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2020年6月
良き風に小瓶のビール二人卓 かかし
雲居抜け出てより機窓明易し みのる
旨きこと黒で割りたるビールよし 宏虎
短夜の朝刊投げるバイク音 ぽんこ
ビール酌み渡り石工ののみ自慢 素秀
明易し夢の続きの独り言 董雨
乾杯にひと口だけとビール飲む 明日香
缶ビール冷やさぬ中国帰りかな よう子
短夜の夢に目覚めて寝もやらず はく子
明易の「天声人語」写し書き よう子
唇に触れし神泡さあビール 隆松
朝刊の入る音して明易し わかば
祝ひ膳百寿の義母のビール干す かかし
短夜のぽんぽん船や旅枕 やよい
短夜や会へぬ日続く子とメール なつき
釣り人の高き声する明早し やよい
バスの客皆地ビールを勧めらる みづき
明易し窓下に逸る瀬音かな わかば
真夜中の道路工事や明易し ぽんこ
短夜や鯖釣リ夢に舟を出し 宏虎
ここなのか我が胃の在処ビール落つ 隆松
ころがせる癖ひしやぐ癖缶ビール せいじ
明易し夢見る間とてなかりけり 満天
短夜や目覚まし時計まだ鳴らず せいじ
下山してジョッキ一杯生ビール せいじ
ビール缶下げて機嫌な夫の肩 ぽんこ
明易し気になる夜の鳩時計 みづき
ビール飲む湿度八十パーセント なつき
明け易し雑魚寝抜けだし温泉へ 宏虎
短夜の母は迷言ほほゑまし わかば
乾杯の一口美味しビールのむ わかば
短夜の鉄の階段鳴らしをり 小袖
両の手にジョッキ四五杯ビヤガーデン はく子
どれからにしよ地ビールの詰合せ うつぎ
短夜やラヂオの音の響きをり 董雨
家飲みのビール銘柄種々揃へ なつき
観戦の勝つも負けるもビール酌む 小袖
ビール女子意気軒昂や泡の髭 みのる
恙なき半世紀過ぐ缶ビール 満天
遠き日の夜行列車明易し ぽんこ
短夜の又救急車走り抜く はく子
法要の盆にビールと栓抜きと 素秀
親不孝悔いてやまずよ明易し みのる
老いの夢は亡き人ばかり明易し 董雨
焼けし喉ビール一気の桃源郷 宏虎
屋上のビール天国懐かしく 小袖
庭畑の朝採り野菜明易し なつき
温ビールで中華たひらぐ異邦人 素秀
短夜の推理小説「ホシ」を追ふ よう子
母の忌やビール少しで酔ひし父 なつき
隣家より朝戸繰る音明易き うつぎ
あの話聞ひてみやうかビール酌む みづき
短夜の漁火見んと窓あけて やよい
長年の間合ひ置きつつ麦酒かな もとこ
乾杯のビール今ノンアルコール せいじ
まずビール離れてグラス合わせけり もとこ
厨より妻のハミング明易し みのる
乾杯のノンアルコールビールかな よう子
短夜や喧嘩別れの友に逢ふ もとこ
短夜や毎日句会投句して 明日香
明易の鳥語に心地よき目覚め みのる
短夜や季寄せに夢中鳥の声 智恵子
明易し夢の扉がすぐそこに みづき
久に会う親子の夕餉瓶ビール 小袖
短夜のカーテン揺する風生まる 満天
亡き夫とビールはいつも半分こ 智恵子
自粛解け先づはビールとメール来る 智恵子
分け合ひしミニ缶ビール下戸夫婦 はく子
短夜の早薄明かり東窓 小袖
揚げ物の一品加へビール酌む うつぎ
ほろ酔ひのビールのセット単身時 かかし
短夜や烏に夢を見失ふ かかし
リモートで先づは乾杯ビールから 智恵子
異国の地広きベッドに明け易し たか子
まずビールの気持ちわからず五十年 明日香
明易しはや朝刊を夫取りて 明日香
短夜や目覚まし要らぬ歳のせい 宏虎
短夜やお詫びの手紙なかなかに 明日香
