震災に拾ひしいのち更衣

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  • あひる:命拾いという言葉がありますが、多くの死者を出した大震災をくぐり抜けた人々は、まさに拾った命という感覚があるのではないでしょうか。初夏の更衣は誰もが当たり前のようにする行為です。その当たり前のことが出来ていることに、心動かされます。 - 2023/05/29(月)
  • むべ:「更衣」が初夏の季語。作者は関西在住ですから、おそらく阪神・淡路大震災を指していると推察します。当たり前のように季節が巡り、当たり前のように更衣をするのですが、その日常にふと生かされている自分を発見した…ということではないでしょうか。もしかしたら、衣服の中に、どなたか亡くなった方から贈られたものがあり、それを目にしてその方との思い出が蘇ったかもしれません。 - 2023/05/29(月)
  • えいいち:衣替が夏の季語。衣替えは心を新たにして事に臨むというようなフレッシュな気持ちになりますが作者はもしかすると衣替えの度に自分の命が震災の時に無くなっていても不思議ではなく自分は震災の時に拾われた、新しい命であると念じつつ衣替えをしているのかもしれません。「拾いしいのち」という悲しみの見える命に「衣替」という生活感のある季語が希望を与えているように感じます。 - 2023/05/29(月)
  • せいじ:更衣が初夏の季語。震災経験者だからこその俳句である。死んでもおかしくなかったのに死なずに済んだ自分が、今年もまた夏が来て更衣をしていることに、あらためて摂理を感じている。更衣は新生にも通じるから、震災で亡くなった人のためにも生まれ変わってしっかりと生き抜く決意を表明しているのだと思う。 - 2023/05/29(月)