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2019年3月
診断の加齢と一言山笑ふ 満天
水温む河馬ゆつくりと水を這ふ よう子
石段の一段飛ばし山笑ふ うつぎ
水温む瀬音を聞きつ握り飯 三刀
長寿とは生きる事なり山笑ふ 宏虎
輝ける水車の飛沫水温む うつぎ
山笑ふやめる勇気の白髪染め なつき
水温みよちよち歩き公園に 満天
太極拳翳したる手に山笑ふ みのる
雑木山萌黄に笑ひそめにけり みのる
屋上より鷺の睥睨温む池 ぽんこ
おはようと云ふ人をりて水温む もとこ
馬の背を辿る人増ゆ山笑ふ わかば
水温む出合の水音優しけり 三刀
首伸ばし白鷺漁る水温む 董雨
切岸へ淡き色つけ山笑ふ わかば
水温む轟音止まぬ洗堰 せいじ
小流れの流れ合うとこ水温む よし子
水温む亀の漂ふ城の池 やよい
水温む娘が来るという知らせ 須磨子
山笑ふ改装急ぐ道の駅 よし女
トンネルを貫通させて山笑ふ はく子
庭の実を鳥食べ尽くし山笑ふ みのる
吊り橋に繋がる両の山笑ふ はく子
太閤のお天守ゆらぎ濠温む 菜々
水温む嫁御来る日の大そうじ もとこ
水温む米研ぐ音の緩やかに 董雨
校門に迎えママ達山笑う 小袖
新しき靴を降ろす日山笑ふ 素秀
絶壁の小便小僧山笑ふ 素秀
ガン見せる夫睨む妻山笑ふ せいじ
トレールランひとあし毎に山笑ふ 素秀
山笑ふ風倒木をそのままに せいじ
むつかしや今の家族は山笑ふ もとこ
図書館へも少しひく紅山笑ふ こすもす
パパママとおててつなげば山笑ふ みのる
堂島の揺蕩ふ川や水温む 明日香
水温む鳥の集まる手水鉢 明日香
さんさんと日照雨に濡れて山笑ふ  ぽんこ
わらべ地蔵寝転ぶ足や水温む 智恵子
飛行船追いかける子ら山笑ふ 智恵子
水温む泥はね上がる潦 明日香
利かん気は母似で父似山笑ふ なつき
山笑ふ吊り橋揺らす子恐がる子 菜々
水温む手押しポンプの鳴りやまず うつぎ
山笑ふ迷路めきたるジャンクション よう子
吾を叱咤しては百磴山笑ふ やよい
山笑う麓を巡り福祉バス 小袖
水温む鷺のぬき足さし足に みのる
遊具よりこぼれ落つ子や山笑ふ なつき
山人の畑の手入れや山笑ふ よし子
引き波の音高らかや水温む せいじ
陸奥へ親子の旅や水温む よう子
一片の異動通知や山笑ふ よう子
川登る数多の鯉や水温む 満天
池温む観音山に抱かれて 菜々
山笑う改装中の道の駅 三刀
水温む池に鳥よけネット張り よし女
山寺は四方の山々笑ふなか よし子
懐に鳥語包みて山笑ふ わかば
末つ子の公園デビュー水温む 菜々
草野球の応援合戦水温む こすもす
山彦の呼べば応えて山笑ふ よし子
一雨にうふふおほほと山笑ふ 明日香
御手洗のマニキュアの指水温む よし子
山笑ふ恵方と信じ退院す 宏虎
山笑ふ課外授業の子らの声 うつぎ
谷戸流るせせらぎの音水温む 董雨
池の面へ差す日柔らか水温む わかば
蘆の角細波まとひ水温む 宏虎
抜き足の鷺の濃き影水温む やよい
温む池亀の懸垂浮き沈み ぽんこ
舟べりに波のゆらゆら水温む こすもす
伐採を終へて明るし山笑ふ よし女
陵を二つ麓に山笑ふ はく子
水温む底澄む岸辺魚の影 三刀
餌を待ちてただ立つ鷺に水ぬるむ はく子
山笑ふ御朱印帳のはやいつぱい 素秀
水温む大師井に置く長柄杓 なつき
水温む会話の弾む車椅子 満天
くまもんの名札のリュック山笑ふ なつき
水温み大大阪の渡船かな もとこ
