投句控


2019年01月15日
熱の子に粥冷ましやる女正月なつき
救急のサイレン早し冬旱素秀
ことことととろ火で焚きし小豆粥宏虎
福男駆けし境内どんど燃ゆせいじ
女正月留守居に受くる宅急便なつき
風邪かなと久の発熱思ひけり明日香
とんど灰句帖に降りて吉とせりうつぎ
神苑の肥りて数多寒の鯉満天
褞袍ぬぐ外湯幾つも巡り来てやよい
野鳥鳴く日脚伸びたる路地の隅愛正
邪の的に一矢を放つ弓始め三刀
春呼ぶや大きな笑い赤き紅たかを
風花やいっとき白き松の枝愛正
寒月や仄かに白き露天の湯素秀
薄明かり湯気の漏れくる豆腐店智恵子
女正月喋り食べるや姦しい宏虎
家族言う鬼のかくらん初診療明日香
太鼓橋より餌を撒きし初社せいじ
老木に瓔珞のごと蔦かづらぽんこ
山茶花や飴玉のごと八重蕾そうけい
屈まれば寄り来る鯉や水温む菜々
風邪気味や毎日句会打ち寝むる董雨
大とんどゑびすの宮の天焦がす菜々
青竹より柄杓に受けし寒の水満天
水仙の茎は直角花三つぽんこ
通り雨おきみやげなす冬の虹智恵子
とんど火の臥龍となりてなほ猛るうつぎ
2019年01月14日
もたれくる風邪の子に本読み聞かすなつき
冬の川鼻筋目立つ鷭が増え明日香
ベランダの日向に冬の団子虫智恵子
カレー好きにまろやかなりし寒卵満天
川端の桜冬芽の豊かなりはく子
四温晴れクレーン大きく首を振る菜々
成人の日の警官の二三人たか子
加湿器に潤ふ部屋やシクラメンはく子
寒晴れやこうのとり号てふ電車こすもす
パン焼ける匂い充満日脚延ぶこすもす
小正月夫の作りし小豆炊く明日香
冬晴れの空の裳裾に雲集ふせいじ
子等汲みてこぼしてゆけり寒の水なつき
成人式祝ふ列島日本晴れ智恵子
大漁旗妻子迎へる初景色宏虎
成人式彼女待ちたる手には薔薇たか子
実万両色なき庭の要なるやよい
しんしんと母逝ける日の寒さかな素秀
水仙や眼下波打つ瀬戸内海宏虎
どんどの火入れるやいなや太鼓打つさつき
冬ぬくし朝より夫は鉄砲玉菜々
手袋のままに合掌せし墓前素秀
偕老のほうとう鍋や散る飛沫たかを
孫帰り物干しに揺る干し布団董雨
日だまりの土手一斉に名草の芽三刀
注連縄の御幣揺らめく白さかなぽんこ
こだはりの朝御飯への寒卵満天
物の芽についと惹かれる陸墓かなぽんこ
冬晴れの空へ干し物叩きけりせいじ
久方に中庭見れば山茶花咲く董雨
波しぶき洗ふ巌に落椿さつき
2019年01月13日
餅花の小枝を加へ床の花こすもす
餅花や天蓋のごと老舗覆ふ明日香
家々の窓に映りしどんどの火さつき
寒日和懐かしき曲隣家より満天
笑ひ声もれ来駄菓子屋春隣やよい
里山のてつぺん染めて冬夕焼菜々
子の帰宅促すチャイム寒夕焼せいじ
寒昴月の光を遠ざけてうつぎ
美術館名画の中に自画像をぽんこ
峠茶屋垂氷に光る幟かな智恵子
しもやけの薬指揉む仕舞ひ風呂なつき
釜の湯のにえたぎる音初点前なつき
タブレットに悪戦苦闘初投句はく子
駅伝のラストスパート風花すさつき
父兄らの体育館へと初試合満天
枯山に響くや散弾の連射素秀
路地裏に小鳥鳴くなり帰り花愛正
泣き笑ひして映画館女正月やよい
風見鶏待ちに待ちたり春燐宏虎
濃き闇に冬三日月の白さかなたか子
東照宮友を誘ひて初詣で智恵子
鏡開きそろそろ小豆煮ゑる頃菜々
寒九郎湯船に浸かり風の音三刀
しぐるるや傘無き人と軒を分け素秀
室花や豚の加湿器息を吐くはく子
桟橋にわかさぎ釣りの竿ならび明日香
園丁のやうに後ろ手探梅すたか子
マネキンの洋装替る春隣宏虎
子供らはリンゴジュースや屠蘇祝ふこすもす
日脚伸ぶ木の間隠れの丸太小屋愛正
ありありと師の面師の声寒昴うつぎ
雲影に上下分かたれ山眠るせいじ
浮御堂鯉の口あく冬日かなもとこ
2019年01月12日
老いて猶お洒落っ気あり初鏡宏虎
春を待つ旅の案内どさり来る満天
電線に等間隔や冬の鳥こすもす
大枯野鉄塔ばかり立ち尽くし明日香
法蓮草ちぢみの襞の甘さかなたか子
釣り人を影絵にしたる冬夕焼明日香
山ひだの明暗つよし寒日和愛正
松過ぎて水道工事掘り返す董雨
賽銭が頭上飛び越え宵えびすぽんこ
芸事の神に祈るや小正月たか子
競輪のスタートライン息白しやよい
返礼の亥描くや筆始やよい
寒きびし干し物未だ濡れしまませいじ
寒椿落ちて黒猫立ち止まる素秀
校庭に歓声上がるどんどかな三刀
日のささぬ狭庭の隅や霜柱愛正
左義長や古き太鼓のばちも焚くさつき
大寒波素知らぬ顔で雲は行くたかを
冬籠る煮しめぐつぐつ煮返して菜々
珈琲の好み変わりて冬の風素秀
初スキーゲレンデの風追いかけぬ智恵子
どんど焚く全校生徒輪になつてさつき
二階より咳で吾を呼ぶ床の夫なつき
風邪の夫ビデオ半分見て眠りなつき
ストーブ前突っ伏した猫遊び過ぎたかを
初雪や滑走路舞ふ最終便智恵子
凍空へ高層ビルの立ち並ぶ満天
地球儀に世界をめぐり冬籠る菜々
羽子板の掛軸変えて柳かな董雨
二鉢の篝火草や比翼めくせいじ
初スキーゲレンデの風追いかけぬ智恵子
いかにもの設えのもと初句会こすもす
数の子は良き肴なり酌み交わす宏虎
2019年01月11日
御降の雪へと変はる湖鏡隆松
赤のラインばかりなる本受験生なつき
空港に降り立つ寒の目覚めかな智恵子
神馬像少し丸顔宵えびすたか子
日本海の初景色見て実家へとこすもす
冬茜への字を描き消ゆる鳥愛正
げん担ぐ真っ赤な靴の受験生なつき
雪いだく山に日矢射し煌めけり明日香
贈られし手袋頬にあててみる素秀
幾重にも遠き山々寒日和たかを
寒林やトロンボーンの低き音素秀
水仙のなぞえに猫のもんどりうつぽんこ
潮風に吹かれ並びし大根かな董雨
川沿ひの木々にほつほつ梅早し満天
狛犬の目に五円玉首に注連やよい
臘梅の枝打ち過ぎて花僅か董雨
父母の墓一つ弾けし冬木の芽こすもす
冬夕焼綺羅の橋揺る余呉湖かな明日香
手びねりの花瓶送りて寒見舞満天
人波に乗れば迷わぬ初参りたか子
片岸の染むる朝日や寒の入り愛正
餅花の揺れて賑はふ繁盛亭菜々
このあたり御狩野あとや若菜摘む菜々
雪の郷屋根寄せ合ふて佇めり隆松
臘梅の九つなるをまた数ふせいじ
日向ぼこ聖歌漏れくる木のベンチ智恵子
雑踏し裏に拝みし十日戎宏虎
難聴を太鼓で聞かす十日戎宏虎
雲切れて目潰しとなる雪解道せいじ
十日戎新馬の鈴は蚊帳の外ぽんこ
払う尾で陣地拡張コタツ猫たかを
事も無く鏡開きの二人かな三刀
2019年01月10日
新設のえびす像撫で初戎やよい
手を引かれ幼の小さき戎笹やよい
赤門を入れば福笹溢れけりたか子
福笹に笑みのサービス福娘宏虎
参道の匂ひ香ばし初戎ぽんこ
寒波来て朝餉手間取る厨事満天
室の花窓辺に覗く冬の蝶智恵子
茶席へと飛び石すべる春着の子なつき
福笹を手に手に地下街混みにけりさつき
道端に除雪車休憩してをりぬこすもす
曳猿のお辞儀は土下座するごとくさつき
テーブルに椿一輪民家カフェよう子
ゑびす笹満員電車に高掲げ菜々
神木の影もさざめく初戎菜々
初神楽紅さす巫女のおちょぼ口智恵子
鳥達の未だ気が付かぬ実千両董雨
外遊び好きも籠るる寒さかななつき
初戎妹一つ年重ねこすもす
目前を雉過る朝御慶かな明日香
小寒や水を欲しがる植木鉢董雨
餅花や老舗の隅を明るくす明日香
気遣う声響く湯煙の初湯殿愛正
ドア軋み体軋みて春近したかを
冠雪を知らせる風の強きかな素秀
狛犬の傷そのままに震災忌ぽんこ
十二度の寒暖計に冬の蝿素秀
通勤の寒波に背中丸くして満天
献立の中に欠かせぬ寒卵三刀
福寿草家族の如く寄り添ひて宏虎
結露して外は霙となりにけりせいじ
注連明けの神馬に合掌長き人たか子
露天湯に身すくめ沈む寒の入り愛正
旧正の節もちくれしタイの友せいじ
2019年01月09日
歳時記の一頁より読始もとこ
雑炊の得意な次男土鍋下げ董雨
奉納の鮪に小銭張り付けてぽんこ
花活けて弁当も出て初句会菜々
大寒や駅に迎への車列伸ぶなつき
古民家の嫁が君なる落とし物やよい
枝折戸の猫の通路や実千両宏虎
寒椿落つやストップモーションに素秀
寒に入り母の命日近づけり素秀
牡蠣筏沖の小島を風避けにさつき
セーターを前うしろ着て吾子駆くるなつき
こんにゃくのからしに涙おでん食ぶ董雨
薄ら日に蕩けさうなる臘梅花せいじ
臘梅の花見んと枝引き寄せりせいじ
本宮の千木に光や淑気満つたか子
崖道に蕾の並ぶ野水仙宏虎
老集う十人十色ふゆうららたかを
角か丸家族談義の雑煮かな愛正
寒雀日射しの中を跳ねまはる満天
無意識に手を合わせをり初明り明日香
おお鷹の一瞬の狩や夕日影そうけい
穏けしや瀬戸の東雲初汽笛智恵子
葱買ひてリュックに差すや道の駅やよい
粉もんの匂いただよふ初恵比寿たか子
寒桜透け入る先の青天井愛正
野地蔵に前垂れ掛けて初参り智恵子
壺に活けてまこと雪白冬椿菜々
交通安全の亥の看板や風花すこすもす
大音量ラジオ流るる牡蠣打ち場さつき
香煙の堂に華やぐ寒牡丹三刀
寒凪や綺羅を敷き延べ播磨灘うつぎ
風花や友の訃報を置いて消ゆよう子
白黒の猫駆け回る枯野かなこすもす
新年会少し濃い目の紅をひき満天
初打ちやテニスシューズの紐強くぽんこ
お祓いの太鼓響くや初御空そうけい
寒凪や光の礫となる漁船うつぎ
冬銀河朽木の谷の闇白し隆松
寒の水胃に落ちたれば目覚めけり隆松
2019年01月08日
浮雲のほんのり染まる冬茜ぽんこ
次々と万両増えて家古りぬうつぎ
去年今年淀は蛇行を繰り返し菜々
冬霧の帳開けゆく里閑かやよい
雪しまきそれとも見えず訪問地愛正
石積める枯草の中新芽出づぽんこ
寒晴やチャイムの音の高かりし満天
整然と初日を返す車列かな明日香
初多賀の参りの次は糸切餅隆松
寒晴や児が追ひかけるヘリコプターなつき
冬休みの宿題両手に登校子満天
松飾り迎え見送る家広しもとこ
乳母車福笹挿して帰りけりさつき
瞬きは妣のつぶやき寒の星宏虎
お年玉ゲームソフトの書肆の棚よう子
風切羽煌めかせつつ鴨翔ちぬ明日香
羅漢さん呼んでいるかに雪催素秀
黒猫がスキップ踏んで冬うららたかを
月きよし水面の影の初こほり愛正
一月八日平成の誕生日三刀
大当たり赤子に引かせ初恵比須さつき
臘梅花蕊の底まで細工めくせいじ
伝来の雑煮の味や舌ぞ知る宏虎
初絵馬や天に届けと風に鳴る智恵子
繰り返す母の話や日向ぼこ智恵子
今も耳に七草はやす妣の声やよい
こうのとり冬田ふわりと飛びたてり素秀
先ずアップの贔屓力士や初暦こすもす
自転車の補助輪はすし寒夕焼なつき
初明り鎮守の森の大楠へ菜々
古き葉の陰に双子の臘梅花せいじ
反り返るラジオ体操大枯木たかを
末吉と云ふ身の程の初神籤たか子
芯替へて姿勢も正し初日記たか子
雑談の長長続く御慶かなこすもす
2019年01月07日
着水の波高く白鳥来たる素秀
塩加減程よき味の七種粥満天
三方にそつぽを向きし臘梅花せいじ
母許の目覚めはなづな叩く音菜々
風見鶏磨き初春上機嫌智恵子
幼らに聞かせて婆の薺打ちうつぎ
濯ぎもの初外干しし紅茶飲むこすもす
屠蘇の酔ひ夢を大きく語りたりなつき
雀二羽あし跡残す椽の霜愛正
人日や暮らしの行方不透明三刀
野鳥だに寄らぬ蝋梅ビルの陰愛正
ピアニカを弾きつつ子らの日向ぼこさつき
人日やあまたの敷布洗ひけりやよい
諍いし白鳥の声悪しきかな素秀
いそいそと七草取りに夫外へ明日香
平成の総決算や去年今年もとこ
遠目にも潜り方からかいつぶり明日香
和やかに会食あとの初句会たか子
幼なへもふうふう吹いて薺粥菜々
松納め町に常の音溢れけりたか子
事始めベルトの穴のまた増えし智恵子
恙なき日々を願ひて七種粥満天
初風呂や時間ゆったり湯たっぷり宏虎
道端に鳥の骸や冬の雨隆松
二種足りぬ七草粥の塩加減よう子
臘梅花近付くほどに芳しきせいじ
波怒涛崖の寒禽たじろがず宏虎
初詣キャリーバッグの猫抱いてさつき
旅心写真で誘う初暦こすもす
寒厨ホットワインで一息すなつき
ごみ出しの塀越し述ぶる御慶かなやよい
2019年01月06日
蟷螂の枯れても小僧ひるませり素秀
初句会人それぞれの闘志かなたか子
古希と喜寿八十路混じりて初句会宏虎
寒入るや膝いたはりてサポーターを満天
野辺見れば青きものなし寒葵愛正
無意識に両手は拳霜の朝三刀
偕老の信号待ちや冬日和ぽんこ
お年玉はにかみ手出すニキビの子智恵子
常備薬するりと喉を寒の水満天
鴉の子信号機より睥睨すぽんこ
序列あるごと九つの臘梅花せいじ
悴む手父が包みて手水受く菜々
縫初めのお手玉二つ作りけりこすもす
神棚へ効用多き寒の水宏虎
初空やただただ青く美しくこすもす
猫の尾が我が顔なでる初笑いたかを
初句会一番籤を引き当てるやよい
星明かり黒き門扉の艶な霜愛正
過ぎたればその早きこと松納めたか子
一口のお屠蘇のしみるめでたさよなつき
初旅や妻と酌み合う酒旨し隆松
悴む手に息吹きかけつ推敲す菜々
松飾り身の丈超える商家かな智恵子
一枝が家族のごとし臘梅花せいじ
人の日の雨の欲しいと思えけり素秀
温泉の素に湯巡り冬籠るうつぎ
厨事先ず一杯の寒の水よう子
車より手を振る御慶振りかへしなつき
2019年01月05日
笑門にうだつの上がる御慶かな小袖
四日はや園に庭師の姿ありさつき
実生故いよよ愛しき臘梅花せいじ
草花の葉を掻き分けて芽を探し明日香
万葉園真中にたわわ樗の実さつき
枝垂れ梅つぼみふふみてしなりをりたか子
幼き子たどたどしくも御慶かなもとこ
初詣で夢咲くごとくみくじ咲く智恵子
吾一人の優先席や初電車こすもす
大人びし春著の笑顔艶を増す宏虎
聞こえるは異国語ばかり初電車こすもす
襖絵の虎の咆哮淑気満つ宏虎
冬霧を見しとや聞かば訪ねたきたか子
人鳥に見向きもされぬ渋き柿ぽんこ
年末年始ながい休みをもてあます菜々
今年また買い足すはめに年賀状明日香
単線の踏切越すや冬の霧やよい
対岸は何処の国や初霞素秀
五日早健康体操始まりぬ満天
街路樹の枯れ葉に落つる月の影愛正
御降りや背ナの幼の目まぐるしよう子
庭冴ゆる月の無き夜はことさらに菜々
臘梅のこの枝だけに咲くは何故せいじ
寒椿開き初めしを鶴首へ満天
松過ぎて古きピアノを売る決意なつき
念仏を唱ゆる軸や初日陰愛正
独楽強く廻れば微か振動す素秀
途切れたるジム再開の五日かななつき
寺町の質素なりけり松飾ぽんこ
元旦の水を静かに使ひけりうつぎ
山一つ超えて山々去年今年三刀
歌がるた家族そろひて真顔なり智恵子
冬うらら雲ぽっかりとビルの玻璃やよい
2019年01月04日
児等去りて揺れるブランコ冬温したかを
室の花自分を褒めてもらひけりもとこ
鐘一打心に箍の初詣宏虎
水炊きの野菜だけ食ぶ四日かななつき
初打ちの歓声上がるゴルフ会満天
初神籤真剣に読む夫婦いてたか子
紋付の父を要に屠蘇祝ふ菜々
定めなき時雨に似たるわが身かな愛正
大甕にあぶく閉じこめ氷張るさつき
ゆくりなく枯菊を焚く札所かなさつき
久に揃ふ家族すこやか年始酒やよい
初詣で絵馬に一文字健やかと智恵子
送る子の背まつすぐに伸ぶ四日なつき
お地蔵の前垂れ真白淑気満つかかし
返本の受付開始四日かなこすもす
木の葉散る狭庭にわたる月の影愛正
あでやかに一本締める初相場宏虎
書院床明かり障子に日燦燦やよい
陰陽石走り根抱く淑気かなぽんこ
年新た剣を払ふ巫女の舞ぽんこ
臘梅花ひいふうみいよ九つもせいじ
飲みかけのペットボトル鳴く北の風たかを
柏手の堂に響きし音冴ゆる智恵子
初電話変わらず義父の大き声素秀
はや四日今年の的の定まらず三刀
朝日浴ぶ枯草の綺羅川面映え明日香
初東風に乾きし音や絵馬揺るるたか子
ジーパンも振袖もあり破魔矢授くかかし
四日早やカレーの匂ひ隣から菜々
シルバーのカップル多し初シネマせいじ
四日早や友招き入れ台所うつぎ
鉄柱のねじれて揺るる冬の川明日香
年玉を孫の両手に掴ませり素秀
途切れなきリフトの列や初スキーこすもす
寒晴やグランドゴルフ音高し満天
2019年01月03日
新年のロビーの和太鼓館とどろく満天
朝霜の解けゆく雫く虹の玉智恵子
歳時記を枕の下に初夢をかかし
子も老も撞いて檀那寺除夜の鐘はく子
歩み初む喜寿への一歩初明りやよい
初春や庭に鳩来て雀来て菜々
除夜の鐘の余韻に煩悩託しけりはく子
夫婦岩すな浜集ふ初日の出智恵子
身辺のものを減らして去年今年なつき
頬染めて選句もそぞろ初句会宏虎
橋桁をくぐる千鳥や靄に消ゆ愛正
体重の早も気になる三日かな三刀
幸あれと眼を射るほどの初日かな明日香
木枯らしや寄りて纏わる部屋の猫たかを
狛犬の阿吽の口や淑気みつやよい
挨拶の列や新年互礼会素秀
読初や蛍光ペンを握りしめうつぎ
霜枯れの見えぬ野花や草の原愛正
実家庭愛犬駆ける三が日たかを
お年賀や子から貰ひし大吟醸宏虎
覚めてなほ初夢追わむ二度寝かな素秀
スマホ持ち刻一刻と初日待つ明日香
と見る間に首位が交代初駅伝せいじ
お正月子らから貰ふプレゼント菜々
駅伝の競り合ひ見つつ雑煮喰ふせいじ
三日果つやっとしづかになりにけりもとこ
巫女の手の白さひとしほ初詣たか子
趣味の合ふ親子の語り三が日満天
干支の文字半紙はみ出す書初かかし
お辞儀して鸚鵡返しの御慶かなぽんこ
子等去りて広くなりたる鏡餅ぽんこ
鍋底の焦げを磨きて三日はやなつき
平成に参る最後の初詣たか子
2019年01月02日
玄関前裾うちはらふ 雪の晩愛正
初座敷磨き上げたる床柱菜々
買い初のどんどん伸びる最後尾なつき
日常の家事に戻りし二日かなせいじ
あいうえお練習中や書始めこすもす
おせち足す牛肉求め列並ぶ明日香
初売りに付き添ひレジに並ぶ役なつき
冬うらら障子に映える白髪かなたかを
起きて寝る同じ一日去年今年たか子
