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2020年9月
霧の中青き火口湖目交に わかば
朝霧や日の出を待たず里覆ふ たか子
朝霧の晴れて白樺並木かな かかし
吊るされてくの字しの字の唐辛子 明日香
山道の霧を抜ければ小京都 満天
魔除けにと玄関口に唐辛子 明日香
唐辛子も一本植うる父の畑 なつき
霧揚がる黒部ダム湖は真みどりに はく子
吊されて花束のごと唐辛子 満天
唐辛子炙りて片目閉じにけり 素秀
勾玉のごと紐につる鷹の爪 みのる
遊覧船明石大橋霧の中 やよい
霧晴れて御食国へと大吊橋 もとこ
摩天楼霧の帳を突き抜けて ぽんこ
能勢吟行帰途に買ひたる唐辛子 はく子
着てみたしと思う朱色や唐辛子 こすもす
らっきょ漬けに無くてはならぬ唐辛子 はく子
魔除けとて買ひし縄刺しとうがらし やよい
箸置きに唐辛子なる焼肉屋 智恵子
一言に気遣うメール唐辛子 豊実
ふるさとの思ひ出包む霧の町 満天
雨晴れて山霧空へ急行す せいじ
霧の道野太い声に促され 小袖
対岸は欧州霧のボスボラス よう子
薄霧や猫と目の合ふ朝かな 小袖
比叡越え望む淡海は霧の下 もとこ
枝豆は霧に育つと丹波人 うつぎ
夕照に吊るし真っ赤な唐辛子 よし子
霧纏う川辺の花や色冴へて こすもす
手びねりのごと笊の上の唐辛子 みのる
満天の星山宿の霧晴れて はく子
霧晴れてやせ猫ふつと消ゆる路地 なつき
山霧に追いかけられて下山かな わかば
唐辛子蹴爪のごとく曲がりけり みのる
万願寺てふ程よき味の唐辛子 満天
夕霧にヘッドライトをアップせん かかし
唐辛子家々に吊る農の里 隆松
唐辛子刻む俎板赤く染め ぽんこ
唐辛子吊りて火照りし月日かな 宏虎
故里を偲びて辛子明太子 せいじ
掠れたる汽笛の遠し瀬戸の霧 素秀
霧を出て霧へ入りゆくケーブルカー やよい
唐辛子黒ずみかけて真っ赤なる たか子
霧流れ借景の山見えぬなり 宏虎
赤き爪曲げて鉢植唐辛子 素秀
あちゃら漬欠かせぬアイテム鷹の爪 たか子
霧に暮れ海霧に目覚めて店開く 宏虎
霧晴れて昭和新山目の前に うつぎ
唐辛子赤きのれんの土間潜る 智恵子
師の言葉発見の句を唐辛子 明日香
海峡の霧笛しきりの朝かな わかば
霧はれて市街見下ろす丘に立つ やよい
後で効く母の小言や唐辛子 よう子
山霧にテールランプを頼りとす ぽんこ
唐辛子辛さ爆発までの時差 豊実
霧晴れてダム湖見下ろす望郷碑 よし子
縦走の先を行く人霧の中 うつぎ
霧襖天王山はおもはゆし よし子
だまされて青唐辛子思い知る もとこ
霧のわく流れ啄むこうのとり こすもす
糠漬けに欠かせぬ一品唐辛子 満天
水飲めど戻らぬタイの唐辛子 せいじ
霧深し一瞬恐怖よぎりけり 明日香
鷹の爪黒光りして出番待つ わかば
土産屋の魔除けと吊す唐辛子 小袖
山霧に瓦を隠す雲辺寺 素秀
運任せ霧に打ち込むティーショット 豊実
霧ヶ峰霧より出でて霧に入る かかし
霧雨や開店を待つ傘の列 なつき
唐辛子激辛競ふ農夫たち かかし
コロナ禍にむせぶ汽笛や先見えず 智恵子
と見る間にびわ湖テラスは霧の中 せいじ
農園のカフェに魔除けの唐辛子 なつき
霧晴れてあがる歓声河童橋 はく子
言葉掛け甘辛ありて唐辛子 小袖
門構えの軒にも干され唐辛子 菜々
霧深し養鱒場へ続く渓 せいじ
霧を抜く鐘の音太し古刹山 隆松
朝霧に東京タワー隠れんぼ 智恵子
筆の穂のやうな形して唐辛子 小袖
霧ながれ摂津連山神の嶺 よし子