旧友と地産地消の地ビールを かかし
ビール酌む選句投句を終えてより 満天
母寝息穏やかとなり明易し わかば
明易しアラーム前の烏かな 隆松
瓶ビール手酌の女性憂ひ顔 智恵子
黒猫に起こされ短夜明けきらず 素秀
明け易し車の音のせぬ朝(あした) たか子
何となく上手く行かぬ日明け易し たか子
阪神が勝ちしとビール上機嫌 たか子
生ビール泡を肴に下戸の吾 ぽんこ
いつぱしのビールソムリエめきし君 せいじ
取り敢へず手洗ひミニの缶ビール よう子
短夜のはや呆けたる街路灯 うつぎ
答なき思ひ巡らせ明易し やよい
人生は百年近く夜のつまる 董雨
ビール買ふ供へるためのビール買ふ みづき
力仕事後のビールを楽しみに うつぎ
短夜を破るごときの救急車 満天
老集ひ不眠自慢や明易し もとこ
とりあへずビールで今日の終はり告ぐ もとこ
いつも酔ふビール一口乾杯す はく子
片意地は母親ゆずりビール乾す やよい
短夜や謎解きはまだミステリー 素秀
一口目カーッとひと声ビールかな たか子
短夜の終りを告げる烏かな 隆松
西日本激しき雨や明易し 董雨
2020年5月
櫓より望む六甲風五月 小袖
新緑の山覗き見る遠眼鏡 よし子
溜池の芥を押して風五月 たか子
新緑を縫ふてトロッコ空近し 智恵子
五月病に縁なし日々や俳人吾れ 菜々
新緑に飛び込んで行く滑り台 うつぎ
湧水を守り続けし村五月 よう子
新緑に座り直して茶会席 かかし
喪の旅を終へし車窓や緑さす やよい
地下出でて新緑眩し遊歩道 満天
五月来て初登校は少年に 満天
若葉風蕪村の愛でし酒の町 よう子
新緑を抜けて拡がる主郭跡 隆松
新緑や筆で百句の自分史を かかし
対岸は浮島となり五月来る 隆松
青々の5月笑らかとはいかず わかば
三角形の銀色ドーム万緑裡 こすもす
新緑の野鳥の森は桃源郷 ぽんこ
眼福や山紫水明新緑に みのる
用水路五月の水を滔々と はく子
庭新緑キッチンの窓明るめて 菜々
ケ−ブルカー新緑分かち山上湖 宏虎
新緑の街路樹包む歩道橋 智恵子
風五月皆山好み海が好き 宏虎
コロナ禍の終息はまだ五月憂し せいじ
五月雨や鳥のふくみ音いづくから 菜々
山五月七合目まで萌葱色 明日香
浜砂の行きつ戻りつ湖五月 隆松
新緑や道幅狭き裏参道 せいじ
新緑の真っ只中に苦吟かな やよい
白々と逸るは瀬波渓五月 みのる
新緑のうねり明るき光明寺 みづき
ベビーカーの双児の寝顔聖五月 満天
北山の杉直立や聖五月 もとこ
新緑を背にサークルのミーティング なおこ
新緑のこの場所が好き海苔弁当 たか子
緑さす森の中なる深呼吸 わかば
杣道を新樹光の明るうす 素秀
島と島つなぐ大橋五月晴れ はく子
滑走路延びる空港若葉山 こすもす
少年の三人集ふ街五月 なおこ
新緑や喉ごしよき炭酸水 ぽんこ
送電線たわむ鉄塔若葉山 こすもす
一穢なき五月晴れなる亭午かな 明日香
縁側に寝そべる猫や新樹光 こすもす
錦鯉群る新緑の鏡池 やよい
新緑や籠りし五体縺れける もとこ
峠駅のスイッチバック若葉影 素秀
新緑に埋もる眼下の一ノ谷 わかば
新緑を等間隔に跨ぐ塔 たか子
旅衣決めかねている五月かな みづき
新緑の真っ只中の山の道 董雨
キッチンに五月の風の通り抜け ぽんこ
落書きを消すごと予定消す五月 なつき
気温良し何でも出来る五月来し 宏虎
一雨に山は全き若葉」いろ よし子
新緑や糸杉ひとつ抽んでし せいじ
廃校にのこりし松の緑たつ よし子
心地良き風力三の聖五月 智恵子
