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2019年1月
初鳩の等間隔や人の道 董雨
法令線深くなりしか初鏡 満天
子ら去りて妻とふたりの初映画 せいじ
抱つこして吊革持たす初電車 なつき
新しい鉛筆削り初句会 菜々
多賀詣でローカル線の初電車 小袖
大仏の御手よりこぼれ初雀 みのる
災(さい)のなき年を願ふや初暦 やよい
蒸したてのおこわに列の初大師 ぽんこ
変顔を比べあひして初笑 なおこ
舞初や扇子のなれる傘や槍 素秀
有名校ばかりへ祈願初天神 たか子
初飾り朝日に光る商店街 智恵子
水鳥のほのぼのと浮く初景色 はく子
初鏡横からのぞく目元似て なつき
老いし母目の前に居る初鏡 明日香
間の空きて言葉探せり初電話 素秀
初春の淀滔滔とあをあをと 菜々
初鴉神の使いと崇められ 宏虎
囲みしは誕生日なり初暦 素秀
太柱鋲も梅なり初天神 たか子
洛北に降り立ちて上ぐ初比叡 明日香
邂逅の友と嬉しき初茶会 わかば
初鏡裏に昭和の日付あり よう子
幼くも亥の一文字を書き初むる こすもす
髪切つて首すじ清し初手前 なつき
手を伸ばす牛の頭や初天神 明日香
初市の億といふ値の大まぐろ たか子
初暦揺るぎなき日をおくりたし わかば
書初や左手の筆の巧みなり せいじ
初試合今年は勝と碁石打つ 董雨
日本の心にかへる初詣 よし子
乗初めは中央局のポストまで 明日香
乗り継ぎの青春切符初詣 小袖
島一つ浮かべて凪の初景色 三刀
初湯殿秘湯の入浴剤入れて みのる
茶道のおくぎは禅に通づと初映画 よし女
初弘法東寺は人であふれけり はく子
初暦撥ね年一つ重ねけり 董雨
孫も来て初ドライブす誕生日 董雨
越の国海より明くる初景色 よし子
書初の「正」は苦手や「お正月」 せいじ
初乗や夫の運転変わりなく ぽんこ
正信偈の音読読書初めとす こすもす
芸術的ピカソのやうな福笑 よし子
韋駄天の福男なり初戎 宏虎
車椅子ポカポカ陽射す初散歩 智恵子
良きことの多きを願ふ初日記 よう子
初鼓めぐる鎌倉能舞台 智恵子
初護摩供いま転読の唄ふごと 菜々
子ら去にて部屋の静やか初硯 やよい
家族みな元気と記す初日記 みのる
泣き声もまためでたけれ初電話 うつぎ
幼子の一挙一動初笑 もとこ
買初めは氏神さんの守り札 はく子
近況の訛り言葉に初電話 満天
初日記楷書で今日の出来事を 満天
初伊勢や赤福餅をまづ食す もとこ
当り籤もて白米を買初す せいじ
初句会饒舌となり忘れ物 よう子
なごやかに家族揃いて初写真 わかば
余生また色分けするや初暦 満天
初句会今年こそはの顔並ぶ 明日香
唯一の己が句集を読み初めに 菜々
初買は俳句の本とカレーかな 宏虎
初空にひとひら残る月ならん はく子
末社にも初天神の心持て たか子
初もうで安産祈願の両手に児 なつき
法螺貝に続く一声せり始め 三刀
初夢のまだ何者も現われず 素秀
神妙に巫女集まりて初天神 たか子
指差しの駅員きりり初電車 よう子
夫に添ふ散歩初めや凪の浜 よし女
さだまさし聴きいる仏間初明かり こすもす
経典て背を打つ音や初観音 三刀
勅題の茶碗を揃へ初点前 うつぎ
家族増え寄って寄ってよ初写真 もとこ
初大師押すな押すなの参拝者 宏虎
初売の大入袋に長蛇の列 ぽんこ
鍬始めすずなすずしろ横に見て 三刀
踏み減りし磚もゆかしや初詣 菜々
中天に千木の輝く初戎 ぽんこ
カレンダーの車列指さす初笑顔 よし女