屠蘇一献妻に感謝のダイヤ婚宏虎
里行かば柿の木一つ枯野かな隆松
子ら迎ふ庭いっぱいの干布団やよい
へんぽんと日の丸高く淑気満つたか子
除夜詣手作りランタン庭参道はく子
今年限りの賀状の多き齢かなやよい
縁側にぶらつく足や日向ぼこ隆松
お年玉いらないと言ふ子らのいて明日香
せせらぎに迷う水泡薄氷愛正
トランプに勝ちて笑顔の幼かなこすもす
門礼を引き止め妻の長話素秀
それぞれに打つ音たがへ除夜の鐘はく子
初売の中身の見ゆる福袋満天
健康と大書きの文字初日記かかし
投函の俳句ポストや淑気満つかかし
スカイツリー逆さに揺らぐ冬銀河智恵子
五番街マリー判らず虎落笛宏虎
起立して国歌斉唱今朝の春うつぎ
満ち上がる波音優しニ日かな三刀
初富士や車窓の勇姿澄みし空智恵子
甦る受験戦争初詣たかを
観戦はテレビと決めて寝正月せいじ
小垰に見放くふるさと初山河菜々
九人家族賄い切れず初市へぽんこ
二日はや重箱空になりにけり満天
左手に握るスマホや初句会素秀
2019年01月01日
病む夫に食べよ食べよと節料理うつぎ
平凡も変化もよろし去年今年たか子
山の春走者箱根の襷かな宏虎
初日の出平穏なれと手を合すはく子
あけぼのの空晴れわたりお元旦菜々
ポストまであと出し賀状小走りにたか子
野鳥舞ふ寒梅開く二三輪愛正
大凶の母をなぐさむ初みくじなつき
初日の出独りテラスに合掌す智恵子
元旦や異国の孫のおめでとう三刀
添書きの再会約す年賀状満天
と見る間に影を作れり初日の出素秀
あっぱれや雲一朶なき初御空やよい
まほろばの初日を映す初瀬川明日香
内外の平和を祈る去年今年せいじ
初空や眉山の上に残る星素秀
屠蘇ならぬ昆布茶で祝ふ初チャペルせいじ
大枯木樹幹の中に浅間山たかを
久に会ふて親子三代屠蘇祝ふ菜々
家事終へて一息つくや除夜の鐘やよい
吾が名載る俳人協会初暦宏虎
墨香る長寿二文字の筆始め愛正
初売りや休憩の椅子ひとつ得るなつき
ひとひらの散り雲もなし初日の出はく子
健のみを祈る賀状の多き事満天
すれ違う晴着の人持つ破魔矢こすもす
去年今年千転すなる一句かなうつぎ
朝靄の登りて里の初日の出智恵子
本殿へ列絶え間なき初詣こすもす
2018年12月31日
はらからの二人見送る十二月はく子
美容院へ行ってた母や大晦日こすもす
年送る干支の色紙も入れ替へてやよい
先ず選句済ませ厨へ大晦日満天
白妙の巫女顔優し初神楽宏虎
忙しげに水鳥遊ぶ鏡池せいじ
メモ用紙増えて今年も暮れにけり愛正
挑戦す子らに乾杯大晦日たか子
川向うより迫り来る雪時雨せいじ
ニューイヤー闇に大輪花開く智恵子
一番風呂譲られて入る大晦日なつき
寒暁を屋根に並んで鳩の待つ素秀
幾ばくの日向あつめし青写真素秀
一日中厨に籠もる大晦日ぽんこ
半分も終わらないのに除夜の鐘明日香
刃物研ぎ終えて静かに大晦日三刀
ニューイヤー芝に轟くファンファーレ智恵子
初詣バイトの巫女の八重歯美し宏虎
家中にお節の匂ふ大晦日満天
ワインの酔ひ心地よく冷め日記果つなつき
大晦日歌合戦に手が止まる明日香
救急車サイレン響く大晦日ぽんこ
散歩道三度歩いて年送るたかを
昨夜見舞ひ今日天国へ身にぞ入むはく子
食べて酌み食べては酌んで除夜更くる菜々
第九聴き安らかなれと年を越すたか子
沁みひとつそっと拭き取り年送るたかを
お節料理手作りするは二三品こすもす
2018年12月30日
水仙のなだるる鉄道目の高さこすもす
捗らぬ朝餉に凍るオリーブオイル満天
飴色の煮汁のこくやぶり大根たか子
花型人参散らしおせちの出来上がる菜々
ロールカーテンに代えて撤去や白障子こすもす
とつぷりと暮れて配りし歳暮かなせいじ
冬休み子を助手席へ宅配便たかを
鰭酒やチビチビ笑みて丸き背な智恵子
白髪染めのひととき休む年の果なつき
気の焦るほどへまをする年の暮れ明日香
鰐口の綱新しく年用意ぽんこ
庭師来る思へば今日は小晦日せいじ
年一回の機械の出番餅を搗く菜々
去年今年孫の背伸びて爺縮む宏虎
黒豆を浸け置くことも年用意やよい
あれやこれ野菜採り込む小晦日三刀
蝋梅のひらく一枝手びねりへ満天
野菜摘む踏みしめ歩く土竜塚愛正
行く年や退院かなはぬ人見舞ふはく子
朝霜の鉄路に煌めく星のごと智恵子
床の間にひとつ転がる実南天素秀
勇魚食む為に室戸を訪ねけり素秀
冴え渡る赤城嶺々つなぐ雲たかを
大八洲縮みあがれる大寒波宏虎
年用意疲れに負けて省きけりたか子
寿老神頭上の声や冬の鳥ぽんこ
夜廻りの柝の二順めなりしかなやよい
買い出しの荷置きおしゃべり年の市なつき
千両をメインに活ける迎春花明日香
2018年12月29日
カーテンなき部屋の灯明し雪夜かななつき
凍雲やこきこきこきと肩の鳴るやよい
単線のなぞへに水仙香りけりこすもす
ベランダの冬日は杜に移りけりそうけい
沖合の海より霧の立ち込めるぽんこ
冬夕焼縁の色づくまだら雲愛正
老いてなほふたつ食みしや寒卵素秀
待時間に大方潰れ小晦日うつぎ
何くれと助けられもし年用意たか子
焚火の爺見回り巡査とひとあたりそうけい
煤逃げやふらりと出でてつと帰るやよい
冴ゆる夜に心音のみが聞こえけり素秀
懐かしき色紙も変へて年用意満天
煤逃げの夫はテニスに浮かれ顔ぽんこ
餅搗かなあんこは子らが丸めをり菜々
クリスマス会手作りクッキー持ち寄りてこすもす
明眸の髪黒ぐろと雪女宏虎
温き部屋抜け出す猫の日向ぼこたかを
庭野菜ちぢこまりをり寒波来る菜々
機窓より両手に余るオリオン座智恵子
臘梅の葉陰寄り添ふ蕾ふたつせいじ
お土産にひと臼多く餅をつく明日香
暗闇にそっと現る雪女郎宏虎
年暮るるブルーシートの屋根のまませいじ
年詰る日がな絶えざる風の音三刀
初雪を集む子の手にダンプカーなつき
気あらしや朝日に走る寒の湖智恵子
手を止めて一万人の第九聴く満天
高値でも手が出てしまふ年用意明日香
2018年12月28日
湖冴ゆる対岸の灯のまたたきて隆松
数え日や我家のニュース箇条書三刀
大欅絡みつきたる雪の雲愛正
しぐるるや父母入る墓の黒々と素秀
ホーム横切られし桜冬ざう明日香
歳毎に手抜きのあらわ年用意宏虎
水濁れど澄みし心で紙を漉く宏虎
水玉のカーテン越しめくぼたん雪こすもす
仏へと丸めて小さき鏡餅菜々
縁側に母はまあるく日向ぼこはく子
手放せば寒犬嬉々とドッグラン素秀
初雪の日射の中に消えにけり満天
初雪に暫し安らぐひと時を満天
看板に日向ぼこりの鳩並ぶせいじ
翔つ鳩の影迫り来る冬日向せいじ
参道の空青々と冬木の芽やよい
郵便受けの内外も拭きて年迎ふ菜々
雪雲の切れ間の日矢に屋根光るぽんこ
カップヌードルすすりし香具師の股火鉢なつき
百人一首猛練習や冬休みこすもす
北風に孫の加勢で芋を掘るたかを
バイク馳す突と顔撃つ霙かなやよい
飛行雲寒の天空真二つ隆松
門松や人出少なき札所寺なつき
ダミ声と手締め響くや酉の市智恵子
冬の空飛脚行く如白き雲たかを
初雪の山の一村薄化粧ぽんこ
霜の花白銀に染む広野かな智恵子
寺屋根に鳩の整列日向ぼこはく子
2018年12月27日
一村を眠りに落とし星冴ゆる宏虎
雲切れて鴨の陣へと日矢差しぬせいじ
冬靄やヘツドライトの照射線素秀
ハンガーまで売る店じまい町師走なつき
池面に吸い寄せられる枯木立ぽんこ
年の煤二人三脚手際よし満天
横ならび夫と啜るのっぺい汁もとこ
冬枯れに見つけし緑の野草かな愛正
異国語に戸惑ふサマークリスマス智恵子
香煙に咳き込む婆や果弘法なつき
駅裏はシャッター街や冬ざるるやよい
日向ぼこ時の刻まぬ時にありうつぎ
靴の紐結びなおして枯野道やよい
道連れの有るが楽しき枯野道たか子
済めば直ぐ広場のサンタ横倒したか子
大枯野になりきってをり河川敷はく子
テニスコート影の舞い散る落葉風ぽんこ
煤逃げの着替へ手早く美術館へ満天
凍空を游子の如き千切れ雲三刀
三十年変らぬゑにし歳暮受く菜々
半端なき混雑ぶりや歳の市こすもす
冬田道リード引きずり犬走る素秀
凍空に並ぶ自転車夜学生智恵子
救護ヘリ発ちて旋廻北風に乗るたかを
横断す反射タスキや月冴ゆるこすもす
実生なる臘梅咲けり六年目せいじ
到来す年越し蕎麦にと文添へて菜々
2018年12月26日
凍鶴の標べとなれり荒野かな素秀
札所詣の鈴こぼしゆく枯野道菜々
お年玉米寿叔父より賜りぬたかを
バス旅行すぐに句帳を冬うらら明日香
ややしける手持ち花火やクリスマスなつき
ゴルフ夫さらに書き足す古暦なつき
寒波きてパソコン変換遅くなる満天
虎落笛闇に裏山賑やかし智恵子
手鉤にて糶らるる河豚のふくれっ面宏虎
寒月やのぼればのぼるほどピュアにせいじ
マラソンのタイムを計る冬帽子ぽんこ
冬の夜や百円ショップの灯点してこすもす
カーブして列車一両枯野過ぐたか子
廃る物育む物や大枯野たか子
中腹に老人ホーム山眠るやよい
電線に鴉の群れや蜜柑山やよい
防獣の網目をくぐる落ち葉かな愛正
山嶺の残照映えて冬の雲宏虎
一寸の麦の穂先に露光る三刀
落柿舎の縁にしばしの日向ぼこ菜々
細々と流る川筋大枯野はく子
終礼も低く聞こへし冬の暮素秀
日の差して五百羅漢も日向ぼこはく子
重たげに動かぬ雲や雪催こすもす
妻の留守ひとり仰ぎし寒の月せいじ
蓮池門登れば紅の落ち椿智恵子
冬ざれの町にあちこち救急車満天
パッカー車ひつきり無しや枯野道うつぎ
よく笑う米寿の叔父や歳の暮たかを
顔見世や立ち姿良し仁左衛門もとこ
2018年12月25日
つづら折り速度押さふる落葉道愛正
パソコンの警報ひびく寒夜かななつき
空っ風山はすっかり丸坊主智恵子
千両も添え活け床の間あらたまる菜々
嘴を背に挿し眠る浮寝鳥素秀
年用意ひとつ買つてはまた忘る明日香
煤逃げの主婦の集へるラドンの湯なつき
和やかに寺男らの年用意やよい
孫連れて朝の買物冬休みせいじ
到来の荷物解きし塾蜜柑ぽんこ
キラキラと光る街並みクリスマスうつぎ
早足で歩く人々年の暮せいじ
人込みに呑み込まれ行くイブの夜よう子
年用意遺影の父母に尋ねつつ菜々
クリスマス踊るサンタの人形を満天
ちらしとメモ手にしカートに年用意満天
乗り遅れしバスを待つ間の日向ぼこはく子
散り紅葉鳥の巣のごと固まりぬ明日香
山裾に放置の赤シャツ案山子かなこすもす
クリスマスケイキの口に柔らかしあさこ
静寂や浄土に入りし枯野かな智恵子
鳥の足齧り聖夜の気分かなあさこ
カラクリの時計踊るや年の果て素秀
母なりて思はず叱る湯ざめかなもとこ
看板の骨組み残る枯野かなこすもす
百歳の健啖凄し鮟鱇鍋宏虎
鯛焼の甘き匂ひの列に待つ宏虎
けふもまだ風邪声なりし受話器かなやよい
両の手に買い物袋年用意三刀
2018年12月24日
恙なき便り安堵や実南天よう子
一軒家冬田の中に大樹揺れたかを
終ひ湯に持ちたる贅の柚子ひとつなつき
検診を待てるロビーに聖樹の灯素秀
静やかに燭火の揺らぐ聖夜かなせいじ
しばらくは脚ほっかほか冬至の湯やよい
年用意の合間に一服アルバムを満天
積みし本迷ひ散らすや冬籠りもとこ
ごみ袋増やして棄つる年の暮うつぎ
高枝に巣箱残して引越しすさつき
寒の月何処だ何処だと慣れぬ土地たかを
幼き子動画の中のクリスマスもとこ
新幹線山川枯れ野走り過ぐ宏虎
にわか雨日矢の差し込む枯野原ぽんこ
霜柱畝に残りし獣跡智恵子
起き抜けの廊下皓皓冬満月やよい
外国は道路に向ける聖樹かな宏虎
薮影の野仏白し朝の霜愛正
三賢者演じた頃の聖夜劇素秀
根菜のなんと高値よ年の市菜々
夕焼けの遠山然とクリスマス三刀
夕陽にもたれ焼き芋ほおばる子智恵子
餌をやる氏子に甘え神の鹿さつき
友遠し余白を埋めて賀状書くなつき
分譲の区割りを隠す初の雪愛正
新調の注連縄太き古社こすもす
白雲の下に黒雲冬ざるる明日香
今日の日を斜線で消す癖古暦たか子
コンビニであと五枚買う年賀状こすもす
店頭は正月用品出揃ひぬ満天
年暮れて闇夜に仄とチャペルの灯せいじ
能舞台鳴らす踵の音冴えて明日香
2018年12月23日
ユーチューブ見ながら幼と折るサンタこすもす
しぐるるや葬り帰りの道濡らすはく子
特設の回転木馬クリスマスさつき
居眠れば柚子湯の柚子も動かざるうつぎ
朝霜や車まるごと虜とすせいじ
忘年会酒量落ちても口達者宏虎
閉め忘る窓に凍星きらめけりなつき
フランベの炎のおどる店聖夜よう子
あやす子のくしゃみ浴びたる炬燵かななつき
しぐれ来る涙雨とも出棺にはく子
火をつけて香ばし鰭酒通の味宏虎
鳥避けに今年もカバー実千両明日香
蓋とれば仄かに香る柚子湯かなやよい
臘八や鼻いき白く粥白し愛正
トナカイの角つけ帰宅クリスマスさつき
凍港のフォークリフトに遊ぶ子ら海潮音
大空の裳裾に絡む冬木立せいじ
悴みてメール打つ手も打たぬ手も海潮音
句碑あまた人影途絶へ枯芙蓉ぽんこ
いつの間に暮れて小雨の冬至かなたか子
木枯らしや孫待つ夜の雨激し愛正
しぐるるや丹波なにはの国境菜々
気兼ね無き親子夫婦の忘年会三刀
シテ方の身じろぎもせぬ声の冴ゆ明日香
寒鰤の鰓にザグリと出刃の入る素秀
数え日やはやアメ横の人集り智恵子
大勢の雀華やぐ枯木かなたかを
肉叢を捌きわけたる寒厨素秀
一句得てそろそろ上がらむ柚子湯かなうつぎ
数へ日の壇寺に又猫かまふたか子
嫁ぎ来し日々よみがへる柚子湯かな菜々
携帯電話見つかり安堵冬至の日こすもす
ぬくもれば咳ひゞく夜の広き部屋もとこ
蠟梅の蕾数多に葉を散らす満天
ハンドベル聖樹に笑みし車椅子智恵子
胸元に寄せて香を聞く柚子湯かなやよい
冬晴と思ひきやつと雨雲に満天
2018年12月22日
枯草に欅走り根大蛇めく菜々
野うさぎの立ちて吾見し山の道智恵子
闇に出て闇に帰りし冬至かな治男
通夜に集ふはらからの皆老いにけりはく子
薪くべて待ちてくれたる枯木宿せいじ
豊作のカボス代用冬至風呂三刀
昨夜の雨枯れ葉散らさず止みにけり明日香
数へ日の迷惑メール増へにけり満天
冬満月一朶の雲も寄せつけず菜々
寅さんと四季を巡りて年の暮たかを
石数ふひ―ふ一み―と冬の川たかを
死に顔に綿詰めし手よ小六月海潮音
飽きもせず潜ってもぐる鳰宏虎
数え日のおもちゃ病院混み合へりなつき
押し込めばひょんな所に風呂の柚子たか子
ショーウインドウに猪の剥製喫茶店やよい
引き返す冬至の雨の遊園地なつき
診察を待てる窓から雪催素秀
終ひ湯の香りたつぷり柚子湯かな満天
仕舞屋の屋根を乗っ取る枯かづらやよい
林道に紅く地をはふ野ボケかな智恵子
冬夕陽川面に浮くや一面燃ゆ治男
警報器無視し空風通過せりたか子
女子会の帰路を照して冬の月こすもす
早々の雪になるらむ陰る月愛正
小春日や森の小鳥も上機嫌せいじ
冬の月雲間ただよふ通夜帰りはく子
寒梅や年忌の朝に開く蕾素秀
タクシーを拾へぬ肩の小夜時雨海潮音
んのつく食べ物揃へ冬至の日こすもす
風冴えて朝より近し山の波愛正
高層ビル薄絹まとふ冬の霧ぽんこ
湯豆腐や地酒楽しみ琴の音も宏虎
神なる木縄朽ちはてて冬ざるるもとこ
数え日やシールの残る古鏡よう子
2018年12月21日
音もなく一村霧に包まるる菜々
シチューポット突つくも楽し忘年会たか子
乾杯はサングリア以て年忘れやよい
外人墓地丘に煌めく聖樹かな智恵子
風倒木細き川をば横たわるぽんこ
何食ふと飛んできたのか寒雀愛正
古民家の屋根に禅文字納句座満天
寒林の影打ち重ね柞山うつぎ
細雪露天の湯気に消えにけり素秀
山頂の鉄塔見定む冬霞治男
さよ時雨薄ぼんやりと里灯り愛正
日本海哭ける怒涛や冬の月宏虎
目の前のマンションも消す冬の霧こすもす
ショ―ウインドーツリーの飾り年暮るるぽんこ
すいとんを鍋に踊らせ冬至来る海潮音
帰る子の数だけ並び干布団もとこ
嶺々に雲の面ぎぬ葱の畑たかを
冷たきや膝に乗りくる猫の足たかを
人の生き死ぬるもなべて霧の中はく子
碧天に犬鷲一羽悠々と智恵子
古民家の風格凛と納句座やよい
欄干にもたれ冬詠む吟行子たか子
長屋門くぐり忘年句会へとせいじ
メサイアの流るる午餐枯木宿せいじ
草先の水滴光る冬の朝三刀
告別のホーン響くや寒旱素秀
煙かと見粉ふ道や冬の霧満天
山河消ゆ丹波日ぐせの朝霧に菜々
夕陽浴び枯れ紅葉にも美しさ治男
星座冴え地のルミナリエ輝きぬ宏虎
濃き霧に飲み込まれたる山河かなはく子
あといくつ指折り数ふ聖夜かな海潮音
しららてふデザート美味や枯木宿こすもす
2018年12月20日
古民家の庭の静寂梅蕾むこすもす
山茶花や手入れ宜しき庭の央三刀
寺囲む石垣点在実南天満天
職辞して髭剃り楽し冬の宵たかを
籾殻のけぶりに日矢の刺ささりけりよう子
ゆきずりの人に囲まる焚火かなうつぎ
冬湿り山の端霞む遠き峰たかを
真二つの林檎それぞれ蜜を抱く海潮音
息をのむ裸木野間の大けやきやよい
霜柱ひと際かさむ土竜道愛正
枯れ切って山丸坊主川の音宏虎
電柱の裾野に根付く実南天ぽんこ
寒潮を橋から眺む人の黙素秀
冬至風呂血めぐる足の一か年愛正
電飾にまとわりつかる冬木あり宏虎
歯科受診クリスマスソングのBGMこすもす
老女にも幼時の写真年の暮治男
冬列車スマトホ−ンする子達治男
ひいらぎを飾りに仕立てチーズ菓子ぽんこ
山に影深く落として十二月はく子
出入りの激しい子らや隙間風智恵子
ブロッコリがん予防とか欠かせない明日香
冬耕の一人つつむや広き空もとこ
商店街サンタ姿の爺人気智恵子
冬枯の狭庭に雨の恵みかな明日香
川霧と見る間に橋を呑み込みぬ素秀
紅さざんか屋敷祠を明るうす菜々
蒼天へ煙真つ直ぐ枯木宿うつぎ
色見本には無き瑠璃や竜の玉せいじ
店の名は牛豚馬鶏忘年会せいじ
空色のショールはばたく今朝の風海潮音
待合室は町のギャラリー冬暖か菜々
