むべ:「天高し」が三秋の季語。作者は見送るほうか、見送られるほうかこの句からはわかりませんが、青空に汽笛が響く様子がなんとも朗らかで明るく、また爽やかな感じがします。船旅の安全を祈る心も含まれているように思いました。

えいじ:「天高し」は、三秋の季語です。秋の高く晴れ渡った空のもと、今まさに船は汽笛を大きく鳴らして港を離れようとしています。汽笛は、秋の天空に響き渡ります。それは、旅立つ人の残る人たちへの別れの挨拶なのかもしれません。そして、詠み手は見送くる人たちとともに、旅立つ人の安全と楽しい航海を祈っているのではないでしょうか。宜しくお願いいたします。

えいいち:天高しが三秋の季語。汽笛一声というと鉄道唱歌を思い出しますがこの句ではめでたい船出の句のようです。秋の晴天に希望乗せた船が元気よく出ていく情景が思い浮かびました。

あひる:天高しが三秋の季語。一隻の客船が汽笛を鳴らし、港を出ていきます。汽笛は通常ブォーという低い音で三回鳴らされるようですが、その最初の一声が高い秋の空に上っていく瞬間を詠んだのかと思います。この一声は見送る人たちへの挨拶のようです。高く澄んだ青空が、この船旅を祝福しているようでもあり、あるいはこの別れを優しく包んでいるようでもあります。

せいじ:天高しが三秋の季語。作者の立ち位置については、個人的な思いかもしれないが、「汽笛一声」に自分自身の旅立ちの喜びが感じられたので、岸壁から港を出ていく船を眺めているというよりは、舳先に立って自分もともに船出していると取った方がよいのではないかと思った。秋の青空の下、意気揚揚と船出する姿に青春の息吹を感じた。