林立のはためく幟水温む こすもす
まな板の音も軽やか水温む やよい
SLの運行開始山笑う 三刀
遠近にしし鍋看板山笑うふ よし女
助走して飛び越す小川水温む うつぎ
水温むふんだん流し糶終はる 宏虎
山笑ふ呵呵大笑に山笑ふ 明日香
道の駅ゆるむ財布や山笑ふ ぽんこ
決め事は大安吉日山笑ふ 宏虎
鍬杖に腰を伸ばせば山笑ふ 智恵子
山笑ふ下戸も詣でし酒の神 菜々
鈴鳴らし背負ふリュックや山笑う 智恵子
応援のボリューム高し山笑ふ こすもす
高空に鳶の帆翔山笑ふ 素秀
噛み合はぬ媼の会話山笑ふ やよい
鳥居くぐり笑ふ御山をめぐりけり はく子
水温む水路に洗ふ野菜かな 智恵子
トンネルを越せば晴天山笑ふ ぽんこ
球のごと太りし猫や山笑ふ せいじ
ビル谷間古墳乱立山笑ふ もとこ
足音に寄り来る鯉や水温む 董雨
温む水掬ひてお礼参りかな みのる
水温む病院通ひ解かれたり よう子
山笑ふ口は動けど足動かず 満天
堰落つる瀬をはずませて水温む わかば
山笑ふ湖面に水皺走らせて よし女
2019年2月
引越しの挨拶笑顔暖かし 満天
万蕾に枝絡む日のあたたかし みのる
啓蟄やタンカー浅瀬に乗り上ぐる よし女
暖かき園に行厨吟行子 智恵子
春暖や和製アマルフイてふ漁村 やよい
偶に出る外の日溜まり暖かし 董雨
啓蟄に蟻のますます働けり 素秀
暖かや浜の万葉歌碑綴る わかば
地虫出づ人間社会さわがしや よし子
啓蟄や土の香混じる風そよぐ 素秀
啓蟄の満車の多きパーキング 更紗
はやぶさの着地成功地虫出づ やよい
あたたかや十年を経し癌術後 やよい
啓蟄やべそをかく子の膝丸し もとこ
虫偏の苦手な吾なれ地虫出づ たか子
啓蟄や母の晴れ着を出してみる 明日香
啓蟄の土を吐き出す蟻の穴 みのる
啓蟄や菰取り外す園の松 董雨
啓蟄や通院もまた試歩とせん せいじ
啓蟄や大地の熱気伝わり来 わかば
啓蟄や地べたで遊んだ昔の子 よし子
啓蟄の風に乱さる髪のまま 素秀
啓蟄の画面に夫の農日誌 菜々
暖かやよちよち歩き公園に 満天
啓蟄や飼い犬でんと吾を睨み よし女
一輪車乗れたと破顔暖かし たか子
啓蟄や走り出したら止まらぬ子 なつき
啓蟄やバーゲンセール賑はヘリ 三刀
湿布薬貼ってくれる手暖かし よし女
啓蟄や農機具並べ総点検 こすもす
啓蟄やベランダ転がるだんご虫 はく子
啓蟄の蟻さんごめん鉢移植 みのる
啓蟄やみみず伸びたり縮んだり はく子
啓蟄や洗濯物のよく乾く 董雨
啓蟄や廃屋毀つ土臭ふ やよい
日本人親切心の暖かし 宏虎
風呂上り母の手編みを着てぬくし 董雨
今日こそは庭の手入れぞ暖かし 宏虎
屏風岩仏めく彫り温かし 小袖
暖かやレジャーシートに犬も居り 更紗
道路工事員の笑顔あたたかし なおこ
啓蟄や町長選挙に町沸きぬ うつぎ
啓蟄や見合ひ写真を急ぎ撮る せいじ
地虫出て道草始まるランドセル 菜々
啓蟄や狭きテントの親子連れ ぽんこ
ボール蹴るおさな移り気地虫出づ よう子
啓蟄や夫とおはよう言ひ交し よし女
うまい児の百面相や縁ぬくし 菜々
啓蟄や子らは移住の新天地 やよい
暖かや婚の吉報郵便来 宏虎
啓蟄や温水要らぬ台所 明日香
手に触れて連理の句碑の温かし みのる
畦の香や雨後の大地の暖かし 智恵子
地虫出づ路上喫煙取り締まり なつき
杖で来る回覧板の暖かし うつぎ
あたたかや久闊を叙す笑い顔 ぽんこ
靴ひもを直すベンチの暖かし せいじ
啓蟄や再登録の用紙来る 明日香
十字切る右近の視線あたたかし ぽんこ
