々
悴みてめくるページのもどかしき 智恵子

2020年11月

冬ざれの畔に燦燦陽の匂ひ 智恵子
冬ざれの庭もまた良しわが狭庭 明日香
久に訪ふ店はシャッター冬ざるる たか子
洞門の断崖そびえ冬ざるる たか子
灯台に尖る白波冬ざるる かかし
冬ざれやビルの狭間の急ぎ足 豊実
湯たんぽの上に猫寝る桃源郷 宏虎
湯たんぽのちゃぽんの音に母偲ぶ かかし
湯たんぽにパンダのカバー子の寝顔 うつぎ
冬ざれてぶらんこ揺れることもなし 明日香
冬ざるるテトラポッドや渡し舟 豊実
冬ざれの闇に瞬く星数多 智恵子
湯たんぽの湯を入る銅の洗面器 うつぎ
街中のサイレン増えし冬ざるる もとこ
やけど注意母口癖の湯たんぽや かかし
ゆたんぽのやさしき温み好む母 はく子
苔枯れの野仏うす茶に冬ざるる 素秀
飛行機音に目覚める朝や冬ざるる こすもす
飛び飛びの墓地の空き地や冬ざるる なつき
湯婆売るよろずやの消え令和かな もとこ
冬ざれし山静かなり星降る夜 みづき
なぞなぞの姉妹に湯たんぽの一つ よう子
冬ざるる更地に歪む立看板 満天
湯たんぽに一夜一夜の眠りかな 小袖
湯たんぽや両脇に入れ稚眠る わかば
冬ざるる庭にころがる如雨露かな なつき
秘湯てふ湯婆に注ぐ峡の宿 かかし
冬ざれや小さき港の波殺し よう子
ペットボトルは時に代用湯たんぽの こすもす
押し入れに湯たんぽふたつ捨てもせず ぽんこ
母忍ぶ古りし湯婆身を寄せて みづき
開発地檄文貼られ冬ざるる みのる
揺らしたる湯婆に聞こゆ母の声 素秀
湯たんぽや行儀の悪く蹴飛ばせリ 宏虎
礎石のみ残る宮址冬ざるる はく子
冬ざるる天平の代の廃寺跡 せいじ
湯たんぽてふ言葉一気に母の顔 明日香
冬ざれや置石の屋根海に向く よう子
湯たんぽの湯で顔洗ふ昭和かな もとこ
冬ざれや海を背にして歌碑ひとつ こすもす
おくるみのごと湯湯婆にネル古着 小袖
冬ざれや閉店報告貼り紙で こすもす
程の良き頃に取り出す湯婆かな 隆松
冬ざるる土産こけしの困り顔 素秀
里囲む田の土黒し冬ざるる 隆松
野ざらしの仏の忍冬ざるる ぽんこ
湯たんぽの白息の口封じけり みのる
冬ざれや漂着缶のハングル語 やよい
湯たんぽの足に波打つ楕円形 小袖
冬ざるる張り紙多し高架下 もとこ
朝まだき足湯たんぽを探しをり よう子
冬ざれや動く物なし公園に 満天
岬鼻へ打ちあぐ波の冬ざるる わかば
湯たんぽや埃かぶりて納屋に寝る 智恵子