幕あがる喜寿への一歩初明り やよい
遠回りする山陰海岸初景色 こすもす
拍手の小脇の犬も初参 ぽんこ
岩風呂へ長き廊下や初明かり 智恵子
初芝居贔屓の太夫出ておらず よう子
初凪の一湾よぎる物もなし やよい
初仕事採血にかほ反らしたり もとこ
初茜千年欅は隆々と うつぎ
声色を真似て音読読み初め こすもす
愚痴溢れ聞くばかりかな初電話 もとこ
賽銭の音も高らか初詣 よし子
初電話受話器取り合ふ子等の声 うつぎ
初弘法古色堂塔取り囲み はく子
群衆の歓声まさに初日の出 小袖
東雲の遠く聞こえし初の鷄 素秀
煤けたる大黒天と初笑 うつぎ
初便りポストはみ出す旅チラシ 智恵子
初夕日の雲間に光り目の眩む 董雨
初旅が汝の弔問にならうとは みのる
湧き水の音沸々と初山河 三刀
初詣バイトの巫女の初初し 宏虎
風そよぐ台場跡より初比叡 せいじ
白砂浜初松籟にめぐりけり みのる
初日の出海展けゆく須磨の浦 わかば
家移りの古民家広し初掃除 やよい
子に持たす畑のもの掘る鍬初め よし女
ゆるキャラが子の頭撫づ初大師 なつき
初夢や足取り軽ろし吟行子 満天
象の耳殻に塗るワセリンや仕事初め よし女
東雲に心あらはる初明かり わかば
虚子の句を一幅掛けて初句会 よし子
2018年12月
日向ぼこ聖歌洩れくる木のベンチ 菜々
高原の並木の分かつ枯野かな 隆松
前は海後は山の枯野かな 宏虎
広ごれる枯野の古き作業小屋 こすもす
灰色の空と溶け合ふ枯野かな かつみ
色のなき枯野の道を郵便車 よし子
朱の橋のあらはにせしや大枯野 満天
空谷の隧道出ると枯野原 かつみ
日向ぼこして極楽にゐるつもり よし子
諍ひて鴉の騒ぐ枯野かな 素秀
被災地の枯野に埋もる七ヶ年 海潮音
枯野いま入り口隠す秘密基地 智恵子
日向ぼこ長寿の父母を懐かしむ 小袖
世間から世界の事へ日向ぼこ たか子
靴を取り足投げ出すや日向ぼこ 隆松
多弁な世話を焼く婆日向ぼこ 宏虎
老いてなほ気丈な人に似し枯野 たか子
雲一朶なに見るでなし日向ぼこ よう子
枯野へと赤き車両の消えにけり 満天
恙なく百三歳の日向ぼこ わかば
玻璃ごしに庭を見る猫日向ぼこ 素秀
メモ帳を手元に窓辺ひなたぼこ 三刀
突風に逆らひもして枯野ゆく せいじ
お尻に根生えて立てざる日向ぼこ みのる
枯野中前照灯の電車不意 三刀
恙なし転た寝になる日向ぼこ かつみ
存分に紫外線浴び日向ぼこ うつぎ
湿原の道は無尽や大枯野 わかば
子守像鳩と雀と日向ぼこ はく子
真青なる空へ広がる枯野かな はく子
一輌車に小さき踏切り大枯野 うつぎ
腹掻く手猫とシンクロ日向ぼこ 隆松
電飾の闇に華やぐ枯野かな 智恵子
縁側に日向ぼこして猫がゐて よし子
石垣にもたれ鍬抱く日向ぼこ よう子
編み棒の慣れた手つきや日向ぼこ こすもす
繋がれし山羊の一匹枯野かな 素秀
歳時記を繰りては縁に日向ぼこ やよい
傍らに俳句本おく日向ぼこ なつき
孫の婚までは生きたし日向ぼこ あさこ
石蹴りの子らを隠して枯野原 海潮音
離陸機を頭上に仰ぐ枯野かな みのる
嘘一つ見抜かれてをり日向ぼこ 海潮音
妻と娘を送りて独り日向ぼこ せいじ
おしくらまんじゅうめきて婆どち日向ぼこ こすもす
朱雀門まわりは枯野寂しけり 宏虎
雨上がる雲走らせて枯野原 たか子
連山を遠くに控え大枯野 よし子
お持たせのハワイチョコ分け日向ぼこ なつき
大枯野大極殿の鴟尾遥か うつぎ
徘徊の母を枯野に探しけり 素秀
呆として流れる雲や日向ぼこ 三刀