野の花も揺れて愛らし風五月 小袖
一人児に祖父の眼差し風五月 小袖
丘の上の殉教の碑に五月来る みのる
新緑に足取り軽き山路かな はく子
緑さす土塁の残る一揆寺 なつき
濃淡の新緑仰ぎ山路行く 董雨
稜線のいよよ濃くする五月かな みづき
水門のど真ん中へと風五月 たか子
五月の野大の字なりに寝てみたき はく子
五月来ぬ半音上げて鳥語降る かかし
風五月朱塗鳥居の向こふ側 もとこ
風五月丘に登れば海と空 うつぎ
夕映えし五月の空の昏れ初めぬ みづき
聖五月園再開に声溢る なつき
故郷の五月ラインに乗ってくる よう子
新緑や池は周回二キロてふ せいじ
天守閣武士は居るかと若葉風 よう子
新緑や万古不易の石舞台 明日香
古民家の蕎麦屋曲がりて若葉風 もとこ
新緑の山まろび落つ夫婦滝 菜々
森五月セコイア鉾を競ひけり みのる
スプーンを箸のリハビリ五月来る かかし
聖五月木々は雨滴をきらめかせ 菜々
野良猫が緑統ぶる森の中 ぽんこ
新緑の息吹見下ろす五重塔 宏虎
新緑や四阿に食ぶにぎり飯 やよい
もりもりと新緑太る遠嶺かな やよい
新緑やひとりベンチに句帳広ぐ 満天
林道は今し新緑陽の斑 智恵子
新緑の木の間隠れに瀬戸の海 董雨
治れるコロナ感染聖五月 董雨
新樹光そううつ晴らす大自然 明日香
清涼感漂ふ新緑露天の湯 智恵子
新緑に良寛のかな臨書せん かかし
産湯井の家紋光りし五月闇 なつき
新緑や午前十時の砂時計 ぽんこ
伊吹嶺に降り残しつつ五月去る 隆松
手に掬ふ能勢の湧水新樹光 うつぎ
コロナ禍の終息願ふ五月尽 宏虎
転職の豚児に拍手せる五月 せいじ
胸ゆたかなるトルソーに窓若葉 みのる
新緑の街睥睨す生駒山 たか子
峙てる杉山越せば若葉風 もとこ
新緑や離宮の森の清々し わかば
新緑や透明度増すガラス窓 明日香
木洩れ日に新緑いよよまぶしかり 董雨
下草の心地良き揺れ園五月 小袖
新緑のしなふ美術館の窓 なおこ
行く船や五月の海の明るさに みづき
青々の清しき風の5月かな わかば
園丁のバンダナ青し園五月 小袖
新緑や四方に山置く貴船村 よし子
四肢伸ばしラジオ体操窓五月 こすもす
新緑に染まり切つたる山の池 はく子
風匂ふハイネの詩と聖五月 よし子
風五月白き花々目にとまる 満天
新緑の丘の高みに城の跡 隆松
風五月セーラー服の一団に うつぎ
酒蔵の甍は「呉春」街五月 よう子
新緑の石段覆う奥稲荷 素秀
一湾に光る波満ち聖五月 素秀
城若葉侍さんはと探す児よ うつぎ
休業の町の灯のなき五月過ぐ なつき
尖塔の抜ける眉山の空五月 素秀
2020年4月
百千鳥わらべ地蔵に苔むして みづき
窯出しの素焼きの狸陽炎へる 宏虎
火事跡は更地となりて陽炎へり なつき
金比羅やかげろひ瀬戸の島遠く 素秀
静寂の陸墓に甘く百千鳥 ぽんこ
打ち揃ひ鴉を追へり百千鳥 せいじ
園児らのお散歩時間百千鳥 菜々
陽炎のバランの葉に燃えのぼる ぽんこ
石段を登りのぼりて百千鳥 満天
百千鳥遠くにダム湖見下ろして うつぎ
陽炎や少し遅れてシャトルバス みづき
かげろへる海へ坂なす離宮道 みのる
百千鳥温和な天に鳴き交わし 小袖
海に向く砲台の跡かげろへる わかば
赤子日々おデブになりて百千鳥 もとこ
滑空をシンクロさせて百千鳥 せいじ
説法の百寿の僧や百千鳥 かかし
金色の大坂城や陽炎へる かかし
むくむくと山膨らんで百千鳥 よし子
かぎろいつつ波にたゆとう漁船かな こすもす
はらわたに染み入る今朝の百千鳥 せいじ