冬葉添へディッシュの趣向夫々にたか子
冬空を掴み切れざる大欅たか子
冬田道妙見山を目の前に満天
寒林を警笛ひとつローカル線やよい
2018年12月19日
シートで覆い腐葉土寝かす枯畑こすもす
薄氷木の葉取り込み万華鏡愛正
落葉焚く煙のうえに降る落葉やよい
冬耕の田に次々と鳩の降り素秀
極月や袋いつぱい捨つと決めなつき
冬館和紙の電灯句座照らすたか子
和紙照明と薪ストーブの句会果つこすもす
式台の風雨に古りし冬館せいじ
洋館にほど良き色の吊るし柿智恵子
納句座何方をみても人の恩もとこ
初笑い今考えて伏せておく治男
古民家の縁に狭しと冬菜干す智恵子
遅れ来しバスに手を振る初氷海潮音
夕さりてなほ里山の冬めけるはく子
暮早し思わぬ陰に人現るる明日香
花舗の前ポインセチアの占領す素秀
梅地下のクリスマスソング聴き句座へ満天
水鳥の白い鼻筋夕闇に明日香
川の堰水音寒く覚えけり宏虎
チョコレ−トの歯の間(ま)にいるや年の暮治男
苔の生ふ枝八方へ木守柿やよい
冬ざれの小径を下り瀬戸の海三刀
里戸ごと苔の石垣竜の玉菜々
板さんの迎えのベンツ枯木宿小袖
薪ストーブ女主人のおもてなしよう子
うんちくを語る女将やペチカ燃ゆたか子
枯木宿S字クランク登り来てうつぎ
留守宅の日向に置きしシクラメンなつき
薪ストーブに和洋折衷山の宿満天
竹棒を掻き回す婆落葉焚ぽんこ
大空に枝さし交はす冬木の芽宏虎
貸農園何処も大根よく育つうつぎ
生姜湯を飲みて閉づるや日記帳愛正
冬日濃し式台いまに能勢旧家菜々
落葉径車傾く脱輪車ぽんこ
青空の広ごる能勢の里小春はく子
あたらしき眼鏡に触るる冬日かな海潮音
蔕ばかりあまた残りし柿大樹せいじ
2018年12月18日
みはるかす山はしつぽり冬の霧明日香
休日や職員室に冬灯し治男
冬晴へ千年生き抜く大欅満天
パンちぎる児に寄る鴨の陣迅しなつき
竜の玉裏を返せばライトブルーぽんこ
トンネルを抜ければ消えて冬の虹さつき
ガードレール無き冬のなぞへやな滑りそこすもす
冬うらら山裾縫ふて一輌車菜々
どの樹木も走り根太く枯落葉宏虎
冬至梅蕾ちらほら跳ぶ雀愛正
手作りの盆にもてなし枯木宿菜々
焼き跡を丸く残して冬田かなやよい
番号で呼ぶ診察の窓に霜更紗
枯山の斜面に沿いて一両車ぽんこ
竹炭を床下に敷く冬館せいじ
旋回し冬陽弾くや鳩の群たかを
クリスマスチキンで始まる食事会はく子
鉄塔と見紛ふ里の火の見台せいじ
嬰児に触るることなき竃猫海潮音
寒風に言葉を取られ涙ふく宏虎
廃屋の一叢咲けし水仙花素秀
カルストの枯野を走る風の音三刀
親指の巻き爪切りし湯ざめかななつき
園庭に遊ぶ鼬や鬼ごつこ海潮音
蕪剥くまあるくまるく刃を入れて更紗
蝋梅に佇む母の笑みこぼれ智恵子
遠山に夕陽正対冬至かなたかを
オリオンに向かひて船の帆を揚ぐる素秀
通学路児らには長き枯野道やよい
落葉焚く匂いに集まる吟行子こすもす
介護室にサンタ早早現れる治男
電飾の桜紅葉に残りし葉智恵子
水鏡の松に寒鯉浮き沈みさつき
遅れしももてなし優し冬ぬくしたか子
手に受けて誰も採らずや竜の玉うつぎ
ふはふはと浮く冬霧や触りたし明日香
野面積み石の間に間に竜の玉たか子
九十九折へ迎へのベンツ忘年会満天
前菜の小鉢十余りの食事会はく子
夜半の冬静かに過ぐる赤色灯愛正
2018年12月17日
年用意寺男らの素足濡れたか子
夜半の冬静かに過ぐる赤色灯愛正
裸木となりたる銀杏並木かな三刀
昨日今日又明日へと年用意たかを
年用意今年最後の健診を満天
シナモンは嫌ひと母は林檎煮る海潮音
園児らの背伸びして出す年賀状さつき
冬の雨濡れて喪中の葉書くる素秀
忘年会愚痴も肴になりにけり宏虎
過ぎし日の鉄棒自慢着膨れり宏虎
時雨るるや与謝の海辺の力石明日香
冬至梅蕾ちらほら跳ぶ雀愛正
夕景の灯台を埋む野水仙智恵子
参道の客を呼び込む息白しさつき
山茶花のあらぬ方へと散りにけりせいじ
枯野ゆく犬に首輪の無かりけり素秀
袖垣のゆるび直すも年用意菜々
流行りとてついてゆかれず年忘れなつき
電線に音符のごとき寒すずめ満天
内蔵助のドラマに涙年の暮治男
ビックイシュー掲げる男銀杏散るよう子
炉話の賛成でなき相づちしなつき
猫二匹いまだ帰らず冬温したかを
数え日や可も不可もなく戌の年こすもす
潮風に水仙香るシーサイド智恵子
柿ひとつ捥ぐ枝先に空を置く海潮音
寝酒すも効き目の悪し虎落笛そうけい
氏神へ落葉散り敷く裏参道はく子
トンネルを抜けるにつれて冬深む明日香
壇寺へ詣で冬日に憩いけりたか子
競輪紙に赤丸つけて毛糸帽やよい
トランクに乗りて遊ぶ子駅師走せいじ
ビールケースに掛けてお喋り着膨れてこすもす
冬夕焼けカ−ブミラ−の輝けり治男
黒雲のすき間瞬時に冬落暉はく子
鈴鳴らし猫のより来る寺小春やよい
2018年12月16日
冬剪定松の枝振り風に揺れ治男
裏山はしとねの如く落ち葉積む三刀
薄ら日を弾く庵の白障子せいじ
スーパーの売り声高き十二月満天
訃報来てみな親なき子冬はじめもとこ
庵室に電気ストーブ赤赤とせいじ
漉きあげし和紙の雫や技と勘宏虎
子等いにて夕べ冷たき雨となる菜々
終ひ句座の最後の最後声ひとつなつき
眠る山へ鉄塔あまた刺さりけり満天
訪ね来て嬉しき話冬帽子たか子
弁財天江の島めぐる島椿智恵子
終活も兼ねて精出す年用意こすもす
せがまれてクッキー作り年の暮なつき
師走十日にちにち草の咲き残り菜々
朝参り先に越される朴落葉愛正
くつくつと湯気匂ひ立ちおでん沁む智恵子
寒き昼脚の痺れや散歩道たかを
細き蔓に冬からすうり風に揺れ治男
大き毬まだ色とどめ枯紫陽花やよい
赤城から渡る時雨や榛名山愛正
笹鳴きを全身耳と聴きにけり宏虎
夫八十誕生祝ふ師走の夜ぽんこ
数え日や但馬と奈良を二往復こすもす
遠山の嶺を顕に冬夕焼けやよい
日翳りて着膨れ人の余裕かなたかを
2018年12月15日
衰えし味覚嗅覚卓寒し明日香
亡き母に届く訃報や年の暮もとこ
あの頃は家を巡りて餅を搗き治男
五輪近し冬空向けてリフト群愛正
冬雲の切れて束の間朝日差す隆松
息小さく冬の流星待つてをりなつき
水仙花押して招待島便り智恵子
クリスマスのプレゼント兼ね米寿祝こすもす
人住まぬ塀からのぞく花八つ手満天
枯れ芝の斜面で転び遊ぶ子等治男
侘助の薄紅楚楚と庭隅に満天
平成の幕を降ろすや冬の虹宏虎
喚声の指差す方に冬の虹よう子
留守番の吾に置きたるおでん鍋宏虎
舞台では笑ふ子泣く子聖夜劇ぽんこ
ボロ市に着物着崩す女かななつき
のし紙に墨書せり祝クリスマスせいじ
鉢の上の落葉を摘まむ暇ありて明日香
はやばやと届きしクリスマスカードせいじ
霜夜更く片割れ月を中天に菜々
離陸機の澄む凍て空へ一直線三刀
ヘアカットしてマフラーの出番なりこすもす
蒼天を被ると見ゆる雪の尾根隆松
東雲の湖に気あらしや薄氷智恵子
句座中断窓辺に全き時雨虹うつぎ
冬至南瓜夫の気合の台所愛正
庭葱もきざみ今宵は鍋料理菜々
涙うかべ歌う子もおりクリスマスぽんこ
2018年12月14日
山眠る活断層を抱きつつ宏虎
堆く落葉浄土のなぞへかなぽんこ
コンサート果ててすずろに奈良四温菜々
水錆びぬ矢折れ刀【とう】尽く枯蓮宏虎
綿虫の光を引きて消えにけりうつぎ
カリヨンの曲いまクリスマスソングせいじ
新暦次々届き定位置へたか子
珈琲の水に拘り冬籠うつぎ
風花や傘ささぬまま歩きけりこすもす
キッチンを根城としたる冬籠りやよい
とつぷりと暮れてカリヨン音冴ゆるせいじ
メモ書きを一つづつ消す年用意三刀
真夜中の二階揺らすや冬の地震満天
来年に想いを託し日記買う治男
枝打ちの音鳴り響く天の原愛正
芋版画持ち帰る子の師走かな智恵子
先生がプロンプター聖夜劇ぽんこ
冴え冴えと更けてかたむく十日月はく子
着膨れて探す双子座流星群やよい
首塚の前に心経風寒し明日香
鴨の引く水脈の三角川幅に明日香
歳末もあの頃補習朝夕に治男
駄菓子屋の先に広がる冬田かなたかを
いにしへの都の址や冬萌ゆる菜々
夫と目の合う年末賞与の朝なつき
お歳暮の礼に話題は次次と満天
流星群くも間に二つ見ゆ至福智恵子
短日の猫返事だけ振り向かずたか子
老人病名前続々冬サウナたかを
紅白の南天活けて仕舞い句座こすもす
予防接種に細き腕だす十二月なつき
水のみ場雀の跳ぬる初氷愛正
2018年12月13日
幹ねじれ苔むす先の冬芽かな明日香
露天湯や瞼の先の冬夕陽たかを
吐く息の白さを競ふ子らの帰途智恵子
鍋磨く事に始まる事始たか子
星のごと煌めく霜や朝の畑そうけい
鯖缶で済ます昼餉や師走妻菜々
ターミナル映へる電飾年の暮ぽんこ
メタセコイヤ赤く染めたる落葉径ぽんこ
冴返る夕べ高々匕首の月はく子
投網めく川へ枝垂れし枯木かなやよい
待ち構へたる語部と日向ぼこせいじ
廃寺の仁王足より冬ざるるよう子
雲間より天使の梯子今朝の冬こすもす
暮早し下校チャイムに駆けだす子菜々
大冬田しきりにつつく烏かな明日香
曇天のひと日に残る薄氷智恵子
飛行機の爆音洩らす冬の雲三刀
一隅に冬日浴びたる翁の句碑せいじ
「災」決まり今更恐し年の暮宏虎
美容室のクリスマスツリーほつとする満天
凛と立つ枯るるススキや畑の隅たかを
また一つ更地となりて冬ざるる満天
枯れ桜枝の先まで伸ばしおり治男
どの木々も葉を落としけり虎落笛宏虎
吊り干菜納屋の引き戸の重きこと愛正
災(わざわい)と師走の文字の一入にたか子
ソーラーパネルの脇に冬菜の三畝ほどこすもす
歳末のバザ−賑わう被災地へ治男
五時告げる故郷の歌暮早し小袖
杉林の裾を灯して実南天やよい
水鉢を柄杓で叩く初氷愛正
2018年12月12日
防寒着着込みて散歩人と犬たか子
黄落の最中にありし幻住庵せいじ
息災を願ひ添へ書き年賀状満天
明けきらぬ駅前広場初時雨こすもす
大枯木立ち並ぶ鵜のシルエットなつき
尾長鳥左右に一羽枯木かなたかを
古希如き傘寿米寿の秋浴場たかを
渓谷にふわりふわりと雪の虫智恵子
誉められてあげる大根庭の畑やよい
一陣の風が落葉のかけくらべぽんこ
診察券ポインセチアの横に出すうつぎ
冬寒し医師の口癖加齢です宏虎
日上る薄霜消えて青菜立つ愛正
境内の落葉焚きより広ごる香明日香
砂をどる流れの早さ落葉舟ぽんこ
花八手塩気まじりの長寿の井なつき
アスリート溌剌として冬の森たか子
深夜まで灯るコンビニ冬ざるる小袖
マグマ納まり御嶽山の眠り初む宏虎
時雨去り黒雲の間茜さすやよい
初氷小石ポチャリと沈みけり智恵子
夕闇の窓辺鋭き虎落笛三刀
猪の豚に見えたる賀状書くはく子
全身で走る幼児や紅葉散る治男
枯れ銀杏樹の南側葉の残り治男
敷石の落葉の海に沈みけりせいじ
犬に水つまむ柄杓の薄き霜愛正
冬野菜はちきれる程届きけり満天
冬明日香おもかる石を提げてみる明日香
ハワイにも冬あると聞く冬籠よう子
上手水へ濡れ縁づたひ花八手菜々
点滅の信号多き冬の朝こすもす
2018年12月11日
冬うらら木偶に命を吹き込まむはく子
曇天の雲間を通し冬夕焼治男
音もなく庭石濡らす冬の雨菜々
母買ひし酢茎求めて社家町へもとこ
年用意カバーも掛けて客布団菜々
河豚看板ビリケン像の通天閣宏虎
推敲に推敲重ね冬籠うつぎ
電線を無くす工事や冬うらら明日香
大男が見舞いにくれし冬苺治男
下仁田葱肉より先の舌鼓愛正
老い二人小さく飾りてクリスマスたか子
冬ぬくし木偶に三人の人形師はく子
目つぶれば故郷の山河日向ぼこうつぎ
茅葺に山と積もりし落葉かなせいじ
冬ざるる度肝抜かるる訃のはがき宏虎
句碑に添ひ椎の樹もあり庵小春せいじ
足跡を目で追ふ洞に雪うさぎ智恵子
日々色の変わりすっかり冬木立こすもす
聖樹の灯梅田地下街華やげるたか子
診察を待つ着膨れの一人かな三刀
葉牡丹のむらさきに雨真珠光り満天
うたた寝のスマホ放さぬ冬籠りよう子
竹藪のざわめき外に寒椿ぽんこ
持久走の子ら駆けめぐる鴨の池なつき
振り回すラケットの先冬の虹ぽんこ
旅に知る珍しき具のおでんかな智恵子
新聞取りも油断大敵マスクしてこすもす
庭隅を明るくするや実千両満天
朴落葉風のもてくる回り縁愛正
2018年12月10日
うめもどき侘し狭庭の深紅の実愛正
店頭のポインセチアや和菓子買ふよう子
吾と娘囃されながら編むマフラーこすもす
さざ波が小さき落葉押していくたかを
数へ来て百五十段息白しせいじ
ムズムズと霜焼け赤き足の指智恵子
笹の葉に枯葉一枚散りもせずぽんこ
水琴窟澄んだ音色や石蕗の花ぽんこ
堤防に交わり揺れる枯れ芒治男
吹き溜まる玄関脇の落葉掃く三刀
畳蹴り気合い吐きたり寒稽古たか子
鎌の月眺むやさらに寒くなり明日香
出迎へは娘や孫でなくサンタさんこすもす
寒波来て予定変更籠りけり満天
品書きは店主墨痕河豚料理宏虎
常緑の森山茶花の明るうすせいじ
貸畑の冬菜青々盛り上がるはく子
日短や行列長しATM満天
首すくめ並ぶバス停冴ゆる星愛正
襟巻と手袋贈られ誕生日はく子
寒風や赤から青に子等走る治男
熱燗や口ついて出る褒め言葉宏虎
平城宮址めぐり余して日の短菜々
復元の大極殿に冬日燦菜々
大阪もネオンの雪が降りにけりもとこ
大寒波大根もらう洗いたてたかを
雀どち来て短日の精米所小袖
菊畑の香にそふ畦の散歩かなそうけい
一等賞景品抱へ年惜しむたか子
冬の湖死木となりて影澄みし智恵子
追ひ越せぬ遅き車や町師走なつき
足拭きも洗ひし夫や冬日和なつき
2018年12月09日
お返しに太き大根娘の脚治男
連発のくしゃみの人をつい避けてたか子
剪定やうねる生垣素人芸たかを
冬日差し見返る猫の尾が揺れてたかを
南天の葉も色付きてをりにけりせいじ
朝礼や前へならえの葱畠愛正
鰤街道解体ショーす道の駅智恵子
意外なる趣味に拍手や忘年会たか子
シュレッター座り込んでのすす払い愛正
飛び梅の冬芽や残る葉は乾びなつき
日曜日は何処も満車や街師走こすもす
座の仕切り客にゆだねて牡丹鍋小袖
冬ざれや謂われの深き女郎塚ぽんこ
蕉翁も眺めし琵琶湖いま小春せいじ
旧社地の立て看板や枯れ芒三刀
どの店も歳末商戦真っ盛りこすもす
落葉し冬柿多く光り受け治男
冬凪や小舟たゆたふ瀬戸の海小袖
直ぐ決まる今日の夕餉は湯豆腐に満天
古都小春女性ばかりのコンサート菜々
コーヒーを生姜湯に代へまつたりと明日香
せせらぎの小石に落葉通せんぼぽんこ
炬燵舟ゆっくり水郷至福感宏虎
コンサートいまカルメンの歌冬うらら菜々
時雨雲竿をしまつてまた出して明日香
成すべきを為し晩年は日向ぼこ宏虎
風花や散歩の夫を見送りぬよう子
着ぶくれて煌く星に佇みぬ智恵子
出会ふたび寒いと交はし小走りに満天
2018年12月08日
冬田面覆い尽くすはベージュ色明日香
笑み薄き奪衣婆赤き毛糸帽なつき
庵小春句碑の崩し字左見右見せいじ
寒波来て今日甦る真珠湾三刀
荒涼と見渡す平野冬田かなぽんこ
冬紅葉の色それぞれや墓地の上治男
焼杉の塀ある昭和枇杷の花宏虎
朝市女買うて買うてと頬かむりたか子
通学路手袋吊るす四つ目垣愛正
搗き立ての餅も並べて食い初め膳こすもす
残照の葉裏にはじく冬紅葉ぽんこ
空つぽのバス煌々と冬ざるるうつぎ
年用意の並ぶ材料遠巻きに満天
繰り返す妻の鼻歌冬温したかを
奥山や獣道沿ひ柿熟るるよう子
剪定の刃物光りて年迫るたかを
カサコソと夜道に恐し枯葉かな智恵子
冬うらら楽ながしゆく水上バス菜々
北陸はすでに荒れ果つ寒い海もとこ
梟の声近くして露天の湯智恵子
早々にベッドに入るや寒気してこすもす
大椀に心ほっこり大根焚きはく子
山茶花の花びら樹下に堆くせいじ
蒼空や麦の芽光る朝の霜愛正
かいつぶり反動つけて潜るかに明日香
やはらかな峡の日差しに子守柿菜々
休日のサッカ−賑わう運動場治男
餌待ちて怪我の白鳥首伸ばすなつき
酢牡蠣食ぶ恐さ忘れし専門店宏虎
余興あり別人となる忘年会満天
2018年12月07日
庭の樅鉢に飾りてクリスマス智恵子
週末の予報に顔出す雪だるまこすもす
金色の撫で牛もあり梅の宮菜々
父母逝きて誕生日来る十二月もとこ
日陰るや冬の絶景早や消えてたかを
散りしきて山茶花いまだ散りやまずよう子
解体の老舗旅館や花八手なつき
修学旅行生と道連れ京小春菜々
店先に溢れんばかりポインセチア満天
病院の屋上の風木の葉髪治男
唐破風を透かせて銀杏黄葉かなうつぎ
親鸞の像に幾百菊の供華ぽんこ
師走早や良きお年をと別れ際せいじ
携帯と路線図持ちて着ぶくれて明日香
まん丸に梢整のう枯木かなたかを
再建記念の城へ和太鼓冬ぬくしやよい
鴛鴦のつかず離れず踊る川愛正
出来の良く冬菜ふくらみ嵩増しぬ宏虎
葉を落とし裸を揺らすまゆみの実三刀
庫裏の庭灯りにおぼろな冬桜愛正
三輪車漕ぐ子のあとに着膨れてなつき
山茶花の根元ピンクの花ふとん明日香
牡蠣船や広島弁の同窓会宏虎
電飾の纏はりつきし冬木かな満天
来客の一言誘ふシクラメンせいじ
見てより寝ん丘の上の園庭にツリーこすもす
柏手の響ける杜や寒椿智恵子
老いし姉へ嫁菓子贈る置き炬燵治男
2018年12月06日
着膨れの犬気の毒や足もつれ智恵子
寒菊を供へ仏壇明るみて明日香
紅葉揺れ蛸踊るごと白き壁たかを
落人の里といはれて子守柿よう子
漬け込みしむべ酒琥珀に十二月菜々
額には朱の大の字や冬うららこすもす
堤防の交わり揺れる枯れ芒治男
家普請の槌音せわし十二月菜々
早々に年忘れとし集まりぬたか子
末っ子の産土参り冬紅葉こすもす
鎌を手に農夫の動く冬菜畑三刀
冬紅葉俄か友達ベンチ横たかを
あちこちから募金の声の十二月満天
冬銀河大観覧車点滅すやよい