大極殿へカーブ幾つや枯野原 こすもす
山裾に拡ごる家と枯野かな 明日香
川下り見ている猿の日向ぼこ あさこ
又三郎自由奔放大枯野 たか子
日向ぼこ父母のアルバムめくりつつ 素秀
行けるなら天国希望日向ぼこ みのる
山あひに段々となる枯野かな 隆松
枯野なる宮址ただ中電車過ぐ はく子
行き暮れて湯だけが馳走枯野宿 もとこ
畝筋のうつすら残る枯野かな 明日香
日向ぼこ半袖の子は駆け回り なつき
日向ぼこあの世賑やかかも知れぬ あさこ
ふところに弁当抱いてゆく枯野 海潮音
山颪遮るものなし枯野かな 智恵子
亡き母の思ひ出一つ日向ぼこ あさこ
枯野行くショウチャン帽の影一つ 三刀
繰り返す母の言の葉日向ぼこ わかば
日向ぼこ生命線を見せ合ひて うつぎ
あれそれと話のつづく日向ぼこ 満天
濯ぎ物干してそのまま日向ぼこ せいじ
無の境地にはほど遠く日向ぼこ もとこ
檄文の杭打たれたる枯野かな みのる
日燦燦一句授かる日向ぼこ 明日香
横に居るはずの人居ぬ日向ぼこ はく子
草野球土手に陣取り日向ぼこ 智恵子
枯野原ぽつんと小さき道標 小袖
これからはお前が頼り日向ぼこ 明日香
一つ星あげて枯野の昏れなんと みのる
千年の欅枯野を踏まえ立つ 菜々
大欅見えゐて遠し枯野みち 菜々
こんなにも真っ平らかな大枯野 明日香
煙立つ枯野の端の一軒屋 三刀
末枯れてゆくも美し大和かな よし子
日向ぼこ子守の爺の先に寝て なつき
恙なし程よき距離の日向ぼこ よう子
魚屋道開け眼下の枯野かな わかば
子やぎ居る枯野に命温かき たか子
夕映えのワンドを渡る枯野風 せいじ
煙吐く汽車の懐かし枯野かな 小袖
枯野原二分けしたる廃車路 かつみ
小学生駆くる枯野や声高し 隆松
布を刺す一針づつや日向ぼこ ぽんこ
父となる人の笑顔や日向ぼこ 海潮音
餌をやる枯野の猫を集めては やよい
野良猫の傍に攻め来る日向ぼこ かつみ
骨壺を抱きて帰る枯野道 はく子
幼抱きなほ温かや日向ぼっこ もとこ
庫裡の犬泰然自若日向ぼこ よう子
同じ席同じ顔触れ日向ぼこ 宏虎
日向ぼこめく大玻璃の車検場 よし女
日向ぼこいつしか祖母は船を漕ぐ 菜々
耳かきのこけしを揺らし日向ぼこ やよい
枯野原マウンテンバイク走り抜け ぽんこ
大枯野ふた分けにして札所道 菜々
色褪せし地酒の看板枯野原 こすもす
大枯野果てより響く鳶の笛 よし女
とみかうみ枯野の里を吟行子 やよい
噂とは倍の尾鰭や日向ぼこ 宏虎
置物の猫と見粉ふ日向ぼこ 満天
湖際の眼下に広ごる大枯野 ぽんこ
日向ぼこ土手の少女と盲導犬 智恵子
日向ぼこ昔語りの尽きぬ母 うつぎ
落暉今銀光る大枯野 わかば
ママ友の話尽き無き日向ぼこ ぽんこ
日向ぼっこ店主も客も釣談義 もとこ
ぽん菓子の爆ぜるを待ちて日向ぼこ なつき
まっしぐら枯野の中を犬走る ぽんこ
故友会ひ過日語りて枯野かな もとこ
参道に真白き猫の日向ぼこ なおこ
厨房そと煙草くゆらせ日向ぼこ 小袖
噴煙を雲かと紛ふ枯野かな よし女
日向ぼこ子に話すごと膝に猫 満天
猫もきて寺の床几に日向ぼこ やよい
緞帳の上がるが如き雲枯野 よし女
百選の棚田を眼下日向ぼこ せいじ
散歩犬尻目に猫の日向ぼこ よし女
足跡を隠す枯野の風軽し よう子
枯野行く目当ては水車廻る茶屋 あさこ
2018年11月
集合時間なくて気儘や旅小春 やよい
倒木に迂回し辿る落葉道 せいじ
小春日や人の恩知る今門出 もとこ
小春日や団地広場に蚤の市 菜々