湯たんぽのぽこぽこぽこと湯を捨つる はく子
湯たんぽの冷めて目の覚む午前四時 せいじ
湯たんぽの袋の柄は色違い たか子
別院の外堀なべて冬ざるる みづき
黒々と滝跡見せて冬ざるる たか子
役行者乗せ冬ざれの無人島 やよい
湯たんぽに足の何処らを当てやうか 豊実
冬ざれてシャッター街は閑古鳥 みのる
扁額の墨のうすれや冬ざるる 明日香
冬ざれや廃線の錆むき出しに 智恵子
風呂で脱ぎすっぽんぽんのうそ寒し 宏虎
冬ざれや岩礁に立つ波しぶき うつぎ
湯たんぽや昭和生まれは愛着を 満天
冬ざれて畔に寂しき鉛空 智恵子
湯たんぽの充電式も店頭に 満天
冬ざれに山陰線の長列車 小袖
冬ざれや微動だにせぬ群れの鯉 もとこ
湯たんぽに注ぐ湯の音あなうれし ぽんこ
一斉に沖むく鴎冬ざるる やよい
冬ざれや烏が止まる茅の屋根 隆松
冬ざれの川風つのる河川敷 はく子
駅舎までひとすじの道冬ざるる みづき
手のひらほどの小さき湯たんぽ膝に抱き はく子
湯婆を背枕にして胸に病む みのる
錆付きし南京錠や冬ざるる 豊実
暑がりの児が湯たんぽを逃げ出せり なつき
卒寿来て体力気力うそ寒し 宏虎
葬儀場建つてふ空き地冬ざるる なつき
湯たんぽに昭和の薄き敷布団 小袖
冬ざれの桟敷まばらに聞くぞめき 素秀
湯たんぽを赤子のやうに抱きにけり 素秀
湯たんぽの袋を作る夜なべかな ぽんこ
布団ごとに湯たんぽ入れて里泊まり うつぎ
湯たんぽの排水音やリズミカル 満天
鍵開けて一人の世帯うそ寒し 宏虎
頬赤く幼の寝付く湯婆かな 隆松
冬ざれや里の流れの鉛色 隆松
冬ざれて眠ったやうな水の底 みづき
舶来の湯たんぽ抱けばパリの夢 せいじ
冬ざれや砂丘の絵文字掻き消しぬ かかし
湯たんぽに付かず離れず足の裏 豊実
コロナ禍の長き自粛や冬ざるる ぽんこ
道標朽葉に埋もれ冬ざるる わかば
湯たんぽや遠き日のこと懐かしむ わかば
湯たんぽの栓確かむる二度三度 うつぎ
湯たんぽを小股に抱いて店番す みのる
冬ざれの墓地に走り根露はなる やよい
湯たんぽを知らぬと平成生まれの子 たか子
浜の食堂まず湯たんぽを貸し呉るる やよい
真夜に聞く竹打つ音や冬ざるる わかば
流木や広き河原の冬ざれて 明日香
湯婆抱く児を抱きて添ひ寝せり なつき
片隅の記憶や祖母と湯たんぽと こすもす
気遣ひの湯たんぽ嬉し里の夜 よう子
カラフルな湯たんぽに目も解れけり せいじ
時差登山すすむる壁書冬ざるる せいじ