近づけば徐々に陽炎消へゆけり こすもす
県指定の歌舞伎舞台や百千鳥 こすもす
三輪山の鳥居くぐれば百千鳥 明日香
陽炎ひて蔵六上がる池の石 素秀
陽の斑木々ざわめきて百千鳥 智恵子
人け無き奥の院なり百千鳥 はく子
間歩の口ここよここよと百千鳥 みのる
陽炎や荷造り小さく町を出づ なつき
陽炎へる五百羅漢に父と母 かかし
城裏の樹林辿るや百千鳥 わかば
お喋りの止まればわつと百千鳥 うつぎ
遠ざかる銀の翼の陽炎へる みづき
たどたどしトランペットや百千鳥 もとこ
百千鳥声の一つに聞き覚え 董雨
陽炎や高層マンション動くかに 満天
公園へ人誘ふや百千鳥 満天
拝殿の明け放されて百千鳥 はく子
豊かなる森に楽の音百千鳥 わかば
陽炎に湖ごと歪む伊吹山 隆松
百千鳥制止の保母を振り切る児 ぽんこ
庭苑に木椅子木の卓百千鳥 満天
一望の田に自在なる百千鳥 せいじ
タンカーの往路ゆるりとかげろへる わかば
神苑の大樹賑はす百千鳥 満天
里カフェへ届けとばかり百千鳥 隆松
百千鳥五重塔立つ狭庭に 董雨
無住寺の裏は野畑やかぎろへる なつき
御堂筋一直線にかげろへる みのる
閉ざされし園の遊具のかげろへる もとこ
百千鳥写経の筆を休めをり かかし
陽炎ひてゆっくりとくる路線バス よし子
北前船の港飛び交う百千鳥 こすもす
飛行機の陽炎ひながら離陸せり はく子
陽炎の立ちてユラユラ道歪む 智恵子
タブレットに何でも尋ね百千鳥 董雨
ちらちらと陽炎たちぬ池ほとり ぽんこ
夜来雨上がる日差しや百千鳥 董雨
エアクッション化してゆく船陽炎へる 隆松
陽炎や往路復路の船の影 わかば
百千鳥鳴いて里山膨らます 菜々
無住寺の華やぎ添えし匂鳥 よし子
聞き分けも三つまでとし百千鳥 素秀
無住寺の尼の墓石や百千鳥 なつき
鐘一打あとの静寂に百千鳥 小袖
かぎろひの丘の果てに札所寺 菜々
天気予報都会のビルの陽炎へる よし子
人ひとりありて陽炎ふ歩道橋 せいじ
対岸に縄跳びの子陽炎へる みづき
フェリーはや沖つ潮路にかげろへる みのる
急磴を登り切ったり百千鳥 はく子
村一つダムに沈みて百千鳥 たか子
中天にとどまる刹那百千鳥 菜々
かげろひて伊丹の街に飛機沈む もとこ
神の声聞ける鎮守の百千鳥 素秀
陽炎ひて箸墓古墳夢の中 明日香
陽炎ひてこの道のさきローマへと よし子
白杖に譲るベンチや百千鳥 みのる
山ガールの尽きぬお喋り百千鳥 隆松
百千鳥保育の子らは昼寝中 たか子
住み古りし能勢の山里百千鳥 うつぎ
百千鳥頭上に歌ふ天使かな 智恵子
奥宮の門扉閉ざされかぎろひし たか子
陽炎の中から電車突と来ぬ 宏虎
裏庭の手水鉢へと百千鳥 明日香
ペダル漕ぐ子らは陽炎夢中なる 智恵子
陽炎やGメンが行く滑走路 隆松
追手門開けろ開けろと百千鳥 たか子
欄干に押しくら饅頭百千鳥 かかし
かぎろひの野を浮かみくる一輌車 菜々
かげろふの道来る母の迎へかな なつき
見はるかす陽炎高し白観音 素秀
草野より盗み見するよ百千鳥 もとこ
渓谷の川ダムとなり百千鳥 よう子
大声で吾が世を謳歌百千鳥 宏虎
陽炎や港の漁船ゆがみ見ゆ 宏虎
測量の調査出来ずに陽炎へり 宏虎
物干し竿拭く手止まるや百千鳥 よう子
囀りや警戒音と知りつつも たか子
陽炎に自転車の子混ざりけり よう子
百千鳥ブロンズ像に降り注ぐ ぽんこ
山ひとつ持ち古寺に百千鳥 小袖
縁側の爪切る背ナに百千鳥 よう子
山門を入れば囀大樹から みづき
社会的距離を取りよと百千鳥 なおこ
