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2022年4月30日

三線の島唄ゆるり春深し もとこ
童心にかえりテラスにしゃぼん玉 智恵子
春深し園に散らばる豆画伯 智恵子
すぐ割れて石鹸だらけしゃぼん玉 よう子
麦藁の裂けたら終わるしゃぼん玉 たか子
汝が肩にあご載せて吹くしやぼん玉 みのる
追いつかず石鹸玉割れ水となり ふさこ
しゃぼん玉五歳の頃のアルバムを かかし
長さよし麦わらストローしゃぼん玉 よう子
しゃぼん玉吹く妹の母似かな よう子
シャボン玉つかみどころのなき話 みづき
お隣の犬小屋越ゆるしゃぼん玉 なつき
朱の鳥居更地に残し春闌ける 素秀
しやぼん玉はじけ広ぐる空真青 更紗
しゃぼん玉吹く子追ふ子や浦の路地 やよい
寒暖の激しくなるや春深し 明日香
夫に茶を汲みて二人や春深む 更紗
四方の山色濃くなりて春深し 満天
七色に膨らむ夢やしやぼん玉 わかば
玻璃窓に木洩れ日眩し春闌ける かかし
春闌けて百鳥声をひそめけり みのる
しゃぼん玉吹く児の頬もしゃぼん玉 ふさこ
春深し曾孫活発吾坐る 宏虎
振り向きし児の瞳かがやくしゃぼん玉 なつき
春深し風と戯むるなぞへかな 明日香
エアコンのリモコン転げ春深し 豊実
せせらぎも植物園の春深し わかば
引っ越しの車次々春深し 明日香
春深し意識したるは水制限 隆松
野の花も移り初むなり春闌ける 智恵子
界隈の色素集めてしゃぼん玉 たか子
病室は色無く音無く春深む たか子
しゃぼん玉吹きだす器械きりもなく はく子
しゃぼん玉弾ける国の名はおろしゃ 素秀
春闌や右手も左手も桜色 隆松
少年の声はソプラノ春深し 素秀
春深し香のけぶりし中山寺 ふさこ
春深む水琴窟の呂に律に みのる
しゃぼん玉幼女掴み損こねたり 宏虎
春深し町内会の掲示板 豊実
老耄は慎重そっと石鹸玉 もとこ
しゃぼん玉飛ぶ七色の風生まる 満天
春深し山路の色のいやまさる わかば
しゃぼん玉もっと大きく大きくと 明日香
UFOと呼んで追ひかくしやぼん玉 なつき
絵本作家のモデルとなりぬしゃぼん玉 やよい
春更くや諸鳥頻り森の中 わかば
隣までふありと入りぬしゃぼん玉 ふさこ
春深し花屋の百花匂ひ立つ せいじ
壊し屋は疲れ知らずよしゃぼん玉 なつき
遺りたるCT画像春深し うつぎ
春深し母の喃語に耳を寄せ 更紗
しやぼん玉吹くや堤の母子連れ 隆松
拝観の締めはざるそば春深し せいじ
二合飯余し二人の春更ける 素秀
底刮ぐピンクのボトルしゃぼん玉 豊実
七色の小さき世界しゃぼん玉 ぽんこ
しやぼん玉七色玉の小宇宙 隆松
しゃぼん玉ぱくつく犬の鼻に爆ぜ 智恵子
児の吹きししゃぼん玉追ふ父母の笑み かかし
春深し写真見ながらつぶやきぬ 宏虎
一息で百の生まるるしゃぼん玉 はく子
スーパーのポイント集め春深し こすもす
髪の毛に半分残るしゃぼん玉 こすもす
石鹸で手はコテコテのしゃぼん玉 豊実
湯煙の露天につかリ春遅し 宏虎
