みのる:空が青いというのは良く晴れて燦さんと日差しが降り注いでいるということ。作者は曇天の日にも通ってきた体験があり、その違いに驚き納得したのです。作者はこの場所が大好きで足繁く通っているのでしょう。花や植物が発する匂いは光合成と密接な関係がるということですね。

康子:十七文字に五感が溢れていると感じました。白い小さな花と青い空を想像したところに「よく匂ひ」の下五。香り来る風も感じ一気に景が広がります。「よく匂ひ」の語順により香りの良さはさらに伝わってきます。初夏の清々しい景色を楽しみつつ「今日は特別!」という作者の感動が伝わってきました。

澄子:例えば 空の青さに匂ひけり、でも意味は通じるのですが「空青き日はよく匂ひ」とした方が真っ青な晴天、匂いの拡がり等感覚に直に訴えてくるような動きのようなものが生まれるのかと思いました。微細な事かもしれませんが やはりよく晴れた日の方がより香りが強くなるのは事実かと思います。花みかんと平仮名にしたことで蜜柑の白い花も視えてきます。私の実家は密柑山傍にあるので山全体が香っている……そんな景を思い出しました。

かえる:みかんの花は良い匂いがしますね。小さな地味な白い花に、大きな実をつけようという意気込みが溢れているようです。青い空に白い花、葉の濃い緑のコントラストが美しく、ここに爽やかな香りが加わり、初夏の浮き立つような気持ちが伝わります。作者はベランダで洗濯ものを干したりされているときに、香りでみかんの開花に気付いて心が弾んでいるのかもしれません。

むべ:視覚的には、青空と山の斜面に植えられたみかん畑、満開のみかんの白い花。また、嗅覚という意味では、下五の「よく匂ひ」から、ほのかに漂う柑橘系の香りを想像させます。降り注ぐ日差しの強さと気温の高さも想像でき、初夏の季感がよく表されていると思います。「蜜柑の花咲く丘」という曲を思い出しました。