2020年10月

旅鞄よりころげ出し木の実かな みのる
てのひらを離れ湯舟に木の実かな 素秀
うそ寒し使はぬままの法話室 なつき
木の実敷く小径の大樹見上げけり 智恵子
A Iの話など聞きうそ寒し よし子
公園のベンチ木の実の吹き溜り 智恵子
せせらぎの礫となりたる木の実かな せいじ
解体の跡の広さやうそ寒し たか子
風湧くや木々のざわめき木の実降る ぽんこ
木の実なし畑へ里へと獣出づ 隆松
うそ寒の木立抜けをり朝散歩 隆松
古井戸へ何個の木の実落ちるらん 明日香
木の実独楽舞はす器用も不器用も 満天
うそ寒や乗り換へ電車間に合はず よう子
通学の帽子にひとつくぬぎの実 こすもす
夕散歩木の実と分かる足裏かな よう子
判じ難き手紙読みゐてうそ寒し やよい
うそ寒や視線合はせぬ羅漢像 素秀
うそ寒や降圧剤の処方箋 豊実
白熱灯切れて厠のうそ寒し 素秀
托鉢の木喰仏に木の実降る かかし
アマビエとおぼしき巨像うそ寒し せいじ
わんぱくの神妙顔のうそ寒し みのる
足もつれ上る陣跡木の実降る なつき
「トヨくん」とふ捕獲の熊に遣る木の実 うつぎ
樹齢三百寺のぎんなん洗ひけり はく子
免許更新の視力検査やうそ寒し こすもす
手水舎で借りる手拭きやうそ寒し 豊実
木の実独楽夫の残せし抽斗に みづき
木の実独楽小さきはまめに回りけり たか子
花梨のみ自由奔放育に育ちけり よし子
陵へ磴の三百木の実降る はく子
八十八カ所傾ぐ仏や木の実降る なつき
うそ寒しテトラポッドの尖る波 かかし
うそ寒や立居振舞儘ならず わかば
不意打ちの木の実時雨や犬吠ゆる よう子
やや寒の日向に寄りて人を待つ みづき
木の実拾ふ背につぎつぎと降りにけり 満天
一人待つタクシー乗り場うそ寒し 豊実
木の実降るトタンの板に弾けゆく ぽんこ
大都会コロナマスクのうそ寒し 小袖
木道に音を残して木の実消ゆ よう子
酔芙蓉うそあたたかしうそ寒し よし子
ヤシャブシの木の実集めてストラップ 明日香
兄拾ふ木の実妹のポケットに みづき
木の枝に吊すふらここ木の実降る なつき
どれどれと爺回しみる木の実独楽 やよい
都構想かち合うマイクうそ寒し 小袖
おしゃべり楽し寺のぎんなん皆で剥く はく子
参磴を音階跳びに木の実落つ みのる
うそ寒や東京タワー美しき 智恵子
無住寺の賽銭箱やうそ寒し よし子
うそ寒や木立の影へ朝散歩 隆松
珊瑚色枝に艶めく辛夷の実 小袖
懐かしき児との思い出木の実独楽 わかば
木の実拾ふ捨てるべき物ポケットに 宏虎
森ゆかば数多の枝の木の実かな わかば
うそ寒しゴルフ自慢の輪に居りて みのる
木の実落つ割れて中身の無きものも せいじ
木の実独楽つつつと斜め走りもし 小袖
縁側の幼の前を木の実独楽 隆松
うそ寒しニューノーマルと横文字で せいじ
ポケットの手が弄ぶ木の実かな みのる
そこここに木の実落つ音鳥の声 やよい
夜の散歩センサーライトのうそ寒し うつぎ
城の森何処歩くも木の実降る わかば
やや寒の剣道少年凛として みづき
父親を本気にさせて木の実独楽 うつぎ
ポケットで洗濯されし木の実かな 豊実
木の実落つ水面に鯉の泡一つ かかし
そぞろ寒白泉の句がよみがえる 明日香
木の実落つ深山の池の水音かな 素秀
農小屋の屋根朽ちかゝる木の実雨 素秀
鍵明けて独りの世帯そぞろ寒 宏虎
木の実落つ祠の脇の登山口 豊実
木の実落つそれぞれに音違へつつ 満天
かの国のリーダー誰にうそ寒し せいじ
やや寒し古墳の森のざわざわと やよい
人気なき公園抜けるうそ寒し 満天
うそ寒や刃物六本研ぎに出す わかば
子と作るどんぐりころころ木の実独楽 はく子
栃の実や隣家の婆の腕自慢 こすもす
ポロポロと木の実溢して子ら駆ける 智恵子
乱れゐる己が足音うそ寒し うつぎ
その中に何かを秘めて檀の実 よし子
談笑を怯ませ木ノ実落ちにけり たか子
風呂で脱ぎスッポンポンのうそ寒し 宏虎
門灯の点らぬ空き家うそ寒し みづき
木の実落つ雨音と聞きまがひけり こすもす
試しにと苔玉用に木の実埋め 明日香
うすら寒の朝一番のコーヒーかな ぽんこ
うそ寒し七打のグランドゴルフかな こすもす
うそ寒や瞬く星の数多なり 智恵子
木の実踏む季節の移ろい始まりぬ ぽんこ
木の実独楽いにしへ人も遊びしか かかし
銀杏の実を踏むまじと爪立ちに たか子
目に見えぬコロナウィルスうそ寒し うつぎ
どんぐりの釣り合ひよろしやじろべえ はく子
縄文の土器の出土地木の実雨 かかし
うそ寒し片付けとてもはかどらぬ 満天
卒寿来て体力具合うそ寒し 宏虎
パソコンの指示不可解やうそ寒し たか子
木の実落ち音に振り向く山路かな 宏虎
木の実落ち樫はすっきりしたやうな 小袖
奈良公園餌にと木の実持ちよりて 明日香
忘らるる馬尻のどんぐりキャップ付き よう子
中天の月ぼんやりとうそ寒し やよい
うそ寒し大きマスクの招き猫 なつき
逍遥す細き岨道木の実踏む ぽんこ