茅葺の屋根屋根烟る霧の谷戸 隆松
甘樫より大和三山霧揺れて 明日香
まだ戻れぬネパール人シェフ唐辛子 こすもす
人減りし飯場ピーマン植えてをり なつき
唐辛子当たる当たらぬルーレット もとこ
吊られしの名を子へ教え唐辛子 隆松
朝なさな霧に包まれ我が母校 菜々
朝霧の海に街なか沈みけり ぽんこ
謎解きはベーカー街の霧の中 もとこ
朝市や笊一杯の唐辛子 豊実
芋育つ丹波日ぐせの朝霧に 菜々
糠漬けの皿に輪切りの唐辛子 よう子
朝市のテントに吊りし唐辛子 たか子
唐辛子緋の艶好み求めけり わかば
里ひとつ隠す速さや霧流る たか子
山頂の霧の囁き急ぎ足 豊実
叡山の霧の中より猿の声 うつぎ
陽に当り真っ赤な色の唐辛子 宏虎
年取りて愈々頑固唐辛子 うつぎ
朝霧にまつげ濡らして通学子 菜々
瞬時にて釧路湿原霧襖 かかし
海峡の天突く主塔霧の中 よう子
霧笛の哭フェリー乗り場の薄明り よう子
高牧の起伏を馳せて霧走る みのる
赤映えの魔除けリースや唐辛子 隆松
灯台の灯が一旋す霧の沖 みのる
霧襖結界にして大鳥居 素秀
街灯は夜霧に濡れて霧笛きく 宏虎
霧襖牧場の牛の声近し 智恵子
キッチンの隅に刺されて唐辛子 やよい
唐辛子干してなお艶残りけり ぽんこ
軒先の空の青さや唐辛子 よし子
フォグライトつけて送りしテストの日 こすもす
2020年8月
秋暑し今は使わぬ二階部屋 素秀
天気予報当りもせずに秋暑し たか子
通勤のペットボトルを手に秋暑 満天
大口の朱唇を思ふ酔芙蓉 みのる
ばあちゃんの四方山話酔芙蓉 智恵子
秋暑し説明会のディスタンス こすもす
残暑見舞ひ固定電話で百寿母に かかし
秋暑し甍ばかりの屋上園 よし子
秋暑し頭打ちたる穴仏 なつき
何事もなくひと日過ぎ芙蓉閉づ 満天
ナンプレの脳ぎしぎしと秋暑し もとこ
男坂跨ぐ走りね秋暑し 智恵子
残照に媚びているやに酔芙蓉 うつぎ
湯上がりに少し風立ち秋暑し みづき
大輪のアメリカ芙蓉遠目にも ぽんこ
秋暑しもって生まれた嗄れ声 よし子
撒餌する鯉の重なり秋暑し ぽんこ
老婦植ゑ今は人なし芙蓉庭 隆松
豆腐屋のラッパ気怠き残暑中 小袖
スケジュールかなり密なり秋暑し こすもす
体重計電池切れなる残暑かな なつき
愛想の会話も途切れ秋暑し たか子
ドロップ缶底に固まる残暑かな 素秀
駐車場マイカーは何処秋暑し うつぎ
土乾き雨乞いしたき残暑かな 小袖
秋暑し民生委員見回りに 明日香
うたた寝の痕頬にあり残暑かな 明日香
飛鳥仏おはす御寺の白芙蓉 はく子
日日残暑夕のベンチに一人づつ みづき
秋暑しガチャは一回三百円 せいじ
ひと雨にも火照る道路や街残暑 満天
地下を抜けビルの谷間の秋暑し かかし
ビル影を選ぶも厳し残暑かな わかば
残暑とや三十五度を超えたるに せいじ
ほどほどの酔ひの日々かな酔芙蓉 もとこ
手にあまる三歳児かな秋暑し もとこ
清水寺京の盆地の秋暑し かかし
売家と印す門扉や紅芙蓉 うつぎ
ひとつ買ひ忘れて来たり秋暑し せいじ
行き合ひの空に向かひて花芙蓉 素秀
ジーンズに腹ひっこめて秋暑し よし子
黄昏を待てず頬染む酔芙蓉 素秀
一日のはかなき命酔芙蓉 ぽんこ
夕暮れて芙蓉の紅のなまめきて よし子
和紙細工めきし花弁や花芙蓉 こすもす
箱入りの娘が嫁ぐ夢花芙蓉 せいじ
外で並ぶATMや秋暑し 満天
術後説明聞きたる帰路の白芙蓉 やよい
酔芙蓉午後の三時のテイタイム よし子
酔芙蓉ゆるりと結ぶ御籤かな うつぎ
