みのる:翠巒…という措辞が滝だけでなく二タ分けされた周囲の山肌の様子にすら神々しさを感じさせます。多分那智滝だと思うので参考写真を貼りました。荘厳な風景ですね。

康子:緑豊かな山を真ん中で切るように真っ直ぐに滝が落ちている。緑が美しく見えるので空も青いのでしょう。色彩豊かな句です。その美しい景色を目の前に「神の滝」と表現した感性に感服します。

澄子:「翠巒」初めて識る言葉でした。みどり色の峰、連山とありました。「神の滝」ですから滝そのものが御神体なのでしょう。高低落差のある長い滝を想いました。深山幽谷神秘的で雄大な景を平易に詠まれていらっしゃいます。

むべ:山々をかなりの高さから落ちる滝。「翠巒」から奥深い山の連なりを、「神の滝」から豊富な水量の大滝を想像しました。もしかしたら、熊野那智大社の滝のように滝そのものが御神体なのかもしれません。そこには圧倒されるような存在感と迫力、神が宿っているかのような荘厳さに、作者は感動したのではないでしょうか。

かえる:神の滝ですから、いわゆる名瀑といわれるような見事な景観なのでしょう。二タ分けから、華厳の滝のように、あまり横に広がらずに高いところから勢いよく縦に落ちていく滝の光景が浮かびます。夏の盛りで水量も充分。濃い緑の山々を掻き分けるような真っ白い滝の流れは圧巻で、作者はその場に山の神の気配を感じたのかもしれません。

えいいち:翠巒の意味が分からないので検索しました。それで山間に落ちる滝が連なる緑の山を二つに分けているという句意が分かりました。私がこの句から思い浮かぶ景色は深い緑の山の連なりを真二つに分ける白い筋の滝です。山を二つに分けてしまうのだから相当な高さの滝なのだと思います。その姿に作者は近寄り難い厳粛で神々しさを感じ神の滝としたのではないでしょうか。私は夏の称名滝を思い浮かべました。こういう厳粛で壮大な自然を見ると人間は小さいものだあと思います。