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2019年7月
三代の女の家に百日紅 素秀
吹く風に息を止めたる炎暑かな 素秀
炎暑なか凛と尾羽立て風見鶏 菜々
溶接の火花炎暑へ撒き散らし やよい
あるなしの風にゆれるや百日紅 満天
坂の果て空歪みたる炎暑かな 隆松
もう百日まだ百日や百日紅 やよい
鍾乳洞出でてこの世の炎暑かな うつぎ
咲き満ちて重し重しと百日紅 たか子
夕間暮れ白々とありさるすべり よし子
空青し石段の上の百日紅 こすもす
旅の道案内するよな百日紅 隆松
街炎暑なれど鉾なる稚児凛と せいじ
層塔に如何な謂はれや百日紅 うつぎ
四十八年前の手植えや百日紅 こすもす
釈迦堂へ登る階段百日紅 智恵子
炎暑かな灼けゐる墓に水を多 はく子
自転車の漕ぐ脚白き炎暑かな もとこ
溶け出して足のよろける炎暑かな なつき
両脳も炎暑めらめら火となりぬ 宏虎
真青なる空に広げし百日紅 わかば
百日紅けふも並木を霊柩車 隆松
一行写経ペン掠れや炎暑なる なつき
炎暑とて声の弾けるシルバーゴルフ 満天
学び舎の休みとなりて百日紅 満天
百日紅海鼠塀より紅散らし 明日香
ことさらに京の炎暑に身を焦がす 小袖
観音の堂は閉ざされ百日紅 うつぎ
全国一と知り納得の炎暑かな こすもす
戦なき砲台跡や炎暑来る よう子
天井川低き家並み百日紅 ぽんこ
名は対を百日咲きて百日紅 宏虎
街路樹の中に一樹の百日紅 明日香
百日紅透けし隣家の夕灯 小袖
千羽鶴供へて祈る炎暑かな みのる
迂回路も陸橋も嫌街炎暑 うつぎ
屋根の上紅の彩這う百日紅 董雨
爆心の石垣根づく百日紅 なつき
御堂筋炎暑横断歩道まだ半ば 菜々
風孕む縦横無尽さるすげり ぽんこ
一の宮炎暑に一つ力石 よし子
息子居ぬ訃報の家や百日紅 よう子
炎暑とて海水減りも増えもせず よし子
もう嫌と何に苛立つ炎暑かな たか子
両親亡く兄弟逝きて百日紅 宏虎
禅林の大き洞もつ百日紅 うつぎ
路面電車軋みて曲がる炎暑かな みのる
谷川に足を浸して遣る炎暑 よう子
駅出でて紅白揺れる百日紅 満天
炎暑なり気力体力やる気なし 宏虎
何事も柔軟にねと百日紅 たか子
街炎暑服を脱ぎたし水浴びたし 宏虎
炎暑日も食衰えぬ吾げんき 智恵子
散歩する肉球ひりり炎暑かな ぽんこ
公園囲む赤白交互百日紅 こすもす
築地より伸びて空塞く百日紅 せいじ
炎暑来てラヂオ体操流れをり もとこ
こんちきちん涼し然れども街炎暑 せいじ
浜炎暑一歩にたたら踏みにけり みのる
下山して町の炎暑を纏ひけり やよい
夕暮の枝青白し百日紅 素秀
虹色の橋に傾く百日紅 たか子
古刹の門潜れば白き百日紅 董雨
廃校の像に傘なす百日紅 智恵子
百日紅の揺れ鳥籠見え隠れ 董雨
採血の静脈蒼し百日紅 素秀
炎暑の樹洞に被爆の石詰まる なつき
碧天の下灼灼と百日紅 わかば
炎暑なかテニスコートの球歪む 素秀
夫逝きし頃も炎暑の日々であり はく子
百日紅一人暮らしも三と年に はく子
紅白に街路を分かつさるすべり せいじ
ジョギングの喘ぐ炎暑や河川敷 やよい
建築中のビルの伸び行く街炎暑 はく子
ドンマイと球児の声援百日紅 よう子
復員の父が手植えの百日紅 明日香
大雨に耐へる朝の百日紅 董雨
百日紅フリルの小花を零しては はく子
照りつける日射しに盛る百日紅 わかば
寺炎暑怒髪天突く仁王像 菜々
滑走路揺らぐかと見ゆ炎暑かな みのる