三番街出れば残暑の風に会ふ みづき
何事も囚われぬこと白芙蓉 たか子
海猫の群れ白帆に残る秋暑かな みづき
酔芙蓉閉ぢて花街夕べ来る 菜々
秋暑しリモコン五つに操られ はく子
家出猫やつれて戻る残暑かな みのる
近道の筈の渋滞秋暑し うつぎ
肌を刺す陽に歪む顔秋暑し 智恵子
GO TOと言われてもこの残暑では たか子
お手植の樟の木漏れ日秋暑し なつき
手水涸れ龍ぽつねんと秋暑し 小袖
コロナ禍の面会禁止秋暑かな やよい
ぢぢばばの安否の便りこの残暑 かかし
花芙蓉蕊に日照雨の忘れ物 みのる
龍神を拝みに拝む残暑かな 隆松
手術日は傘寿生まれ日秋暑し やよい
夕暮れのうす紅たたむ酔芙蓉 満天
看護師に託す秋暑の濯ぎもの やよい
秋暑し難病指定告げらるる やよい
晴天に今朝の芙蓉の開きたる 素秀
眼力がだんだん弱く残暑かな 明日香
コロナ禍のマスク捨てたき残暑かな みのる
夜間工事いつまで続く秋暑し ぽんこ
衰への見せぬ日日秋暑し わかば
庭草の生ふるままなる残暑かな みのる
秋暑し半日もたぬ仏花かな 明日香
居心地の良き寺の縁紅芙蓉 智恵子
雨雫ふふみ芙蓉の柔く閉づ 小袖
呼び込みの香具師声嗄らす残暑かな なつき
飛びをるもふらつく小虫秋暑し 隆松
お手玉の好きな少女や花芙蓉 みづき
パトカーに追はれるバイク秋暑し はく子
一日咲き明日へ咲き継ぐ花芙蓉 わかば
荒草に声消えし園芙蓉咲く もとこ
父描きし色紙の俳画酔芙蓉 明日香
護岸壁続く河原の秋暑し 小袖
家はまだ未完成なり花芙蓉 こすもす
芙蓉咲く里の目印赤ポスト たか子
秋暑しギプスのすき間掻く児かな なつき
通勤路朝ごと増ゆる白芙蓉 隆松
挨拶の顔しかめ合う残暑かな 隆松
楚々と咲き移ろひやすき酔芙蓉 わかば
花びらを畳む黄昏酔芙蓉 ぽんこ
清々し日々を新たに白芙蓉 はく子
仕舞屋の塀に凭れし酔芙蓉 せいじ
夕風に紅の浮きたつ酔芙蓉 かかし
国勢調査百年目とや秋暑し こすもす
秋暑やビニールプール空気抜け もとこ
尼寺の庭に咲かせて酔芙蓉 はく子
しをり戸にすがりて一花紅芙容 菜々
浜の砂焼けて厳しき残暑かな わかば
芙蓉咲く路地分入れば行き止まり 智恵子
2020年7月
社会的距離はこれでとさす日傘 隆松
熱帯夜社宅五階の2DK よう子
すれ違ふ日傘の似合ふ紳士かな うつぎ
来し方の反省ばかり熱帯夜 たか子
逆縁の墓碑にぬかづく白日傘 みのる
熱帯夜妻の寝息の羨まし 宏虎
熱帯夜眠気を待ちて窓の月 智恵子
若夫婦よく飲み食ぶや熱帯夜 もとこ
熱帯夜上司先輩夢に出づ なおこ
靴音の高き日傘の営業マン 素秀
夜明けの雀姦し熱帯夜 ぽんこ
畳まれて日傘の熱気の行きどころ たか子
文字盤の蛍光しるき熱帯夜 せいじ
高原のテントの中や熱帯夜 わかば
爆音のバイク集団熱帯夜 やよい
朱の鳥居日傘くるりとくぐりけり もとこ
日傘影そっと覗きし潮溜り 智恵子
白日傘緑で囲む四阿へ 満天
怖き夢目覚めてよりの熱帯夜 みづき
日傘過ぐ揺るるスカートの清し女 智恵子
帰り道父の日傘は杖になり よう子
熱帯夜寝られぬと云ふ苦行なり たか子
メーターの回転疾し熱帯夜 隆松
そこまでと日傘を持たず悔いし時 わかば
捨てられぬUV加工なき日傘 うつぎ
熱帯夜寝るをあきらめ見る録画 なつき
クラス会日傘廻して友来たる みづき
正座して写経に向かふ熱帯夜 かかし
別荘の門に日傘の置き忘れ 素秀
逢瀬なる日傘は顔を隠すため みのる
新宿は眠らぬ街よ熱帯夜 小袖
熱帯夜眠れぬと言ひ眠りけり 宏虎