たどたどしシニア連弾春深し もとこ
しゃぼん玉五色の泡の空に舞ふ かかし
春深し欠伸噛みしめ法話聴く ふさこ
母吹けば子ら大騒ぎしやぼん玊 あひる
春深し老犬眠る香具師の膝 なつき
仏堂に仄かな明かり春深し みづき
しやぼん玉消えて泣き出す赤子かな せいじ
春深し衣擦れ聞ゆ菩薩かな もとこ
すぐ消ゆるもののひとつにしゃぼん玉 はく子
諸手あげ駈くる幼やしゃぼん玉 やよい
春深し屋敷跡には大き石 素秀
しゃぼん玉高く何処まで七色に 満天
ストローの先で破裂やしやぼん玊 あひる
病窓のいびつな空や春深む たか子
七色に息を包みぬしゃぼん玉 うつぎ
オルガンの余韻校舎に春深し やよい
垣根越え隣より来るしゃぼん玉 うつぎ
しゃぼん玉吹ひて笑顔の腕白児 満天
しゃぼん玉吹く子壊す子役目あり たか子
儚きを空に広げてしやぼん玉 わかば
公園の木木のざわめき春深し 満天
ママの留守時間繋ぎのしゃぼん玉 こすもす
春深しひとり聴く夜のブラームス みづき
朝食抜き定期健診春深し よう子
一斉に兄弟の飛ぶしゃぼん玉 ぽんこ
引力に抗する如くしゃぼん玉 かかし
二階より覗く爺ヘしゃぼん玉 智恵子
予定表次々埋まり春深む こすもす
生まるるは消ゆる定めのしゃぼん玉 はく子
春深む色濃くなりし影法師 せいじ
しやぼん玉二足立ちして猫パンチ みのる
雑草の伸び放題や春深む ぽんこ
妹が吹けば姉もとしやぼん玉 更紗
広前の白き玉砂利春深し あひる
しやぼん玉丸くならんと武者震ひ みのる
校庭に小さき恋らししやぼん玊 あひる
外出の母の後追ふしゃぼん玉 うつぎ
二歳児の吹き方講義しゃぼん玉 もとこ
しゃぼん玉置き去りにして鬼ごっこ やよい
魔女のごと母吹き出せりしやぼん玉 あひる
長持ちのキーは液なりしやぼん玉 せいじ
予定なき長期休暇や春深し 豊実
春深むチェロの音朝のラジオより はく子
調律の弾む音色やシャボン玉 みづき
見上げいる銀杏の木目春深む ぽんこ
遠眼差し狛犬の鹿春深し よう子
三輪山を拜し山の辺春深し 明日香
両手あげしゃぎまわる子しゃぼん玉 こすもす
いつまでも手摺に座るしゃぼん玉 ぽんこ
風の吹くのらりくらりとしゃぼん玉 宏虎
しゃぼん玉吹く子の澄みし瞳かな うつぎ
小さき手を抜けて空へとシャボン玉 みづき
春深し通勤電車にも慣れて 更紗

2022年3月31日

食初めの子を睨みつけ桜鯛 うつぎ
桜鯛渦潮くぐり骨に瘤 ぽんこ
作りたきメニューは桜鯛の飯 こすもす
糶台の尾を打ち止まぬ桜鯛 うつぎ
口元の誰ぞに似たり桜鯛 素秀
潮の香の小さき平和桜鯛 みづき
空色の夫の新車や黄砂降る なつき
霾風やお顔変わらぬ大観音 隆松
青空の翳みてひと日黄砂降る 智恵子
垂直にのぼるエレベーター霾晦 よし子
対岸の山々模糊と霾れる はく子
噴く山も海を除いて黄砂降る 宏虎
如何にせんまことみごとな桜鯛 みづき
昼網の真先に糶られ桜鯛 うつぎ
霾やタクラマカンの砂と云ふ よし子
行き暮れて黄砂日本の土となる よう子