自販機のどさり音する炎暑かな 満天
ご朱印を受くる炎暑のみな無口 なつき
慰問する笑顔いぢらし百日紅 ぽんこ
お屋敷の紅一点やさるすべり 菜々
谿川を下り炎暑の町中へ わかば
街炎暑靴に吸い付くアスファルト ぽんこ
咲き広ぐ空家の庭の百日紅 董雨
御所深く上臈めきし百日紅 せいじ
咲き満ちて何やら悲し百日紅 明日香
寄り道す炎暑の街の深庇し たか子
死に蝶の乾ききる翅炎暑かな もとこ
曾孫四人百寿の葬の炎暑かな こすもす
通り雨炎暑の熱の冷めやらず 智恵子
百日は長いと思ふさるすべり よし子
退屈なテトラポットの炎暑かな よし子
百日紅挿頭す御廟に摩耶夫人 みのる
生家いま無住となりぬ百日紅 やよい
ひっそりと荒物屋消ゆ百日紅 もとこ
百日紅地にも池にも花のあと 明日香
さるすべり百日庭を明るうす 菜々
迷ひたるビルの谷間の炎暑かな わかば
やるべきを忘れ溜息炎暑かな 智恵子
2019年6月
風孕み噴水昇る龍と化し 素秀
噴水の一瞬光の彩出来る 明日香
黴の堂覗けば閻魔の眼が光る 菜々
五軒長屋の三和土でこぼこ黴にほふ 菜々
噴水の高さを決める会議あり よし子
定年の靴捨てがたや黴白し よう子
噴水の背山を抜きて高々と はく子
見へねども黴意識する寝具干し こすもす
噴水やときに形を取り替へて せいじ
噴水の高さが世界一と言ふ はく子
黴の書の厚し重しの紳士録 よし子
噴水は今し子供の遊び場所 智恵子
この家の目下の敵は黴の花 うつぎ
噴水に神溢れ出すローマかな もとこ
孫ら来と聞きて風呂場の黴拭ふ せいじ
嗣ぐ禰宜のなくて黴びたる一末社 みのる
噴水の天辺にある優越感 宏虎
黴匂ふ青春の日の写真帖 わかば
噴水の止みて親子の立ち去れり なつき
噴水や恋人達のミスト影 智恵子
黴匂ひ捨てると決めしハイヒール 満天
噴水の変わるリズムに見とれをり 董雨
ふた開かぬ黴の絵の具やさくらロゴ よう子
臍の緒の小箱箪笥の黴にほふ 小袖
噴水の飛沫の中へ子等嬉々と わかば
気まぐれな噴水出たり出なんだり ぽんこ
噴水や踊り出したるナイトショー 素秀
黴匂ふ師の歳時記を繙けば 明日香
噴水に集ふ天使のコスチューム なつき
黴の書の栞に若き日の決意 みのる
本棚の黴の香かすか広辞苑 こすもす
人訪わぬ洞の神棚黴にほふ たか子
噴水の前に混み合ひ人を待つ 満天
黴匂ふ家となりしか父母の老い もとこ
噴水の穂にキッスして子ら遊ぶ せいじ
母残す白原稿に黴の染み 素秀
南冥に散りたる徒らの黴の遺書 みのる
噴水に濡れて走る児喜ぶ児 宏虎
おつかひへ祖母のお駄賃かび臭し 菜々
噴水やいともあっさり急停止 たか子
天空に留まる刹那噴水綺羅 菜々
ふつふつと育つ醤油や黴の蔵 はく子
噴水の天洗ふごと高々と 満天
噴水や宙の余白へ模様描く 明日香
上下する噴水涼し駅の前 董雨
薬剤の効果てきめん黴拭ふ せいじ
堂に満つ五百羅漢の黴の息 うつぎ
噴水の垂直力や青い空 よし子
食べ惜しみ旨しカレーに黴占拠 もとこ
千年の黴のほほえみ菩薩像 よし子
山小屋の雑魚寝の布団黴匂ふ うつぎ
上がるだけ上がって落つる噴水よ こすもす
黴の書となりて並ぶや資本論 もとこ
一粒づつ水滴となり落つ噴水 こすもす
黴臭いと車の中も消臭剤 明日香
大川へ大量に吐く大噴水 たか子
噴水の力一気に抜けるとき よし子
噴水のビルの横顔模糊となす ぽんこ
現職に愛用鞄黴匂ふ 宏虎
二十年の味噌に白黴息づけり なつき
