31 蕾もある今が見頃と牡丹園
30 降り出して虻の羽音の居づなんぬ
29 宿借りの潮騒にはや岩と化す
28 潮干狩り頭上に鳶の狙いをり
27 木蓮や駅舎の屋根の陰日向
26 極楽寺狭きお庭の白牡丹
25 桜蘂に足な取られそ坂下る
24 宮跡の空広ごりて雲雀鳴く
23 友の死や初夏の青空果てしなく
22 四阿に巣食ひし虻に逃げ惑ふ
21 碧眼の浴衣姿や祇園四条
20 濃き色や木の間に放つ古木藤
19 老鶯や八千歩目指す坂の道
18 鶯や今日は山から帰り来る
17 黄蝶の黄色の花へ身を隠す
16 木蓮や自転車少なき無人駅
15 藤の花芋虫が蝶になるごと
14 黒き土地球のかけら春耕す
13 藤のはなびら一つだけが厨まで
12 春の鴨汀の杭を余し立つ
11 朽ち果てし立木なれども藤咲けり
10 亀鳴きて明日香亀石不動なり
9 花の屑水掛地蔵のよだれ掛け
8 藤の花カメラに収め暮れにけり
7 病院の前に紅白さつき植う
6 春惜しむユニセフの色褪せし旗
5 花菜畑遊ぶ園児も黄色帽
4 七色の一口ゼリー並べ食ぶ
3 葉桜や過去軽くなる同期会
2 宮跡へ多武峰より春疾風
1 廃線のトンネルにある春の闇