到来の桜鯛なり婿料る はく子
桜鯛さばく女の腕の艶 隆松
つちふるや投函口をそっと拭き かかし
スモッグにあらず京師は霾ぐもり せいじ
鷲掴みされてあらがふ桜鯛 みのる
霾やぼんやり山のシルエット こすもす
霾やワイパー百三十五度 よう子
桜鯛どこの漁村を出で来たる 素秀
霾天に警笛連呼観光船 かかし
桜鯛鳴門の渦にきらめけり 満天
霾るや空は真白きドームめき せいじ
霾天の爆音追ふも飛機見えず 隆松
黄砂降る時の流れの音の無く 満天
嬉しさう優勝握る桜鯛 宏虎
ぴくぴくと尾ひれ船盛さくら鯛 やよい
桜鯛でんと主役のお食い初め もとこ
つちふるや艶消しとなる愛車かな 智恵子
霾や砲台の跡影薄く わかば
明石鯛味も姿も日本一 よし子
黄砂降る大和三山もやの中 明日香
風葬の国を越えきし黄砂かな 素秀
霾や日に一便の赤ポスト なつき
黄砂降る水に流してケセラセラ せいじ
豊漁に賑わふ明石桜鯛 明日香
門出の子桜鯛にて祝福す かかし
霾や干し物躊躇室内干し ぽんこ
天然の販促シール桜鯛 豊実
桜鯛跳ねて糶声高まりぬ わかば
右近像石のクルスに黄砂降る よう子
キッチンを鱗まみれに桜鯛 やよい
加太の門に犇めく漁船桜鯛 やよい
しゃぶしゃぶは友の釣果の桜鯛 はく子
桜鯛料るうろこの光跳ね飛ばし はく子
招かざる海越えて来る黄砂かな 満天
問題の遠くて近し黄砂降る 宏虎
塩焼のピンと尾の跳ね桜鯛 よし子
黄砂降るコンクリートの大観音 なつき
笑む母の白寿を院ふ花見鯛 智恵子
かの国の焦都も斯くや黄砂降る みのる
また一つ入る訃報や霾ぐもり うつぎ
ワイパーが黄砂の窓をくり抜けり なつき
黄砂くる通天閣に赤い灯が よし子
浦風や糶に跳ねおる桜鯛 明日香
婚礼の皿鉢に対の桜鯛 よう子
タンカーの影模糊として黄砂降る わかば
桜鯛変はりていたるお品書 みづき
数字みな忘るる人よ霾ぐもり なつき
釣果ゼロ魚屋で買ふ桜鯛 みのる
そんな目で見るんじゃないよ桜鯛 隆松
桜鯛大漁旗にて入港す かかし
桜鯛触れなば跳ねん魚の棚 明日香
透くほどの桜鯛には酒祝ひ もとこ
おもてなし桜鯛をと決めにけり みづき
田園をベールに包む霾ぐもり かかし
石人の顔は哀しげ黄砂降る うつぎ
黄砂来る乾燥室となる風呂場 豊実
夜行にて釣りに行けども桜鯛 宏虎
桜鯛鯛大好きの誕生日 豊実
桜鯛出刃の刃先のかたき骨 ぽんこ
大渦にもまれて来たり桜鯛 素秀
あちこちに鱗飛ばして桜鯛 智恵子
結納の膳に華やぐ桜鯛 智恵子
大阪城鈍色に染め黄砂来る ぽんこ
黄砂降る四方の山山模糊として 満天
民宿の店の生け簀や桜鯛 みづき
一本釣りと高値呼ぶ桜鯛 わかば
霾れる夕べの街のよそよそし はく子
兜煮の目玉嬉しや桜鯛 宏虎
渦潮の透き通る青桜鯛 豊実
桜鯛チラ見したあとショッピング こすもす
藤原宮跡に望む香久山霾れり やよい
紀ノ川の長き鉄橋黄砂降る よう子
あら炊きのごぼうの匂ふ桜鯛 ぽんこ
霾風や泥雨予感の匂いせり 隆松
霾れる河原に佇てば黄泉路めく みのる