啓蟄やタイヤ交換何時にせん こすもす
暖かや母の眼に児の遊ぶ よう子
啓蟄や大地復活とげにけり わかば
列島はあちこち揺れて地虫いづ たか子
焼き討ちの恐れも知らず地虫出づ たか子
暖かき雨しめやかに降る夜かな わかば
啓蟄や古書街友と急くもなし 智恵子
暖かき日差しに母の髪を梳く わかば
啓蟄や腐葉土そろそろ使いごろ こすもす
偕老の相づち会話あたたかし よう子
啓蟄を咥へむとすや鳥降下 隆松
春暖の光遍き山河かな 三刀
啓蟄や畦道を行く人の影 三刀
歩き初む子を見る曾祖母あたたかし はく子
暖かや心を込めてする握手 董雨
出産待つ娘と語らひてあたたかし なつき
暖かき日射し背にして草を取る 三刀
突然の鳥の羽ばたき森温し せいじ
啓蟄や靴履き替へし吟行子 隆松
あたたかや樹齢五百の楠大樹 はく子
啓蟄やよくぞ潜れり地下の駅 宏虎
啓蟄や道路工事のはじまりぬ よし子
スカートをはきたくなる日地虫出づ よう子
あたたかや異国語溢れ富士のバス もとこ
相席の二言三言あたたかし うつぎ
子らの声響く園庭暖かし 智恵子
啓蟄にまた誘われて旅支度 もとこ
啓蟄や畦やはらかな土の香が 明日香
啓蟄やパステルカラーの靴を履く なおこ
啓蟄や真つ赤な靴の先とがる なつき
啓蟄や花壇整備のボランティア こすもす
暖かや地蔵尊への供華あふれ 満天
読み聞かす保母さんの声暖かし 三刀
啓蟄や門を出で来る園児どち せいじ
啓蟄や鼻息あらきブルドッグ みのる
あたたかや鳩も見ている天守閣 よし子
畑掘れば眠たき地虫転ぐり出 よし女
啓蟄の手にして迷ふ羽織もの 更紗
砂利の山シャベル黄ばかり地虫出づ 小袖
触角を大きく回し地虫出づ うつぎ
啓蟄や髪型変えてアナウンサー 菜々
啓蟄や土と親しむ暮らしして 明日香
ホームグラウンドの地虫穴を出づ なおこ
風ぬくしデッキに立ちて島巡り 隆松
ふくよかにリボンを結びあたたかし 更紗
引越しの後の珈琲あたたかし 更紗
啓蟄や風あり厳し現世知る 宏虎
いやいやをおぼへたる子やあたたかし はく子
啓蟄や煙一筋作業小屋 こすもす
啓蟄や泥を付けたる革の靴 素秀
啓蟄やまだ眠たくて出られない ぽんこ
暖かや巡礼渡る竹生島 隆松
暖かきうたた寝の手にクリスティー もとこ
啓蟄や散歩に畦を踏みしめて 隆松
啓蟄や城の砦は野面積み たか子
警官に褒めらるる犬暖かし うつぎ
啓蟄や虫食い野菜道の駅 智恵子
啓蟄や砂にまみれしテニス靴 ぽんこ
啓蟄や売地の杭を濡らす雨 素秀
暖かや小槌のやうな種もらひ なつき
啓蟄の戸口に試歩の松葉杖 菜々
啓蟄や旅の話は盛り上がる 満天
啓蟄や赤白帽子菜園に 満天
啓蟄や街に騒めき戻りをり もとこ
啓蟄や選挙カーらし谷こだま よう子
壁の絵の藤田の猫のあたたかし よし子
2019年1月
初鳩の等間隔や人の道 董雨
法令線深くなりしか初鏡 満天
子ら去りて妻とふたりの初映画 せいじ
抱つこして吊革持たす初電車 なつき
新しい鉛筆削り初句会 菜々
多賀詣でローカル線の初電車 小袖
大仏の御手よりこぼれ初雀 みのる
災(さい)のなき年を願ふや初暦 やよい
蒸したてのおこわに列の初大師 ぽんこ
変顔を比べあひして初笑 なおこ
舞初や扇子のなれる傘や槍 素秀
有名校ばかりへ祈願初天神 たか子
初飾り朝日に光る商店街 智恵子
水鳥のほのぼのと浮く初景色 はく子
初鏡横からのぞく目元似て なつき
老いし母目の前に居る初鏡 明日香