丘陵の空真空なる落葉径 ぽんこ
小春日や庭師の這入りさっばりと あさこ
地の底の確かな温み落葉踏む うつぎ
吹きたまる落ち葉の嵩の辻地蔵 よし子
な滑りそ飛沫ここまでこの落ち葉 よう子
丘の上の四阿落葉を踏みながら こすもす
落葉踏み行く木洩日の散歩路 かつみ
生きて見ゆ25万博小春晴 かつみ
鬼ごつこしてをる風の庭落葉 みのる
晴れ着の子満面の笑み小春の日 こすもす
小春日や母の胎内居る如く 宏虎
立ち寄ると娘のメール卓小春 明日香
野地ゆかば靴底ぬくし落ち葉道 智恵子
禅寺の落葉掃かれし石だたみ あさこ
水平に吹かるる落葉頬を打つ うつぎ
朴落ち葉その大きさを拾いけり たか子
交差点落葉愉しげに転げ なおこ
縁側に漢爪切る小春かな 三刀
浮き島に滲むタンカー浜小春 智恵子
小春日や地蔵様めく力石 小袖
湯呑み手に寛ぐ婆の縁小春 智恵子
小春日の右へ左へ近江富士 満天
一樹立つ小さき盆栽にも落葉 もとこ
卓小春ミルに砕ける豆の音 みのる
まんまるの石を集めて浜小春 やよい
小春日にゴルフ会員辞しにけり 宏虎
大文字山より望む古都小春 せいじ
林道は陽の燦々と落ち葉敷く 智恵子
ゆくりなく師の句碑に会ふ宮小春 うつぎ
鮮やかな落葉も踏みて磴登る 満天
まほろばの瓦彩る柿落葉 もとこ
石頭撫で撫で小春の力石 うつぎ
孫たちと遊ぶ小春の至福時 かつみ
一日旅正倉院の列小春 わかば
そこここに落葉集めて苔の庭 せいじ
艶やかな彩を残して柿落葉 かつみ
柵の中鎮座の力石小春 よう子
恋唄やお染久松墓小春 たか子
落葉積む森に理学部研究棟 菜々
竿のべて釣れずともよし波止小春 みのる
小春凪沖に影濃き祝島 よし女
紺碧の瀞に散らせる落葉かな うつぎ
踏みこみて嵩に驚く落葉かな こすもす
銀杏散る六百年の葉を重ね あさこ
嵩高き落葉の下に眠る皇子 明日香
一輪車乗り回す児園小春 ぽんこ
トルソーの雀も遊ぶ小春かな よし子
北国にほっと一日の小春かな よし子
斑鳩の笑い仏や里小春 はく子
小春日やハルカス浮かぶ水鏡 ぽんこ
裏庭の捨つるに惜しい柿落葉 明日香
降りしきる銀杏落葉に翁句碑 菜々
腐葉土へ積みたむ落葉ほっこりと はく子
公園のボール遊びや落葉舞ふ 満天
今はもう座して小春の力石 小袖
雀二羽老々らしや屋根小春 かつみ
金色の大地銀杏落葉かな 三刀
神木の洞に落葉の吹きだまる 小袖
猫達は屋根にたむろし寺小春 たか子
水影と共々走る銀杏落葉 ぽんこ
小春日や紙飛行機の大回旋 さつき
小春風お礼参りの絵馬鳴れり なつき
結界や落葉の舞ひて車窓打つ あさこ
眼帯で夫と手つなぐ小春の日 なつき
小春日や吾が心中に翳りなし 宏虎
湖小春外輪船より周航歌 菜々
落葉踏む音にリズムの生まれけり わかば
馬の背を歩く人影山小春 わかば
飛機一機銀翼ひかる小春空 よし子
二時間の束の間散歩街小春 こすもす
校長の日課や門の落葉掃く やよい
落葉風稲荷の狐隠れたり もとこ
廃屋の屋根や樋まで散落葉 宏虎
唐傘に落葉降りたり骨董市 なつき
小春日や旧居留地のカフエテラス わかば
朝掃きて夕また掃く落葉かな 三刀
連鎖して風に駈けだす落葉かな みのる
川下り落葉拾ひの小舟また さつき
生垣の中より聞こゆ鳥小春 明日香
自家用車は棚田のカフェ窓小春 なおこ
ざくざくと砂利踏む渚小春凪 やよい
ライブへと白髪群れし小春かな もとこ
苔庭の落葉舞はせて寄せあつむ なつき
高札場探す箕面の辻小春 よう子