日傘にて直射日光避け話す 宏虎
長廊下犬腹這いの熱帯夜 智恵子
熱帯夜ホ句をひねるに如くは無し せいじ
熱帯夜寝返り多く眠り得ず 宏虎
星影の届く濡縁熱帯夜 隆松
渡月橋日傘くるりとモデル嬢 かかし
寝返りのシーツ丸まる熱帯夜 智恵子
白日傘上ル下ルの街中へ みづき
熱帯夜こむら返りに水飲んで なつき
待ち合わせ日傘高々会釈かな やよい
前をゆく祇園舞妓の日傘かな 小袖
照り返す道の塵だし日傘さす ぽんこ
資生堂おまけの日傘もらひけり なおこ
板の間に犬の横たふ熱帯夜 ぽんこ
白か黒日傘の色に迷ひけり 明日香
手庇の人に差し掛く日傘かな たか子
寝支度は全て冷感熱帯夜 隆松
宮の杜鳩のくぐもる熱帯夜 よう子
ノクターンを繰り返し聞く熱帯夜 せいじ
犬小屋に括られてゐし古日傘 みのる
真夜中に目覚め水飲む熱帯夜 こすもす
熱帯夜撥ねては被り繰り返し うつぎ
ビオトープのぞく日傘の母子かな みのる
ゴアゴアのシーツに沈む熱帯夜 ぽんこ
波の音いつしか眠る熱帯夜 よう子
押し手にも日傘差し掛け車椅子 せいじ
白日傘傾げ笑顔の会釈かな わかば
朝まだき用心に持つ日傘かな こすもす
コロナ禍を明るくかるく日傘さす なおこ
いつになく猫おとなしき熱帯夜 こすもす
色あせし日傘ささりぬ母の家 もとこ
韓ドラの熱き展開熱帯夜 もとこ
写経堂隅にたためる白日傘 みづき
吟行は日傘さすより帽子かな ぽんこ
円朝の牡丹灯籠熱帯夜 かかし
舟下り見送る土手の白日傘 小袖
睦まじく四条河原の日傘かな 小袖
日傘畳みつつましやかに礼拝す 宏虎
図書小脇日傘の司書の走りたる 素秀
喜寿迎へ男日傘を贈られし かかし
法要に女住職白日傘 素秀
熱帯夜冷えてはならぬ膝小僧 うつぎ
絵日傘はお下がり母の名前入り わかば
熱帯夜夫窓開け妻閉める 明日香
ウヰスキーからりと鳴りし熱帯夜 もとこ
南座へと裾さばき良き白日傘 満天
天気図や日傘の出番無きもよう よう子
登校の日傘ソーシャルディスタンス やよい
最近は晴雨兼用日傘持ち 明日香
回覧板隣家と言へど差す日傘 こすもす
茶と言葉覚えし嬰よ熱帯夜 なつき
ギブスの足寝返り幾度熱帯夜 やよい
熱帯夜隣に停まる救急車 かかし
暴走族追ふパトカーや熱帯夜 やよい
産土神へ日傘マスクの宮参り なつき
翻す日傘の陰を澄まし顔 隆松
ウォーキング離さぬスマホと日傘かな こすもす
あられなき猫の寝姿熱帯夜 みのる
坂道を休みやすみの日傘かな 素秀
日傘さす増やしたくない顔のしみ 明日香
コロナ禍の街黒マスク黒日傘 せいじ
お泊まりの児らに蹴らるる熱帯夜 なつき
鈴の音の響く参道白日傘 みづき
白日傘くるくる廻し近づきぬ 満天
脱水をしないさせない熱帯夜 小袖
双の手を持て余したる熱帯夜 たか子
ぬくもりももろとも畳む日傘かな 満天
熱帯夜寝場所決まらずうろうろす 明日香
寝返りと枕を返す熱帯夜 満天
川の字の崩れつぱなしや熱帯夜 うつぎ
2020年6月
良き風に小瓶のビール二人卓 かかし
雲居抜け出てより機窓明易し みのる
旨きこと黒で割りたるビールよし 宏虎
短夜の朝刊投げるバイク音 ぽんこ
ビール酌み渡り石工ののみ自慢 素秀
明易し夢の続きの独り言 董雨
乾杯にひと口だけとビール飲む 明日香
缶ビール冷やさぬ中国帰りかな よう子
短夜の夢に目覚めて寝もやらず はく子
明易の「天声人語」写し書き よう子
唇に触れし神泡さあビール 隆松
朝刊の入る音して明易し わかば