間の空きて言葉探せり初電話 素秀
初春の淀滔滔とあをあをと 菜々
初鴉神の使いと崇められ 宏虎
囲みしは誕生日なり初暦 素秀
太柱鋲も梅なり初天神 たか子
洛北に降り立ちて上ぐ初比叡 明日香
邂逅の友と嬉しき初茶会 わかば
初鏡裏に昭和の日付あり よう子
幼くも亥の一文字を書き初むる こすもす
髪切つて首すじ清し初手前 なつき
手を伸ばす牛の頭や初天神 明日香
初市の億といふ値の大まぐろ たか子
初暦揺るぎなき日をおくりたし わかば
書初や左手の筆の巧みなり せいじ
初試合今年は勝と碁石打つ 董雨
日本の心にかへる初詣 よし子
乗初めは中央局のポストまで 明日香
乗り継ぎの青春切符初詣 小袖
島一つ浮かべて凪の初景色 三刀
初湯殿秘湯の入浴剤入れて みのる
茶道のおくぎは禅に通づと初映画 よし女
初弘法東寺は人であふれけり はく子
初暦撥ね年一つ重ねけり 董雨
孫も来て初ドライブす誕生日 董雨
越の国海より明くる初景色 よし子
書初の「正」は苦手や「お正月」 せいじ
初乗や夫の運転変わりなく ぽんこ
正信偈の音読読書初めとす こすもす
芸術的ピカソのやうな福笑 よし子
韋駄天の福男なり初戎 宏虎
車椅子ポカポカ陽射す初散歩 智恵子
良きことの多きを願ふ初日記 よう子
初鼓めぐる鎌倉能舞台 智恵子
初護摩供いま転読の唄ふごと 菜々
子ら去にて部屋の静やか初硯 やよい
家族みな元気と記す初日記 みのる
泣き声もまためでたけれ初電話 うつぎ
幼子の一挙一動初笑 もとこ
買初めは氏神さんの守り札 はく子
近況の訛り言葉に初電話 満天
初日記楷書で今日の出来事を 満天
初伊勢や赤福餅をまづ食す もとこ
当り籤もて白米を買初す せいじ
初句会饒舌となり忘れ物 よう子
なごやかに家族揃いて初写真 わかば
余生また色分けするや初暦 満天
初句会今年こそはの顔並ぶ 明日香
唯一の己が句集を読み初めに 菜々
初買は俳句の本とカレーかな 宏虎
初空にひとひら残る月ならん はく子
末社にも初天神の心持て たか子
初もうで安産祈願の両手に児 なつき
法螺貝に続く一声せり始め 三刀
初夢のまだ何者も現われず 素秀
神妙に巫女集まりて初天神 たか子
指差しの駅員きりり初電車 よう子
夫に添ふ散歩初めや凪の浜 よし女
さだまさし聴きいる仏間初明かり こすもす
経典て背を打つ音や初観音 三刀
勅題の茶碗を揃へ初点前 うつぎ
家族増え寄って寄ってよ初写真 もとこ
初大師押すな押すなの参拝者 宏虎
初売の大入袋に長蛇の列 ぽんこ
鍬始めすずなすずしろ横に見て 三刀
踏み減りし磚もゆかしや初詣 菜々
中天に千木の輝く初戎 ぽんこ
カレンダーの車列指さす初笑顔 よし女
幕あがる喜寿への一歩初明り やよい
遠回りする山陰海岸初景色 こすもす
拍手の小脇の犬も初参 ぽんこ
岩風呂へ長き廊下や初明かり 智恵子
初芝居贔屓の太夫出ておらず よう子
初凪の一湾よぎる物もなし やよい
初仕事採血にかほ反らしたり もとこ
初茜千年欅は隆々と うつぎ
声色を真似て音読読み初め こすもす
愚痴溢れ聞くばかりかな初電話 もとこ
賽銭の音も高らか初詣 よし子
初電話受話器取り合ふ子等の声 うつぎ
初弘法古色堂塔取り囲み はく子
群衆の歓声まさに初日の出 小袖
東雲の遠く聞こえし初の鷄 素秀
煤けたる大黒天と初笑 うつぎ
初便りポストはみ出す旅チラシ 智恵子
初夕日の雲間に光り目の眩む 董雨
初旅が汝の弔問にならうとは みのる