どの木にも樹名札あり百千鳥 うつぎ
抜きんでし高層マンション陽炎へる はく子
陽炎の立つ農道や一直線 こすもす
まほろばに陽炎揺るる御陵かな 明日香
百千鳥墓石に注ぐ小山かな 智恵子
廃線に停止標識かぎろへり うつぎ
百千鳥また静もるや良寛碑 よう子
甘樫より明日香一望百千鳥 明日香
名も知らぬ枝移り鳴く百千鳥 董雨
2020年3月
春塵を撒き散らし犬尾を振りぬ 智恵子
目刺焼く忽ち猫の甘へ声 素秀
目と鼻をくすぐり来たる春埃 わかば
春塵にグランド走るつむじ風 智恵子
目刺今ビニール紐に通されて 明日香
春塵を払へばわらべ野の仏 菜々
並びたる目刺しは深き海の色 ぽんこ
遠き日の失恋の味目刺食む 菜々
噛みしめてほろ苦き味目刺しかな 董雨
乙女ライダー颯爽春塵まきあげて 菜々
卓袱台の団欒の日よ目刺焼く かかし
蔀戸の桟に積りて春埃 はく子
目刺喰ぶ苦みを好む齢となり もとこ
ついいつも焦がしてしまう目刺かな こすもす
目刺焼く猪口のお焦げを一啜り 隆松
朗読は市原悦子春埃 よう子
パソコンのキーの目地埋む春埃 せいじ
鉢植えの艶良き葉っぱ春埃 ぽんこ
目刺焼く煙の出ないオーブンで 明日香
焦げも芳し備長炭で焼く目刺し みのる
たまに良し一汁一菜目刺し焼く 小袖
目刺焼く七輪囲むコップ酒 よう子
目刺焼く単身赴任過りをり かかし
春塵や狛犬の阿の口拭ふ 明日香
春塵や並ぶ宮居の道具市 わかば
春塵に貌くもらせる道路鏡 みのる
おふくろの味の品書目刺食ぶ かかし
目刺焼く軽く炙るを宗として わかば
庭園の彫刻に見る春埃 みづき
一連にさされ目刺の目の虚ろ よし子
スーパーの目刺売り場や頬刺しも こすもす
目刺焼くなぜか懐かし香りして みづき
ちょつとした油断禁物焦げ目刺 よし子
道の駅目刺振る舞ふ割烹着 よう子
一連の目刺の顔のみな同じ うつぎ
ほろにがき目刺が合ふと晩酌に 満天
目刺し焼いて眼の洞を食うべけり はく子
背に海の蒼さを残す目刺焼く 素秀
春埃夫の残せし地球儀に みづき
ぶつぶつと文句言いつつ目刺焼く 明日香
一品は尾頭付きや目刺し焼く はく子
黒潮の風に痩せゆく目刺かな やよい
春塵の開かぬ校門潜り抜け よう子
頭から目刺を喰へば吾子泣けり せいじ
泳がせるごとく葉蘭に目刺し盛る みのる
火加減の目の離せなき目刺焼く 満天
仏壇を残す留守家の春埃 小袖
何事もなく目刺焼くルビー婚 なつき
春塵のフロントガラス乱反射 うつぎ
春塵を拭いて妣の行李あく やよい
籠もりたる我につもれる春埃 もとこ
春塵の朝日に浮かぶ古時計 智恵子
今風にレモン汁掛け目刺喰ふ せいじ
眼光の鋭き仁王春埃 ぽんこ
国宝の大日如来春ぼこり ぽんこ
ふんはりと五百羅漢の春塵を 満天
一連の目刺し持ち出し絵を描く子 智恵子
見開ける眼にも春塵仁王像 はく子
尾の焦げも飯の友なり目刺焼く 隆松
春塵を御手に受けらる野の仏 隆松
春塵や造花の供花の褪せぬ色 素秀
料亭のシメは目刺と釜御飯 もとこ
白つぽきコンポとなりぬ春埃 せいじ
眼鏡置くベッドの宮の春埃 こすもす
風呂を出る夫へ目刺の焼きあがる なつき
公園の展ぐバザーや春埃 わかば
春塵の手斧の痕や櫓門 うつぎ
春塵の極まり顔を背ける子 素秀
換気扇唸りをあげて目刺焼く よし子
春塵や形見に貰ふ置時計 やよい
ふと見れば猫の髭にも春埃 こすもす
健の歯に音たて食す目刺かな 満天
春塵の地蔵拭ふや京の角 もとこ
日に一本煙草吸ふ夫目刺し焼く なつき