2020年9月

霧の中青き火口湖目交に わかば
朝霧や日の出を待たず里覆ふ たか子
朝霧の晴れて白樺並木かな かかし
吊るされてくの字しの字の唐辛子 明日香
山道の霧を抜ければ小京都 満天
魔除けにと玄関口に唐辛子 明日香
唐辛子も一本植うる父の畑 なつき
霧揚がる黒部ダム湖は真みどりに はく子
吊されて花束のごと唐辛子 満天
唐辛子炙りて片目閉じにけり 素秀
勾玉のごと紐につる鷹の爪 みのる
遊覧船明石大橋霧の中 やよい
霧晴れて御食国へと大吊橋 もとこ
摩天楼霧の帳を突き抜けて ぽんこ
能勢吟行帰途に買ひたる唐辛子 はく子
着てみたしと思う朱色や唐辛子 こすもす
らっきょ漬けに無くてはならぬ唐辛子 はく子
魔除けとて買ひし縄刺しとうがらし やよい
箸置きに唐辛子なる焼肉屋 智恵子
一言に気遣うメール唐辛子 豊実
ふるさとの思ひ出包む霧の町 満天
雨晴れて山霧空へ急行す せいじ
霧の道野太い声に促され 小袖
対岸は欧州霧のボスボラス よう子
薄霧や猫と目の合ふ朝かな 小袖
比叡越え望む淡海は霧の下 もとこ
枝豆は霧に育つと丹波人 うつぎ
夕照に吊るし真っ赤な唐辛子 よし子
霧纏う川辺の花や色冴へて こすもす
手びねりのごと笊の上の唐辛子 みのる
満天の星山宿の霧晴れて はく子
霧晴れてやせ猫ふつと消ゆる路地 なつき
山霧に追いかけられて下山かな わかば
唐辛子蹴爪のごとく曲がりけり みのる
万願寺てふ程よき味の唐辛子 満天
夕霧にヘッドライトをアップせん かかし
唐辛子家々に吊る農の里 隆松
唐辛子刻む俎板赤く染め ぽんこ
唐辛子吊りて火照りし月日かな 宏虎
故里を偲びて辛子明太子 せいじ
掠れたる汽笛の遠し瀬戸の霧 素秀
霧を出て霧へ入りゆくケーブルカー やよい
唐辛子黒ずみかけて真っ赤なる たか子
霧流れ借景の山見えぬなり 宏虎
赤き爪曲げて鉢植唐辛子 素秀
あちゃら漬欠かせぬアイテム鷹の爪 たか子
霧に暮れ海霧に目覚めて店開く 宏虎
霧晴れて昭和新山目の前に うつぎ
唐辛子赤きのれんの土間潜る 智恵子
師の言葉発見の句を唐辛子 明日香
海峡の霧笛しきりの朝かな わかば
霧はれて市街見下ろす丘に立つ やよい
後で効く母の小言や唐辛子 よう子
山霧にテールランプを頼りとす ぽんこ
唐辛子辛さ爆発までの時差 豊実
霧晴れてダム湖見下ろす望郷碑 よし子
縦走の先を行く人霧の中 うつぎ
霧襖天王山はおもはゆし よし子
だまされて青唐辛子思い知る もとこ
霧のわく流れ啄むこうのとり こすもす
糠漬けに欠かせぬ一品唐辛子 満天
水飲めど戻らぬタイの唐辛子 せいじ
霧深し一瞬恐怖よぎりけり 明日香
鷹の爪黒光りして出番待つ わかば
土産屋の魔除けと吊す唐辛子 小袖
山霧に瓦を隠す雲辺寺 素秀
運任せ霧に打ち込むティーショット 豊実
霧ヶ峰霧より出でて霧に入る かかし
霧雨や開店を待つ傘の列 なつき
唐辛子激辛競ふ農夫たち かかし
コロナ禍にむせぶ汽笛や先見えず 智恵子
と見る間にびわ湖テラスは霧の中 せいじ
農園のカフェに魔除けの唐辛子 なつき
霧晴れてあがる歓声河童橋 はく子
言葉掛け甘辛ありて唐辛子 小袖
門構えの軒にも干され唐辛子 菜々
霧深し養鱒場へ続く渓 せいじ
霧を抜く鐘の音太し古刹山 隆松
朝霧に東京タワー隠れんぼ 智恵子
筆の穂のやうな形して唐辛子 小袖
霧ながれ摂津連山神の嶺 よし子
茅葺の屋根屋根烟る霧の谷戸 隆松
甘樫より大和三山霧揺れて 明日香
まだ戻れぬネパール人シェフ唐辛子 こすもす
人減りし飯場ピーマン植えてをり なつき
唐辛子当たる当たらぬルーレット もとこ
吊られしの名を子へ教え唐辛子 隆松
朝なさな霧に包まれ我が母校 菜々
朝霧の海に街なか沈みけり ぽんこ
謎解きはベーカー街の霧の中 もとこ
朝市や笊一杯の唐辛子 豊実
芋育つ丹波日ぐせの朝霧に 菜々
糠漬けの皿に輪切りの唐辛子 よう子
朝市のテントに吊りし唐辛子 たか子
唐辛子緋の艶好み求めけり わかば
里ひとつ隠す速さや霧流る たか子
山頂の霧の囁き急ぎ足 豊実
叡山の霧の中より猿の声 うつぎ
陽に当り真っ赤な色の唐辛子 宏虎
年取りて愈々頑固唐辛子 うつぎ
朝霧にまつげ濡らして通学子 菜々
瞬時にて釧路湿原霧襖 かかし
海峡の天突く主塔霧の中 よう子
霧笛の哭フェリー乗り場の薄明り よう子
高牧の起伏を馳せて霧走る みのる
赤映えの魔除けリースや唐辛子 隆松
灯台の灯が一旋す霧の沖 みのる
霧襖結界にして大鳥居 素秀
街灯は夜霧に濡れて霧笛きく 宏虎
霧襖牧場の牛の声近し 智恵子
キッチンの隅に刺されて唐辛子 やよい
唐辛子干してなお艶残りけり ぽんこ
軒先の空の青さや唐辛子 よし子
フォグライトつけて送りしテストの日 こすもす

