むべ:「初戎」が新年「十日戎」の子季語です。パチンコ屋さんて元日から開いていますよね。初戎は1月10日ですので、松の内も明けているのですが、次々にお客が吸い込まれていくパチンコ屋さんの前を作者は通りかかったのではないでしょうか。そして今日はそういえば初戎だったな、と思いいたります。商売の神様だそうなので、味わうほうはそこになるほどと思わされます。もう一つのパターンとしては、作者自身が初打ちに出かけたという可能性ですが、その可能性は低いでしょうか(苦笑)。

かえる:初戎が新年の季語である十日戎の子季語です。商売繁盛の神様ですから、参拝のあとは少しばかり気が大きくなり、パチンコ屋で今年最初の運試しをする人も多いのかもしれません。不況などどこ吹く風と、混み合う店内を作者は外から眺めて感心しているのではないでしょうか。しっかり儲けたパチンコ屋さんは、神社にお参りをして、さらなる商売繁盛を願いお賽銭をはずむのでしょう。よって戎さまもまた不況知らず。流石に商売繁盛の神様です。

澄子:「初戎」が新年の季語。新年十日戎も主に商売繁盛を願うものらしいので 不況知らず大盛況大繁盛のパチンコ屋との取り合わせに説得力とリアリティを感じました。私自身はパチンコ屋のない街に住みたい……。

康子:「初戎」が新年の十日戎の子季語。商売繁盛を願う新春恒例の年中行事。パチンコ屋は昔から不況に強いと言われる。初戎の帰り道、大盛況なパチンコ屋を横目に「えべっさん今年も頼むよ!」と新たな年に向けての期待を持ちながら歩いている様子を想像します。「初戎」の大盛況な様子やパチンコ屋の賑やかな雰囲気により「不況」の文字がありながらも新年の明るいイメージの句になっていると思いました。

せいじ:初戎が新年の季語。戎神社は、商売繁盛、家内安全、開運招福などのご利益があるというが、1月10日の初戎の日、神社のある駅前のパチンコ屋は大満員、多くの人が福笹を提げている。おかげで、パチンコ屋は不況知らず、大繁盛しているが、この日は出玉の大盤振舞をしているのかもしれない。