目刺の頭子らはいつでも顔と呼び こすもす
春塵の舞ふ回廊や羅漢堂 素秀
海の色残す目刺しを噛み砕く 董雨
参道のどの店と無く春埃 うつぎ
戸を繰ればたぢろぐほどの春埃 せいじ
目刺し硬く額の傷に響きけり 董雨
春塵や不要不急の持て余し もとこ
門仁王の力こぶにも春埃 菜々
風に乗るタクラマカンの春の塵 よし子
度の進む老眼鏡や春の塵 なつき
量り売りの目刺買ひきてお裾分け やよい
目刺焼くほろ苦き味好きといふ わかば
耕運機天地返しの春埃 かかし
船音や浜の土産に買ふ目刺 みづき
晩酌は薩摩白波目刺焼く うつぎ
春塵の小さき眼を見逃さず よう子
春塵に漏れくる匂ひ古書の街 智恵子
硬く焼け目指しの蒼き海の色 董雨
春埃読つぱなしの子規全集 よし子
目刺し焼く尾かしらもっとも焦げしるき はく子
目刺焼く焦げもつまなり一人酒 隆松
憂さつのる吾が琴線の春埃 みのる
昨今の目刺しは高値高級魚 ぽんこ
セピア色の父母の遺影や春埃 やよい
目刺食ぶ妣口癖の丸齧り かかし
ワイパーの雫に沈む春埃 隆松
春塵を払ひ懐かしアルバムを 満天
鳥図鑑陽射しに浮かぶ春埃 みづき
朝窓の日矢にをどりし春埃 みのる
子ら帰り夫婦向かひて食ぶ目刺 なつき
こだはりの七輪出して目刺焼く 菜々
眼を開けて目刺油を滴らせ 明日香
頭切り焼けし目刺しの食べやすし 董雨
2020年2月
下萌の草にも咲きて小さき花 はく子
涅槃の日雲穏やかに流れたる 素秀
草青む足にじゃれ来る仔犬かな やよい
己が干支まじまじ探す涅槃絵図 隆松
御あかしに涅槃絵図のゆらぎけり はく子
草萌ゆるまだ売れ残る分譲地 素秀
薬袋の届かぬ樹下の寝釈迦かな よう子
下萌やはざまはざまの薄みどり わかば
下萌えや一人身軽に退院す なつき
涅槃図へ座せば嘆きへ吸ひ込まる 満天
涅槃図に濁世のチャイム鳴りにけり うつぎ
代移り下萌の無き芝の畦 隆松
展示物に寝釈迦の砂像鳥取県 こすもす
車座の自己紹介や下萌ゆる うつぎ
寺宝とて端っこ破れし涅槃絵図 よし子
下萌や青きもの皆踏むまじく たか子
下萌の源流水や長き旅 かかし
涅槃会や指し棒使ひ絵解僧 うつぎ
涅槃絵に燭の影差す無常かな 素秀
草青む大地を蹴りて馬駆ける みづき
涅槃絵の生者悉皆慟哭す せいじ
豊かなる胸の寝釈迦に安らぎを 満天
下萌やグランドゴルフ声高し 満天
老境の緩りと 囲碁を下萌ゆる 董雨
淡雪や静かに涅槃したまえる よし子
下萌えの畑のたそがれ暮残る ぽんこ
掛軸に納まらぬかに大寝釈迦 せいじ
草萌えて息づく牧の起伏かな みのる
猫飼ひてより猫探す涅槃絵図 こすもす
宿主は大楠の洞下萌ゆる たか子
下萌えの力秘めたる力石 よし子
手枕のままに涅槃の異様かな たか子
涅槃図の声色遣ふ絵解きの僧 ぽんこ
河川敷広々野原の下萌ゆる はく子
草萌えや新入部員の大き声 やよい
姦しき三人の来て涅槃絵図 うつぎ
草青む頃再会を約束す みづき
けんけんぱあ丸の一つは下萌えに 菜々
陶の蛙切り株に置き下萌ゆる 董雨
安らかな母の寝顔や涅槃入る 智恵子
下萌の若草山や蒼き空 かかし
河川敷下萌の野を水際まで はく子
光恋ふ四百年の涅槃絵図 小袖
涅槃図の四百年の金褪せず うつぎ
立ち漕ぎの子ら追ふ風や下萌ゆる 智恵子
下萌や親子のボール吹つ飛びて ぽんこ
鍵掛かる避難タワーや下萌ゆる よう子



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