桜鯛かしら丸ごと潮汁 やよい
大陸の砂と思へば黄砂また 明日香
噛み合はぬ言葉一つよ黄砂降る もとこ
つちふるや砂漠の民の夢紛れ もとこ
ご飯用に焦げ目をつける桜鯛 こすもす
距離感の狂ふ大路や黄砂降る せいじ
卒業を祝うてつつく桜鯛 せいじ
桜鯛明石産とて売れゆけり わかば
ミサイルも黄砂も来たる海越へて もとこ
機窓いま下界は深き黄塵裡 みのる
霾ぐもり大橋歩く開通式 素秀
足早に下る尾根道霾晦 豊実

2022年2月28日

野の辛夷花の香りや立ちこめる 宏虎
外つ国の避難の老女冴返り もとこ
冴返る抜きそこなひし指の刺 なつき
力込めニ礼二拍手冴返る うつぎ
風通る礼拝堂の冴返る せいじ
円空仏裂けし木目の冴返る かかし
和蝋燭ちりちり揺らぎ冴返る うつぎ
父母眠る故郷の丘花辛夷 かかし
玻璃越しの星の数多や冴返る こすもす
よそ行きの下着一枚冴返る 宏虎
長谷寺の登廊下や冴返る 明日香
夜半覚めラヂオの笑ひ冴返る もとこ
湖畔駅ホームを覆ふ花辛夷 みづき
食い渋る鮒はまだ底冴返る 豊実
物見めく鴉の鋭声冴返る せいじ
参道の風に乗る香は辛夷らし こすもす
看取りさへままならぬ世ぞ冴返る みのる
花辛夷離陸見下ろす展望台 豊実
朝一番ハイヒールの音冴返る 満天
道連れは己が影だけ冴返る うつぎ
冴返るシャッター街となり果てて みのる
蒼天へ真白き城の冴返る 満天
検査室十ある廊下冴返る なつき
早暁の車スリップ冴返る かかし
子のいない六畳ひと間冴返る 明日香
仏壇の蝋燭の火や冴返る 明日香
ネオンの字一つ抜けたり冴返る 宏虎
シャッターに貼り紙ありて冴返る みづき
辛夷咲く歌思い出し熱唱す 宏虎
冴返り血中酸素下がるほど 素秀
投入れしごと辛夷咲く雑木山 みのる
冴返る朝刊落とす音もまた せいじ
公園に笑ひ声あり花辛夷 隆松
冴返り易者動かぬ街灯下 素秀
冴え返る畳廊下の大書院 やよい
辛夷咲く十年越しの登山靴 豊実
靴先の指の感覚冴え返る ぽんこ
引きこもる日々の何時まで冴え返る やよい
山坂の頂上過ぎて花辛夷 素秀
学び舎の一つ残る灯冴返る 満天
香を放ち野の肌覆う花辛夷 隆松
峡谷の祈る容の辛夷かな 明日香
冴返るロイヤルティを熱くして みづき
代々の村役の家辛夷咲く うつぎ
凍返る売り地看板立つ生家 やよい
遠嶺の近くとなるや冴返る 隆松
花辛夷つつかへ棒の旧校舎 なつき
冴返る互ひの言葉すれ違ひ  もとこ
街路行く人を和ませ花辛夷 わかば
おしまるる命の別れ冴返る わかば
街路樹の天へ一斉辛夷の芽 満天
休みつつ延ばす杖の歩花こぶし やよい
廃寺に残りし句碑や冴返る なつき
花辛夷開いて空に疵の無し 素秀
友の家ぬきんでてをり辛夷の木 こすもす
こぞり咲く無垢なる白や花辛夷 わかば
冴返るまだ手放せぬ厚手もの こすもす
冴返る突然に訃の知らせ来て わかば
青空に明日の予想辛夷の芽 もとこ
無住寺の猫出入り口花辛夷 かかし
冴返る血圧計の乱れをり かかし