飛び石の鳥跡残る朝の霜愛正
妻を師として芋の子を洗ひけりせいじ
同窓会老い称え合い菊の酒宏虎
山頂は見せて棚引く冬の霧やよい
冬ざれや明治の証赤煉瓦宏虎
仰ぎ見る透けて蒼穹冬桜愛正
山眠り街は電飾あちこちに満天
様変わる街に疲れて年用意たか子
出来立ての中金堂へ冬日燦明日香
ローカル線我より先に枯葉乗る智恵子
側溝の落葉いつしか居ずなんぬせいじ
買い物を兼ねて吟行冬帽子治男
峡十戸落葉時雨の中にありうつぎ
臥竜松みどりに映ゆる子守柿ぽんこ
2018年12月05日
気温差の激し毎日冬ごもる明日香
枯柳未来夢あり望みあり宏虎
トーマスや蒸気を吐きて紅葉峡智恵子
軽トラが黄葉振り分けまつしぐらたかを
青首の肩先並ぶ大根畑(だいこばた)たか子
到来の鳴門金時焼き芋に菜々
貧乏揺すりの学生服や冬日差こすもす
茅葺の庭明るうす冬紅葉やよい
冬空に飛機のみ込まる遠嶺かなぽんこ
葉衣をすっかり脱ぎて柿たわわ智恵子
山茶花の散りて華やぐ狭庭かなせいじ
冬木立ラストシーンで観たやうなたか子
冬空に飛行機そまる茜色治男
穏やかな日射しあまねし麦は芽に三刀
冬日差し外へとせがむ部屋の猫たかを
焼芋を両手でぽっかり割り笑顔満天
冬木立ここは曾の一里塚菜々
大根引く穴の明きたる軍手してなつき
寺門わき灯明ごとき冬桜愛正
スーパーの屋台作りて売る焼芋満天
散紅葉二枚貼り付く車窓かな明日香
仄暗き茅葺のカフェ冬燈しやよい
門灯をライトアップに冬紅葉うつぎ
川風のドミノ倒しか枯尾花愛正
銀杏落葉茅葺門に積もるほどそうけい
パンもらふ釣師のそばの池の鴨なつき
山茶花の三層なして狭庭統ぶせいじ
たあいなき話に溺るおでん酒宏虎
学食やおばさん多し冬日向よう子
染め分けて雑木紅葉と杉美林うつぎ
こんもりと小石積まれる枯野かなこすもす
冬の川に高きマンション影揺らぐ治男
大雨に散り残こりたる紅葉かなぽんこ
2018年12月04日
幾本も捩じれ折れたる冬木立せいじ
館内は人心地つき冬ぬくし宏虎
十二月歯石丁寧検診日満天
家事終えてほっと一息みかん食ぶ菜々
大根の焼酎漬けを習ひけり明日香
下山して仰ぐ水無瀬の滝涸るるせいじ
新築の足場解体暮早したかを
雨後の晴れ歩道に眩し落ち葉かな智恵子
塔頭寺つつましく咲く冬桜愛正
木の葉雨静かな音や夜のしじま治男
着古しのセーターの袖伸び切りしたか子
フェンスよりたった一輪冬の薔薇ぽんこ
冬の夕はぐれ鵜追ひし烏かななつき
羽根休める鳥の一羽や枯野原こすもす
大鷺や飛びて溶け込む冬の雲愛正
干柿の傷み気になる気温かな明日香
枯れ尾花落つ陽に黙すセピアかな智恵子
風邪引くや医師の顔見て点滴す治男
冬夕焼け影絵のごとく山座るぽんこ
魘されて悪夢に目覚む寒さかなやよい
冬ぬくし上着を肩にサラリーマン菜々
落葉して五色の遊具鮮やかに満天
朝日射す冬菜の芯に虻二匹たかを
良く売れる蜜柑どっさり道の駅三刀
鵜の池に相寄る鴨のかしましきなつき
部屋の隅なつかぬ犬のちゃんちゃんこよう子
里山の紅葉煙らせ一斉放水やよい
画展出て時雨の中の余韻かなたか子
枯野原重機一台置かれをりこすもす
入り口の小さき盛塩師走来る宏虎
2018年12月03日
五線譜の音符のごとく寒雀ぽんこ
櫨紅葉天葢とせり地蔵尊やよい
今年また皇帝ダリア冬天へ満天
烏どち何か啄む枯野かなこすもす
鷹の下カラス列する冬の空たかを
農道と川が一本大枯野こすもす
寝違ひし首の痛みに冷えつのる菜々
人集ふ小春の美山赤ポストやよい
天地みな紅葉の錦雨上がるせいじ
雀瓜荒れし鵜山の薮灯すなつき
障子貼る作務衣きりりと襷掛け菜々
カレンダー次々埋まる十二月満天
歌舞伎座の六方を踏みぬ足袋の白宏虎
枯蓮矢折れ刀に力尽きたか子
ざくざくと子らに踏まれて霜柱智恵子
手帳買ふカタチから入る俳句道もとこ
忖度は空気読めよと咳一つ宏虎
妹の墓へ兄行く冬の菊治男
冬茜逆光のなかの近江富士ぽんこ
コンサート余韻しばらく師走空よう子
帰る子にシチュー温め暮早しなつき
冬温し床屋の鏡に亡父の顔たかを
十一羽の鴨泳ぎおり姿勢正し治男
黄落や光に傾ぐ風見鶏智恵子
上皇も訪ひしてふ滝渇水期せいじ
うら枯れの野を打つ雨のいと寂し三刀
木守柿いつの間にやらなくなりて明日香
寒烏旋回しまた電柱へ明日香
友語り遠のく尾灯月寒し愛正
ペコちゃんのサンタ服着る季となり隆松
咳ひとつのど飴廻る終い句座たか子
朴落葉上人語る茶屋の姥愛正
2018年12月02日
日短や買物ふたつ忘れけり満天
枯葉散る中庭集合清掃日たか子
木枯らしや床屋の鏡頬の垂れたかを
藁葺きの天井かすむ囲炉裏の火智恵子
蔓先のもう上れぬか枯れはじめ明日香
整然と並めてセコイヤ冬木立はく子
ぼろ市の竿に広げる仏画かななつき
枯芒白灯台で終りけり宏虎
累々と倒れし木々に冬芽ありせいじ
暴れたる炎たしなめ落葉焼くなつき
エンタシス演奏会場銀杏散るよう子
青空を透かせる木々の冬芽かなこすもす
合唱の舞台に立つや脚冷えし治男
茅葺きのパン屋の軒の年木かなやよい
民宿の見下ろす集落吊り干菜愛正
菜園の畑はみ出す大根葉満天
虫食いの冬野菜みな自家消費明日香
介護士の片方えくぼ冬日射し治男
白足袋のきりりと着物立ち姿宏虎
冬うらら航跡しるき湖面かなぽんこ
冬空に仁王踏ん張り阿と吠えるもとこ
チェーンソーの木屑踏み締め冬山路せいじ
木枯らしや車は列し疾走すたかを
日短買い物メモの増すばかりたか子
湖明かりメタセコイヤの枯木路ぽんこ
朝日和野良猫顔だす枯葎愛正
船波に揺れては流れ浮寝鳥菜々
あれこれと気忙しこと十二月三刀
冬うららケアハウスよりコーヒーの香菜々
はぜ紅葉我が街灯す並木道智恵子
父いつも根深と呼べり今日は鍋こすもす
2018年12月01日
家計簿の点検するや十二月治男
古民宿湯気一筋の長火鉢愛正
来年の暦も届き師走なりこすもす
米寿過ぎ狙ふは白寿鶴の舞宏虎
犬も来て毎日手入れ冬の菊治男
葛枯れる埋もる更地の群雀愛正
ひらひらと残り少ない園黄葉たかを
居酒屋の銀杏落葉やガード下よう子
川涸れてあたり景色の変りけり宏虎
年用意思いつくまま箇条書き三刀
口紅を気にしつセーター脱ぎおわるたか子
倒木を断つチェインソー音冴ゆるせいじ
障子貼ってちとよそよそし四畳半菜々
冬日落つ若草山がすぐ翳り明日香
りんごの歌思い出すりんご届けばはく子
紅葉且つ散る鎮守社の錦かなやよい
用水路水面隠すや銀杏落葉満天
レッスンもたまに褒められ冬ぬくしぽんこ
師走きて気持ちばかりが焦りけり満天
夫婦杉つなぐ根覆ふ霜白しなつき
オカリナのめをと合奏冬ぬくし明日香
障子穴紙の桜を貼りし事たか子
社殿にもブルーシートや冬ざるるせいじ
霜の朝父に剃刀きずの増ゆなつき
凩や洗濯物は生乾きこすもす
細き脚しらさぎぽつり冬の川たかを
障子貼る業平窓もぬかりなく菜々
長く長くくるくるくるとりんご剥くはく子
茅葺きへ一斉放水里小春やよい
2018年11月30日
山路来て今夕映えの冬もみぢはく子
自転車をこぐ白息や始業ベル愛正
倒木を潜り潜りて冬山路せいじ
風の道沢庵漬けの懸大根三刀
茶の花の蕊の豊かや発祥地なつき
信号待ち風に落葉のラインダンスぽんこ
捨てがたきカセットテープ師走来るこすもす
枯蔦の覆ひ尽くして小山なる明日香
石舞台へ貸自転車に小春道菜々
お茶室へ飛石づたい石蕗の花菜々
川涸れてあらはになりし巌かな隆松
小春日や寄り添ひ唄ふ籠の鳥智恵子
裸木の明るくなりし遊歩道満天
歳ほども生きた気のせぬおでん酒宏虎
錦秋の比良を足下にロープウェーはく子
金槌のトントントンと冬温したかを
初時雨邸宅街は上り坂宏虎
暮れ易しトンネルごとに夜の帳よう子
夕闇にサッカ−している教師の声治男
冬の蝶日当たる岩に力貯めたか子
野地蔵へ村の子供ふ返り花智恵子
障子穴紙の桜を貼りし事たか子
根こそぎの倒木あまた冬山路せいじ
座敷深く影置く軒の柿すだれやよい
冬うらら芸が二つの猿回しなつき
店先に薄紅色のポインセチア満天
岩肌に這いつくばって紅葉散る明日香
カセットテープのフォークソングや炬燵出すこすもす
看板に冬虹映り子等の声治男
療養所室外機列す冬田かなたかを
芒枯れ期す(ごす)る地下茎仙石原愛正
2018年11月29日
白雲のひっかかりたる枯木立そうけい
すっぴんを忘れ試食にマスク取る智恵子
万博の誘致寿ぐ幕小春たか子
セーターに六花の刺繍父と娘へ智恵子
冬うらら知恵の輪石を潜らねばうつぎ
短日の早めに煮込むシチュウかなこすもす
眼科医の眼の鋭さよ冬の光治男
無人駅外灯凍つる終電車愛正
老夫婦小春のベンチに寄り添うて菜々
庭石の止むる鳥跡藪柑子愛正
冬の薔薇彩(いろ)を揃へていて寂したか子
一年を思ひ出しつつ賀状描く満天
碧の句碑裏にかしまし鴨の声なつき
黄葉の日射しを返す狼煙山三刀
夕食準備早目にスタート日の短かこすもす
揚げたてのもみぢ家苞売らぬの店よう子
冬空や瓦波うつ売り物件明日香
鴨等皆池辺の芝生尻向けてたかを
冬菜漬け石の重しや塩まみれ宏虎
湯豆腐のここが老舗や人力車せいじ
石蕗咲いて山荘今日は開けてあり菜々
土付きの冬菜荒ひし湧水かな宏虎
睨めっこ猫のおねだり炬燵台たかを
大達磨冬日さし込み浮く如し治男
公園の寄らば大樹の枯芙蓉ぽんこ
箸の穴いくつ飴色煮大根やよい
生姜湯に今年最後の筆を置く満天
門出でてなほ振り仰ぐ寺紅葉せいじ
朝刊や冬月きりり中天に明日香
銀杏黄葉虚空に光るゴッホの黄ぽんこ
還暦の赤き花束冬ぬくしなつき
2018年11月28日
落語めく法話もありて報恩講こすもす
メタセコイア紅葉に眩し時計台智恵子
朝夕はスイッチ入れる炬燵かなこすもす
冬紅葉へ吸ひ込まれゆくロープウエイ満天
整然とメタセコイヤの冬木立はく子
掛け大根屋敷囲みし浮き立つ家治男
日本晴れ紅葉綾なすいろは坂智恵子
婆が触る厄除け寺の力石なつき
赤き実を下枝につけし冬薔薇せいじ
冬日和白無垢舟に花嫁来宏虎
窓越に柞紅葉の借景を三刀
不手際にひたすら走る冬の朝たかを
煌めける落葉時雨に園児たちうつぎ
温室の棚替え冬にはじまりぬ愛正
大琵琶を眼下に広げ比良小春はく子
屋根の谷押し込められし冬夕陽たかを
短日や道路工事の急ピッチ菜々
昔馬車ありとや深き紅葉溪よう子
小春日や老人体操笑ひづめやよい
二戸一の空家の庭に冬薔薇せいじ
参道脇大師を語る茶屋の姥愛正
賑やかに白鳥戻り昆陽の池宏虎
ちやんちやんこの婆が触れたる力石なつき
紀州犬ふれあい広場城小春やよい
車窓から蜜柑頂き膝に盛る治男
磴登り白き資料館紅葉寺満天
里山はからすのねぐら夕時雨菜々
2018年11月27日
人の列自づと蛇行紅葉坂せいじ
霊泉は塩気混じりや花八手なつき
薄紅の小菊を沢に部屋香る満天
ひつじ田も黄金寒波に晒されて三刀
線路中猫遊びおり冬の光治男
寒夜覚めへこみ直せり羽根枕なつき
校庭に踊る落ち葉や授業中智恵子
菊薫る社長室には座右の銘菜々
束ねられ小菊それぞれ落ち着けり明日香
庭の隅内緒で少し落葉焚き明日香
夫の家事慣れた手つきや風邪ごもりぽんこ
どんぐりやジブリの森の百面相智恵子
廃屋の窓を残して蔦紅葉うつぎ
とりどりに装う山や高速路こすもす
風立ちて紅葉は苔の褥へとせいじ
登校生競いて受ける散る紅葉治男
温め酒一口毎に読む一句たかを
庭池へ翳してもゆる冬紅葉菜々
山裾まで左右に苅田の旅路かなはく子
漁り船真白小春の海まさをやよい
句の道に終点はなし翁の忌宏虎
小春日や園児の弾む町散歩満天
裏返り枯草掴む小虫かなたかを
全山に響く水音濃紅葉うつぎ
青木の実艶光りすや革細工よう子
白髪の夫婦散歩か冬紅葉宏虎
道曲がるたび下るたび綾紅葉小袖
案内版の鴨葱背負ひて水鳥園やよい
2018年11月26日
やり直す干し柿作り寒い朝こすもす
参道の笑顔呼び込み寺小春よう子
石垣に咲くと思はでつわの花ともえ
蒲の絮鵜山の裾にはじけたりなつき
冬靄の晴ゆく中の琵琶湖かな満天
開店日思いきって買う冬大菊治男
緩やかな磴に散りしく落葉かなぽんこ
鵜の細き影立ち並ぶ枯木かななつき
温かき日射しの匂い干し蒲団三刀
大文字山の火床に草紅葉せいじ
近江路の穭尺余に穂を上げてはく子
紅葉のメタセコイアのトンネルを満天
改札を抜けお帰りと焼き芋屋智恵子
怪しげや帽子にめがねマスクしてたか子
近江路の紅葉を訪ふてバスの旅はく子
孔雀舎の屋根に錦の落葉かなやよい
黄落の玻璃戸に映り道真直ぐうつぎ
錦繍の高速道路寺参りこすもす
日翳りて激つ疎水の音冴ゆるせいじ
木の葉髪求めざるまま老いてゆく宏虎
外苑は銀杏散り敷く黄の世界智恵子
写真手に一人寒しや法要間愛正
陣を張るまでには未だ鴨静かたか子
手土産の冬苺持ち婆迎えに治男
吃水の深く入港ユリカモメ宏虎
いざ割かん網で掬いし寒の鯉たかを
冬靄の城まなかひにレストランやよい
何追うて庭の脚立へ鷹が来た明日香
回廊に手の触れそうな庭紅葉ぽんこ
2018年11月25日
塔頭を埋め尽くして夕紅葉せいじ
朝市にブロッコリーの出始めて明日香
外人の和装の目立つ紅葉狩こすもす
おでん煮る七種セットに玉子足しうつぎ
淀屋橋浮かぶ牡蠣船水濁る宏虎
拭き上げて窓に小春の空いっぱいやよい
川下り渡船場並ぶ干し布団さつき
子が急にママと泣きたる日短かなつき
収穫の籾の分配ひとつかみこすもす
銀杏落葉松に蘇鉄に金散らすはく子
靄かけて眠り初めたる畝傍山菜々
恥ずかしき妻の下着を買う寒さ治男
小春日や子ら小走りの犬走り満天
掃除日と決めて小春のひと日かなやよい
畑隅に冬菊沢に咲かす媼満天
大枯れ田隣村までよく見える明日香
磯焚火突き立つものが煙上ぐなつき
もみずれる木立の中の句碑数多ぽんこ
百度石野鳥飛来の霜の跡愛正
手始めに梅の枝切る冬支度三刀
ケアハウスの姉を見舞ふも小六月菜々
枯れ尾花中洲に凛と佇みて智恵子
三門を取り囲みたる紅葉の火せいじ
一人鍋好きに仕切りて好きなだけたか子
バリバリとざくりざくりと落ち葉踏むたか子
悴みてはみ出す文字の日記帳智恵子
牡蠣船の昼はひっそり夜多忙宏虎
日曜の子等の交わり冬の園治男
分譲地変はる落葉の吹き溜まり愛正
大桧もみじ従へ何百年ぽんこ
耳病んで日射す音聴く冬の朝たかを
東雲の夕焼け上がるや冬の月たかを
2018年11月24日
宮近し落葉どんぐり樋掃除よう子
蓮枯池小物作りの殻選び愛正
雑草を青々伸ばす畑小春ぽんこ
今年また話は尽きず冬の宿たかを
腐葉土や風に散り敷く落葉掻きぽんこ
閉ざされし茶室の屋根に銀杏散るさつき
団体で参拝のバス報恩講こすもす
一本の冬の紅葉に歌ごころ菜々
屋台から貝焼く匂ひ神農祭宏虎
引きづりて踏んで転んで七五三たか子
ギター弾く人駆くる人土手小春せいじ
冬夕日残照の山紫にはく子
雲はらひ鏡のような冬の月菜々
家木々の影絵のごとし冬夕焼満天
籖あたる伊勢海老けふの宿の膳やよい
金婚の旅の宿なり冬満月やよい
落ち葉焚く宮司笑みて話好き智恵子
それぞれの自由尊重いい夫婦たか子
子と焼ける勤労感謝日のクッキーなつき
2019となぞへに描く葉牡丹でこすもす
ふるさとを思ひ出させる冬夕焼満天
砂利道に何を啄む寒雀さつき
広がりし視界勤労感謝の日なつき
庭先の菊枯さびし夕間暮れ愛正
寒風裂き乗ってみたきや白バイに宏虎
冬の古都観光客は分散され明日香
玄関に柊の花友を訪う治男
煌めける波間に張りし鴨の陣三刀
宴終へ背筋伸ばせば冬満月もとこ
人垣の絶えぬ老舗や冬紅葉せいじ
冬月に目覚めすつきり今日の意気治男
砂利道を歩く絨毯敷き落ち葉智恵子
2018年11月23日
風音に肩寄せ合へる秋桜ぽんこ
蜘蛛の囲の主クッキリ冬夕陽たかを
腰伸ばし母の飛びつく庭の柿智恵子
公園で勤労感謝日食事会治男
池めぐり樹形たしかめ松手入さつき
孫子みな集ふ勤労感謝の日せいじ
連れ添うてともに勤労感謝の日せいじ
厨事終へて窓開け月冴ゆる満天
夫留守の茶の間殊更冷えにけりたか子
野地蔵へ蓑笠つけて冬支度智恵子
月寒し終バス外す帰宅道愛正
堂小春観音千体揃はれて菜々
一斗缶積み煎餅屋冬温しうつぎ
梵鐘をそばに聞き散る銀杏黄葉宏虎
暮早し買いたいものもそこそこに明日香
句会場玻璃戸無きごと紅葉山よう子
シルバーの勤労感謝日ごみ拾ひ満天
冬青空人の恩知る門出かなもとこ
身に沁むや読経の声の響きかな治男
ふかし藷吹いて勤労感謝の日三刀
脱水を三分延ばす暮早し明日香
雲間より洩れ日晴れやか山粧ふぽんこ
小雪や身体の何処か軋む音たか子
大きさも形も様々にドングリこすもす
血天井仰ぎしよりの堂の冷え菜々
手車の夕陰長し敷松葉愛正
冬菜には多くは要らぬ爺と婆宏虎
高速路山肌灯すみかんの黄やよい
いい夫婦の日とて貰ひし夫婦碗やよい
囃子方心で合はせ里神楽さつき
飛んで来て枯葉一枚蜘蛛の囲にたかを
グランドの照明ものかは冴ゆる月こすもす
2018年11月22日
今まさにだるま入日や冬夕焼やよい
下戸の吾に二センチ程のボジョレーヌーボーこすもす
朝日受け紅極まりぬ冬紅葉満天
落葉時奈落の底の細き川ぽんこ
アンテナの鳩動かざる小春かな愛正
欄干に来て鋭目を向く寒鴉せいじ
蝋淚の垂るること無く宮冷ゆるたか子
腰伸ばしつつ水遣り菊花展さつき
池の面へ経文綴りに散りもみぢ菜々
木枯しや足を引き止む抽象画三刀
指先に雪虫ひとつ止まらせて明日香
方丈へさざんか垣の石畳菜々
行厨は黄落最中の銀杏樹下はく子
山深き荒神さまへ留守詣たか子
満月やベランダ光る白き道智恵子
墓地囲む冬の紅葉や祖母想う治男
朝厨リズム奏でて葱刻む宏虎