間歇の噴水突と弧を描く ぽんこ
黴匂ふ見知らぬ祖父のラヴレター もとこ
噴水の吹きあぐ高さ揃いけり 董雨
黴知らず二十四時間換気扇 はく子
黴生える家事の怠慢見透かされ 明日香
庭園の要の噴水ニンフ像 よう子
噴水に真向き背きて人を待つ うつぎ
懐かしき吉野の黴の資料館 わかば
捨てられず黴となりたる発禁本 みのる
噴水のリズムに合わせぴたり止む 宏虎
噴水の高さを競ふ青天井 ぽんこ
誰知らぬ噴水の成す小さき虹 素秀
噴水の水輪に亀の数多かな わかば
黴の靴捨つなり思ひ出と共に うつぎ
百年の黴の住み着く醤油蔵 やよい
大切な黴の効用忘れまじ はく子
噴水の横走り抜くしぶき雨 董雨
噴水の七彩闇へ消えゆけり わかば
木彫仏笑む古寺の黴笑ふ 智恵子
噴水は祈りの鳩の飛ぶごとく なつき
わんぱくが噴水くぐればつぎつぎと 菜々
味噌小屋の黴の仄かや母の袖 よう子
履かぬまま下駄箱いれし靴に黴 宏虎
登れども落つる運命や大噴水 よう子
噴水に挑みて子らの力尽き なつき
噴水の玉にすだれに落つるかな たか子
子噴水大噴水と上げにけり 董雨
噴水のもぐらたたきに子等燥ぐ 満天
タイマーで上がる噴水節水期 やよい
森深き古木の根方黴の花 ぽんこ
大噴水水平線を貫きぬ みのる
噴水や手振れに写る玉真珠 智恵子
黴の香や年代物の革ベルト 素秀
噴水口塞ぎて遊ぶ子らの声 せいじ
セピア色のアルバム開き黴匂ふ 満天
食パンの一所青黴兆しけり やよい
カマンベールチーズ黴と言へども人気あり こすもす
黴匂ふ地下の暗さや霊宝館 やよい
噴水の孤の中にあるビルの群れ たか子
古書店の隅に居座る黴の花 智恵子
噴水に入りて小躍り襁褓かな やよい
2019年5月
カルピスと麦のストロー昭和去る たか子
麦秋やサイクリストがペダル漕ぐ よし女
麦秋ゃ二筋三筋煙立つ 三刀
麦秋や農免道路一直線 こすもす
うどん屋の犇めく讃岐麦の秋 小袖
旅宿に姉妹の語り明け易し 菜々
走りても足の出ぬ夢明早し 素秀
ほろ酔いに寝入る心地や明易し ぽんこ
麦秋ゃ一郷黄色の海となる 三刀
麦秋の中に停めある高級車 よし女
旅の夜の語らひつきず明易し わかば
小湊の漁船沖行く明け易し 智恵子
厨から妻のハミング明易し みのる
分校の正午の鐘や麦の秋 よし子
明易や湖に出たる漁り舟 隆松
明易やポストに落ちる新聞紙 隆松
明易しひとり納豆ご飯食ぶ せいじ
麦秋や昼灯はずむ郵便車 なつき
起き抜けのベッドの白し夏の朝 なおこ
明け易し外湯めぐりの下駄の音 菜々
三姉妹笑窪の母似麦の秋 宏虎
奥入瀬の渓流の音明易し わかば
麦秋や播磨平野の豊かなる わかば
なほ続く仮設の暮し明易し みのる
自家製のパンの焼き頃麦の秋 ぽんこ
想い出は蝋涙のごと梅雨にいる よう子
畦に立ち鼬首振る麦の秋 素秀
跡継ぎも生れて父祖の地麦の秋 菜々
短夜やサスペンス本薄表紙 よう子
気にかかる夢の顛末明け易し たか子
青嶺らし降下の飛機の生駒より よう子
麦秋の匂い満載路線バス 智恵子
明易や生きてたよ夫言ふて起き 明日香
明易し音の近づく救急車 満天
明易や始発電車の走る音 明日香
明易や夢に出る人皆彼の世 董雨
麦秋や一瞬に過ぐ新幹線 三刀
麦秋のすくっと背伸び風去なす ぽんこ
夕の畦おぶる子あやす麦の秋 智恵子
明易し夢に実家のブロック塀 こすもす
麦秋ゃ麦藁帽の見え隠れ 三刀
麦秋やフランスパンの焦げ具合 たか子
明易し数多の鯉の跳ねる音 満天