湧き水の音沸々と初山河 三刀
初詣バイトの巫女の初初し 宏虎
風そよぐ台場跡より初比叡 せいじ
白砂浜初松籟にめぐりけり みのる
初日の出海展けゆく須磨の浦 わかば
家移りの古民家広し初掃除 やよい
子に持たす畑のもの掘る鍬初め よし女
ゆるキャラが子の頭撫づ初大師 なつき
初夢や足取り軽ろし吟行子 満天
象の耳殻に塗るワセリンや仕事初め よし女
東雲に心あらはる初明かり わかば
虚子の句を一幅掛けて初句会 よし子
2018年12月
日向ぼこ聖歌洩れくる木のベンチ 菜々
高原の並木の分かつ枯野かな 隆松
前は海後は山の枯野かな 宏虎
広ごれる枯野の古き作業小屋 こすもす
灰色の空と溶け合ふ枯野かな かつみ
色のなき枯野の道を郵便車 よし子
朱の橋のあらはにせしや大枯野 満天
空谷の隧道出ると枯野原 かつみ
日向ぼこして極楽にゐるつもり よし子
諍ひて鴉の騒ぐ枯野かな 素秀
被災地の枯野に埋もる七ヶ年 海潮音
枯野いま入り口隠す秘密基地 智恵子
日向ぼこ長寿の父母を懐かしむ 小袖
世間から世界の事へ日向ぼこ たか子
靴を取り足投げ出すや日向ぼこ 隆松
多弁な世話を焼く婆日向ぼこ 宏虎
老いてなほ気丈な人に似し枯野 たか子
雲一朶なに見るでなし日向ぼこ よう子
枯野へと赤き車両の消えにけり 満天
恙なく百三歳の日向ぼこ わかば
玻璃ごしに庭を見る猫日向ぼこ 素秀
メモ帳を手元に窓辺ひなたぼこ 三刀
突風に逆らひもして枯野ゆく せいじ
お尻に根生えて立てざる日向ぼこ みのる
枯野中前照灯の電車不意 三刀
恙なし転た寝になる日向ぼこ かつみ
存分に紫外線浴び日向ぼこ うつぎ
湿原の道は無尽や大枯野 わかば
子守像鳩と雀と日向ぼこ はく子
真青なる空へ広がる枯野かな はく子
一輌車に小さき踏切り大枯野 うつぎ
腹掻く手猫とシンクロ日向ぼこ 隆松
電飾の闇に華やぐ枯野かな 智恵子
縁側に日向ぼこして猫がゐて よし子
石垣にもたれ鍬抱く日向ぼこ よう子
編み棒の慣れた手つきや日向ぼこ こすもす
繋がれし山羊の一匹枯野かな 素秀
歳時記を繰りては縁に日向ぼこ やよい
傍らに俳句本おく日向ぼこ なつき
孫の婚までは生きたし日向ぼこ あさこ
石蹴りの子らを隠して枯野原 海潮音
離陸機を頭上に仰ぐ枯野かな みのる
嘘一つ見抜かれてをり日向ぼこ 海潮音
妻と娘を送りて独り日向ぼこ せいじ
おしくらまんじゅうめきて婆どち日向ぼこ こすもす
朱雀門まわりは枯野寂しけり 宏虎
雨上がる雲走らせて枯野原 たか子
連山を遠くに控え大枯野 よし子
お持たせのハワイチョコ分け日向ぼこ なつき
大枯野大極殿の鴟尾遥か うつぎ
徘徊の母を枯野に探しけり 素秀
呆として流れる雲や日向ぼこ 三刀
大極殿へカーブ幾つや枯野原 こすもす
山裾に拡ごる家と枯野かな 明日香
川下り見ている猿の日向ぼこ あさこ
又三郎自由奔放大枯野 たか子
日向ぼこ父母のアルバムめくりつつ 素秀
行けるなら天国希望日向ぼこ みのる
山あひに段々となる枯野かな 隆松
枯野なる宮址ただ中電車過ぐ はく子
行き暮れて湯だけが馳走枯野宿 もとこ
畝筋のうつすら残る枯野かな 明日香
日向ぼこ半袖の子は駆け回り なつき
日向ぼこあの世賑やかかも知れぬ あさこ
ふところに弁当抱いてゆく枯野 海潮音
山颪遮るものなし枯野かな 智恵子
亡き母の思ひ出一つ日向ぼこ あさこ
枯野行くショウチャン帽の影一つ 三刀
繰り返す母の言の葉日向ぼこ わかば