まづ落ち葉掃いてグランドゴルフかなさつき
山茶花のぽっと恥じらひ藪の中もとこ
白壁に連なる満天星紅の帯智恵子
勘兵衛も行きしこの道落葉踏むよう子
川涸るる嘴太鴉欄干にせいじ
荒神さんへ熱々焼き栗ほほばりつはく子
山茶花の格子戸よりのうす紅を満天
小雪や風神前に病める鳩なつき
竹馬に一段高し赤城山たかを
冬の月浜の椰子の葉揺れやまずやよい
塀越しの柊の花バスを待つこすもす
朝日さす稜線冴えて幾重にも愛正
買い物をかねて吟行冬帽子治男
日を追うて冬の花壇となりにけり明日香
冬桜十の鳥居の辻の宮なつき
コ―ヒーの人気喫茶や小六月宏虎
ストーブや猫はてんでにマッタリとたかを
2018年11月21日
白鳥の飛立つ羽音すさまじく宏虎
芝枯れて猫抜き足に差し足に菜々
冬の月漁り火まろく水平線やよい
参道の奈落へ木の葉散り急ぐはく子
漁り火や銀波ひろごる冬満月やよい
ぴいひよろろ小春の空を鳶群舞せいじ
冬ざれや掃きてきりなき庭掃除三刀
下車したる寺域の樹林冬日和こすもす
風筋の山茶花散るや外厠ぽんこ
積み肥を突付くカラスや冬日向愛正
参道の蕎麦屋物色着ぶくれてたか子
厄除けの納め火箸に冬日燦満天
参道に太りし猫や小六月ぽんこ
公園の猫を集めるちゃんちゃんこ治男
田の面に干し藁薄く敷かれをり明日香
冬の朝かみそり負けの父の顔なつき
サンピラー遠き町並み照紅葉智恵子
川涸れて姿みせけり石の貌宏虎
狛犬のあの口に置く木の実かななつき
目瞑りて聞く鳶の笛土手小春せいじ
夕時雨一羽遅れて飛ぶカラス愛正
小春日の長き参道左手右手満天
錦秋や母とドライブ急くもなし智恵子
大銀杏黄葉に眠る過疎の村たかを
冬夕焼鎮まり緩きGBMたかを
黄葉尽くすいてふは御堂荘厳すはく子
蜜柑とり市場に出せぬ友の呉れ治男
野放しの公園落ち葉嵩となすさつき
参道は有馬街道それて凍つたか子
うちの猫彼女連れきてひなたぼこ菜々
狛犬を侍らせてをる懸崖菊さつき
2018年11月20日
境内の団栗の数夥しこすもす
高台の病院囲む里紅葉三刀
大師像行脚の姿肩小春たか子
冬柿をくわえ飛び去る烏かな愛正
女子寮の有刺鉄線鵙の贄さつき
一息に猫は上りぬ柿紅葉たかを
うどん屋の客は俳人すきま風よう子
山茶花や刑事の恩情白状す宏虎
結界の内外内外に銀杏散る菜々
昨日文楽けふ寺参り小六月菜々
抜きんでし皇帝ダリア庭小春こすもす
波郷忌の瓢箪振れば軽き音なつき
冬薔薇とげを隠して蔓を巻くぽんこ
ボロ市のミニカーの山崩れたりなつき
樹木医の丹精実る冬木の芽ぽんこ
本堂を守(も)る四百年大銀杏たか子
鍋奉行ゆずらぬ娘レモン鍋智恵子
小春日や家に居るのが惜しくなり宏虎
子の車で食材買いに冬の虹治男
藪の中灯となり烏瓜治男
みかん狩り傾斜にコロコロ遊ばれる智恵子
ホバリング白壁前の冬の蜂愛正
どんぐりの道いつぱいに散らばりぬせいじ
伏見来て十石舟に散り紅葉明日香
蒼天に秀枝広ごる冬木立せいじ
大銀杏門の一歩に散華とも満天
京街道寺田屋通り冬ぬくし明日香
散紅葉色濃きひと葉栞とす満天
降る落葉敷きし落葉を踏む寺苑やよい
寝ころびし招き猫置く店小春はく子
土中で人参太さ問われをりたかを
水遣りのホース長々菊花展さつき
isi 石垣に咲くと思わでつわの花ともえ
朱の古りし山門もみぢ明かりかなやよい
2018年11月19日
涙目やマスクに籠る息荒らし智恵子
もみぢ葉のおしゃれ地蔵の苔衣やよい
美術展出て振り仰ぐ大鳥居せいじ
時雨忌のまぶしすぎたる日を嫌ふなつき
シエアカーでふるさと巡る深紅葉たかを
冬ざるる樹上に高き猿の声三刀
神庭に箒目の無き神の留守ぽんこ
どの道も手に触れられしみかん村満天
鎖場を乗り越え仰ぐ紅葉山さつき
菩提寺の閂長し霜の花愛正
煎餅に知らんふりする鹿多しこすもす
足が棒となりて妹と栗善哉せいじ
散紅葉うち重なりて錦なすやよい
点眼は二時間ごとよ翁の忌なつき
どんぐりはポケットに詰め奈良公園こすもす
クルーズの通る川筋散紅葉ぽんこ
外出はヒートテックで薄着して明日香
何事も会得が大事一葉忌宏虎
大根炊くねかせてちょっと映画見にもとこ
美術の冬作品展に醤油くれ治男
3Dに津波体験冬館満天
園丁に草の名問うて小春かなたか子
三猿の戒め説きぬ一茶の忌宏虎
小春日やマスゲ−ムする老女達治男
薄墨の流るる渓谷時雨雲愛正
裸木となりて梢のくっきりと智恵子
飛んで来て飛び去る小虫日向ぼこたかを
黄落を楽しむカフェー長話たか子
冬ぬくし義太夫語りの呵々大笑はく子
2018年11月18日
大川端そぞろ歩きや冬薔薇よう子
目の高さのたわわに甘き蜜柑狩り満天
足元に実を散らばせて茶花かな三刀
滝飾る景となへつつ薄紅葉たか子
暮急ぐ峡の畦道すがれ虫はく子
紅葉寺二十五台てふバスツアーやよい
天蓋の紅葉の灯る切り通し智恵子
カーブミラー何も映さぬ霜の朝さつき
初時雨どの石仏も涙みる宏虎
隙間なく池面覆ふ落葉雨ぽんこ
郵便箱水滴したたる朝の霜愛正
焼栗の試食に並ぶ紅葉狩やよい
凸凹と二両編成冬温したかを
水鳥の川面に広がる日和かな愛正
大鍋のけふも残りしおでんかなもとこ
無沙汰詫び卒寿の父へ新走うつぎ
つくばひへ山茶花一片また一片菜々
生垣を所狭しと姫椿せいじ
吊るし柿甘柿剥く娘のいとおかし智恵子
竜の玉弾み転ぶや猫の追う治男
高鋏柿はたわわに老夫婦たかを
山茶花の生垣四角四面なりせいじ
割れブロックに冬日差し込む登校生治男
墓参りもみづる草を引きもしてはく子
梔子の実の赤の濃淡お堂前こすもす
落葉舞ふ鶲とまごうひと葉あり明日香
植栽にシルバー総出街こはるたか子
眼帯の取れてこれほど石蕗黄なりなつき
小鳥来る五国五色の恋みくじなつき
大木の上がる三日月かくしけりともえ
友の畑檸檬の青きを収穫すこすもす
冬の朝車内早くも曇りけり明日香
山茶花の咲き継ぐもあり散るもあり宏虎
万葉歌碑さざんか垣に沿ひゆけば菜々
絵巻物に饒舌つづき寺小春満天
結界の竹のぼる鬼里神楽さつき
健気にも風に頷く冬そうびぽんこ
2018年11月17日
鬼の面夕日に染まる里神楽さつき
手にスリッパ這い這い自慢母の冬たかを
魚市場ありしところや冬灯し更紗
冬空や厚き雲より日矢射して明日香
倒木の折り重なりて川涸るるたか子
跳び交いて枯れ葉落すやむら雀愛正
松手入れ吾の在宅を確かむ夫明日香
しぐるるや昼を灯して屋形船菜々
丹精の大根二本提げ戻る三刀
ウインドウ早やクリスマススノーマンやよい
冬鷗遊覧船を追いかける治男
船溜まりさくら落葉のたゆたひて菜々
夕照の疎水に遊ぶ京の鴨せいじ
散紅葉頭に乗せて顔出す鯉満天
冬落暉月しろしろと中天にはく子
葦の葉の乱れをすくや北の風愛正
鷲の眼の鋭きことや餌を逃さず宏虎
ほかほかの焼き芋母と半分こ智恵子
山茶花散りし色敷き華やぎぬ宏虎
曲線の小径に沿いて落葉積むぽんこ
目薬に解放されて小六月たか子
九十五の誕生祝う冬茜治男
蔦紅葉して屏風岩いや高しうつぎ
あるじ無き庭にも響く松手入れもとこ
柿たわわ揺れて疎水に触れなんとせいじ
人住まぬ垣の山茶花散りしきる満天
荒れ社落葉に埋もれし百度石ぽんこ
大橋に車連なり冬夕焼更紗
復興の窯に山茶花散り継げりなつき
蹴轆轤に舞ふ土くづの冷え冷えとなつき
星月夜眠る草木の影法師智恵子
カリヨンのふるさとの曲暮早しうつぎ
冬田来てさらに落ち込む心地かなたかを
黒豆を買ふや丹波の紅葉狩りやよい
2018年11月16日
試歩を守る門川沿ひの石蕗明かりせいじ
参道の直に天指す冬木立愛正
梵鐘や急磴に敷く散紅葉やよい
小春日のごみ出し終へて立ち話満天
浮島の一本松の色変へずさつき
滝道へ朱の橋かかり紅葉狩たか子
走り根にかさ高となる散紅葉宏虎
冬ざれや巌の尖る渓の底隆松
新米で作る奉納団子かな明日香
酒蔵に湯けむり甘き寒仕込み智恵子
湖鏡にさざ波立ちて揺る紅葉智恵子
園帰り土産は落葉の袋詰こすもす
小春日にひとつ大きな葉が落ちるたかを
池の面に炎を燃やす散り紅葉三刀
菊数多家庭菜園片隅に満天
青空の紅葉を愛でつ朝散歩せいじ
団体客どっと来て去る紅葉寺よう子
サッカ−のゴ−ルに入りし冬夕陽治男
ベビーカーで主役の眠る七五三なつき
信長も愛でし滝へと薄紅葉たか子
古都の鹿表情あまた懐っこい宏虎
垣根にも鉢にも積もる落葉かな明日香
汚れ蝶ヒラヒラ舞いて畑小春たかを
七五三草履を脱いで歩きだすさつき
鴨番ひ身を寄せ会ひて一つ岩うつぎ
図書館と古刹に立ち寄る小春かなこすもす
雲低く桜紅葉の散り急ぐはく子
防獣の網乗り越ゆる枯れ落葉愛正
方生池あやなす錦散紅葉やよい
七五三羽織袴にスニーカーもとこ
雪隠と掲げ小窓の白障子うつぎ
散る銀杏滑ると言ひて力石なつき
夕陽射すどの冬柿も輝けり治男
しぶきては堰音いくつ紅葉川菜々
2018年11月15日
花の香も失せて冬ざれ無常なり愛正
蓮根の穴の煮汁も湯気立ててせいじ
長火鉢湯気一筋の四疊半愛正
振り仰ぐ銀杏黄葉は万華鏡せいじ
自転車を漕ぐ筋力や老の冬治男
耐えきれず道にはみ出る柿ひとつたかを
齢とれど気配りの有る木の葉髪宏虎
茶屋街に色とりどりの菊の道智恵子
蔦紅葉がんじがらめの一軒家ぽんこ
白無垢の際立つ紅葉あかりかなさつき
散紅葉からくれなゐに池染めて菜々
白菜は店頭並ぶ四つ切を満天
子ら散歩カラフル落葉踏みながらはく子
冬蝶の渡る千体の地蔵尊三刀
古刹には目を楽します冬紅葉宏虎
虫老いて洗濯物の中へ入り明日香
遅々として進まぬ車列紅葉狩こすもす
山寺の埋む紅葉や降る黄葉よう子
戸を繰れば遠目に秋色グラデーションこすもす
倒木の痛ましき中紅葉狩りたか子
松手入れ終へ庭園に風わたるさつき
散りもみじ沈む川底綾なして小袖
寒風やリップクリーム舐めにけり隆松
朝霜や車体に文字の書けるほど明日香
手術待つ相部屋無言冬日さすなつき
ひときわの赤をしほりに散り紅葉たか子
窓拭くや小春の一日使ひきり菜々
休耕のコスモス畑案山子立つなつき
色変へぬ松にもれ日の鳥の影ぽんこ
渓谷に傾るトンネル紅葉雨智恵子
国旗と社旗空風を受け機械音治男
画面から三次元へと冬の鳥たかを
水底の色鮮やかな散紅葉満天
2018年11月14日
賑ひて木の葉しぐれのカフェテラスはく子
お向かいの干柿とてもおいしそうこすもす
つがい鴨少し離れて寝てをりぬよう子
冬空へ家解体のクレーンのばす満天
三文の得とピアノ練習冬の朝こすもす
公園のすべり台へと散紅葉満天
さはし柿無人店舗を明かるうすせいじ
電飾に連なるバスや苅田跡智恵子
広縁の木肌に添ひし白障子小袖
鷹を抱く城主の像や月冴ゆる小袖
時雨るるや頭をかかへ出る美容院やよい
黒田墓所絡む木の根に散紅葉なつき
雨音に交じる歌声冬ぬくし明日香
大橋のたもとを行くや初時雨やよい
竹林を電飾めきし蔦黄葉なつき
外輪船泊めて大川もみづれるはく子
ガラス戸に動かむとせず冬の蝿愛正
幾重にも落ち葉重なる文武陵明日香
落し物何と小さな冬帽子たか子
小亭に手押し車の小春かな愛正
貴賤とて老いは平等神の旅宏虎
目瞑りて枯葉しぐれに突入すたか子
陸軍墓地崩れし墓に身にぞしむぽんこ
おほきにと声も朗らに柿農家せいじ
ガイド本読みつつ足湯旅小春さつき
浮桟橋小春の波に揺れ揺れず菜々
校庭に華やぐ心持久走たかを
駅伝の落ち葉を蹴って疾走すさつき
山茶花の小道に並ぶ夫婦句碑三刀
冬日差しほどよき距離に白い月たかを
オリオンや笑い声過ぐ夜学生智恵子
外車で行く芭蕉の句碑や銀杏散る治男
冬日浴び鼠いる像箒の音治男
陸軍墓地一基違はず菊の供花ぽんこ
山茶花の討死にのごと花散らす宏虎
2018年11月13日
猫かぶり今日は大人し七五三宏虎
つたい立つ孫と初見え柿たわわたかを
屋敷神真昼を灯す石蕗の花よう子
秋深し池塘狭むる千島笹愛正
石蕗の葉にとどまる雫無かりけりたか子
花の無き垣に見るつわの花ともえ
ミステリー本に久々没頭冬浅しこすもす
図書カード新規登録冬の午後こすもす
小春日や鯉ゆつたりと登り来る満天
冬の径小さき瀬音の癒しかなたかを
風邪の神なぜに狙ふや早々にたか子
揺りかごに赤子すやすや縁小春菜々
草相撲勝つたり負けたり下校道はく子
森林の樹間彩る冬紅葉治男
冬うらら錦絵のごと四囲の山明日香
臥龍松張り出す枝に銀杏落葉ぽんこ
礼服より失せし携帯冬初め治男
陽だまりに毛糸の帽子ほっこりと智恵子
父といふ名を恥ぢもして木の葉髪せいじ
黄葉や現役力士の力石なつき
子等巣立つ団地の砂場枯木積むやよい
庭隅に猫の仰向く小春かな愛正
乾杯のワイングラスの音澄めるせいじ
塔頭の木の天辺に熟蜜柑ぽんこ
読み返す母の手紙や冬ぬくし菜々
玄関の一隅石蕗の明りかなやよい
水掛けの不動へ一杓冬はじめ三刀
電飾にアッと華やぐ冬木立智恵子
菊の晴老猿引の寄せ太鼓なつき
化粧してよそ行きの顔七五三宏虎
マンションの廻り華やぐ石蕗の花満天
2018年11月12日
紅白のなます作れば冬めいて明日香
と見る間に袋の山や落葉掻せいじ
騎兵隊慰霊の読経紅葉散る三刀
白壁の染め上げるごと櫨紅葉ぽんこ
撫で牛の耳こちょこちょと七五三なつき
まだ落ちずまだまだ青し葉陰の葉たかを
老集い体育会や小春日和治男
絵馬堂に銘酒並びし菊日和さつき
川沿ひの桜紅葉に潤む灯や智恵子
到来のキャベツで作るお好み焼明日香
冬枯道いまだに遠し秘境宿愛正
丘稜のうねりに沿いて夕紅葉ぽんこ
山霧の消えて湯煙たちのぼるなつき
小春日や高き青空授かりしともえ
行列の風船アート小春の日こすもす
今年まだ鴨の来ぬ池波たたむやよい
老女達弁当平らげ探梅行治男
小鳥鳴く尾を振り乱す部屋の猫たかを
年老いて年々低くし吊るし柿愛正
かやぶきの届かぬ紅葉ひかり放つ智恵子
ままごとのお皿は畑の柿落葉菜々
上手水へ濡れ縁づたい花八手菜々
芒刈る音や帽子の見へ隠れやよい
悲喜の空弱肉強食鷹舞へり宏虎
落葉掻く老人会が総出してせいじ
子に返る人も祝がれて小六月はく子
地蔵尊の前埋め尽くす菊の鉢満天
検診に待合マスク人多し満天
喧騒を逃れて訪ひし紅葉寺さつき
金色にイチョウ散りをり日を浴びてこすもす
祝ぎの間の庭のもみぢへ開け放ちはく子
適塾の中庭占める花八つ手宏虎
2018年11月11日
秋雲のいつしか消えてをりにけりせいじ
分水嶺眼下時雨るる村灯り愛正
祝ぎくれて手作りパーティー冬ぬくしはく子
小春日や親等も遊ぶ遊園地治男
林道を横切る狸まるまると智恵子
尺八の音に誘はれし園小春やよい
小春日や上がり框に犬の顎さつき
堂縁の人身じろがぬ紅葉寺さつき
残照の空の高みに匕首の月せいじ
七五三お供が多きカメラマン宏虎
尺八の童謡メドレー秋澄めりやよい
時雨くる裾野の空の迷い雲愛正
ティンパニー低音冬を誘ひけりたか子
懸崖の菊は散華の形してなつき
折紙めく肩衣展示や秋惜しむこすもす
駅前のミニコンサート冬うらら満天
今年また冬さうび咲く墓前かな更紗
四阿の樋にびっしり落葉かなぽんこ
雨音と聞きまごう如木の実落つこすもす
岩床に人目惹くごと菊の鉢ぽんこ
おすそ分けできる程なる冬野菜明日香
七五三ネクタイ締めて小紳士宏虎
梅ケ枝餅頬張る七五三詣なつき
時を待つなぜか寂しい冬田かなたかを
コンサート果つや生駒嶺冬落暉たか子
白菊を添へる柩の小窓から更紗
冬ぬくし女形の衿にご祝儀が明日香
ハイビーム仁王立ちする鹿勇姿智恵子
冬夕陽幼児の握る小石かなたかを
紅葉谷上り下りも人の列三刀
小春日や豊かな胸の女歩行治男
街路樹の早き電飾冬来たる満天
2018年11月10日
不順なる気候にもみじ色為さずたか子
歳時記をめくるベンチへ銀杏散る更紗
但馬にも天平文化や秋うららこすもす
破れ蓮水面に己が影映す三刀
落葉掃く若き修行僧髭濃ゆし宏虎
秋雲のうたかたのごと消えにけりせいじ
小六月四囲の山々襞を濃く菜々
小春日の地域ふれあひコンサート満天
公園の猫を集めるちゃんちゃんこ治男
池の中苔むす岩に蔦紅葉ぽんこ
冬うらら腰しなやかにフラダンス満天
むかご飯にぎり売られし民家カフェ智恵子
街路樹の紅葉の光り日の出かなたかを
降りつのる雨に尽きしか冬の薔薇愛正
天の鷹獲物狙ひて眼鋭し宏虎
身に入むと眺がむ掛け軸お題目愛正
一族の墓守る本家柿すだれなつき
ビルがビル映し映され街小春せいじ
北風に高舞う鳥の羽音かなたかを
松手入れすまし美し木みあげともえ
前垂れも冬仕度せり地蔵さまもとこ
小春日の仔犬の鼻の艶やかに更紗
新任時の小一に会う木の葉髪治男
残存の歌舞伎衣装に秋惜しむこすもす
一輪の山茶花辺り明るくすぽんこ
球児どっと小春日和の河川敷菜々
咲き初むる畝色分けて菊出荷智恵子
寺町の茶会案内菊日和なつき
2018年11月09日
冬草の根の強きなり妻の意地治男
不揃ひに傾ぐ電柱冬田道せいじ
冬ざるる猫もションボリ戻り来るたかを
九十過ぎ円盤投げする小春人治男
電線にかかる夜月の符頭かな愛正
畝成りし庭の畑へ初時雨菜々
黄落や試し石置く力石なつき
南天の実にひとつづつ雨の玉せいじ
黄葉散る名残り尽きない粗大ごみたかを
夕空に一羽はづれて渡り鳥更紗
山雀の瀬に美声なす散歩道智恵子
初しぐれすぐ青空の覗きけりはく子
色付きてこんなところに蜜柑の木明日香
煎餅を貰う鹿みなお辞儀してこすもす
行く雲に明暗のあり石蕗日和三刀
名月や庭の隅まで月明かりともえ
茶の花や雨の街道道標ぽんこ
冬の苑女性庭師のきびきびとたか子
遊び田に四角咲き揺れ秋桜もとこ
尺程の辻地蔵埋む小菊かな智恵子
石蕗の黄や遺影の母の笑みこぼるやよい
懐メロのカラオケ三昧冬ぬくしやよい
城跡の山こんもりと装いぬこすもす