駅頭に電車待つ間や冴返る 宏虎
冴返る星の王子の小さき星 もとこ
片頬を夕日に染めし辛夷の芽 うつぎ
冴返るオープン戦の初ヒット 豊実
朝刊を配るバイクや冴え返る ぽんこ
冴返る古き映画の録画撮り こすもす
冴返りつつ崩れゆく民主主義 素秀
残雪と見紛ふ比良の花辛夷 せいじ
何処までも辛夷の花の並木路 ぽんこ
おみくじを結びしごとき幣辛夷 せいじ
咳堪へ座禅くむ堂冴え返る やよい
ままごとの赤ちゃん役よ姫辛夷 なつき
冴返る月や西向くトイレ窓 隆松
試合合間熱きコーヒー冴え返る ぽんこ
花辛夷若草色のデイパック 豊実
辛夷咲くロータリーゆくベビーカー 隆松
三輪山の背に暁の冴返る 明日香
冴返る防犯灯のLED 満天
三輪車表札ふたつ辛夷咲く みづき
辛夷咲く夕べの読経つづく中 みづき
あえかなる遠銀嶺や花辛夷 みのる
街路樹の辛夷に遅速ありにけり わかば
山辛夷咲いてほつほつ棚田人 みのる

2022年1月31日

戸締まりに触れしもの皆底冷えて みづき
籠る日々慣れてものぐさ蜜柑剥く 智恵子
底冷えに運転試験震てをり 小袖
眠られぬ夜行列車や蜜柑食ぶ わかば
大漁の熨斗掛けられて蜜柑箱 ひのと
底冷えの夜明けの厨湯を沸かす ぽんこ
風呂上がり咽が渇きて蜜柑むく 宏虎
箱底の最後のみかん痣つけて せいじ
昭和の子蜜柑の汁であぶり出し 明日香
手触りで甘みを探る蜜柑かな 豊実
底冷えの堂の真中に止まる靴 よう子
雨戸開け底冷えのする大地かな 満天
箱みかん六人家族だつた頃 明日香
底冷えの古書店出でてコーヒーどき なつき
底冷えの部屋に遺影の父母並ぶ なつき
日表の色の宜しきみかん捥ぐ はく子
こぼれても蜜柑押し込む詰放題 隆松
今日の投句終えてほっとの蜜柑食ぶ ぽんこ
参道の左右みかん畑宮ひそか やよい
夜の更けて蜜柑に爪の色変はる 素秀
底冷えの朝を開いて自動ドア 素秀
底冷の星空高く美しく わかば
筋取らぬ取ると談義の蜜柑剥き 隆松
これよりは熊野古道やみかん畑 やよい
道売りの蜜柑のバケツ大中小 よう子
美味しくて手指黄色に蜜柑かな 明日香
米出来ぬ地なれば蜜柑育てしと はく子
土佐分担寝かせて食べよ母の文字 よう子
底冷えの納骨堂や鈴を打つ 豊実
底冷えの夜明けの道をペダル漕ぐ ぽんこ
底冷や疫禍治まる気配無く はく子
底冷えの鍵穴探るもどかしさ たか子
底冷えのどっぷりつかる長風呂に 満天
皺の手の祖母かへしける焼蜜柑 もとこ
夕食のデザート蜜柑部屋匂ふ 満天
底冷えや寝間入る前の足湯かな 智恵子
催事ありみかん畑にも万国旗 やよい
底冷えに足踏みしたるビラ配り なつき
膝痛む広き本堂底冷えす うつぎ
底冷えの渡り廊下や延暦寺 明日香
底冷えの父母いぬ家や鍵硬く もとこ
思ひ出す蜜柑丸ごと食べし父 せいじ
燧灘凪ぎて明るし蜜柑畑 小袖
底冷えの欄間に竜の透かし彫り みづき
早暁の汽笛を欲す密柑山 宏虎
底冷えの京の小路を人力車 せいじ
婦人部のバスツアーなり蜜柑の香 よう子
リハビリの蜜柑剥けし日忘れまじ かかし