祝ひ膳百寿の義母のビール干す かかし
短夜のぽんぽん船や旅枕 やよい
短夜や会へぬ日続く子とメール なつき
釣り人の高き声する明早し やよい
バスの客皆地ビールを勧めらる みづき
明易し窓下に逸る瀬音かな わかば
真夜中の道路工事や明易し ぽんこ
短夜や鯖釣リ夢に舟を出し 宏虎
ここなのか我が胃の在処ビール落つ 隆松
ころがせる癖ひしやぐ癖缶ビール せいじ
明易し夢見る間とてなかりけり 満天
短夜や目覚まし時計まだ鳴らず せいじ
下山してジョッキ一杯生ビール せいじ
ビール缶下げて機嫌な夫の肩 ぽんこ
明易し気になる夜の鳩時計 みづき
ビール飲む湿度八十パーセント なつき
明け易し雑魚寝抜けだし温泉へ 宏虎
短夜の母は迷言ほほゑまし わかば
乾杯の一口美味しビールのむ わかば
短夜の鉄の階段鳴らしをり 小袖
両の手にジョッキ四五杯ビヤガーデン はく子
どれからにしよ地ビールの詰合せ うつぎ
短夜やラヂオの音の響きをり 董雨
家飲みのビール銘柄種々揃へ なつき
観戦の勝つも負けるもビール酌む 小袖
ビール女子意気軒昂や泡の髭 みのる
恙なき半世紀過ぐ缶ビール 満天
遠き日の夜行列車明易し ぽんこ
短夜の又救急車走り抜く はく子
法要の盆にビールと栓抜きと 素秀
親不孝悔いてやまずよ明易し みのる
老いの夢は亡き人ばかり明易し 董雨
焼けし喉ビール一気の桃源郷 宏虎
屋上のビール天国懐かしく 小袖
庭畑の朝採り野菜明易し なつき
温ビールで中華たひらぐ異邦人 素秀
短夜の推理小説「ホシ」を追ふ よう子
母の忌やビール少しで酔ひし父 なつき
隣家より朝戸繰る音明易き うつぎ
あの話聞ひてみやうかビール酌む みづき
短夜の漁火見んと窓あけて やよい
長年の間合ひ置きつつ麦酒かな もとこ
乾杯のビール今ノンアルコール せいじ
まずビール離れてグラス合わせけり もとこ
厨より妻のハミング明易し みのる
乾杯のノンアルコールビールかな よう子
短夜や喧嘩別れの友に逢ふ もとこ
短夜や毎日句会投句して 明日香
明易の鳥語に心地よき目覚め みのる
短夜や季寄せに夢中鳥の声 智恵子
明易し夢の扉がすぐそこに みづき
久に会う親子の夕餉瓶ビール 小袖
短夜のカーテン揺する風生まる 満天
亡き夫とビールはいつも半分こ 智恵子
自粛解け先づはビールとメール来る 智恵子
分け合ひしミニ缶ビール下戸夫婦 はく子
短夜の早薄明かり東窓 小袖
揚げ物の一品加へビール酌む うつぎ
ほろ酔ひのビールのセット単身時 かかし
短夜や烏に夢を見失ふ かかし
リモートで先づは乾杯ビールから 智恵子
異国の地広きベッドに明け易し たか子
まずビールの気持ちわからず五十年 明日香
明易しはや朝刊を夫取りて 明日香
短夜や目覚まし要らぬ歳のせい 宏虎
短夜やお詫びの手紙なかなかに 明日香
旧友と地産地消の地ビールを かかし
ビール酌む選句投句を終えてより 満天
母寝息穏やかとなり明易し わかば
明易しアラーム前の烏かな 隆松
瓶ビール手酌の女性憂ひ顔 智恵子
黒猫に起こされ短夜明けきらず 素秀
明け易し車の音のせぬ朝(あした) たか子
何となく上手く行かぬ日明け易し たか子
阪神が勝ちしとビール上機嫌 たか子
生ビール泡を肴に下戸の吾 ぽんこ
いつぱしのビールソムリエめきし君 せいじ
取り敢へず手洗ひミニの缶ビール よう子
短夜のはや呆けたる街路灯 うつぎ
答なき思ひ巡らせ明易し やよい
人生は百年近く夜のつまる 董雨
ビール買ふ供へるためのビール買ふ みづき