麦秋の水路に鎌を洗ふ爺 智恵子
検診も六年目なり麦の秋 素秀
自転車の風切る親子麦の秋 よし子
明易や看取りの母の手を握る よう子
麦秋や野に現はるゝ金四角 もとこ
湖の辺も彼方に在りて麦の秋 隆松
右手左手おくる視線や麦の秋 隆松
麦秋やご縁の会てふ里帰り せいじ
明易し先ずチェックする互選かな こすもす
田畑は黄金の波麦の秋 ぽんこ
麦の秋札所詣での鈴つづく 菜々
コンバイン幾何模様なす麦の秋 よう子
彩雲の現れてセピアや麦の秋 智恵子
玄関に旅カパン置き明易し 董雨
スタンドを引寄す読書明易し ぽんこ
まほろばの転作地増ゆ麦の秋 明日香
麦秋や村に一軒なんでも屋 うつぎ
明易し胸に確かむパスポート なつき
麦秋や水音軽く水車まふ 董雨
満目の麦秋に胸躍らせて わかば
四万十川の大きく曲がり麦の秋 うつぎ
麦秋の映画の中や原節子 宏虎
父母に祖母みな登場や明け易き もとこ
後ろ手に組んで並びて麦を踏む たか子
母に会ふ夢の途中や明易し よし子
麦秋やマーマレードを水に溶く せいじ
麦秋の刈り残されてコンバイン 董雨
歳月の流るる如し明急ぐ 董雨
寝返りの容易ならざり明易し うつぎ
麦秋の中ゆっくりと一両車 満天
明易し瞼の裏の眩ゆけり 隆松
明易や閉め忘れし戸なほ放つ よし女
明急ぐ夢も未完となりにけり 素秀
少年の眠りは深し明易し よし子
戸袋に雛の鳴き声明易し なつき
明易し灘の遠近漁船の灯 やよい
明け易ゃ朝刊配るバイク音 三刀
明易し探偵小説謎多し 宏虎
黒い穂を母と抜いた日麦の秋 小袖
長々き貨車が通貨す麦の秋 よし女
山の宿露天湯に起き明易し 宏虎
佐賀平野見渡す限り麦の秋 やよい
兄妹のトトロごっこや麦の風 なつき
見渡すに近江平野の麦の秋 小袖
麦秋をセピアにつつむ夕帷 みのる
明易や門灯のつい消し忘れ 明日香
こうのとり舞う青空や麦の秋 こすもす
明易やみのるの日記読めばなほ 明日香
ひと吹きの風の音聞く麦の秋 素秀
麦の秋彼方に碧き近江富士 菜々
明易の舟屋は何処もがらんどう うつぎ
短夜やナースの仮眠のいかほどに 小袖
フルートの風わたる如麦の秋 もとこ
麦秋や赤子の顔のまん丸に なつき
失明の義姉にハグする麦の秋 やよい
久々に合わす目覚し明易し こすもす
明け易しひとりのラヂオ深夜便 もとこ
冷え性をかこち湯浴みす夏の朝 せいじ
明易し雨戸の隙間日の射して 満天
断捨離を突如始めし麦の秋 せいじ
対岸は須磨か明石か麦の秋 よし子
麦の穂の鳥よけと云ふ尖り方 たか子
見晴かす美瑛の丘の麦の秋 みのる
明易しおしゃべり止まぬ軒雀 満天
明易や蓋開けて待つ洗濯機 うつぎ
明易や妻覚むるまで待機中 みのる
茜さす明石大橋明易し やよい
いなみ野の麦秋今に輝けり わかば
新聞の配達単車明易し 宏虎
かわかわと先づ鴉から明易し もとこ
夏暁や畑に水遣る一と仕事 よし女
麦秋の平野を左右に高速路 やよい
2019年4月
生駒嶺の変らぬ起伏春惜しむ たか子
那智黒の一歩に辿る庭若葉 ぽんこ
若葉風髪上げ仰ぐ飛行雲 智恵子
椎若葉指を触れれば吸ひ付きて 明日香
神苑の鹿のお辞儀に若葉風 もとこ
枝先の柿の若葉を渡る風 董雨
良き影の喬木城の樟若葉 わかば
小祠や千年の幹楠若葉 よう子
平成の御代を最後に春惜しむ 宏虎
ミーアキャット立つて嗅ぎたる若葉風 なつき
廃屋に柿若葉のみ明るけり 素秀
納骨の墓新しく春惜しむ 素秀
句敵と奈良飛火野に春惜しむ せいじ