底冷や歩哨の壕に膝の音 隆松
底冷や八方睨みの龍仰ぐ うつぎ
痩せし夫底冷えを言ひ起き来たり やよい
籠の盛る蜜柑のすぐに皮の山 わかば
みかん山生涯継がず父の逝く やよい
底冷や地団駄踏んでバスを待つ うつぎ
底冷えの夜に鴉の遠き声 素秀
焼き蜜柑安眠剤となりにけり 智恵子
海近く午後のしじまや蜜柑畑 みづき
左見右見して底冷えの二年坂 せいじ
底冷に仮眠の覚める演習場 隆松
結界を超える底冷え堂の闇 よう子
嫁してより此処がふるさと蜜柑剥く ひのと
父に似て左手で剥く蜜柑かな 豊実
ワクチンの接種の知らせ蜜柑剥く たか子
一人ずつ蜜柑配られ会議果つ ひのと
永平寺廊下靴下げ底冷えす 宏虎
紀の国の日をたっぷりとみかん熟る はく子
すくすくと潮風受けて蜜柑山 智恵子
袋分け並べて吾子の蜜柑食ぶ なつき
底冷や屋台ラーメン替へ玉を かかし
喪心の渇き止まざり蜜柑食ぶ なつき
底冷えに指ひきつれる廊下かな もとこ
底冷えや村里の灯の疎らなり こすもす
熱の日の額にみかん当てゐたり たか子
魚の血に汚れし漁港底冷す ひのと
鈴生りの蜜柑畑や空真青 かかし
吟行の手指の冷たさ息を吹く ぽんこ
蜜柑三つ入れ鈍行の旅鞄 うつぎ
シャトル打ち込む底冷えの体育館 豊実
蜜柑届く天地返しの部屋の隅 たか子
底冷えの足裏にある体重計 素秀
蜜柑剥き返事代はりのあくびかな ひのと
デザートの捥ぎたて蜜柑農家カフェ かかし
露座仏の大きな陰や底冷えて みづき
底冷えの廊下の奥の離れの間 豊実
病院の夜の廊下や底冷す わかば
癖となるお口直しの蜜柑かな こすもす
トランプと蜜柑と四人姉妹かな 小袖
花びらの形に蜜柑むけと吾子 素秀
底冷の待合席に大火鉢 わかば
蜜柑剥くエアークリーンが即感知 うつぎ
山の辺の蜜柑山盛り無人店 明日香
底冷えの堂に伐折羅の髪立ちぬ もとこ
弁当に輪切りの蜜柑なつかしき せいじ
底冷えや古刹の廊下塵もなし 宏虎
団欒の昭和は消えて蜜柑むく もとこ
底冷えの献立決まる鍋物に 満天
すりすりと足こするなり底冷え日 智恵子
底冷えの昭和の廊下外厠 たか子
底冷や鴬張りの長廊下 はく子
底冷えや闇にさぐりし鍵の穴 こすもす
底冷や手掘りの間歩の鑿の跡 かかし
登り窯底冷え厳し五条坂 みづき
風呂上がり火照るおでこに蜜柑当て 小袖
店頭の産地確かめ蜜柑買ふ 満天
瀬戸内の島全体が蜜柑色 宏虎
底冷えに始動の古車の喘ぐ音 隆松
お手玉の小粒蜜柑の転がれリ 小袖

2021年12月

九条葱たつぷり入る鍋うどん わかば
葱匂ふ車塾へと子を送る なつき
脚痛める孫の来訪根深汁 ぽんこ
スマホには収めきらずや冬銀河 なつき
故郷へ帰れぬ今や冬銀河 満天
葱剥きの女の放つ香の調べ 隆松
冬銀河歩巾を合わす散歩道 みづき
襟立てて絆ぐ会話や冬銀河 小袖
就農は五年目と葱貰ひけり 素秀
山盛りの葱のラーメン農家カフェ かかし
葱ぬたや胡麻と酢加減母伝授 もとこ
葱買うてはみ出す匂ひ持ち帰る はく子