色付く葉散る葉里山冬初めたか子
公園に人引き寄せる冬薔薇満天
苦労して耐えて来し身や木の葉髪宏虎
木の葉雨色つく窓のサンルーム愛正
欠礼の葉書次つぎ身にぞしむ満天
照紅葉景色がらりと変りけり宏虎
毛糸編むふるさとの事たぐりつつ菜々
七五三三歳にして雨男なつき
刈り終えた田んぼ一面平らなり明日香
自転車のサドルの錆や冬に入る更紗
2018年11月08日
湯上りのクリーム手足に冬に入る満天
看護婦の背に冬茜夜勤明け治男
ひとり婆元気ですよと吊るし柿たかを
海沿いの市松模様やコスモス田こすもす
赤き実の今年はどこへななかまどぽんこ
冬立つや光まぶしき目の検査なつき
落ち柿にぐるぐる回る団子虫智恵子
ステンドのデスクランプに秋惜しむせいじ
電柱の左右に傾く冬田道せいじ
町小春媼らウインドーショッピング菜々
お揃ひのセーターが行くウオーキング満天
窓ガラス拭けば小春の空ま菜々
凍み豆腐カラカラ揺らす山颪智恵子
豪邸の門扉を閉ざし柿たわわ三刀
警察で交通ル−ル冬の会治男
貝と実で飾る西郷どん里祭なつき
しぐるるや荷物の重き帰り道更紗
剪定され狭庭はあかし月上る愛正
冬風呂場摑まる手摺に亡父想うたかを
フリーマーケット大盛況や紅葉晴れこすもす
石蕗の花長屋門守る衛兵か宏虎
黄の目立つ古刹参道石蕗の花宏虎
訪ぬれば里山すでに冬模様たか子
水涸れの池の八つ橋冬初めたか子
鏡台に真珠をはづし秋行けり更紗
回廊に薄茶のみたり律の風愛正
セーターを編みなほしては母は子にはく子
2018年11月07日
暮れの秋鳥うえしたへ大騒ぎもとこ
街騒の中低く咲く石蕗の花たか子
百度石桜紅葉の吹き溜まるなつき
半袖で走る人たち冬立ちぬ治男
あまた届く友丹精の冬野菜やよい
渓谷の紅葉場を埋むテラス席智恵子
生垣にほつほつ点る姫椿せいじ
故障して便座冷ややか冬に入るやよい
色変えぬ松に住み古り半世紀菜々
3畳間は姉妹のサロン毛糸編む菜々
桜紅葉透かして空の青さかな明日香
立冬の街電飾の試運転たか子
大カラス地面啄ばむ冬の畑たかを
背を押せば一歩あゆみし冬の虫たかを
外国人にカメラ向けらる七五三こすもす
勅使門右近の桜うす紅葉よう子
紅葉して一直線の並木道せいじ
祈祷所の若きパパママ七五三こすもす
犬散歩グランド囲み紅葉す治男
山茶花の散るは本性日暮径宏虎
高層ビル柔い日差しに花八手ぽんこ
目に見えて赤城晴れけり朝の霧愛正
いつからの供えし柿ぞ地蔵前愛正
立冬の空へ突きあぐマンション群満天
朝もやに町包まれて冬の立つはく子
立冬や小型で軽き鍋を買う三刀
朝焼けに潤む紅葉や小京都智恵子
風もなく晴れ渡りたる今朝の冬満天
無人寺石蕗の花咲き草ぼうぼう宏虎
道祖神寄り添ふごとく石蕗の花ぽんこ
湯豆腐や夫婦が似しはほめ言葉なつき
2018年11月06日
旅かばん薄手のウールしのばせて明日香
浅漬のお茶漬け嬉し朝餉かな宏虎
天を指すこの指とまれ赤とんぼやよい
白き肩出して大根日々太る菜々
川下り紅葉に見とれ飛沫浴び智恵子
山登り谷音さやか秋薊治男
なめくじの留まる如雨露冬の雨たかを
深々と落葉に埋もる力石そうけい
ベランダに育てし小菊今日の供花はく子
秋深し道の上にも織る錦せいじ
遊船の手を振る客にゆりかもめそうけい
庭畑にいそしむ夫や冬ぬくし菜々
剥落の土塀彩る照り紅葉三刀
石蕗の花仁王の憤怒を和ませるぽんこ
木枯らしや片脚の鳩なほ生きるたか子
門構粋な黒塀花八つ手宏虎
正倉院展七十回目に秋惜しむこすもす
ブラウスをウールに変へて秋惜しむ智恵子
冬近しスカーフ一枚バックに入れ満天
秋うららスタンプラリーの子ら駆けるなつき
老木は紅纏ひけり蔦紅葉もとこ
だが墓碑ぞ折り重なりき草紅葉愛正
落暉いま銀杏黄葉を荘厳すせいじ
白菊の裳裾際やか藤娘なつき
赤い実を沢に描きてや秋深し満天
列なして知恵の輪くぐり秋惜しむこすもす
琴坂の緋のトンネルにもみずれるぽんこ
寺の門桜黄葉散る絵のごとし治男
茸狩の心細くも声遠し愛正
2018年11月05日
冬の蝶低く飛び舞う良き日かなたかを
放置車をがんじがらめに蔦紅葉やよい
校名をみつけてうれし菊花展せいじ
秋たかし術後検診結果良しはく子
改札を出れば西郷どん菊薫るせいじ
訪へば門扉の錆や石蕗の花よう子
冬めくや急ぎ足なる下校の子満天
神庭に鳥も遊ばぬ神の留守ぽんこ
瀬戸の海眼下の丘や鵙猛る三刀
紅葉茶屋のお福人形両ゑくぼなつき
老人会揃ひも揃ひ木の葉髪宏虎
色変えぬ松の分院千木光るぽんこ
黄落や去り行く彼の振り向かず智恵子
奈良公園鹿もいろいろおどけ貌宏虎
枯葉道ポスト朽ちたる別荘地愛正
砂湯来てテトラポットの湾小春明日香
冬めくや早早雨戸しめる音満天
二人居に十個ばかりの吊るし柿うつぎ
吾が庭に尾花揺れたり子猫の目治男
船虫の近づく足湯秋うらら明日香
ネクタイを外しランチや街小春たか子
野鳥来るかくれおおせぬ柿紅葉愛正
彫刻展各美点見る秋の園治男
そと厠(かわや)薄暗がりの花八手たか子
時雨るるや高御座無き御所の庭もとこ
くちゅくちゅとふくら雀の庭談議智恵子
菊の香や免許更新高齢者たかを
老菊師手ずから育す小菊かななつき
舟屋見学に押し寄せる波秋の海こすもす
秋天へクレーンアーム伸ばしきりやよい
峡の日に片頬染めてむべ熟るる菜々
文殊堂の秋に一役力石こすもす
2018年11月04日
地下鉄に川底走る文化の日菜々
聖顔に釘付けとなる美術展せいじ
秋一日歩きつづけし陶器市たかを
地獄蒸し豊かな煙秋うらら明日香
渋皮の色移りたる栗ごはんたか子
身にぞ入む若き夢消ゆ知覧かな宏虎
雨上がり幹黒々と水木の実智恵子
ピンセット使ひて菊師もどきかななつき
朝寒の心もとなきハイヒールうつぎ
ラーメン店の行列につく鰯雲やよい
休耕地畑の真中の秋桜ぽんこ
摩崖仏膝の辺りに秋の草明日香
外灯のLEDの色冬近し満天
残念な方見送りぬ神の留守宏虎
秋天や袂みやびに蹴鞠びともとこ
秋深し終活断捨離進まざるはく子
土石流残る山路に濃紅葉さつき
冬めきてすれ違ふ人小走りに満天
荒山の土覆ふかに落葉す小袖
打上げにどつと繰り出す菊月夜せいじ
山頂より市街拡がる秋灯治男
柿たわわ昔のままのまがり道たかを
田仕舞の煙二筋藁ぼこりぽんこ
色変えぬ松見上ぐかに力石こすもす
惜しげもなく蕾摘みたる菊師かなさつき
間引き菜の胡麻和え香る一握りよう子
菊レンジャー子らデザインの菊人形なつき
扇風機眠り目覚める暖房具三刀
行厨を分かち華やぐ紅葉狩り智恵子
見下ろせば汽車見ゆるなり冬木立愛正
遠出して子等と会食秋鰻治男
力石の柵に舞い来る紅葉かなこすもす
名のサーカスなにわに見物文化の日菜々
子ら帰るあと静かなり黄落期愛正
情報を集め入念紅葉狩りたか子
盆栽展合間に手入れ文化の日やよい
2018年11月03日
秋寂ぶや固く閉じたるシヤッター店ぽんこ
冬耕す道に上がりて加速するたかを
和服姿多き車輌や文化の日やよい
菊人形濃き香に子らの鼻つまみなつき
押せば灯の点るチャイムや日短うつぎ
文化の日古代米もて炊くおこわ菜々
冬の畑字は石原石拾うたかを
踊り手のミスも余興や文化祭たか子
本殿へ箒跡踏み落葉踏む宏虎
久々に習ふおりがみ文化の日はく子
水澄みて橋桁寂し残る虫智恵子
女子高生どっと乗り来る駅小春こすもす
ブルゾンを脱がば裏地も紅葉かな愛正
身に入むや江戸の山伏墓どころさつき
鷹渡るロマンの似合ふ伊良湖岬宏虎
うろこ雲焼けてひんがし明け初めしせいじ
墨絵めく八重の山なみ夕時雨智恵子
震度7を体験もする文化の日満天
菊愛づるときは渋面な作りそせいじ
歳時記の冬を見つける文化の日もとこ
庭手入れなかなかすすまず秋のゆく菜々
久々に日の出を拝む文化の日三刀
臼杵市の摩崖仏群秋日差し明日香
満開の十月桜盆栽展やよい
目が合ひて回り舞台の菊人形なつき
国旗揚ぐ旧家一軒文化の日たか子
神苑の老松枯れたり冬の空愛正
青空にちらほら国旗文化の日満天
ミニ展覧会めく門前の鉢の菊こすもす
百余人友来て葬儀文化の日治男
マリア像小高き丘に小鳥来るぽんこ
冴え冴えに読経に太鼓夫涙治男
菊花展開花揃へし苦心かなさつき
姫路城ビルに紛れて秋寂し明日香
ソリストの弓小刻みや文化の日よう子
2018年11月02日
月光に白つぽくなる黄菊かなせいじ
山茶花の垣根色付く夕まぐれ明日香
余白なき広報版や文化の日うつぎ
天高し馬の嘶き牧親子宏虎
若狭湾まで見通せる浜小春こすもす
秋冷や葉もの野菜のぐんと伸び明日香
鯉痩せぬ淀みに陽差す秋の川愛正
菊褒めて苗を貰ひて帰りけりさつき
老夫婦主の茶屋に小鳥来るさつき
秋天の半月纏う絹の雲三刀
秋日濃し昔ながらの鮮魚店菜々
我が町のええとこ写す文化の日満天
燈籠や通夜の写真の美(は)しき顔治男
秋うらら青春切符乗り継ぎす宏虎
園児どち落葉けりけり列乱すよう子
月替わり花屋のカボチャ姿消すたかを
寺門出に後ろや寂し秋の風愛正
秋桜動かないでと言うは無理たか子
秋高しどこまで伸びる高層ビル菜々
秋の通夜供花生き生き十七鉢治男
夜気に香の強くなりたる菊人形せいじ
スマホ手に車内沈黙文化の日満天
そろそろ出番電機ひざ掛け毛布かなはく子
一輪の石蕗に明るき書院床小袖
光る靴履く子が鬼よ秋桜なつき
ぼんぼりに桜もみぢの夜化粧智恵子
鼻寄せて冬菜検分部屋の猫たかを
走り蕎麦ホームですする旅の締め智恵子
秋時雨バスはもうすぐ目的地こすもす
落ち葉掃く風の我がままいなしつつたか子
2018年11月01日
水上バス夫を染めゐる秋夕焼やよい
さきがけの一枚真紅(しんく)はぜ紅葉たか子
赤熟になるも老いけり梅もどき愛正
繰り返すワイパーオンオフ秋時雨こすもす
秋空に教会の鐘青畝句碑ぽんこ
川の面に銀杏黄葉の眩しけり満天
木枯らしやスケボの児はや遠くへとたかを
鰯雲グランド走る老人達治男
返り咲く紫陽花一輪うす紫満天
小春日や亀甲羅干す古刹池宏虎
青天にとろけそうなる昼の月明日香
したたかに竿を占めたり吊るし柿愛正
門口に誰が置きしかこの木の実せいじ
目印は蔵の煙突秋うららさつき
谷あひの闇の深さや銀河濃し隆松
拝殿の座に錦秋の夕日影そうけい
低く飛ぶ秋蝶枯葉色をしてなつき
絶景や富士借景に紅葉燃ゆ智恵子
青天や歌碑説明の声さやか明日香
レインボーブリッジの間にすとんと秋入日やよい
投げ銭に謝々と笑ふ秋日和なつき
コンクリに猫ゴロゴロと秋日かなたかを
ひよどりの渡り見送る二人かな三刀
谷川に沿いて登るや紅葉山治男
炬燵出す平成最後の感深くたか子
流れ星長き尾を引き山越ゆる智恵子
結界のごとく置かれし木の実かなせいじ
手の届くとこまで柿を収穫すこすもす
菊薫る志士らゆかりの宿坊にさつき
灯の親し吉本ばななを一気読みはく子
参詣の足許照らす秋明菊ぽんこ
山茶花や落ちし花弁色を敷く宏虎
薄煙たなびく里輪冬近し菜々
2018年10月31日
角隠し玉砂利踏みて菊日和智恵子
秋闌けて敷く栗色のカーペットせいじ
外出に決まらぬ服やそぞろ寒たか子
秋の声剥がれる樹皮の岳樺愛正
大根葉つくだ煮にする季節来た明日香
老菊師賞はいらぬと奉納すさつき
久に訪う市立図書館秋仕様こすもす
紅さすや城壁攻める蔦紅葉もとこ
出来映えを揉みて確かむ吊し柿やよい
大師像三方に積む花梨の実ぽんこ
爽やかや喜寿の指揮者のしなやかさ満天
帰り支度急がれ居るや旅の神菜々
残る虫奏ず六六七拍子やよい
平凡な暮らし最高文化の日宏虎
大鷹は舞いて冬田の上空へたかを
百歳も子らも卓球爽やかにはく子
園児らの宝どんぐり宮の杜よう子
ふる里の川音にさへ秋思ふと菜々
ハロウィンのケーキで祝ふ誕生日なつき
夕陽や老農独り稲架を解く三刀
句集より佳句選定秋惜しむ治男
山頂で句会せし日や秋の雲治男
設えは秋色満載図書館こすもす
紅葉見にウエストポーチに朱印帳なつき
枯葎に野鳥撮る人隠れけり愛正
コスモスや廃業ちかし畳店たかを
柔らかな菩薩の視線秋海棠ぽんこ
屋形船隅田を下る紅葉狩り智恵子
コンサート終へ街路樹夕日に薄紅葉満天
今朝もまた味噌汁の具はきのこ類明日香
高僧の法話おかしく石蕗の花宏虎
柿色のケーキ並んでハロウィンたか子
露しとど官幣社てふ刻印にせいじ
柿落葉拾へば朝の湿りかなさつき
2018年10月30日
街路樹のりんご色づき林檎村菜々
忘れらるボールに長き秋入り日たか子
今年から子の名に継がす菊花展さつき
デイサ−ビスみな運動す十月尽治男
紅葉場へちょっと高見の人力車智恵子
会場はひとつに秋のコンサート満天
抜き書きしじっくり選ぶ句秋灯下こすもす
着膨れてベンチの刺のちくちくとなつき
孫の手に見ゆる宝物正倉院展明日香
トンネルの忙しなく舞ふ蔦紅葉よう子
林檎ジャム嵩の低さよ瓶ひとつぽんこ
此処もまた彼の台風禍秋思憑くせいじ
見上げれば葉脈までも照紅葉たか子
冬の蠅持て遊ばるる猫の掌にたかを
黒雲を押し上げ秋日昇りけりはく子
身に入むやブルーシートの未だ取れずせいじ
手水鉢ダリアの花を浮かす寺ぽんこ
残存し賞罰なくて文化の日宏虎
葬祭場めぐる終活暮の秋やよい
秋霞遠くに見ゆる伊島の影治男
秋祭りピアノと琴のコラボレーション満天
秋思ふと川面に流る雲にさへ菜々
幼らは男女対抗宮相撲さつき
錦秋の茶事にくつろぐ古都の庭智恵子
赤べこの首で秋知る時つ風愛正
秋の天秀吉の城つきぬけりもとこ
まほろばの里に先発鶴来る三刀
コンバイン跡形もなき稲田かなたかを
田仕舞の田畑に見ゆる寂寥感明日香
母に似る義妹の背中大豆打ちこすもす
夕日浴ぶ俯瞰す稲架の金屏風愛正
媼らは笑ひ上戸や冬桜なつき
残る月入港合図汽笛鳴る宏虎
2018年10月29日
推敲す無花果のジャム煮詰めつつやよい
久々の友の心痛秋深したか子
高松塚静かに眠る晩秋にぽんこ
秋惜しむ魚の跳ぬる谷の川愛正
実南天朝日に紅の深まりぬ満天
けがれなき空の朝や小鳥来るせいじ
花梨ひとつ車に乗せていたりけりこすもす
認知症チェックシートや雪催いたかを
知らぬ人より句集贈られ秋の夜治男
秋の空窓いっぱいにひろごりぬはく子
密に疎に樹々さまざまに秋仕度たか子
身に沁むや読経の声の節回し治男
南天の一粒づつに輝きを満天
リゾートの人なきビルや白い月愛正
一望の史跡公園草紅葉せいじ
草原のやはらかき陽や馬肥ゆる智恵子
千羽鶴掛場のベンチ秋寂びぬなつき
黄昏や残菊ありぬ野辺の里宏虎
拝殿に向かって大泣き七五三三刀
茜空鉤状なりて雁渡る智恵子
提灯の火入れ当番秋祭明日香
松葉落すこうもり傘や松手入れやよい
空家にも枝しなるほど実る柿こすもす
米五キロ当たる抽選豊の秋ぽんこ
渡船待つ列先頭に紅葉狩りなつき
照紅葉五重塔の火焔かなよう子
山茶花の次々零れ色敷きぬ宏虎
2018年10月28日
再検の結果オーライ天高しせいじ
到来のカステラも添へ月の膳菜々
秋落暉死なねば生きぬとぞ文にせいじ
山峡を埋め尽せり谷紅葉宏虎
一人居に秋冷ひそと偲び来るはく子
すみませんおでん売り切れ秋バザーたかを
渋滞の街路樹つつく小啄木鳥かな智恵子
雨戸せずしばし入るるや月明かり満天
預かりし犬との別離冬の夕たかを
カラオケ大会めく進行や敬老会こすもす
家中のカーテン洗はん鵙日和菜々
人あふれ木陰で休む鹿多し明日香
焼き藷や妻の友人手に提げて治男
公園の木々こんもりと薄紅葉満天
分校の通い路狭し花薄愛正
道の駅腰をのばふる紅葉狩り愛正
苔生した石垣積める秋の野路ぽんこ
秋天やテニスボールの弾む音三刀
補陀洛へ渡海絵図褪す秋灯下なつき
青空や露のはなびら秋桜やよい
世話係も兼ねて参加や敬老会こすもす
丘陵にゆったり遊ぶ秋桜ぽんこ
新米を買ひに高野のかくれ里やよい
草原を気合いよく飛ぶ秋の蝶治男
黄柳となりて華やぐ酒の蔵智恵子
三猿の戒め説きぬ紅葉忌宏虎
風に舞ふ木の葉を見つめ秋惜しむ明日香
身に入むや離れて植える夫婦杉なつき
2018年10月27日
風戦ぐ枯原となり休耕田やよい
風に乗り大和三山霧がくれぽんこ
坐禅堂沈黙破りて鵙猛る智恵子
茜さす過ぎ行く米寿秋惜しむ宏虎
木枯らしに口笛愉快ひびきけりたかを
どんぐりのまろびい出たる鎌の先三刀
ヨガ3B秋の体操イベントに満天
各駅停車に気づかされをりやれ蓮田こすもす
水涸るる沼地ひび割れ世界地図治男
秋天へ修復成りし南座に満天
菊花展へと早変はり役所前せいじ
自転車はあれど声なし今朝の秋愛正
藁の山無造作につむ刈田かなやよい
懐に斧を仕舞いし枯蟷螂たかを
鵙ひびく木々の枝張る狼煙跡なつき
活き活きとデパートめぐり木の葉髪菜々
白き花として売り場に綿の実もこすもす
残る星点滅大小ありにけり宏虎
五箇山の谷戸を包みて照紅葉智恵子
錦繍の山をそびらに酒の宮菜々
毛嵐てふ霧の湖面を覆ひけりはく子
秋さやか医師の所見は異常無しせいじ
木に個性紅くなる葉もならぬ葉も明日香
渓谷に夕日の残す紅葉かな愛正
山間の小さき田しまふ薄けむりなつき
藁塚はチェスの如く据えらるるぽんこ
秋冷や黒牛の呑む生卵治男
2018年10月26日
摩天楼秋の空切る観覧車もとこ
コスモスと背比べなす園児たち智恵子
月へ首伸ばす竜おり福井駅隆松
風呂上り着る物探す夜寒かな満天
きぼう見ゆ満月のこる夜明けかななつき
ふる里の栗も供えて十三夜菜々
焼き藷がご褒美となる庭仕事三刀
掛矢の音在来工法秋陰りたかを
小春日や散歩の犬の目細し愛正
鬼ごっこ稲架を囲みて子ら駆ける智恵子
店先の輸入松茸売れ残る宏虎
御捻り飛ぶ子供獅子舞あきまつりやよい
コスモスの揺れる向こうに子等の声満天
傘寿過ぎなにやら悲し秋のくれ愛正