倒木に降り積もりたる落葉かな せいじ
揺蕩ふて流れ掴みし落ち葉かな よう子
縁小春話しは弾む嫁姑 菜々
シスターら賛美しながら落葉掃く みのる
嵩高き落葉二人で掃かねばと よし女
墓守と猫談義する小六月 たか子
神の杜嵩の落葉に静もれる はく子
水底の散り敷く落葉色極む 満天
園児らの手つなぎ散歩宮小春 小袖
ロープウエイ小春の日撥ね山上へ はく子
野良猫の歩みも軽き小春かな 三刀
廃屋や理容店らし落ち葉踏む よう子
石磴の落葉踏みかけな滑りそ ぽんこ
駅小春中折れ帽の靴磨き なつき
月参り直前までの落葉掃き 明日香
境内に散り積む落葉風に舞ふ 宏虎
嬰児を抱けば笑へり小六月 よし女
小春日や勤皇志士の慰霊祭 よし女
小春日の野辺に遊べる心地かな わかば
行列もルンルン気分小春の日 こすもす
西行の妻子が墓へ落葉道 やよい
哲学の道いま落葉時雨かな せいじ
落ち葉掘り何かこそこそ森のリス 智恵子
それぞれの印組む羅漢堂小春 たか子
小春日の琵琶湖一周バスツアー 満天
ランナーを追いかく銀杏落葉かな よし女
落ち葉掃くかさこそ風の音のやう よし子
踏みしめる柞紅葉の靴の音 三刀
落葉時雨終の一枚吹かれゆく 有香
蕎麦屋まで小春日和の谷戸をゆく あさこ
落葉積み重ね眠らせ腐葉土へ はく子
2018年10月
夕陽に染まり色ます照り紅葉 三刀
漕ぎ出だす車輪の音や無月なる 更紗
霊山はいずこも紅葉寺となり やよい
山粧ふ大磐座を天辺に 菜々
石磴は易易ならず山紅葉 よし女
剥落の野外ステージ紅葉燃ゆ よし女
目の高さ幼と合わせ眺む月 こすもす
摂津峡岩にはだかる渓紅葉 ぽんこ
自転車を降りてゆつくり今日の月 満天
鮮やかな吊橋しのぐ溪紅葉 よし女
夜汽車いま月の渚に傾きぬ みのる
紅葉寺お下がりに受く長寿箸 なつき
満月や目覚める度に空仰ぐ 明日香
ナンキンハゼまだもの足りぬ紅葉ぶり こすもす
虫食ひの痕も色葉に紛れけり せいじ
竹燈夜天守にかかる望の月 やよい
なめらかな筆の運びや月明かり 智恵子
終い湯を落として仰ぐ後の月 うつぎ
黄葉散り葉っぱバイバイ幼言ふ もとこ
月天心夢見る老いを貫かむ みのる
盆栽のまづ三葉が紅葉づれり 明日香
ロープウェイこれはこれはの渓紅葉 やよい
深呼吸せむと外に出る星月夜 うつぎ
天文ファンならずとも見る今日の月 こすもす
月光の太き道ゆく巡視船 なつき
ままごとの続きはあした庭の月 小袖
下紅葉虫食い穴のきらきらと なおこ
誕生日過ぎてひと月後の月 こすもす
天辺より始まりてをる紅葉かな こすもす
渓紅葉滝の白布をカッティング よし女
こんばんは満月を愛づ垣根越し みのる
赤き実を隠す紅葉花水木 明日香
紅葉狩異人の多き渡月橋 宏虎
薄紅葉山門黒き太柱 たか子
吊橋をはさみ紅葉と黄葉づくし 宏虎
山門の屋根高からず散る紅葉 よし子
あなたとは程よい距離や月の友 もとこ
薄雲のゆるりと動く十三夜 わかば
紅葉山伽藍の屋根の見えかくれ よし子
もう一度庭に出てみる後の月 三刀
ネオン添ふダウンタウンの赤い月 もとこ
句ともがら指さす方に後の月 はく子
名月や島の明かりの点々と わかば
後の月更けて一人の部屋にまで はく子
伝説の渓の深さや初紅葉 よし子
通勤に混じる旅人や朝の月 なつき
連山の稜線濃ゆく月登る かつみ
透き通る川面に一葉夕紅葉 ぽんこ
船逍遥川下りする紅葉舟 あさこ
紅葉まだ千鳥掛けなる峠道 あさこ
ジャズライブ池に名残の月真白 やよい