坪庭や悠久無限冬銀河 よう子
自転車の前籠に立つ葱の剣 せいじ
畑帰り門に置かれし葱に土 よう子
友の訃の葉書一枚冬銀河 うつぎ
葱の香に目覚めし朝や父母の居て 明日香
職人の弁当に出す根深汁 うつぎ
黙祷の訃報の便り冬銀河 かかし
葱の無き納豆なんて蕎麦なんて はく子
藁屋根の谷の上なり冬銀河 隆松
猫が嫌うハンドクリーム冬銀河 こすもす
葱焼きが大好物でありし夫 はく子
自家産の葱が土産や友来たる こすもす
宿場跡の一つ灯りや冬銀河 隆松
父いつも根深と呼びし茶の間かな こすもす
鍋溢る分葱湯がかば一握り よう子
休田を転じ葱畑老農夫 かかし
冬銀河青春時代忘れけり 宏虎
エコバッグの根深艶やか帰り道 なおこ
長葱の通勤鞄をはみ出せリ うつぎ
朝の厨白きエプロン葱刻む 智恵子
悪いことしたのだろうか冬銀河 明日香
風邪気味や葱たつぷりの鍋料理 せいじ
焼き葱の長さに揉める二人かな 素秀
漆黒の低き山の端冬銀河 豊実
葱好きの夫の植えしか庭に葱 明日香
焼葱や葱間と違う主役なり 隆松
農園の葱畑真っ直ぐ天を差す 満天
酷使する目を休ませて冬銀河 小袖
露天風呂星となる身や冬銀河 よう子
岬へと青き小山や葱畑 智恵子
深谷葱待たるる暮の届け物 わかば
葱なくば代用品の見つからず うつぎ
岬果つ海空となる冬銀河 よう子
網焼きに舌づつみする下仁田葱 ぽんこ
葱一把壁に凭れて枯葉先 ぽんこ
靴音の遠くなりゆく冬銀河 満天
薬味とは思へぬほどの葱を乗せ 明日香
下宿屋の窓にもありし冬銀河 せいじ
葱きざむ夫の包丁リズム良し もとこ
土付きの葱いっぱいの箱届く 豊実
車止め浜辺に見上ぐ冬銀河 智恵子
葱ひとつ持て余したるエコバッグ せいじ
子には子の別の旅あり冬銀河 もとこ
冬銀河寝つかれぬまま旅の宿 わかば
葱ひとつ買物籠をはみ出しぬ せいじ
冬銀河一つを夫の星と決め みづき
カーテンは閉めないままや冬銀河 こすもす
葱多きお好み焼きや豊げに 宏虎
白葱や選ぶ一本絹びかり 小袖
父のこと遠い記憶や冬銀河 わかば
冬銀河繰り返し聞くオルゴール みづき
刻み葱何時でも準備の必需品 満天
夜食にと葱雑炊を作る母 明日香
冬銀河モールス信号ははからと 宏虎
冬銀河遊子鞄に双眼鏡 素秀
妻の皿時かけ除ける刻み葱 隆松
冬銀河飛機点滅の無音界 素秀
水平線分けて離島の冬銀河 素秀
欠礼の多きこの年冬銀河 満天
ぼけしらずてふ根深の白と緑濃し なおこ
卒業公演見し高ぶりや冬銀河 はく子
下仁田葱太ぶと鍋に柔らかし はく子
葱植ゑて鋤焼きの日を待つてをり なつき
手製てふ葱汁自慢母百歳 かかし
ポケットを手で押し下げて冬銀河 豊実
愛犬の生まれ変わりか冬銀河 ぽんこ
冬銀河も一度逢ひたかった人 みづき
大原の入り日に染まる葱畑 みづき
厄神参り葱の日向に青々と 宏虎
炊くほどに葱は甘くて熱きもの 小袖



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