昨日今日春惜しむにはこの寒さ もとこ
参道は一直線や若葉光 満天
奥比叡のぞむ石庭春惜しむ やよい
移り行く深山の景や春惜しむ ぽんこ
就中楓若葉の明るさよ みのる
若葉濃き奈落を埋む一の谷 わかば
岩間から伸び雑木の若葉かな 素秀
鳴き交わす雀の声や柿若葉 三刀
木漏れくる日の斑も揺るり若葉風 隆松
菩提樹の若葉あかりに大仏殿 なつき
新しき時代の足音若葉風 三刀
惜春やふるさと山河まなうらに 菜々
春惜しむ比叡借景の寺庭に はく子
足に寄り餌を乞う鳩に春惜しむ 董雨
春惜しむ海を眺めの屋上に うつぎ
登山者へ惜し気もあらず若葉風 たか子
渓谷の吊り橋ゆする若葉風 智恵子
目標は若葉の森や目指す寺 こすもす
小流れを覆ふ若葉のシャワー浴ぶ 明日香
目に染むる直哉旧居の窓若葉 せいじ
友と聴く講演会に春惜しむ こすもす
ナビ片手崩れ土塀に春惜しむ 小袖
せせらぎの天蓋となる溪若葉 宏虎
畦道の散歩頬撫ず若葉風 こすもす
アカペラのハモり伸びやか若葉風 なつき
惜春やあれもこれも見逃して もとこ
打ち返す波音を聞き春惜しむ 三刀
カレンダー風にめくられ春惜しむ 須磨子
一列にロードバイクや若葉風 うつぎ
浴槽を磨きて清し若葉風 よし女
若葉燃ゆこの家に嫁して六十年 菜々
目に若葉メタセコイアの並木ゆく 隆松
まほろばをテクテク歩きて春惜しむ もとこ
惜春の灯のともりたる浮見堂 うつぎ
若葉雨空のどこかが明るくて 菜々
〆を巻く朽ちた切株春惜しむ ぽんこ
どっぷりと朝湯につかり春惜しむ はく子
惜春や母の句帳の薄き文字 たか子
ケーブルカー若葉かきわけ天目指す 智恵子
咲くもあり散るものありて春惜しむ 董雨
「でんぐり返り」の子供の像に若葉風 よし女
神在す苔むす大樹樟若葉 ぽんこ
鳶の舞ふ能勢の青空春惜しむ 宏虎
刻印の残る城垣若葉燃ゆ わかば
柿若葉少年の声よくとおる やよい
まんまるのハートは桂若葉かな はく子
惜春やハズキルーペで読む季語集 よし女
鴨川へトランペット吹き春惜しむ 満天
若葉雨メタセコイアを滴りぬ 隆松
若葉萌ゆ塚の敦盛寧かれと みのる
昭和以降知らぬ夫や春惜しむ こすもす
春惜しむ茅葺き屋根の雨垂れに みのる
飴くれてはにかみし児や草若葉 須磨子
平成の名残の雨や春惜しむ やよい
春惜しむ衣類整理の須臾に過ぐ よし女
惜春の直哉旧居に傘置き来 うつぎ
断捨離といふことばあり春惜しむ みのる
厨より朝の楽しみ窓若葉 明日香
新たなる元号決まり若葉光 董雨
柔らかき陽射しの中に春惜しむ 三刀
一雨に山は全き若葉色 よし子
春惜しむ古し灯籠苔むして 董雨
見慣れたる山美しく若葉もゆ 三刀
神さびや楠の大樹の金若葉 よし女
春惜しむ七十路歩むハイカーと せいじ
若葉道カーブ曲がれば目に映へし 隆松
防波堤足ぶらつかせ春惜しむ 智恵子
バス停の屋根は小さし若葉雨 よし子
惜春や鼓聞こゆる能舞台 ぽんこ
百年の母校百年の楠若葉 菜々
若葉萌え鎮守枝張る楠大樹 宏虎
若葉雨出遅れた木々元気づけ 明日香
降り頻るものの多くや春惜しむ わかば
武庫川の泡立つ淀み春惜しむ たか子
浪花には八百八橋春惜しむ よう子
春惜しむフェルメール展見逃せり たか子
藍若葉雑草ととも葉を開く 素秀
立て膝で子規の座机春惜しむ なつき
ささやきの小道と標春惜しむ 小袖
駅頭の足湯に旅の春惜しむ みのる
ホルン待つ子鹿の群れや春惜しむ 小袖
京の寺社三つをめぐりて春惜しむ はく子