力仕事後のビールを楽しみに うつぎ
短夜を破るごときの救急車 満天
老集ひ不眠自慢や明易し もとこ
とりあへずビールで今日の終はり告ぐ もとこ
いつも酔ふビール一口乾杯す はく子
片意地は母親ゆずりビール乾す やよい
短夜や謎解きはまだミステリー 素秀
一口目カーッとひと声ビールかな たか子
短夜の終りを告げる烏かな 隆松
西日本激しき雨や明易し 董雨
2020年5月
櫓より望む六甲風五月 小袖
新緑の山覗き見る遠眼鏡 よし子
溜池の芥を押して風五月 たか子
新緑を縫ふてトロッコ空近し 智恵子
五月病に縁なし日々や俳人吾れ 菜々
新緑に飛び込んで行く滑り台 うつぎ
湧水を守り続けし村五月 よう子
新緑に座り直して茶会席 かかし
喪の旅を終へし車窓や緑さす やよい
地下出でて新緑眩し遊歩道 満天
五月来て初登校は少年に 満天
若葉風蕪村の愛でし酒の町 よう子
新緑を抜けて拡がる主郭跡 隆松
新緑や筆で百句の自分史を かかし
対岸は浮島となり五月来る 隆松
青々の5月笑らかとはいかず わかば
三角形の銀色ドーム万緑裡 こすもす
新緑の野鳥の森は桃源郷 ぽんこ
眼福や山紫水明新緑に みのる
用水路五月の水を滔々と はく子
庭新緑キッチンの窓明るめて 菜々
ケ−ブルカー新緑分かち山上湖 宏虎
新緑の街路樹包む歩道橋 智恵子
風五月皆山好み海が好き 宏虎
コロナ禍の終息はまだ五月憂し せいじ
五月雨や鳥のふくみ音いづくから 菜々
山五月七合目まで萌葱色 明日香
浜砂の行きつ戻りつ湖五月 隆松
新緑や道幅狭き裏参道 せいじ
新緑の真っ只中に苦吟かな やよい
白々と逸るは瀬波渓五月 みのる
新緑のうねり明るき光明寺 みづき
ベビーカーの双児の寝顔聖五月 満天
北山の杉直立や聖五月 もとこ
新緑を背にサークルのミーティング なおこ
新緑のこの場所が好き海苔弁当 たか子
緑さす森の中なる深呼吸 わかば
杣道を新樹光の明るうす 素秀
島と島つなぐ大橋五月晴れ はく子
滑走路延びる空港若葉山 こすもす
少年の三人集ふ街五月 なおこ
新緑や喉ごしよき炭酸水 ぽんこ
送電線たわむ鉄塔若葉山 こすもす
一穢なき五月晴れなる亭午かな 明日香
縁側に寝そべる猫や新樹光 こすもす
錦鯉群る新緑の鏡池 やよい
新緑や籠りし五体縺れける もとこ
峠駅のスイッチバック若葉影 素秀
新緑に埋もる眼下の一ノ谷 わかば
新緑を等間隔に跨ぐ塔 たか子
旅衣決めかねている五月かな みづき
新緑の真っ只中の山の道 董雨
キッチンに五月の風の通り抜け ぽんこ
落書きを消すごと予定消す五月 なつき
気温良し何でも出来る五月来し 宏虎
一雨に山は全き若葉」いろ よし子
新緑や糸杉ひとつ抽んでし せいじ
廃校にのこりし松の緑たつ よし子
心地良き風力三の聖五月 智恵子
野の花も揺れて愛らし風五月 小袖
一人児に祖父の眼差し風五月 小袖
丘の上の殉教の碑に五月来る みのる
新緑に足取り軽き山路かな はく子
緑さす土塁の残る一揆寺 なつき
濃淡の新緑仰ぎ山路行く 董雨
稜線のいよよ濃くする五月かな みづき
水門のど真ん中へと風五月 たか子
五月の野大の字なりに寝てみたき はく子
五月来ぬ半音上げて鳥語降る かかし
風五月朱塗鳥居の向こふ側 もとこ
風五月丘に登れば海と空 うつぎ
夕映えし五月の空の昏れ初めぬ みづき
聖五月園再開に声溢る なつき



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