一門の墓所なる茂りかな

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  • あひる:一門とは始祖を同じくする家系と捉えて、故郷に普通にあるそれぞれの家族や同族の墓所が頭に浮かびました。大きな霊園ではなく、丘の中腹にそれぞれ先祖代々の墓があっちの一族、こっちの一族と、木々の茂りに囲まれています。こんもりとした木々の茂りは一族を優しく包み込んでいます。盆の墓参りの頃には、木陰の墓所は蝉の声にも包まれています。 - 2023/06/02(金)
  • えいいち:茂りが夏の季語。一族の墓所ということから一世を風靡した武士や貴族の一族かと思いますが今はその墓石群も参る人も無く深い茂みに覆われてしまっている様子で何とも時代の流れは無情なものだなあと感じます。 - 2023/05/31(水)
  • せいじ:茂りが三夏の季語。先に茂りを見て、それが、ある有名な一門の墓所であることが分かったという印象を受ける。各地に散った平家一門の墓所の一つかもしれない。子孫が死に絶えて今は訪れる人もおらず、草木の茂るにまかせた墓所。一門の没落と草木の繁茂の対比が栄枯盛衰を物語っていて面白いと思った。 - 2023/05/31(水)
  • むべ:「茂り」が三夏の季語。一門というのは、俳人とその門人ということでしょうか。師が眠る墓所に、師を慕って門下生たちも一人また一人と集まって来たのかもしれません。街中の立地でも、霊園という場所は木々が多く静けさがあります。作者はやや遠くから「ああ、あの緑が鬱蒼とした一角は、門人たちが眠っているところだなぁ」と眺めているのかもしれません。一門のお墓が集まるにも、樹木が大きく成長して繁茂するにも、長い歳月がかかります。時の流れにも作者は思いをいたしているのでしょう。 - 2023/05/31(水)