大樹海涼しき月を上げにけり

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  • あひる:大樹海というほどのものを見たことはありません。やはり有名な富士の青木ヶ原を想像します。まるで風船かバレボールをぽんと突き上げたように、夏の月が浮かんでいます。湿り気を含んだような、まだ明るさの残る空。その下は大樹海の黒々とした広大な影。平山郁夫画伯の画のような世界です。 - 2023/05/29(月)
  • えいいち:涼しきが夏の季語。思い浮かんだ情景は富士山の樹海青木ヶ原を一望する高台からの夜の眺めです。まるで樹海が月を持ち上げるように上り始めやがて中天に達し月明りで見える樹海は静かで沈んだ緑色の海のようです。昼の暑さはすでに無く人家の灯も一つも無く広大な樹海と夜空の大自然の中にぽつりと居る自分を感じます。 - 2023/05/28(日)
  • むべ:「月涼し」が三夏の季語。親季語は「夏の月」となります。「大樹海」と聞いて関東在住者としては富士山麓の青木ヶ原樹海を思い出しますが、もしかしたら他の地方かもしれません。大海原のような原生林は黒々として、そこから月が昇っている遠景の景色です。月はもしかしたらやや青白くて、大気も冷涼として、日中の暑さとは別世界だったのかもしれません。この句でも主語は大樹海であり、月を上げているというところが大変面白いと思いました。 - 2023/05/28(日)
  • せいじ:月涼しが三夏の季語。樹海とあるので高所から樹林を見ていると思われる。夏の空はまだ暮れ切っておらず、月は上がったばかりであり、樹海は樹海としてまだよく見えている。残照の中、上方に展けた大樹海の上に、掲げるようにして上弦の月がかかっている。涼しげな大きな景色である。 - 2023/05/28(日)