オリオンをそっと侍らせ月今宵 たか子
木洩れ日を浴び降る紅葉帯の路 かつみ
山頂の灯を置き去りに望の月 うつぎ
名月を宿して寧し心字池 みのる
紅葉且つ散る磨かれし廊下より 更紗
紅葉谷上りつめれば観音像 三刀
観音山の裾廻を染めて紅葉川 菜々
夜風ふと木の香ただよう十三夜 よし子
法話と月のしずくの青畝句碑 宏虎
山々の起伏のうねり紅葉山 ぽんこ
いちばん星見つけし空に後の月 はく子
紅葉且つ散る石棺の展示場 よし女
街騒をくまなく照らす今日の月 ぽんこ
月今宵満天の星寄り添ひて 明日香
呆け封じ観音かざす紅葉かな はく子
香煙の絶ゆることなき紅葉寺 三刀
抹茶飲む庭一面の散り紅葉 あさこ
いっせいに雲しりぞけて月明かり たか子
はち切れんばかりや月の南中す せいじ
初紅葉復旧半ばなる寺苑 せいじ
月今宵しづかに揺るる池面かな 更紗
片枝となりしは風禍もみづれり うつぎ
月の夜の湖に魚の跳ぬる音 うつぎ
つくばいにゆらぐ月影一つあり 智恵子
星なき夜湯けむりのみて月清か もとこ
錦秋や母子像白く佇みぬ なおこ
スイッチバックの登山電車や紅葉晴 やよい
櫨紅葉数多の石の無縁塚 ぽんこ
探鳥や訪ひし池の辺薄紅葉 わかば
寺までの大練塀や蔦紅葉 たか子
名月へ見得切つて立つ男松 みのる
嵐峡の瀞にかざして山紅葉 せいじ
肥満気味月見をかねて夜散歩 かつみ
名月の路地と抜け道照らしけり 宏虎
満ち欠けのある人の世や後の月 たか子
一片の添ふ雲もなき今日の月 満天
天界と地上をつなぐ夜夜の月 宏虎
月光に庭の草花艶めけり 満天
舟の浮く水面に映える庭紅葉 あさこ
もみづれる湖畔に立つや鯉の口 三刀
激つ瀬に川舟跳ぶや紅葉渓 せいじ
喬木の中に色添ふ紅葉かな わかば
単線の渡る天空紅葉谷 かつみ
一刷毛の雲を払いて今日の月 かつみ
早々と穴の明きたる柿紅葉 あさこ
展けたるダム湖に望む紅葉かな わかば
江の電や軒の紅葉に触れもして 智恵子
塗香して撫づる大数珠紅葉寺 なつき
朝戸くるまづ満月を探しをり 明日香
急磴を一直線に初紅葉 満天
岩風呂に波砕け入る月の宿 なつき
初もみじ女も菩薩に練供養 はく子
夕月や都会は今夜も眠らざる よし子
紅葉の間暮れゆく古都の影法師 智恵子
江の島に落つ日眺る紅葉山 智恵子
天隠す葉からはじむる薄紅葉 もとこ
願ひ事言つてみたしや今日の月 満天
錦繍のお山へ架けて極楽橋 菜々
夕紅葉ベンチのスポットライトなる なおこ
星月夜夫を迎へにそこらまで 菜々
社会人になつて初めて月の道 なおこ
赤も朱も黄も橙も照紅葉 更紗
すくっと一本動物園の銀杏黄葉 なおこ
寺辞して京をすずろに十三夜 菜々
2018年9月
七宝焼の壷や秋水溢れしむ よし女
龍頭口かそけき音の水の秋 ぽんこ
天高し五尺の漢天を突く 三刀
霊峰の秋水を吐く竜の口 みのる
蹲踞を知らぬ鳥浴ぶ秋の水 あさこ
細細と古刹の奈落秋の水 こすもす
激ちきて瀞に鎮まる秋の水 みのる
仁王門へと跨ぐ小流れ水の秋 こすもす
単線に沿ふ谷川の水澄める わかば
池澄むや番のスワン点描に 菜々
堤防の一部決壊秋の水 ぽんこ
水澄みて小魚跳ねる水輪かな 明日香
御手洗の柄杓に一杯秋の水 満天
墨擦るや硯の海に秋の水 やよい
浮殿と青空映し水澄める さつき
豪雨あと濁りの残る秋の水 明日香
秋水に砂捲き野球中断す あさこ



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