憶良詠む七種の花に若葉風 もとこ
教会にハープの演奏春惜しむ はく子
楓若葉殊に眩しき神の庭 やよい
鴨川の流れゆるやか春惜しむ 満天
春惜しむもぬけの部屋に椅子一つ よし子
花の色日ごとに変わり春惜しむ 智恵子
若葉風ビンテージジーンズの青 よし子
春惜しむ川面にビルの迫りくる よう子
ねねの道ゆるゆる巡り春惜しむ 菜々
佐保山の暮れゆく空や春惜しむ よし子
むせ返る若葉の香る城址かな わかば
庭若葉朝の頁の開きにけり うつぎ
まづ拝むぽつくり菩薩若葉寺 なつき
玄関よりサンルームまで若葉風 こすもす
文豪の和洋の庭に春惜しむ せいじ
エマオへの道も斯くやと若葉影 せいじ
故郷の歌合唱し春惜しむ 満天
文楽の碑のある村や春惜しむ よう子
陽のさしてより艶増せり柿若葉 宏虎
城跡の石垣隠し若葉かな 素秀
丁寧に鍬を洗ひて春惜しむ よう子
木漏れ日や紅葉若葉の影踊る 明日香
大蛇めく枝八方に樟若葉 やよい
萬葉園ひとめぐりして春惜しむ 満天
2019年3月
診断の加齢と一言山笑ふ 満天
水温む河馬ゆつくりと水を這ふ よう子
石段の一段飛ばし山笑ふ うつぎ
水温む瀬音を聞きつ握り飯 三刀
長寿とは生きる事なり山笑ふ 宏虎
輝ける水車の飛沫水温む うつぎ
山笑ふやめる勇気の白髪染め なつき
水温みよちよち歩き公園に 満天
太極拳翳したる手に山笑ふ みのる
雑木山萌黄に笑ひそめにけり みのる
屋上より鷺の睥睨温む池 ぽんこ
おはようと云ふ人をりて水温む もとこ
馬の背を辿る人増ゆ山笑ふ わかば
水温む出合の水音優しけり 三刀
首伸ばし白鷺漁る水温む 董雨
切岸へ淡き色つけ山笑ふ わかば
水温む轟音止まぬ洗堰 せいじ
小流れの流れ合うとこ水温む よし子
水温む亀の漂ふ城の池 やよい
水温む娘が来るという知らせ 須磨子
山笑ふ改装急ぐ道の駅 よし女
トンネルを貫通させて山笑ふ はく子
庭の実を鳥食べ尽くし山笑ふ みのる
吊り橋に繋がる両の山笑ふ はく子
太閤のお天守ゆらぎ濠温む 菜々
水温む嫁御来る日の大そうじ もとこ
水温む米研ぐ音の緩やかに 董雨
校門に迎えママ達山笑う 小袖
新しき靴を降ろす日山笑ふ 素秀
絶壁の小便小僧山笑ふ 素秀
ガン見せる夫睨む妻山笑ふ せいじ
トレールランひとあし毎に山笑ふ 素秀
山笑ふ風倒木をそのままに せいじ
むつかしや今の家族は山笑ふ もとこ
図書館へも少しひく紅山笑ふ こすもす
パパママとおててつなげば山笑ふ みのる
堂島の揺蕩ふ川や水温む 明日香
水温む鳥の集まる手水鉢 明日香
さんさんと日照雨に濡れて山笑ふ  ぽんこ
わらべ地蔵寝転ぶ足や水温む 智恵子
飛行船追いかける子ら山笑ふ 智恵子
水温む泥はね上がる潦 明日香
利かん気は母似で父似山笑ふ なつき
山笑ふ吊り橋揺らす子恐がる子 菜々
水温む手押しポンプの鳴りやまず うつぎ
山笑ふ迷路めきたるジャンクション よう子
吾を叱咤しては百磴山笑ふ やよい
山笑う麓を巡り福祉バス 小袖
水温む鷺のぬき足さし足に みのる
遊具よりこぼれ落つ子や山笑ふ なつき
山人の畑の手入れや山笑ふ よし子
引き波の音高らかや水温む せいじ
陸奥へ親子の旅や水温む よう子
一片の異動通知や山笑ふ よう子
川登る数多の鯉や水温む 満天
池温む観音山に抱かれて 菜々
山笑う改装中の道の駅 三刀



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