凭れあふ羅漢に永き日なりけり

この作品への合評記事を投稿する。

修正はできませんが、削除・再投稿ができます。

  • せいじ:永き日が春の季語。風化して凭れあうようになっている石の阿羅漢たちに、暖かい春の日が降り注いでいる。「永き日」には、冬という厳しい季節を通過した後にくる「春の日」のニュアンスが感じられるから、苦しい修業に明け暮れたであろう羅漢たちに降り注ぐ日は、「春の日」ではなく、「永き日」がピタッと来る。 - 2023/02/25(土)
  • むべ:「永き日」が春の季語。羅漢というと、鎌倉・建長寺の五百羅漢を思い出してしまうのですが、屋内に整然と並んだ羅漢ではなく、嵯峨野・愛宕念仏寺にある屋外の千二百羅漢のような石像かもしれません。風雨にさらされ朽ちたり苔むしたりしている羅漢像が、斜めによりかかるように絶妙なバランスで立っている様子を思い浮かべました。千年単位の時の流れと、昼の時間が長くなる春という季節が重なり合い、ハーモニーとなる一句だと思いました。 - 2023/02/25(土)
  • 素秀:羅漢の表情はいろいろ、悪い相談をしているように見える者もあるかも知れません。顔を寄せ合って何やらささやきあう羅漢の一日はまだまだ終わりそうにありません。 - 2023/02/25(土)
  • あひる:だんだんと昼が永くなってくる春。羅漢には人間味あふれるものも多いようで、ささやき合っている姿もあります。動くはずはないのですが、凭れ合うこの二人の羅漢はこの姿勢でいったいいつまで凭れ合っているのかな…と、永き日にふと思ってしまいそうです。 - 2023/02/25(土)
  • 豊実:たくさん並んでいる羅漢像の内、二つだけが傾いて互いに凭れあっているのではと思いました。夕刻になっても、羅漢像全体にも穏やかな春の日が差し掛かっています。 - 2023/02/25(土)