2020年8月

秋暑し今は使わぬ二階部屋 素秀
天気予報当りもせずに秋暑し たか子
通勤のペットボトルを手に秋暑 満天
大口の朱唇を思ふ酔芙蓉 みのる
ばあちゃんの四方山話酔芙蓉 智恵子
秋暑し説明会のディスタンス こすもす
残暑見舞ひ固定電話で百寿母に かかし
秋暑し甍ばかりの屋上園 よし子
秋暑し頭打ちたる穴仏 なつき
何事もなくひと日過ぎ芙蓉閉づ 満天
ナンプレの脳ぎしぎしと秋暑し もとこ
男坂跨ぐ走りね秋暑し 智恵子
残照に媚びているやに酔芙蓉 うつぎ
湯上がりに少し風立ち秋暑し みづき
大輪のアメリカ芙蓉遠目にも ぽんこ
秋暑しもって生まれた嗄れ声 よし子
撒餌する鯉の重なり秋暑し ぽんこ
老婦植ゑ今は人なし芙蓉庭 隆松
豆腐屋のラッパ気怠き残暑中 小袖
スケジュールかなり密なり秋暑し こすもす
体重計電池切れなる残暑かな なつき
愛想の会話も途切れ秋暑し たか子
ドロップ缶底に固まる残暑かな 素秀
駐車場マイカーは何処秋暑し うつぎ
土乾き雨乞いしたき残暑かな 小袖
秋暑し民生委員見回りに 明日香
うたた寝の痕頬にあり残暑かな 明日香
飛鳥仏おはす御寺の白芙蓉 はく子
日日残暑夕のベンチに一人づつ みづき
秋暑しガチャは一回三百円 せいじ
ひと雨にも火照る道路や街残暑 満天
地下を抜けビルの谷間の秋暑し かかし
ビル影を選ぶも厳し残暑かな わかば
残暑とや三十五度を超えたるに せいじ
ほどほどの酔ひの日々かな酔芙蓉 もとこ
手にあまる三歳児かな秋暑し もとこ
清水寺京の盆地の秋暑し かかし
売家と印す門扉や紅芙蓉 うつぎ
ひとつ買ひ忘れて来たり秋暑し せいじ
行き合ひの空に向かひて花芙蓉 素秀
ジーンズに腹ひっこめて秋暑し よし子
黄昏を待てず頬染む酔芙蓉 素秀
一日のはかなき命酔芙蓉 ぽんこ
夕暮れて芙蓉の紅のなまめきて よし子
和紙細工めきし花弁や花芙蓉 こすもす
箱入りの娘が嫁ぐ夢花芙蓉 せいじ



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