舷のしぶきの先に山紅葉せいじ
蒲の穂の池を占めたる小さき森ぽんこ
落柿舎へ畦道遠し草もみぢ菜々
やはらかな色一面に刈り田かな明日香
返り花波穏やかな狼煙跡なつき
葉は朽ちて実は鈴なりの車窓の柿宏虎
ゾロゾロと鉄塔降りて稲雀たかを
刈り終えて穏やかな田になりにけり明日香
家工事秋夕焼けの鬼瓦治男
山容を時に見せては霧走るはく子
明けの月丸く輝き良き日とぞ治男
きらきらと朝露けふの始まりぬやよい
同級会欠席と記す十三夜うつぎ
山陰路に入った途端の秋しぐれこすもす
ベランダの手摺に凭れ月仰ぐせいじ
2018年10月25日
渓谷の流れは白しもみづれるぽんこ
寒暖の気候にもはや風邪引きしたか子
みのる選あればうれしや後の月せいじ
枝豆をつまんで今日の陽が落ちる智恵子
紀州路の秋日に燃ゆる杉林なつき
全員の誕生日済み秋暮るるこすもす
冬の野に猫呼ぶ声や手に食器たかを
朝練の声ソプラノや秋の空もとこ
光背のやうな秋日の高野山なつき
絵筆とめ昔話や秋惜しむ満天
朝寒や大きく腕振りウオーキング満天
延命の神に手合はす秋うららやよい
帽子着けどんぐり池に落ちる音よし女
行く秋や朽木に日差す茸群愛正
野仏の顔なき顔へ秋日影隆松
女性等に男一人や歌唱の秋治男
園児らのお散歩時間天高し菜々
秋晴やビルの間に間に天守閣菜々
栗飯の栗立ちており弁当箱治男
通り風掛け軸揺らす秋の声愛正
秋惜しむ野仏の肩散る葉触る隆松
生えかけの乳歯の伸びや秋うららこすもす
雨上がり稲架芳しき夕の里智恵子
後の月仰ぐ起毛のパジャマ着てせいじ
落ち葉焚く煙一筋立ち上る三刀
門ごとの名入り提灯秋祭りやよい
さりげなく喧嘩仲裁暮の秋たかを
2018年10月24日
俯瞰する鷺の一声蒲の池ぽんこ
そぞろ行く路地のお堂の杜鵑草こすもす
焼き立ての秋刀魚買うや食卓に満天
路地裏の懐メロ歌碑に秋惜しむこすもす
秋祭り市見て回る老婆かな治男
スーパーの前に賑はふ焼秋刀魚満天
夕陽射す柿それぞれに光りおり治男
見晴らしの辻に佇み良夜かなたか子
大蟻に混ざりて小蟻冬日受けたかを
大稲田小さき川の県境なつき
音高く華厳の滝は霧の中なつき
秋夕焼ジャングルジムの児ら包むたか子
小望月東の空にはやばやと明日香
一水が這ふ錦繍の嵐山せいじ
稚児行列果てて京洛秋深む菜々
どんぐりに顔描き並ぶ無人駅智恵子
朝霧の湖面を覆う山の宿はく子
川底の魚影透かして水澄むや智恵子
秋天の北山杉の真っ直ぐやもとこ
夕暮れの日射し染まる稲架襖三刀
月さやか恐竜吠ゆる福井駅隆松
分け進む手に気遣わし薄原愛正
豊年や奉納獅子舞ふ高梯子やよい
左見右見紅葉明りの川下るせいじ
廃線のトンネル出でて照紅葉宏虎
十五菩薩のお練りにぎやか秋高し菜々
借景は竹生島なれ紅葉濃し宏虎
吊橋のゆれて危なし紅葉狩り愛正
回収日冬物捨てて冬備えたかを
檄飛び交ふ子供獅子舞秋高しやよい
朝ぼらけ山柔らかく霧ふはり明日香
2018年10月23日
小鳥鳴く日々の買い物連れだってたかを
秋一番冷え込む朝のくもり窓智恵子
勝運の神社参れば鵙高音さつき
河川敷百合供えたる無縁塚ぽんこ
羅漢さま頬に紅さす照紅葉智恵子
張替えし障子に寒さ身構えてもとこ
剪定の終わりし狭庭小鳥来る三刀
秋祭舞ふ獅子の咬む禿げ頭やよい
磊磊のせせらぎ覆ふ薄紅葉宏虎
水掛不動の列に並びて秋惜しむこすもす
お歳暮の会場準備忙しなく満天
遠目にはぶたくさの海稲穂ごと明日香
秋うらら老母もリング新調すせいじ
溜池の岸に竜胆見つけし声治男
黄金の稲田一画売地札たかを
秋思ふと観音像に薄ぼこり菜々
佐渡見つむ良寛像や残る海猫なつき
介護士や施設に咲きし杜鵑草治男
待合の知り合ひ多し身にぞしむ満天
秋祭獅子舞ふ筵浄めたりやよい
仙石原居場所わからず花すゝき愛正
太る鯉鴨と仲良く葦の池ぽんこ
秋晴れや稚児も参列練供養はく子
名にし負ふ銀水橋や水の秋うつぎ
暮るるほど金波耀く稲田かな明日香
余生いま自由に生きて紅葉愛ず宏虎
松葉蟹子も役担ひオークションせいじ
行く秋や里に響めく爆竹音愛正
異国人とすれ違う露地秋の暮こすもす
野仏に逢えば秋思の膝を折る菜々
街なかの大観覧車鳥渡るたか子
街灯のやけに白々雨月かなたか子
2018年10月22日
グランドをトラック行くや工事の秋治男
ぶら下がり見事に弾くじゃくろの実あさこ
日の短か心の箍を締め直すす宏虎
庭隅に古き椅子ひとつ冬日かなたかを
逆光の観覧席や運動会こすもす
残り香のエレベーターや秋惜しむ宏虎
帆をたたむマスト林立暮の秋さつき
黄金に越路の稲田暮れのこるなつき
紅葉する前に枯葉の目立つ山明日香
離れ住む家族に乾杯して夜長菜々
万国旗はためく園庭運動会こすもす
五百羅漢色なき風の中にあり愛正
秋惜しむ丈六如来の御前にはく子
渋滞に眠る母と子遠紅葉智恵子
澄む秋や投げ銭箱に鳴る小銭なつき
飛行機雲園の上切れ秋の風治男
遠ざかるバイクの音や冬隣たかを
亡き妹の声を聞きたき夜寒かなあさこ
本の山崩れ散らばる良夜かなもとこ
穏やかに潮差す渚十三夜三刀
空撮にポッンと白き雪の富士智恵子
ベランダの三階吊るす柿数多満天
菊日和神事の祝詞粛々とやよい
松葉蟹どんぶり鉢に収まらずせいじ
柏手のひびく境内秋高しやよい
籾殻のくすぶる煙ゆらゆらと明日香
石畳風の意のまま石蕗の花ぽんこ
秋灯下同窓会の返事書く満天
アルバムに子との日を繰る秋灯下菜々
行く秋をたぐり寄せたる烏瓜愛正
喚鐘に始まる法会紅葉寺はく子
揚げて即茹で上げられし松葉蟹せいじ
2018年10月21日
秋惜しむ寺に倉あり灯り点く治男
昼間から赤くなりたる酔芙蓉せいじ
秋高し願い受けとる巨石ありもとこ
秋うらら京の町家も民宿に菜々
霧込めの中い行くバス峠道はく子
陽は西に白き一湾後の月三刀
角切られ狼狽鹿の眼に涙宏虎
神庭の倒木哀れ台風禍ぽんこ
時雨雲空と物干し交互に見明日香
鳥渡る地球の丸味なぞりつつたか子
雲無くて兎が見える今日の月明日香
後の月孤高を持して皓々とはく子
堂さやか丈六仏に首反らせ菜々
色鳥や樹木の葉擦れの音ならむ宏虎
三日こもるできたる栗の渋皮煮なつき
青空と親子の笑顔運動会こすもす
白銀の海翻る群れ千鳥三刀
空っ風の育てし顔さ顎さするたかを
山中の流水の音秋あざみ治男
柔らかに生きるが楽か新松子たか子
ブタ草のダンスしている秋の風ぽんこ
朝露の光るグランド運動会こすもす
重ね着をそれぞれ出すやそぞろ寒満天
渡り鳥光る稜線茜空智恵子
スーパーの開店祝ふ十月桜満天
法被姿も玉串捧ぐ秋祭やよい
爽籟に歩み止めけり桂垣愛正
身に入むや読経の漏るる持仏堂愛正
澄む水に御手洗の砂利あらはなるやよい
段雷に出番待つ子の荒き息智恵子
天辺のクルスにかかる昼の月せいじ
2018年10月20日
剪定の脚立の傍に石蕗の花三刀
大川原菊焚く煙子等かくれ治男
相聞歌碑ならぶ草庵小鳥来るなつき
女子高生カメラ部集ふ秋桜さつき
朝霧や佐渡へと向かふ船白しなつき
冬支度もうそろそろと気にしつつ満天
滑車付き井戸の名残や落葉雨ぽんこ
力石めく岩あまた秋出水せいじ
木枯らしやチンドン太鼓チンドンドたかを
北風や歩幅の揃うチンドン屋たかを
屋敷の柿眺め家並み急ぎ行く治男
コスモスの丘はインスタ映えの丘はく子
園丁は姉さん被り菊日和せいじ
農道の水路豊かや稲雀智恵子
謂れある鎮守の杜や鳥渡るたか子
とろろ汁啜るしあはせの音立てて菜々
いとおしのクラウン廃車そぞろ寒宏虎
秋桜シャッターチャンス定まらずさつき
竿竹売りのくぐもりし声天高しこすもす
今朝の便り金木犀の香と共に満天
昼間でも木の間の灯り秋の雨愛正
古都の空木洩れ日受けて憩ふ鹿宏虎
島村忌一望千里千曲川智恵子
昼酒の今がシアワセ走り蕎麦もとこ
枯蓮の折れて水面に水輪たつやよい
鳥渡る線引きの無き空渡るたか子
登山道倒木今も台風禍ぽんこ
急変の天気に延期や運動会こすもす
秋の雨消えぬ納戸の窓明かり愛正
皆笑顔百万本の秋桜にはく子
すり鉢は夫が押さえてとろろ汁菜々
秋バラのアーチ潜りて植物園やよい
2018年10月19日
ゆで栗のぱかつと割れば旬の味ぽんこ
素焼皿被る地蔵や赤とんぼなつき
秋声は裏参道の小流れに満天
ピラミッドの組体操や天高しこすもす
秋日燦天使の階段いく筋もたか子
寒暖の差も楽しむや秋日和明日香
秋の園手入れのカート往き来してやよい
秋日燦校舎輝き歌響く治男
フェルメール上野の森に並ぶ秋智恵子
一水に沿ふて藩邸新松子菜々
月上る松の垣間の渡し舟愛正
秋の蝶狭庭を低くゆつくりと満天
長屋門いま校門に新松子菜々
刻の鐘釣瓶落としや夕の暮れ智恵子
春待つや終の入れ歯で駄菓子噛むたかを
鳥渡る彼は知らずや国境たかを
秋天に尖りに尖る由布二峰さつき
刺すこともできぬ哀れ蚊つかみけりもとこ
いが栗をリュックから見せ電車待つ明日香
秋深し漱石きしと言ふ議事堂やよい
渡月橋渡りロマンや十三夜宏虎
泡立草気力もらいし老体操治男
湖に影落とし山粧ひぬせいじ
ふと洩らす身の上話秋深したか子
クレーン車吊るすが如き居待月愛正
稜線のくつきりとして天高しせいじ
給食を思い出すと娘零余子飯こすもす
いつになく夫は饒舌新酒酌むさつき
十三夜卓にワインの三十階宏虎
ひよどりの群れ渡りゆく晴天下三刀
もちの実や古民家カフェの古巣箱なつき
2018年10月18日
鍋物にきのこ二三種買い足しぬたか子
走り根の抱く石仏秋深むさつき
花園の池の飛び石石叩三刀
銀杏紅葉すっくと立てり我が身正す治男
今朝の秋ホットレモンに昔話満天
吾亦紅道にはみでて自己主張なおこ
どんぐり拾ふ園児泣く声笑ふ声やよい
秋祭いつもの屋台客まばら宏虎
走り根に木の実まろばせ神の杜はく子
冷ややかや残業嫌ふ就活生宏虎
四阿も紅葉も映す隠り沼明日香
竹の春枝垂れて墓を雨より守る治男
落椎の墳丘子らは銃持つてなつき
鵙の贄ちゃっかり猫は持ち去りぬ智恵子
月に出て振り向きもせず子は旅へ菜々
一つ家の路地をふさぐや栗のいが愛正
秋の波止「これ猫の餌」と釣果見すやよい
色なき風並ぶ埴輪を通り過ぐ愛正
甑岩謂れも古し羊歯浄土ぽんこ
茶室へと静かに誘ふ虫の声せいじ
山肌を縫って堰越ゆ水の秋ぽんこ
ハイカーの声よく通る秋山路せいじ
骨董市長寿甘酒振る舞へりなつき
一湖を跨ぎて秋の虹淡し隆松
爽やかや高校棋士の会見に満天
奉納者に酒店数多赤燈籠こすもす
草の実の黒真珠ごと揺れてをり明日香
観音様薄目開けたり菊供えたかを
独り居の窓に二更の月白し菜々
備前肥後と刻印石に秋惜しむはく子
本殿への磴に散らばるくぬぎの実こすもす
黒き布大樹覆うや鵙の群たかを
秋天のコキアの丘のピンク映ゆ智恵子
結界の縄に守られ小鳥来るもとこ
秋寂の樹林に隠れ残念石たか子
2018年10月17日
庭にとれし柿お裾分けランチ時こすもす
足組んで遠眼差しや秋の人菜々
月上げて浜辺のトリオコンサート三刀
山の上に三角屋根や天高し満天
天を突く霊岩巡り秋惜しむはく子
大き蟻そんなに急ぎ何処へ行くやよい
手折りきし花より居間に虫の声やよい
しめ縄の古りし参道木の実落つこすもす
車窓より雪富士見るとメール来るあさこ
山荘の門口に在り初紅葉せいじ
草の根を見る人もなし思ひ草智恵子
バケツ置く音に押し寄す湖の鴨なつき
そぞろ寒映画泣かされ残涙す宏虎
小鳥来る日曜画家のアトリエにさつき
霧雫集めて走る谷の川隆松
カントリーエレベーターへ月皓皓明日香
柿食えば祖父想い出す里の家治男
力石強者どもへ鵙猛るたか子
コスモスは揺れて合唱するごとしなおこ
白粉花ままごとせしと母の云ふせいじ
磐座の割れ目より出づうす紅葉はく子
朽ち果てて土に還えりし毒きのこ宏虎
地蔵様落ちし首にも赤トンボたかを
赤とんぼ廃煙突のレンガ色なつき
朽ち果てし茎の根元に小向日葵たかを
紙芝居歴史を語る紅葉寺智恵子
茜雲残して秋の入り日かな隆松
雲切れて歓声上がる紅葉山さつき
秋夕陽蜂須賀墓所へほの暗し治男
ビル街のルーフ庭園薄紅葉明日香
早朝の蒼空に浮く翠芙蓉あさこ
能舞台へ翳す大樹や秋の宮満天
こしき岩藩の刻印秋に冷ゆたか子
いち早く庭の水木のもみづれり菜々
無情の霧期待の富士を隠しけりぽんこ
古家や芥に埋もれし黄葉ありもとこ
声高し団栗数ふ園児室愛正
水鏡して蹲踞の澄めりけりなおこ
遠足子柏手を打つ幼なき手ぽんこ
2018年10月16日
自転車を漕ぐ筋力や老の秋治男
免許更新最後かもてふ秋の雨なつき
風邪の子の甘き薬に舌なめてなつき
小走りの児を追ふ父や秋の晴やよい
リンリンと夜空に響く虫の声なおこ
犬散歩の老婆駆け足秋の暮治男
顔面の泥洗ひたり運動会隆松
中仙道のぎくの道と変わりけり智恵子
秋晴や甑岩触れ参拝す満天
地に伏せてカメラの先のきのこかな智恵子
ハローウィン負けじと大きピーマンかなたかを
龍三体手水舎守り秋の水たか子
力石に触れて秋冷手のひらにはく子
本殿へ木の葉舞い散る渡り廊菜々
初紅葉神苑少し明るうすたか子
道二つ道標拭ふ秋の朝愛正
裏参道倒れし灯籠台風裡満天
ビルの壁覆ひ尽くして蔦紅葉菜々
家こぼつ重機の音やそぞろ寒せいじ
色変へぬ松夙川の土手統ぶるせいじ
肘膝の絆創膏や運動会隆松
身に入むや秋の残品叩き売り宏虎
火箸手に踏みつけ叩き栗拾う三刀
秋澄んで瀬戸大橋の輝けるなおこ
秋麗やわんぱく広場に声の湧くやよい
秋寂ぶや残菊ありし野辺の里宏虎
2018年10月15日
乾く音たてて触れあふ枯蓮やよい
芭蕉庵の黒い蛙や秋時雨明日香
爽やかに召命語る神学生せいじ
長い髪なびかせペダル踏むさやかぽんこ
落椎や木根に猫寝る古墳山なつき
路地草に水晶散らしたる朝の露そうけい
朝焼けや山里浮かぶ水墨画愛正
そぞろ寒ビル一面のコマーシャル明日香
竹鋏天に円描き柿狩りぬ智恵子
曇天へ紅まっ直ぐの秋薔薇満天
駅前に神輿繰り出し秋祭はく子
早朝のお百度石に花芙蓉ぽんこ
街路樹の塩害受けて枯紅葉あさこ
秋高し剪定済みの庭の木々三刀
豊の秋家庭菜園青々と菜々
力石もメートル法や豊の秋こすもす
紅の濃き紅葉は踏まず磴下るあさこ
椿の実爆ぜてブローチに変はりけり満天
いつまでも深く一礼稲穂風たかを
角突きて引かぬ赤牛同士なるなつき
金木犀花の名残の金の星宏虎
チェーンソー響く里山冬支度智恵子
秋の暮静かなれども社旗なびく治男
秋耕の夫婦の語る力石こすもす
墓石の秋の夕陽に光りおり治男
枯蓮の襤褸のごとく風に揺るやよい
長き夜を妻と語らふイエスのことせいじ
供華野菊残像のこる野辺仏宏虎
2018年10月14日
読み耽るちょっと嬉しい夜長かな智恵子
法被着て子もいつちよ前秋祭せいじ
葉の散りて針金ハンガー露見せりたかを
釣瓶落とし買い物忘れ帰りけり隆松
祭り前杜掃除する老人会治男
目薬を一滴二滴夜なべ措くうつぎ
四つ角の鉦太鼓打つ秋まつりぽんこ
肌で知る散歩も長き秋の朝愛正
白鳥来湖の真中を離れざるなつき
五合庵裏手にとどく落し文なつき
敗蓮の平身低頭無惨なり宏虎
秋晴や双手を天に少女像満天
そよ風に花びら震ふ返り花やよい
星月夜湯屋の煙突天昇る智恵子
秋灯下書展画展と見巡りぬはく子
球根を植える媼や秋の午後こすもす
つり橋や遥か遠嶺のさはやかにやよい
松茸の産地は遠きカナダ産三刀
秋時雨車窓の富士を消してをり明日香
秋深し隣町まで脚を向けたか子
山車に乗るまではパパ顔秋祭たか子
等間隔に球根植える秋の昼こすもす
町うねる子どもの声す秋祭せいじ
身にしむや月の無き夜はことさらに菜々
蒼天にただ一つあり昼の月隆松
蝶バッタ白菜広葉蜘蛛も来てたかを
秋祭りふとん太鼓も賑やかにはく子
藪蘭の咲きし邸宅秋日和ぽんこ
きのこめし湯気も良き香に炊き上がる菜々
落ち葉掃く腰曲がる老風のあり治男
落葉踏む音のみ響く無音界宏虎
秋日和親子総出のイベントに満天
2018年10月13日
紅葉映え矯正展に人の波たかを
商店主寄附を集めに秋祭たか子
ちんどん屋らつぱ子に向け秋祭なつき
名残のパン喰い競争運動会宏虎
風に背く芒の光る原野かなぽんこ
ゆりかもめ追ひ遡る京の川せいじ
流れ雲自転車追ひ抜く秋の朝愛正
美人の師の歌唱教室老いの秋治男
天井川塀に絵画の美術展ぽんこ
行くこともなき本籍地秋惜しむなぎさ
秋うらら話題はいつか孫自慢菜々
杣夫いて山肌灯す秋陽かな智恵子
晴天に満を持してる稲穂かな明日香
袖口を折りて湧き水秋の声智恵子
背後から水掛けらるる菊人形宏虎
長き尾を疲れを知らぬ石たたき満天
山車廻す裏方多き秋祭たか子
身に入みぬ納骨堂てふ棲家とやなつき
藤袴旅する蝶の五六頭三刀
朝寒や厨に野菜切る音すせいじ
川沿ひをてんてんと行く石たたき満天
コスモスの揺るる古民家カフェ開店こすもす
一枝に十余の蕾芙蓉咲く治男
抜きんでし一枝池畔の櫨紅葉やよい
秋の昼頬突きめくる旅の本愛正
文化祭枯山水に靴の跡たかを
月に一度のボランティアカフェ秋桜こすもす
天高し中金堂の晴れやかに明日香
曾の部下と話に花や灯の親し菜々
けふからは冬の布団と干しにけりやよい
秋の風畳屋湯屋も無くなりてはく子
2018年10月12日
戸を繰れば尾なき家守の逃げ惑ふせいじ
白壁の塀に影置く薄紅葉三刀
無人駅野菊愛しき一輪挿し宏虎
混み合うて箸急かさるる走りそばたか子
山深き水辺の手櫛秋の水愛正
髪切つてうなじへ風の爽やかに菜々
塾生の丸き背中や秋灯したか子
風強し稲穂の匂ひ渡り来る明日香
風呂屋跡更地になりて秋の風はく子
朝さむや一枚羽織りゴミ出しぬこすもす
氏神の庭の桜や返り花やよい
色変へぬ松は遠のく埋立地愛正