日向ぼこ生命線を見せ合ひて うつぎ
あれそれと話のつづく日向ぼこ 満天
濯ぎ物干してそのまま日向ぼこ せいじ
無の境地にはほど遠く日向ぼこ もとこ
檄文の杭打たれたる枯野かな みのる
日燦燦一句授かる日向ぼこ 明日香
横に居るはずの人居ぬ日向ぼこ はく子
草野球土手に陣取り日向ぼこ 智恵子
枯野原ぽつんと小さき道標 小袖
これからはお前が頼り日向ぼこ 明日香
一つ星あげて枯野の昏れなんと みのる
千年の欅枯野を踏まえ立つ 菜々
大欅見えゐて遠し枯野みち 菜々
こんなにも真っ平らかな大枯野 明日香
煙立つ枯野の端の一軒屋 三刀
末枯れてゆくも美し大和かな よし子
日向ぼこ子守の爺の先に寝て なつき
恙なし程よき距離の日向ぼこ よう子
魚屋道開け眼下の枯野かな わかば
子やぎ居る枯野に命温かき たか子
夕映えのワンドを渡る枯野風 せいじ
煙吐く汽車の懐かし枯野かな 小袖
枯野原二分けしたる廃車路 かつみ
小学生駆くる枯野や声高し 隆松
布を刺す一針づつや日向ぼこ ぽんこ
父となる人の笑顔や日向ぼこ 海潮音
餌をやる枯野の猫を集めては やよい
野良猫の傍に攻め来る日向ぼこ かつみ
骨壺を抱きて帰る枯野道 はく子
幼抱きなほ温かや日向ぼっこ もとこ
庫裡の犬泰然自若日向ぼこ よう子
同じ席同じ顔触れ日向ぼこ 宏虎
日向ぼこめく大玻璃の車検場 よし女
日向ぼこいつしか祖母は船を漕ぐ 菜々
耳かきのこけしを揺らし日向ぼこ やよい
枯野原マウンテンバイク走り抜け ぽんこ
大枯野ふた分けにして札所道 菜々
色褪せし地酒の看板枯野原 こすもす
大枯野果てより響く鳶の笛 よし女
とみかうみ枯野の里を吟行子 やよい
噂とは倍の尾鰭や日向ぼこ 宏虎
置物の猫と見粉ふ日向ぼこ 満天
湖際の眼下に広ごる大枯野 ぽんこ
日向ぼこ土手の少女と盲導犬 智恵子
日向ぼこ昔語りの尽きぬ母 うつぎ
落暉今銀光る大枯野 わかば
ママ友の話尽き無き日向ぼこ ぽんこ
日向ぼっこ店主も客も釣談義 もとこ
ぽん菓子の爆ぜるを待ちて日向ぼこ なつき
まっしぐら枯野の中を犬走る ぽんこ
故友会ひ過日語りて枯野かな もとこ
参道に真白き猫の日向ぼこ なおこ
厨房そと煙草くゆらせ日向ぼこ 小袖
噴煙を雲かと紛ふ枯野かな よし女
日向ぼこ子に話すごと膝に猫 満天
猫もきて寺の床几に日向ぼこ やよい
緞帳の上がるが如き雲枯野 よし女
百選の棚田を眼下日向ぼこ せいじ
散歩犬尻目に猫の日向ぼこ よし女
足跡を隠す枯野の風軽し よう子
枯野行く目当ては水車廻る茶屋 あさこ
2018年11月
集合時間なくて気儘や旅小春 やよい
倒木に迂回し辿る落葉道 せいじ
小春日や人の恩知る今門出 もとこ
小春日や団地広場に蚤の市 菜々
丘陵の空真空なる落葉径 ぽんこ
小春日や庭師の這入りさっばりと あさこ
地の底の確かな温み落葉踏む うつぎ
吹きたまる落ち葉の嵩の辻地蔵 よし子
な滑りそ飛沫ここまでこの落ち葉 よう子
丘の上の四阿落葉を踏みながら こすもす
落葉踏み行く木洩日の散歩路 かつみ
生きて見ゆ25万博小春晴 かつみ
鬼ごつこしてをる風の庭落葉 みのる
晴れ着の子満面の笑み小春の日 こすもす
小春日や母の胎内居る如く 宏虎
立ち寄ると娘のメール卓小春 明日香
野地ゆかば靴底ぬくし落ち葉道 智恵子
禅寺の落葉掃かれし石だたみ あさこ



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