身に入むや俳誌終刊決まりてははく子
月光をまとひ近づく終電車智恵子
一つ灯に二つの余生栗を剥くうつぎ
身に入むや実り多くて垂れし枝たかを
こつじきの良ェ像に土蜂の巣なつき
秋灯の夫婦無言や旅に出てもとこ
三十センチの竹の物差し秋深しこすもす
枯れ草に白き羽毛の絡まりて明日香
水仙の球根を植う秋風裡せいじ
秋晴や弾む園児の声高し満天
子の墓へ参り犬像吾を見る治男
秋夕陽潮入川を流れゆく治男
猿の腰掛千や大木朽ち果つるやよい
いにしえの樹海の闇と秋の風智恵子
山越への恋路めぐるや風さやかなつき
スーパーの新米試食産地別満天
色変へぬ松は太幹要とすぽんこ
せせらぎに灯の光映りけりぽんこ
赤い羽根付けて一善したり顔宏虎
色変へぬ松に校門女学校菜々
2018年10月11日
地蔵尊の供華に一杯菊の花満天
秋高し修復つり橋渡り初めやよい
夕暮れの庭の散策反り花ぽんこ
乳歯二本抜けし笑顔の七五三こすもす
菊日和一期一会のツ゚アー果つ宏虎
老牛の角突き終へて動かざるなつき
雲海に尾灯が頼り霧しぐれぽんこ
手の平に乗せて至福や稲穂風智恵子
身にぞ入む風倒大樹根をあらははく子
山古志のなだれ咲きたる川芒なつき
器量よしやつと咲きたる秋の薔薇せいじ
大池に沿うては離れ秋野道菜々
いそいそと月夜に浮かれ夜鳴きそば智恵子
隠沼の面に蒼穹秋高し隆松
散り敷きる金木犀を掃かずして満天
色変へぬ松原続く九十九里愛正
家壊し跡の狭さよ秋の風治男
新米やいそいそ作る混ぜごはんうつぎ
喜寿卒寿集ふ兄妹菊日和はく子
我の口猫が舐めてる秋読書たかを
朝寒やスリッパ探す足の裏たか子
肩刺せと繕ひ急かす秋の虫たか子
吊り橋をわたる項に萩の風やよい
明日からの仕事予定や秋夕焼け三刀
ペーパークラフトのミニ籠編める夜長かなこすもす
勢子の追ふ鹿角切り後酌み合えり宏虎
アサギマダラ待つ藤袴咲きそろい治男
稲穂より雨粒の疾く湧き出づるせいじ
鳥慌て居場所探すや釣瓶落としもとこ
秋晴やラリーの音も軽やかに菜々
2018年10月10日
ひそひそとががぶたの花秋の風なぎさ
葉や花芽食べる飛蝗に情かけ明日香
今年また犬走り沢に彼岸花満天
野も山もひと雨ごとに秋深む三刀
赤まんま咲く山峡のB&Bせいじ
秋晴や鷺の滑空一直線菜々
唐風の邸を映して池涼し菜々
気乗りせぬ夜なべの針に刺されもすうつぎ
海風にほぐれ波打つ花すすきたか子
風禍あと曝す公園秋の風はく子
木の実落つ梢のリスと目の合いて智恵子
秋晴れやグランド走る内中外治男
猿の腰掛森のニンフの舞台かなやよい
体育の日マラソン人に激飛ばす智恵子
秋時雨祭礼の列乱れなしこすもす
学び舎のリコーダー聴こゆや小鳥来る満天
充血の眼見開く牛合せなつき
色変へぬ松原続く九十九里愛正
大皿に色とりどりの秋野菜せいじ
おらが古都態度のでかい鹿憩ふ宏虎
秋の声風禍に横たふ大樹よりはく子
読経ひびく子の七回忌菊の花治男
秋夕焼遮る御陵車窓より明日香
深秋や小さくなりし我が背丈やよい
数珠玉や休耕田の一隅にこすもす
落柿舎の柿たわわなり寂もあり宏虎
天守閣ぼんやり浮くや秋曇もとこ
牛合せ婆が手塩の牛撫づるなつき
2018年10月09日
秋晴れへ悠然と鷺飛び立ちぬはく子
紅葉はや災禍に迂回せし山路せいじ
はにかむ子屋台に踊る高山祭智恵子
猿茸の半月にある湿りかなやよい
秋夕日背に定植キャベツ苗三刀
秋夕焼鉄橋隙間流れゆくもとこ
天日干しされて割けゆく椿の実さつき
稲架掛けの匂ひ漂ふゆうまぐれ明日香
秋高しセコイア並木延延と菜々
な滑りそ磴を埋める銀杏の実こすもす
山裾の母校の裏道草紅葉こすもす
免許証ついに返納秋時雨宏虎
赤白のコスモス揺れて信号待つ満天
百選のため池めぐり猿茸やよい
墓地の上供えしごとくカンナ燃ゆ治男
明日の晴れ約束してる秋夕焼明日香
一枝に白と紅咲く芙蓉の花治男
到来の葉付きの酢橘藍の濃したか子
廃校の色かへぬ松亭亭たり愛正
佐渡見ゆる波消しに立つ残る海猫なつき
秋澄むや小道たどれば芭蕉句碑ぽんこ
古民家の納屋に絡まる烏瓜智恵子
せせらぎと虫のね合わす至福時ぽんこ
闘牛の花道橅の実を踏んでなつき
鴨渡る花博名残の大池にはく子
穭田に煙一本たなびけり宏虎
秋晴に鷺の滑空一直線菜々
秋晴の今日のひと日を有効に満天
延々と迂回路行くも台風禍せいじ
2018年10月08日
飛蝗放つ低く跳びけり長き距離たかを
さきがけは橋のたもとの桜紅葉ぽんこ
野分け去り青き落ち葉の吹き溜まる三刀
一陣の風に重たき稲穂かなせいじ
夕ざるる風音にさえ秋思ふと菜々
身振り大き子供和太鼓天高しやよい
青蜜柑アップダウンの島のバス宏虎
秋富士を一望の野や至福なるたか子
丈も向きも色も様様秋桜こすもす
天高く甍に遊ぶ鳩の群れぽんこ
秋天やステップ踏むか口笛ともとこ
秋霖や街灯けぶる浜通りそうけい
鳥居三つ潜る境内椎の秋こすもす
いつか空覆いつくして鰯雲菜々
秋暑しスクランブルの交差点満天
籾摺りや谷戸の夕暮れ煙立つ智恵子
運動会子を真ん中に昼食会治男
父兄らの揃ひのティーシャツ運動会満天
秋の梅雨子供の叫び光りけりたかを
ドアノブを握りて秋の蚊に刺さるさつき
境内を歩く足下木の実落つ明日香
手水舎の柄杓映すや秋の水愛正
紅葉山地震に崩れしままの肌なつき
大梨の器量よし悪し採る女治男
十月は農家嬉しき時なりぬ宏虎
闘牛や山神近く牛つなぐなつき
秋の雲鏡なす池深みどりやよい
曇天の庭華やぎて小鳥来る智恵子
急逝の悲しみの底秋日落つ明日香
秋の雲飛機に一太刀斬られけりたか子
コスモスの休耕田に乱れ咲くせいじ
2018年10月07日
倒れ伏す稲穂の無念棚田かな明日香
祭への車内にひびく武勇伝なつき
墓参り父亡き後の八十年治男
和やかや句座に蜜柑と饅頭とやよい
継がぬ子の帰郷稲刈り率先す宏虎
頑固さが出て貴の花そぞろ寒宏虎
秋の蚊の今よろよろと人をさす満天
宮域に通ずる宇治橋秋の水愛正
秋暑しベンチに人の姿なし満天
法螺貝を吹くは代継ぎ里祭こすもす
つぼみては折目正しき花桔梗菜々
秋風にゆったり回る転法輪ぽんこ
秋暑しブルーシートやあちこちにもとこ
金みこし軽トラに乗せ里まつりこすもす
野分またブルーシートを捲り上ぐせいじ
窓越しの秋日に浮かぶ畳の目三刀
黄金の稲田の波間陽の沈むたかを
稲刈りや少し早いと思ひつつ明日香
境内の澄んだ雪駄音宮相撲愛正
祭衆肩組み神馬囲みたりなつき
室外機フル回転なす秋暑し智恵子
放牧の眼下に広ぐ大花野智恵子
ささ揺れて源氏の庭の花桔梗菜々
秋暑し句座に法螺の音何処よりやよい
秋夕焼赤城山動ぜず黒々とたかを
落ちては登る亀の筋力秋の水ぽんこ
雲龍の水墨画めく野分空せいじ
サッカ−のゴ−ルに入りし秋夕陽治男
2018年10月06日
つんつんと安否確認秋の蜘蛛たかを
鎌倉道葛の葉覆ふ切通し愛正
秋天を抜けファンファーレ競馬場智恵子
木犀香師の句碑集ふ人包むなつき
澄む秋や声出して師の句碑めりなつき
身に入むや数多に屋根のブルーシート満天
秋の空さらに惑はす低気圧明日香
窓開ければ書類舞ひ散る秋暑しやよい
傘つぼむ前にドア閉づ台風裡明日香
声張上げて子どもだんじり里祭こすもす
秋高し古刹の鴟尾の光けりぽんこ
列車過ぐ煽る葉のなか葛の花愛正
レインボーブリッジ越えて月追いぬ智恵子
雲を衝く金木犀の大樹かなせいじ
子や孫とゴルフ冥加や紅葉晴宏虎
草刈機手こずる葛の葉畳にはく子
コスモスに帽子取られし作業女治男
台風の反れたる後も蒸しむしと菜々
焼きたての秋刀魚に絞るカボスかな三刀
軒先に献灯灯る秋の宵こすもす
珍しき連理の松や小鳥来る宏虎
四肢広げゆったり泳ぐ秋の亀ぽんこ
大樹いま咲きて金木犀と知るせいじ
秋風や子が母を追う暮れの園治男
台風の進路定まり安堵する満天
庭畑の間引き菜今朝の浅漬けに菜々
2018年10月05日
葛に埋まる参る人なき道祖神愛正
じっとして眠れぬ夜や青松虫もとこ
前かごの重き自転車秋暑しこすもす
赤とんぼ両成敗の取りあつこなつき
筒花火腕組みで出を待つ漢なつき
変色の和紙の綴じ糸古書の秋ぽんこ
蔦かずら灯りが漏るる蔵の壁愛正
秋霖のランウェイ進む白き鷺たかを
駅前の空地変じて芒原せいじ
棚代はりフェンスに凭れ大南瓜さつき
雨風に打たれてなほも鵙猛るさつき
夕暮れの畦に煙立つ蘆火かな智恵子
ひかりさし田は一面の豊の秋宏虎
車廃し自転車利用新松子治男
堤防の除草や残す曼珠沙華治男
何処から金木犀の風ほのと満天
黄葉のひとひら落ちる蟻弾くたかを
秋風や夫の歯のまた痛みだす菜々
人恋し夜や暗香の金木犀三刀
山積の手垢のついた古書の秋ぽんこ
下り坂走る自転車いわし雲こすもす
鉢へ水やればふうはり秋の蝶明日香
ポケットにラジオ孤高の松手入れやよい
爽やかや窓全開に体操す満天
山襞に朝靄のぼる秋時雨明日香
秋の夜のベランダに聴くクラシック智恵子
木犀の伐られで残る駐車場せいじ
夫の事母の事語りて夜長はく子
澄み切った空の碧さや小鳥来る宏虎
2018年10月04日
長き夜の机上に溜まるゴムの屑せいじ
湖岸宿かりがね寒き遊歩道愛正
落し水農夫喜び有頂天宏虎
この時期はこの道に決め金木犀たか子
アニメーションニュース目で追う夜の秋こすもす
着着と進む準備や秋大祭こすもす
疎に咲きし十月桜空真青やよい
鵙日和しきりに降るや鳶の笛やよい
傘の花ベランダ彩す野分晴れ智恵子
登り窯大き椿の実の灯るなつき
嵐跡闇に隠して月夜星智恵子
栗ごはん栗もお米も丹波産菜々
吹く風に動きの遅ししじみ蝶ぽんこ
防人の島の小径に落し文さつき
幟ゆれ売地に揺れるねこじやらし満天
被写体は雨粒光る彼岸花明日香
草虱肩につけたる登り窯なつき
恙なき二人のたつき栗ごはん菜々
台風で流れる家に人の立つ治男
草虱もうそのままに山を行くたか子
ゆったりと上下に交差秋の鯉たかを
曇天にうなだれている稲穂かな明日香
急磴来て一息つけば薄紅葉さつき
ビル風のめげぬ足許ちちろ鳴くぽんこ
潮騒と潮風による新松子宏虎
秋時雨訃報の回覧つぎつぎと満天
木犀の香に立ち止まる漢かな三刀
注解を繙く気分夜半の秋せいじ
秋霖や異国語ひびく露天風呂もとこ
わだかまり捨てて紫陽花秋気澄むたかを
運動会ブラスバンドに泣く幼児治男
2018年10月03日
身に入むや医師の所見は要検査せいじ
場所取りの列ながきこと運動会やよい
聴診器ブナの幹より秋の声愛正
白昼に狸のっそり無住寺さつき
奥利根の水鞠跳ぬる秋の声愛正
山際の畦に水禍の名残かなこすもす
紙ふうせんぽんとはじけて桔梗咲くはく子
秋日濃し今上棟の槌の音三刀
渓谷の一面に見ゆ蕎麦の花治男
枯れてなお笑うが如しコスズメカヤたかを
日帰りの天橋立秋日和こすもす
日本晴十月桜咲き初むるやよい
草の絮陶の武将の招き猫なつき
気場立てば丸き穴あく秋の雲なつき
旅の宿湯殿に映す紅葉かな智恵子
身に入むや拡大鏡で追ふ字引宏虎
大雨にBS乱るる台風来ぽんこ
貪欲に大口あける秋の鯉ぽんこ
早朝の一分冥想秋季澄むそうけい
捨て案山子お役御免に雀乗る宏虎
筆先にむらさきたっぷり桔梗描く満天
十字路に少し戸惑ふ秋の風たか子
雨上がり濃きむらさきの桔梗凛と満天
冬瓜に深き切り傷畑の隅たかを
台風過さぎの増え来る川の縁に明日香
井戸水の盥に浸す秋の草さつき
上機嫌ゴルフ土産や花すすきたか子
桐一葉澱みの木の葉旅立ちぬ智恵子
高三で教えし子等と秋の宴治男
朝一のレントゲン室冷えまさるせいじ
2018年10月02日
村祭りの分担知らす回覧版三刀
天高しノーベル受賞の報つづく満天
賞嬉し学究肌の弁さやかせいじ
相撲部屋一つ消えゆく秋思かな智恵子
羽布団へヘッドスライド猫沈むたかを
十月桜に会ふ久々のウォーキングやよい
自転車の軽きペタルや風爽やか満天
今年又振り返る路地金木犀たか子
葉っぱ皆落ちて柿の実のみ残るこすもす
音階の変はる水音下り簗愛正
スマホ今テロップ流れ小鳥来る菜々
秋雨や良縁願ふ笹くぐりなつき
真っ赤な顔僅差で一等運動会ぽんこ
天高し洗濯物も高々と明日香
落柿舎の句碑に影あり鹿威宏虎
栗飯の栗立ちており弁当箱治男
力石撫でるばかりや草の絮うつぎ
銀河濃しプラネタリウム寝息かなもとこ
友訪へば隣家の塀は金木犀こすもす
急ぎ参加句会に出され零余子飯治男
偕老と声交はし行く秋山路せいじ
ちらほらと十月桜ほの紅しやよい
テロップの文字追いかけて木の葉髪菜々
ネックレスしたき紫式部かなさつき
自動扉の開くや木犀にほひけりはく子
紅白の玉入れ競ふいわし雲ぽんこ
腹這いて虫の音聞く接骨院たかを
棚伸ばし糸瓜十本子規の庭なつき
屋号入り法被を纏ひ松手入さつき
菊の日や医学に光ノーベル賞たか子
運動会ゴールは親元大爆笑智恵子
森の有り古墳の有りて色鳥来宏虎
秋蒔きと植え替え進む昼下り明日香
2018年10月01日
暴風雨去りて華やぐ虫時雨たかを
白き茸光る長者の館跡なつき
一夜明け台風一過とはなりぬせいじ
台風に野良猫とても吾に寄り来菜々
物干台狭庭に匂ふ金木犀こすもす
木犀の風に向かひてペダル漕ぐせいじ
秋の暮我追う人か我の影治男
河原風押し戻される秋の蝶ぽんこ
ネクタイを締めし案山子の一等賞宏虎
黄落や大樹を囲み黄金なす智恵子
朝戸くる月中天に台風過明日香
桔梗や律義に星形くずさざりはく子
ジョギングに並走するかに赤とんぼさつき
十月の書き込み多しカレンダー満天
秋深し市民課の人テキパキとたか子
木犀のにほひやまざる宮処愛正
幹太き大蛇の松の色変えずなつき
いわし雲雑事あれこれ目白押したか子
一羽きて二羽きてどっと稲すずめやよい
稜線を越えて茜や鳥渡る智恵子
台風過駅は青空みなスマホもとこ
青空に雲流れゆき十月来満天
去りしあと又次の来る野分きかなこすもす
五つ六つ団栗拾う墓参道三刀
種をとるジャンボオクララを採らでおくやよい
稲雀かくれんぼするごと田圃明日香
颱風一過馴染みの山の青空へ治男
横顔の子規の切手や小鳥来る宏虎
庭の木々揺らし朝風爽やかに菜々
軽トラの触れもす野路の垂れ萩さつき
秋の夜や窓もテレビも暴風雨たかを
2018年09月30日
身にぞ沁む刀の眠る供養塔たか子
鰯雲映りて走る川流れ治男
秋夕焼トーフのラッパゆっくりとたかを
爽やかや四千勝の騎手会見満天
秋澄みて読経の低き声漏れ来せいじ
木犀のにほひやまざる宮処愛正
大茶盛り和気藹々の秋の寺こすもす
母の手や障子はる部屋今は無くもとこ
黄金の曼殊沙華あり古寺の庭せいじ
花もたげ土手を席巻葛畳はく子
靴磨きの客待ち一人秋日中なつき
友と論ず秋の政変呆け防止治男
野分前無事を祈りつ雨戸閉づぽんこ
真中にデンと構える大き蜘蛛たかを
崖下の地上絵めきし苅田かなこすもす
シスターの笑顔の挨拶爽やかに満天
釘付けの進路予想や野分の夜やよい
齢の所為センチになりぬ台風下宏虎
蓄音機針音刻む秋しぐれ智恵子
台風のニュースに終始落ち着かず菜々
焼き魚柚子の半切れ風味増す宏虎
風音に空掻き曇り台風来菜々
台風来少しの止み間竿外へ明日香
倒木の洞にニョキニョキきのこ生ゆ智恵子
やや慣れて台風迎へ打つ覚悟たか子
二十四号本土縦断九月尽三刀
フロントに地球儀置けり紅葉宿なつき
台風来止めても畑へ行く夫明日香
2018年09月29日
沿線にたわわに実る枇杷一本明日香
起き抜けの六腑に沁みる秋の水菜々
酒試飲下戸には甘酒秋灯下はく子
秋うらら山路に出会ふ家族連れせいじ
長き夜や乾きし音の爪を切る宏虎
磨かれし床に紅揺る紅葉かな智恵子
ライトアップの古刹の塔や深む秋こすもす
信長廟守る神木秋の風ぽんこ
亀一匹児らを遊ばせ秋の川たか子
台風来鉢の出し入れ手際よく明日香
ハ−ドルに跳ぶ脚伸びる天高し治男
芒根に紫紺の花や思草愛正
台風や交通網のずたずたに宏虎
雨風に打たれ地に伏す芒の穂三刀
ブルーシートに追い撃ち秋の台風来やよい
台風の早めの備へと気象予報満天
秋台風に備へスーパー人ひと人やよい
菜を間引く待てとばかりにバッタかなたかを
苔むす根つなぐ秋雨の夫婦杉なつき
皮膚科には子女の多しや秋の風治男
台風来と買い置き急ぎスーパーへ菜々
台風前鳴門金時無事到着満天
野紺菊栞に押して便りなす智恵子
秋晴れやコミセン親睦バスの旅はく子
薄紅葉いろは数えていろは坂なつき
見晴るかす大和三山秋さやかせいじ
災害の画面ばかりや身にぞ沁むたか子
参道の和傘の灯り宵の秋こすもす
2018年09月28日
初物の栗ごろごろと飯甘しやよい
梨を剥くたちまち黄金の帯となる三刀
秋日射す駅舎の前の靴みがきなつき
旅空に砂風呂重し暮の秋宏虎
台風を避け繰り上げの帰宅かなこすもす
園児らの手足揃ふや秋日和満天
俯瞰せる大和盆地は豊の秋せいじ
彼岸花ソーラーパネル田に並ぶなつき
ツィゴイネルワイゼン響く夜長かなたか子
哲学の道に繁茂や盗人萩明日香
白色の清しき朝の酔芙蓉はく子
あなたとの程よい距離や衣被もとこ
大ホールタクトが紡ぐ秋の音たか子
馬肥ゆるピザよパスタよ老いとても菜々
秋野菜歯応え愉快総入れ歯たかを
秋思憑く二上山頂皇子の墓せいじ
しめぢ屑鍋こってりと醤油の香ぽんこ
萩垂る水面に浸くもなほ垂れ明日香
野良着ほどくポケット隅に籾の殻やよい
校庭の竹馬教室いわし雲こすもす
ミニ鉄道お花畑を抜ける風智恵子
秋晴や新装開店長蛇の列満天
観音の薬指立つ秋思かなぽんこ
秋日射し植物の影窓越しに治男
宵闇に指差でなぞるやおおいぬ座愛正
競馬場勤務てふ彼爽やかに菜々
汽車を待つカメラ小僧や秋桜智恵子
秋日射し待つ部屋の灯も煌煌と治男